子どもを見守り育てるネットワーク推進会議(第2回) 議事要旨

1.日時

平成22年7月16日(金曜日) 14時~16時

2.場所

ホテルフロラシオン青山「芙蓉」

3.議題

  1. 当会議への民間団体の新たな参画について
  2. 子どもを見守り育てる新しい公共の実現に向けた行動計画について
  3. 児童虐待防止に関する教育と福祉・医療のワーキンググループの設置について

4.出席者

委員

内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官(青少年支援担当)、察庁生活安全局少年課長、法務省矯正局少年矯正課長、法務省保護局更生保護振興課長、法務省人権擁護局調査救済課長、文部科学省生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室長、文部科学省生涯学習政策局社会教育課長、文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課長、文部科学省初等中等教育局児童生徒課長、文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課長、文部科学省スポーツ青少年局青少年課青少年有害環境対策専門官、厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課長、厚生労働省雇用均等・児童家庭局育成環境課長、全国連合小学校長会、全日本中学校長会、全国高等学校長協会、全国定時制通信制高等学校長会、全国養護教諭連絡協議会、全国教育研究所連盟、全国適応指導教室連絡協議会、全国児童相談所長会、全国学童保育連絡協議会、全国人権擁護委員連合会、社団法人全国少年警察ボランティア協会、社団法人全国保護司連盟、非営利団体チャイルドライン支援センター、社団法人日本臨床心理士会、スクールカウンセリング推進協議会、社団法人日本PTA全国協議会、非営利団体フリースクール全国ネットワーク、財団法人児童健全育成推進財団、財団法人インターネット協会、日本弁護士連合会、日本更生保護女性連盟、日本労働組合総連合会、社団法人日本歯科医師会、社団法人日本小児科医会、社団法人日本学校歯科医会、日本学校薬剤師会

文部科学省

川端文部科学大臣、金森初等中等教育局長、德久大臣官房審議官 他

5.議事要旨

開会

議事

(1)第2回から新たに参画する構成員の紹介があった。
(2)川端文部科学大臣からの挨拶及び事務局からの資料説明があった。
(3)構成員からの質疑が行われ、「子どもを見守り育てる新しい公共の実現に向けた行動計画」が採択された。
(4)児童虐待防止に関する教育と福祉・医療のワーキング・グループの設置について了承された。              

(1)構成員の紹介

【事務局】 今回より新たに10の民間団体にご参画いただく。まず、本日ご出席いただいている各団体の方々に、簡単に自己紹介をお願いしたい。

【全国養護教諭連絡協議会】 全国養護教諭連絡協議会を構成する養護教諭は、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、定時制高等学校、特別支援教育学校の保健室で勤務している。子どもたちの健康増進を図り、健やかな成長をはぐくむために、健康管理や保健指導等の充実に関する研修会や調査・研究等を行っている全国組織の研究団体である。

【日本歯科医師会】  日本歯科医師会では、健康日本21などに出席し、これまでもいろいろな議論をしてきた。また、約3分の1の会員を擁する学校歯科医会は、以前からこうした取組を進めている。私どもも後ろからバックアップ、あるいは全体のまとめをしていきたい。

【日本小児科医会】  日本小児科医会は、都道府県小児科医会の総元締めであり、全国の6,000余りの小児科医の集まりである。小児科医会は、子どもの心対策部で子どもの心相談医を養成しており、約1,500名が全国で活動している。相談医は、子育て支援や虐待の早期発見などに尽力しており、子どもたちとじかにお話しするカウンセリング技術の研修も行っている。また、子どもとメディア対策に関する検討委員会で、今の情報化社会が子どもたちに与える影響を危惧しつつ、様々な提言をしてきた。

【日本学校歯科医会】  社団法人日本学校歯科医会は、幼児、児童生徒の歯、口腔の健全育成を目指し、昭和29年に全国の学校歯科医が集まった組織である。会員数は約2万5,000人、年間予算が約2億5,000万円という規模である。
 子どもたちの健康課題も多様化している中、児童虐待などが問題になっているが、学校歯科医としては、健診時、また、健診時以外においても、いかにそのような状態の子どもたちを見つけ、行政に連絡するかについて取り組んでいる。

【日本学校薬剤師会】  日本学校薬剤師会は、約1万7,000名の学校薬剤師で構成さている。学校環境衛生、教室の空気または水、プール、食品の衛生管理を主な対象としており、そのほかに学校保健安全法に基づき、健康教育にもかかわり始めている。
 本会が学校で行っている取組が、子どもを通じて家庭に持ち込まれれば、家庭内の様々な面が改善されるのではないかと考えている。

