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資料1 全国学力・学習状況調査における対象教科の追加について

平成22年10月29日

                                            教科追加の検討に関するワーキンググループ

1.対象教科の追加について

 ・平成24年度から、全国学力・学習状況調査に追加することを検討する教科については、「理科」とする方向で今後検討を進める。

・社会、英語については、理科における詳細設計等の検討状況や準備状況を踏まえつつ、改めて検討する。

2.「理科」追加の検討を進めることとする理由

(1)「理科」を追加することの固有の背景

○児童・生徒の「理科離れ現象」が指摘されていることを踏まえ、学力や関心・意欲・態度など学習状況の経年変化の把握、クロス集計を用い児童・生徒の特性・属性ごとの学力・学習状況を把握・分析し、実態の把握や課題の改善に向けた取組につなげていくことが必要

○我が国の理数教育の国際的通用性が問われていることや、科学技術の土台である理数教育の充実が求められていること等を踏まえ、新学習指導要領において「理数教育」を充実

○国際的な学習到達度調査であるTIMSSは「理科」を、PISAは「科学的リテラシー」を調査内容としており、理科や科学が現代社会において子どもたちの学ぶべき現代の基礎学力であることが国際的に認知されていると捉えることが可能

政府の新成長戦略においても「国際的な学習到達度調査において日本がトップレベルの順位となることを目指す」とされ、具体的な成果目標も示されていることから、その実現のため、TIMSSの「理科」及びPISAの「科学的リテラシー」と関係が深い「理科」を対象教科とすることは有意義

(2)「観察・実験」の取扱い

○理科においては、観察・実験が重視されるが、筆記調査では、測定が困難な側面があることが課題となるが、これについては、「特定の課題に関する調査」などの異なる方式の調査を充実し、全体として目的の実現を図る

3.社会、英語について

○社会、英語については、理科における詳細設計等の検討状況や準備状況を踏まえつつ、改めて検討する

 

全国的な学力調査に「社会」を追加する場合の検討課題

○全国的な学力調査として「社会」を追加する場合、社会科の課題である、よりよい社会の形成に向け、主体性をもって社会に積極的に参画し問題を解決していくことができる資質・能力がどの程度身に付いているかなどを検証する調査とする必要がある。

○また、社会科の課題を踏まえ、社会的事象に関心をもって多面的・多角的に考察し、公正に判断する能力と態度を養い、社会的な見方や考え方を育てるなど、社会科が目指す方向に沿った調査とする必要がある。

○新たに開発する調査は、授業の改善を進めることが可能となるような、社会科における学力モデルにつながる調査とすることが必要である。

○社会科は、内容教科と呼ばれるように単元ごとに異なる内容を扱うことが多く、調査結果を返却し授業の中で活用する方法について課題となる。調査結果を返却し授業の中で活用する方法についても示唆がえられる情報発信を行うことが必要である。

○社会科において、実際の生活に生かす思考力、判断力、資料活用能力、課題解決能力等が問われることを踏まえ、例えば、調査において、教科書や資料の持込みを可能とするとか、与えられた資料から課題やテーマを設定するなど、学習の過程が分かる問題を工夫する必要がある。

また、その学力調査の導入に際しては、採点結果の信頼性に課題が生じる点を克服する必要がある。

1.「社会」の調査で求められる力

○中央教育審議会で指摘された「新しいものを創りだし、よりよい社会の形成に向け、主体性をもって社会に積極的に参加し問題を解決していくことができる力を身に付けさせること」等の重要性に鑑み、1基礎的・基本的な知識・概念の習得、知識・技能の活用、2我が国の伝統や文化に関する内容、3諸外国についての基礎的な知識を習得させるための世界の地理や歴史の内容、4社会形成に積極的に関わっていく資質や能力の形成(社会参画の資質や能力)が子どもにどの程度身に付いているかを検証する調査を実施することが必要である。

○また、社会科の課題を踏まえ、社会的事象に関心をもって多面的・多角的に考察し、公正に判断する能力と態度を養い、社会的な見方や考え方を伸長させるなど、社会科が目指す方向に沿った調査とする必要がある。

○授業の改善を進めることが可能となるような、社会科における学力モデルにつながる調査とすることが必要。また、一定期間ごとに社会の調査モデルを示すことで、教育委員会等が独自に作成する調査問題の質的向上につなげる必要がある。

