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2.諸外国の取組みに関する資料

2−1 NETS・Tにおける「教員を目指そうとする人の学習レベル」

一般教養課程
1.情報技術の本質および働きについて堅固な理解があり、それを実証できる(1
2.通常の入力および出力機器の利用に習熟していることを示せる。
  • ハードやソフトの使用上発生する定型的な問題を解決する。
  • 数ある情報技術システム、資源およびサービスのなかから、十分な情報に基づく選択(informed choice)をする。(1
3.情報技術・ツールや情報資源を、生産性向上、創造性発揮、学問的研鑽を可能にするために利用する。(1,3,4,5
4.特化した内容を持つツール、ソフトウェアおよびシミュレーション(例:環境探査、画像計算、実地踏査環境、Webツール)を学習や研究の支援道具として利用する。(1,3,5
5.問題解決、クリティカル思考、十分な情報に基づく意思決定、ノレッジ構築、創造性を含む、高い次元の複雑な思考スキルの展開を容易にするために、情報技術を利用する。(1,3,5
6.生産性向上ツールを利用して、情報技術強化モデルの構築、出版物その他の創作物の作成などの協同作業を実施する。(1,5
7.多彩な情報源の中から特定の情報の在処を突き止めたり、情報を収集、評価するために情報技術を利用する。(1,4,5
8.データの処理、結果レポート作成のために情報技術を利用する。(1,3,4,5
9.実社会における問題解決の戦略を作成するために情報技術を利用する。(1,3,4
10.専攻の学科における情報技術の使われ方を観察し、試してみる。(3,5
11.情報技術ツールや資源を情報(経済、スケジュール、住所、購買、通信)の管理やコミュニケーションに利用する。(1,5
12.新規の情報資源や新規技術を、意図する作業への適合性を尺度にして評価し、選択する。(1,3,4,5
13.テレコミュニケーションを含む多種多様なメディアや様式を利用して、同輩、専門家、その他の人々と共同作業(協働、発行、意見交換)を行う。(1,5
14.情報技術に関連する、法的、倫理的、文化的、社会的な論議の動向を理解していることを証明する。(6
15.生涯学習、協働、自己啓発および生産性の向上を目指す情報技術を積極的に利用する姿勢を体得している。(5,6
16.電子メディアの多様性について議論する。(1,6
17.情報技術使用上の健康と安全について議論する。(6
(参照:http://cnets.iste.org/teachers/t_profiles.html
(※NETSホームページへリンク)

