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資料3−7

障害者基本計画(抜粋)

(平成14年12月24日閣議決定)

3 分野別施策の基本的方向

4 教育・育成

(1)基本方針

 障害のある子ども一人一人のニーズに応じてきめ細かな支援を行うために乳幼児期から学校卒業後まで一貫して計画的に教育や療育を行うとともに、学習障害、注意欠陥/多動性障害、自閉症などについて教育的支援を行うなど教育・療育に特別のニーズのある子どもについて適切に対応する。

(2)施策の基本的方向

1 一貫した相談支援体制の整備

 障害のある子どもの発達段階に応じて、関係機関が適切な役割分担の下に、一人一人のニーズに対応して適切な支援を行う計画(個別の支援計画)を策定して効果的な支援を行う。
 乳幼児期における家庭の役割の重要性を踏まえた早期対応、学校卒業後の自立や社会参加に向けた適切な支援の必要性にかんがみ、これまで進められてきた教育・療育施策を活用しつつ、障害のある子どもやそれを支える保護者に対する乳幼児期から学校卒業後まで一貫した効果的な相談支援体制の構築を図る。さらに、思春期の児童生徒についても、必要な支援を行う。
 また、精神疾患について、関係機関が連携して早期発見のための相談支援体制を確立するとともに、学校等における正しい知識の普及を図る。

2 専門機関の機能の充実と多様化

 近年の障害の重度・重複化や多様化の状況を踏まえ、教育・療育機関の機能の充実を図り、地域や障害のある子どもの多様なニーズにこたえる地域の教育・療育のセンターとしての役割を担うための体制整備を図る。
 盲・聾・養護学校については、その在籍する児童生徒等への教育や指導に加えて、地域の保護者等への相談支援や小・中学校等における障害のある児童生徒等への計画的な教育的支援等を行う地域の障害のある子どもの教育のセンター的な役割も果たす学校へ転換を図る。
 療育機関については、施設の入所者だけではなく地域で生活する障害のある子どもに関しても有用で専門的な技術を有しており、これらの機関を活用してショートステイ、ホームヘルプサービス等のサービスの充実を図る。

3 指導力の向上と研究の推進

 学校外の専門家等の人材の活用、組織として一体的な取組を可能とする支援体制の構築、関係機関との有機的な連携協力体制の構築等により、一人一人の教員及び療育にかかわる専門職員の教育・療育、相談等に対する専門性や指導力の向上を図る。
 児童生徒等の障害の重度・重複化、多様化等を踏まえ、そのニーズに応じた教育の効果的な実施を確保するため、現在盲・聾・養護学校の学校ごとに特定されている特殊教育に係る免許制度の改善を図る。
 独立行政法人国立特殊教育総合研究所、大学等において、先導的な指導方法の開発や体制等に関する研究を一層推進するとともに、その成果等を教育現場等に円滑に普及するための情報提供を推進する。

4 社会的及び職業的自立の促進

 障害のある子どもの社会的・職業的自立を促進するため、教育、福祉、医療、労働等の幅広い観点から適切な支援を行う個別の支援計画の策定など障害のある子ども一人一人のニーズに応じた支援体制を構築する。
 また、後期中等教育及び高等教育への就学を支援するため、各学校や地域における支援の一層の充実を図るとともに、在宅で生活する重症心身障害児(者)に対し、適切な医学的リハビリテーションや療育を提供し、日常生活動作等にかかわる療育を行うほか、保護者等の家庭における療育技術の習得を図るための支援を行う。
 地域における学校卒業後の学習機会の充実のため、教育・療育機関は、関係機関と連携して生涯学習を支援する機関としての役割を果たす。

5 施設のバリアフリー化の促進

 教育・療育施設において、障害の有無にかかわらず様々な人々が、適切なサービスを受けられ、また、利用する公共的な施設であるという観点から、施設のバリアフリー化を推進する。
 障害のある児童生徒の学習や生活のための適切な環境を整える観点から、施設に加えて情報機器等学習を支援する機器・設備等の整備を推進する。


「重点施策実施5か年計画」(抜粋)

(平成19年12月25日障害者施策推進本部決定)

1 啓発・広報

2福祉教育等の推進

○相互理解の促進

 障害のある幼児児童生徒と障害のない幼児児童生徒との相互理解を深めるための活動を一層促進する。

○障害者を理解するための教育の推進

 小・中学校等の特別活動等において、障害者に対する理解と認識を深めるための指導を推進する。

4 教育・育成

○基本方針

 発達障害を含む障害のある子ども一人一人のニーズに応じた一貫した支援を行うために、各関係機関等の連携によりすべての学校における特別支援教育の体制整備を進めるとともに、特別支援教育に携わる教員の専門性の向上等により、特別支援教育の更なる充実を推進する。
 また、障害のある社会人等に対しても、ニーズに応じた学習の機会を提供していくことにより、着実な支援の推進を図る。

