資料3 教育相談等に関する調査研究協力者会議(第2回)で出された主な意見

未定稿

発表1

  • 相談室待機型から対象接近型へ
  • いじめ・不登校対応から、あらゆる問題行動対応へ
    • 生徒指導、発達障害、外傷・トラウマなど
  • 「兵庫県におけるスクールカウンセリング実施のためのガイドライン、試案」を作成
  • スクールカウンセラーの業務
    • カウンセリング、コンサルテーション、カンファレンス、研修、
    • 査定(心理検査)・診断(見立て)・調査、
    • 予防的対応(ストレスチェック、ストレスマネージメント)、危機対応
  • スクールカウンセラーの対象
    • 生徒、保護者、教職員、地域住民(公民館での講話、民生委員との対話)、校区(幼稚園、小学校)
  • 不登校への対応
    • 不登校の起こり方、不登校ときっかけ要因、早期発見・早期対応、
    • 不登校の一般的経過、時期ごとの不登校への対応 他
  • いじめへの対応
    • いじめによるトラウマ、いじめによるPTSD 他
  • 生徒指導
    • 心の構造、本来の生徒指導の機能、カウンセリングの必要性・役割、
    • 抱える機能、問題生徒へのかかわり、問題生徒の保護者面接、
    • 生徒指導場面でのカウンセラーの参加、被害生徒へのメンタルケア 他
  • 危機対応
    • 危機管理と心のケア 他
  • ジェットコースター事故への対応

発表2

  • スクールカウンセラー事業の発展と成果
    • 統計的に現れた成果(配置者数の増加、スクールカウンセラーの活動実績)
    • 学校における問題行動をめぐる実態
      • 問題の複雑・多様化、保護者の考え方の多様化、
      • 問題を抱える子どもの多さ、
      • 不登校生徒の外部機関での相談・指導・受診の実態、養護教諭の負担、教員の生徒指導でのストレス
      • 地方自治体スクールカウンセリング単独事業への普及
      • 教育委員会における活用
        • 研修、教員採用面接、委員会委員など
      • 学校・保護者からの評価
      • 緊急支援体制の構築
        • 事件・事故、自殺・自傷、教師の問題など
      • スクールカウンセラー研修とバックアップ体制機能の充実
  • 「学校心理臨床の専門性」の確立
    • 臨床心理学的アセスメント(見立て)、臨機応変・柔軟性
  • 「外部性」の活用と成果
    • 心理臨床領域に専門性を持つ「外部性」、定点観察、全体像の把握、
    • 他機関との連携
  • 今後の課題
    • 学校内における専門性の定着、「外部性」を維持しながらの安定的な協働

スクールカウンセラーの役割

  • 子どもたちは、差し当たり、グリーンゾーン、イエローゾーン、レッドゾーンに分かれるけれども、教員の仕事は、グリーンゾーンの子どもがイエローゾーンに行かないようにする、カウンセラーの仕事は、イエローゾーンからレッドゾーンに行かないようにする、レッドゾーンまで行ったら医療に任せる、というモデルで考えると、教員の仕事が分かりやすくなると思う。
  • スクールカウンセラーの導入時に比べて、不登校以外でも、学校で起こるあらゆる問題行動にスクールカウンセラーは役に立つとか、アドバイスをもらえるんだという感覚が学校にずっと広がってきたと思う。
  • スクールカウンセラーに対して、相談室にじっとしていないで、いろいろなところで子どもに積極的にかかわってほしいという発想になってきている。
  • 当初は学校組織にカウンセラーのような職種がいることが、かなり大きい抵抗感であったと思うが、今は居るのが当たり前というようになっている。
  • 学校の中で生徒指導委員会のメンバーに入ったり、教育相談委員会に入ったりという形で、組織の中の一員に入ってもらおうという感覚も、随分以前に比べると定着してきたと思う。
  • 最近では、かなり特別活動や道徳の時間などの授業に出て、教師が指導するのに一緒になって動いたり、子どもたちに語りかけたりというような、予防的なというか、そういう試みもかなり多く行われてきている。

