政務三役と有識者との「懇談会」(第2回) 議事録

1.日時

平成21年10月14日(水曜日) 14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省東館12階 総務課会議室1

3.議題

  1. 意見交換(「高等学校実質無償化」をはじめとする初等中等教育関係施策について)

4.出席者

委員

赤田英博氏、岩瀨正司氏、大原正行氏、梶田叡一氏、門川大作氏、根岸均氏、向山行雄氏、若月秀夫氏

文部科学省

川端達夫文部科学大臣、鈴木寛文部科学副大臣、高井美穂文部科学大臣政務官

5.議事録

【高井大臣政務官】  では、お待たせをいたしました。今日、昨日に続き本日もまた開催させていただきますが、今日司会進行を務めます政務官の高井美穂と申します。徳島県の出身で、娘は小学校1年生で、地元徳島で通っております。よろしくお願いします。

 そして、本日は高等学校実質無償化の件を初めとする初等中等教育関係予算に関する懇談会ということで、実は15日までを期限で概算要求の案を出さねばならないもので、大変急遽、お忙しい皆様方に、こうしてお集まりいただき、ご意見を聞かせていただくということになりまして、来ていただいて、ありがとうございました。

 副大臣の鈴木副大臣、少し遅れてまいりますけれども、まず冒頭、川端大臣からご挨拶を頂戴したいと思います。

 

【川端大臣】  皆さん、こんにちは。急なお願いでございましたにもかかわらず、こうして皆さん、お集まりいただきまして、ありがとうございます。心からお礼を申し上げます。

 ちょうど、ほぼ1カ月前の9月16日に鳩山内閣がスタートいたしました。文部科学大臣という教育、文化、スポーツ、科学技術という大変守備範囲の広い大臣を拝命いたしました。1カ月、曜日と日付がよくわからない日々を過ごす中で、今日に至りましたが、実は15日を締め切りとして、普通の年度ですと8月いっぱいでということですが、新内閣が9月に誕生したものですから、今月の15日を締め切りとして、来年度の概算要求を出しなさいということであります。

 そういう中で、私たちはマニフェストを通じて国民の皆さんにいろいろお約束をいたしました。同時に、総理からは、この職を拝命したときに、高校無償化を含めて教育を受けたいと思うものが教育を受けられる機会をしっかり確保するように、同時に教育の質を高めるようにというご指示をいただきました。もとより、教育は国家百年の計、一番大事な根幹であります。そういう中で概算要求というのは1年間の政策をどうするかというものに基づいているものであります。時間が限られて、駆け足で進めておりますが、こういう大事なことであるということで、急遽でありましたけれども、特に高校無償化の問題を中心でありますが、皆さん方、それぞれ教育現場にいろんな形でかかわっていただいている方ばかりでございます。ほかのことも含めて、我々がこれから進めるときに、こういうことをしっかり気をつけろという、ご提言も、ご注意も、ご指摘も含めて、限られた時間でありますが、賜れば大変ありがたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。今日はありがとうございます。

 

【高井大臣政務官】  ありがとうございました。ここでカメラの方はご退室いただけますでしょうか。――きょうはマスコミ、フルオープンでさせていただいておりますので、ご了解をいただければと思います。

 大臣は、公務で1時間ほどで失礼をさせていただきますけれども、まず大臣がおられる間に、ぜひ自己紹介も兼ね、5分程度でご意見を順番に開陳をいただければありがたいと存じます。

 では、早速、赤田さんからお願いいたしましょうか。こちらからでよろしいでしょうか。

 

【赤田氏】  赤田でございます。元日本PTA全国協議会の会長で、5年ほど会長を拝命しておりました。私ども非常に、今日はこのような機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。

 私も高校生の子どもがおりまして、非常に高校無償化については興味がありまして、教育全般にわたりまして、義務教育費国庫負担制度も含めまして、いろいろな議論をさせていただけるということに、ほんとうにありがたく思っております。

 地方に行きますと、地方は疲弊をしておりまして、私も秋田出身で、教育長も今日おられますけれども、秋田出身で、特に経済情勢が悪くて、ほんとうに大変な状況であります。私も先ほどタクシーに乗ってきたのですが、何も言わなくてもタクシーの運転手さんが、「文部科学省」というお話をしたら、降りる時にいきなり「私は民主党を応援しておりました。文部科学省に行くということをお話しされたと思うんですが、高校無償化は賛成です」と。「非常にタクシーの給料が安くて、大学も途中で辞めざるを得ない。高校もに入ったはいいけども、辞めざるを得ないような状況ですから、ぜひそれを早目に実行していただきたい」と。私は何も言わなかったのですけども、どういうわけかそういう話をされまして、私と同じ考えだなというふうに思っておりますし、ほんとうに早く実行していただければと思っております。この後、いろいろとお話しする機会が、お時間があると思いますので、またそのときにお話しをさせていただきたいと思います。

 今日はよろしくお願いを申し上げます。

 

【岩瀨氏】  全日本中学校長会の会長の岩瀨と申します。世田谷の尾山台中学校の校長をしております。全日中と略しておりますが、全国の公立中学校の校長会でございます。約1万校弱の公立学校がございます。

 冒頭から、ちょっと不謹慎なことを申し上げて恐縮ですが、こういうブラックジョークが今ありまして、「近ごろの学校ではやるもの、それは先生たちの飲む、うつ、買う」というのです。非常に申しわけないのですけど、何を先生たちが飲んだり、うったり、買ったりしているのか。飲む、授業が終わるたびに職員室に戻ってきて栄養ドリンクを飲んで、さあ、頑張らなくちゃ。うつ、もう字のとおり、うつ病です。必ずどこの学校にも、それに近い方、あるいは経験された方、あるいは休職されている方がいらっしゃいます。買う、何を買うか。宝くじなんです。2億円当てて、もう教員やめよう。そういうようなブラックジョークが、笑うに笑えないような、そういうのが今、学校にあります。もちろん、このとおりではないのですけれども、それを聞いたときに、もっともだなという雰囲気が今、学校にあるのです。ぜひ学校をもっともっと元気にしたい。先生たちが元気になれば、当然子どもたちは元気になりますので、そのためのさまざまな施策をお願いしたいと、そう思っております。よろしくお願いいたします。

 

【高井大臣政務官】  資料に基づいて、5分程度で、皆さんこういうご意見あったら、先に大臣がおられる間に言っていただければ。

 

【赤田氏】  資料の中でいいんでしょうか、マニフェストの中で。

 

【高井大臣政務官】  資料でも結構ですし、自己紹介も兼ねてご意見を言っていただければ。

 

【赤田氏】  意見は、まず高校無償化については賛成でございますけれども、この配分方法とかにつきましては、学校現場、教育現場にきちっと回るような形にしていただきたいと思っております。一般財源化ではなくて、きちっとした形で使えるようなものにしていただきたいと思っていますし、また、この中の教育の責任は国の責任ということでありますけれども、先ほどちょっと申し上げましたが、義務教育費国庫負担制度につきましては、さきの小泉改革の中で、三位一体改革の中で3分の1になりまして、それについては全額、国で負担をしていただきたいと思っております。これも一般財源化ではなくて、やはりきちっとした形でやっていただきたいと思っております。

 そして、また、拡大教科書の充実でございますけれども、この確認を申し上げたいのです。これは視聴障害のある子どもたちを中心にということですが、その他、障害のある方についても広く、ディスレクシアとか、読み書きがよく理解できない子どもさんとか、そういう子どもさんに対しての教科書についても対応されているのかどうか、後ほどで結構なので、お聞きしたいと思っています。

 そして、また高校の教科書については、これは適用されるのかどうか。拡大教科書の充実ということについては、障害のある子どもさんは高校の教科書、それは除かれるのかどうか、それも入るのかどうか。それと、また参考書を含めた副読本については、これはどうなるのかというところも含めて、後ほどお聞きしたいと思っております。

 そして、また教育の無償化で授業料については賛成でございますけれども、高等学校は希望者全入とありますけれども、そうしますと、高校入試というのは基本的にはなくなるのでしょうか。要するに、希望者が全部入れるという、ここの意味合いが、私、よく理解できませんでしたので、そこもお教えしていただければと思っております。

 そして、また学校の耐震化、これは早目に私はしていただきたいと思っております。学校というのは、地域によっては災害時の避難場所にもなっておりますので、子どもたちのためはもちろんでございますけれども、地区住民のためにも、この耐震化については早くやっていただきたいと思っております。

 そして、また学校図書館整備についてでございますけれども、司書教諭というのは、たしか前の法律では、そこに配置しなくてもいいという、人数制限とか、児童数とか、学級数等々の関係でありましたが、これはすべての学校に司書教諭も配属していただけるのかどうかという、質問だけで申し上げございません。そういうふうに思っております。よろしくお願いします。

 

【岩瀨氏】  では、全日中のほうから、今日の出席者配付資料を開けていただいて、1ページ目ですけれども、最初の高等学校の無償化につきましては、基本的には私たちは賛成です。ただし、あくまでも義務教育があって、その上での高校教育という観点ですので、前段となる義務教育の充実、これをぜひもっともっとやっていただきたいと思っております。

 そのための、今、赤田会長さんからも出ましたけれども、国庫負担、ぜひ3分の1などと言わないで、全額国庫負担という方向を出していただけたらありがたいと思いますし、それから教職員定数の充実、改善、これもお願いしたいと思っております。それから、少人数学級も。

 それで、私の資料の裏側に「教職員の定数改善及び少人数学級の実現に関する要望書」というのをつけておいたのですが、今、左側にあるような、こういう23の団体で大きな運動を起こしております。11月4日に全国集会をやるのですけど、ぜひ大臣にも来ていただけるとありがたいと思っておるのですが、ご案内はもう既に行っていると思います。ぜひぜひ義務教育の充実を含めて、教育全体の充実ということをお願いしたいと思っています。

 それから、2点目、先ほど申し上げました定数改善、少人数学級、とにかく今、学校はいろんなことを抱えておりまして、そういう意味で人間の数が足りません。ぜひぜひ教員を増やしてほしい。しかも、非常勤教諭、非常勤講師とかというのでなくて、専任の先生を増やしてほしい。

 それから、いまだにまだ全日中の調査をやりますと、地方では免許外の方がやむを得ず授業を持っていると、そういう実態がまだあります。一番多いのは、たしか家庭科だったと思いました。全国で二千十何件、そういう例が、私たちはつかんでいます。ということは、1万校のうち2000校で家庭科の免許を持っていない先生が家庭科の授業をやっていると、そういう現実があるわけです。ですから、ぜひ免許外の方がやるようなことではなくて、定数をきちっととっていただいて、子どもたちに十分な学力保障と、そんなふうに思っています。

 それから、3点目で、いよいよ新学習指導要領が今、移行措置に入っていますが、授業時数が増えます。その対策を早急にとっていただきたい。例えば、英語の場合には各学年で1時間ずつ今度は増えますが、そうすると、例えば18学級、6学級、6学級、6学級で18学級ある中学校の場合には、それだけで18時間英語の時間は必要です。ということは、18時間の英語の授業をやるためには、その学校に1人新しい英語の教員を入れなければいけない、そういう実態になります。全国で18クラス以上の学校というのが、これがまた約1600校あります。ということは、1600人の教員を、24年度までに英語の教員を採用しなければいけない。そういうようなこともありますので、ぜひ早目早目に、教員採用については手を打っていただけたらと思っています。

 それから、理科や保健体育、保健体育で今度は武道が入りますけれども、私の学校などには畳もありませんし、剣道場、柔道場ございません。そういうところで、何とか柔道、剣道をやらなくちゃいけないというので、その辺の施設の充実もお願いしたい。

