指導が不適切な教員に対する人事管理システムのガイドラインに関する調査研究協力者会議(第8回) 議事録

1.日時

平成20年1月30日(水曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省5階 3会議室

3.議題

  1. ガイドライン(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

服部座長、石津委員、井上委員、小笠原委員、黒田委員、小枝委員、佐藤委員、高木委員、高田委員、竹氏委員、千々布委員、真金委員

文部科学省

常盤初等中等教育企画課長、堀野初等中等教育企画課長補佐、大川専門官、その他関係官

5.議事録

○ 皆さん、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから第8回指導が不適切な教員に対する人事管理システムのガイドラインに関する調査研究協力者会議を開催いたします。本日は、ご多忙な中、ご出席いただきましてありがとうございます。
 昨年末、文部科学省で取りまとめ、本会議で議論しました、指導が不適切な教員に対する人事管理システムのガイドラインについての中間整理案について、文部科学省がパブリックコメントを行いました。本日は、その結果についてご報告していただきたいと思います。また本日は、文部科学省から「指導が不適切な教員に対する人事管理システム」に関するガイドライン(案)についてご提出いただいておりますので、これについて議論を進めていきたいと思います。
 なお、本日の会議は公開で行いたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは議事に入りたいと思います。
 初めに、指導が不適切な教員に対する人事管理システムに対するガイドラインについての中間整理案のパブリックコメントの結果について、事務局からご説明をお願いいたします。

○ 資料4に基づいて、パブリックコメントに提出された意見についてご説明いたします。
 昨年年末の会議から、すぐにパブリックコメントを始めまして、1月26日までの間に、メール、ファクス等によって144件の意見が寄せられたところです。それにつきまして、中身をおおむね整理をいたしまして、一通り並べたものが資料4でございます。
 順に説明をいたします。まず第1に、教員の資質能力の向上に関する基本的な考え方等の部分ですけれども、その中で、意見としては、不適切な指導の定義があいまいではないか、ガイドラインを設定した場合でも、地域の実態を踏まえて、画一的であってはならない。認定の対象者は40代、50代のベテランが多くを占めている原因を究明し、研修内容を見直し、現場復帰が達成される制度となるようにすべきである。次も同様ですけれども、安易に排除ということではなく、現場復帰を支援し、促進すべきであるということが書いてございます。次も関連いたしますけれども、指導が不適切な教員への対応が他の教員の教育活動に萎縮的効果を招いてはならないことが強調されるべきであるということでございます。
 このあたりに、現場復帰を支援し、促進するという視点が大事だという意見が多く出ておりますけれども、このガイドラインの中でも、大きな留意点として、早期に関係者に対応して、現場復帰を促すようにすべきであるということを、これまでもこの会議で強調していただきまして、現在のガイドラインの案もそのようになっているところでございます。
 それから、報告、申請、その他各それぞれの段階で、本人への情報開示ですとか、異議の申立て、苦情処理制度を設ける必要があるという意見が出ております。今回の制度につきましては、特に当然のことながら、最後の研修終了後の措置として、分限処分を行うとか、そういう場合には、別途、分限処分としての手続が必要であって、その際には不服申立ての関係の制度も地方公務員法上もともとあるところですけれども、最初の認定の段階で不服申立てということがあるかということについては、認定して研修に入っていただくということですから、不利益処分には該当しないと。そもそも研修に入っていただくという命令ですので、不利益処分には該当しないということで、それ独自の異議申立て制度といったものは当てはまらないのではないかと考えられます。
 そして、指導改善研修を学校に完全に任せるべきであるというご意見もありますけれども、法律上、任命権者の実施義務として規定をされているところです。それから、人格評価、思想信条、プライバシーにかかわる例示を行わないことを明記すべきである。人権蹂躙、退職強要を行わないことを明記すべき。国際基準である教員の地位勧告の水準をクリアする適正手続、そういった点について指摘がございます。
 2番目の部分ですけれども、指導が不適切である教諭等の定義についての意見ですけれども、校長、教頭、主幹教諭なども指導改善の対象にすべきであるというご意見がありますが、これは、ガイドライン案の中で整理されているとおり、そもそも校長、教頭に対しては指導改善研修の実施義務がないと、法律上、明確になってございます。
 2点目ですけれども、指導が不適切であることの原因が精神疾患に基づく場合には、本措置の対象にならないことを明確にすべきであると。この点については、この会議でもかなりご議論いただいて、ガイドラインの案の中に詳しく述べられていると考えております。
 3番目に、指導が不適切である教諭の把握及び報告・申請の段階でのご意見ですけれども、苦情処理制度、あるいは本人及び職場の同僚の意見聴取など、校長の恣意的な評価・判断を排除するシステムが必要である。そして、対象とされている本人に、きちんと十分な説明が行われなければならないという点。1ページめくっていただきまして、対象者の要請があれば、職場の同僚の意見も添付して出せるという制度にしてはどうかという意見、職場の同僚からの異議申立てを行ってはどうかという意見などがございます。
 先ほど申し上げましたように、苦情処理ですとか異議申立てといったシステムについては、この認定のために特段に設けるということではないと考えております。それから、意見聴取について、このガイドラインの中でも、当然本人の意見聴取は重視して書いてあるわけですけれども、具体的に、さらに校長先生がだれの意見をつけるか、教頭先生の意見をつけるとか、そういったことも客観性を保つときに大事であるというさまざまな案がガイドラインの中に書かれておりますけれども、最終的には校長先生のご判断で、どなたの意見をもらっていけばいいかということを決めていただくということで、ガイドラインにある程度例示がなされていると考えております。
 2ページ目の上から3点目ですけれども、対象者の進退にかかわる重大な課題の判断を学校長が行うということになりますので、その判断は、本人とのコミュニケーションが優先され、納得性、透明性、共通性、客観性などを確保することが必要であると。この点につきましては、この会議の中でも非常に重要だと指摘された部分でございまして、やはり本人に対して、まず指導の改善が必要だということをきちっとわかっていただいた上で、認定に入っていったり、研修を行ったりすることが大事だということがこの会議の中でも指摘され、ガイドラインの中にも書かれております。前回の会議でもそのような意見がございましたので、後ほど修正部分の説明をする中で、この点を反映した修正文もございますので、後ほど紹介いたします。
 それから、厳しい状況の中で教育活動に取り組んでいる教員、これを指導力不足教員、不適格教員などと一括りにしてはいけないのではないかとか、校長に過度な負担とならないよう配慮が重要であるというところが書かれているけれども、教員の名誉と人生に大きくかかわることから、教員評価を慎重にすべきという認識が希薄ではないか。それからその下で、再度、指導が不適切である教諭等を早期に把握するといった点からも、校長はコミュニケーションを通して、指導状況の適切な把握に努めるべきではないか、そういったことが書かれております。
 このあたりにつきましても、前回の会議で、まず報告申請に当たって、校長先生の負担を軽減することが必要であるということについて、負担の軽減という観点からだけではなくて、評価の客観性を高めるという観点も本筋として重要ではないかというご意見がございましたので、その点も本文の中で修正しておりますので、このパブリックコメントの意見にもそうのではないかと考えております。後ほど文面で紹介いたします。
 最後に、保護者等外部からの情報については慎重に対応し、プライバシー保護に配慮すべきであると。その最後の部分については、保護者等外部の情報に対しては慎重に対応し、プライバシー保護に配慮すべきであるというご意見が来ております。この点につきましても、慎重に対応ということを、各学校現場の状況に応じて、一方では、どの先生がそうなのか情報が欲しいという声もあるでしょうし、逆に、情報を出してしまうことが本人の現場復帰についての配慮としてどうなのかという両側面があると思いますので、それは任命権者、及び各市町村教育委員会、学校現場において、それぞれの状況に応じた配慮が必要だろうとう考えられます。
 4番目に、専門家等からの意見聴取のあり方ですけれども、意見聴取のあり方が不明である。あるいは、横暴な保護者によって学校現場が混乱に陥っている例もあるので、保護者を専門家として選任する場合には見極めが必要である。それから、その他児童等に対する指導等に関する専門的知識を有する者の例示の中で、同僚をはじめとする現場職員も例示したほうがいいのではないか。あるいは、判定委員会のメンバーを公表すべきである。認定に当たっては必ず専門家の意見を聞くこととし、校長、教育委員会の判断が客観的かつ多角的になるように配慮すべきである、こういった意見が出ております。
 基本的には、ガイドラインの中で、その意見聴取する専門家等について、弁護士ですとか、精神科医とか、臨床心理士、その他一定の例示をしましたけれども、それに加えてどういう人が入るべきかというのは、ある程度そこからは任命権者のご判断が重要になってくるのではないかと考えております。
 5番目の、指導が不適切である教諭等の認定の方法ですけれども、まず第1に、指導が不適切であることは明確な判断基準と客観性が必要で、恣意的な判断が入り込まないようにすべきである。この点については、ガイドラインでも書き込まれております。認定に当たって当該教諭が意見を述べる機会を保証すべきである。これも入っております。
 本人が希望したときには、同僚は職員団体の代表などが同席した上での意見聴取システムづくりが重要である。その下の部分で、判定委員会の場で本人に弁明の機会を保証することを原則とし、その際、同僚、弁護士などの同席を求めることができるようにすべきである。同様に、意見聴取に際して同僚などの同行を認めるべきであるといった意見が出されております。この点につきましては、意見聴取のタイミングですとか方法といったことについては、ある程度、任命権者の裁量、ご判断にお任せする部分が大きいのではないかと考えております。
 認定されて、指導が不適切であるということになるので、それまでの間の当事者の取り扱いには十分留意する旨の提言を盛り込むべきである。これは、次の第6番目の1つ目とも関連しておりますけれども、指導改善研修、定期的な研修として位置づけることや、その研修の意味の守秘義務は十分に守られる配慮が必要であるとございます。文面から趣旨が明らかでないところもありますけれども、研修に行ったという情報を外に言うのか言わないのか、どこまで言うのか、そういった配慮が必要ではないかという関連だと思われます。その点につきましても、やはり現場の状況に応じて適切な配慮が必要ということだと考えられます。
 それから、指導改善研修自体が適切かどうかを検討することが不可欠である。専門家の承認が必要ではないかとか、研修が適切であるかを判断する第三者の専門家を含む検討機関を設置すべきである。あるいは大学や研究所、NPOなども指導改善研修機関で認めるべきであるという意見が出てございます。
 指導改善研修自体の内容を充実する必要があるということで、さまざまな観点について、皆さんのご意見を踏まえてガイドラインの中に書き込んでいるところです。そして研修の主体につきましては、大学や研究所、あるいはNPOという提案もございますけれども、そもそも法律上、これは任命権者の責務として、研修の実施義務は任命権者にあるということですので、部分的に協力をかりることはあっても、主体としては任命権者ということであろうと考えられます。
 次に、指導の改善・職場復帰が目的であることから、所属学校で勤務しながら研修・支援を行うことを基本とすべきであるというご意見がございますけれども、指導改善研修の制度の目的そのものが、日常的に不適切な指導が行われることによって子供に与える影響をまず第一に考えるということですので、勤務しながらということではないのではないかと考えられます。
 それから、所属学校での実地研修への配慮の明示が必要ではないか。あるいは人によって個別の計画書を作成することが重要である。研修の実効性を高めるために、いつでも相談ができるような指導者を適切に配置すべきある。この点については、ガイドラインの中で書かれていると考えております。
 それから、延長して2年を超えない範囲を最低基準とし、教育委員会の主体的な判断を妨げることがあってはならないと。これも趣旨が明かではないところがありますけれども、2年を超えない範囲というのが法律の定めですので、その範囲内で、何年が、何カ月が研修期間として適切かということは、任命権者が当然適切に判断すべきことだと考えられます。
 7番目の、指導改善研修終了時の認定ですけれども、本人の希望があれば、同僚ないし職場の代表などの意見や同席などを認めるようにすべきとございますけれども、その点につきましては、意見聴取の方法については、任命権者のご判断に委ねてよいのではないかと考えております。終了時にも専門家、当該教諭からの意見聴取をすべきとございますけれども、ガイドラインでもそのようなことを記載しております。
 8番目に、指導改善研修後の措置として、支援を要する教諭を生み出さないための支援システムが必要である。周囲の教職員に対しては十分な配慮の協力体制、守秘義務があることが徹底されるよう提言すべきである。守秘義務というのが、どこまで守秘義務なのかというのは、状況によって、かなり議論があるところだと思いますけれども、いずれにしても、周囲の教職員に対してどこまでの情報提供をするか、その状況に応じて配慮が必要であるということは当然だと考えられます。
 改善された場合には学校に復帰することとなるが、校長は円滑な復帰となるよう、職場環境を整える。この点については、ガイドラインでも指摘しているところでございます。
 そして、学校復帰後も適切な指導・助言を行い、継続的な支援を行うということで、異動に当たって情報を共有する。そのあたりの観点についても、この会議でかなりご議論があって、異動に際しての情報交換ということは記載されているところでございます。
 それから、指導が不適切であると認定された場合に、直ちに分限免職とか、地教行法第47条の2による免職・採用を検討するのではなく、再受講も含めて慎重に対応すべきである。これも当然、研修終了後の措置としては、分限免職、免職・採用もあれば、再受講もあれば、現場復帰も当然あり得るということで、このガイドラインが作成されております。
 最後に9番目の、教員の指導力維持・向上のための取組ですけれども、まずは、教育委員会は、過重労働対策やメンタルヘルス対策を行うことで支援すべきであり、教員評価制度に基づく定期的な評価を踏まえて支援するものではない。あるいは良好な職場環境づくりが大事だというご意見。それから、教員同士のサポート体制の確立、校務分掌の負担軽減、カウンセラーによるメンタルヘルスケア、こういったことについて意見が出ておりますけれども、おおむねガイドラインの9番目の章の中で、良好な職場環境、そして相談体制の充実ということも書かれております。
 教員の評価については、やはり1つの、教職員と接触をして情報を得る場として、教員評価の場も情報を得る必要な機会であるということで、その点については、現在記述されているとおりでよいのではないかと考えております。
 最後に、新たな職として置かれる指導教諭を十分活用すべきであると。この点についてもガイドラインの中でも既に記載されているところでございます。
 以上で説明を終わります。