専門課程
1.情報技術がどのように役立つか明確に示し、学習効果の最大化と、高い次元の思考スキルの獲得が容易になるようにする。(1,3
2.電子化資源を用いる学習活動を設計し導入する準備の進行中に、情報技術の使い方の良し悪しを弁別しておく。(2,3,5,6
3.学校で利用可能な情報技術資源を特定し、それらの資源へのアクセスのしやすさが、どのように授業計画に影響するかを分析する。(1,2
4.PK-12の生徒による利用のみが想定されていて、明確な学習目標を持つハードおよびソフト資源を特定し、選択し、活用する。(1,2
5.レッスン設計には電子的訓練資源の管理計画を含める。管理計画には、発生が予想される問題とその解決策を記述する。(2
6.学習効果の最大化が期待され、学習者のニーズに配慮があり、多様性にも積極的に対応していて、適用対象が明確な情報技術アプリケーションや資源を特定する。(3,6
7.コンテンツ標準と学習者の情報技術標準を結び付け、学生の多様なニーズに答えるような学習活動で情報技術を組み入れたものを設計し、授業に用いる。(2,3,4,6
8.コンテンツ領域の標準に準拠し、情報技術を組み込んだ学習方法として現時点で最良とされている方法を反映しているレッスンを設計し、生徒同士交互に先生役を果す授業を行う。(2,3
9.生徒自身が情報技術ツールや資源の応用を判断するような、生徒中心の学習活動やレッスンを設計し、授業を行う。(2,3
10.生徒が利用することとなる様々な電子情報資源の精度、妥当性、適切性、包括性および偏向(バイヤス)について研究し、評価する。(2,4,5,6
11.情報技術に基づく評価の戦略について議論する。(4
12.情報技術に基づいて作成された生徒の作品とその作成過程について評価を試みるための複数の戦略を調査する。(4
13.生徒の成績データを収集、分析、解釈、記述、伝達するために用いる情報技術ツールを調査する。(1,4
14.情報技術に基づく評価の戦略とツールを統合して、特定の学習活動を対象とする評価計画を作成する。(4
15.コースの成果物から、関連する評価ツールを含む情報技術に基づく作品を抜き出して一覧(ポートフォリオ)を作成する。(4,5
16.専門教育および生涯学習を念頭に、遠距離教育を含む、情報技術に基づく教育機会を見つけだし、参加する。(5
17.生徒の学習効果を最大にする問題解決および関連する意思決定を支えるために、オンラインやその他の情報技術資源を応用する。(3,5
18.同輩や専門家からなるオンライン上の専門的協働作業に参加する。(3,5
19.要求される職務を遂行するために情報技術生産性向上ツールを利用する。(5
20.情報技術システム、データ、および情報の著作権、プライバシー、およびセキュリティを含む情報技術関連の法的倫理的な議論を特定する。(6
21.情報技術システム、データ、情報のセキュリティへの脅威の取り扱い戦略を含む、学校における情報技術の安全利用のためのポリシーを調査する。(6
22.学校、地域、家庭の各環境における情報技術への公平なアクセスに関する議論を特定する。(6
23.学校における情報技術の利用に関連する安全問題と健康問題を特定する。(6
24.生徒の特別な身体的ニーズに応じるための補助用情報技術を特定し、使用する。(6
(参照:http://cnets.iste.org/teachers/t_profile-pro.html
(※NETSホームページへリンク)

