平成20年5月27日(火曜日)10時~11時30分
文部科学省東館3階2特別会議室
香川主査、大内委員、大賀委員、太田委員、齋木委員、土屋委員、永田委員、橋本委員、松浦委員、村上委員、守屋委員、安元委員、大旗委員、柴崎委員、渡辺(能)委員
伯井教科書課長、永山特別支援教育課長、水野特別支援教育課専門官、池尻特別支援教育調査官、矢崎教科書課課長補佐、松木教科書課課長補佐
【委員】
特別支援学校(視覚障害)高等部と高校に弱視生徒はどのくらいいるのか。
【事務局】
高校の弱視生徒数については把握していない。また、特別支援学校(視覚障害)については、弱視と全盲の生徒を併せた数は把握しているが、それぞれの数は把握していない。
【委員】
特別支援学校(視覚障害)全生徒の約6割が弱視の生徒と言われている。
【委員】
本県の公立高校についてみれば、視覚障害に関して入試時に何らかの配慮が必要となった生徒が各学年2名ずついる。
【委員】
公立高校では、弱視生徒であっても、入試の成績が一定以上であれば、障害という点は考慮せずに合格という取扱いをしているのか。
【事務局】
各都道府県では、障害のある生徒の高校入試に当たっては、中学校と協議しつつ必要な配慮をしていると聞いている。
【委員】
高校の拡大教科書については、小中学校の拡大教科書のノウハウを生かした上で、高校の特性も踏まえて作成をしてはどうか。多様な種類の教科のすべてに対応することは困難なため、教科に応じた基本的な原則を明示してはどうか。生徒一人一人のニーズに対応するためには、通常の教材をいかに効果的に活用するかが大切であり、そのための配慮事項を整理してはどうか。
【委員】
高校の教科書は種類が多く、拡大教科書として紙で対応するのには限界がある。このため、デジタルデータやPDFなどによる措置について検討してはどうか。
【委員】
教科書の内容のデジタル化も一つの考え方だと思う。
【委員】
高校の普通教科の教科書指導書には、ほぼデジタルデータ(本文のテキストデータ)が添付されており、これをボランティアが購入して活用することも考えられる。テキストデータ提供の仕組みはあるが、あまり活用されていないのが実情である。高校は小中学校に比べて多様化しており、一つのシステムだけでは対応が難しいことから、どのように高校の支援をしていけばよいか、この会で検討していただきたい。
【委員】
高校の教科書は種類が多いので、ボランティアだけで対応するのは困難である。小中学校の教科書であればボランティアでも内容を理解することができるが、高校になると理解できない場合も考えられる。高校の教科書の内容の量が多いので、短期間で拡大教科書を作成することは困難である。デジタルデータの提供だけでは、どこまでカバーできるか疑問である。
【委員】
特別支援学校(視覚障害)高等部と高校では、拡大教科書の使用について、生徒の考え方や支援の仕方など条件が異なってくると思う。そのため、生徒が必要とするものは何か、デジタルデータはなぜ使われないのかなどの情報を集める必要がある。
【委員】
日本の大学・短大における障害者の占める割合は米国に比べてかなり少ない状況にある。東京大学の先端科学技術研究センターでは、障害のある学生に対して、コンピュータや支援機器を提供するプログラムがある。こういったものを参考にして、今後はパソコンを使った学習もあり得るのではないか。
【委員】
高校での拡大教科書の実物を見て、その上でどこまで対応できるのか検討してはどうか。拡大教科書などの印刷物でなくてはいけないのか、データを提供し、パソコンを使った学習をすることはどうかといったことについて検討してはどうか。
【委員】
単純拡大であれば授業に差し支えないが、レイアウトが変わった場合にはどうするのか。PDFのデータをパソコン上に表示すれば必要な大きさに拡大でき、レイアウトも変わらないので、その方が良いと思うが、生徒の使い勝手はどうか。社会に出た時のことも考慮すれば、PDFの活用について検討してはどうか。
(以上)
初等中等教育局特別支援教育課