○ ありがとうございました。
 ただいま文部科学省から、パブリックコメントについて説明をいただきました。このことについて、委員の皆さんから何かご意見等、あるいは質問等がありましたら、よろしくお願いしたいと思います。

○ このパブリックコメントを拝見しまして、意見が偏っているなという印象を感じます。これらの意見はそれぞれ尊重しなければいけない意見ですけれども、世の中のこの問題に関する考え方としては、認定される教員に対しての配慮が必要であるという意見のほかに、そういう先生方に教わることによって子供たちが迷惑をこうむっているということに対する問題意識があって、おそらくそういう意識をお持ちの方は、あまり文部省のホームページを頻繁にチェックして、パブリックコメントに応募しようとはお考えになっていないのではないかと感じます。そういうことを考慮した上で、このパブリックコメントを解釈すべきと思います。

○ 確かにそういう印象を受けましたね。それと同時に、私たちも、この7回の議論の中で、先ほどの説明の中にもありましたが、このことを話題にして、かなりの時間をかけて議論した内容がほとんどであるという印象を受けておりますけれども、今、委員さんがおっしゃったように、この問題は、直接の被害者という言い方がいいかどうかわかりませんが、子供がそういう教員によって一番大きな被害を受ける、そのことについて我々は配慮しなければいけないと、それが最も大切なことだと思っておりますが、ほかに何かご意見等がありましたら。
 ただ、子供のためと言いながらも、もちろんここでも議論がありましたが、教員を守るということも、我々もかなり議論して、指導が不適切である先生に対して指導改善研修を行い、現場復帰していただくことをを前提とした取組であるということは我々の共通な認識であると思っております。ご意見等、どうでしょうか。
 いろいろな立場を代表する方に意見を伺いたいと思います。

○ 先ほどのご意見は、私も全くそのとおりだと思うので、保護者の皆さんや、本県で言えば、県民の皆さん等の意見というものが、これを見ていただいてお聞きできればと率直に思うところです。
 もう一つは5番でございますけれども、認定等の方法についてもいろいろご意見があるようですが、ここの会での議論の中で、やはり本人がこの研修に対して真摯に取り組んでいくことを自覚することが非常に重要だということが皆さんの一致した意見だったと思うんですが、そのあたりがちょっと希薄かなと思います。むしろ一緒に研修をしっかり頑張っていこうという職場の雰囲気こそ大事なのではないかと思います。
 ちょっと現実のことを申しますと、つい先日、本県の指導力不足教員の研修を受けている者の研究授業を見に行きました。非常に真摯な態度で研修をしているということを聞いておりましたが、たくさんの指導主事や教育事務所の課長や校長も授業参観をしたわけですが、本当に変わったなというのが全体の意見でした。何があなたをそういうふうに変えましたかと私は聞きました。その教員は、やはり、最初は校長、あるいは当該の教育委員会の担当者と話をされる中で、よし、私はもう一回、一からこの研修に取り組んでみようという決意をしたことが私を後押しして、多くの皆さんからご支援をいただきましたと言ったんですが、私も授業を見て、児童・生徒とのコミュニケーションが非常にとれていたり、あるいは授業の中でさまざまな工夫をされていると、感動して帰ってまいりました。これも、本人がそういう取り組む姿勢をもったことが、そういう結果になったんだろうなと強く思っております。

