平成22年4月13日(火曜日)17時~19時
文部科学省3階 第1特別会議室
無藤座長、秋田副座長、赤石委員、岩立委員、太田委員、岡上委員、押谷委員、神長委員、神村委員、岸本委員、木下委員、河野委員、嶋田委員、角田委員、北條委員、向山委員、山本委員、湯川委員、若盛委員
金森初等中等教育局長、德久大臣官房審議官、濵谷幼児教育課長、先﨑幼児教育企画官、梶山教育課程企画室長、湯川幼児教育調査官、津金幼児教育課教科調査官 他
丸山保育指導専門官(オブザーバー)
(○は委員の質問、●は発表者からの回答)
○ 「無自覚な学び」と遊びとの関係についてどのように考えておられるか、教えてほしい。
● 幼稚園の遊びには、楽しいこと、身の回りのすべてについて知ること、作り出すこと、集中することの4つの側面があると考えている。ただ楽しいのではなく、幼児が能動的に、物事に集中できる力を育てることに、幼稚園教育の遊びの意味がある。
(○は委員の質問、●は発表者からの回答)
○ 状況が整っている中での研究とはどういう意味か。
● いろいろな条件が整っているということ。例えば、近隣に小学校があること、幼稚園と小学校の教員のかかわりが日常的にあり、指導観が共有できる状況にあることなどである。多くの園でいかに幼小連携・接続の研究成果を生かせるかが課題である。
(○は委員の質問、●は発表者からの回答)
○ 保育所と小学校の連携を6年間継続して実施しておられるとのことだが、小学校の教員も異動されるなど連携を継続することの難しさがでてくるのではないか。毎年、工夫が必要だと思うが、具体的にどのような工夫をされているか。
● 本園も6年で2度園長が変わっている。連携を継続的に実施していくためには、職員の中で実践を報告し、共通理解を図ることにより、園全体のものにしていくことが大切である。このため、連携の実践を記録に残すこと、園内でプロジェクトチームをつくり、連携を進めることなどを行っている。職員メッセの在り方が課題である。
○ 保小連携の取組を実施してきたことにより、保護者の意識はどう変わったか。
● 本園の園児18人が11の小学校へ就学しており、一概にはいえないが、保小連携の取組を実施することで、保護者が安心できる学びの場としての保育所と小学校がつながっていることを認識できるようになったと思う。
(○は委員の質問、●は発表者からの回答)
○ 生活科では知的に高いレベルの学習が行われており、子どもたちが本当に真剣になれる。幼児期の教育で様々な内容を幼児は学んでいる。小学校の教師の指導力、授業の構成力など教育の質が問われる。小学校において、全校体制でスタートプログラムが必要との発表だったが、プログラムの具体的な内容はどのようなことが考えられるのか。生徒指導も大事だが、授業の内容の質が変わることが重要である。
● 多様な子どもが4月に小学校に入学してくるが、小学校の生活にどう慣らしていくかが課題。集中できない子の対応は担任一人では難しい。学校全体で取り組もうとする校長の姿勢が重要である。生活指導面の取組だけでは解決しない。
(○は委員の発言)
○ ギャップが原動力になるという考えもあるが、今はギャップがありすぎる。共通化していく手立てをここで協議していくことが必要である。
○ 公立と私立とで方向性が必ずしも一貫していないのではないか。私学に対する指導の方法、行政の関わり方が大事である。子どもを育てる考え方を鮮明にすべきである。
○ 幼稚園と小学校との本質的な違いを縮めることは難しい。私立の幼稚園は建学の精神があり、公立の小学校の教育とリンクさせるのが難しい面もある。そうした違いを小学校で受け入れるプログラムの作成が大事である。
○ 「接続期」を設定する実践もあるが、何をもって良質と捉えるかが重要。どういう指導法がよいのか、幼小で共有することが大事である。良質な幼児教育が滑らかな接続につながる。接続の内容の議論が必要である。
○ 幼稚園の教員は「みんなどう思う」と子どもに聞き、遊びの中からルールを子どもたちに決めさせるが、小学校教員は「ここに座って」などルールやきまりを教員が指示する。小学校でも生活科ができて、子どもたちへの指示を少なくすることができたと思う。
○ 小学校低学年の良質なスタートプログラムを考えないといけない。幼稚園だけの取組では現状は変わらない。小学校低学年の教科をつないで議論しないといけない。
初等中等教育局幼児教育課