 最後、私、全日中の会長なんですけど、同時に日本中体連の会長でもあります。日本の子どもたちの体力、スポーツ、これを支えているのは学校だと私は自負しております。ぜひ学校体育の充実、そのために、まず小学校に体育の先生、専任の専科の先生を置いてほしい。そこから体育の授業、体育を好きになる、体を動かすことが好きになる、そういうこともつくりたいなと思っています。やっぱり定年間際の専門外の先生が子どもたちに体育を教えるというのは、ちょっとやっぱりきびしいものがあると思います。ぜひ、小学校には専科の体育の先生を置いていただきたい。

 それから、中学校以上には部活動というのがございますので、その充実もぜひぜひお願いしたいと思います。

 欧米では、学校体育ではなくて、地域でこういうスポーツ活動をやっています。それを日本では学校でやっているわけですから、経済的なことを考えますと、国家財政上、すごい助かっているわけなんです。

 そういったことも含めまして、部活動、特に中学校の場合には全中と呼んでいますが、全国の大会があります。それは中学生のオリンピックですけれども、それの運営が非常に困っています。恥ずかしい話、スポンサーつきでやっているわけです。ですから、中学生がメーカーの名前の入ったゼッケンをつけて走っている、そういう状況なのです。ですから、ぜひぜひ全国大会への援助等も含めまして、部活動の充実にも力をいただけるとありがたいと思います。

 以上です。

 

【大原氏】東京都の教育長の大原と申します。本日は、このような機会を設けていただき、ありがとうございます。

私は、まず高校の授業料の実質無償化について意見を述べさせていただきます。

東京都の都立高校の生徒数は約129,700人ですが、そのうちの19,000人、比率でいうと14.7%が既に授業料の減免を受けています。経済的に苦しい生徒には、授業料の実質無料化措置は既になされているわけでありますから、この際、授業料以外の私費負担部分、例えば修学旅行の費用とか、卒業アルバム代などついても光を当てていただきたいと思います。

 次に今回の措置が生徒の進路選択に与える影響についても配慮をお願いします。

 東京都は、都立高校生が129,700人に対して、私立高校生が173,000人おります。都立42.3%、私立56.6%です。高校の授業料の実質無償化といっても、私立は実質無償にはなりません。今回の措置が生徒の進路選択にどのような影響を及ぼすか、十分な配慮検討が必要だと思います。公立への希望者が急増した場合の受け入れ体制の整備は、費用面でも時間的にも大きな問題となる点に留意していただきたいと思います。

 次に、教育制度の改革について申し上げます。

 今、政府では教育制度について、改革の必要を述べておられますが、現場の我々には、何が問題なのかよく分からないことが多いのです。例えば、教育委員会は機能していないとか、教員の資質能力に問題があるとか言われております。では具体的に何が原因でそういった問題が生じているのか、運用面を改善したのではダメで、制度そのものを改革しなければならないのか、我々はよく分かりません。具体的に問題点を指摘し、現場の努力を引き出すような形の制度議論をお願いします。

 国と地方の関係について申し上げます。国と地方の役割分担については、国がシビルミニマムを設定し、財源的にも保障をしたうえで、地方がその土台に立って創意工夫を重ねられるような体制を作るべきだと思います。基礎的自治体に各種の権限を委譲するのは、方向としては賛成です。その場合に留意していただきたいことを、一、二申し上げます。

 学習指導要領の大綱化や理事会による学校運営が言われておりますが、東京の区部では小学校の児童の転入、転出の率が合わせて6~7%に及んでいます。教育内容に地域差が出ると、転校する子どもや指導する教員が新たな困難に直面することも想定されます。

 教育にかかる費用についてみてみますと、東京23区の平成19年度決算で、教育費が4,410億円、一般会計歳出の14.8%です。これに、都が出している県費負担教職員分が3,116億円、都の一般会計歳出の11.8%になります。合せて7,526億円です。都にとっても、23区にとっても、教育費は極めて大きなウェイトを占めています。国の制度改正によって地方の負担が増えることは、地方にとっては大問題です。地方の行財政能力に配慮した制度改正となるようお願いします。

 教育の質を確保するためには、教員の質の確保が重要ですが、ここにも大きな問題が生じています。東京都についていえば、小学校の教員の採用選考の倍率が2.6倍でした。これは、教員の質の確保という観点からは低すぎる倍率です。ところが、同じ時期に、鳥取県では28倍、秋田県では22倍、青森県が20倍、岩手県が15倍と、大きな差があります。

 現在、教員養成の専門課程を持っている国立大学が48校ありまして、毎年約1万人の卒業者を出しています。そのうち、正式に教員に採用されているのは約3千人です。教員になりたい若者に税金を投入して教員免許を取らせても、その70%、7千人は教職に就いていないのです。これは、教員養成制度の大きな問題と言わなければなりません。国において是非対策を考えていただきたいと思います。例えば、都道府県の教員採用選考の一次選考を共通化するとか、どこかの都道府県の教員に正式採用されたものには都道府県の枠を超えて異動することを認めるとか、具体的な検討をお願いします。

 最後に、児童生徒の体力の状況について、お配りした資料に基づいて意見を述べます。

 子どもたちの体力は昭和53年ころがピークであったといわれております。図は、昭和53年を基準にその後の変遷を表しております。上段が中学2年生の男子、下段が女子の状況です。オレンジ色が全国平均、ブルーが東京都の状況となっています。昭和53年から、30年後の平成20年までを目で追っていただければ、この間の子どもたちの体力の低下が深刻な問題となっている状況がご理解いただけると思います。ところが、今回の「事業仕分け」では、全国の体力調査については悉皆でなくてもよい、抽出で十分だとなっているようです。私は、これは問題だと考えます。子どもたちの体力の状況については、引き続き悉皆で状況を把握するべきです。

 なぜこう主張するかについて、資料の2枚目をご覧ください。これは、東京大学の猪飼先生による「体力の構造」を表した図です。私たちは、この図の右上のほう、身体的要素の中の行動体力、とりわけ形態と機能、すなわち巻尺やストップウォッチで測定できるものだけを体力と把えがちです。しかし、資料の下半分をごらんいただきますと、体力には精神的要素が含まれていることが明らかにされています。的確な正邪の判断、それを維持する意志の強靭さ、向上への意欲、ストレスに耐える力、これらも体力の精神的要素であることが明らかにされています。体力は、知育、徳育も含めたすべての教育の基盤だということができます。子どもたちの体力の問題は、国全体の問題として対応していただきたいと思います。

 

【梶田氏】  梶田でございます。最初に自己紹介いたします。私は、基本的に研究者でして、心理学、社会心理学をやってきました。しかし同時に若いときから教育研究をずっとやってきまして、国立教育研究所を皮切りに5つの大学で仕事をしてきました。普通は1つか2つの大学でずっと一生行くのですが、私は我慢できないほうですから、5つの大学を回ってきて、最後、今、兵庫教育大学におります。

 今の大原教育長のお話にもありましたが、兵庫教育大というのは、ちょっと自慢話をさせていただきますと、ずっとここ五、六年、教員採用率トップの、大学です。それから、最大の教職大学院も持っています。入学定員100人の。もう一つ言っておきますと、教育大学と名前のつく国立大学は11ありますけれども、兵庫教育大というのは、ほかのところは、国立大学の教育学部を含め、みんな昔の師範を引きずっているのですけど、兵庫教育大は前身は山林原野です、何もない。つまり何もないところに30年前、現職教員に大学院レベルでの学び直しをしてもらおうということでつくられた特別な大学です。

 私は、2000年の教育改革国民会議に出させていただきました。このときは財界からも委員が出られましたし、同時に連合からも出られましたし、いろんな委員の方々が出られました。ここで26人の委員の一員として、このままで教育はいいのかという議論に参加させていただき、私の見るところでは、ここでの議論をきっかけとして2001年以降、学校教育の流れが変わったと思っております。教育というのは、きれいごとがはやります。とりわけ豊かで寛容な社会になって20年すると、きれいごとが教育についてはやります。アメリカでもイギリスでも、1970年代がそうでした。オープン・エデュケーション。子どもを信頼して任せればいい、指導するなど考えなくていいという、ことを言ってきたわけです。それでどうなったか。80年前後になったら学力の大幅な低下と問題行動の爆発的拡大ということで、バック・トゥ・ザ・ベーシックということが盛んに言われるようになりました。その頃、私、毎年アメリカに見に行ったのです。一見華やかな教育活動がどこでもやられていましたが、その一方で、どんどん学力が落ちてきた、どんどん問題行動が出てきた、それを毎年見に行きました。

 しかしこれではどうにもならないということで、1983年に「ア・ネーション・アット・リスク(危機に立つ国家)」という報告が出て、急速に引き締めに転じたのです。きちっとした教育をやろうということで、その後もずっとアメリカの状況を見に行って、非常に参考になりました。

 日本は20年遅れの90年代、同じことをやりました。ゆとり教育ということです。私ども批判をしてきましたけども、俗耳には非常に入りやすい話がはやりました。しかし、国際比較調査でどういうことになっているか、ご存じですね。学力は大幅に落ちております。もうアジアの中でも日本は、大きな顔はできません。20年、30年してごらんなさい、科学技術で日本は太刀打ちできなくなります。いろんな意味で、私は日本の国力の一番土台には教育があると思っていますけれども、大変なことになってしまいます。それを、もう一度言いますが、2000年に20年遅れで来た豊かで寛容な社会の、いわばゆるみ現象、たるみ現象が、日本の教育にもあるという議論をしました。それをどういうふうにもう一度引き締めるかという議論をしたわけです。そして、右から左までの委員の人達が議論して、同じ方向が出たのです。手だてはいろいろとあるけれども、やっぱりきちっとした責任のある教育をしなくてはいけないということです。

 こういうことで、2001年から私も中教審にも入れていただいて、今、初等中等教育分科会のお世話役と、その下にあります教育課程部会、それから教員養成部会のお世話役をさせていただいております。みんな、きちっとした教育をどうしたらいいかという議論、これがモチーフです。

 そういう中で、私は今回の政権交代については、非常に期待をしております。どういうことか。我々議論しても、なかなか財務省の壁に阻まれてどうにもならなかったわけです。ほんとうに、どうにもならなかった。しかし、新政権の下で、本質的な意味で大事なことを2点、手をつけられようとしている。明日の予算の概算要求に出ると思いますけども、一つは教員の増員と現職教員の研修の強化です。つまり教員の数と、それから一人一人の教員の力量を高めること。これがないときちっとした教育になりません。教育は人なりです。これに今、一生懸命やろうとしておられるということは、私は非常に高く評価しております。期待を持っています。もちろん1年目から全部がやれるなんて思っていません。しかし、その方向に向かってやれるところからやってほしい。

 もう一つは、高校の無償化、これも私は非常に期待しております。これはどういうことかといいますと、例えば私は全国学力・学習状況調査の制度設計のときの専門家会議の座長もしましたし、今も分析・活用の専門家会議の座長をしておりますが、そこでずっと分析していただいていますと、学力が明らかに家庭の経済条件と比例してしまうのです。これは困ったことでしょう。教育の機会均等を家庭の経済的な条件が阻害しているのです。もっと言いますと、大臣もそうですが、私も京都大学を出たのですけど、私が出たころの京都大学って、日本で一番貧乏な子が来てたわけです。これはそういうデータがあるんですよ。当時は、同志社、立命の学生は、みんなきれいな服を着てね。ところが、我々、京都大学の学生というのは、ぼろを着て歩いてたわけです。ところが、いまや関西で京都大学の学生が一番豊かです。同志社、立命、関学よりも、はるかに家庭の経済的レベルが高い。どうしてそういうことになったのか、と私は思います。ここに、我々が真剣に考えないといけない問題があると思うのです。

