特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議(第9回) 議事要旨

1.日時

平成20年11月25日(火曜日)13時30分~16時

2.場所

中央合同庁舎第7号館東館3階文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 障害のある子どもの早期支援及び就学指導の在り方について
  2. 自由討議
  3. その他

4.議事要旨

(1)髙倉座長より挨拶が行われた。

(2)事務局より配付資料の確認が行われた。

(3)事務局より、1.関係団体からのヒアリングについて、2.障害のある子どもの早期支援及び就学指導の在り方について説明のあった後、自由討議となった。その概要は以下のとおり。

 

〔概要〕

 

○:委員

△:事務局

○ 資料2のタイトルが「障害のある子どもの早期支援及び就学指導の在り方について」となっているが、「障害のある子どもの」ではなく、「スペシャル・ニードがある子どもへの」という表現にすべきではないか。

 

△ 「スペシャル・ニード」とした場合、例えば生徒指導上課題を抱える子どもたちや外国人の子どもたちなど、かなり範囲が広がってくる。当会議はそれらの問題についての直接的な議論をできる場ではないと考えており、当会議においては、障害のある子どもたちへの対応についてご議論いただければと思う。

 

○ 実際に、学校の現場では、虐待児も含め、教育以前の課題のある子が非常に多く、それらが特別支援教育のほうに流れ込んでくる。ギフテッドの問題もある。そのような子どもたちをしっかりと個別に対応していくことが特別支援教育の理念だと思うので、障害ということに限定してしまうのはよくないのではないか。折衷案として「障害のある(特別な支援を要する)子どもの」というような表現にするなど、範囲を広げることが肝要。

 

○ そのような考え方について、大きな柱のところで書くのか、または説明の中で書き込みをしておくのかという議論もあろうかと思う。柱立てとしては、当面はずっと「障害のある子どもの」という表現で進めてきているので、この表現で進めていきながらどこかにご指摘のような基本的な考え方を書き込んでいくということでもよいのではないか。

 

○ 幼稚園の先生や保育士は、様々なニーズがある子どもたちに気づいている。早期からの支援のため、できるだけ対象から外れてしまう子を最小限にしていくということが大事。そのためには、障害があるということがまだはっきりしなくても、幼児期から保護者・保育士等の気になる子どもを拾っておくことが大切。それらのことをアピールするためにも、タイトルに入れるべき。

 

○ 特別支援教育が制度化された際に対象とされた子どもの範囲やこれまでの会議の流れを踏まえると、論点を絞る意味でも、例えばいじめや不登校等の子どもについては別途検討する課題としたほうがよいのではないか。

 

○ 現状の「障害のある子どもの」という表現がよい。学校教育法等では、「障害による学習上又は生活上の困難」等の言葉を使っている。また、平成18年の学校教育法施行規則の一部改正など、通級による指導の対象障害種も少しずつ範囲を拡大している。ここでは現行の障害に限って扱い、虐待等の様々な問題が絡んでいることについては、今後の重要課題として整理するのがよい。

 

○ 特に幼児期において、虐待や登園拒否等に注目した結果として子どもの障害や困難を把握できることもある。障害だけを子どもへのアプローチの入り口にしてしまうと、漏れてしまう子どもたちも多いのではないか。知的程度が境界領域の子どもたちも、漏れてしまうかと思う。

 

○ 学校現場は、特別支援教育の理念に基づいて、障害の有無にかかわらず、目の前の困っている子ども一人一人にきめ細かい支援をしようと全力で取り組んでいる。一番困っているのは、療育機関・医療機関と連携していないグレーゾーンの子どもであり、現場も混乱している。そのような中、就学指導等の範囲を線引きして分けてしまうのは、現場との整合性との関係で心配。タイトルは特別な教育的ニーズのある子どもを対象とするという趣旨の表現にしてほしい。

 

○ 平成17年12月の中央教育審議会答申の中で、「学校全体で特別支援教育を推進することにより、いじめや不登校を未然に防止する効果も期待される」、「特別支援教育の理念と基本的考え方が普及・定着することは、現在の学校が抱えている様々な課題の解決や改革に大いに資すると考えられる」等の記載がある。当教育委員会の特別支援教育担当課でも障害に起因する様々な課題に対応していこうとしており、現在も児童生徒指導担当や不登校担当課等との関わりをより深めている。タイトルについても、このような現状に即した、特別支援教育という新たな概念をより具体的に説明するような形で盛り込むことができれば、現場にとっても理解しやすい。

