教科書デジタルデータ提供促進ワーキンググループ(第6回) 議事要旨

1.日時

平成20年9月26日(金曜日) 15時30分~17時30分

2.場所

中央合同庁舎第7号館(金融庁)9階 共用会議室3

3.議題

  1. 教科書デジタルデータの種類・方法、管理する組織のあり方及びボランティア団体等へのデータ提供方法等について
  2. その他

4.出席者

委員

 田中主査、五十嵐委員、伊藤委員、今井委員、氏間委員、大旗委員、川戸委員、小林委員、柴崎委員、嶋本委員、末吉委員、中野委員、成松委員、花香委員、渡辺(哲)委員、香川座長、千田座長代理、宇野委員、土屋委員、渡辺(能)委員

文部科学省

 伯井教科書課長、矢崎教科書課課長補佐、三輪教科書課課長補佐、水野特別支援教育課専門官、黒沼文化庁長官官房著作権課課長補佐

5.議事要旨

 主な意見は次のとおり。

(1)これまでの意見の整理(案)について

 説明の後、意見交換が行われた。

【委員】
 ボランティア団体等にとって使い勝手の良いデジタルデータを提供する理由として、ボランティア団体等の負担を軽減することを挙げているが、正しい正確なデータを使った教科書を作りたいというのがボランティアの本音である。正確な教科書を作るために正確なデータが必要であるということを重要視するべきだと思う。

【委員】
 ボランティアは足りないものを補うという意味で活動しており、本来ならば、障害のある子どもたちの教科書の作成をボランティア団体等によって補わざるを得ないような現状に問題があるということを課題として記載する必要があるのではないか。

【委員】
 今後、拡大教科書の作成については、経済的に成立するシステムを構築する必要があるということを盛り込む必要があるのではないか。

【委員】
 英語の発音記号や通常のフォントではないものを一括して変換した場合等は、文字化けをする可能性がある。ただし、PDFの中に保存されているテキストデータは、基本的には最新のものが作られるようにしてある。

【委員】
 本文と分けてレイアウトしてある漢字のルビについては、テキストデータではないため、一緒にコピーできない場合がある。

【委員】
 PDFデータについては、テキスト形式のデータを抽出できるということを記載する必要がある。

【委員】
 外字フォント等の文字化けをする可能性がある文字を使用している場合は、教科書発行者はそのような情報も添えてPDFデータを提供する必要があるのではないか。

【委員】
 ボランティアから要請のあった原本及びデジタルデータの提供については、これまでのように全国拡大教材製作協議会の指定する3拠点を通して配送するのではなく、直接団体に届くようにしてほしい。

【委員】
 拡大教科書に係る現在の配送方法に問題があるのであれば、デジタルデータを管理する者が、すべて一括して管理し、配送するスキームとすることもありうるのではないか。

【委員】
 ボランティアが拡大教科書の作成以外のことで労力が必要であるものについては、その負担を軽減する方向で検討する必要がある。

【委員】
 ボランティアがデジタルデータを加工して作成したデータは、自分のものであると考えてはいけないということを明確にしておく必要がある。加工したデータについて、例えば学校の先生がほしいと言った場合にも、目的外の使用方法であるため渡すことはできないということを確認することが必要ではないか。

【委員】
 よいデータができた場合は、そのデータを一度データ管理団体に戻し、その戻したデータを他のボランティアが受け取った方がよいというスキームが考えられている。できれば、それがテキストデータであった場合、ボランティア団体が修正したテキストデータも、ボランティア団体から戻されたテキストデータも、同様にこの管理団体が修正するスキームで機能すれば、さらによいと思う。

【委員】
 拡大教科書は種々の拡大法の1つであることを踏まえ、子どもにはそれらの拡大法を利用する技術を身に付けるための指導が適切になされるとともに、適切な視機能等の評価に基づいて、デジタルデータの利用が効果的に行われることが望まれるという内容も盛り込んでいただきたい。

【委員】
 電子教科書については、「快適に利用できる」という表現では誤解を招きかねないため、「効果的に」というような教育的で前向きな表現にする必要があると思う。

【委員】
 拡大教科書が必要な児童生徒たちの実態についての評価は非常に重要だが、現在、必ずしもそれが十分に行われるようなシステムがあるわけではない。特に、通常の学級に在籍する弱視の子に対してどの程度の提供ができるのかということは、特別支援教育の大きな課題でもある。また、フォントについても解決されてない問題も多くある。そのような研究開発課題をまとめて提起する必要があるのではないか。

【委員】
 拡大教科書が安定的に供給できるような方策について、検討を続けるということがどこかに盛り込まれる必要があるのではないか。

(2)事務局より今後の日程について

 説明があり、閉会となった。

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初等中等教育局教科書課