○ ありがとうございました。
 ほかにどうでしょうか。

○ 私もほぼ同じで、実はきょうも午前中、その関係で模擬授業を参観してきて、昨年4月に認定した方ですけれども、表情自体から違う。模擬授業の内容も、4月に課題として指摘された部分について改善が図られていて、そういう状況が見られて、今、来年4月からどうしようかという学校からの申請が上がってきたところに、本人の意見ということでワンペーパーがついているんですけれども、その中に、私にとってはこういう課題がありました、ようやくそれに気づくことができて、こういう研修の場を与えていただいて今があるんだというご意見で、今、出た内容とほぼ同じですけれども、やはり教育委員会として、課題を抱える先生方をいかに支援していくか、ガイドラインにも書いてあるように、あくまで排除するのではなくて、その先生方に研修を受けていただくことによって、現場に戻っていただけるようなことで、このガイドラインのパブコメを見ると、そういった観点が少ないなと思って見ていましたけれども。

○ 専門の方々が考えていらっしゃるので異存は全くありませんが、そういう方が出る職場というのは、必ずしもその人のせいだけでは当然ないわけでして、その本人の立場にたって、周りが同感できて、そして戻ってきたときに暖かく受け入れるという場づくりといいますか、そういう位置づけがしっかりと伝わればいいのではないかと思います。

○ 大体皆様と同じような意見ですけれども、一部には校長に対しての不信感が随分あるのかなということを感じました。職場の中の信頼関係の問題があるという印象を持ちました。

○ ここでもそのことは何回か議論になって、逆に言うと、校長を支えなければいけないと。校長先生を孤立させてはいけないということですね。そういったこともガイドラインの中に盛り込まれておりますし、若干そういう点がたくさんあるような気がしますね。

○ この研修が何か不利益性を持った制度だという印象がかなり強くなっているので、これはぜひ誤解を解いていただかないと、制度運営がうまくいかないだろうと思います。懲戒処分や分限処分と同様の不利益処分の1つであるとの前提での意見が幾つかあるので、それが気になりました。

○ 先ほども申しましたが、大抵のことは、これまで我々も話題にしながら、そういったことをガイドラインの中に取り入れていこうという姿勢で取り組んできたという気持ちを持っておりますが、よろしいでしょうか。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。文部科学省から、「指導が不適切な教員に対する人事管理システム」に関するガイドライン(案)について、ご提出いただいておりますので、前回の会議からどんな点を改善したか、変更したかといったことについてご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○ 資料5をご覧いただきたいと思います。前回から修文した点についてご説明いたします。
 まず3ページをご覧ください。1番目の大きな基本的な考え方の部分ですけれども、これは削除されているんですが、前回のバージョンでは、平成17年答申の、教員のあるべき姿といったものを引いていたんですけれども、過去の教養審の答申とか、いろいろなことを考えた場合にどうかというご議論がございまして、その記述そのものを削除しております。
 それから7ページをご覧ください。「『指導が不適切である』教諭等の定義」の部分ですけれども、この定義の中で、2行目、「教員として求められる資質能力が不十分であるため」と書いておりましたけれども、前回のご議論の中で、十分、不十分というのは、程度問題がいろいろ出てくるのではないかというご指摘がありましたので、「課題があるため」と修正しております。
 次に10ページをご覧ください。3番目の「『指導が不適切である』教諭等の把握及び報告・申請の流れ」ですけれども、10ページの下の部分、指導状況の把握の「校長による把握」という部分で、先ほども話題に出ておりましたように、下のほうの括弧書きの部分ですけれども、「所属する教諭等の指導に課題があると認めた場合には、校長は、早期に、当該教諭等に対し、指導・助言その他の支援を行うことが重要である。その際、指導上の課題を明確にし、当該教諭等と共通理解をもつことができれば、指導が不適切な状況に至らないで早期に課題を解決することにつながる」、ここは、そのことが「できる」と書いていましたけれども、「できる」というのも確実ではないので、「つながることを当該教諭等に理解させることが期待される」というふうに修正しております。
 それから右の11ページの上から3つ目の丸ですけれども、教育委員会による指導状況の把握の部分ですが、この点につきまして、学校の設置者である教育委員会は、服務監督権者として状況把握に努めることが重要であると。その後半の部分で、「こうした取組を通じて、校長と共通認識を持つよう努めることが報告申請に係る校長の負担を軽減する上で重要である」と、前回書いてあったわけですけれども、それは負担軽減ということだけではなくて、当該教諭等に対する評価の客観性を高めるという観点が重要だというご意見がありましたので、それを書き込んでおります。先ほどのパブリックコメントに出てきたような趣旨とも合う修正だと考えております。
 大きな4章、5章は、修正はございません。
 6章の21ページをごらんいただきたいと思います。21ページの研修期間の部分で、「研修期間中の分限休職者等の取扱い」、この部分について、まだ具体的に書いていなかったわけですけれども、法制的に整備をして、文章を作成いたしましたので、ご覧いただいて、ご意見をいただきたいと思います。
 まず丁寧に読ませていただきますけれども、指導改善研修を実施している途中に、分限休職とか育児休業、介護休暇、産前産後休暇等の承認、こういったことを行う場合には、法律では原則1年、延長しても2年を超えないとされているわけですけれども、その期間の中で十分な研修を実施する期間が確保できないということになってはいけませんので、そうならないように、下記のような運用をして研修期間を確保することが必要であるとしております。
 具体的には、原則として、一定期間の処分を行う場合には、その時点において指導改善研修を中止し、処分等の期間終了後に新たに指導が不適切であることの認定を行い、新たな指導改善研修を実施することが適当であると。多くの場合に、分限休職処分に入るときに、いつこれが終わるのか、どのぐらい期間が長引くのかというのがわからない場合が多いだろうと思います。それで、研修を始めて3カ月後に分限休職期間に入ってしまって、これはいつまでもずっと続くかもしれないと。そうすると、2年たったときには、もう研修時間がないということになってはいけませんので、先がわからないという場合には、まず原則として打ち切る。打ち切って、そのプロセスは終了して、休職処分が終わった後、新たに認定を行うことによって時間を確保すると。
 その場合ですけれども、文章に戻りますが、その際、新たに行うこととなる指導が不適切であることの認定は、原則として、当初認定を行った際の情報と処分等を行う時点までの研修成果に基づいて行うものとするとあります。下の図1をごらんいただきたいと思いますけれども、研修を開始して、ある時点で研修を中止して、分限休職に入りましたと。その後で、休職期間が終わって新しい認定をするわけですけれども、指導が不適切である程度がどうなっているかということについて、分限休職期間中の事情というのは普通わからないと思われますので、最初の認定と、研修をした期間、どういう成果があったかということによって、この新しい認定をするのが原則であると。
 ただし、何かしらたまたま分限休職中に明白になった事情で、もしかしたら指導改善が見られるかもしれない。もしそういう事情が見られた場合には、それを考慮できるということは、それは当然のことですということを意味しております。
 そして、その下ですけれども、この新しい認定をした場合に、どれぐらいの期間やるのかということですが、また新たな指導改善研修については、研修を開始した日から新たな研修期間が始まることとなるが、法定研修期間、上で言うと原則1年、延長しても2年を超えないと、そういう法律の趣旨を踏まえて、処分等を行うまでに指導改善研修を実施した期間と新たな指導改善研修の実施期間との合計が原則1年、延長があった場合でも2年を超えない範囲で期間を設定することが適当であるということとしております。最初の研修から中止までの期間と、新しく実施する研修、これをあわせて原則1年、延長が挟まった場合でも2年という範囲を超えないようにしないと、法律でつくった趣旨が生かされないということで、そのように運用することが必要、適当だと記述しております。
 22ページですけれども、ただし場合によっては、処分等を行う時点において、処分が終わった後、法定研修期間、1年ないし長くても2年の範囲内で残りの研修を十分実施できるという判断が仮にできた場合には、中止をしなくても、処分の期間終了後に研修を継続することもできますと。
 例えば、物理的に交通事故でけがをして、今、研修を受けられないけれども、全治2週間なら2週間後からできるとか、そういう場合まで、わざわざ打ち切って新しい認定をする必要はないので、そういう判断ができる場合には、ただ休んで継続という形でできますと。
 ただし、この場合において、処分等の期間中に研修を開始した日から1年を経過することとなる場合、その前に、法25条の2第4項の規定に基づき、指導の改善の程度に関する認定を行う必要があると。この法律の規定の中で原則1年ということになっておりますので、研修をスタートした日から物理的に1年がたった時点で終了時の認定を行うということが法律上の要請になっております。
 したがいまして、物理的に1年というところに引っかかった場合には、そこで終了の認定をして、そして延長するのかどうするのかをご判断いただく必要がございます。その結果、指導改善研修の再受講が必要だと判断した場合には、これは当然ですけれども、延長しても2年を超えないという範囲内で続きの研修をやるという整理になっております。
 また、この点については、皆さん、いろいろご疑問があるでしょうから、後ほどご質問をいただきたいと思います。
 残りの修正の部分ですけれども、8章の部分で、研修終了後の措置として、26ページの部分、分限免職の場合には、分限免職として地方公務員上必要な手続は、それはそれとしてちゃんと行う必要がある。地教行法47条の2に基づいて、都道府県教育委員会の職員とする場合にも、それはそれとしての手続は行う必要があると。指導改善研修によって何かが免除されるということではないということを書いてございます。
 この部分に、単に市町村の教員から学校事務職員へというパターンについても書いてあったわけですけれども、それだけ単純に書いてあると、簡単にできるかのような誤解を受けるというご指摘がありまして、その部分は削除しております。そういう方法がないということではなくて、通知の中に、そういう方法もあり得るということは書いてございますので、ガイドラインでは省略をしております。
 そして、この点につきましては前回ご質問がございまして、上から3つ目の丸、この通知の中で、「職員が分限事由に該当する可能性のある場合の対応措置について」という通知があるけれども、この内容との整合性というご質問でございました。分限処分を行う場合に、このもともと人事院から出ている通知では、手続をきちっとしておいたほうがいいのではないかということで、事前に警告書を送付するとか、意見を聞く手続を設けるということが書いてあるわけですけれども、人事院にも確認をしたところ、あの通知の中に書いてある内容というのは、それをそのままやらなければいけないという義務を書いたものではなくて、こういう手続を踏んでおけば、手続として十分であろうと思われる事項がまず書いてあります。
 そして、ここで別途行うといった場合でも、同じことを2回やらなければいけないということではなくて、後ほど担当の方は資料を見ていただければと思いますけれども、警告書の中に書く内容としてどういう課題があるのか、それはどういう事実に基づくのか、そしていろいろやった挙げ句、最後には分限処分という可能性もあるのでという内容を書きなさいと書いてありますので、指導改善研修のプロセスの中で、それに当たること、大抵やるのではないかと思いますけれども、同じようなことを本人に示して、それをできれば書面でやってほしいと言っていましたけれども、ということであれば、それで分限処分としての手続をきちっと踏んでいるので、そうしていただければよいと。そしてその後で本人の意見聴取というのがそこに書いてあるとおりで、2回やれということではなくて、あそこに書いてあるような趣旨のことを、同じように手続できちっとやっていればそれでいいということでございます。
 最後、27ページですけれども、一番上の、校長による教員の養成という点で、1の「日常の授業観察や」という部分ですけれども、やはり日常的な校長と教員のコミュニケーションが非常に大事だというご議論がございましたので、これを記入しております。これも先ほどのパブリックコメントの中に同様の意見がありましたけれども、それにも合致する修正であると考えております。
 そして下から2番目の丸の部分で、指導教諭を生かすという記述がありますけれども、これが、指導が不適切な教諭の対応のために設けられた職であると誤解されないようにというご指摘がございましたので、最後の部分で、「指導に課題がある教員への指導、助言に当たって、こうした指導教諭の役割を十分に生かすことも重要である」という言葉を追加しております。
 以上でございます。