スクールカウンセラーの位置づけ

  • 常勤という安定したシステムの中に、この職種を位置づけるという方向性も十分検討に値すると思う。
  • 子どもたちにとっては、外部か内部かということよりも、成績をつけない、指導しないということのほうが重要なポイントだと思う。
  • 子どもを評価する立場ではないという意味で、外部か内部かということは、保護者にとったら随分重要なことかなと思う。
  • 一方で外部性を言うと同時に、学校組織の一員で、管理職の指導に従わなければいけない立場なんだという自覚も必要だと思う。
  • 内部性と外部性を自分の中でどう整理するかというのが非常に重要な問題だと考える。
  • 外部性ということは、たとえ学校の中に常勤として居たとしても、その使い分けというのは十分できていくのではないかと思う。

スクールカウンセラーの評価

  • 上級カウンセラー、スーパーバイザーぐらいの区別をつけて、総合的な判断ができるスーパーバイザーというのを、最低、教育事務所に1人ぐらい置くような形で、きちんとスーパービジョンをしていかなければと考える。
  • スクールカウンセラーの評価というか、適格かどうかを判断していくことも、進めていかなければならないと思う。
  • スクールカウンセラーの能力によって給与に違いをつけていかないといけないと思う。
  • 今年から、初任から3年目までと、それ以外と、スーパーバイザーの3段階の給与の方式を導入している。

組織、体制

  • 二重関係を防いで、教師は教師、養護教諭は養護教諭、スクールカウンセラーはスクールカウンセラー、管理職は管理職のそれぞれの立場の持つ機能をお互いに相互的に支えながらアップしていくのが大事な教育相談機能の重要点ではないかと思う。
  • いかにスクールカウンセラーが適切にアセスメントができて、学校に対して支援できるかという体制を整えていくかということである。
  • 小学校、中学校と地域の中で連携して教育相談を進めてきており、学校内のところをきちんと機能する組織にしていくことが、今、問われているのではないかと思う。
  • スクールカウンセラーの機能をもう一度とらえ直して、学校としてどういう受け入れ体制をこれから構築することが大事なのかという視点が明確に出されたと思う。
  • 「心の健康づくり推進委員会」で全国調査をした結果によると、スクールカウンセラーが配置されている学校ほど、養護教諭との協力関係ができているところほど、養護教諭の複数配置を望む声と、精神科の校医を望む声が多かった。

連携、協力

  • やはり、いろいろな職種の方、いろいろな方が入って効果を上げていることも聞いているので、子どもたちにとっても、保護者にとっても、選択肢は多いほどいいのではないかと考えている。
  • 学校が果たす役割が変わってきて、学校での教育が、学校長をはじめとする教員だけで役割を果たせるものではなくて、さまざまな役割が学校に期待されることから、例えば、いろいろな方たちが関わり合って育てていく、身に付けさせていくという、そういう役割になってきた。
  • 誰に相談するのかというのは、クライアントが選ぶわけで、ゆえに生徒が選ぶ、生徒が役割を選択するのである。

その他

  • スクールカウンセラーの専門性というものをどのように担保するのかということが大きな問題であると思う。
  • お互いのスクールカウンセラー同士の情報交換や研修がかなり活発に行われて、ある程度、内容も系統だってきている。
  • 教育相談体制が機能的に働くためには、例えば、教員養成の段階から一人一人にカウンセリングといったことをしっかりと身に付けさせた上で養成しなければならないということ、さらに教員になってからの現職研修の中で、機能的に教育相談の体制が働くような研修の在り方といったようなことについても検討していく必要があるのではないかと思う。
  • 一番悩んでいるのは、(保護者に対し)相談機関に行くように勧めても行ってくれないことである。

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課