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学校を、一日のうちの一部ではなく、終日見ることができ、学校の様子や生徒の様子が非常によくわかった。このことは今後も生かしていただきたい。
中学校だけを見させてもらったが、できれば、小中学校、さらには就学前教育も含めて、縦の流れで学校を見ていきたい。
児童生徒の様子を把握する上で、保護者や地域住民の意見を伺うことは十分に参考になる。今後とも、広い範囲の児童生徒、保護者、地域住民の意見を伺えればと思う。
第三者評価をより客観的なものにするために、評価等の基準が必要であり、試行の段階で協議を重ねることが重要。
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自分が都市部の学校のPTA会長を務めているため、郡部の学校を見に行くという貴重な機会をいただき勉強になった。
自分が訪れた小学校は小規模校だったが、細かい指標を用いて自己評価をしており、それを翌年につなげている。小規模校の強みとして、先生方が同じベクトルを向いており、また、情報の共有化が図られていた。地域住民との連携・協力に関しては、PTAとのヒアリングを通じて、情報の共有ができていることを感じた。
中学校においては、都市部の大規模校ということで難しい面も多々あったが、一番感じたことが、情報の共有化がしっかりできていないことであった。
また、第三者評価を通じて、評価委員の方々の多様な視点に触れることができ、非常に勉強になった。
PTAのアンケート等では、保護者の8割程度が学校の評価については知らないという結果が出ている。今後は、そのようなことがないよう、この第三者評価を通じて得た経験を生かしていきたい。
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1点目として、学校運営という言葉から、学校経営への転換が必要ではないか。
2点目として、外部アンケートを、資料4の3ページ目で、 自己評価に続いて ’として位置づけたことではっきりした。アンケート自体を学校評価そのものとしてとらえている学校も多いが、学校評価実施には、目標設定をしたうえで、それに沿って様々な調査を行う必要がある。例えば、重要度と満足度をクロス分析するということが考えられる。
3点目として、学校を評価するのであれば、設置者も評価する必要がある。ただし、教育委員会の評価に関しては、議会がチェック機能を有するものの、新たに監査機関を設ける、あるいは首長部局が監査するという方法も考えられるが、その際には、教育委員会制度がレイマン・コントロールとして事務局をチェックするという役割もあることに注意しなければならない。
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第三者評価に関しては、教育委員会でもできるものを、行政上の資源が足りないので第三者評価機関で行うのか、第三者評価機関ならではのメリットがあるので新たに仕組みをつくるのか、必要性の背景認識を明示していくことが重要。
次に、評価結果の活用が、非常に重要な観点となってくる。つまり、情報を返還する主体が誰なのか。事務職員だけでできるのか、学校のマネジメントを担当している管理職や指導主事を含めるのか、これは制度設計上の論点である。個人的には事務職員に期待するところは大きいが、現状の人数で足りるのかという懸念もあり、細かな検討が不可欠である。
学校評価の目的は、大きく分けて2点あると考えられる。1つ目は、関係者の関係構築および情報流通の経路作り。つまり、地域住民等が学校運営に関わることで、既存のルートでは得られない情報が手に入るということ。2つ目は、教育活動のメンテナンスである。メンテナンスの方法には、新しい取組、既存の事業の改善、既存の事業の廃止、の3種類があり、その手段の選択には成果指標の問題も関係してくる。
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児童生徒による評価の位置づけとあるが、児童生徒の意見の反映が、果たして信頼される開かれた学校づくりに効果があるのか。十分に検討する必要がある。
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保護者・地域住民への情報提供は、学校評価をする上での基礎として必要なだけでなく、評価を行った後のアクションの担い手への情報提供としても重要である。今後は、学校からだけでなく、地域からの情報提供という、双方向性が求められている。
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第三者評価の目的に関して、監査的な第三者評価なのか、支援につながるような経営改善のための第三者評価なのかという論点がある。試行に参加して感じたことは、今回は教育委員会からの推薦なので、5段階の「3」がつく学校が非常に多くてやりやすかったが、もしこれを国がランダムに選んだ学校に訪問するとした場合はどうなるか。その場合は、学校だけでなく、教育委員会の支援体制も含めて第三者評価する必要がある。