教育実習時
1.ハードやソフトの使用上教室内で発生する日常的な問題を解決するためにトラブルシューティング戦略を適用する。(1
2.授業の流れの一貫性を保つように、学校や学区内で入手可能な情報技術資源から特定のものを探し出し、評価し、選択する。(2,3
3.多様性への配慮と資源への公平なアクセス手段を備えた情報技術を利用する授業を設計し、管理し、実施する。(2,6
4.利用可能な情報技術資源の管理、全生徒への公平なアクセスの提供、および学習効果の強化をもたらすような良好に構成された計画を作成し実施する。(2,3
5.生徒の特別な身体的ニーズに応じるための補助用情報技術を使用するような授業を設計し、実施する。(2,3
6.学区、州、および全国レベルのカリキュラム標準を学生用情報技術標準(ISTENETS for Studentの記述通り)に繋ぎ合わせ、生徒の学習実績と情報技術の熟練度を向上させるように情報技術資源の適切な利用を図り、これを統合して一貫性の高い一連の学習活動を設計し教授する。(2,3
7.情報技術を組み込んだ学習方法として現時点で最良とされている方法に基づき、生徒の自主的学習を動機付け、助長するような、生徒中心のレッスンを設計し、実施し、評価する。(2,3,4,5
8.学習中のある領域の真性な問題の解決のために生徒たちが情報技術資源を利用するような協働学習活動を誘導する。(3
9.情報技術に基づいて作成された生徒の作品とその作成過程について継続的に評価するための基準を開発し使用する。(4
10.生徒の情報技術の熟練度とコンテンツ領域での学習効果を計るための複数の尺度と柔軟な評価戦略を適用して評価計画を設計する。(4
11.計画作業、指導作業、管理作業を改善するために情報技術を採用している訓練・指示型の実践活動について分析を行う際は、複数の尺度を利用する。(4
12.データを収集、分析、解釈するため、および結果を両親や本人に報告するために情報技術生産性向上ツールや資源を適用する。(3,4
13.(自身の)研修タスクおよび職務の遂行のために適切な生産性向上ツールを選び適用する。(2,3,5
14.情報技術の安全かつ責任ある使用をモデル化し、学校および学区が定める情報技術の許容される使用法ポリシーとデータセキュリティプランを実現すべく教室内プロシージャを開発する。(5,6
15.同輩や専門家からなるオンライン上の専門的協働作業に、自己評価に基づく自己啓発プランの一部として参加し、情報技術利用に関しての専門的成長を図る。(5
(参照:http://cnets.iste.org/teachers/t_profile-stu.html
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教員1年目
1.学校現場における情報技術資源の利用可能性を評価し、利用可能な資源を統合して用いる活動を計画し、教室内において生徒たちの特定の学習ニーズを支えるために追加的に必要となるソフトウェアやハードウェアの調達方法を開発する。(1,2,4
2.学校区および州の標準に沿った範囲で、情報技術システム、資源およびサービスについて、適切な選択を行う。(1,2
3.主題/コンテンツ領域横断的かつ学年横断的に、生徒たちが学習活動に成功裏に参加できるように、適切な情報技術資源への公平なアクセスを調整する。(2,3,4
4.情報技術資源の効果的な統合を実現し、学習の対象に取り組むための統合の仕方として現時点で最良とされている方法と共に学生用情報技術標(ISTENETS for Studentの記述通り)にも合致する、一連のレッスンの継続的な計画の作成に携わる。(2,3
5.生徒がオリジナル製品の分析、合成、解釈、創作を開始するよう後押しするような情報技術に基づく学習活動を計画し、実施する。(2,3
6.特訓状態における教室運営の一端として、生徒による情報技術資源利用を管理するための計画を立案し、実施し、評価する。(1,2,3,4
7.学習者の多様なニーズの充足度の評価機能が適切に埋め込んである、多様な訓練情報技術戦略およびグループ編成戦略(例:クラス全体、協働、個別、学習者中心)を実施する。(3,4
8.学校や地域にある資源で、情報技術および学科固有のノウハウを提供する資源に容易にアクセスできるようにする。(3
9.情報技術を応用して集めた情報の正当性や信頼性について評価する方法および戦略を教授する。(2,4
10.生徒の持つ情報技術利用上の優れた能力を認識し、そのノウハウを先生、同輩その他の人々に伝承し、共有の技にする機会を設ける。(2,3,5
11.生徒の手になる情報技術製品および制作過程について論評するために、自己評価あるいは生徒相互評価のツールを適用するように指導する。(4
12.生徒の社会的ニーズおよび文化的アイデンティティに焦点をあて、地球規模の交流を促進するような情報技術を生徒が容易に利用できるようにする。(3,6
13.評価の尺度(例:学習者のプロファイル、コンピュータに基づくテスト、電子化ポートフォリオ)の示すところに従い、学習戦略の指導計画立案、管理および実施の夫々を改善する。(2,4
14.指導計画の改善と学校改善を目的として、データ(生徒の成績データその他の情報)を収集、分析、解釈、記述、伝達するために情報技術ツールを用いる。(4
15.生徒の両親あるいは保護者とのコミュニケーションを容易にするよう情報技術資源を利用する。(5
16.現行および出現が予想される情報技術資源の効能と限界を特定し、これらのシステムあるいはサービスが内包している、個人、生涯学習、および職場のニーズを取り扱う能力を評価する。(1,4,5
17.継続的かつ包括的に専門的成長を図る努力の一貫として、PK-12の生徒の学習強化に役立つような新規あるいは出現が予想される情報技術資源に関する情報に遅れることのないように、情報技術に基づく協働作業に参加する。(5
18.情報技術と情報の利用に関して、率先して法的倫理的な行動をとり、生徒、同僚、および地域社会の人々にも同調を提唱する。(5,6
19.生徒が情報技術を安全かつ健康的に利用できるような教室内プロシージャを導入する。この手順は、補助情報技術を必要とする生徒に対する法的および職業的責任にも合致するものとする。(6
20.全生徒に対する、学校、地域および家庭における情報技術への公平なアクセスを提唱する。(6
21.生徒のデータおよび情報のプライバシーとセキュリティを守るための学区のポリシーおよび学校のポリシーに矛盾しないプロシージャ類を整備する。(6
(参照:http://cnets.iste.org/teachers/t_profile-first.html
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2−2 TTAが設定する教員研修における教員のICT到達目標(詳細版)