○ ありがとうございました。ただいまは、今回出された案について、どこの点を修正したかといったことを中心に説明をいただきました。ありがとうございました。
 この資料について、何か委員の皆さんからご意見等があればお伺いしたいと思います。

○ 分限休職の取り扱いのところを新しく書いていただいて、実質的な考え方としては、多分こういうことになるんだろうと私も思います。問題は手続ですが、これは指導改善研修を一たん中止するという表現になっているんですね。この中止の意味ですが、指導改善研修の法的な手続としては、まず、行政処分かどうかは別として、指導が十分でない認定という手続と、それから、任命権者が研修命令を出す手続があるわけですね。2つあるんです。中止というのは、そのどっちをどうしようという考え方ですか。研修命令を将来に向かって消滅させるという意味なのか、認定の効果を将来に向かって一たん消滅させるという意味なのか。
 そこをはっきりさせておかないと、各教育委員会が、何の手続をとればよいかわからないと思いますね。

○ 認定をした場合に、認定した者に対して研修の実施義務が生じるという法律の構成になっていて、それで、その分限休職に入る時点で、研修自体が物理的にできないので、研修の実施義務がなくなります。したがって、研修を自らやめて、その後、何をしてもいいという、何かしなければいけないという義務は残らないということです。

○ そういう意味ですか。次にもう一回復帰したときに、再認定するわけですね。

○ はい、再認定ですね。

○ これは細かい技術的な問題ですが、それでいいんですか。

○ 認定を取り消すという行為はしません。

○ 取り消すというか、将来に向かってということになるんでしょうけれども。

○ 法的認定という行為は、法律の当初、制定時の整理でございますけれども、指導改善研修命令を出す者を決める事実行為であって、処分性のあるものではございません。

○ それは、教員本人に対して処分性を持つかどうかというのは確かにおっしゃるとおりだと考えますが、認定することによって研修をさせる義務が出てくるわけでしょう。何の法的な効果もないわけではないと思いますよ。事実行為ならおっしゃるとおりだと思いますが、法律論としては、事実行為によって研修をさせる義務が出てくるという考え方で良いのでしょうか。

○ どうですか、私たち教員経験、事務局にいた者であれば、認定されたことによって研修が義務づけられるということは、身分そのものが何か変わるということではなくて、むしろ研修が義務づけられたということについては、それは処分とかそういうことではないという理解……。

○ いや、ですからそれは、教員にとっては処分性を持たないと考えますけれども、少なくとも任命権者としては、指導改善研修をさせるべき法的な義務が出てくるという構成になっているのではないかと思います。そうであるとすれば、その義務が単に事実上履行不能になったというだけの取り扱いでいいのかどうかという問題です。
 教育委員会が何かの手続をとらなければいけないのかというだけの話なんですよ。

○ 実際、実務上、私どもは、途中で例えば病気休職等に入ったときは、その段階で研修未了になってしまうので、最初認定したことは、研修未了ですので、復帰した段階で、またその状況は変わるというか、認定のしようがないわけですね。要するに休んでいたんですから、その前の状況は変わっていませんので、再度認定することなく、研修を再開するというだけなんですね。ですから、それでいいんじゃないかと私も思います。
 認定し直すということは、状況が何か変わったからということではないでしょうか。例えば入るコースが違うだとかいう話なら別ですけれども、この場合、指導が不適切であるかどうかの認定ならば、状況が変わっていない限り、今の実務の話で言うなら、前のが有効というほうが実務的なのではないでしょうか。

○ 続きとしてしまうと、この研修期間がなくなってしまうわけです。だから打ち切りという整理をしているわけです。

○ ですから、研修未了ということになれば、当然その段階で……、研修は期間を定めて1年間の研修を定めているわけですから、ところが途中でできなくなれば、そもそも継続した研修というのは、逆に言うと、私なんかはないのかなと思うんです。前の分と後ろの分を足してということは、逆にそっちのほうがイレギュラーな話ではないかと思います。1年通して終わることによって、その先生の実力なりをステップアップしていくわけですから、ぶち切れでトータルというのは逆になくて、途中で研修未了になれば、通常はもう一回最初からスタートし直しで考えていくべきではないかと思います。

○ でもそれをおっしゃるなら、今、文科省の考えていらっしゃる考え方になっているんですよ。

○ そうそう。再度認定し直すというのは、若干でも研修があれば、その研修の効果も加味した上で再認定するという形になっているので。

○ 効果というと変ですね。1年たってみて研修の効果が測定されるべきであって、途中での効果を測定していないわけですから、そうすると、例えばそこで効果を測定するなら、休むところでの効果測定をしなければ、次のときにもう一度、どこまでやったかを決めておかないとおかしい話になってしまうんじゃないでしょうか。
 それよりも、1年間終わる前に、要するに何らかの理由で研修が続けられないならば、そもそも研修が中止というそれ自体が、最初からやり直しにならないと、カリキュラム自体をそうやって進めているわけですから、途中、ここまで終わりました、で、またそこからスタートとか、状況が変わっていないにもかかわらず改めて認定し直すほうが、やるというほうが、もっと手続のための仕事になってしまうような気がしますけれども。