 家庭の経済格差が教育の機会均等を阻んでいるという現実がある。もちろん、これもすぐに全部が解決できるものではありません。しかし、まず高校の無償化から手をつけていただく。これは私はすばらしいことだと思っています。4500億円、これは将来の日本の社会が公平公正な社会になるために出費として考えたら安いものですよ。ただここで、私学のことも忘れないでいただきたい。特に、高校は私学の比重が大きいです。もう一つは、できれば大学まで持っていってほしい。小中についても先ほどお話がありましたけれども、実質的に教材費やら何やらかんやら、貧しい家庭の子どもたちは割を食ってます。これも考えていただきたい。

 今、申し上げました教員の数と質、高校教育の無償化を含めた格差是正、この2つについて筋道をつけていただきたい。これができれば、あといくつかの点で私は見解が違いますけど、大きな声で文句を言うことはいたしません。学力調査で抽出に変えられるのも結構です。私、研究者として言いますと、これは間違った方向だと思っていますけどね。ですけど、そういうことも含めて試行錯誤はあります。それはそれで議論したらいいのです。意味があるかどうかということを議論して、データを集めて、エビデンスベースでやっていけばいいのです。免許更新制の問題でも、いろいろとあります。いろいろとあるけれども、私は今申し上げた2つの点に比べれば小さい、小さいと。いろいろと見解が違うところは出てくるかもしれませんが、そういう相違は置いておいて、この2つの大事な点、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 

【門川氏】  門川です。このような機会をいただき、本当にありがたく思っています。

 それでは、民主党のマニフェスト、あるいは今マスコミ等で争点になっている部分に焦点を当てて、6ページ、7ページに要点を書かせていただいていますので、お話ししたいと思っています。

 高校の授業料無償化、大いに期待しています。ただ、格差是正の視点をぜひともお願いしたい。京都市では大体20%を超えて授業料は免除になっています。今、東京都の教育長がおっしゃったのと同様に、京都も市内に50の高校がありますが、26が私学、市立が9校で府立が15校、半分が私学なんです。これは大学が多く、又、お寺の本山が持つ、江戸時代からの私学があったりと、非常に私学率が高い。私学率が高いから、私学の経営を圧迫しないよう、公立と私学と両方が繁栄するような取り組みをしています。

 そうしたときに、やはり低所得層の問題があります。例えばタクシーの話がありました。京都に9000台あり、タクシー労働者は一万何千人いる。今300万の年収があるでしょうか。かつて500万あった。そうした人にとったら、授業料は既に無償ですから何も変わらない。したがって、格差是正という視点で低所得者対策をしっかりとしてほしい。

 それから、もう一つは、これも話題に出ました。部活動とか、文化活動、こういうことに取り組めるお金をお願いしたい。

 もう一つは、経済的に困難な生徒が行く私学の先生に聞くと、家庭訪問して月謝集めるのが私の仕事ですと。滞納をずっと続ければ除籍しなければならないので、滞納者に対する督促にものすごいエネルギーを使っている。だから、個人給付じゃなしに、設置者給付方式をぜひともお願いしたい。学校・教員の負担を軽くすることが大事だと思っています。

 それで、繰り返しになりますけれども、ぜひとも私立については給付型の奨学金、これは低所得者層に焦点を当てたらいいと思いますが、よろしくお願いしたいと思っています。

 次に、大学、大学院、専門学校、これも低所得者に焦点を当てた給付型奨学金をお願いしたいと思っています。

 ちょっと戻りますけど、民主党のインデックスにも載っている、幼児教育の無償化もお願いしたい。保育も含め京都は3人目から無料にしているんですけど、なかなか地方では、これ以上無理ですので、国として実施してほしい。

 それから、次に、教育環境の整備、これもきちっとマニフェストに掲げていただいたのはありがたい。1点だけ申し上げます。学校統廃合、今、京都はどんどん進めています。ただ、行政が画一的にやっていません。保護者、地域の人に学校のあるべき姿、教育のあるべき姿を議論してもらって、総意のもとにやって、62校を15校に統廃合しました。教員は300人以上減りました。しかし、この財政効果は国と都道府県でして、建設費は本来2分の1国の補助ですけど、都心部であるため高層の建物を建てたり、地下を利用したりする必要があるため、国が2分の1とおっしゃているけど、実質は5分の1なのです。

 これ、財政効果はすごくあるのです。5校を1つに統合したら、5つの学校の体育館を直すより、一つでいいんです。だから、3分の2の実質補助でもして、インセンティブを与えないことには進まない。基礎自治体が一生懸命汗をかいてやって、全部地方の負担。スクールバスを走らせる、これも実質全部地方負担。京都はへき地校もあり、子どもが100人ぐらいの学校はいっぱいある。そこで統合して、小中一貫校をつくった。しかし、スクールバスを出すのも、国の捕縄はわずかななんです。ですから、こういうことにインセンティブを与えて、そして効率的かつ効果的な取組ができるようにお願いしたいと思っています。

 次、免許更新制ですけど、私もこの免許更新制の制度設計に参画した1人であります。率直に言います。京都市の例をとると、必ずしもこの制度は必要ないと思っています。したがって、教員の資質向上には教員研修が重要ですが、「特化」、「自由化」、「組織化」をキーワードにしています。特化、必要な人に必要な研修をする。画一的に10年目にこれだけの研修というのは意味がないと思います。もう一つは自由化であります。個性、専門性をどんどん高める。そういう条件をつくる。例えばカルキュラム開発支援センターをつくる。あるいは、どんどん教師が創造的な授業をやったことを広めていくような取組にする。その次に組織化、現場の実践の中で教師が育つ体制を確立していく。こういうことに重点を置いていくべきだと思っています。もちろん、義務的な研修も必要であります。

 そして、不適格教員、この免許更新制は不適格教員対策と資質の向上とが混ざって議論されたところがあるんですけど、京都市では不適格教員対策としては経験豊かな校長を30人ぐらい教育委員会に確保して、学校経営の支援、保護者の相談も受けることも含めて、教師の立ち直りを徹底支援して、それでも改善されない場合は分限制度を活用する。日本中で一番不適格教員に教壇から去ってもらったのは京都市だと思っています。そういうことをきちっとやっていったらいいのではないかと。

 次に、6年制修士について、賛成です。教師ほど専門性の高い仕事はないと思っています。ただ、今の4年制の大学を、兵庫教育大学みたいにすばらしかったら別ですけど、4年を6年に延ばしてもあまり意味ない。現場で、子供のいる真ん中で、すばらしい実践者がいる中で学ぶことが必要。したがって、一、二年実践しながら学ぶ。それから、専門職大学院、教職大学院を活用したらいいのではないかと。そして、一たん教師になったら、2年ぐらいは全額でなくても一定給与を保障しながら大学院で学べる、こういうことがいいのではないかなと思います。

 その次に、新たな教員の定数改善計画をぜひともお願いしたいと思っています。京都市では小学校1、2年と中学校3年で少人数学級を独自予算でやっています。京都市では、十二、三年前まで2万人いた職員を1万5500人まで、4500人行財政改革で減らす一方で、独自財源で少人数学級をやっているんですけど、限界があります。地方分権、地域主権は大事ですけど、三位一体改革、あれで京都市は1300億円あった地方交付税が800億円になりました。500億円減らされました。政令指定都市に画一的に厳しい基準を適用されたので、39%減です。全国平均の地方交付税の減は24%です。横浜や名古屋やら豊かなところと同じ基準になりましたので、それで政令市18市の中で唯一、実質赤字、大変な状態なんです。こういうもので、やはり教員定数改善なんかは国でお願いしたいと思っています。

 次、6番目の学校理事会ですけど、京都式の学校運営協議会、コミュニティースクールをどんどんやっています。国の法律規則では、学校運営協議会というのは、校長の教育方針を承認し、あるいは人事等について意見を具申すると、こういうことを言われているのですけど、これも大事であります。しかし、京都の場合は地域の特色を生かし、地域の皆さんがともに子どものために汗して知恵を出し合う共感型コミュニティースクール、地域ぐるみの学校応援団として取り組んでいます。そういうことで、学校運営に地域の方がボランティアとして参画していく取組をしておりまして、今、全校の6割がコミュニティースクールになってきました。養護学校をコミュニティースクールになっております。

 そんな中で、今、全国の設置数の3分の1になっていると思います。そこで、例えば小中の一貫の取り組みにする場合に、中学校ブロックで学校運営協議会をつくると、こういうことをできるようにお願いしたい。

 もう一つお願いしたいのは、学校協議会ファンドができるようにしてほしい。地域立の学校として、地域の学校に豊かな人が寄附する。市に寄附するのではなく、学校運営協議会に寄附する。そういうファンドをつくり、みんなお金も出す、汗もかく、知恵も出す、こういうことができたら、行政は豊かでないところの学校に焦点が当てられる。こういうことができたらいいだろうと思います。

 ただ、1点だけ、学校運営協議会ですけども、行政が画一的にやったらあかんと思います。それで、一つ一つ積み重ねてきました。そして、もう一つは、地域には、様々なリーダー間の人間関係や政治的な対立、あつれきもいっぱいあります。それが学校教育に持ち込まれたら大変です。私は、学校は校長がリーダーシップをとらなければあかんと思っています。それで、もし混乱したときには、教育委員会は第三者機関として学校運営協議会を評価する機関をつくって、校長の申請に基づき調査し、学校運営協議会を解散する権利を担保しています。だから安心して学校運営協議会をつくれます。

 学校は一日も混乱したらあきませんので、そういう担保もしながら、校長さんが、地域の人々が、安心してどんどん広げていける。京都市の学校運営協議会は、1校大体100人ぐらいのメンバーでやっています。そして、例えば全体会議は20分、あと10の分科会、例えば、国際化委員会、教材開発委員会とか、学校安全委員会、スポーツ委員会、こういう実践型の部会に分かれて活動に関する議論です。実践することによって、共感の輪が広がる。議論だけしている場だったら意見の対立が目立ってくる。実践型のものにしていったらいいんじゃないかなと思っています。

 次、教育監査委員会ですけど、教育委員会の活性化が必要だと思います。教育という仕事、特に学校行政は、やはり政治と適切な距離を置いておいたほうがいいと思います。安定性、継続性が大事。京都のような政治的対立が厳しいところで、私は実感してきました。その中で、教育委員会制度は必要だと思います。それを、どういかに活性化していくか。その中で、首長がどうリーダーシップをとっていくか。教育委員会と市長部局、知事部局、その行政を一体化させていくような仕組みを新たに考えていく必要があるのではないかと。首長が変わったから学校教育の中身が変わっていくような、例えば、京都市長選って、過去40年間、一番少ないときで321票差。150万都市でですよ。私は951票差。その前は4092票差。こういう選挙をやるんです。そういうわずかな票差で、教育の中身が変わるということはよくないのではないか、このように思います。

 監査委員会というのは、名前もよくないですけど、議会も監査委員制度もチェック機能がすでに十分あるので、もう少し今の教育委員会制度を大事にし、教育委員会の自主性も尊重しながら、活力を与えて、そして首長が責任を持てる体制、そういう制度設計をお願いしたいと思っています。

 スクールカウンセラーの全小中学校への配置、基本的には賛成ですけど、例えば今、書道の先生が欲しい、体育の先生が欲しい、いっぱい要望があります。マンパワーが必要なんです、様々な専門性が必要なんです。画一的に全校にスクールカウンセラーをというよりも、地方に任せて、地方がプライオリティーを決められるようにお願いしたいなと思っています。

 その次、コミュニケーション教育拠点の充実、これはすばらしいなと思っています。例えば、ドラマ・ティーチャーを置く。あるいは、音楽や書道の先生を置く。例えば書道の担い手はこのままではなくなります。教育大学で書道のすばらしい先生がいても、非常勤でしか雇いませんから、小学校での本格的な書道の先生は誰もいなくなります。だったら、教育委員会にドラマ・ティーチャーや書道や美術や柔道、剣道の先生を置いて、学校を巡回指導する、こういうことをやったらいいのではないかと。ただし、教育委員会に置くといったら、これは国庫補助対象じゃないと、こうなるのです。この辺を打破してほしいなと思っています。

