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馬居委員

有識者会議の最終まとめに向けた意見について

馬居 政幸

1.  今回のいじめ・自殺を巡る事象の事実関係と問題点の整理
 学校や教育行政の現場が適切に対応できなかった理由とその問題点を明確にするために、今回、自殺まで及んだケースを次の観点から整理する。
  1) 対応した個々の教員や管理職の資質の問題なのか
2) 当該の子ども、親、地域など、個々の事例の個別的な事情、条件に基づくものなのか
3) より広く現在の教育制度(学校と教師、管理職、教育行政など)に内在する問題なのか

2.  現在のいじめ固有の問題点と今後の課題の提示
 1980年半ばから、教育行政的にも、学校現場においても、かなり丁寧に対応してきたにもかかわらず、なぜこのように大きな問題になったのか。その原因となる要因と今後の課題を、「1」での整理をふまえて、次の観点から整理する。
  1) この20年間の教育行政と学校現場の対応を整理し、今回問題視された事例に即して、これまでの施策と実践のどこに問題があるかを実証的に吟味する
2) マスコミにとりあげられる事例以外の学校現場において日常的に生じている(と思われる)いじめの実態を把握し、現場教師の努力とそれを支える教育行政の課題を整理する
3) この20年間に生じた子どもと親とその生きる場(仲間関係、地域社会、職場環境、情報環境など)の変化と学校現場の状況や教育行政の対応を実証的に整理する。

3.  現在のいじめの特徴と関係する当事者に応じた多様な対処方法の提示
 私見だが、現在の“いじめ“に対して次のような原則を提起したい。
  1 いつでも、どこでも、生じること
2 誰もが被害者にも加害者にもなりうること
3 だからぜったい加害者になってはならないこと
4 だからぜったいいじめを許してはならないこと
5 だからいじめの被害者を救う方法を明確にしなければならないこと
6 だからいじめの加害者にペナルティ(ケア)を与えなければならないこと
7 だからいじめのレベルを明確に、そのレベル単位に救済とペナルティの方法ならびに実施主体の組織化を検討にしなければならないこと
 このような原則に基づき、子ども、親、教員、管理職、行政担当者、カウンセラー、地域社会のリーダー、報道関係者、情報関係者…などなど、関係する人と機関に応じて、担うべき課題を検討し、その過程を公開する。

 要するに、人種差別とセクシャルハラスメントへの対応を重ねたような施策、実践、運動が必要と考える。


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