 

○ 議論がなかなかまとまらないので、報告書に向けたドラフトについての検討段階に入っていく次回会議以降で、これまでの議論を表現できるような工夫をしていきたい。

 

○ 厚生労働省の障害児支援の見直しに関する検討会の報告書が本年7月にまとめられたが、早期における障害の有無が明確でない「気になる」段階の子どもについて、「親にとって身近な敷居の低い場所で支援が受けられるようにしていくことが必要」ということや、「例えば、親の心が揺れているような段階に、発達支援のサービスを体験利用できるようにすることも考えられる」ということが盛り込まれている。早期支援については、障害のある子どもだけでなく、やや間口を幅広く設けるという姿勢を出してほしい。

 

○ 幼稚園という段階は法的にはすべての子どもを受け入れるところであり、幼児期の教育では一人一人が違うということを前提としているので、すべての子がある意味では気になる子。幼稚園の先生は、一人一人の子どもの姿をどう見ていくのかという勉強はよくしているが、免許取得の際に特別支援教育の基礎的な勉強はあまりしていない。問題だと感じるのは、あまり障害ということを明確にしていこうとし過ぎることでレッテルを張られてしまう子どもたちが出てくるという点や、早期発見ということをあまり前面に出しすぎることでもともと専門ではない幼稚園教員がその負担を負ってしまうという点。早期支援は大事だが、早期からの個別の教育支援計画の作成やしっかりとした研修体制の充実が重要なのだということこそ強調すべき。

 

○ 教育相談や支援に活用する手帳やファイル等について各地で作成・活用の動きがあるが、大人になってからも幼児期からの成育歴等を整理するというような取組も全国で始まりつつある。学校教育と福祉におけるそれぞれの取組が接点を持ちながら、同じようなものでどちらにも使えるようなものを作るべきではないか。

  また、障害児を抱える家族は様々な不安を抱えており就学先についても迷いながら決めるケースが多いので、就学後も途中でモニタリング等を行い、状況に応じて就学先を変更することができるという選択肢が必要。

 

○ 早期支援のためには早期発見が必要であり、保護者が子どもについて相談できる場を作らなくてはいけない。乳幼児検診・一歳半検診・三歳児検診があるが、その後の期間はまた待たなくてはならず、親は受け身。親が相談にいける場を、教育委員会がつくることが必要。また、親は障害についての理解や在り方についてよく分からないのが現実だと思うので、もし気づきや障害があれば親に説明をしてあげられるよう、相談機関の中で専門官が立ち会うということも必要ではないかと思う。

 

○ 早期からの教育相談は重要だが、関係団体のヒアリングでは早期発見の段階からの支援についての意見が多かった。早期からの教育相談を教育委員会がやるなどという記載ではどうしても就学絡みの話になってしまうので、それ以前の段階については厚生労働省の報告にあるからよいということではなく、文部科学省と厚生労働省の両方が書いていくような形にしていかなくては、縦割りというイメージが拭えない。もう少し、早期段階について書き込んでほしい。

 

○ 発達上のでこぼこはマイナスとは限らないにもかかわらずマイナス・イメージのラベリングをされてしまうのは、障害は一生を通じて治癒しないというモデルがあるから。発達障害者支援法と特別支援教育によって対象が非常に広くなってきており、パラダイム転換が行われたことを明言すべき。その上で、就学先の決定をよりフレキシブルにやっていいということが謳われると、そのようなラベリングから来る抵抗は随分減るのではないか。

 

○ パラダイム転換について当会議で議論するとなると、発達障害だけでなく、従来の視覚障害・聴覚障害・肢体不自由等を全部含めて検討した上で書き込むということが必要であり、非常に丁寧に、しかも膨大な時間をかけてやらないといけないなので、当会議では保留にしておくべきではないか。

 

○ パラダイム転換の具体的な内容は、障害種別と程度に応じて行う特殊教育の在り方から障害種別を超えて一人一人のニーズをとらえて丁寧に支援をしていくということと、乳幼児から学校卒業までの長期的展望に立って支援をしていくということの2つであり、パラダイム転換は既に起きているはず。その考えに基づいて報告書をまとめていくべき。例えば障害のレッテルを張られたとしても、それに対して適切な支援があればレッテル張りにはならないし、例えば特別支援学校から通常の学校への転籍など、転籍の方向を一方通行ではなくフレキシブルにすればレッテル張りではなくなる。