【事務局】  本日はご欠席だが、全国保育協議会、全国国公立幼稚園長会、全日本私立幼稚園連合会、日本医師会、日本学校保健会にも構成員として加わっていただく。

(2)大臣挨拶及び事務局説明

【川端文部科学大臣】  川端達夫でございます。新たに10の民間団体にご参加いただき、感謝申し上げたい。より多方面、各方面から子どもたちを見守ることができるよう、期待している。今年1月、江戸川区で起こった親による子どもの虐待死事件では、胸の痛む思いであった。様々にご議論をいただき、仕組みを考えていただく中でも、すき間ができてしまう。また、仕組みはあるけれども、感度が十分でないようなケースも起こる。こうした様々ことを日々検証しなければならないということで、こういう体制をより充実させることが重要である。
 ヒアリングでいただいたご意見等を踏まえ、子どもを見守り育てる新しい公共の実現に向けた行動計画の策定について、ご議論いただきたい。各地域において、相談機関や居場所となっている機関・団体が相互に情報共有及び行動連携を図り、防げるはずの事件を二度と起こさないよう、スピード感を持ってできる施設から順次、具体的に行動に移していただくようお願いしたい。
 子どもや家庭、地域の大人が、子どもたちの抱える問題を共有し、子どもたちが安心して成長していくことができるよう、ここにいらっしゃる皆様の十分な連携と社会総がかりで取り組んでいくことの重要性を改めて申し上げ、ご挨拶とさせていただきたい。

【事務局】それでは、議事に移らせていただく。まずは、子どもを見守り育てる新しい公共の実現に向けた行動計画について、資料をご説明したい。

 資料3、子どもを見守り育てる新しい公共の実現に向けた行動計画の策定については、今回の行動計画策定に当たって行われた議論の状況、あるいは現在子どもが置かれている状況等をまとめたものである。

 まず、子どもをめぐる問題状況だが、児童・生徒を取り巻く状況は大変厳しい情勢である。さまざまな問題が複雑多様化している。ここでは、教育現場だけで問題を抱え込まず、地域や外部の関係機関と情報や問題意識の共有を図り、組織的・継続的に連携する体制整備が求められていること、各行政機関などにおいて既にさまざまな取組が進められる中で、必ずしも効果的・効率的なネットワークを形成できていないこと、そういった状況下において、学校、家庭、地域社会、関係機関、民間団体がより一層の連携強化が必要であること、などをお示ししている。

 続いて、行動計画の策定に至る経緯についてである。本年2月から3月にかけて、構成員から既存の取組の趣旨及び概要、あるいは今後のネットワーク活動を強化するために必要な連携向上策等についてヒアリングを実施した。その議論を踏まえ、子どもを見守り育てるネットワーク活動の連携強化について、関係省庁・団体の意向調査結果をお示ししている。

 さらに、子どもを見守り育てるネットワーク推進宣言の5つの取組の分類別に、各構成員がどのような団体を連携先として考えているか、また、連携の必要性、連携に当たっての課題、連携の向上策について、これまでの議論の状況を整理している。なお、今回からご参画いただいた団体にもヒアリングを行い、結果を反映している。

 各構成員から提案された連携向上策からは、行動連携を図る前提として情報連携があり、情報連携を図る前提として組織的枠組みが必要である、という考え方が共通していると分析している。

 次に、資料4、子どもを見守り育てる新しい公共の実現に向けた行動計画(案)についてご説明差し上げたい。ネットワーク活動の意義は、多種多様な取組を独立した活動のままにせず、有機的に連携させることによって、活動の効果を効率的に波及させることである。そのためには、まず現在、各構成員が実施している取組を分類・整理し、全体像を明らかにした上で、各構成員が活動に改善を加えていくことが必要である。また、連携強化に向けては、引き続き取り組む施策と、今後新たに取り組む施策の二本立てではどうか、というご提案をお示ししている。

 まず、引き続き取り組む施策について、要点をご説明差し上げたい。

 (1)は、子どもが悩みを相談することができるチャンネルを充実するということで、子どもが悩みを相談することができるようにするため、電話、対面、メール、手紙等、さまざまなチャンネルの整理、充実を推進すること、子どもの悩みを受けとめる知識、技量の向上、の2つの小項目で整理している。

 (2)は、社会全体で子どもを見守るということで、1点目は、子どもの安全を見守る取組の推進、2点目は、虐待防止に向けて子どもを見守る取組の推進、3点目は、非行防止活動や非行少年等を見守る取組の推進、4点目は、子どもを理解し、見守り育てるための調査・研究等の推進、5点目は、その他の社会全体で子どもを見守る活動、の5つの小項目で整理している。

