議事内容:
【小川座長代理】 では、定刻になりましたので、ただいまから第7回教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議を開催いたします。
今日は、高倉座長がご欠席ということですので、代理の私が議事運営を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。今日は、教育関係団体からのヒアリングの第3回目ということで、お手元に資料があると思いまが、全国都市教育長協議会、全国高等学校長協会、全国高等学校教頭会、日本高等学校教職員組合からご意見を伺うということになっております。その後に時間をとりまして、高等学校における教職員配置の在り方について議論していただくということにしたいと思います。
では、まず配付資料の確認を事務局からお願いいたします。
【小熊教職員配置計画専門官】 それでは、議事次第に沿いまして、資料の確認をさせていただきたいと思います。
まず、資料1 教育関係団体ヒアリング日程でございます。
資料2 学級編制及び教職員定数に関する資料(公立高等学校関係)でございます。
資料3 今後の日程について(案)でございます。
続きまして、参考資料1 検討の論点(案)ということで、たびたび配らさせていただいている資料でございます。
参考資料2 これまでの主な意見ということで、前回までのこの会議で出ました意見について簡単にまとめさせていただいているものでございます。
参考資料3 これまでの教育関係団体からの提出意見の概要ということで、一覧表にまとめさせていただいているものでございます。前回の会議でその他の欄に集約をしておりましたものにつきまして、それぞれ欄を設けるべきであるというご意見を頂戴いたしましたので、2枚目をおめくりいただきますと、スクールカウンセラー、学校安全対策、進路指導・キャリア教育対応といった欄を新たに設けさせていただいているところでございます。これにつきましては、第2回のヒアリングまで踏まえたものになっております。本日のヒアリングも今後この中に加えてまいりたいと考えております。
続きまして、参考資料4 高等学校教育の改革に関する推進状況(概要)についてでございます。
続きまして、参考資料5 生徒指導上の諸問題の現状と文部科学省の施策について(抜粋)でございます。
参考資料6 パンフレットでございますので、資料番号を振ってございませんが、キャリア教育の推進に向けてというものでございます。中に関係の印刷物を入れてございます。
参考資料7 前回、第6回の議事概要(速報版)でございます。事務局で簡単にまとめさせていただいたものでございます。
そのほか、机上配付資料でございますが、まず、本日ヒアリングを行います団体からの意見書でございます。教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議に対する意見、全国都市教育長協議会からのものでございます。
続きまして、全国高等学校長協会からのものでございます。
続きまして、全国高等学校教頭会からのものでございます。
最後に日本高等学校教職員組合からのものでございます。
さらに、多少厚めの冊子が置かれていると思いますが、これは本年6月10日に出されました地方財政審議会による地方税財政改革の推進に関する意見というものでございます。
これらの資料の内容につきましては、後ほどまた、改めてご説明をしたいと思います。資料の不足等ございましたら──よろしいでしょうか。
【小川座長代理】 配付資料の確認、よろしいでしょうか。もしも、不足の資料がありましたら、事務局に声をかけていただければと思います。よろしいでしょうか。
それでは、これから関係団体からのご意見をお伺いしたいと思います。
まず最初に、全国都市教育長協議会の関係者の方、よろしくお願いいたします。
【全国都市教育長協議会】 失礼いたします。
【小川座長代理】 本日はお忙しいところ、本協力者会議のためにご出席いただきましてありがとうございます。
それでは、配付資料に基づきまして、最初、5分程度お話いただきまして、その後10分ないし15分の時間をいただきまして、質疑応答をさせていただきたいと思います。
では、よろしくお願いいたします。
【全国都市教育長協議会】 失礼いたします。全国都市教育長協議会の宮崎市教育長をしております内藤でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
全国都市教育長協議会は今739の都市がございまして、教職員配置に関するアンケートを直前ですが、実施いたしまして、約1割の都市、69都市からの回答をいただいたところでございまして、そのアンケートの結果をもとに発言をさせていただきたいと思います。
お配りしておりますが、40人学級編制のもとでの第7次教職員定数改善計画につきましては、少人数指導などへの加配による配置等によりまして、一定の成果を上げさせていただいております。各都道府県におきまして、様々な工夫を行っていますが、個に応じたきめ細やかな教育を、これまで以上に推進していくためには、各学校におきまして、少人数指導や習熟度別指導など、指導方法の柔軟な工夫改善を一層進める必要があると思っております。そのためには、国からの人的、財政的な支援の充実は不可欠な要素でございまして、第8次改善計画の策定におかれまして、児童生徒、保護者、学校のニーズに即応できるような取り組みを視野に入れた検討をお願いしたいということでございます。
まず、1つ目の少人数学級と生活集団、学習集団についてでございますが、アンケートを中心にしますと、ほとんどの都市、78パーセントの都市で少人数学級や少人数指導、または習熟度別少人数指導を既に実施しておりまして、それにつきましては、学力向上、学習意欲の向上などの点からも効果をもたらすということが述べられておりまして、そういった点については意見が一致しているところでございます。なお、少人数学級等を実施していく場合には、財源、教室整備等の問題もございますが、そういった点におきまして、国として早期に方向づけをしていただくと、なおありがたいということでございます。