○ ほかの委員さんの意見はどうでしょうか。私は教員研修の立場が長かったものですから、人事管理という立場ではなくて教員研修の立場でやると、研修は確かに1年というけじめを課したけれども、研修の内容そのものは、ある意味では細切れにいろいろなものがあるわけだから、それは1年たってみて初めて効果を評価するということではなくて、その都度評価というのはあり得ることであるから、たとえ1カ月であっても、2カ月であっても、研修の効果というものは、それはそれとして、やはりこれは、再認定するときには考慮すべきだと私は思うんですが。1年たっていないから、これは未了だから、すべてがゼロになるという考えではないほうがと私は思っているんですけれども、ほかの委員さんのご意見はいかがでしょうか。

○ ここでの整理は、それは任命権者のご判断であって、1年の予定で、最初2カ月やって打ち切りましたと。残りを10カ月にするか、11カ月にするか、12カ月にするかというのは、すべて任命権者のご判断でやるということになります。でもそれは、前の研修成果を加味した上で、やはり1年ここからやろうというのでも構わないと、そういう考え方です。

○ そういう含みもあるわけですね。

○ はい。残りの時間と書いていますので、これは、残りの研修内容がどれだけ必要で、どれだけの期間が必要かということを任命権者が判断して、期間を設定する。

○ 必ず一から1年間再スタートというのも、あまり形式的になり過ぎるような気がします。

○ 再度整理したいと思いますけれども、この考え方としては、この研修中止という時点で、最初のプロセスは一たん全部なくなって終わるという考え方です。で、新しい認定のときに、新しくゼロから認定をするわけですけれども、研修期間とか内容を定めるに当たって、今までやった事実から得るものを評価して、その分を短くするとか、終わった内容があるとかということは、任命権者の判断でお考えいただけばいいのではないかというのがこの整理です。

○ すみません、最後の確認、私もそれを了解したんですけれども、任命権者ということはいいんですが、認定し直しは、その話ですと、要するに義務づけられるんですか。なぜかというと、最初に認定したこと自体は有効で成立していて、研修だけはできないという考え方でいいんじゃないかと思ったんですけれども。

○ そうすると、2カ月研修をして、その後1年8カ月ぐらいずっと休みで、2年間の間の残り2カ月しかない、4カ月しか研修できない、それで判断をしなければいけないということになるのはいかにも問題だろうと。

○ 2年間の制限というのは、認定の効果が2年間しかないという意味ではなくて、研修期間ですよね。

○ 研修期間です。開始の日から2年間です。法律上、日付で完全に、研修を開始した日から2年後の日付に終わらなければいけない。

○ 研修を開始した日からとなっているからですか。

○ その場合ですが、そうすると、認定した日から最大2年間ですよね。

○ 研修を開始した日からですね。

○ 研修を開始した日からですね。実際上起こり得るのは、研修途中で精神疾患が出まして、そして、ここで言うと研修を開始した日から2年を超えるような精神疾患というのも実際はあり得るんですね。そうすると、これは研修を開始した日から2年間を超えているから、この者は研修の認定の対象ではなくて、別の形で措置をするということになるんでしょうか。

○ その場合には、もう十分な研修ができない状況が見込まれた時点で研修を中止にすると。で、新たな認定を復帰したときにやる。そうすると、そこから、また開始の日から2年間ありますからという整理になるんですけれども、ただそれでも、そこから2年間フリーにやっていいというわけではなくて、法律の趣旨からして2年以内と。だらだらといつまでもやらないというのがあるので、それは実質が合計2年を超えない範囲内で運用してくださいということです。

○ 私の認識は、先ほどの説明を聞いたら、この21ページの下の図表で見ると、研修開始から研修中止まで、それがどれだけか期間があって、新たに指導改善研修を実施する、このトータルが原則1年で。

○ このトータルは原則1年で設定して、そこからまた終了認定をして延長でやっても2年、この枠内におさまるように期間設定をしてくださいと。

○ そうですね。だから、研修を中断している期間というのは除外されるんですね。そういう認識でいいですね。

○ ただ、期日の問題と期間の問題があるので、研修を開始した日から、期日としては2年以内に終わってしまうので、今のような場合だと何も研修ができないままで終わってしまったことになるので、そういう意味で、1回区切って、それでこの期間と、また復帰してからの期間をあわせて2年ということで確保しましょうという考え方です。

○ わかりました。

○ 細かいことで申しわけないんですけれども、例えば1年と300日時点で育児休業なり、病気休職なりに入ってしまった方がいらっしゃるとして、休職期間が二、三年ありますね。そうしますと、研修の休止から再度開始になる時点で、トータルで相当な年数がたっているわけですが、その時点でまた1年の単位で認定するということになるんでしょうか。

○ その時点で1年と設定するか、もう相当、1年10カ月やっているんだから、あと3カ月程度で設定して、そこで改善しなければ、その時点で最後の判断をすべきだというのがこの考え方です。続けてやったとしても、マックス2年で判断しなさいという法律なので、間が入っても、実質2年で判断をすべきという考え方です。

○ ここは教育委員会の判断によって、後半の研修期間も決めるということですね。

○ 後半どれだけの期間やるかというのは、教育委員会の判断で決めますので、ただその際に、合計3年となるように設定するというのは、いかにも法律の趣旨を逸脱しているのではないかと思います。

○ わかりました。

○ 今の1年と300日という例だと、その段階で研修終了の認定をしてもいいんじゃないですか。

○ それもできますね。

○ あと3カ月という場合も研修終了の認定ができるのではないでしょうか。

○ ほかによろしいでしょうか。

○ 私はこれでいいんですけれども、ここの、最初の分限休職処分や育児休業等の例示ですが、「研修期間中の分限休職者等の取扱い」の1つ目の丸の、休職者等の例示ですけれども、これは、病気休暇は当然入っていますよね。病気休暇、年休も含まれますよね。

○ 年休はおいておいても、病気休暇は当然含まれる。とすると、病気休暇を言葉として入れるほうがわかりやすいのではないかと思うことが1つと、今、年休と申し上げたのは、要は、年休は20日付与されて、繰り越しがあれば40日あるわけじゃないですか。だから、診断書が出て、休む手段として、年次有給休暇を最大活用すれば40日休めるわけですよね。ということも想定できるのであれば、私は年休があってもいいのかなと思うわけです。
 あるいは研修期間中に年休を繰り返し繰り返し取得し、35日ぐらいとっていくと、1年間の研修プログラムに大きな影響を与えると思うんですが、そういうことも含めて、要は35日の年休を1年間でとっても、1年が来たときに、35日程度は除いても判断ができるという判断をするということですよね。有効であるということで認定をしていくわけですよね。そういうこともあるなら、年休も入れたほうがいいんじゃないかという思いがするんですけれども。

○ こういう研修のときには、年休請求があっても原則時季変更でしょう。そんな連続35日も年休を認めるんですか。

○ 時季変更になるんですか。

○ 単発で休まれて、結果的に何日かになるということは、これはもちろんあるのでいいけれども、大事な研修をやっているときに、これは本人がいなければできないんですから、それは原則、時季変更だと思いますよ。

○ 確かにそれは言えますね。時季変更ですか。ただ、診断書が出た場合の休み方として、年次有給休暇で休むということは通常あるわけですから、年休があってもいいんじゃないなと思うわけですけれども、確かに研修であれば、時季変更権の行使になるんでしょうね。

○ 病気休暇は私も入れたほうがいいと思います。

○ いや、だから、全く事由を問わないということで年休をとるというなら、それは別ですけれども、診断書が出た休み方として、年休として休んでいくというのはどうなんでしょうか。

○ あり得るということですね。

○ ありますよね。そこのところを想定するんですけれども。

○ そういう場合を研修期間から要するに抜くということを、この中に入れるべきかどうかということですかね。

○ 条件付採用期間の延長みたいな考え方ですね。

○ 一応ここに書いてあるのは、ある程度中長期的に、かなりの期間、継続することが予定されているものを例示として挙げているので、病気休暇とか、ある程度の日数があるものは入れてもいいのかもしれません。そこは、イメージとしてはある程度期間があるものということで代表させているところです。