2−2−1
1.教科やそれぞれの段階の指導目標を達成するために、いつICTを使用するのがよいか、また逆に、どんな時にICTを使うと効果が薄れ、不適切なのかを、教師は知る必要がある。これらの決定をするためには、ICTの機能及び教科指導目的、学習目的を達成するために教師がICT機能を使う方法を説明出来なくてはならない。詳細は以下の通りである。
a.ICTのスピード、その自動機能を利用することで、いかに教員が自らの指導法かつ生徒の学習をより効果的に実施、探求できるかを説明できる。
b.ICTの可能性と領域によって、いかに教員や生徒が、歴史的、最新でかつ第一次の情報を入手することができるかを説明できる。
c.ICTを利用することで、保存、処理、表示された一時的な情報の状態がいかに仕事に変化をもたらすかを説明できる。
d.情報の保存、処理、表示にみられるインタラクティブ性によって、教員や生徒が第三者と効果的に交流したり、異なる聴衆に向けて情報を提示、再提示することができることを説明できる。

2−2−2
2.教科関連の目的を達成するために、ICTを効果的に利用する方法を教員は心得ていなくてはならない。例えば:
a.ICTを利用するのは、それは教える、学ぶ目標を達成するために最も効果的な方法であるからこそで、単に動機付けや褒美のためではない。
b.他の手段を使った方がより達成度が高いような、単純な繰り返し作業にICTを用いるべきではない。
c.ICTが利用される場合、道具や内容、方法論など、どんな適当な準備が必要かを心得ているべきである。
d.プレゼンテーションの質が、内容の重要性に勝っているような印象を与えるべきではない。
e.関連項目に焦点を当て、時間と資料を最大限に利用できるよう、生徒の作業を構築する。(例:インターネットやCD-ROMを用いて自由に検索させるというより、生徒が検索結果を絞れる方法を教えるべきである。)
f.ICTを用いれば、生徒の提出物、作品、作業に高い成果を期待できる。
  1.指導教科に関する質問に答えるために、生徒がICTを利用することが期待できる
  2.必要であれば、生徒が、提出物、作品、作業を保存、評価、改善させることが可能となる。
g.ICTのインパクトだけでなく、ICTとICTを利用して教えられている教科内容との相関関係を明白にできる。

2−2−3
3.授業のどの場面にICTを利用するかに関して、教師は授業計画段階で以下のことを明確にする必要がある。
a.教科の指導目標、学習目標に見合うよう、ICTを使用する方法。
b.生徒の学ぶ意欲を刺激し、その学習を導くために、教師が問いかけるべき主要な質問とそのタイミング。
c.生徒の成長が評価、記録される方法。
d.ICTを利用したために、その教科内容における生徒の達成度と成長度が評価できないということがないようにすること。
e.教科指導及びその準備にICTを使用する影響と、そしてその影響をどうやって取り扱うか。
f.ICTの利用法が特定の教科に関して、当面の学習目標を達成するために適しているか、また、既に学習目標に到達し、自信をつけている生徒がいる事実を考慮に入れた上で、全ての生徒の能力に適しているかどうか。(例:家庭学習や何らかの課外学習を取り入れるなどして、中には補習が必要な生徒がいるかもしれない。)

