スクールカウンセラー制度は、平成7年9月から実施され、実施当初は各都道府県に小中高各1名ずつ、計3名が配置された。ただしその同じ平成7年に震災による多大な被害を受けていた兵庫県では、特例として被災各地域に「心のケア」のためにあわせて13名のスクールカウンセラーが震災関連として追加配置された。
スクールカウンセラーの配置の方式にはいくつかあって、
当初、各都道府県に配置されたスクールカウンセラーはすべて配置校方式であったが、兵庫県の特例震災関連配置は、被災地域全体を対象とする拠点校方式であった。
勤務時間については、当初は週2回、半日4時間、年間70回の勤務を原則とすると規定されていた。
はじめ、学校内に外部から専門家が入ってくるということで、不安と緊張の中で始まったスクールカウンセラー制度ではあったが、その成果がだんだんと明らかになっていくにつれて、配置を希望する学校が増え、スクールカウンセラーの数が不足するようになり、より多くの学校に関われるよう巡回方式も採用されるようになった。また、勤務形態も週2回半日4時間勤務だけではなく、週1回1日8時間(年間35回)勤務が認められるなど弾力的に運用されるようになってきている。
スクールカウンセラーの身分は、地方公務員法に規定する非常勤嘱託員(特別職)である。従って、その服務については地方公務員の服務規程に準ずる。そのことはスクールカウンセラーの設置要綱の第5条にも、
などとして明確に規定されている。(資料1)
このように身分的に公務員に準ずるスクールカウンセラーは、例えば次のようなことには十分に注意して職務を遂行しなければならない。
固い服装ではなく、動きやすくまた生徒が親しみやすい服装にすることは良いが、その限度は社会的常識を逸脱しないものでなければならない。また頭髪に関しても、勤務校での現在の指導の現状をよく考え、それに良くない影響を与えないようなものが望ましい。アクセサリーなども同様である。また、職員研修や、保護者への講演を担当するときには、講師であることをよく自覚して服装を整えなければならない。
言葉遣いについても、スクールカウンセラーと生徒は友人関係ではないのであるから、あまりにも馴れ馴れしいくだけたものにならないよう注意が必要である。また、学校で行われる「あいさつ運動」などについても、それが行われるようになった経緯をよく理解し、生徒に正しい挨拶を返すことなど積極的に行っていくべきである。
スクールカウンセラーも、上司である校長、教頭の職務上の命令に服する立場であるということを忘れてはならない。調査など有効と考えられる様々の試みを実施するときも、かならず上司の許可を得なければならない。研究会や学会での発表も同様である。また守秘をめぐっても、理解を得ることに専念し、管理職と無用な対立をすることのないよう心がけなければならない。
勤務時間、休憩時間などについては、実施要綱にスクールカウンセラーの勤務時間は正規職員に準ずると明記されている。従って、遅刻など時間にルーズにならないように心がけなければならない。面接や家庭訪問についても同様である。特に、出張、家庭訪問など校外に出る必要のあるときは、帰校する時刻を含めて事前に許可を得る必要がある。やむをえず欠勤するときには、職務に支障のないよう十分に考慮する必要がある。また、職員朝礼や職員会議などにもできるだけ出席しなければならない。
スクールカウンセラーも学校組織に所属しており、正規の教育公務員に準ずる立場である。従って、勤務する学校の教育目標、あるいは生徒指導の現状、方針などをよく理解していなければならないし、校務分掌上の立場も知っていなければならない(資料4)。
また、そうしたことをよく弁えて、他の場所で正当な理由なく学校や教育制度の批判を行ってはならない。
スクールカウンセラーはまったく自由な立場ではなく、もし上記のようなことが守られていないと判断されたときには、分限、懲戒などもありうる立場である。そのことをよく自覚した上で職務を遂行しなければならない。
初等中等教育局児童生徒課