2.「社会」に関する他の学力調査の趣旨・目的等の整理・調整

○教育課程実施状況調査や特定の課題に関する調査など、「社会」に関する学力調査が行われてきている。全国的な学力調査に社会科を追加する場合は、平成22年度と同じ実施目的、小学校6学年及び中学校第3学年の4月の実施を念頭に置きつつ、他の学力調査との関係を十分に整理する必要がある。

3.出題内容の課題

○全国的な学力調査が最終学年の4月に実施されることから、歴史的内容を含む小学校6学年の学習内容及び公民的分野全体を含む中学校第3学年の学習内容が、ほとんど出題できないことを踏まえる必要がある。

(参考)

・最終学年における主な学習内容(=出題できない内容)

小6社会:日本の歴史、政治(憲法・民主主義等)、世界の中の日本の役割

中3社会:歴史的分野の一部(130単位時間中40単位)と公民的分野の全て

4.調査結果のフィードバックに係る制約

○新学習指導要領が求めている今日の社会に生活する子どもの教育に不可欠な資質・能力である「社会参画の資質や能力」の育成の要請に応えるためには、一人ひとりの子どもが社会に関する知識・概念・技能を習得しているかを把握し、個々の児童生徒にフィードバックしていくことが望まれる。また、そのような取組は教師の教育力の向上にもつながる。

○一方、社会科は、内容教科と呼ばれ、単元ごとに異なる内容を扱うことが多く、国語、算数・数学のような、いわゆる道具的教科、積み上げ教科とは異なる課題が生じる。

社会科については、調査の出題内容と最終学年での学習内容が大きく異なることを踏まえ、調査結果の返却と伴に、授業の中で活用する具体的なアイデア例を現場に発信するなど、授業改善につなげる取組が必要である。

5.「知識」、「活用」という枠組みに関する課題

○社会科においては「知識」、「活用」という枠組みによって「知識」を切り分けることが、知識の暗記や学力調査への直前対策などの弊害を生む恐れがある。

○資料の活用という点から、PISA型読解力の連続・非連続テキストの問題の作成は可能であると思われるが、実際の生活に生かす思考力、判断力については、個々の課題に対する問題解決能力を問うこととなる。

○例えば、調査において、資料集や教科書の持込みを可能とする問題や、与えられた資料から課題やテーマを設定する問題、文字答案だけでなく、作図・作表、地図への記入、歴史資料の作成を伴う問題など、思考の過程が分かる工夫をする必要がある。

○社会科に求められる、このような学力調査では、ペーパーテストでは一定の基準による採点が難しく、採点結果の信頼性に課題が生じる。社会科の導入を検討する際には、この問題を克服する必要がある。

6.社会科において「読解力」を測定する調査問題を開発することの課題

○国際的な学習到達度調査の特に「読解力」は、国語科の学力のみでは対応できない。今後は基礎的・基本的な知識・技能とともに、それらを生かして社会とどのようにかかわっていくかが求められることを踏まえ、そのような資質の把握と向上に向けた指導の充実に向けた取組が必要である。

7.その他(調査方式に係る意見)

全国的な学力調査を悉皆方式で行うなどにより、調査結果がすべての児童生徒にフィードバックされるよう配慮することが望ましい。

 

 全国的な学力調査に「理科」を追加する場合の検討課題

○PISAやTIMSSは、様々な国が参加することを想定した問題作成が行われており、日本の教育課程を直接に反映しているわけではないことを踏まえ、全国的な学力調査に理科を追加する場合は、我が国の教育課程の基準に対応した調査とする必要がある。

○調査は、観察、実験、自然の事物・現象についての理解、科学的な見方や考え方など、学習指導要領が目指す方向に沿った調査とする必要がある。

○なお、理科において重視される観察、実験については、かつての「特定の課題に関する調査」のような、現在の全国学力・学習状況調査とは異なる方式の調査を併せて実施することを含め、十分な検討が必要である。

○理科の場合、個々の学習内容が相互に独立していることから、「知識」を問う問題の作成には一定の制約がある。また、「活用」を問う問題を作成する場合には、他の教科や総合的な学習の時間などでの学習成果も視野に入れる必要がある。