2−2−4
4.教科学習目標に到達するために、教師はICTの教材を効果的に授業に活用する方法を知っているべきである。例えば:
a.学習テーマの導入、復習する過程において、または全ての生徒が、その授業で教わる課題の主な概念を理解しているかを確認する過程で、クラス全体もしくはグループでICTを使用する方法。(例:使用するスクリーン,ディスプレイを一つにする。)
b.全ての生徒が何らかの形で授業に関っていること、バランスのとれた協力作業がなされていること、教員の介入、生徒のレポート提出が適切なところで成されていることを確認しながら、個人、ペア、グループ、いずれかの作業にICTを組み込む方法。
c.ICTの教材を、情報収集またはそれ以外の目的で生徒が利用できるようにする方法。授業中に生徒が自発的にICTを使いたいという意見が出る場合と、授業中の作業の一貫として組み込まれている場合とがある。教科目標に到達するために、その教材が建設的に使われているかどうかを、教師は確認しなくてはならない。
d.使いやすいように教材を配置する方法。気が散るのを最小限に防ぎ、健全性と安全性に留意する必要もある。
e.ICTを利用してなされた作業を、他の作業に統合していく方法。その際、ICT利用が作業の全てとなるのではなく、授業の一部となるよう心がける必要がある。(例:ICTと他の教材を同時に利用できるように、生徒にはハードウェアの周りに机や床など十分なスペースを与える:キーボードで入力するだけでなく、紙に書くスペースも与える:必要な時に、生徒が教師の方を向いて座れるように、ICTを配置する。)

2−2−7
7.教科内容を通して、生徒のITスキルを発達、強化させていくために、ICTがどのように役に立つかを教師は知っているべきである。指導の方法は以下のものが考えられる:
a.明白な討論を通じて。あるいは、必要ならば、学習の中で使われているIT技術、その応用の指導を通じて。
b.専門用語の正確、適切な使用、また学習テーマにITを応用する際に生じる専門用語の説明を通じて。
c.生徒によい実習をさせる際のICTの利用を通じて。また、生徒がアプリケーションを利用しながらに正しいプロセスを踏んでいる確認を通じて。

2−2−8
8.ICTを利用した場合の生徒の学習状況をチェックする方法、また、教員自身が指導においてICTがどれだけその指導に貢献したかを評価する方法を、教師は理解しなくてはならない。教員は以下のことができなくてはならない。
a.以下によって、生徒の進捗状況を管理する事が出来る。
1.指導目標とその目標を達成するためのICTの利用法を把握していること。
2.個別学習目標に向けて生徒の進捗状況をモニターし、支援するために生徒のICTを使った学習活動を観察し、干渉すること。
3.ICTの利用法が正しいかどうかを知るために、生徒自身が見直さなくてはならない主要問題を提起すること。
b.以下を含め、ICT教材を利用した場合にも、その学習の到達目標を認識出来る。
1.コンピュータの機能をどれだけ使いこなせるかによって、生徒の達成度に対する教師の期待値も異なりうることを、認識すること。(例:自動スペルチェック機能、画像作成、グラフィック編集)
2.インターネット及び、CD-ROMなどを通し、ICT利用で得た情報から何を学んだかを、生徒が教師に報告することによって評価すること。また彼らの作業の中で参照した情報源を提示するように生徒を指導すること。(例:何らかの目的を持って得たCD-ROMからの情報は、ただそれを切り張りしたり、印刷したりするのではなく、必ず解釈するか提示するよう生徒を指導すること。)
3.作業中の生徒を観察したり、記録を取ったり、時に作業に教師が介入したり、作業中の生徒とやりとりしたりしながら、共同作業による“作品”で、生徒の達成度を測る方法。
4.単に、プレゼンテーション(見た目)の質や、使用したテクノロジーの成果を問うものではなく、ICTを利用した作品、提出物の評価が、生徒の習得度と、その作品、提出物の内容の質に反映していることを確認する方法。
c.ICTを利用した学習において、生徒の成長を評価するには構成的、診断的、加算的な方法を用いること。これには到達目標に対してどのようにICTを使った学習活動を計画するか、またこの学習活動の中で、生徒が既習学習内容や、概念的な理解やICT利用を通じた学びを証明する機会をいかに与えるかを含む。

