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座長に梶田叡一委員、座長代理に荒井克弘委員が選任された。 |
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議事運営について資料3の案が了承された。了承された議事運営規則に則り、会議及び議事概要については、原則公開とし、特に非公開とすべき事情があると判断される場合には、本会議に諮った上で非公開とすることとなった。 |
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全国的な学力調査が検討されてきた背景・経緯・現状等について、事務局による資料説明の後、今後の検討課題を含め全般的な事項について意見交換が行われた。主な意見は以下のとおり。(○:委員、●事務局) |
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これまでの中教審教育課程部会等においても議論があったが、悉皆調査で行うからには、悉皆調査で行う意味のある調査、学校が受けたがる調査を行ってほしい。行政が状況把握するだけでなく、各学校が、自らの学校の特徴を把握し、指導の改善に生かせることが重要。また、例えば、記述式問題や算数・数学の思考力を問う問題など、重要だとわかっていてもこれまでのテストでは測ることが難しかった内容も調査に盛り込んでほしい。 |
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公表については、いたずらに競争に駆りたてるようなことにならないようにしてほしい。学力調査の点数のみが学校選択の基準となるおそれもある。しかし、個々の学校が自らの学力を把握することは大切である。どこまで公表するのかを慎重に議論していきたい。 |
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古典的な思考に固まらず、テストというものの概念を改めるべき。どのような問題にするかが、学校の指導方法に影響を与えることになるだろう。 |
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今まで日本で行われていた学力テストはTIMSS型の客観テストが多かったが、知識や技能を実生活の様々な場面などに活用するために必要な思考力・判断力・表現力などを問うPISA型の問題を調査問題に入れることで、学習指導要領や指導要録にも影響を与えることになると思う。全国的な学力調査の検討は、これからの日本の教育を方向づける重要な議題であると思う。 |
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教育課程部会等での議論を紹介すると、教育のPlan-Do-Seeのサイクルの中で、Planとして、より明確なもの、例えば到達目標の設定についてや、Seeとして、評価を厳格に行うべきとの議論などがあり、特に、到達目標には、知識・技能の定着に加え、自ら学び自ら考えることについても、より具体的なものにできないか議論を行っているところである。 |
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学力の高い低いを公表しても、一喜一憂するだけ。それよりも、毎年同じような問題を使うなどして伸びを測定し、各学校の改善につなげることが重要。また、到達度などのものさしを設定することが必要。 |
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教員の指導方法についての調査を併せて行い、学力と結びつけて分析するべき。各学校の指導方法や行政の政策立案にも役立つ。 |
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日本では、調査結果が思いがけない序列化につながる可能性がある。公表の在り方については十分に議論する必要がある。 |
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今までの学力に関する議論は、国際学力調査との比較、国内学力調査の結果等が入り乱れ多分に混乱し、印象論が多かった感があるので、根拠となる客観的データをとるために、全国的な学力調査をうまく工夫して、まずは行ってみるのが大事だと考える。 |
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国際学力調査の結果は、主に各国の平均値の分析が中心だが、日本は上位層・下位層が平均的に分布しているが、米国は上位層と下位層の格差が大きいなど、細かく分析しないとわからないことは多い。データをとっていくつかの視点から分析して、日本の子どもたちの学力を向上させるための示唆が得られればよいと思う。 |
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今までの教育課程実施状況調査のように、学習指導要領の基礎基本の定着を把握するか、PISA型の知識・技能を実生活の様々な場面などに活用する力を把握するか、の2つの方向性がある。どのような問題にするかによって、どのようなことを子どもに教えればいいのかというメッセージを示すことになる。 |
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学力の把握だけでなく、教員による指導の実態の把握も必要である。 |
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無解答が多いと、分析ができず、指導の改善に役立たせることができないので、無解答を防ぐ手だてを考える必要がある。 |
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継続性が必要。複数回行い、長期的展望の中で傾向を把握することが必要。 |
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全国的な学力調査については、毎年度予算要求をしていくことになり、確定的なことは言えないが、文部科学省としては、継続して行う必要があると考えている。 |
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記述式の問題を取り入れていくことには賛成。1回の調査で全ての事項をチェックするのは難しい。継続して行うのであれば、課題のある点に重点化するなどの工夫が必要ではないか。 |
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同一問題は、公表してしまうと事前に練習できるので厳密な比較ができなくなってしまう。そのため、全く同じ問題で経年比較するのは難しいのではないか。難易度が同程度の問題を使用するなどの工夫が必要。 |
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PISA型の問題を使用していくことが必要。調査を通して、このような学力をつけてほしいというメッセージを現場に与えることができる。 |
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学習指導要領の定着状況を見るのと、日本の教育成果を測るのでは、スタンスが違ってくると思う。PISAの問題はあくまでも一つの参考にすぎない。 |
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国レベルで行う調査と地域レベルで行う調査との違いがあるはず。国としてどこまで行うのかを考える必要がある。 |
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悉皆調査の場合、記述式問題が多すぎると、採点・分析に時間がかかり、実施が不可能になってしまう。思考力や判断力等を測ることは重要であるが、テスト形式まで含めて実施可能となる方法を考えていく必要がある。 |
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毎年調査を行って経年変化を見るのであれば、難易度が設定された問題をプールする体制を作る必要がある。 |
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国の責任として、どこにフィードバックして、改善を促すべきなのかを整理する必要がある。 |
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学力の向上に生かすためであれば、指導の改善に役立たせるようなフィードバックが必要。また、学校・教員だけではなく、保護者や子ども自身にも返却し、国民全体を巻き込んでいく必要がある。 |
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低位層の子どもたちに身に付けさせたい基礎・基本を具体的に策定し、改善するための手法を検討する必要がある。 |
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子どもたちの生活の実態を把握するための調査は、子ども自身が自分の生活を見直すきっかけにもなるので、よいと思う。 |
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勉強したいという意欲・態度をどのように調査していくのか。また、人間関係としての学力、すなわち友達に教えてもらう、教えてあげるといった学力を含むのか。また、チャイムが鳴ったら席につくなどの授業態度等と学力の関係も調査する必要がある。 |
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次回の会議は、問題作成の基本的な考え方などについて議論することとなった。非公開の情報などを使用するため非公開で行うこととなった。 |
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事務局より今後の日程について説明があり、閉会となった。 |