 (3)は、子どもたちが安心して過ごせる居場所をつくるということで、1点目は、放課後等の居場所づくり、2点目は、不登校児童・生徒等の居場所づくり、3点目は、虐待を受けている子ども等の居場所づくり、4点目は、非行防止のための居場所づくり、の4つの小項目で整理している。

 (4)は、子どもたちと地域の人が触れ合う機会をつくるということで、1点目は、放課後等の触れ合い、2点目は、地域に根差した触れ合いの推進、3点目は、問題等を抱えた子どもとの触れ合い、4点目は、非行防止に向けた触れ合い、の4つの小項目で整理している。

 (5)は、家庭教育への支援を行うということで、1点目は、家庭の悩みを相談するチャンネルの充実、2点目は、親同士の交流又は親子でともに学ぶ取組の推進、3点目は、その他の家庭教育への支援を行う取組、の3つの小項目で整理している。

 次に、連携強化のため今後新たに取り組む施策についてご説明差し上げたい。ここでは推進宣言の5つの分類ごとに提案をお示ししている。

 まず、推進宣言1の関連では、子どもの悩みを受けとめる切れ目のない相談体制の構築に向けて、子ども相談機関地域協議会の設置と、子ども相談機関マップの作製・周知である。現在でも、たくさんの相談の受け皿が設置されておりますが、そのような相談チャンネルが必ずしも十分知られていなかったり、専門外の相談内容への対応に難渋したりしている実態があることが、ヒアリングから明らかになっている。そこで、地域単位で、例えば、都道府県教育委員会が中心となって、直接子どもに接して、子どもの悩みを受けとめている相談機関が一堂に会して情報共有を図り、相談内容に応じて、より適切に専門的相談機関につなげるなどの行動連携を図っていくことが適切なのではないか、という考えから、結論的には、各地域における子ども相談機関相互の情報共有、行動連携の充実を図るため、子ども相談機関地域協議会の設置を推進する、という項目をご提案している。また、子ども相談機関地域協議会でチャンネル相互の役割を議論し、対応できる内容をそれぞれに整理したマップを作製することによって、どの機関が何を担当しているのかが明らかになり、子どもの悩みの内容に適した相談機関につなぐことができる、あるいは相談者である児童生徒がどこに相談すればよいか一目でわかるようにすることができるなど、有機的な連携が促進されることを期待している。

 次に、推進宣言2の関連では、子どもを見守り育てる団体間の情報共有と、各種地域協議会の積極的運営、子どもを見守り育てる活動の普及啓発である。具体的には、本ネットワーク推進会議を活用すること、児童虐待防止に関する教育と福祉・医療のワーキンググループを設置すること、法定機関である要保護児童対策地域協議会と子ども・若者支援地域協議会を積極的に活用すること、普及啓発のために子どもを見守り育てる取り組み事例集の作成・公表やシンポジウムの開催を提案している。

 次に、推進宣言3の関連では、子ども居場所ネットワーク地域協議会の設置と、子どもたちの居場所づくりに対する支援の充実である。子どもたちには、学校だけではなく、放課後子ども教室、放課後児童クラブ、児童館、適応指導教室、フリースクールなど、さまざまな居場所がありますが、それぞれの居場所で子どもがどういう顔を見せているのか、必ずしも全員が情報を共有しているわけではない。子どもにとって最善の利益になるよう、子どもの個性のある情報を共有していかなければいけないであろうという考えに立ち、行政区よりも細やかな地域単位で、子どもたちの居場所となっている機関や団体や学校が一堂に会し、個人情報の守秘義務に配慮した上での情報共有、あるいは行動連携を図る組織的枠組みの整備に向けて、子ども居場所ネットワーク地域協議会の設置を推進してはどうかという提案をお示ししている。

 次に、推進宣言4の関連では、広報啓発活動の推進と、子どもたちと地域の人が触れ合う機会の増加に向けた支援の充実である。具体的には、現在行われている取組の縮図をつくって、できるだけ参加者が増えるように広報することで、現在の活動が生きていくような取組を考えていく必要があるのではないか、という提案をお示ししている。

 最後に、推進宣言5の関連では、広報啓発活動の推進と、家庭教育支援チームの組織化等による家庭の教育力向上の推進、家庭教育を支援する地域の取り組みの活性化、生徒指導と家庭教育支援の連携強化による相談体制の充実である。