 それから、あと、茶道、華道、京都でもじわじわと衰退しているのです。私ずっと年中着物を着ているんですけど、京友禅が、西陣織が、世界中で評価されている一方で、京友禅は、最盛期の3.4%、30分の1です。西陣織12%、このままでは千年以上続いた和装文化が、又その担い手が10年で終わります。おじいちゃん、おばあちゃんばかりが担い手です。匠の技を持った職人に、仕事がないのでタクシーに乗っています。ですから、和装文化あるいは柔道、剣道をどう振興するのか、そういうことについてもお願いしたいなと思っています。

 最後になりますけど、学力調査でありますけども、3年間の悉皆調査で傾向とか課題を把握できたと思っていますので、これも抽出でいいのではないかと思っています。一方で、社会、理科、英語など実施教科を広げてほしい。京都市は戦後一貫して、学力調査をやってきました。小学校の音楽もやっています。そういうふうに地方独自でいろんなことをやっていく、それを参考にしながら、国では抽出でいいのではないかと思っています。

 以上です。よろしくお願いします。

 

【根岸氏】  秋田県の根岸でございます。こういう機会を与えていただき、大変光栄に感じています。

 では、レジュメに従いまして、るる申し上げます。

 1点目の高校の授業料無償化についてですが、まことに時機を得た政策であると考えます。大歓迎いたします。ただ、先ほど来、ご指摘がありましたが、事務量が増えず、確実に設置者に渡る好意的な方式で実施をお願いしたいと思います。間もなく各県とも、平成22年度予算作業の時期に入ります。また、条例改正も伴いますので、できるだけ早目の方針明示をお願いしたいと思います。

 配慮事項は、これまでもご指摘がありましたが、私学への配慮が必要です。本県のように、学校数からいっても公立優位の地方もあります。本県では公立高校数10分の1以下ですので、非常に私立の方々は動揺をしているようであります。一層の公立志向が強まりそうだと言っております。

 それから、授業料減免者ですが、本県では全国の真ん中ぐらい、10%強が減免対象であります。今回の制度では、彼らにとって「ご利益」がないのです。ですから、ぜひとも支援策の検討をお願いしたい。私どもも行いますが、各自治体も財政状況が厳しいので、もしかすると財政担当局から知らん振りされる可能性もないわけじゃない。それで、多少なりとも呼び水的な国からの支援があれば大変助かります。

 次に、免許更新制について申し上げます。都道府県教育長協議会が平成18年、これについては申し入れをしております。慎重な導入をお願いしたいということでありました。

 一方で、国民へのアンケートでは、免許更新制度については大半が賛成だという事実もありました。これらを踏まえて現在に至っております。昨年の試行、今年の実施を踏まえて、部分的なアンケートを実施しました。結論から言うと、参加者の姿勢いかんによっては、よかったという人もいるし、そうでない人もいます。経費がかかるといったようなこと、いろいろ問題点も指摘されますが、これは予想どおりでありました。いずれにいたしましても、県として多大な費用とエネルギーを要してまいりました。したがいまして、早期に方向性を明らかにし、現場が混乱しないようにしていただきたいと考えています。

 なお、6年制への延長については、専門職という位置づけでしょうけども、教員は職人と共通する面があって、やはり子どもたちと相対しながら学ぶことのほうが、より効果的だと思いますので、先ほど各参加者からの意見のとおり、仕事をしながら学ぶというのが一番効果的ではないかと考えます。

 なお、不況が続く中、2年延長となると、希望者減となる可能性があること、教育系学部以外の出身者の減少につながるのではないか、このことについては懸念をしております。

 それから、指導力不足教員対策の一環として、最終的には分限処分等を行使する一方で、場合によっては、その対象者に免許を更新させているのです。レアケースでしょうけれども、これが争いになった場合には、非常に説明に苦しみます。すなわち県教育委員会が検事役をやり、弁護士をやり、かつ裁判官をやる。これは非常にいたたまれない状況になります。こういうことも頭に入れて、この免許更新制度については、ソフトランディングをお願いできればと思います。現に、今年3万円弱の経費をかけて職免扱いで行っている方々が実際いますので、その方々の扱いをどうするか、ちょっと頭が痛いところであります。

 次に、全国学力・学習状況調査ですが、本県では平成14年から県独自の学習状況調査を行っております。今盤の全国調査も含めまして、継続的な検証サイクル、PDCAサイクルを取り組んできており、悉皆調査のメリットも十分に生かしてきたつもりであります。個々の児童生徒へのきめ細かな指導を行うことができました。これは言葉を変えますと、学力保障という言葉になります。

 大臣の前で大変失礼なのですが、今年の4月に行った小学校算数Aであります。この中で、こういう問題があります。「100を45個を集めた数を書きましょう」という問題があります。これは、もちろんAですから、いろんな方に聞くと、9割ぐらいの正答率ではないかというような感じ方が多いのです。ふたを開けてみますと、本県でも全国でも正答率は70%ちょっとです。つまり、10人中3人は、これがわかってないのです。これは平均ですから、学校によっては全員正解の学校もありますし、学校によっては半分にもいたっていない学校や地域もあります。この問題は非常によい問題で、単純暗記ではいかないのです。概念理解、量概念理解を必要とする分野であり、これはすぐには力がつかないのです。つまり算数以外でも、いろんな場面で、例えば国語でも、理科でも、しょっちゅう頭に入れて指導しなければいけない。

 どこどこと点数競争するということは、本来は邪道なんです。自校の子どもの半分がわかってないとすれば、その校長さんは、卒業までの11カ月で何とかしなければならない。2月末までには、まず全員がわかりましたということを親に報告すべきなんです。ですから、学力調査の活用方法の第一は、受け終わった子どもたち、すなわち小学校6年生、中学校3年生対象にに行うべきなんです。これを次年度対象の小5、中2へ1年ずらすとだめなんです。このように考えていましたので、本県では悉皆調査のメリットを生かしてきたつもりであります。

 なお、今後、国の調査が、手法がいかように変わっても、その結果については有効活用してまいる方針であります。

 なお、学力調査については、大変よい問題が多くて、大変参考になりました。授業のやり方についても参考になるような問題が多く、感謝しています。

 それから、最後に教職員定数の充実ですが、先ほどお話がありましたが、「教育は人なり」であります。これは教師の質を言っているんでしょうが、やはり人の数は必要条件であります。少人数学習に関係する定数加配を引き続きお願いしたいと思います。

 なお、本県では、この間、13年度から60億円の県費を投入し、少人数学習の充実に努めてまいったところであります。

 それから、町村合併に伴う加配措置のことですが、「継続と条件緩和」と、さりげなく書いていますが、条件がちょっと厳しいのです。柔軟に対応していただきたいということを最後にお伝えします。

 以上であります。

 

【向山氏】  今日はどうもありがとうございます。お手元の資料、9ページです。全国連合小学校長会長の向山行雄です。略して全連小と呼んでいまして、全国小学校、約2万1000余ありますけれども、100%の加入率の組織であります。私、銀座にあります泰明小学校の校長をしております。

 いろいろ申し上げたいことはあるんですけど、大きく4点に絞ってお話をさせていただきます。結論を言えば、やっぱり教育は人なりということで、いい人を、あるいはいい人をたくさんいただきたいということです。

 1つ目が、教職員が子どもと向き合う時間の拡充をしていただきたいということであります。先年、勤務実態調査を文科省はやっていただいたのですが、平均して月に34時間の超過勤務をしております。新しい教育課程をやることによって、授業時数も増えますから、その分がそのまま超過勤務につながる可能性もあります。これ以上の多忙感を与えてしまっては、非常に反作用が多くなると思っています。加えて、現在では非常に理不尽な要望をする保護者が増えてみたり、いろいろな今日的な教育課題があります。そういったような課題への対応のためにも、ぜひ子どもと向き合う時間の環境整備を図っていただきたいと思います。

 2つ目は、新しい教育課程、先行実施が始まっているわけですけれども、そのための条件整備、上が人ということであれば、下は物ということになります。例えば、ここに一つだけ、社会科で「主な大陸や海洋の位置や名称」、こういう文言が入っただけでも、例えば学校では地球儀などを整備します。私の学校でも8個ほど買ったでしょうか。地球儀そのものは8個でも五、六万で買えるのですけども、これを買えば棚が必要になります。これがうちの学校でも十数万かかります。こういったようなものというのは、割合見えにくいところだろうと思います。大臣の地元の滋賀県のように、琵琶湖に船を浮かべて、非常にすごい体験活動をやっている県もありますし、なかなか自治体の経済的な状況で十分にいかない県もありますので、ぜひ教育の機会均等の上からも、所要の条件整備をお願いしたいと思っています。

 裏にまいります。3点目であります。質の高い教職員を確保するための施策ということであります。大きく3つ書きましたけれども、1つは教職調整額の見直しというところです。今、中教審でも、この調整額の見直しの検討をしていただいているんですけれども、なかなか教員というのは定量的に勤務時間を計測しにくいという実態があります。特に、私は小学校の校長でありますので、小学校というのは、特に中学校よりも計測しにくい。例えば中学校というのは、残っていて部活動指導とか生徒指導とか、割合わかりやすいのですけれども、小学校は教材研究がそのままずっとつながってみたりするところがある。加えて、非常に女性教員の比率も高うございます。持ち帰り業務も大変やっている状況があります。これらのものは、あまり計測ができないということもありますので、ぜひそれに見合った見直しをしていただければと思います。

 2つ目は、初任者の大量採用というのは、先ほど東京の大原教育長からもありましたけれども、いわゆる太平洋ベルトで、東京から神奈川県ずっと兵庫県のほうまで大変たくさんの初任者を配置するということがあります。これは三十数年前のぶり返しであります。私どもが初任者だった三十数年前、例えば東京の江東区で、初任者1校で12名というのがありました。次の年は13名初任者、2年間で23名というところもあったのですけれども、そこまでひどくはないですけれども、大変大量の初任者を確保しなければならない。実質倍率が非常に下がっていますから、前だったら当然受かってこないような教員も受かってきてしまう。それがいずれ学級崩壊とか、保護者からの要望にこたえられなくなってしまう可能性があると。そういう点では、優秀な人材確保というのは、非常に重要だろうと思います。

 それから、3点目は管理職の処遇ですけれども、これも自治体によって違いますけれども、都道府県によっては管理職のなり手がないということもあります。昨年度の我々の調査では、60歳まで勤めないで、その前にやめてしまう校長は約7%でした。100人のうち7人は、そこまで行かずにやめてしまうと。関西のある県では、73%しか60歳まで勤めないと。100人のうちの27名は、その前にやめてしまうというところがあります。高井政務官の地元の徳島県のように100%の県もあるんですけれども、一方で、そういうところもある。これはいろんな原因はありますけれども、やっぱり疲れを生じてしまって最後まで勤められないという、一つ管理職の激務のあらわれかと思っています。

 最後は、その他の施策についてであります。文科省にとっても、この基本計画の策定というのは念願だったわけですけども、ようやく振興基本計画が策定されたわけです。教育立国と、こういうことをうたっているわけですから、それにふさわしい政策をこれから進めていただきたいと思います。

 それから、教育養成期間の延長についても、民主党のマニフェストにもあったわけですけれども、これはメリットも当然あるわけです。保護者が非常に高学歴化していますから、6年制にしていくというのは意味もありますが、同時に6年制にして教員養成系の学部に学生が集まるか。今のような教員養成システムで4年を6年にしても意味があるかという、そのデメリットも部分というのもあるだろうと思いますので、多方面からぜひ分析をしていただきたいと思います。

 それから、高等学校の実質的な授業料の無償化は、狙いとするところは賛成でありますけれども、保護者の年収による区分というのは難しいのだろうということはお聞きしていますけれども、財源が限られているわけですから、そういう中で、より有効な執行ということは、ぜひお考えいただきたいと思います。

