子どもを守り育てる体制づくりのための有識者会議（第1回）主な意見

（各委員からの自己紹介の後、意見交換）

• インターネットや携帯電話でのいじめは、個々人ではなく、グループ化して行われる点が、自殺まで追い込む要因になっているのではないか。
• インターネットを産業の面から評価しすぎており、この強力なメディアが教育上どういう影響を与えるかという議論があまりにも少ない。
• 掲示板（BBS）の機能を利用すると、子どもたちがネット上に集まってグループでコミュニケーションをするため、集団的ないじめにつながりやすい。掲示板でのいじめには、最初はおもしろ半分に書き込んだものに書き込みが次々と加わり盛り上がっていく偶発型と最初から誰かをいじめる目的がある初発型がある。プロフを使う場合は、またいじめ方が変わってくる。
• メディア機能を使ってのいじめを始めた原因がどこにあったのか、どういう種類の手段を使って誹謗中傷が行われたのかという情報が、再発防止のためには非常に重要である。
• インターネットに接続できない携帯電話もあるが、インターネットに接続できる携帯電話を持っている子どもたちがそれを見せびらかし、インターネットに接続できない子どもたちにとっては、それがある意味いじめになることもある。

• 携帯電話を売る側の社会的責任があるのではないか。
• 保護者がフィルタリングやメディアリテラシーについてしっかりと意識をもつことも必要だが、携帯電話については、販売する側の社会責任についてもしっかりと提案していくことが必要。
• 携帯電話からのみ見ることができるように設定されているサイトでの有害情報については、コンピュータでの検索等にかけることができず、人力で対応することになるので、対応に限界がある。携帯電話会社には、技術的な面からしかるべき対応をしっかりお願いしていかないといけない。
• 携帯電話でのインターネット接続については、日本は先進国であり、日本の状況を見て、EU委員会やイギリスでは、自主規制をしている。イギリスは官と民が協調して、役割分担をし、子どもが見ることのできるサイトを制限したりしている。日本もやれないことはない。

• 子育てをはじめとして教育上の観点から、インターネットのメディア特性について、国民的議論を起こす必要があるのではないか。
• インターネットは成人向けのメディアであり、情報の判断能力が非常に広範に問われるものであり、子どもには慎重に使わせなければならない。
• 携帯電話からインターネットを使用できるようになり、子どもたちは起きてから寝るまでいつでもどこでもインターネットを使える環境におかれている。家庭だけでは対応に限度があり、子どものしつけをするための新しい仕組みを検討する必要がある。
• いじめについては自尊心がある子ほど、親や教師には話さない。インターネット上などでのいじめは、技術面など、プロでないとわからないことも多く、いじめそのものをどのように把握するのかといった問題とかかわって、教師がどのように子どもたちの日常に入っていくかということを明らかにしていく必要がある。
• 教育現場においては、どういった問題について警察と連携するかも課題。（全部警察ざたにしたのでは、教育の意義がない。）
• 携帯やパソコン、ゲーム機などを使ったインターネット上の遊び場で人間関係が形成されるようになっており、周りの大人たちがそういう人間関係の形成のされ方を知り、学校裏サイトやプロフの見方をトレーニングする必要がある。
• ネット上のいじめは把握しにくいというが、問題となるのは、極めてレアケースであり、把握できる部分については、教師や保護者が、日常的に把握する努力をする必要がある。
• 従来の人々との付き合い方ではない、インターネットや携帯電話を使っての付き合い方をきちんと試行錯誤の中で見出して、新しいメディアへの対応を子どもたちに教える必要がある。

• この有識者会議でアピールを出す、文部科学省の行政の中で生かしていく、国会に対し政府提案や議員立法にという形で必要な仕組みの検討を求めるという3段階があり、ここでの議論がぜひ、世の中に生きていくようにしたい。
• 兵庫県神戸市の事件でのいじめは、学校裏サイトという掲示板を手段としているのか、ブログやプロフを手段としているのか、兵庫県は何か情報をつかんでいるのか教えてほしい。
• インターネットや携帯電話の機能を子どもに安全に使わせる仕組みが欧米で整備されつつあるが、日本ではまだ野放し状態であること、子ども自身や親たちが実態をもっと理解することという2つの大きな課題がある。