資料2 小学校学習指導要領における「言語」にかかわる主な記述について(抄)

第1章 総則(抄)

第3 総合的な学習の時間の取扱い

2 総合的な学習の時間においては,次のようなねらいをもって指導を行うものとする。

  • (1)自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。
  • (2)学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができるようにすること。
  • (3)各教科,道徳及び特別活動で身に付けた知識や技能等を相互に関連付け,学習や生活において生かし,それらが総合的に働くようにすること。

6 総合的な学習の時間の学習活動を行うに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  • (2)自然体験やボランティア活動などの社会体験,観察・実験,見学や調査,発表や討論,ものづくりや生産活動など体験的な学習,問題解決的な学習を積極的に取り入れること。
  • (4)学校図書館の活用,他の学校との連携,公民館,図書館,博物館等の社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携,地域の教材や学習環境の積極的な活用などについて工夫すること。

第5 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項

2 以上のほか,次の事項に配慮するものとする。

  • (1)学校生活全体を通して,言語に対する関心や理解を深め,言語環境を整え,児童の言語活動が適正に行われるようにすること。

第1節 国語(抄)

第1 目標

 国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力及び言語感覚を養い,国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。

第2 各学年の目標及び内容

第5学年及び第6学年

1 目標
  • (1)目的や意図に応じ,考えた事や伝えたい事などを的確に話すことや相手の意図をつかみながら聞くことができるようにするとともに,計画的に話し合おうとする態度を育てる。
  • (2)目的や意図に応じ,考えた事などを筋道を立てて文章に書くことができるようにするとともに,効果的に表現しようとする態度を育てる。
  • (3)目的に応じ,内容や要旨を把握しながら読むことができるようにするとともに,読書を通して考えを広げたり深めたりしようとする態度を育てる
2 内容
  • A 話すこと・聞くこと
    • (1)話すこと・聞くことの能力を育てるため,次の事項について指導する。
      • ア 考えた事や自分の意図が分かるように話の組立てを工夫しながら,目的や場に応じた適切な言葉遣いで話すこと。
      • イ 話し手の意図を考えながら話の内容を聞くこと。
      • ウ 自分の立場や意図をはっきりさせながら,計画的に話し合うこと。
  • B 書くこと
    • (1)書くことの能力を育てるため,次の事項について指導する。
      • ア 目的や意図に応じて,自分の考えを効果的に書くこと。
      • イ 全体を見通して,書く必要のある事柄を整理すること。
      • ウ 自分の考えを明確に表現するため,文章全体の組立ての効果を考えること。
      • エ 事象と感想,意見などとを区別するとともに,目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりすること。
      • オ 表現の効果などについて確かめたり工夫したりすること。
  • C 読むこと
    • (1)読むことの能力を育てるため,次の事項について指導する。
      • ア 自分の考えを広げたり深めたりするために,必要な図書資料を選んで読むこと。
      • イ 目的や意図などに応じて,文章の内容を的確に押さえながら要旨をとらえること。
      • ウ 登場人物の心情や場面についての描写など,優れた叙述を味わいながら読むこと。
      • エ 書かれている内容について事象と感想,意見の関係を押さえ,自分の考えを明確にしながら読むこと。
      • オ 必要な情報を得るために,効果的な読み方を工夫すること。
  • 〔言語事項〕
    • (1)「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」の指導を通して,次の事項について指導する。
      • ア 文字に関する事項
        • (ア)第5学年及び第6学年の各学年においては,学年別漢字配当表の当該学年までに配当されている漢字を読むこと。また,当該学年の前の学年までに配当されている漢字を書き,文や文章の中で使うとともに,当該学年に配当されている漢字を漸次書くようにすること。
        • (イ)仮名及び漢字の由来,特質などについて理解すること。
      • イ 表記に関する事項
        • (ア)送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書くこと。
      • ウ 語句に関する事項
        • (ア)語句に関する類別の理解を深めること。
        • (イ)語句の構成,変化などについての理解を深め,また,語句の由来などに関心をもつこと。
        • (ウ)表現したり理解したりするために必要な語句について,辞書を利用して調べる習慣を付けること。
        • (エ)語感,言葉の使い方に対する感覚などについて関心をもつこと。
      • エ 文語調の文章に関する事項
        • (ア)易しい文語調の文章を音読し,文語の調子に親しむこと。
      • オ 文及び文章の構成に関する事項
        • (ア)文や文章にはいろいろな構成があることについて理解すること。
      • カ 言葉遣いに関する事項
        • (ア)日常よく使われる敬語の使い方に慣れること。
        • (イ)共通語と方言との違いを理解し,また,必要に応じて共通語で話すこと。
    • (2)文字に関する事項の指導のうち,書写については,次の事項を指導する。
      • ア 書写に関する事項
        • (ア)文字の形,大きさ,配列などを理解して,読みやすく書くこと。
        • (イ)毛筆を使用して,点画の筆使いや文字の組立て方を理解しながら,文字の形を整えて書くこと。
        • (ウ)毛筆を使用して,字配りよく書くこと。
3 内容の取扱い
  •  (1)内容の「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」に示す事項の指導は,例えば次のような言語活動を通して指導するものとする
    • 「A話すこと・聞くこと」
       自分の考えを資料を提示しながらスピーチをすること,目的意識をもって友達の考えを聞くこと,調べた事やまとめた事を話し合うことなど
    • 「B書くこと」
       礼状や依頼状などの手紙を書くこと,自分の課題について調べてまとまった文章に表すこと,経験した事をまとまった記録や報告にすることなど
    • 「C読むこと」
       読書発表会を行うこと,自分の課題を解決するために図鑑や事典などを活用して必要な情報を読むことなど