 最後になりますけれども、大臣、副大臣、大臣政務官の皆様、大変ご多用と思いますけれども、できるだけ学校現場を視察していただければと思います。私どもの学校は、すぐ歩いて10分ですので、アポイントなしでいいですので、ぜひ給食でも食べにきていただければと思います。

 以上です。

 

【若月氏】  最後になりました。東京品川区の若月でございます。若月の「わ」でありますので、学校の時代から何でも一番最後、大臣が、いつまでいてくださるのかなと、さっきからやきもきしておりました。中教審でも一番最後でした。相変わらず、官僚主導が直ってないなという感じでありまして、これから順番を変えていただけるとありがたいなと、こんなふうに思います。

 さて、冗談はさておきまして、私は教育行政にかかわっております。今、本区は決特の時期なもので、私の資料が遅くなりましたが、今日持ってまいりました。

 各論を申し上げればいろいろありますが、詰まるところ、まずは新政権が義務教育に対してどういった財政的なスタンスを基本的にとるか、ここにすべてがかかっているし、私たちはそこに一番期待をしております。と申しますのは、先ほど梶田先生もおっしゃっていらっしゃいましたけれども、やはり国にはいろんな都合があり、財務省の壁もありました。先ほど来、定数改善だとか、あるいは教員の給与の問題等々が出ておりますけれども、定数改善、定数改善と言っても、果たして2006年の骨太方針で文科省と財務省が約束していた平成23年までに教職員1万人を純減するんだとか、あるいは定数を改善すると同時に、教員の給与を引き下げていこうというような妙な約束があるやに聞いておりますが、こういったことに対して、どう対処をしていくかということを明確にしていただきたい。ここに私たちは大きな期待をしますし、突破口があるだろう。まずは財源の問題がどうしたって無視できない問題だ、こう考えるわけであります。

 したがって、今日は主に、この財政、あるいは財源の問題と、それから高校の無償化の問題、そして私は教育委員会におりますので、教育委員会の制度といったようなものに関して、2つお話ができればと思っております。

 1つは、財政の問題でありますけれども、今、補助金をやめて一括交付金にしようということなんですけど、ここで大事なことは、一括交付金を地方交付税交付金のような形で、もし実施されるとすると、あまり現場にとってはメリットがないだろう。何でも使えるということになりますと、決して自治体の首長さんを信頼しないわけではありませんが、やはりここは一抹の不安があるし、過去において苦い経験も実はございます。

 したがって、ここでほんとうに学校教育に新政権が本腰を入れて改革をしていこう、今までデッドロックに乗り上げていたものを、乗り越えようという私たちの熱い思いをご理解いただけるならば、義務教育の水準の維持とか向上という点、1点に狙いを定めて、それを一くくりにした交付金、勝手に私が名前をつけますと、義務教育費一括交付金、こういったようなものを創設する、これが大事ではないだろうか。ここにありとあらゆるものを入れていけば、三位一体改革の負の部分というのから、かなり解放されるというふうに思っています。

 その際、今3分の1の国庫負担でありますけれども、そんなことを言わないで、この新政権が教育にかける、あるいは今までのさまざまな官庁同士のしがらみを打ち破るのであるならば、全額を負担するぐらいの、意気込みで教育を見ていただければと思います。ただし、この義務教育費の一括交付金が現実した場合にも、これはあくまでも学校の設置者に交付をすべきでありまして、区市町村の教育委員会の立場からいったとき、都道府県教育委員会にこの交付金を交付したところで、全く意味はない。ここに書いておきましたが、地域主権とおっしゃるならば、その地域主権が新たな都道府県集権を生み出さないよう十分に注意をしていただきたい。これは現実にありますので、それを申し上げます。

 また、それによって、先ほど大原教育長は教育委員会はいろいろやっているとおっしゃいましたけども、しかし都教委があることによって、寄らば大樹の陰で、本来やるべきことや、要するに責任の所在をあいまいにしている教育委員会は、ここにいらっしゃる関係者の自治体は除いて、かなりあるということは事実であります。具体的な事実を私はいっぱい知っております。次に、この義務教育費の国庫負担、これを一括交付金、全額保障するときに、どのぐらい必要か。何かで前に読んだのですが、9から10兆円必要だそうです。であるならば、今まで文科省が持っていた負担金とか補助金が約2兆円あります。そこに今度は、地方交付税交付金がありますけれども、その地方交付税交付金の中から7から8兆円を移しかえて、9から10兆円にして、文科省予算というふうにした義務教育費一括交付金というものを創設すれば、ある程度の見通しはたつと。これがとらぬタヌキの皮算用にならなきゃいいんですが、そうすれば、これはかなり義務教育費一括交付金としての現実味があるんじゃないかなと考えているところであります。

 そこで、そういったことに絡んで、学校と学校の実質無償化というもの、これに対しましても、ここに今日書いてありますけれども、いわゆる国際人権規約がございますけれども、この中で中等教育、高等教育についての無償制度を漸進的に導入しましょうと言っているんですけども、それをまだ嫌だといって、無償化条項を調印していないのは、日本とマダガスカルの2国しか、今残っておりません。こう考えたときにも、これだけの高等学校、あるいは高等教育機関に進学している率が高い、そうした国が、そろそろ考え直すのが当然のことだろうと思います。

 ただし、またただしになるわけですが、これを無償化にしたときにも、そうした就学支援金は、市区町村に支給するのではなくて、やはりあくまでも学校設置者を通した支給にしていただきたい。これを、もし区市町に来たときに、品川なら品川の自治体の事務量、あるいはそれにかかわるコストというものが、また当然発生してきます。必ずしも在籍者の把握というものが、そう迅速ではありません。そういった意味からも、学校設置者というのが保護者にかわって代理受領をするという、これが一番現実的であるし、合理的ではないだろうかと思います。

 それから、無償化に伴ってですけれども、これで考えておかなければいけないことは、先ほどもどなたかから出ていましたけれども、現行でも、今、授業料の免除というものは都道府県レベルで実際に行われているわけです。これ、無償化になったときに、今まで都道府県レベルで行われていたバジェットは、どこへ行くのか。教育にちゃんと返ってくるのか、あるいは別のところに回ってしまうのか。ここら辺もしっかりと考えておかなければいけないでしょうし、既に今、その受給者にとっては、ただ単に県や都からもらったお金が、国からもらうようになっただけ、という形になってしまったなら、これはあまり意味のあることではないだろう。だから、基本的には賛成でありますけれども、ここら辺は十分に考えていかなければいけない。特に、私立の場合、24万円を超える部分、私立は平均するともっと高いですから、ここら辺の授業料はどうするか、授業料の減免であるとか、あるいは授業料以外の経費というものに充当する、給付型の奨学金の創設といったようなものをあわせて考えていかないと意味がないのではないかな。これにも、やはり国の財源保障といったようなものがついて回ります。

 それから、もう一つは、これは財源の問題ではないのですけれども、高等学校の実質無償化といったときに、これは限りなく高等学校義務教育化に近づくけれど、義務教育ではないという、何かヌエのような性格を帯びてしまいます。ここでもう一度、しからば日本という国の現状において、義務教育というのは一体何なのかということをあわせて検討しなければならない。やることはいいと思うのですが、それをあわせて検討をしていかなければ、いろいろ混乱が出てくるだろうという気もします。

 それから、細かいことになりますけれども、高等学校というのは留年、退学等々があります。だけど、籍だけ置いて補助金だけもらおうなんていうようなやからも出てくるかもしれません。そんな細かいこともいろいろ検討をあわせて、並行してやっていく必要があるだろうと思います。これは財政的なことであります。

 それから、2つ目、教育委員会制度のことについてであります。基本的に、ここにも書いてありますが、地方自治体が教育に責任を持って、教育委員会が新たに教育行政をチェックする機能に徹する、これは大変興味深い提言だと思います。それはどういうことかといいますと、確かに先ほどもちょっと申し上げました。今の教育委員会は何をしているかわからない。わかるようにどれぐらい説明をしているか、情報開示をしているか、ここら辺は甚だ疑問であります。

 それから、先ほども言いましたように、寄らば大樹の陰で、結局は何かあれば、都教委が、県教委が、あるいは国がというような形で、常に責任転嫁ができる余地を残しているといったようなことから、もっときちんとした責任を持たせる制度をつくるという意味で、今回の新政権の提言といったようものには、私は一定の価値があるだろうと、こういうふうに思います。とにかく責任の所在が不明確であるということをクリアする、これが非常に大事なことだというふうに思います。その際、例えば国、都道府県教委、あるいは区市町村教委という、この縦の構造を一体どう整理し、考えるかという問題がついて回ります。

 それから、先ほどちょっと申し上げました義務教育費の一括交付金というものの創設と、これは非常に関係してくるわけでありますけれども、今、都道府県教育委員会と区市教育委員会の間で一番大きな課題というのが、人事権と給与負担の問題であります。これは東京の場合にもなかなか話題にはなりますけれども、一向に進みません。それは、確かに地方の教育委員会によっては、要らないという教育委員会があることも事実であります。それはそうです、楽だからです。そして、それは責任の所在をあいまいにできるからです。だから、教育委員会は活性しない。そんなことを考えるわけです。したがって、この義務教育費の一括交付金というものが、仮に創設できたらば、人事権と財政負担といった課題は、かなり解決ができる。これは大きな前進になってくるだろうと、こんなふうに思っています。

 その次に、やはり民主党政権が提唱されております、今度は学校理事会を設けるということでありますけれども、これはこれで一つの理念としてはわかるのですが、例えば、特定の団体が、その実権のすべてを掌握するような事態といったようなものが生じはしないか。ここら辺でどういったセーフティーネットを用意するかということも大事だと思います。

 それから、学校理事会という発想は大変わかるのです。例えば、これはバウチャー制度だとか、それからチャータースクールというような発想があるんですけども、ここら辺で私は冷静に考えてほしいことがあります。果たして、義務教育の場合は、さてどうだろう。もっと言うならば、これは甚だ問題があるかもしれませんが、そうしたものを適切に運営できるほど、今の日本の社会は成熟しているか。まだ、踏むべき段階や社会全体が体験しなければならない、学校教育をよくするためのトレーニングがあるのではないだろうかというような気がいたします。

 そこで、教育委員会について、新政権が提案されていることに一足跳びに行かずに、そこに至るまでのプロセスの一つとして、きょう別紙として資料をお持ちいたしました。時間がありませんので省略いたしますが、最後のほうを見ていただければと思います。別紙の5ページであります。責任の所在を明確にするということ、それから首長がもっと教育に関与するといったような観点から、例えば現行の教育委員会制度もまだまだ工夫の仕方によっては幾らでも活性化する余地が残っているのではないかという、その視点をぜひ捨てないでいただきたい。例えば、これは全くの私の考えでありますけれども、教育長という存在は教育委員会から外し、区長とのラインで結ぶ、首長とのラインで結ぶ。そして、その教育長と教育委員長というのがいらっしゃいます。この教育委員長にもっと権限を持たせ、責任を持たせ、常に教育長と教育委員長は、例えば教育の継続性だとか中立性だというものを担保するために、常に調整をするという、そういう役割に徹する。

 それから、もう一つ、この前、教育委員会の活性化という名のもとに地教行法が改正されましたが、あれは失敗であります。教育委員会が活性化してないから、もっと仕事をさせようということで、教育長に与えられていた委任事項が、ほとんど教育委員会に移りました。わずか、月に数回しか来ない非常勤の人たちに、あれだけの仕事を与えたって、さらに仕事は形式的、形骸化するのは必定であります。したがって、ここでもう一度それを見直し、ほんとうに教育委員さん方が責任を持ち、その地域の実態に合ったアイデアが出せるようなものに限定をすべきである。この部分とこの部分については、責任を持ってもらうけれど、権限も持ってもらう。そして、教育長がその間に入って首長をきちんと説得するよ。そういうようなことで、これがもし失敗したら、教育長の責任だというような明確な筋道というのは、幾らでも私はまだまだつくれるような気がしてならないわけであります。