(3)質疑

【事務局】 ご意見・ご質問、各団体等での取組のご紹介など、どなたからでもご発言いただきたい。

【日本弁護士連合会】 引き続き取り組む施策について、その効果を検証し、連携等も含めて見直していくといった検証の部分については、今後どのように考えていくのか。

【事務局】  行動計画に基づき、実際に教育現場あるいは各方面ではどういった活動に取り組んでいるのかについて、取組事例集の作成を通じて把握をしていく過程で、問題点や新たな課題が見えてくる。それも受けて、改善等についてご提案する形を想定している。

【日本歯科医師会】  待合室で順番待ちをしていたはずなのに、自分の番が来るといなくなる、そういった子どもを注意して見てみると、実は不登校の学生が歯医者を避難所にしていたというケースがあった。子どもの居場所の重要性について、大臣にもぜひご理解をいただきたい。

【日本労働組合総連合会】  各団体では、さまざまな取組が重層的になされているにもかかわらず、なかなか解消できない問題がある。地域のネットワークが極めて重要であり、地域レベルで子どもを見守る具体的なネットワークをどう作るか、という実践が問われており、行動計画で示された内容を地域で作っていくことが必要である。
 そのためには、各地方自治体、行政、地域との連携も必要となる。労働組合でもさまざまな地域での取組を行っており、引き続き積極的に協力し、ネットワークづくりに取り組んでいきたい。

【フリースクール全国ネットワーク】  予算について、団体が自前で進めるのか、国として何かしら予算化を考えているのか、どのように考えているか教えて欲しい。

【事務局】  行動計画の中で、これまで進めていた施策については、既に必要なものは予算化されているため、連携をさらに深めていくということが肝要である。新しく行っていく部分については、予算が必要なものについて概算要求に向けた検討を行うことになる。しかし、大規模な予算が、何百億円と必要になるようなものではないと推定されるので、実際どの程度必要なのかを今後検討するが、基本的には、これまでの予算の運用、執行の中で工夫しながらやっていくことを考えている。そのほか、NPOの方々に対する委託研究費の活用なども考えられる。

【全国連合小学校長会】  1点目は、資料3のリード文の文章について、「いじめや不登校、自殺等といった子どもたちの悩みに対応するため」という部分は、自殺や不登校も子どもたちの悩みとして捉えているのが気になった。2点目は、子どもをめぐる問題状況の部分で、子どもたちをめぐる事件・トラブル(誘拐、暴力事件、不審者のかかわりなど)までを含める必要があるのではないか。おそらく小・中・高だけではなくて、幼児も入ると考えると、若いお母さんたちが安心して町の公園で遊ばせることができるか、といった見守りの観点もあり得るため、子どもをめぐる状況はもう少し幅を持たせる必要がある。

【チャイルドライン支援センター】  今後に向けて、具体的な到達目標の提示が必要ではないか。具体的な到達目標が提示されて、全国民が一緒になってそれに取り組む、そして、検証するという作業が続けられるとよいのではないか。

【日本学校歯科医会】  学校歯科医会の立場では、養護教諭が会議にご参画いただけたことに感謝している。子どもの口の中を見れば、家庭がわかると考えているが、こういう推進会議の場でネットワークを広げて、養護教諭の先生方の力も借りながらいい推進会議にしていきたい。

【全国学童保育連絡協議会】行政区よりきめ細かい単位で地域協議会をつくっていくという提案があるが、具体的に、市町村教育委員会が音頭をとることを考えているなど、地域協議会の枠組み、進め方についてどう考えているか。 また、現在、若い親たちは本当に子育てに苦労しており、虐待・育児放棄、あるいはモンスターペアレントなどと、親たちを非常に責めるような風潮がある中で、親が悩み、困っている状況がある。親をどう見るかについて、もっと社会全体が温かく見守る、あるいは支えるという発想が必要と考える。

【事務局】 ご質問について、相談に関する地域協議会と居場所に関する地域協議会は、単位が違うと考えており、相談の窓口については、それぞれ県単位で窓口があるので、県あるいは政令市に1個程度ではないかと考えている。
 一方、居場所のネットワークは、子ども一人一人の個性に応じた情報共有をするとなると、実際には学校単位など、学校と関連づけた大きさで決めていく必要があるだろう。

【全国適応指導教室連絡協議会】 適応指導教室では、不登校の子どもを学校に戻すことを前提に、対人不安のある子どもについて、それを解消することを心がけている。もし、フリースクールも視野に入れる場合、フリースクールは法的な位置づけがはっきりせず、多様な団体があるため、適応指導教室との区別が難しいところがある。
 将来的に、フリースクールの法的位置づけをきちんと整える動きがあるか、教えていただきたい。

