拡大教科書普及推進会議(第2回) 議事要旨

1.日時

平成20年10月31日(金曜日) 15時30分~17時30分

2.場所

文部科学省東館3階 1特別会議室

3.議題

  1. 拡大教科書普及推進会議第一次報告書案について
  2. その他

4.出席者

委員

香川座長、千田座長代理、石津委員、宇野委員、大賀委員、大旗委員、小林委員、齋藤(肇)委員、斉藤(美)委員、田中委員、高柳委員、土屋委員、花香委員、守屋委員、安元委員、山田委員、渡辺(能)委員

文部科学省

徳久大臣官房審議官、伯井教科書課長、永山特別支援教育課長、矢崎教科書課課長補佐、三輪教科書課課長補佐、水野特別支援教育課専門官、池尻特別支援教育調査官

5.議事要旨

  1. (1)香川座長から第一次報告書の概要について説明
  2. (2)千田主査から拡大教科書標準規格ワーキンググループの検討結果及び主なポイントについて説明
  3. (3)田中主査から教科書デジタルデータ提供ワーキンググループの検討結果及び主なポイントについて説明
  4. (4)香川座長から今後の普及啓発方策等について説明
  5. (5)事務局から、第一次報告書案に関し事前に委員より寄せられた意見について説明
    • 拡大教科書の標準的な規格の「判の大きさ」の部分における「原本教科書の判型の違い等、教科によってはその特性を考慮した判型を設定する必要がある。」という記述について。
    • 拡大教科書の標準的な規格の「図・写真等」の箇所における「図・写真等の読み取りを容易にするため、図・写真等の表題や説明文を読んでから図・写真を見ることができるように、それらの表題や説明文を図・写真等の前に示すこととする。」という部分は、標準規格本文ではなく、参考仕様とするほうがよいのではないかという指摘について。
    • 今後の普及啓発方策における「契約慣行の見直し等」の部分は、主語が教科書発行者となっていることが、他の部分との並びがとれていないのではないかという指摘について。
    • 今後の普及啓発方策における「拡大教科書発行状況の教科書目録への記載」という部分について。
  6. (6)第一次報告書案について(主な意見は次のとおり)
    • ア 事前に寄せられた意見1について
      【委員】
       同じ箇所で「弱視児童生徒の使い勝手のよいものになるよう判型を設定する」と記述されていることから、ダブルスタンダードと受け取られかねないような表現は避けた方がよいのではないか。
    • イ 事前に寄せられた意見2について
      【委員】
       図・写真等の表題や説明文の示し方については、弱視の児童生徒が読み取りやすいように、先に文章で理解し、その後図や写真で再度確認する方がよいとの考え方もあるが、すべての教科書についてそのように統一するのではなく、現段階では参考仕様とするほうがよいのではないか。
    • ウ 事前に寄せられた意見3について
      【委員】
       拡大教科書の作成に関しては、著作権の問題が大きいことから、教科書発行者における契約慣行の見直しについては、本報告書にまとめておくべきではないか。
      【委員】
       契約慣行の見直しについては、教科書発行者と著作権者との間で行うことではあるが、著作権者の理解を得るために文部科学省から何らかの支援等があればありがたいと思う。
    • エ 事前に寄せられた意見4について
      【委員】
       拡大教科書の教科書目録は、是非作成する必要がある。この部分の目的は、教育委員会に対して周知することにあるので、検定教科書の教科書目録に加えるか別冊とするかについては、別途、文部科学省で検討することとして、本報告書では検定教科書とともに周知することを示せばよいのではないか。
    • オ その他の部分に関する意見
      【委員】
       データ管理機関からのデータ提供対象に関し、音声読み上げのコンピューターソフトを利用した、教科書に準ずる教材(いわゆるデイジー教材)については非営利団体のみが提供対象となっているが、著作権法の改正後においては、提供対象を営利・非営利で区別する必要はないのではないか。
      【委員】
       デイジー教材を作成する民間事業者をどのように考えるかにあたっては、電子教科書のあり方についての議論が必要になる。したがって、現段階においてはまだその議論に至っていないということで、留めておくのがよい。
      【委員】
       次年度から発行される拡大教科書の見本を実際に見ることができるのは、いつになるのか。
      【委員】
       発行者において、現実に見本を直ちに作成することは難しいが、数ページのサンプルであれば提供することは可能であるかもしれない。
      【委員】
       標準規格に基づいて作成されていないものについても拡大教科書であることには間違いがないということでよいか。軽度の弱視の児童生徒には、単純拡大の拡大教科書も有効である。この点についても報告の中で触れておいた方がよいのではないか。
      【委員】
       単純拡大のものも拡大教科書であることに間違いはないが、多くのニーズに対応する「標準規格に基づく拡大教科書」ではないという捉え方をする必要がある。
      【委員】
       拡大教科書を分冊にする場合は、児童生徒の体格や体力に鑑みて、適切な厚さや重さについて配慮をする必要があると思う。
      【委員】
       拡大教科書の原本となる検定教科書においても色覚の障害という面から、色彩に配慮して作成する必要があるのではないか。
      【委員】
       来年度発行予定の小中学校の拡大教科書が、全体の427点中145点であるという数字をみると、これまでの取り組みや法律の趣旨を踏まえ、発行者にはもう少し数を増やしていただきたいと思うとともに、全く発行されていない技術家庭や保健体育といった教科については、文部科学省にも必要な措置を講じていただきたい。
      【委員】
       高校段階の拡大教科書については、現在、高校ワーキングの議論がまとまっていないため、第一次報告案においては対象から除外されているが、法律は平成21年度から使用する教科書から適用するとされており、盲学校の高等部では10年以上も前から弱視生徒が困っているという実情もあるので、迅速な会議の運営をお願いしたい。
  7. (7)座長による取りまとめ
    【座長】
     本日議論された第一次報告案について、意見があった部分は若干修正が必要となる。しかし、内容的にはおおむね合意が得られたと思われるので、委員各位の意見を踏まえた修正文は私の方に一任していただくことにし、後日諮問していただいた初等中等教育局長に、本会議の第一次報告として提出するという運びにしたいが、よろしいか。
    (「異議なし」の声)
  8. (8)座長より「高校における弱視生徒への教育方法・教材のあり方ワーキンググループ」の検討状況について説明
  9. (9)徳久大臣官房審議官よりあいさつがあり、閉会となった。

以上

お問合せ先

初等中等教育局教科書課