一方、診断的評価に留まらず、経営改善につなげる支援策を伴う場合は、国ではなく、都道府県などの役割になってくる。第三者評価制度を作る際には、その両極端の目的のどのあたりに落ち着かせるかが1つの課題。
来年度の試行と今後の第三者評価制度構築に向けて、幾つか考えられることがある。1点目として、ランダムに選んだ学校への訪問を入れることで、重要な示唆が得られるのではないか。2点目として、今回の試行では事前の打合せを行う時間がほとんど設けられなかったが、信頼を持って受け入れてもらうためには、相当丁寧に準備をしていく必要がある。例えば、質問の仕方をどうするか、あるいはフォーマットの記入方法や話し方について、事前の研修あるいは協議によって、ある程度の専門性を自分たちで備えておかないといけない。3点目としては、評価作業について、学校組織に関わる部分はもう少し丁寧に扱う必要があると感じた。また、評定が分かれた際の判断基準についても、証拠を明示するなど、システムとして信頼を得るためには進め方を考える必要がある。
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今回の試行事業の評定については集計がされているのか。今回の試行では、モデル的な学校が多いようだが、どのような属性の学校が多いのか。今後は、問題の多いところだけをやる、あるいはアトランダムに第三者評価を行うことも検討しても良いのではないか。
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個人的には、今回の試行はどのような学校でも良いのではないかと思った。むしろ、試行事業に協力した学校が、評価をどのように受け止めているかが重要。今回の試行事業に関して、事務局としてはどの程度まで整理できているのか。
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試行事業の状況については、本年度中に報告書をまとめる方向。本会議でいただいたご意見も踏まえて作成していきたい。124校の内訳についても、各都道府県にお願いをして学校の推薦をしてもらっているため、どのような学校が推薦されているかは事前にはわからない。報告書には全て目を通しているが、必ずしも模範的な学校ばかりではないという印象がある。
全体の状況は、現在作成中の報告書の中で整理していく必要があるが、各学校の報告書を見る限りでは、「評定3」の学校が非常に多かった印象があるが、同時に「評定4」や「評定2」の学校も多かったように感じる。
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学校経営の自律性と第三者評価の関係を考えなければならない。学校経営の自由度が確保されていないと、評価の結果として改善策を示しても、学校としては何もできない。それでは評価はうまく機能しないと思う。
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学校評価の概念は、日本でも戦後早い時期から存在したが、現在、議論になっている学校評価は、イギリスにおけるものを近いモデルとしているようであり、従来のものとは違った性格になってきている。このため、日本では初歩段階の課題、例えば基礎データの整備について議論しなければならない。
実際に第三者評価に行った経験からすれば、学校自身が提供したデータによって、私たち評価者の学校に対する印象は相当違うものとなった。そういう点で、まずは自己評価を充実させることが重要で、そのために学校の基礎データを整備する必要がある。
次に、学校をしっかり評価しようと思えば、学校は1週間単位で動いているので、月曜から金曜まで、1週間単位で様子を観察する必要がある。私は中学校を2箇所、いずれも3日間訪問したが、3日間訪問してようやく普段の姿が見えてきた。
また、この第三者評価制度により、どのような成果を目指すのかを見据えないと、評価の情報収集、整理に振り回されて終わってしまう。例えば、教育委員会の支援と評価を結びつけて、評価をしっかりと行えば、必要な支援が得られるというサイクルをつくりあげるべき。
教育再生会議での議論で、学校の第三者評価機関の話が急浮上してきたが、これは相当の人員と予算を必要とするものであり、それなりの覚悟が必要である。ただし、半永久的に第三者評価を行う必要はなく、イギリスのように、しばらくOfstedで評価を行ってから、自己評価に委ねるという方法もある。第三者評価機関を国に置けば、国家管理が強くなり地方分権に逆行するという意見があるが、アウトカムの評価という形での限定つきであれば、必ずしも地方分権や学校の裁量制の拡大との齟齬は生まれないと考える。
むしろ問題なのは、教員評価との関係や、教育委員会に対する評価との関係である。特に教育委員会を評価する際は、国、都道府県、市町村と学校の権限関係をしっかり整理する必要がある。
また、評価者の訓練については、継続的に学校評価を行っていくことで評価者のランク分けを行い、評価者のピラミッドをつくる必要がある。 |