2−2−9
9.加えて、3〜5歳の児童を教える教師は、保育園などの生徒にICTを紹介する重要性を理解し、ICTがこれらの年齢の子供達に及ぼす貢献度を認識しなくてはならない。例えば:
a.どのように子供達をICTに慣れさせ、意欲的に利用出来るようにするか。
b.どのように全ての子供がICTを利用する機会が与えられているかを把握するか。家庭での利用やその他の利用はICT利用経験があるとみなされる。
c.どのように入力装置を効果的に使いこなすために必要な技能を示し、教えるか。(例:スイッチ、マウス、キーボード。)
d.読み書き能力を上達させるためのプログラムを利用する際、ICTを言語取得や読み書きの発達を助けるために利用する方法。(例:文字/音の一致を強化する。)画面上、または、テレビ、ビデオの教育番組を通して物語、歌、韻(rhymes)を子供達が学習するのを奨励するために、ICTを利用する方法。
e.算数の用語の利用、また数字、簡単な暗算、パターンの認識・探究心を発達させ、強化させるようなコンピュータプログラムやロボットの使用を通じて、どのように子供達の数に関する能力の発達を助けるためにICTを利用するか。
f.子供達が、模様、形、絵、音、色を探求、実験するのを奨励するようなコンピュータプログラムの利用を通じて、どのように子供達の創造力を発達させるためにICTを利用するか。
g.共同作業でICTを使う場合、子供達が判断し、結論を出すために、どのように役割分担するのを奨励するか。(例:単純な、コンピューターアドベンチャーゲームを通して、子供達が学んでいく場合)

2−2−10
10.11〜18段落で述べられるICTの内容に関連して、教員は以下の事ができなくてはならない。
a.多様な情報、情報技術の評価、またそれらに関連するコンテンツの評価。授業計画、評価、クラス運営の内容に関し、適切なICTを選択し、利用することができる。これには教師が準備のために個人的にICTを利用する場合も含む。(例:授業で使うため、または報告書を書くために、オンライン上の教材をダウンロードする場合。)
b.教科の中で使われるICT専門用語を理解し正しく使うことができる。これは生徒に正確に説明するために必要であり、教員という職業人レベルで教科に関連したICTについて議論する際に必要であり、かつ監査や文献を理解しながら読むために必要である。

2−2−11
11.教員は、すべての教科に通じる指導法を支援するICTの分野に精通し、十分に利用できなくはならない。
a.教員自身、また生徒の利益のためにも、教師は一般的なICT機器を使いこなせなくてはならない。(例:ワープロ、Email、プレゼンテーションソフトウェア、データ処理)また、(ネットワーク管理者、システム管理者としてでなく)ICTの一般利用者のレベルで、あらゆる種類のICTを使えなくてはならない。例えば:
1.共通ユーザインターフェース:メニュー、アプリケーションの選択、切り替え、ファイルの切り取り、貼り付け、コピー、アプリケーション間でのデータを切り取り、コピー、貼り付け。
2.入力端子(マウス、タッチスクリーン、画面上のキーボード、マイク)出力端子(プリンター、スクリーン、重低音スピーカー)を含め、ICTをうまく接続、起動できる。
3.ソフトウェアの起動。(CD-ROM起動)
4.ファイル管理。(文書やフォルダーの整理)
5.オンライン上のヘルプ機能やユーザーガイドなども含め、情報を探し、使えること。
6.健全性と安全性を十分考慮し、日常的な問題を取り扱い、単純なメンテナンスを定期的に行うこと。
7.パスワードの重要性を理解し、装置そのものとICTへのアクセス方法の基本的安全性を確保すること。
b.情報の特徴を知り、理解しなくてはならない。
1.その正確さ、有効性、信憑性、信頼性、偏見性の点で、情報は評価されなくてはならない。
2.情報は、どこかに保存されなくてはならない。その情報はメモリー(保管スペース)を占有し、保存、圧縮したファイルには密接な関係があること。
3.ICTシステムは、変化を伴わない情報、もしくは変化する情報も提示できること。
4.情報は、直接的かつ動的に、アプリケーション間をリンクできる。
5.アプリケーションまた情報は、遠隔地の人同士でも共有できる。