第3 指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  • (1)第2の各学年の内容の指導については,必要に応じて当該学年より前の学年において初歩的な形で取り上げたり,その後の学年で程度を高めて取り上げたりして,弾力的に指導することができるようにすること。
  • (2)第2の各学年の内容の「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」に示す事項については,それぞれが関連的に指導されるようにするとともに,それぞれの能力が偏りなく養われるようにすること。
  • (3)第2の各学年の内容の「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」の言語活動の指導に当たっては,学校図書館などを計画的に利用しその機能の活用を図るようにすること。
  • (4)第2の各学年の内容の「A話すこと・聞くこと」に関する指導については,日常生活の中に話題を求め,意図的,計画的に指導する機会が得られるようにし,第1学年から第4学年までは年間30単位時間程度,第5学年及び第6学年では年間25単位時間程度を配当すること。その際,音声言語のための教材を開発したり活用したりするなどして指導の効果を高めるよう工夫すること。
  • (5)第2の各学年の内容の「B書くこと」に関する指導については,文章による表現の基礎的な能力を養うことに重点を置くこと。また,文章を書くことを主とする指導については,第1学年及び第2学年では年間90単位時間程度,第3学年及び第4学年では年間85単位時間程度,第5学年及び第6学年では年間55単位時間程度を配当するようにするとともに,実際に文章を書く活動をなるべく多くしたり特に取り上げて指導したりすること。
  • (6)第2の各学年の内容の「C読むこと」に関する指導については,読書意欲を高め,日常生活において読書活動を活発に行うようにするとともに,他の教科における読書の指導や学校図書館における指導との関連を考えて行うこと。なお,児童の読む図書については,人間形成のため幅広く,偏りがないように配慮して選定すること。
  • (7)低学年においては,生活科などとの関連を図り,指導の効果を高めるようにすること。

2 第2の各学年の内容の〔言語事項〕については,次のとおり取り扱うものとする。

  • (1)音声,文字,文法的事項などのうち繰り返して学習させることが必要なものについては,特にそれだけを取り上げて学習させるよう工夫すること。
  • (2)毛筆を使用する書写の指導は,第3学年以上の各学年で行い,硬筆による書写の能力の基礎を養うよう指導し,文字を正しく整えて書くことができるようにすること。また,毛筆を使用する書写の指導に配当する授業時数は,各学年年間30単位時間程度とすること。なお,硬筆についても,毛筆との関連を図りながら,特に取り上げて指導するよう配慮すること。
  • (3)漢字の指導については,第2の内容に定めるほか,次のとおり取り扱うこと。
    • ア 学年ごとに配当されている漢字は,児童の学習負担に配慮しつつ,必要に応じて,当該学年以前の学年又は当該学年以降の学年において指導することもできること。
    • イ 当該学年より後の学年に配当されている漢字及びそれ以外の漢字を必要に応じて提示する場合は,振り仮名を付けるなど,児童の学習負担が過重にならないよう配慮すること。
    • ウ 漢字の指導においては,学年別漢字配当表に示す漢字の字体を標準とすること。

第2節 社会(抄)

第2 各学年の目標及び内容

第3学年及び第4学年

1 目標
  • (3)地域における社会的事象を観察,調査し,地図や各種の具体的資料を効果的に活用し,調べたことを表現するとともに,地域社会の社会的事象の特色や相互の関連などについて考える力を育てるようにする。
2 内容
  • (1)自分たちの住んでいる身近な地域や市(区,町,村)について,次のことを観察,調査したり白地図にまとめたりして調べ,地域の様子は場所によって違いがあることを考えるようにする。
  • (2)地域の人々の生産や販売について,次のことを見学したり調査したりして調べ,それらの仕事に携わっている人々の工夫を考えるようにする。
  • (3)地域の人々の生活にとって必要な飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物の処理について,次のことを見学したり調査したりして調べ,これらの対策や事業は地域の人々の健康な生活の維持と向上に役立っていることを考えるようにする。
  • (4)地域社会における災害及び事故から人々の安全を守る工夫について,次のことを見学したり調査したりして調べ,人々の安全を守るための関係機関の働きとそこに従事している人々の工夫や努力を考えるようにする。
  • (5)地域の人々の生活について,次のことを見学,調査したり年表にまとめたりして調べ,人々の生活の変化や人々の願い,地域の人々の生活の向上に尽くした先人の働きや苦心を考えるようにする。
  • (6)県(都,道,府)の様子について,次のことを資料を活用したり白地図にまとめたりして調べ,県(都,道,府)の特色を考えるようにする。