 

○ 資料2のP3にあるように、文部科学省による認定就学の状況調査において、特別支援学校の就学基準を満たしている子ども6,791人中、1,363人が最終的に教育委員会の判断によって小学校に就学しており、認定就学とは別の仕組みが実際に動いている。認定就学に関わる考え方や、P5に記載されている就学する学校の決定について、整理する必要がある。19年4月から保護者の意見表明権が法令上明確に位置づけられたことも明記しておかないと誤解を与えるし、最終的に市町村教育委員会が決定するという形になるにせよ、保護者の意見表明権は重要。市町村も保護者の意見を受けとめて就学先を決定している部分が多いので、現状を十分把握しながら検討すべき。

  また、資料2のP4にある、幼稚園が中心となり作成する個別の教育支援計画から情報提供を受けて市町村教育委員会が個別の教育支援計画を作成することについて、これは例えば「就学支援計画」等の名称にしたほうがはっきりするのではないか。就学支援をしていくという趣旨が明確になることで、就学する学校の決定にも生きるのではないか。

 

○ 団体ヒアリングにおける教育委員会の発表の中に、認定就学の子どもがあった場合の様々な条件整備についての話があったが、認定就学制度がかえって重いもののようになってしまい、教育委員会において、障害のある子どもが小・中学校に就学したときには大変という考え方があるとしたら良くない。認定就学制度には学校の施設・設備等、いろいろな前提条件があるが、その前提条件についてどう具体的に考えていくかということよりも、問題の解決に向けた実践的な取組や関係機関との提携等が必要。最終的には、資料2のP5にあるように、市町村教育委員会が最終的に就学先を決定することが適当と考える。

 

○ 資料2のP5に「義務教育を実施する責任を負う市町村教育委員会が最終的に就学先を決定することが適当」とあるが、義務教育を実施する責任を負うことと、就学先を決定することはどのような関係があるか。

 

△ 人的配置や施設整備等、義務教育を実施するための条件整備について、市町村教育委員会が基本的に責任を持っている。そのようなことも踏まえ、市町村教育委員会が総合的に就学先を決定する必要があるという意味。

 

○ 義務教育諸学校の設置義務とは、建物が建てばそれでよいというような単純なものではなく、人的・物的な措置や経営等をトータル的に行っていく義務。就学先の決定についても、それらの義務に含まれるという考え方。

 

○ 個別の教育支援計画を作る以上は、就学先にかかわらず適切な支援が十分行き届くようにしなくてはならない。就学指導においても親・関係機関・教育者が、個別の教育支援計画をどのように相応しい教育を提示していくための参考にしていくかという視点が重要。

  また、おそらく教育委員会としては、就学指導委員会の決定に基づいて保護者と十分に話をしても十分納得が得られなかったり保護者に強い希望があったりして、最終的に保護者に同意したというようなケースが多いのではないかと思う。資料2のP5の「市町村教育委員会が最終的に就学先を決定することが適当」との記載があるが、結局は保護者の意見に同意するような形になるのではないか。

  それから、特別支援学校への就学が決定された場合には、調査員による相談等によって子どものニーズについてはある程度つかんでいるが、小学校の場合は学校が関与していない。小学校としては、どのような子どもが入ってくるのかが分からず、教育委員会の決定によっていきなり「この子どもをお願いします」と言われても唐突感がある。就学先を小学校に決定するとしても、教育委員会の決定だけではなく、接続の部分を明確にしなくてはならない。

 

○ 義務教育を実施する責任を負う市町村教育委員会が最終的に就学先を決定するということでよいと思う。ただし、現状で充足していない部分を見直し、保護者の理解を得た上で就学ができるような仕組みをどのようにつくっていくかということが論点。現状の就学指導・相談はある一定の時期に限られており、保護者も十分理解できないままの就学になってしまっているが、継続的に就学指導・相談が行われるようより長いスパンで考えていかなくてはならない。その手段として、個別の教育支援計画が1つの大きな取っかかりになると思う。ただ、就学の段階にメインとして活用するものであれば、「就学支援計画」等の名称にするかどうかということも踏まえて議論すべきかと思う。

  また、小・中学校で子どもを特別支援学級に入れるかどうかについては校長が判断しないといけないと思うが、教育委員会に言われるがままに支援体制が十分でない状態で特別支援学級に入れてしまうということが現状としてあるので、そのつなぎの部分の整備が重要。

