各市町村教育委員会教育長 様
各県立学校長並びに小・中学校長 様
各教職員 様
★★★ Will −学校経営品質なんでも通信− ★★★
Vol.7 2005年6月14日
▼今回のテーマ
☆「思い込み」から「気づき」へ
JR西日本の福知山線では大変悲惨な事故が起こってしまいました。利用客が望んでいるであろう「速さ」を重視するがあまり、「安全」が大切であるということの気づきが薄れていたのでしょうか。
最近、都内の宅配業で「1時間以内に荷物を取りに伺います」というサービスが流行っているそうです。荷主が電話を入れた後、1時間以内に荷物を取りに来るというのは、荷主が望んでいる「速さ」を重視した、とてもスピーディーなサービスです。
その流行の波に乗り遅れた後発業者、同じサービスでは対抗できないということで、新たなサービスを考え出しました…「1時間後に荷物を取りに伺います」…このサービスも好評のようです。何故でしょうか。
「速さ:1時間以内」というのは確かにとても速いのですが、1時間の間でいつ取りに来るのか分からないことから、その1時間は荷主にとっては束縛時間となってしまいます。それに対して「1時間後」であれば、その時刻にだけ荷主が待機すればよく、それ以外の時間は席を離れての仕事が可能になるのです。
「速ければ速いほどよいはずである」という思い込みを「顧客の視点」で振り返ったときに、必ずしもそうではないという気づきを得た好例といえるでしょう。
翻って、私たち教職員もそのような「思い込み」にとらわれていることはないでしょうか。「子どもはこうあるべきである」、「保護者もそう願っているはずである」という「思い込み」、もちろんおおむね間違いではないでしょうが、一度振り返ってみることも必要でしょう。
たとえば、授業中によそ見をしている子ども、居眠りをしている子ども。あなたならどうしますか?どう思いますか?「人の話を聞くときはきちんと前を向く」べきであり、そのことの指導をすべきであるという一律的な「思い込み」はないでしょうか。もちろんその指導もとても大切です。しかし、「子どもの視点」に立って考えてみると「授業がおもしろくないから」「授業に興味・関心が持てないから」よそ見や居眠りをしているのかもしれません。そう考えたとき、私たち教職員は、自分自身の授業内容を振り返って、授業改善をすることの大切さに改めて気づくのではないでしょうか。(もちろん、すでにお気づきの方もたくさんいらっしゃると思いますが)
「思い込み」から脱却して新しい「気づき」を得るために必要なこと、それは、今一度「子どもたちの視点に立って振り返ってみること」ではないでしょうか。
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