2−2−12
12.教科内容、生徒の年齢層に関連して、教師には以下のことが要求される。
a.物事を見極めるために、ICTをどのように利用すべきかを心得ていなくてはならない。例えば:
1.情報源を特定し、それぞれの情報を区別すること。
2.効果的な検索方法を検討できること。例えば効果的な質問を考えたり、検索対象を広げたり、狭めたりすることを含む。
3.キーワード、記号、AND、OR、NOTなどの論理オペレータ、索引、ディレクトリーを使うことも含め、情報を検索する方法。
4.データの収集、構築及び訂正、解釈、修正のための保存。
5.見つかったものが何かを理解すること。
6.結果の有効性、信憑性、妥当性を考慮すること。
b.物事を試すため、物事が起きるようにするため、どうしてそれが起きたのかを理解するためICTをどのように利用すべきかを心得ていなくてはならない。例えば:
1.選択肢を探求すること。
2.物事の関係のモデルを作ってみること。
3.原因と結果を考慮すること。
4.パターンや法則を予測し、パターンを認識し、仮説を立ててみること。
5.指導方法。
6.ICT利用のための作業順序
7.条件を定義づけること。(例:「もし−がおきたら、−をしなさい。」)
8.フィードバックがどのように作用するか、またフィードバックを必要とするもの、必要としないものの相違点を理解すること。
c.アイディアを伝え、交換する時に、ICTをどのように利用するかを心得ていなくてはならない。
1.プレゼンテーションの対象者、プレゼンテーションの目的を明確にし、最適なプレゼンテーションの手段を決定し、アイディアを発表する。
2.最適なメディア、情報を認定し、アイディアを交換する。

2−2−13
13.関連の教科内容や段階における教授や学習を支援するために、個別にあるいは一緒に利用するICTの特徴を知るべきである。
a.スピードと自動機能 − 単純作業を終了させ、短い時間で反復作業を行わせるICTの機能。これにより、利用者は、思考作業、或いはデータを分析、パターンを見つける作業、質問に答えたり、答えを探したり、結果を説明、提示したりすることに集中できる。(対象となる生徒の年齢や教科内容が適切である時。)ICTは以下のように利用される。
1.普通なら少ししか時間がかからないこと、普通ならとても長い時間が必要なことの時間を自由に調整するために、出来事を測定する。
2.この機能がなければ、教室環境では起こりえないであろうことを測定し、記録する。
3.出来事の流れを調査し、出来事の認知と行動の制御を関連づける。
b.可能性と領域 − 大量の情報にアクセスし、処理するICTの機能。(対象となる生徒の年齢や教科内容が適切である時。)時間の尺度を変えたり、距離の境界線を取り除いたり、教師や生徒が、日常生活では経験できないような状況にアクセスしたり、そのような状況を処理したりすることが出来る機能。
1.ICTが情報を提示できる範囲。
2CD-ROMなどの情報源インターネットやThe National Grid for Learningなどの情報源も含め、ICTに可能で適切な情報源の範囲
3.情報の正確さ、またはその情報源の信頼性を判断する方法。
4.専門家との交流を通し、教室、学校、地元のコミュニティーの外に存在する専門知識を獲得するためのICTの利用法。
c.暫定性 − 変更を容易に可能にし、他の選択肢をすぐに探求できるようにするICTの機能。(対象となる生徒の年齢や教科内容が適切である時。)
1.テキスト、デザイン、雛型を作成する方法を含め、急な変更を可能にする最善の方法。
2.ICTを利用して探求したり、変更したりするのにふさわしい時と、適切でない時を判断する方法。
3.それぞれ異なる段階で保存された資料を用い、保存されたアイディアの発展状況を記録できる方法。
d.相互作用 − 急速且つ変化を伴うフィードバックや反応を可能にするICTの機能。(対象となる生徒の年齢や教科内容が適切である時。)どのメディアを使用するのが最も適切かを含める。