○ こういう場合は、「等」という言葉が入っていることによって、任命権者が若干幅を持たせた判断をするという、これは、産前産後休暇等の承認という中で、例えば病気を理由に、病気休暇をとることも、任命権者の判断で今のようなこともできるという含みがあると解釈していいですかね。

○ 21ページの図1と22ページの図2の中で、1年経過のところに、指導改善の程度に関する認定が、1のほうがなくて、2のほうがありますよね。この違いというのはどういうことでしょうか。

○ 図1の場合は研修を中止してしまっていますので、そこで、1年で何もない状態なんですね。だから、もう何も起こっていないわけですけれども、図2の場合には、研修自体が続いていますので、研修を1回終了させなければいけない。日付として、開始から1年の時点で一たん研修を終了して、さらにやるのであれば、終了後の措置として延長なら延長とする手続が要る。1枚目の場合には、中止とした時点で、そのプロセスとしては全部なくなってゼロになっていますので、新しい認定からまた始まると。

○ そうすると、研修の中止という先ほども出た話ですけれども、例えば自動的になるものなのか、何か認定行為みたいな逆の行為が働くのか、結果的にその違いというのはどこにあるんですか。

○ 研修中止の場合には、研修を中止するという、中止という行為を何かします。

○ 本県も、実質研修期間は1年という考え方でずっとやっていたもので、今まではやっていないという……、今後、そういう考え方であれば、その中に入れざるを得ないのかなと思うんですけれども、図1で、研修中止があって、その研修中止というイメージなのか、認定を切るのか、そうでないと、次の認定ということが、理屈が合わないんじゃないかと思うんです。

○ 図2の場合は、完全に認定をして、間が抜けているだけです。

○ 図1の場合の、中止で、次にまた認定というのが入ってきますよね。その次の2回目の認定の位置づけというか、その辺がちょっとよくわからないのですが。

○ 2回目の認定は、法的には前と全く無関係です。

○ だから、1回目について、何らか終了の手続をする必要があるのではないかというご意見ですよね。

○ 我々の立場からすれば、何もないほうが、事務処理上は一番楽なんです。ただ、2回目の認定というのが、1回目の認定があって、その認定を解除するみたいな決定がされていない。あくまで研修中止という段階であれば、次、また認定されるというのはどうなのかなということです。

○ また整理してお知らせいたします。認定解除の行為が必要かどうかですね。

○ 実際的に、こういう場合というのは非常に多くなってくる可能性がありますね。そうすると、委員の間でも、このように理解の仕方が変わっている場合には、やはりもう少し理解が統一できるような表現にしておかないと、実際、行うほうにとってはなかなか無理があるのではないかと思いますので、そのあたりは大事なのかなと思います。

○ すみません、図2のほうで確認させていただきたいんですけれども、こちらの場合は、認定を中止しないでという形だと思うんですが、例えば、研修開始後10月あるいは11月の時点で休みに入ったと。その時点で、ほぼ実質的な研修は終了しているのではないかなと思われるんですけれども、その場合、改善の程度に関する認定時に、学校復帰という判断をすることは当然可能ですね。

○ そうですね。研修はもう終了したと任命権者が判断すると。

○ そのあたりは任命権者の裁量ということで、ゆだねられるということでよろしいですか。

○ はい。

○ それと、今回、新しい制度のもとでは、我々、従前は、認定の解除という言葉をしばしば使っていたわけですけれども、今回、出の認定ということでも、先ほどの学校復帰の場合も解除というわけではないですね。効果が認められるという認定ということですので、先ほどの中止になったときが、従前のいわゆる認定を解除するというニュアンスでとらえておくのでよろしいんでしょうか。

○ 先ほどの議論だと思うんですけれども、イメージとしては、そこで、最初にやったことは全部終わるという、ゼロになるという結果になりますので、その際に認定の解除という法的行為が必要なのかどうか、どういう手続を踏んだらいいのかということを、我々のほうでまた整理したいと思います。

○ 今、規則を考えているところなんですけれども、その折に、従来、出の認定のところでは、その認定の解除というのを一般的には使っていたんですけれども、今後、それを使うことはないという判断でよろしいですね。

○ 中止するときに、その認定解除という行為が必要かどうかという議論ですね。

○ 1年間の研修命令を出しますね。仮に、半年ぐらいで非常に改善されたという場合が理屈の上ではあり得るわけですね。そういう場合に、1年やらなければならない理由はないですよね。

○ それは、その時点で研修終了時の認定をして、現場復帰ということになると思います。

○ だから基本的には、解除という言葉は、今回の場合はないと私は思うのですけれどもね。だから中止というのは、認定そのものは、認定した行為そのものを中止するとか、解除するというイメージではなくて、研修を中止するという理解なんですね。ただすべてを解除というと、ゼロにするというイメージになるけれども、そういう意味ではないと理解しております。そこら辺も検討するんですね。

○ おっしゃる意味はこういうことですか。1年間の研修命令を出していて、6カ月程度の期間でほんとうによく改善されて、もう学校現場に戻れるという状態になったときには、その研修命令を撤回しちゃえばいいというわけですか。

○ 研修終了時の認定をすると。

○ 研修終了時の認定というのは、いつでもいいわけですか。

○ その終わりにというということですね。

○ もうこれ以上やる必要がないほど改善してしまったのに、期間やらなければいけないということは不合理になるので、十分改善したら、もうこれ以上やる必要はないわけですから、終了の認定をして、現場復帰です。

○ 認定を行う審査委員会というか、それは、その都度何回でも行うことができる。それは今のような病気の場合でもあり得るし、いろいろな場合もあるからということですね。

○ 例えば本人に研修ですよと言ったときに、その期間を明示する必要が、今のお話ですと、ないのかなととらえてしまったんですけれども、本人に、研修期間は1年ですと言う必要はないのかどうか。もし1年と本人に言っているのであれば、半年であれば、6カ月にしますよという決定がどこかの段階でされなければおかしくなるのかなと思いました。

○ 普通、そのように言いますよね。

○ ええ。1年と本人に出した通知を、例えば改善がよかったので6カ月にして、今の段階で認定を行いますよという、その1年を撤回する場面というのはどこかに出てくるんですか。

○ 何月何日までにどこそこで研修しろという研修命令を出しているんだから、現場復帰するなら、その段階で、その後の研修は取り消さなければなりません。

○ 終了の認定をやるのは期間が満了するときという話……。

○ いや、終了の認定は、期間満了時でなくともできるということでしょう。

○ 指導改善を要する教員の程度にもよったり、いろいろなことで、その研修の内容と同時に研修の期間も、その都度、またそれも含めて認定するということで、さらにそれも、期間が途中で変わるということも認定の範囲ということは、それは私たち共通の認識だと思います。

○ トータルで2年というのはよくわかりましたが、そうしますと、その人に対して研修を設定する時点で、3カ月の研修ですとか、極端な話、1週間だけ、あるいは半年というような場合もあるわけですか。

○ もちろんあります。

○ それは、その人の程度に応じて任命者が判断して、あらかじめ言い渡して、その期間内で終了とか、あるいは逆に継続もあるということでしょうか。

○ そうですね。1回決めた期間を終了して、認定をして、まだ改善の程度が中途半端なので延長ですと。ですから、法律で決まっているのは原則1年を超えてはならないというので、最初の期間設定で1年2カ月という設定をしてはならないということを言っているだけなので、最初8カ月と設定しても、6カ月と設定しても、それは構わないです。

○ 私どものほうは、従来のシステムでは、1年間の研修とか、短期の5カ月の研修というのも設けていたんです。今回もそれは継続して、その程度に応じて、この方については1年間の研修、この方については5カ月の研修という形で、認定をする段に決定したいと考えております。

○ 21ページの4つ目の丸の中段のあたりですが、一たん中止して再度認定というところの期間の原則の考え方ですが、「その際、新たに行うこととなる指導が不適切であることの認定は、原則として、当初認定を行った際の情報と処分等を行う時点までの研修成果に基づいて行う」ということが書かれているんですが、例えば研修成果が上がっていない方については、この記載のやり方ですと、丸々1年やらないといけないというふうにとれませんでしょうか。
 私どもで、研修成果に基づいて期間の設定を行うという書き方だと思うんですけれども、例えば研修の成果が上がっていないとか、あるいは先ほど小枝委員がおっしゃったんですけれども、研修の成果というのは途中で認定していないということですので、具体的には、最初に行った研修の期間でしか、もうコントロールはできないと私も思いますけれども。