1一貫した相談支援体制の整備

○個別の支援計画の策定・活用の推進

 教育、福祉、医療、保健、労働関係機関等が緊密な連携の下、一人一人のニーズに応じた適切な支援を一貫して行うため、学校において、個別の教育支援計画の位置付けの明確化、その策定・活用の推進を図る。

(数値目標・達成期間)

  • 個別の教育支援計画策定率
    • 小・中学校 20パーセント〔18年〕から50パーセント〔24年〕
○校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名などの支援体制の整備

 発達障害を含む障害のある幼児児童生徒への支援のため、幼稚園・小学校・中学校・高等学校等において校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名などの支援体制を整備する。特に幼稚園、高等学校を重点的に整備する。

(数値目標・達成期間)

  • 校内委員会の設置
    • 幼稚園(公立)
      32.7パーセント〔18年〕から70パーセント〔24年〕
    • 高等学校(公立)
      25.2パーセント〔18年〕から70パーセント〔24年〕
  • 特別支援教育コーディネーターの指名
    • 幼稚園(公立)
      29.4パーセント〔18年〕から70パーセント〔24年〕
    • 高等学校(公立)
      18.5パーセント〔18年〕から70パーセント〔24年〕

2専門機関の機能の充実と多様化

○特別支援学校の小・中学校等に対する支援の推進

 幼稚園・小学校・中学校及び高等学校等の教員への支援、障害のある幼児児童生徒への指導・支援、特別支援教育に関する相談・情報提供、関係機関との連絡・調整等、特別支援学校の小・中学校等に対する支援を推進する。

3指導力の向上と研究の推進

○特別支援学校教諭免許保有率の向上

 特別支援学校において、教員の特別支援学校教諭免許状の保有率向上を図る。

(数値目標・達成期間)

  • 特別支援学校教諭免許保有率向上を中期計画(5年以内)等に位置付ける都道府県の割合
    • 32都道府県〔18年度〕から全都道府県〔24年〕
○特別支援教育に関する教員研修の促進

 特別支援教育に携わるすべての教員の専門性を向上させるため、都道府県の講習や校内研修の促進を図る。各種指導者養成研修など、都道府県の指導者に対する研修を推進する。

○障害に関する外部専門家の学校における活用

 発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対し適切な支援を行うため、専門的知識・経験を有する外部専門家が教員に適切な指導・助言を行えるよう、外部専門家の活用を促進する。

○国立特別支援教育総合研究所における教育現場のニーズを踏まえた重点的な研究や研修の実施、教育情報の提供

 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所は我が国唯一の特別支援教育のナショナルセンターであることから、国の喫緊の課題や教育現場のニーズを踏まえ研究や研修を重点的に実施するとともに、特に新たな課題となっている発達障害を含めた教育情報の提供を行う。

4社会的及び職業的自立の促進

○特別支援学校と関係機関等の連携・協力による、現場実習先の開拓・新たな職域の開拓

 特別支援学校卒業後の職業的自立を推進するため、特別支援学校・教育委員会、労働関係機関、企業等の緊密な連携・協力の下、現場実習先の開拓や新たな職域の開拓を図る。

○障害者の職業自立に対する理解啓発の促進

 障害のある生徒及びその保護者等に対し、障害者の一般雇用や雇用支援策に関する理解の促進を図る。

○特別支援学校高等部と連携した効果的な職業訓練の実施

 卒業後の就職先が内定していない就職希望者に対し、より早い段階で職業訓練を活用することにより職業能力の向上を図り、就労に向けた切れ目のない支援を実施する。

○障害学生の支援の充実
  • ア 独立行政法人日本学生支援機構が行う「障害学生就学支援ネットワーク」(全国の大学や関係機関がネットワークを作り、障害学生就学支援制度の整備を目指す。)等の事業を推進することにより、障害のある学生が学びやすい環境をつくる。
  • イ 「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」において採択されたプログラム(障害学生支援関係を含む。)について、財政支援を行うとともに、今後、広く社会に情報提供することで、各大学等における学生支援機能の充実を図る。
  • ウ 大学入試に関し、障害者の受験機会等を確保する観点から、障害の種類に応じた配慮(試験時間の延長、点字・拡大文字による出題、介助者の付与等)を行うことを各大学に要請する。
○放送大学における視聴者のニーズに応じた多様な字幕番組の制作

 聴覚障害のある学生等からの要望を受け、希望の多いテレビ番組について字幕を制作し、字幕付与番組として放送する。

5施設のバリアフリー化の促進

○特別支援教育に係る施設整備計画策定事例の周知

 特別支援教育に係る施設の計画的な整備のため、特別支援学校や小中学校等の具体的な整備計画の事例を取りまとめ、各都道府県への周知を図る。