公立幼稚園における「指導改善研修に準ずる研修その他必要な措置」を検討するに当たってのポイント

平成19年10月31日
練馬区立光が丘さくら幼稚園長
岡上　直子

• 幼児の生きる力の基礎となる心情、意欲、態度を育成するために、一人一人の発達の特性に応じた指導をするなど、幼稚園教育のねらいや内容についての特徴
• 学級全体で活動する際の指導のねらいと、一人一人の学びの読み取りの重視

• 幼児の「発達状況の理解」と「発達を見通す」力量
• 幼児の「心を理解」する力量
• 教材に関する知識
• 具体的な指導の力量
• 幼児が「遊び（活動）の中で学んでいる（身に付けている）内容」の把握　等

• 幼児が主体的な活動をしている場合、多くは複数の教員が協力しながら指導
• 力量不足の教員がいた場合、必然的に周りいる力量の高い教員による支援が可能

• 学級全体の指導ができない
• 幼児にとって学びの多い保育の展開ができない
• 指示的な言葉が多く、すぐに叱る
• 子どもの心を捉えられない
• 技能の不足
• 保護者との対応が適切にできない（子どもの状況を伝えられない、保護者の不安や不満に気が付かない等）　等

（なお、多くの場合、小・中学校等の教員と共通性があると思われるが、教科学習ではないなど幼稚園教育の特徴に由来するものがあることに留意が必要）

• 園長からの指導経過の確認（自己申告・面接の記録、園長からの指導助言、該当教諭の幼児指導計画・指導記録）
• 保育観察（教育委員会の指導系の課長・指導主事・人事担当者等による）
• 指導が不適切であるということを「認定」することの難しさ、主観的な評価の恐れ
  • →　教育委員会としての「判断」が必要だが、その際には、教育の専門家だけでなく精神科医等の関与も重要

• 指導力不足と認められる教員の状況確認と今後の指導方針の検討
• 指導経過の記録（園長等の指導とその成果）
• 保育観察と指導・助言（教育委員会の学校訪問・指導訪問など、園内研究）
• その他研修の在り方として、実施場所、園長の指導下での研修、研修期間中の教員補充についても配慮が必要