○ それは、研修の成果を判断して、残りの期間をやるということになります。

○ 上がっていないということも判断すると。

○ 上がっていないということも、その研修の成果の判断の1つです。

○ そういう判断をされても、新たに行う研修期間は、前の期間から除いてトータル1年間という原則、それを超えることはできないという意味です。

○ はい。もう一つ、一番最後のところですけれども、先ほど、残りの期間を原則としては2年を超えない範囲で設定することが適当であると。ただ任命権者の判断ですというお話があったんですけれども、できましたら……。

○ 任命権者の判断というのは、その設定の期間が任命権者の判断であって、マックスとして1年、2年を超えてはいけないということが任命権者の判断と言っているわけではないです。

○ そうですか、超えないということですね。わかりました。

○ 先ほどの発言も踏まえて確認しておくんですけれども、この認定の中身は、研修期間も含めて認定するんですか。

○ いや、研修期間はこっちです。

○ 違いますよね。認定は、あくまで改善を要するかどうかだけを認定するんですよね。

○ そうです。

○ どれだけの研修期間にするかというのは別の手続ですよね。

○ そうです。

○ だから、今回のあれは、研修の期間はかなり法律で定められましたけれども、研修の内容とか、研修の方法とか、そういったことは、現在もいろいろな方法で、例えばセンターでの研修を何日間、学校というか、いろいろな場所での研修も盛り込んでいくとか、いろいろな方法、これは任命権者ごとの裁量でできるということですね。

○ ですから、研修を中止する場合には、この評価項目で、ABCとかをつける認定の仕方がありますね。その評価を研修中止の時点で一たん記入して、それでこの分限期間終了後の認定のときにそれを使うという意味です。

○ 研修期間のところに議論が集中しましたが、ほかのところで何かありますか。

○ 今のところの確認なんですけれども、認定と研修開始というのは、これは2つのそういう行為がある。これは、連続的な行為だと思えばいいわけですよね。だから、ここの図の、認定と研修の開始の点々部分というのは、どういうことが想定されることになるんですか。

○ これは、ただ単に、認定の日とその研修開始日が数日ずれるでしょうからこう書いているだけです。

○ それだけですね。

○ 年度末に認定をして、次の4月1日から研修に入るということもありますね。

○ 大体、今現在は、指導力不足教員は2月中に認定することが多いですね。

○ わかりました。

○ 何か、このことについてでもいいですが、ほかのところで何かありますか。

○ もしかしたら、うち、東京都だけは例外かもしれませんけれども、うちは年度途中で認定をしてスタートして、それで年度ごとに認定を行っている。なぜかというと、後補充とか人事異動の関係がありますから、年度途中での教員の出入りというのは通常行えないので、ですから年度末に認定して、4月1日から研修を入れて、後補充を張るという話なんですが、昨年とか、前からあったんですけれども、実質的には途中からの認定というのが始まりまして、そうすると、今年度についてはちょうど9月からスタートして、この3月に判定をするんですけれども、1年を経過していないから、これは自動的にと言っては変ですけれども、継続しようと思っているんですね。
 ただ、この考え方は、もしあれだとすれば、9月からスタートすれば、翌年8月ぐらいに認定をし直さなければいけないということが法定されてしまうんですか。それとも、普通は異動ですから年度主義でやっていないと、後補充とかの関係があります。要するに区切る期間を、うちのほうで、任命権者で決めてしまっていいのか。つまりほかの市と同じ時期に認定の延長だとか、この6カ月だと、そういう点では不適切、研修してもなお改善ができていないとは言いきれないので、継続という方の判断しかないんですが、そういうこと自体も否定されるのですか。

○ いや、基本的に、定例の時期がありますね。

○ 定例の時期ですね。

○ 認定する定例の時期で全部できるのではないでしょうか。

○ ですから、9月から入れる人については、7月ぐらいに認定をするわけです。それで研修は9月からということになると、これが4月ではなくなってきた人のグループと、4月、9月からのグループになったときに、スタートは違うけれども、1年終わった人と半年の人を同時期に認定するというのはおかしな話になっちゃうんですが。

○ 別に関係ないです。

○ 構わないのですか。

○ 人によって研修期間が違ってもおかしくはないです。

○ ですから、その人の場合は1年6カ月の研修期間が当初から予定されてしまうんですね。期間としては最初は6カ月なんだけれども、1年たっていないから、そこでの判定というのは基本的にはできないと。

○ 開始から1年を超えるのであれば、1年がたった時点で終了の認定はしなければならないです。

○ ということは、3月にやるのはおかしくなっちゃう、そこは6カ月目ですから。

○ 6カ月で終了の認定をすることもできるでしょう。

○ そこでまた1年がスタートするというだけの話ですか。

○ もし必要であれば。

○ 1年がスタートするというのは、切った場合。

○ 一たんそこで認定をして、継続ということになれば、次の1年目がスタートして、その先生については、1年6カ月で、逆に言うと次の判定をして、どちらかに決めなければいけないことになるわけですね。次をやれば、うちとしては1年単位ですから、2年を超えてしまいますからということですね。

○ 終了時の認定は、1年たったところでは必ずこれをしなければいけない、そういう義務はあるけれども、そうでない、年度内での終了時の認定は、これは任命権者の判断によっていつでもできる。

○ 6カ月ぐらいを想定して最初の認定をスタートしてしまうんですね。だから、それはそれで、さっきのお話だとオーケーだと。次の方は、逆を言うと、次の1年を想定しての話だけれども、6カ月でいけるのか、それは問題なしということでいいわけですね。6月と1年という形になるからですよね。ですからいいんですよね。

○ 6カ月やって、終了認定をして、次1年ということですね。

○ 最初から1年6カ月という話でなければ、それはいいわけですね。

○ それは制度としてどうなんですかね。6カ月で改善する見込みもないのに6カ月でスタートするわけですか。

○ いや、ですから、切れないから、継続を前提に入っていくことになっちゃうんじゃないですか。

○ ですから、研修期間というのは、その間に改善ができるだろうと見込みの上でやるのが本来じゃないですか。それをもともとだめだろうと思いながら、その期間で切るというのは、制度としてよくないような気がします。

○ 1年6カ月の見込みがあるんだったら、最初の期間を1年に設定すべきだと思います。

○ そうですね。

○ いや、それは要するに人事異動の妙なんですね。つまり、次のところへ来て、課題が顕在化した、大きくなったために、年度途中での認定というのが出てくるわけですね。ぴっちりぴっちり4月、3月で認定をやってきたんですが、現実の世界の中では、どこで発生してくるかわからないところで、要するにうちとしては年度途中の認定をスタートさせたということなんですよ。

○ 年度途中の認定はもちろん構わないでしょうけれども、その場合、何で最初から1年でやらないんですか。

○ ですから、カリキュラムの問題とかもあるわけですね。

○ それは人事管理上の、行う側の論理ですか。

○ そうですね。

○ 例えばそれは、産前産後の育休とかいうのは別に年度で来るわけではないので、これは後補充なんかは途中でもあるわけだから、年度で区切って育休をやめなさいという指導は、実際にはあるかどうかわからない、まあ、ないのが普通だから、そういうことと同じではないかと思います。

○ そのときにメンバーを集めてという話になるわけですね。今の手続をスタートさせなければいけないという話になるわけですね。

○ そういう意味では大変ですね。

○ だから、補充とかいろいろなことを考えると、年度で区切るほうがわりとスムーズにいくということだろうけれども、ちょっとそれは現実では。ほかに実務的なレベルで言うと、そういう議論も出てくるかもしれませんが。

○ これは言葉だけの問題なので申しわけないんですが、23ページですが、「指導改善研修終了時の専門家等からの意見聴取等」というところの本文の2行目の後ろのほうですけれども、「指導改善研修に参加した教諭等が」と、「が」になっているでしょう。これは「が」でいいんですかね。これはそのまま読むと、教諭が自分の記録を適切に取りまとめるように読めちゃったんですが、これはもちろんそうではないですよね。

○ そうではないです。

○ 研修機関側の話ですね。

○ そうですね。直します。記録するのは教育委員会、任命権者です。

○ だから、本当は「本研修の実績を」という、そちらに係るつもりだけれども、そうは読み取れない部分がありますね。

○ これは整理します。

○ もう一点だけいいですか。これは別に分限のガイドラインをつくっているわけではないので、あまり分限のところを細かく書く必要はないのかとは思いますが、先ほど説明のあった26ページのところで、分限免職の手続と留意点についての通知のことについて触れられていますね。これは、実質、指導改善研修の中でやっていることを分限免職に当たってもう一度やれという意味ではありませんよということもおっしゃられた。そうすると、実施に必要な手続は別途全部行うんだよと言った上で分限免職の手続と留意点についての通知を書くと誤解が生ずるのではないでしょうか。