○理科の記述式問題の場合、算数・数学より相当多くの採点に係る時間を要するので、そのことを踏まえた採点体制や採点スケジュールを構築する必要がある。

○「児童・生徒の理科離れ現象」が指摘されていることを踏まえ、学力・学習状況の経年変化を把握することや、クロス集計を用いて、児童・生徒の特性・属性ごとの学力・学習状況を把握・分析したり、学力・学習状況の経年変化の分析を行うこが必要。

1.「理科」に関する他の学力調査の趣旨・目的等の整理・調整

○PISAやTIMSSといった国際学力調査では、「理科」や「科学的リテラシー」が調査内容となっており、理科や科学が現代社会において子どもたちの学ぶべき重要な内容であることが国際的に認知されている一方で、PISAやTIMSSは、様々な国が参加することを想定して問題を作成しているため、日本の教育課程の基準を直接的に反映しているわけではないので理科に関する他の学力調査との目的の差異化が必要である。全国的な学力調査に追加する教科の調査は、日本の教育課程に対応した調査とする必要がある。

○調査は、観察、実験、自然の事物・現象についての理解、科学的な見方や考え方など、理科の学習指導要領の目標が目指す方向に沿った調査とする必要がある。

(参考)

・小学校指導要領 第4節理科第1目標

自然に親しみ,見通しをもって観察,実験などを行い,問題解決の能力と自然を愛する心情を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を図り,科学的な見方や考え方を養う。

・中学校学習指導要領第4節理科第1目標

自然に対する関心を高め,目的意識をもって観察,実験などを行い,科学的に調べる能力と態度を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を深め,科学的な見方や考え方を養う。

2.問題作成上の課題

○学習指導要領の基準性を考えると、理科で培われる学力の範囲をどのように設定するかを検討する必要がある。

○「理科」の場合、個々の「学習内容」が相互に独立しており、また「学習内容」自体が学習指導要領で明確に限定されているので、「知識」を問う調査問題の作成では、どうしても同種の問題(あるいは類似した問題)とならざるを得ない。この点をどう克服するか検討する必要がある。

○「理科」では、「実験・観察を通した学習」が重視される。したがって、単なる「知識」を問う問題だけでなく、「実験・観察」という場面を踏まえた問題の作成が課題となる。例えば、「特定の課題に関する調査」のような実験場面等のビデオを視聴しながら解答するといった方法など、実験・観察が軽視されることのないよう配慮が求められるが、出題・採点のコストなども踏まえ、現在の全国学力・学習状況調査とは異なる方式の調査を併せて実施すること等も含め、十分な検討が必要である。

○「理科」の学習成果を「活用」という場面で捉える場合、関連する他教科(例えば、「技術・家庭科」「保健体育」)や「総合的な学習の時間」、さらには、今回の学習指導要領の改訂で強調されている「社会の変化への対応の観点から教科等を横断して改善すべき事項」の中の「情報教育」「環境教育」「ものづくり」「食育」「安全教育」等での学習成果も視野に入れていく必要がある。

○最終学年の4月に実施されることから、新しい学習指導要領で追加した項目が多く含まれている小学校第6学年、中学校第3学年3の学習内容が出題できない。

(参考)・最終学年における主な学習内容(=出題できない内容)小6理科:燃焼の仕組み、水溶液の性質、てこの規則性、電気の利用、人の体のつくりと働き、植物の養分と水の通り道、生物と環境(食物連鎖など)、土地のつくりと変化、月と太陽

中3理科:運動とエネルギー(運動の規則性、力学的エネルギー)、化学変化とイオン(水溶液とイオン、酸・アルカリとイオン)、科学技術と人間(エネルギー、科学技術の発展、自然環境の保全と科学技術の利用)、生命の連続性(生物の成長と植え方、遺伝の規則性と遺伝子)、地球と宇宙(天体の動きと地球の自転・公転、太陽系と恒星)、自然と人間(生物と環境、自然の恵みと災害、自然環境の保全と科学技術の利用(再掲)

※下線は、新しい学習指導要領で新規に追加した項目

3.採点の課題

○採点に係る時間について、「理科」の記述式問題の場合、算数・数学より相当多くの時間を要するので、そのことを踏まえた採点体制や採点スケジュールを構築する必要がある。

