資料1 幼児教育の無償化についての意見(北條常任理事資料)

●今後の幼児教育の振興方策に関する研究会意見発表資料

平成21年3月3日

幼児教育の無償化についての意見

全日本私立幼稚園連合会


1.すべての3~5歳児に幼児教育の機会を無償で提供


 幼児期は人間としての基礎が培われる時期です。この大切な時期の教育は小学校以降の生活や学習の基盤となり、その後の人間としての健全な成長や生き方に大きな影響を与える重要なものに他なりません。
 教育基本法及び教育振興基本計画でも位置づけられた幼児教育の充実は、国家として最も重視し、最優先で取り組むべき課題です。1年遅れることは、将来10年20年遅れることにつながります。すぐには目に見えないのが幼児教育の成果です。
 その幼児教育に積極的に投資することが、実は効果的であることが先進諸国では認められつつあります。


2.現行の補助制度のさらなる充実を


 私立高等学校等経常費助成費補助及び幼稚園就園奨励費補助は、長年にわたってわが国の幼児教育を支える極めて重要な役割を果たしてきました。また、この補助制度は各都道府県、各市町村にも深く浸透しており事務処理等についても行政、幼稚園ともに円滑に進められております。
 この二つの補助を充実していただいた結果、一部ではありますが幼児教育の無償化が平成21年度予算において実現されました。
 現行のこの二つの制度を大きな柱として今後も堅持し、対象園児を増やしていくなどさらなる拡充が必要です。


3.子どもをもつ幸せをすべての親に


 子どもをもつことで保護者は親となった喜びや幸せを感じます。子育ては子どもが成長するだけではなく、親が学びを深め、自らが成長していくことができる極めて意義のある営みです。
 このような子育ての素晴らしさを社会全体で受け止め、安心して子育てできるような国家政策を講じることが早急に求められていると考えられます。


4.私学の独自性の担保を


 学校教育の最初に位置づけられている幼稚園、とりわけ全国の幼稚園児の8割が通っている私立幼稚園は、長い歴史の中でわが国の幼児教育の充実・発展に大きな役割を果たしてきました。
 私立学校教育の根幹をなす私学の独自性が損なわれることのないような制度の構築が必要です。 


5.少子社会に歯止めを


 内閣府の調査(平成17年3月)によると、少子化対策として重要であることの第1位は「経済的支援措置」であり、そのうち「保育料または幼稚園費の軽減」が第1位となっています。少子社会に歯止めをかけるためにも、幼児教育の無償化は極めて有効な施策であると考えられます。


6.質の高い幼児教育の実現を


 私立幼稚園に対する補助が拡充され幼児教育の無償化が実現されるなら、私立幼稚園の運営は安定したものになります。運営が安定していけば、より質の高い教職員を確保していくことが可能になり、幼児教育全体の質的向上が可能になります。
 自己点検・自己評価等にもしっかりと取り組みながら、より質の高い幼児教育を実現しなければなりません。

以 上

 

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