9 危機対応

  スクールカウンセラーは学校で起こるあらゆる危機的状況に心理-カウンセリング的側面から迅速かつ的確に対応しなければならない。
  学校で起こる危機的状況は、その規模において次のように分類される。

  1. Aランクの危機
    全国的に報道されるような危機、阪神大震災のような大災害、須磨事件や池田小学校事件のようにその衝撃の大きい事件がこれに当たる。
  2. Bランクの危機
    関西ないしは兵庫全県的に報道されるような危機、自殺事件や様々の学校不祥事、事故に生徒が巻き込まれた場合など。
  3. Cランクの危機
    報道はされないが全校レベルの危機、報道されない自殺、自殺未遂、また問題行動の多発によって学校が崩壊状況に陥っている場合などもこれにあたる。
  4. Dランクの危機
    学年、クラスレベルの危機、学級崩壊やいじめ、また生徒と教員の対立など。
  5. Eランクの危機
    個人の心の危機、激しい行動化、自殺企図、自殺念慮、自傷、拒食、著しい性的逸脱行動など

  スクールカウンセラーはこれらの危機に際して、その規模に応じて迅速かつ的確に対応する必要がある。特にA,Bランクの危機が発生した場合には、スクールカウンセラーが単独で対応するのは困難であるので、直ちにスーパーバイザーに連絡し、スーパーバイザーと協力して被災者、被害者、事件、事故に巻き込まれた一般教職員の心のケアの体制を迅速に構築しなければならない。その対応の仕方は別紙資料(資料6)に示したとおりである。
  Cランク以下の危機に対しては、必ずしもスーパーバイザーに報告する必要はないが、対応が困難であると感じられる場合には、そのことを早めに報告し、スーパービジョンを受けながら活動したり、必要な場合はスーパーバイザーの派遣を要請したりするべきである。
  兵庫県は、行政として学校危機対応のシステムを作っている唯一の県である。生徒の安全の確保のためには、そうした危機対応システムを迅速かつ的確に活用していかなければならない。

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初等中等教育局児童生徒課