2−2−14
14.授業準備やそのプレゼンテーションをより効果的にするために、ICTを利用することがどれほどの可能性をもつかを教師は理解しなくてはならない。しかし、以下のことを考慮に入れるべきである。
a.想定される対象。教科内容や教科目標、生徒の既習学習事項、生徒の読解力、特殊教育の必要性などに合わせ、適応させなくてはならない。
b.指導目標を達成するために最も適切なプレゼンテーションの形。(教科書、音、静止・動画像、ビデオ、イラスト、グラフィックスやアニメ、数字、グラフ、チャート、などを別々に、または組み合わせて使用し、例証、説明する。)

2−2−15
15.教師には以下のことが要求される。
a.教える段階、教科内容に関連し、義務教育カリキュラムにおける生徒のIT関連到達目標や主要な技能としてのITの応用を理解すること。
b.生徒のIT能力を、どこまで期待できるかを知っていること。また、教科指導にICTを活用する場合、生徒に期待するべきIT技術のレベルも知っていること。

2−2−16
16.以下に述べるそれぞれが、教える生徒の年齢層や教師の専門教科にどれくらい当てはまるかを、教師は知るべきである。
a.一般的な手順及び一般的なツール。
1.教科指導の中で使うツールの主要な特徴や機能を理解していること。
2.生徒が使う教材準備にICTを利用すること。
b.参照文献。
1.参照文献を検索する方法。
2.参照文献を授業で利用できるように組み込む方法。
c.教科内容に適したICT
d.教科内容に、専門的、商業的、産業的に応用するためのICTの貢献度。
e.教材が生徒の能力に適するかどうかを確認するための主な指導方法やコースウエア
1.特定のテーマを教える過程のどこで活動内容と学習テーマの内容を提示するか。
2.学習活動がどこで評価やテストと結びついているか。

2−2−17
17.教師は以下のことを念頭におくべきである。
a.コンピュータの使用に関する法律。また、起りうる問題を認識し、リスクを最小限に抑えられなくてはならない。
b.法的問題の考察The Data Protection Actに示されるように、個人情報をコンピュータに保存すること。
1.テキスト、映像、音、ソフトウェア複製に関連した著作権問題。
2.この国では違法となる情報。
c.以下を含めた倫理的な問題。
1.インターネットを通して、違法な又は/且つ不適切な情報にアクセスすること。
2.情報源を認識していること。
3.個人情報の秘密性。
4.情報源を利用したものがモニターされうる(されている)方法。
5.社会的に、もしくは道徳的に受け入れられない資料。

2−2−18
18.教師自身の専門性を高めるために、また管理体制、官僚的要素を減少させるために、どうやってICTを利用したらよいかを心得るべきである。以下を含める。
a.管理、記録、分析、情報の報告、情報の移動を支援するためにICTを利用すること。
b.専門教科を指導する際に、その研究やICTの適応に関する監査証明について知っていること。
c.専門的な討論への参加、授業計画、教材、ヘルプやサポートのための情報源へのアクセス、the National Grid for Learningの利用を目的としたICTの活用方法を知ること
d.教師が教師として成長していくためにICTがどのように彼らをサポートしてくれるかを知ること。

(参照:http://www.tda.gov.uk/upload/resources/doc/a/annexb.docWordファイル)
(※TDAホームページへリンク)


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