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「教育課程」・「保育計画」、「指導計画」は、総合施設の教育・保育の基本である、名称も含め、概念を整理していってほしい。
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総合施設を作っていく中での、プロセスが大事である。私が関わった一体化施設の中で、幼稚園・保育所双方の職員が在り方を議論していく中で、例えば早朝保育を「おはようタイム」、「共通の時間」を「わくわくタイム」、午後の保育を「ゆったりタイム」などと整理し、その各々についての課題を整理していく中で、早朝保育における課題などが明確化された効果があった。
また、そうした総合施設検討における課題整理が、既存の幼稚園や保育所の保育内容の課題整理につながり、保育の向上につながる。こうした効果があるので、総合施設設計におけるプロセスを大切にすべき。
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総合施設の制度化とともに幼稚園・保育所を巻き込んだ大掛かりな取組が始まる。これが既存の幼稚園・保育所に良い影響を与えてほしいと思う。しかし現実には、総合施設化には、保育所側は後ろ向き、幼稚園側についても保育所側ほどではないにせよ及び腰だと聞く。総合施設化を推進するなら一定のインセンティブが必要。
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(1) 総合施設に特有の課題を踏まえた観点
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幼稚園・保育所の合同保育や合同活動などの連携について、園行事中心に行っている施設と、完全に合同保育している施設とに大別される。
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基本としては、行事だけの連携でなく、一緒に生活させるべきであろう。ガイドラインに「合同の保育が基本」くらいには書けないものか。
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視察した園で、長時間児への配慮として、短時間児が降園するときに預かり保育室の窓をカーテンで仕切って長時間児に見えないようにしていたが、過剰反応のような気がする。預かり時間が極端に長い場合は別として、8時間程度の保育なら、子どもへの影響はそれほど出ないと思う。受け入れる側が発想を転換する必要があるかもしれない。
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休業をどうするのか、休園の条件などについて、整理してほしい。全国でばらばらな展開になってしまう。 |
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給食については、食育の観点を踏まえ、整理が必要。給食についてモデル事業各園で取り組みが様々。そこに、まとまった考えを整理すべき。 |
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さまざまな形態で行われている。クラス単位での相互交流もあれば、3〜5歳児についてクラスそのものを異年齢編成にしている園もある。モデル園ではないが、0〜5歳児を異年齢編成している園まである。また、オープンスペースの活用の仕方も園によりまちまち。
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保育の内容を考えるとき、保健的なこと、例えば感染症対策とか、こうした保健や健康について、幼稚園・保育所で意識のズレがある。長時間保育を行うに際しては、こうした視点が大切なので、子どもの命を守る観点からの整理も必要。
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論点に整理されていないが、障害児への対応、特別支援教育の関連も盛り込むべき。 |
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(2) 保育者のかかわり方
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職員が共通理解にたって保育、子育て支援を行うことが大事。 |
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(3) 発達や生活の連続性を踏まえた教育・保育環境の構成
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遊具について、特に幼稚園にあっては、低年齢児(0〜2歳児)用の遊具についての経験等が不足している。こうした点について事例集等で示すのが効果的。
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遊具について、モデル園で観察したところ、低年齢児についての物的環境づくりの問題もあるが、一方で、広い園庭があるに関わらず、遊具を意図的に配置していない、固定遊具が絶対的に不足しているなどの例もあった。さまざまな取組があるので、これも事例集等に整理することが必要かと思う。
いずれにせよ、子どもが長い時間過ごす可能性がある施設なので、物的な環境について示すべき。
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午睡は、保育所では中核となるものだが、実態としては、4〜5歳児については午睡を取らすべきかどうか要検討。特に5歳児には午睡を取らせる必要があるのか検討する必要がある。
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幼稚園は低年齢児の受入れについて、経験が不足していることから、環境の構成に不安がある。以前にも、満3歳児の受入れについて、幼稚園は試行錯誤しながら取り組んできた。総合施設では0〜2歳児も受け入れることになるが、実施各園での総合施設化の準備は、急がないで準備していってほしいと思う。一歩一歩分かりながら準備を進めるのが大切。低年齢児は自分で自分の体重を支えられないことも多いので安全面の配慮が特に必要。 |
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(4) 小学校教育との連携
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指導要録の扱いを総合施設でどうするのか、ぜひ検討を。指導要録等の送付をガイドラインで示せないか。
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小学校との連携についても、学校行事における連携が多い。連携がどうあるべきかを含めて示してほしい。
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私も指導要録等の送付は賛成。また、内容的な連携も進めるべきで、カリキュラムの連携も必要。
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小学校教員を初任者研修や10年目研修で幼稚園・保育所で実習させるなど、相互理解の取組も進めるべき。 |
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(5) 研修、保育者の資質向上
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低年齢児や長時間児への配慮について、専門的な人的配置を心がけることは、すでに中間報告で打ち出されている。しかし大事なことは、ただ専門家を配置すればいいのではなく、幼稚園・保育所それぞれの専門家同士が交流し、相互に理解に努めることだ。総合施設においては、チーム・ワーク、人的交流がとても大事になってくる。こうしたことを、ガイドラインや事例集等で打ち出していくべき。
また、幼稚園の世界では、保育所と連携していくに当たり、従来型の研修時間などを守りたいという意識が強いが、一方で保育所側ではローテーション勤務もあり、幼児の世話を離れて園内研修をする時間などが幼稚園と比較して不足しているのは事実であるので、幼稚園・保育所連携にあっては、相互に配慮することも必要。例えば、ある連携施設では、夏季休業中は、幼稚園の先生も保育士の代わりに低年齢児保育を担当させた。すると、それが幼稚園教諭への研修効果があり、低年齢児の世話をすることで子どもの発達への理解が深まった。
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総合施設の職員が、幼稚園関係者の研修、保育所関係者の研修の両方から排除されることのないような扱いを。
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研修の中核は園内研修かもしれないが、園外小学校との連携についても、学校行事における連携が多い。連携がどうあるべきかを含めて示してほしい。
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論点整理に記述がないが、総合施設が幼稚園・保育所連携機能を高めるものなら、職員の資質向上とともにマネージメント能力が要求される。その意味で、園長の果たす役割について整理すべき。
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幼稚園教諭については教員免許更新制が検討されている。保育士はどうするのか。この点も検討すべき。
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(6) 保護者・家庭との連携
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親の子育て力を高めることに関してコーディネイトする力が求められる。
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視察した園で聞いた話だが、保護者との連携を進める中で、就労している親に対しても、趣旨などをよく説明し理解を求めると、休暇をとって園行事に参加もしてくれているという。いま、働き方の見直しを企業に求めていく中、幼稚園の活動にも父親の参加が増えている。働き方の見直しの議論とも連動していってよい。
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