4.実施頻度等

○実施頻度については、国語、算数・数学のように、毎年ではなく、3年に1回程度とすることが、実施面からも妥当と考えられる。また、「希望利用方式」を利用した場合に、学校現場等での採点における比較的な困難さがあることも踏まえ、実際に調査を開始する前に、解答類型の設定や採点上の課題など検討すべき課題の検証等のため予備調査を行うことが望ましい。

5.教育現場へのフィードバックの強化

○本調査結果の実践現場のフィードバックとして、「学校改善支援プラン」等の公開・提供をさらに促進し、調査に直接参加しなかった学校等の学校改善・授業改善に役立てる方策を検討する必要がある。特に、小学校理科において、理科指導を苦手とする教師にも具体的に参照できるものを検討すべきである。同様に、教員養成の場や現職研修の場などでの活用を図る必要がある。

○「児童・生徒の理科離れ現象」が指摘されていることを踏まえ、学力・学習状況の経年変化を把握することや、クロス集計を用いて、児童・生徒の特性・属性ごとの学力・学習状況を把握・分析したり、学力・学習状況の経年変化の分析を行い、教育現場へフィードバックすることが必要である。

6.質問紙調査との連携

○理科についても、国語や算数・数学と同様、教科に関する学習意欲や学習方法等に関する質問紙調査を実施し、学力との関係等の分析を行うことで、現場の教育改善に資する情報をフィードバックしていくことが望ましい。その際、質問の内容は、日本の理科の教育課程の特徴を踏まえた項目となるよう留意する必要がある。

7.児童生徒への負担の考慮

○「理科」の学力(知識・理解・活用力)が「現代の基礎学力」の一つであるという認識は、国際的に認知されており、国語や算数・数学と同 等の教科という捉え方が可能である一方、「理科」の学習領域は多岐に渡ることを考慮すると、すべての領域について一度の調査で出題 する場合、児童生徒への負担が大きい。このため、現在の調査のように「A問題(主として知識)」「B問題(主として活用)」のように分けて問うのではなく、一体的に問うことや、一度の調査ですべての領域について出題するのではなく、領域を限定して出題すること、また、他の教科の調査時間等の見直しなどの工夫も検討する必要がある。

 全国的な学力調査に「英語」を追加する場合の検討課題

○全国的な学力調査として「英語」を追加する場合は、我が国の生徒の英語力の経年変化も把握できる調査とするとともに、我が国の英語教育で補強すべき分野や各学校の指導の力点、各生徒の効果的な学習方法に資する客観的なデータが得られる調査とする必要がある。

○調査は、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養うなど、新学習指導要領が目指す方向に沿った調査とする必要がある。

○また、開発に当たっては、EUにおけるヨーロッパ共通参照枠(CEFR)の取組を参考に、英語教育の成果や生徒個人の英語学力の測定について検討する必要がある。

○本調査により英語教育の成果検証だけでなく、各学校で活用できる評価方法のモデルを提供する契機とすることが必要である。

○新学習指導要領においては、外国語(英語)の授業時数や聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなどの言語活動の充実を図っており、それに応じて学校単位で行われているテストにおいても、言語知識のみならず言語の運用能力を如何に測定するかが重要な課題となっている。それに応じて学力調査でも知識のみならず、言語の運用能力を測定することが重要な課題となる。

○例えば、中学2年までの教科書に共通に扱われている単語等に限定されるなど、英語の出題に関しては、公平性への配慮から生じる制約が特に大きい。問題作成に当たっては、これらの課題を解決する必要がある。

○筆記試験のみを行うことの波及効果により、聞き、話す技能が軽視され、文字による理解や言語に関する知識・理解に重点を置いた指導が行われることが懸念される。聞くこと、話すこと、読むこと、書くことの4技能のバランスのとれた育成を求める新学習指導要領の趣旨を踏まえた調査が求められる。

1.英語教育の成果や、生徒個人の英語学力を測定する調査の必要性

○英語については多様な目的によって多くのテストが国内外で開発され、多様な目的で実施されているが、ある国の特定の英語教育の成果の検証や、生徒個人の英語学力を診断し学習指導に生かすための調査はなかった。このことを踏まえ、今後は、英語教育の成果や、生徒個人の英語学力を診断する調査を開発していく必要がある。