第3 指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い

 1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  • (4)学校図書館や公共図書館,コンピュータなどを活用して,資料の収集・活用・整理などを行うようにすること。また,第4学年以降においては,教科用図書の地図を活用すること。

第3節 算数(抄)

第2 各学年の目標及び内容

第1学年

2 内容
  • C 図形
    • (1)身近な立体についての観察や構成などの活動を通して,図形についての理解の基礎となる経験を豊かにする。
      • イ 前後,左右,上下などの方向や位置に関する言葉を正しく用いて,ものの位置を言い表すこと。
  • 〔用語・記号〕
    • 一のくらい 十のくらい +(プラス) -(マイナス) =(イコール)

第4節 理科(抄)

第1 目標

 自然に親しみ,見通しをもって観察,実験などを行い,問題解決の能力と自然を愛する心情を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を図り,科学的な見方や考え方を養う。

第2 各学年の目標及び内容

第3学年

1 目標
  • (1)身近に見られる動物や植物を比較しながら調べ,見いだした問題を興味・関心をもって追究する活動を通して,生物を愛護する態度を育てるとともに,生物の成長のきまりや体のつくり,生物同士のかかわりについての見方や考え方を養う。
  • (2)光,電気及び磁石を働かせたときの現象を比較しながら調べ,見いだした問題を興味・関心をもって追究したりものづくりをしたりする活動を通して,光,電気及び磁石の性質についての見方や考え方を養う。
  • (3)日なたと日陰の地面を比較しながら調べ,見いだした問題を興味・関心をもって追究する活動を通して,太陽と地面の様子との関係についての見方や考え方を養う。
2 内容
  • A 生物とその環境
    • (1)身近な昆虫や植物を探したり育てたりして,成長の過程や体のつくりを調べ,それらの成長のきまりや体のつくり及び昆虫と植物とのかかわりについての考えをもつようにする。

第5節 生活(抄)

第2 各学年の目標及び内容

第1学年及び第2学年

1 目標
  • (3)身近な人々,社会及び自然に関する活動の楽しさを味わうとともに,それらを通して気付いたことや楽しかったことなどを言葉,絵,動作,劇化などにより表現できるようにする。
2 内容
  • (1)学校の施設の様子及び先生など学校生活を支えている人々や友達のことが分かり,楽しく安心して遊びや生活ができるようにするとともに,通学路の様子などに関心をもち,安全な登下校ができるようにする。
  • (5)身近な自然を観察したり,季節や地域の行事にかかわる活動を行ったりして,四季の変化や季節によって生活の様子が変わることに気付き,自分たちの生活を工夫したり楽しくしたりできるようにする。

第6節 音楽(抄)

第2 各学年の目標及び内容

第1学年及び第2学年

2 内容
  • A 表現
    • (2)楽曲の気分や音楽を特徴付けている要素を感じ取って,工夫して表現できるようにする。
      • ア 歌詞の表す情景や気持ちを想像して表現すること。

第7節 図画工作(抄)

第2 各学年の目標及び内容

第3学年及び第4学年

2 内容
  • A 表現
    • (1)材料や場所をもとにして,楽しい造形活動をするようにする。
      • ア 材料や場所,ものをつくった経験から発想したり,みんなで話し合って考えたりして楽しく表すこと。

第3章 道徳(抄)

第2 内容

第1学年及び第2学年

  • 2 主として他の人とのかかわりに関すること。
    • (1)気持ちのよいあいさつ,言葉遣い,動作などに心掛けて,明るく接する。

第4章 特別活動(抄)

第2 内容

A 学級活動

 学級活動においては,学級を単位として,学級や学校の生活の充実と向上を図り,健全な生活態度の育成に資する活動を行うこと。

  • (1)学級や学校の生活の充実と向上に関すること。
     学級や学校における生活上の諸問題の解決,学級内の組織づくりや仕事の分担処理など

B 児童会活動

 児童会活動においては,学校の全児童をもって組織する児童会において,学校生活の充実と向上のために諸問題を話し合い,協力してその解決を図る活動を行うこと。

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初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

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