○ 書きぶりを検討します。言いたかったことは、分限処分の手続が省略されるわけではないということです。

○ ええ、それはそのとおりですね。だから、間違ったことを書いているとは全然思わないんです。

○ ほかにお気づきの点についてはどうですか。あるいは、修正があった部分だけ、今、検討していますが、そうでないところでもお気づきの点があれば、この機会にご発言下さい。

○ よろしいですか。28ページの最後の丸のことについて、最後の「免許更新講習との関係について」の記述ですが、私は前々回の会議で、この記述に関してちょっと違和感があるということを申し上げました。更新制度というのは免許の取得段階の基礎的な資質・能力を身につけるということを目的にしていて、それを10年ごとにリニューアルしていくということであるから、そこで指導の適切性ということを保証するわけではないという趣旨はわかるんです。ところが、更新制度の説明において、定期的に最新の知識・技能の習得を図ることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊厳と信頼を得ることを目指すというふうに書いているんですね。
 それとここの28ページの記述をあわせますと、更新制度によって自信と誇りを持つけれども、その人の中には、適切に指導ができるかどうかはわからない人がいるということになるわけです。これは、あわせて読んだ方はちょっと奇異に感じるのではないかと思いまして、それでもう少し言葉をつけ足したほうがいいのではないかと思う次第です。

○ そうですね。難しいですね。ある意味では、こういう見解、こういう立場を、このガイドラインで明確に示すということですが、最後になってこういう表現があるんですけれども、免許更新制度とか指導改善研修も、学校教育現場にいる指導が不適切な教員について、子供の教育指導に影響力があるので、それをどう改善するか、そういう現象をどう改善するかということが根っこにあると思うんですね。それがそれぞれ別の立場で、免許更新制度、それからこの指導改善研修というのが出てきているんですけれども、詰めていったところでは、結局、実はこの免許更新制度のこういうパンフレットを見ても、このことによって不適格教諭の排除を目的としたものではないというような、要するに指導不適切な教員をふるいにかけるという、言葉は変かもしれませんけれども、そういうものではないという、少しずつ詰めていく中で、立場がクリアになっていくという焦点なんですが。

○ パブリックコメントでも、その点についての意見が出てきていないので、このままでもいいとは思うんですが、今、申し上げているように感じているのは私だけかなとも思っておりますので、強くは申し上げませんけれども、一応念のために申し上げておきます。

○ 教育委員会におられる方は、このことについて何か。前回では、むしろこういうことを明記されるほうが望ましいという意見もあったように思いますが、改めてどうでしょうか。
 ひところでは、免許更新講習を受けたことによって、それ自体が、ある意味では指導力が保証されたというようなニュアンスが学校教育現場にあったような気がするんですけれども、そうではないということですね。私自身も、このことについて、二、三の教育委員会に直接聞いてみたんですが、特にこれについて、先ほども言いましたように、むしろこういうことをきちっとどこかに、むしろあるところでは、初めの方にこういうことを書いてもらったほうがわかりやすいのではないか、最後まで読んで初めてわかるのではなくてということを言うところもあったんです。立場を明確にするという意味では、そういう意見も聞いたんですが。もちろんこれは同じ文部科学省のことですので、免許更新を担当する部署とのやり取りはできているんですね。そういうことですね。

○ 表現の工夫ができるかどうか、検討させていただきます。

○ すみません、お願いします。

○ 他に何かよろしいでしょうか。

○ 前にもご質問したんですが、27ページの1つ目の丸の2で、「メンタルヘルスの保持等のための相談体制の充実等を図る」ということですが、これは、具体的にはどういうことをやるイメージなんでしょうか。

○ これは教育委員会の中に相談員を置くとか、カウンセラーを配置するとか、電話相談をできるようにするとか、いろいろ一般的なことです。

○ それは教育委員会の行うことではなくて、校長が整備されるものだということですか。

○ これは校長の部分ですね。

○ 体制整備は、どちらかというと教育委員会かなとは思っていたんですが。

○ 校長は、むしろ1のことをやることが、この2のことにつながっていくということかもしれないですね。

○ 教育委員会等が用意しているメンタルヘルスに積極的に参加させるとか、そういうのは校長がやるということかなとは思うんですが。

○ そこも修正します。

○ 伺いたいんですが、9月の時点から研修を開始した場合に、年度途中ということになりますが、後補充等はどうされているのでしょうか。

○ 結論からいいますと、今年度の例でいくと、後補充が非常に厳しかったということがあるんですが、東京都の例でいいますと、基本的に研修センターでやるような、ほとんど学校に来ない方については、過員ということで、正規で補充していくと。基本的に小学校の場合は学級担任ですので、その先生が抜けた後は、講師では成り立たないので正規を入れるんですが、その補充が今年はうまくいかなかったという事例はありました。そういうことです。

○ そうですか。そうしたケースで、年度の切れ目に更新するとその時点で研修開始から1年半経過していることになりますが、その時点で研修の効果が不十分だったと判断された場合は、また半年延ばすということになるんでしょうか。

○ 期間の設定は任命権者が定めるわけですけれども、先ほどもあったように、普通の考え方としては、最初に半年に設定するというのは、半年で終わるだろうと見込んで半年だから、次、半年というのは普通だと思います。やってみたら、思ったより症状が重かったから1年にしようという判断も、もちろん任命権者の判断ではあり得ると。まず見込みで立てると思いますので、見込みは外れることもあるので。通常は、1年だったら次の1年、半年だったら半年となりますけれども。

○ 半年だったら半年ごとですか。

○ というのが普通の考え方、今の運用だと思いますけれども、半年やってみて、最初の見込みよりも重いと。次の半年よりもうちょっと長くかかるかもしれないと思えば、そういう設定をしても構わない。

○ 実務的な、人員の配置などで言うと、年度の区切りが非常に切りやすいとは思います。ただ、その時点であと半年残った場合、その方が復帰できる見込みの立つ状況であればスムーズにいくと思うんですけれども、そうではない場合には、残りの研修を受ける権利はどうなるんだという話が出てくることもあるかと思いましたので、それで伺いました。

○ 残りというのはどういうことですか。

○ 一応2年の範囲で延長するという定めですね。

○ それは、任命権者に対して2年を超えてはならないという義務を課しているだけで、受講者に何かしら権利が生じているわけではないので、それは任命権者が判断した期間で切って、後のことは、後の人事のこととして考えると。多分半年残っているのは、どうにかなると思うんですね。今でも研修を半年ベースでやっている教育委員会もあります。

○ わかりました。どうもありがとうございました。

○ 基本的には、私が県にいたときには、1カ月を超えるような、例えば学校現場の子供の前にいない、いろいろな事由があっていない場合には、これは補充を考えるという対応をとっていると思うんですね。それは、1カ月を超えれば常勤という前提ですね。非常勤・常勤をうまく組み合わせながらやっていくことになっています。要は教育現場、子供にとっての教育に混乱を来さないようにということは考えていると思います。どこの教育委員会も、そのように行うと思います。
 何かほかによろしいでしょうか。
 かなり長時間議論をいただきましたし、これまでもいろいろな点で、それぞれの立場からご意見をいただきました。今日もそれぞれ貴重な意見をいただきました。今日いただいた意見も含めて、これまでの意見も含めて、今後、さらによりよいガイドラインをつくっていきたいと思います。
 本日提出されました「指導が不適切な教員に対する人事管理システム」に関するガイドライン(案)につきまして、今、言いましたように、いろいろな意見を踏まえて、今後検討していきたいと思いますが、その点については、座長、私、服部に一任いただいて、事務局と詰めていきたいと思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○ ではそうさせていただきます。もちろん、この会議が終わっても、お気づきお点があれば、その都度ご意見等をお寄せいただきたい。メール等、あるいは電話等で、あるいは直接来ていただいてもいいですが、意見等をいただきたいと思います。なお、必要に応じて、今後この会議が必要であるということであれば、またその都度ご案内をさせていただきたいと思います。
 今後の予定について、文部科学省からご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○ 現在のところ、次の会議をいつということは考えておりませんけれども、座長と一緒にまとめさせていただいた上で、今後、ガイドラインができた後でも、フォローアップのために一度会議を開きたいとか、いろいろな場面があり得ますので、そうした折には、必要に応じて、会議の開催についてお願いをすることもあるかもしれませんので、その際にはよろしくお願いいたします。

○ 最終的には、このガイドラインがうまく運用されて、学校教育現場でほんとうに適切に指導が行われることが我々の期待するところですので、よろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。

‐了‐

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