 

○ 第6回会議において、就学前の段階で市町村教育委員会が個別の教育支援計画を作成することについて、新たに多数の計画を作成することを考えるとかなり大変だが、当市における相談報告書等、現在の取組を活用するなどの工夫によって大きな負担とはならないのではないかという話をした。ただし、当市では専門的な相談ができる相談者がいるが、市町村によってはかなり厳しい状況が予想され、人的整備等、教育委員会の条件整備が課題。また、平成17年の中央教育審議会答申でも「「個別の支援計画」を関係機関等が連携協力して策定するときに、学校や教育機関等が中心となる場合に、「個別の教育支援計画」と呼称している」という記述があり、教育委員会が個別の教育支援計画を作成するということが、その時点で既に明確に書かれている。ただし、名称については、現場が混乱しないための見直しが必要。

 資料2のP6において「認定就学は、新しい仕組みの中でその趣旨が実現されることとなり発展的に解消。」とされているが、適切な就学のための物的・人的環境が整備されているかどうかということの重要性を教育委員会に意識づけたという意味では、しばらくの間でも認定就学制度がとられたことには大きな意義があった。

  なお、当市では現状でもある程度継続的な相談は行っているが、障害があると思われても教育委員会による就学相談を受けずに入学する子どももあり、その場合は、その子に係る客観性のあるデータがなく、学校が苦慮しているケースも多い。

 

○ 資料2のP6の点線内だけを読むと、子どもの将来の自立と社会参加に向けての最も適切な就学先の判断は、保護者にはできないというような意味に読み取れると思う。また、「市町村教育委員会が最終的に就学先を決定することが適当」という記載は、今まで話し合ってきたことやパラダイム転換等が全くなかったもののようにも思われる程の影響力があるということをきちんと認めることが必要。

 

○ 資料2のP6の「(3)必要な条件整備」という項目には体制に関する記載しかないが、点線内の内容を実現するのであれば、他のことについても条件整備は必要。個別の教育支援計画は場を決めるものではなく支援方法を決めるものであり、そこで保護者が納得した上で支援方法が決められるという前提がある。それを条件整備の部分にしっかりと記載すべき。

  また、特別支援学校から通常の学校に毎年4,000人が転籍しているとのことだが、幼・小・中・高の段階別や障害種別の数字を教えてほしい。そのようにフレキシブルに転籍できる状態が確保されるということがもう1つの条件。

 

○ P6の点線部分については、この子どもはこの学校の体制ではやれませんということを、教育委員会が保護者に告げることができるという意味だと思う。無理に親の要求だけに従っていった結果、教育ネグレクトになってしまうという状況が多く、専門的な見地から教育委員会や学校が提言するということは大事なこと。誤解を招かないよう、文章についてはもう少し推敲が必要。

 

○ 基本的に就学相談は学校指導と一体になっていなければならず、教育委員会として適切な就学先を判断すると同時に、実際に入学した学校が判断したに値する指導・支援をきちんとできるかということが重要。教育委員会が学校訪問による指導を日常的に行うのは難しいが、最大限努力して、相談だけで終わらないよう努力している。

  また、当市では、本来は小・中学校に在籍をしている予定の子どもが障害があることで特別支援学校に通い、専門的な指導を受けているという考え方の下で、副学籍による交流教育を希望する子ども・保護者については、教育委員会が交流を行う学校を指定している。しかし、副学籍による交流教育はあくまでも1つの手段であり、それだけで全てが解決するものではないということも併せて学校に説明をしている。

 

○ 居住地校交流については当校でも取り組んでいるが、定期的ではなく決められた日程で実施しているのでなかなか広がっていかないという実態がある。副籍・支援籍等の取組によって、受け入れ側で自分の学校の子どもでもあるのだという意識がより芽生えていく。

  また、小学校に就学してから特別な支援の必要性が発見される子どもが多い。早期発見と同時に継続的な就学指導も必要であり、そのための体制づくりをしていく必要がある。必ずしも就学先の変更ということではなく、まずその学校でどのように支援をするかという意味での学校体制が必要。

  資料2のP7の市町村教育委員会等の体制整備について、経験豊かな教員の配置や、就学指導における専門性の高い人材の配置等の記載があるが、そうすると、専門的な力のある教員が行政のほうに引っ張られてしまうことになりかねないので考慮すべき。計画的に専門性の高い教員を養成していくための国による財政的支援等の体制を確立する必要があり、その旨も書き込んでほしい。