【事務局】各方面からそういう話はあるが、仮に法的に位置づける場合に具体的にどうしたらいいか、先生方のご意見もまとまらない状況がある。不登校の対策という観点で申し上げれば、学校現場や教育委員会の方たちにできるだけさまざまな取組を理解いただくこと、民間だからどうこうという偏見ではなく、話し合いの上で連携のできるところと連携していただくこと、また、保護者の方にもきちんとご説明すること、などについて、現在進めている段階である。

【フリースクール全国ネットワーク】  現代の子どもたちの状況は、本当に多様である。従来の子育ては学校が中心であったが、学校だけでは対応し切れないことから、全国にたくさんのフリースクールが生まれて、そこでいろいろな子どもたちを受けとめていくことになっている。
 いろいろな支援を少しずついただいているが、法的な位置づけがあいまいという意味では、らち外に置かれている状況の中で四苦八苦している面もある。もう少しきちんとした応援の仕組みをつくっていただきたい。それから、子どもによって、適応指導教室がいい場合とフリースクールがいい場合があるため、地域、地域でその辺の連携をうまくやって、子どもや親双方にとってよりよい形にしていきたい。

【日本臨床心理士会】 早い時期から子どもたちの状態をしっかり見て、守っていくことが大事である。1歳半健診、3歳児健診の場で、発達障害も母子関係の愛着関係がしっかりできているかどうか見ることができるため、少し十分でないと思われる子どもを早く見つけて、ケアしていくことが大切である。保育所、幼稚園でもキンダーカウンセラーのような専門家が入りつつあるので、1歳半健診、3歳児健診でうまくとらえられなかった子どもたちを保育所、幼稚園、あるいは学童保育で見つけるということもできると思う。
 子ども相談機関の地域協議会の設置する際には、長期にわたる相談が必要な子どもに対応できる体制と、専門家の配置を考えていただきたい。教育センターで働いている臨床心理士だけでは手が回らない状況である。また、子どもたちがちょっとしたことでスクールカウンセラーに日常的に相談に来ることができるようにすると、その後の問題行動等の予防になることがとても多い。予防的な観点からも、スクールカウンセラーの体制の充実をお願いしたい。

【日本学校薬剤師会】 学校薬剤師は、薬物乱用防止教育を近年行っている。その原点はいかに正しく薬を飲むか、どういうことが薬物乱用に走るもとになるか、を伝えることである。様々な方のお話を聞く中で、親の教育が必要な場合があるように感じる。親がやっているのをまねして中学生が覚醒剤を使っているというケースも聞いている。子どもを見守るという立場から、文部科学省として何らかの親に対する教育を考えているのか。

【事務局】 直接の担当ではないが、家庭に対する支援も十分考えている。パンフレットも含め、様々な形での周知徹底を行っている。

【事務局】 ここまで、さまざまなご意見をいただいた。それでは、行動計画の策定について及び行動計画について採択をさせていただきたい。

(「異議なし」の声あり)

【事務局】  それでは、新しい公共の実現に向けた行動計画、それに付随する行動計画の策定についてを採択させていただく。なお、今回採択された行動計画等については、メンバーの皆様方から、関係団体、あるいは地方の機関等に周知を図っていただきたい。
 文部科学省も、都道府県、あるいは教育委員会に対し、今回の行動計画のポイントをまとめて通知したい。

(4)ワーキング・グループの設置について

【事務局】それでは、児童虐待防止に関する教育と福祉・医療のワーキンググループの設置についてご説明差し上げたい。設置の趣旨は、本年1月に江戸川区で発生した死亡事件をはじめとした重大事件が後を絶たない状況において、教育と特に福祉・医療に重点を置い、連携状況等の検討を加えていく必要性が高いということであり、ヒアリングにおいてもご提案をいただいていた。構成員は、お示しした案のとおり関係官庁及び民間団体を考えているが、その他の構成員も、傍聴はできる形としたい。

 主な検討事項は、1点目は児童虐待を受けた児童・生徒の早期発見、早期対応、保護及び自立の支援、2点目は、教育と福祉・医療の円滑な連携のあり方、3点目は、「学校及び保育所から市町村アタは児童相談所への定期的な情報提供に関する指針」についてのフォローアップである。ご承認をいただければ、具体的な開催日程等について、進めてまいりたい。それでは、児童虐待防止に関する教育と福祉・医療のワーキンググループの設置について、決定させていただいてよろしいか。

(「異議なし」の声あり)

【事務局】  それでは、今後このワーキンググループを設置し、児童虐待防止に関しての検討を進めていきたい。具体的な日程等は、後日事務局からご連絡差し上げたい。
 以上をもって、本日は閉会とさせていただきたい。次回の推進会議の開催日程等については、後日事務局からご連絡差し上げたい。

閉会

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課生徒指導室