ここからサイトの主なメニューです
藤原委員

 待ったなしです。

 私はもう、ここで主張した話を数百遍繰り返しています。
 中央教育審議会の本部会でも、自民党の義務教育特別委員会でも、民主党の勉強会でも、公明党の文教族にも、参議院の文教科学委員会でも、子どもを守り育てるための体制づくりのための有識者会議でも、中教審生涯学習部会の家庭と地域の教育力向上委員会でも、教育再生会議の室長にも、NHKの「日曜討論会」でも、TBSの「朝ズバ!」でも、「ニュース23」のカメラを通して安倍首相にも、日本テレビの「スッキリ」でも、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」でも、東京FMでも、文芸春秋でも、中央公論でも…全国の教育委員会の研修やPTAの勉強会でも。
 なんで早く動かないのかなあ…。

 もう一度結論を言います。
 次の2つのアクションにすぐに取りかからなければ間に合わないのですよ。

  (1)  中学校1万校のうち3割の3,000校に10年間かけて学校以外から校長を迎えること。

 1年間に300人(東京都でせいぜい30人)、旧市区町村に1人ずつの勘定だから、それほど無理はないはずです。民間校長というとビジネスマンをイメージするが、NPOや塾の経営者でもいい。文部科学省の官僚や大学の教授でもいい。地域社会が納得できる人材に兼務で経営に当たってもらうわけです。
 私は「中学校長」という仕事を人生の最後にやる「最も名誉な仕事」にできたら素敵だなと考えています。功なり名をなした人やラッキーにも大きな富を築けた人、あるいは何にせよ納得感のある人生を歩んだ人たちが、故郷の出身校の校長をやるのもいい。私立校を新しく設立したら100億円かかる。買収しても30億円はかかる。でも公立校の校長なら、もっとわずかな額で学校が蘇るのです。私も、最初の3年間でポケットマネーを300万円使いました。
 自分の子や孫がお世話になっている学校でもいいし、今暮らしている家に最も近い学校でもいい。
 人生の最後に、中学校長として参戦してもらいましょうよ。

(2)  全国の中学校区に中学校の中に拠点を持つ学校支援組織を1万か所作り、国から300万円程度の事務局人件費と、自治体から同じく300万円程度のボランティア活動への謝礼金をつけ、それを地域の任意団体、NPO、自営業者などが運営する
 20世紀の公共事業は鉄とコンクリートへの投資でした。道路、港湾、空港がその上に乗って異動する人やモノの経済的インフラとなりました。
 いっぽう、21世紀の成熟社会では、教育、住宅、介護などの地域問題に対して、自分の責任でことにあたる市民を育てなければ立ち行かなくなります。そうした市民インフラをつくること。それこそが新しい時代の「公共事業」なのです。
 学校支援組織をスタートアップするためには、和田中の[よのなか]科のようなライフマネジメント教科を大人と子どもがともに学ぶ公開授業として毎週地域に開放することが有効。
 また、土曜日学校(和田中の場合には「土曜寺子屋」)の開設を機に、教師になりたい大学生のボランティアを大量に導入し教員のアシストをさせること。
 さらに和田中「地域本部」のケースのように、図書室の運営や学校の豊富な緑の維持管理を委託してしまうことも検討されてよいでしょう。
 立ち上げからいきなり上記の300万円プラス300万円イコール600万円がかかるわけではありません。60〜70人の地域ボランティアが放課後や土曜日の活動に機動的に動けるようになった和田中地域本部の3年目の姿を維持するのに、それくらいかかるという例です。最初はまず実行委員5人から。それなら100万円程度でできるでしょう。
 くれぐれも、文科省と厚労省の合弁事業である「放課後居場所プラン」が小学校だけの運用に限定されないように。
 いま、もっとも問題なのは、中学生の居場所なのですから。


ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