 

○ 市町村教育委員会が最終的に就学先を決定するということは大変よいことであり、就学後のフォローアップも非常に大切。

  また、居住地校交流もぜひ実施していくべき。教育活動の中でできないことはないと思うが、危険や無理がある場合もあるので保護者に十分理解をしてもらうということと、学校の状況を判断して交流をしていくことが重要。

それから、団体ヒアリングを通じて、幼稚園から小学校、小学校から中学校の接続が弱いということを感じた。自分のところで手いっぱいであるということが理由なのではないかと思うので、資料3にあるように、教育委員会が個別の教育支援計画を作成・活用し、子どもの発達段階や子どものよさを引き継いでいくことが大切。

  教員の資質の問題については、クラスに障害のある子がいた場合には、板書の仕方・教材の使い方・声のかけ方・ノートのとり方等、全科の教員が細かく指導するための専門性を身につけるべき。そのことがまだ教員の間で浸透していないので深めていかなくてはならない。

 

○ 以前、重度の視覚障害の子どもが普通の高等学校に入学したケースがあった。受かるか受からないかわからない入試の段階から人的配置等の体制づくりを短期間で行う必要があり、本来は人事異動が終わっている時期でもあるので、校長は大変だったと思う。特別支援学校適でありながら保護者が地元の小・中学校を希望した場合にも、日程的に体制整備は難しいのではないか。通常の学校が障害のある子どもを受け入れるには、人的な配置がないと難しい。

 

○ 特別支援学校幼稚部の子どもは就学の2、3年前から個別の支援計画を作っており、「個別の教育支援計画」という名称は矛盾を感じる。また、資料2のP4において「(2)就学指導の在り方について」の直後に「1.個別の教育支援計画の作成」と記載すると、教育委員会は仰天するのではないかという印象を受けた。

  継続的な就学相談・指導については、校内委員会ではフォローできないかもしれないし、市町村の就学指導委員会にその機能を持たせるのも厳しいと思われるので、具体的にどのような体制がよいのかも書き込めたらよいと思う。

  また、居住地校交流については、小学校に対して特別支援学校に通っている子どもも地域の子どもであるという意識啓発つながるということと併せて、市町村の教育委員会の意識を高めるという意味からも、よい取組。

  それから、P7に都道府県教育委員会も市町村教育委員会を支援することが必要という内容の記載があるが、特に、特別支援学校には力のある教員も数多くいるので、センター的機能を活性化し、市町村教育委員会や小・中学校等の支援等を行っていくとよいと思う。

  就学先の決定に際して情報の共有化を推進するための体制整備については、行政の縦割りの問題や保護者の了解等を得ることの難しさから十分にできていないところもあるが、これができている市町村は就学指導・相談についても非常にうまくいっているので、しっかりと考えて取り組んでいくべき。

 

○ 資料2のP8の「特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に・・・」 という記載について、「障害のある」を、「特別な教育的ニードがある」にしてほしい。

 

○ 専門性の高い人材を呼ぼうとしても、そのような人材は少ないというのが現状のように感じる。例えば東京都では外部専門家制度があるが、特別支援学校等を定年退職しているベテラン教員を導入するよう求めているところ。現場が大好きで、現場の状況をよく分かっている退職教員を外部専門家として導入することは有効ではないか。

 

△ 例えば、現在国が地方財政措置している特別支援教育支援員についても、教職経験があって、子どもが好きで、情熱を持っている方々を市町村が特別支援教育支援員として受け入れたりするシステムも進んでおり、外部専門家についても、現在文部科学省において様々な調査・研究を行っている。

 

○ 就学先の決定等は障害者の権利条約にも関係するところであると思うが、当会議は障害者の権利条約の批准に向けての作業はしなくてよいということでよいか。

 

○ 障害者権利条約の批准について当会議が直接関わる云々ということは特に考えていないと思う。

 

△ 障害者の権利条約については、外務省を中心に政府全体として解釈等の作業を進めている。障害者権利条約には就学の在り方と関連する部分もあるので、当会議としてはこのように捉えるという、解釈というよりもむしろ当会議としての考えをまとめていただきたいということで、文案として提案させていただいている。

 

 

(4) 事務局より今後の会議の運営について説明があり、閉会した。

 

 

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初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)