 社会の成熟度から考えて、まだまだ学校理事会とか運営委員会というのは、今幾つかでもやっているようですけれども、甚だ失礼ではありますが、京都を除いて、かなり形式的で、実質的なものはないと思われます。まだ日本の社会の成熟度は、そんなところではないだろうかと。いいとか、悪いとかというのではなく、そんな気がいたします。

 ぜひ、この辺、教育委員会制度というものを簡単にあきらめないで、今の制度といったようなもののよさ、あるいは理念、これを生かすために、どう変えていったらいいか。その余地が少なからずある。それが現政権が目指すものに近づく一つのステップというふうな位置づけ方をすることも、私はできるのではないだろうかというような気がいたしております。

 最後に、教員の6年制と免許の更新制でありますが、免許の更新、6年制というのは、さて4年でものにならない人間が、あと2年多く勉強させたって、どれほどものになるだろうということもあります。

 それから、もう一つは、6年制にすると、教員養成大学やそれの学部はいいかもしれません。しかし、それ以外の教職課程を持っている一般の大学、学部の学生はどうなるでしょうか。現実には、中高の教員というのは、教員養成大学の出身者より一般大学出身者のほうがはるかに多いという現実もあります。こういったことを考えたときに、さて、ここら辺はやはり慎重に考えたほうがいいのかなと思うのです。

 それから、免許更新制、これも初め議論されていたものと、その趣旨が変わっていまして、後退をどんどんしていきました。これについても、あまり実効性がないように思われます。これは、OJTといったようなものを、もっと工夫をするべきだろうと思います。どうしても6年制がいいんだとおっしゃるならば、4年の学部卒業の時点で仮免で教員を採用する。給料も出す。そこで、現職経験を積ませて、OJTで2年分の勉強をさせる。それで、2年たってから、もう一回認定をして本免許というようなこともあるでしょう。

 それから、学力テストのことについてですけれども、これは私は基本的に、なぜやめるんだろうというのが正直な気持ちです。というのは、これはやったって意味があるじゃないか、ないじゃないか、競争がどうじゃないか、こうじゃないか、そういうことではないと思うんです。私が言いたいことは、学力テストがあるということによって、教員に与える心理的影響をもっともっと考えるべきだ。なぜならば、教員はみずからがやった教育実践に対する責任といったようなものの意識が大変希薄であります。学力テストということがあるがゆえに、一生懸命教え始めたり、教材研究をしたりするようになった教員も現実にいる。要するに、教員の体質を変えるという意味で、ただ単に上がった、下がったなんて、そういう皮相的な問題じゃなく、日本の教員集団の意識を変える、安易な方向に流れない一つの方策として、私は一定の効果があったような気がするんです。しかし、本区は本区で独自にやっております。悉皆でなく抽出であるならば、その抽出のまた材料を使いながら本区の改善に役立てていきたいと、こんなふうに思っておりますが、いかがなものでございましょう。

 ほんとうに最後であります。小中一貫義務教育学校というのが、今、全国で143の自治体、およそ2500校で既に実施をされております。ぜひ、この小中一貫教育を保障する義務教育学校の制度化、これについては特段のご配慮をいただければありがたいと思います。

 以上でございます。

 

【高井大臣政務官】  ありがとうございました。

 大臣、ここで公務のため退席されますが、最後にお一言。

 

【川端大臣】  ありがとうございました。幅広く自由に言っていただいて、大変勉強になりました。目指している思いと切り口は、そんなに我々も間違ったほうには向いていないのかなということだけは、ちょっと安心をいたしました。各論においては、いろいろ議論はあることは当然ですし、我々もそういうのを受けとめながら、そう硬直したことでないように、柔軟に対応してまいりたいと思います。今日は、ほんとうにありがとうございました。

 

【高井大臣政務官】  ありがとうございました。

 では、続きまして、鈴木副大臣からご意見、ご感想も含め、お願いいたします。

 

【鈴木副大臣】  どうもありがとうございました。今日は、古橋廣之進さんのお別れの会に行っておりましたので、遅参をいたしまして申しわけございませんでしたが、ほんとうに体力の問題は痛感して、実は私が昭和39年生まれでございますので、中学校2年生のときに大体、昭和53年で、私の学年が一番、いつも戦後最強の体力だったと、いつも自慢しているわけですけれども、これはほんとうに深刻な問題だなというふうなことを思っております。

 今日は、むしろ逆に、私も民主党のマニフェストを、ここにいらっしゃる方々にも既にいろいろご指導いただきながらつくってまいりましたので、それについて残された時間、ご質問なり、意見交換をさせていただいたらと思っておりますが、既にご説明あったかもしれませんが、まず高校無償化については、設置者が代理受理をするという格好にしていきたいと思っておりますので、そこはそのようにご理解をいただければと思っております。

 それから、どういう順番でやっていくかということでございますが、先ほど大臣も、ほぼ同じようなイメージ、今日いただいたご意見を思案させていただいているのではないかということを申し上げましたが、まずはとにかく学費負担の軽減、これによって経済的な格差が学力の格差、学びの機会の格差、ここは速やかにやっていきたいということが、まず我が鳩山政権における第一弾でございます。

 その次は、やはり教育の質と教育力の向上という観点の中で、まさに教員の質と数、さらには、この教材の話などもございましたけれども、そうしたヒューマンとソフト、ここには教授法といったことも入るかと思いますが、これを第二弾でやっていきたい。

 そして、ガバナンスのお話は、これは基本的な問題意識、現状のままでいいとは思っておりませんということだけは、恐らく皆さんシェアしていただいていると思いますが、問題点も、若月教育長からもご指摘いただきましたが、三位ばらばらになっているところは、国と県とまさに市町村、ここは何とかしたいという思いと、それから、やはり教育というのは、より現場、ミニマムはもちろん国が保障すると。金は用意するが、口は出さないと。やっぱり、これは日ごろ児童や生徒の顔が見えている人たちが、その子に合った、そのときどういう指導が必要なのかということをきちっと判断できる体制にしていきたいということになりますと、まさにそれぞれの学校と設置者の教育委員会といいますか教育長が、やはり教育長さんと学校の校長さんは、ほんとうに携帯電話で毎日電話できるぐらいの密接な運営ということが大事だと、こういうふうに思っております。

 その中で、私は、要するに何を申し上げたいかといいますと、私ども教育行政規模の適正なサイズといいますか、特に初等中等教育については。つまりは、世田谷区は人口が80万人です。高知県も80万人でございまして、したがって、県がとか、市区町村がという議論は、その時点で、それぞれ東京の方は市区町村と都道府県を1300万人の東京都をイメージしながら議論していますし、また秋田県の県といったときのサイズというのは違いまして、大事なことは、例えば今申し上げたように、校長先生と教育長さんが携帯電話でツーカーでできる学校の数とか、生徒の数というのはどういうことなのかという、今まで上から目線で道州制がいいだとか、何とかがいい、この議論はもちろんしたらいいわけでありますが、そうではなくて、子どもといいますか、学習者がいて、学習者集団がいて、それを支援する、まさに教員を中心としますが、まさにコミュニティーがあって、それをどういうふうに束ねていって、適正な行政というのがあってと、こういう視点を変えていきたいという中で、地教行法のあり方、教育委員会のあり方ということも見直していきたいと、こういうふうに、そこで誰がこの部分については責任をとるのかという指導責任、あるいは設置責任、そしてもちろんいろいろな財政の確保責任ということを、まさにきめ細かく整理をしながら議論をしたいと思っていますが、これはまさに十分時間をかけながら、しかし、第1期の鳩山政権4年の中で、一定の方向はきちっと整理をしたいと、こんなことで考えております。

 いずれも検討は速やかに着手していきますが、結論を出すタイミングは、少し今のような時間軸かなというふうなことを思っておりますので、そういうことも含めて、また皆様方から、今日はキックオフでございますので、再三、お忙しいところだとは思いますが、ぜひいろいろとご意見を、さらにご指導いただければと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 

【高井大臣政務官】  というお話でございますが、意見交換の時間、4時までということですので。

 

【梶田氏】  中央教育審議会のあり方を見直すということが民主党の文書に入っていまして、私はとても心配をしております。見直されるのは結構ですし、いつでも見直しは必要ですけれども、やはり何を中央教育審議会がやってきたかということを十分に御理解いただいた上でやっていただきたい。特に2001年以降、7つの教育関係の審議会を合併させて、やってきたわけです。前政権の時代には、教育を議論するいろんな会をおつくりになりました。教育再生会議をやり、規制緩和推進会議をやっておられました。規制緩和推進会議なんかは、教員免許そのものが、いわば参入障壁だという、私どもからすると理解不可能な、つまり誰でも教えたらいいんだという、そういうことをおっしゃっていました。そういう会が並立して動いているものですから、何が何だかわからなくなっておりました。

 中央教育審議会は、政治的な決断をするところでは全然ありません。政治的に方向づけるところでも何でもありません。いろんなことについて、いろんな立場から議論を整理していく場です。中央教育審議会というのは、それこそ財界から連合まで委員が出ておられます。教育課程部会にも、日教組からの委員がずっと入って議論に参加しておられますし、教員養成部会でもそうです。いろんな立場から議論をしながら、個々の問題解決の仕方のメリット、デメリットをクリアにしていくという、そういう働きをしてきたと思うのです。政治的判断は責任ある方がなされればいいわけですが、材料が整った上でされるべきであって、材料が不十分なままでおやりになると、これは大変なことになると思います。ぜひ私は、検証なさるのは結構だけれども、前政権のように、いろんなものつくって、わけのわからない話がいろんなところから出てくるようなことをしないで、やっぱり一つのところからきちっとした、しかも多様な見解がそれなりに整理されて出てくる、そういう仕組みを重視していただきたいと思います。

 大臣と三村会長とがお話し合いになったということを仄聞はしておりまして、その後どういうふうになるのか私わかりませんが、中央教育審議会の持つ意義の御理解いただきたいと考えています。また、中央教育委員会ということも民主党の文書の中でおっしゃっています。私自身も、実は30年ぐらい前からそういうことを言ってきました。どうやって政治的な中立性を確保しながら、しかも教育についての多様な見解を吸い上げ、集約して、そしてその上で責任を持った決断をしていくか。この仕組みを作っていかなければ、非常に危うくなると思います。この意味で、中央教育委員会の構想を、今の中央教育審議会の発展した形として考えていただけたらと思います。時々政治家の方々は、自分のお友達を集めて、何とか会議をつくって、ということがありますが、そういうことは是非避けていただきたいと思います。くどく言いますけど、やっぱり多様な立場や背景を持つ人が教育について議論をして、政治的な決断のための材料をきちんと整えるという、そういう場をぜひ重視していただきたいと思います。

 

【門川氏】  ほんとうにありがとうございます。今、鈴木副大臣がおっしゃったサイズの問題、確かに実感します。京都市も147万人です。今、私も市長に就任して2年足らずですけど、区長への権限委譲を進めています。地方分権、地域主権と言っていますけど、同時に組織内分権をやっている。一番住民が近いところで仕事をしている。区長が、区役所の職員が政策立案能力を持ち、住民と共にまちづくりを進める。だから、地方分権というと、あたかも知事会と中央政府の権限とお金の関係のことばかりが報道されるのですけれども、いかに住民に自立してもらって、そして行政と一緒に汗をかいて知恵を出して行動していくか。組織内分権といったものが大事だということで、区提案予算というのを一生懸命やっていこうと。その中で、区役所の職員がかかわる。それで、教育委員会も今やっていますのが、当面4ブロックに京都市を分けて、学校経営支援チームというのをつくって、各チームに8人ぐらいのベテランの校長さんをやってきた主事とOBが、学校経営について校長さんらに何でも相談できると、こういうことをして、1チームの担当地域が大体40万人ぐらいでやっていく。そうすると、夜中でも校長さんから相談を受けた場合、対応できる、こういうことをしていこうと。顔の見える関係、こんなことが大事ではないか、そういうふうに思っています。