○開発する調査は、時系列でも把握でき、世界基準との関係を知る調査とし、我が国の生徒の英語力が向上しているのか、我が国の英語指導はどの分野をどのように補強しなければならないのか、各学校はどこに指導の力点をおくべきなのか、生徒一人ひとりにはどのような学習方法を進めるべきか等の重要な事項に資する客観的なデータが得られる調査とする必要がある。

○調査は、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養うなど、学習指導要領が目指す方向に沿った調査とする必要がある。

○我が国では数年前に体系的な評価規準が設定され、目標準拠評価を行う試みがはじまった。また、EUでは、「ヨーロッパ共通参照枠( Common European Framework of Reference for Languages:CEFR)」などヨーロッパ言語に共通の絶対的基準に基づいたレベル設定を行う試みがなされている。このような状況も視野に入れながら、我が国が、独自の評価測定法を開発することは有意義であり取り組むべきである。

2.英語指導の目的に係る課題

○語彙力、文法に関する知識、英語という言語に関する背景的知識、文化に関する知識、実際の場面における適切な言語使用に関する知識が必要であることはいうまでもないが、社会や経済のグローバル化の急速な進展に伴い、異なる文化の共存や国際協力が求められている。また、人材育成面での国際競争も加速している。これら我が国をとりまく環境を鑑み、新学習指導要領においては、外国語(英語)の授業時数や聞く・話す・読む・書くなどの言語活動の充実を図っており、それに応じて学校単位で行われているテスト、考査においても、言語知識のみならず言語の運用能力を如何に測定するかが重要な課題となっている。

○実際の教育現場では、教員が言語の運用能力をテストするための適切で実行可能な道具と方法を必ずしも手中に収めているとは言い難い状況を踏まえ、本調査においては、カリキュラム評価などの英語教育の成果検証だけではなく、各学校で使える評価方法のモデルを提供する契機とする必要がある。

3.調査の内容、設定方法、留意点に係る課題

○本調査の詳細設計に当たっては、調査項目を入念に作成し、信頼性、妥当性の検証を想定し調査細目(調査の青写真)を入念に作成することから始めるべきである。そのためには、これまで学術研究の分野で行われている言語運用能力のモデルを考察するのみならず、指導に直接かかわっている教員の言語観、指導の観点なども考慮することが必要である。

○特に、1相対的優位性(これまで行われてきたものより良いと使用者が認めること)、2両立可能性(既存の価値観や過去の体験・ニーズに一致していること)、3非複雑性(採用のために新しい技術・知識を習得する必要がないこと)、4試行可能性(小規模レベルで分割して試すことができ、手間のかかる準備をせずに試しに使ってみることができること)、5観察可能性(成果を容易に見ることができること)の5点について、開発当初より考慮する必要がある。なお、これらの条件は調査開発者が教育現場を熟知している必要があることを示している。

○テストを開発して実施し、データを分析し、結果を公表するだけでは、現場に反映されるとは限らない。調査の趣旨を教員、生徒、保護者、教育委員会などを含めた我が国全国民の共通理解とする必要がある。調査においては、さらに結果の意味、解釈のしかたなどについても誰でもわかる語彙を使いながら普及させるようすべてを同時進行で行うなどの配慮が必要である。

○例えば、中学2年までの教科書に共通に扱われている単語等(単語・連語及び慣用表現や文法事項)に限定されるなど、英語の出題に関しては、公平性への配慮から生じる制約が特に大きい。問題作成に当たっては、これらの課題を解決する必要がある。

4.波及効果の問題

○筆記試験を国が実施すると、波及効果により、聞き、話す技能が軽視され、文字による理解や言語に関する知識に重点化した指導が行われるようになることが懸念される。これは「聞くこと」、「話すこと」、「読むこと」、「書くこと」の4技能のバランスのとれた育成を求める学習指導要領の趣旨に合致しない。

面接等の実技試験を実施した場合、多数を対象にできない。また、評価者の研修なども課題となる。

※評価の観点とテストの関係

コミュニケーションへの
関心・意欲・態度

(外国語)表現の能力

(外国語)理解の能力

言語や文化について
の知識・理解

面接等

<文字> 筆記
<音声> 面接等

<文字> 筆記
<音声>記述・筆記

筆記・面接等

お問合せ先

初等中等教育局学力調査室

03-5252-4111(内線3732)

-- 登録:平成22年11月 --