3 学校教育の質の保証のためのシステムの構築

(2)学校教育の質の保証

ア 学習指導要領における到達目標の明確化

  • 学習指導要領に示されている教育内容は、いわゆる基礎・基本であり、特にその内容が精選されている以上、そのすべてを確実に習得させることを目指すとの考え方が基本となるが、その一方で、義務教育を修了しても四則計算の基本が十分に身に付いていない子どもがいることも指摘された。
  • 思考力や表現力などの能力の面の目標については、例えば、PISA調査において知識・技能を実生活に活用する力を問うて計測しようという試みを行っているので、こうしたことを参考としながら、検討を行っている。
  • その際、できるだけ具体的なものとするため、例えば、「A4・1枚(1,000字程度)で自分の考えを表現する」などの例示を示すことについて検討を行っている。

イ 情報提供その他の基盤整備の充実

  • 子どもの学習意欲を高めることが課題となっていることから、年間の読書冊数や各種検定への取組など具体的な目標設定の工夫が重要であると考えられる。指導方法の事例蓄積や分析によって、優れた指導方法を教師の間で共有化したり、子どもがどこでつまずくのかなどについての研究成果を示すなど、学校、教職員と行政が情報を共有することは教師への支援として重要であるとの意見があった。
  • 基盤整備という観点からは、教育成果を高めるとともに情報活用能力など社会の変化に対応するための子どもの力をはぐくむため、ICT環境の整備、教員のICT指導力の向上、校務のICT化等の教育の情報化が重要である。

エ 教育成果の適切な評価

(学習評価)

  • 子どもの学習の評価については、到達目標に照らしてより確実な習得に資するようにすること、学習発表会や各種検定など学習の進捗状況や知識・技能等の獲得が目に見えて実感できるような評価の工夫など、具体的な評価の在り方について今後検討が必要である。また、子どもの学習機会をより豊富なものとする観点から、家庭での学習課題(宿題)や学校外の学習活動の評価の在り方についても検討することが必要である。

(全国的な学力調査)

  • 全国的な学力調査については、義務教育答申において次のように提言している。
    • また、あわせて、収集・把握する調査データの取扱いに慎重な配慮をしつつ、地域性、指導方法・指導形態などによる学力状況との関係が分析可能となる方法を検討する必要がある。なお、学力調査の調査内容に関しては、知識・技能を実生活の様々な場面などに活用するために必要な思考力・判断力・表現力などを含めた幅広い学力を対象とすることが重要である。

(3)教育行政の在り方の改善

 

終わりに

  • 以上、教育課程部会におけるこれまでの審議を整理した。審議を通じ、教育課程部会においては、前述のとおり、今、子どもたちに必要なものは、学習や生活の「基盤」であると考えた。また、その際「言葉」と「体験」を重視する必要がある
  • 教育課程部会では、今後引き続き、例えば、幼児教育と小学校教育や小学校教育と中学校教育といった学校種間の接続・連携や高等学校における教育の在り方など意見の集約に至っていない事項の議論を深めるとともに、各教科等ごとの専門部会とも連携してそれぞれの教科等の改善について各学校種ごとに具体的な検討を行った上で、「言葉」や「体験」の重視や教育課程の構造の明確化といった観点から各教科等を見渡した総括的な審議を行うこととしている。

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(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)