 それから、若月教育長とは、一致するところと一致しないところがありますが、いつも楽しく議論していますが、ほんとうに大好きな方で、基礎自治体重視では一致するとところです。戦後一貫して都道府県を通じて教育政策を地方におろしてきた。都道府県の教育委員会の偉い人というのは、大体高校の大校長さんの上がりポストと、こんなことになって、義務教育、幼児教育というのは、あまり専門家はおられません。小学校もあまりおられない。小学校の校長先生で教育長になっている人は、いないのではないかな、あまりない。皆無とは言いませんけれども。

 だから、やはり都道府県、ここにおられる東京都と秋田は立派でありますけれども、やはりいかに基礎自治体を、一番住民の近いところで仕事をしている基礎自治体を重視していただいて、そこに文部科学省の方針なりがストレートに入ってくる。そして、基礎自治体がほんとうにどんどん、いい意味での競争で実践していく、発信し合って、刺激を受け合って、高めていく、これを文科省が支援していただく。こんな関係をつくっていけばいいと思いますので、大いに期待していますので、よろしくお願いします。

 

【向山氏】  「日経ビジネス」の今月号だったか、民主党特集で、鈴木副大臣がお書きになったかインタビューかわかりませんけど、その中でこういうご発言があって、教員の絶対数不足はまず小泉純一郎首相時代につくった行政改革推進法の教員定数の5%カット条項を停止しなければならないと。大変心強いご発言で、日本の1学級当たり生徒数が28.5人を、せめてOED並の平均21.5人までには教員を増やすべきだろうと。この辺、大いに期待をしているんですけれども、副大臣の戦略的にどんなふうになさるか、今お話しできるかどうか、あればお聞きしたいんですけど。

 

【鈴木副大臣】  まず、審議会の件でございますが、これは大臣が三村会長とも早々にお会いをいただきました。それで、鳩山政権の中で大事にしていきたい、あるいは私も大事に、もちろん大臣もそうでございますが、熟議の民主主義ということを言っていまして、やっぱりそれぞれのほんとうに責任を持って現場で頑張っておられる、それはいろんな現場があると思います。教育の現場もあるし、教員養成の現場もあるし、教育行政の現場も、今日お集まりいただいた方、皆さん現場だと。もちろん研究の現場も。やっぱり現場で責任をもって日々毎日頑張っておられる方々のご意見というのは、すべて敬重に値すると。しかし、立場が違いますから、当然言っていることは違う。ただ、これは議論を熟せば熟すほど、おのずと見えてくることがある。例えば、収支の話でも、要は、いわゆる収支に相当する23歳、24歳、25歳ぐらいがOJTをやらなきゃいかんということは、ほぼコンセンサスなんです。あとは、どういうふうな建てつけにするかだけの話でありまして、それをいわゆる教育側が引き取るのか、大学側が引き取るのかというだけ、だけと言ったらおかしいのですけど、そういうことで、やはり議論を熟するということ、これらのコンセンサスというのは必ずできるというふうに、特に教育の場合はできると思っております。

 かつエビデンス・ベースド・ポリシー・メーキングというのは非常に重要だと思っておりますので、エビデンスに常に立ち返りながら、現場に立ち返りながら議論を熟するということは現政権の重要な政策形成のプロセスだというふうに思っておりますので、当然その中で、今の審議会もさらにぜひ、まさに審議を尽くしていただきたい。もっと言えば、ややアンビシャスに申し上げると、今、数千人の方が中教審にかかわっていただいていますが、私は日本の教育行政政策を考える上で、数千人じゃなくて、数万人の方に、これは極端な意味で、直ちには難しいと思いますが、ネットなんかも使って、例えば全国の校長先生2万人の、今SNSみたいなのがありますけど、そういうところで、ちゃんと実名で。そうしますと、やっぱり北海道はこうだとか、沖縄はこうだとか、東京はどうだというお話を、エビデンス、現場の声に基づいたきちっとしたご提言、あるいは情報提供ということを、あらゆる角度で縦横無尽にやっていきたいという思いを持っておりますから、ある意味で、そこの編集部みたいなことで、中教審の皆様方には、さらにご支援、ご指導をいただきたいと、こういうふうに思っております。ですから、例えば今、門川市長から40万というお話があったのですが、これは私の個人的研究でありますが、初等中等教育で申し上げると、やっぱり30万から50万、いろんな観点から。そうすると、やっぱり40万というので、さらに私も意を強くしたのですけど、こういう話も、まさにいろいろ議論をしていただく中で、結局人事のこと、採用のこと、研修のこと、人事異動のことを考えると、やはりそういうことになるのかなということも今は感じさせていただきましたので、そういう何か上から目線で制度設計をということではなくて、思っております。

 それから、今、向山先生からお話がございましたが、こういうふうに思っております。要するに、今まで教育、制度改革議論が過剰であったと。私が思っていますのは、もちろん制度論は大事ですけれども、教育というのは、ある意味では、つまるところ生徒がいて、先生がいて、あるいはそれを取り巻くいろいろな保護者や応援団がいて、要するに人と人との関係でございますので、どんな制度下であっても、いい学校は、あるいはいい教室は、いい師弟関係はあるし、どんないい制度下であっても、だめな師弟関係というものはあるので、今まで結局、本丸である人の教員、人材の質と数の問題をやれない中で、そこに封印をされている中で、教育に取り組んでいるという姿勢を見せようと思うと、制度のマイナーチェンジをやることで、さもと言ったら怒られますが、いろいろご尽力をいただいている、制度を変えることで、もちろんそれは責任感のあらわれなわけでありますけれども、要するにコンクリートから人へという予算配分のところを避けてきたというところが、やっぱり今回の政権交代の一つの国民の皆さんからのメッセージは、制度改革ももちろん必要なことはやりますけれども、それよりも何よりも、やはり教育の本旨である、それに携わる人材の質と数の問題を、大変厳しいゴールではありますが、そこに国民の皆さんの応援をいただいて真正面から取り組んでいくという、こういうことではないかというふうに思っております。もちろん、直ちに来年から何か動くわけではございませんが、もちろん来年も5500人の定数改善は取り組んでいきたいと思います。これは過去の小泉政権以来の、特に2000年以来の、この10年間のマイナス、マイナス、マイナスが続いて、ちょびっと頭が出たと、こういうところから見ますれば、かなりアンビシャスなゴールではありますけれども、そこは文部科学省、まさにこれは政官一体となって頑張っていきたいと思っております。

 これが非常に大物大臣でございますので、先ほどの向山先生の見通しはどうかということでございますが、特に自画自賛で恐縮でございますが、我が省の政務三役は非常にチームワークもいいので、いい意味で政治とお役所の皆さんが、それぞれの役割分担はあれど、コラボレーションして、この大きな目標のために頑張っていくという体制が、私どもの役所はかなり早目に立ち上がったかなという感じがいたしておりますので、一生懸命頑張っていきたいと思います。

 ただ、そのときに、やはり一番大事なのは世論でございまして、ぜひ教育に何らか携わっておられる方々が、教育現場から少し遠ざかった方々に対して、やはり的確なメッセージと情報を提供し続けていただくことによって、国民の皆さん方の教育、今の2009年の我が国における教育の現状というものを、まず正確に知っていただいて、そして今何が必要なのかということの情報共有を、ここをぜひご一緒にお願いしたい。と申しますのは、これも釈迦に説法ですが、教育というのは皆さんがそれぞれ、自分が昔は学び手であったり、あるいは教え手であって、それぞれの教育論があります。よくお話をしていますと、それは何年前のお話をされているのでしょうかということがかなり多くございます。

 したがって、私どもは今の日本の、あるいは今の秋田の、今の東京の、今の兵庫の、教育というものが抽象的な宙に浮いたものではなくて、私は日本の教育というとらまえ方はあまり好きではありませんで、鈴木寛という児童生徒の学びがあり、高井美穂という生徒の学びがあり、この子が鈴木君なのか、高井君なのか、だれ君なのか、川端君なのかということが、ちゃんとやっぱりわかっていて、それぞれの学びがあって、それをきちっと一つ一つ議論をしていくということでありますので、そこは大変難しいですが、ぜひご指導をいただきたいと思っております。

 

【高井大臣政務官】  ありがとうございました。あと、いかがでございますか。

 

【岩瀨氏】  先ほどもいろいろ申し上げましたが、時間もありませんので、2つだけ、またお願いなんですけど、いわゆる地方分権という名前に借りた、いわゆる格差というものを私ども非常に強く感じています。私たちの組織では、年4回理事会というのをやるんですけれども、理事さんというのは都道府県の会長さんなんですけど、年4回集まって、いろんな議事をやります。その最後に1時間ほど情報交換の時間を設けて、その時々のいろんなテーマで情報交換をするんですけれども、こんなに地方によって違うんだというのが出てきています。

 例えば、主幹という制度が、今度しかれているわけですけれども、東京都はすごく入っていますが、ある県によっては、研究校にだけ置いていますよと。全県で3人いますという、その程度のもあるんです。そういったように全国でも違いますし、同じ東京でも、私は世田谷区ですが、わりと豊かな区です。教室は冷暖房が全部入っていますので、おかげで夏休みが1週間短くなりましたが、多摩地区のほうは、まだまだ全然冷房なんか入っていないというのはあります。

 それから、東京ではUSBメモリーの紛失で個人情報の紛失が非常に多いのですが、うちの区では昨年、教員1人ひとりにパソコンが入りましたので、指紋認証のパソコンになっていますから、そういう紛失もない。そういったところで、非常に地方分権というのは財政的な裏づけがきちっとしてないと、ますます格差が広がるのかなと思っていますので、ぜひそのあたりをお願いしたいなと。教育費で来たはずが、いつの間にか橋や道路に化けているというのはいっぱいあるんです。ぜひぜひそれをお願いしたいというのが一つです。

 それから、もう一つ、私、校長という立場から、校長の裁量権というものをもっともっと増やしてほしいな、校長が自由に学校経営できるようにしてほしいなと思っています。例えば、学級の人数の問題ですけれども、ある程度の規模、適正規模があると思うんですが、それも一律ではなくて、例えば私は中学校で社会科を教えていました。社会科の場合には人数があまり少ないとだめなんです。ある程度、40人、50人いたほうが、何かやったときに、いっぱいいろんな意見が出てくるんです。そうすると、あいつはこういう考え方を持っているんだ、そういう考え方があるんだというので、ある程度の人数があったほうがいい。ところが、数学とか英語とか、あるいは理科のように、実験があったり、実技がある、ああいうところは、ある程度の人数、多過ぎると何もできない。あるいは、体育のように10人、15人じゃサッカーも何もできないわけです。ああいうものは、やっぱり必要ですから、教科によって適正な学級規模、あるいは学年によって適正な学級規模というのがあると思うんです。そのあたりは、校長の判断で、1年生は40人学級、3年生は受験があるから30人学級みたいな、そういう裁量権を校長にもっともっと与えてほしいなと。とにかく日本の校長先生方、みんな一生懸命頑張っておりますので、絶対大丈夫ですので、教育再生会議のように学校は死んだから生き返らせるんだみたいな、ああいう発想は絶対しないでいただきたい。学校をぜひ信じていただいて、校長を応援していただきたい、そんなふうに思っています。

 以上です。

 

【若月氏】  先ほど副大臣のお話の中で、中教審の性格、あるいは、これから中教審をどんなふうな構成や機能を持たせてやるか、大変心強く伺いました。よかったなと思います。

 そうなると、具体的な話になるのですが、学習指導要領というのがあります。あの学習指導要領といったようなものも、今、副大臣がお考えになっている、例えば中央教育審議会、ネットワークを組むなり、いろんな方法があるにしても、やはりそういったところが中心になって進めていくことになるのでしょうか。もっと別の言い方をすると、学習指導要領だけではないのですけれども、これは何も中央集権ということではないです。しかし、やはり根幹にかかわる部分、国の責任として、教育行政の国が持たなければいけない部分での司令塔みたいなところは、結局どこにこれからなっていくのかな、どういう形になっていくのかなというのが、もし今の段階で大臣、副大臣の中であれば、だれにも言いませんから、教えてください。

 

【鈴木副大臣】  ありがとうございます。まず、岩瀨先生のおっしゃった話は、そのとおりだと思っています。したがって、来年はとにかく、明日予算要求しなきゃいけないものですから、とにかく5500の実をとるということをやっていきたいと思います。とにかく12月までに予算編成をやって、少し落ち着いたところで、もう少し構造的にベースをどうするのかということの枠組みの議論を、もう一回始めたいと思います。

 それで、そのときに先ほど向山先生から引用いただいたものでも、あえて私どもは30人学級とか40人学級という言い方ではなくて、先ほどのような言い方を、ある段階から民主党は言い方を変えております。それは、まさに岩瀨先生がおっしゃるように、それはほんとうにいろいろ、まさに最も学びのそれぞれにおいて、フレキシブルにできるようにと、こういう意味で、もちろん法律上は30人学級、40人学級というのは、そういう意味ではないということは十分承知していますが、世の中に対するイメージとして、30人学級とか40人学級というと、ややミスリードをするということもありますので、先ほどの言い方を私はずっとしているということも、岩瀨先生のようなことをかなり念頭に置きながら申し上げているということです。

 そのときに、教育というのはもちろん人なんですが、ありとあらゆることはヒューマンウエアとソフトウエアとハードウエア、これをまさに一体的に、かつ適切にシナジーといいますか、バランスも考えながら、だからハードだけあったって、それをやるソフトと人間がいなければだめなわけだし、これがトータルとしてきちっとうまくコーディネートされてなければいけないと、こういうことでありますから、私どもは、でき得るならば、学校のあるべき環境として、あるいは教育提供体制として、教育サービスの提供体制として、今言ったものがちゃんと統合的にといいますか、統一的にあるべき姿を指針として示し、そして、それに向けての拡充整備というものが行えるという、特に設置者なり、その責任者は、というような枠組みがいいのではないかということで、学校環境整備法案というものを出させていただきました。野党の時というのは、自分たちで政令とか省令をつくれないものですから、何でも法律にしておかないと俎上にのせてもらえませんので、そういう意味で野党ならではのつくり方がありました。コンセプトは変わっておりませんが、今度は我々が計画もつくれるし、政令もつくれるし、省令もつくれるという形ではテクニカルなことは、もう一回ゼロベースで、そして皆さんの議論をさせていただきながらと思いますが、それは来年以降、これは一生懸命、まさに第二弾の中核でありますから、教育提供体制の拡充ということではありますので、そこはぜひやっていきたいと思います。したがって、USBのあるパソコンみたいなのも、これはある意味で重要なハードウエアとソフトウエアと、こういうことに位置づけられるのだろうと思います。

 それから、若月教育長からのお話でございますが、ポストモダンのガバナンスというのは、こういうふうに考えていまして、今まではあめとむちによって、ある望ましいスタンダードを現場に押しつけていくというか、そういうふうに誘導していくというか、こういうことだったと思います。むちは押しつけて、あめは誘導するということだと思いますが、そうではなくて、これからは正しい情報とか、正しい知恵がおのずと現場に伝わって、それが正しく理解されれば、あとは、おのずと現場の創意工夫でもって、最も現場に適した形で、それがカスタマイズをされていくというふうに思っています。

 したがって、ベースになる情報であるとか、考え方であるとか、そういうことについては、やはり国が適正な情報を発信し続けるということは、国の大事な役割だと思います。ですから、あめとむちを振りかざす、お金の分は別といたしまして、これはある意味では一人一人の学習権をきちんと保障するという憲法に基づいた、特に私たちがつくった日本国教育基本法では、学ぶ権利を保障するということを考えていますけど、これは国の仕事だと思っていますが、いわゆる補助金型のああいうものではなくて、お金のところは学ぶ権利を保障するということはやります。しかし、それ以外のところは、何か補助金や、あるいは権力的なことで押しつけるということではなくて、最も日本の社会の中でエビデンスに基づいた、そして十分に練られた見解ないし方針というものをつくること、そして、それは発信をし続け、またそういう熟議の場、情報収集、情報分析、あるいは、そういう情報収集、あるいはいろんなトライアルもしていかなければなりません。だから、そういう意味でのモデル校みたいなことは、これはやっていったらいいと思っていますけど、そういうものをまさに文部科学省が編集をして、そして、それを日本、あるいは世界に対して発信をし続けると。この発信しているメッセージが正しければ、それはおのずと取捨選択していただいて、それぞれの現場で生かされるだろう。文部科学省は編集者としてはかかわりますけど、その発信をする情報自体が、既にそれぞれの現場の現状、分析、あるいは皆様方のお知恵を加味した形で発信されているわけですから、突然何か降ってわいたようなものが出てくるというわけではないので、これは別に文部科学省は編集責任は負いますけども、あるいは、そのプロセス管理なり、そういうことはやりますけれども、それはまさに日本社会総体として、あるいは世界の英知の総体として出てきたものですから、やや急がば回れではありますが、むしろ、そういうプロセスをやったほうが、より現場の改革、刷新ということには正しいことになるのではないかという仮説で持っております。現実は、なかなか難しいというのはありますが、志としては、そういう思いで頑張っていきたいと思っている次第でございます。

 

【高井大臣政務官】  ありがとうございました。そろそろお時間がまいりましたけれども。

 

【赤田氏】  すみません、時間超過していますが、先ほどの補足です。私、高等学校ですけど、高校入試はないのかというお話をさせていただいたのですが、文言の中で高等学校は希望者全入と、これは経済的に恵まれない方に授業料の負担も無償にするので入れるということだと私は理解していますけれども、この文言だけ見ると、入試はないのかというようなことも考えられるところがあるので、あえて申し上げた次第でございます。

 以上でございます。

 

【鈴木副大臣】  これは、私どもの説明が、要するにインデックスとマニフェストについての説明が不十分だったので誤解を与えているのですが、インデックス、政策集というのは、民主党が結党以来、そして今後も続く限り、考え続けていきたいテーマを掲げさせていただいております。

 そして、マニフェストといいますのは、少なくともこの前の総選挙のマニフェストで言えば、4年間でやり切りたいというものを抽出して、マニフェストでお約束をしています。ですから、高校無償化はマニフェストに載せています。したがって、この4年間で、できれば来年の4月から頑張ってやりたい。全入の話は、政策集には載っておりますが、私たちはそのことを関心を持ち、興味を持ち、勉強はし続けていきたい、議論はし続けていきたいと思っています。しかし、そこはちゃんと議論した上で、マニフェストには全入は入っておりません。したがって、この4年間で全入をやるとお約束はしてないということで、そこは書き分けておりますので、ご理解をいただきたいと思います。

 

【高井大臣政務官】  まさに一丁目一番地の高校無償化について、まずはご意見を賜って、その経済力のために行けないということをなくそうという趣旨のことを中心に検討してまいりたい。

 

【赤田氏】  それは、私は理解していましたけど、ここにあるから聞いたんです。

 

【高井大臣政務官】  ということですので、一丁目一番地の中で、ほかのものの教材費とか修学旅行費とか、そういったものに関しても奨学金等を充実させていくなり、いろんな手だても考えたいと思って、今、予算組みの中でも検討されているところです。

 

【鈴木副大臣】  メディアの皆さんもいるので話しづらいのですけど、文科省の文は、ぜひ中学・高校段階の就学援助については出していきたいなという思いは持っております。ただ、相当私も、あるいは事務次官も財務省からおどかされておりまして、そのおどしに屈することなく頑張っていきたいとは思いますが、それは査定プロセスの中で、それこそほんとうに国民の皆さんの世論がどれだけいただけるかと、こういう話であります。そういうことでご理解いただきたいと思います。

 

【根岸氏】  今日全国紙に出ていましたが、来年度、免許更新が中止という記事の件ですが、一紙のみの報道でしたけれども、方向性はどうなりますか。

 

【鈴木副大臣】  あれは、たまたま昨日、同じ会をさせていただきまして、今の教員免許更新制に対して非常にネガティブなご意見が続出をいたしました。ということが1点と、それから私どもももちろん教員免許更新制は発展的解消という形で、発展的進化という形で専門免許証、これはスクールマネジメントと教科指導と生活進路指導、ほかにもあるかもしれませんが、大きく言うと3つぐらいの、ここはぜひ中教審でもご議論いただきたいと思いますが、そういった専門免許証を10年ぐらいたった人たちには受けていただくということをスタンダードにするということは、今までも申し上げてきました。したがって、かつ、もう既にご議論がありましたけれども、要するに教員免許講習というものが、目的がごちゃごちゃになって、これは今日お話があった。私どもは、講習はいいことだと。要するに、教師が自己研さんのチャンスを、しかも専門的も大学が提供するというのはいいことでありますから、それは引き続きやっていただきたいと。これを私どもが考えている専門免許更新制にうまく移行していきたいと思います。

 例えば、受けたのをどうするんだという、けちなことがありますが――けちなというのは、ちょっと口が滑りましたが、教育力が上がっているんだからいいじゃないですかと思うんですけども、しかし、専門免許証を取るときに、その単位換算の一部には、それは移行をしていくということをお示しすれば、おおむねご理解がいただけるのではないかと、こういうふうには思っております。

 繰り返しになりますが、さっきのようなラフなイメージは専門免許を取っていただくことをスタンダードとして、10年目の方にはそれぞれの能力を磨いていただいて、そして学校コミュニティーを引っ張っていく、それぞれの観点で、スクールマネジメントの観点でも、あるいは教科指導だったら若い先生たちに、かなりリーダーシップを発揮していただくとか、それから今、不登校の問題とかいろんな問題で生活進路指導というのは非常に重要な課題になっていると思いますが、そういうことで、いずれにしても学校コミュニティーをリードしていただく、そういう人材になっていただこうということは、これもまさに来年、相当濃密に議論をしていきたいと思っております。

 そのプロセスの中でうまく現場に――だから一番大事なことは、教員の質をどうやって上げるかということが一番大事で、次に大事なことは、なるべく現場に混乱が生じないようにと、こういう優先順位でもって皆さんのお知恵をいただきたいと思っております。

 

【高井大臣政務官】  ほんとうに、今日はいろいろとありがとうございました。それで、拡大教科書の件、お答えするの忘れていましたけれども、我々が出したバリアフリー法案というので、もともと、それこそ鈴木寛先生がスタートでつくられて、義務教育段階では大分導入されてきましたけど、高等学校の件については遅れていると、よく承知しておりますので、鋭意やってもらえるように進めてまいりたいと思います。

 

【赤田氏】  できれば副読本のほうも。

 

【高井大臣政務官】  経済的に弱い立場の方だけじゃなくて、やっぱり障害を持たれる、そういう立場の弱い方を丁寧に……。

 

【赤田氏】  ですから、これは視覚障害者だけではないんですよね。全部含めた形でということですよね。よろしくお願いします。

 

【高井大臣政務官】  ありがとうございました。また、これからもどうぞご指導のほど、よろしくお願いを申し上げたいと思います。大変大変有意義な意見をいろいろといただきまして、我々が進める政策の、まさにバックアップの知恵袋となるご意見をたくさんいただきましたので、これを生かして、長期にわたり、ほんとうに、まずは4年のペースで進めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 今日は突然でしたけど、ほんとうにありがとうございました。

 

── 了 ──

 

 

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