なお、現在の教職員の定数は、私ども、絶対的に不足していると考えておりまして、教職員定数、配置定数の学級に乗ずる数字、定数の改善もあわせて行っていただけると学校の特色が出るんじゃないかなと考えるわけでございます。
次に、教職員の配置につきましてでございますが、今、特別支援教育という言葉が大きく、これは大事なことでございまして、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)などの軽度発達障害児への支援が重要になってきておりまして、特殊学級の充実とか、通級教室による指導を増やしますとともに、通常学級においてもきめ細やかな指導が可能となるような障害の程度や学校の状況に応じた定数の増加が望まれるところでございます。
それから、現在、それにつきましては、特別支援教育コーディネーターとかいったものを宮崎県の場合、校務分掌の点からは配置しておりますが、そういった専門性のある加配は強く望まれるところでございます。
次に、読書活動等を通しまして、今学力低下傾向の中で、特に思考力、読解力が不足しているということが指摘されておりまして、それにつきましては、子どもたちの個の豊かな心を醸成しますとともに、学力向上と生きる力を結ぶ、その夢の架け橋というのは、私は読書指導にあるんじゃないかなと考えておりますし、都市教育長全体の中からも、教育効果を図るという面から、専任の司書教諭の配置が必要だというふうな意見が多かったわけでございます。
また、養護教諭につきましては、養護教諭の職務内容からいたしましても、スクールカウンセラー的な業務も求められておりまして、学級、学校規模にかかわらず、1校1名以上の配置が必要でありました。そういった面とあわせまして、スクールカウンセラーの配置も必要かと考えております。
それから、地方分権時代における柔軟な学級編制や、教職員配置の在り方につきましては、現在小中学校におきましては、義務教育という公教育の面からも地域により大きな格差があることは望ましくないと考えております。そのために教育の機会均等と一定の教育水準を確保するという国の役割を維持しながらも、特色ある学校づくりのために具体的な学級編制の在り方、例えば、30人という数字は一応出しておりますが、30人を超えて、31人になったからといって、機械的に15人と16人という編制だけじゃなくて、地域、あるいは学校を見つめた教職員の配置、そういった面におきまして、市町村や校長の裁量というものを加えていただきますと、今日の教育的課題に対しまして、さらに柔軟に対応できるのではないかと考えているところでございます。
以上、簡単でございますが、アンケート等をもとにした意見でございます。よろしくお願いします。
【小川座長代理】 ありがとうございました。
では、委員の方から何かご質問や、ご意見がありましたら自由にご発言をお願いいたします。いかがでしょうか。堀内委員、お願いいたします。
【堀内委員】 1点お伺いしたいんですが、今、お読みになりましたこの資料といいましょうか、文面の中で(1)のところで、一番最後のところで、児童生徒の実態に基づいた指導を行うためには現在の教職員定数は絶対的に不足しておりという文面がございますが、総論的にはそういうことだと思うんですが、実態的にどういう面を指して絶対的に不足しているという認識をお持ちなのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
【全国都市教育長協議会】 今、一人の先生が、例えば研修のために出張に出かけます。そうしますと、私どもは自習という形はとりたくないわけでございまして、学校が乱れていくもとは、やっぱり教師と学級の生徒が常時顔を合わせておる場面というものを多くつくる必要がある。先生たちも研修はしたいんだが、子どもたちのことを考えたらあまり積極的には出かけていけないという状況もございますので、少しでも余裕がございますと、そういった先生を教室に回せるという状況があると思います。
【渡久山委員】 1つは、教職員配置のところで特別支援教育のコーディネーターの部分、現在の配置定数の中でコーディネーターを決めるとしていらっしゃるのか、それとも別枠で、これはプラス1としてコーディネーターを入れたほうがいいという考え方なのかどうか、これが1つです。
それからもう1つは、やっぱり、今、この中に事務職員は入っていないんですが、もちろん事務職員が必要じゃないということじゃないと思いますが、そのことと、それから、栄養教諭が教諭化されたんですが、栄養職員の栄養教諭化の問題の中での、その配置について、どう考えていらっしゃるか、お願いします。
【全国都市教育長協議会】 特別支援教育におけるコーディネーター、これは、今、例えば宮崎市の場合は、校務分掌の1つとして、現在配置されている定数の中で、特別支援コーディネーターという名目で配置しておるわけですから、数は変わらない。それじゃ、思い切った、今の特別支援教育に対する手立てというものは、非常に手薄なものになります。ですから、加配みたいな形で配置してだくことが今望まれておる、これが1つでございます。
それから、事務職員につきしては、学校経営を支える、やはり予算的な面からも、施設的な面からも校長が気づかない、一番弱いところを支えるのは、学校の事務職員だと思っております。ですから、今後とも、是非配置していただきたいと。
それから、学校栄養職員、これにつきしては、今、食に関する教育というものが必要と言われておりまして、これにつきまして、学校規模にかかわらず、1校1名の配置が望まれるというアンケートの結果がございました。
以上でございます。
【角田委員】 3番目のところの地方分権時代における柔軟な学級編制や教職員配置等の在り方のところですが、地域により大きな格差が出るということはやっぱり望ましくない、これは義務教育では当然のことであろうと思っているんですが、その下のところに、国の役割を維持しながらも特色ある学校づくりのためにというふうな表現があるわけですが、この考え方でいくと、国としての権限というか、義務教育費は国としてきちっと確保しながらというふうなニュアンスなのかどうかということが一点です。
それからもう1つは、具体的な学級編制の在り方や教職員配置については、各市町村や校長の裁量に委ねることが柔軟に対応できることであると書いてあるわけですが、ここのところは、30人を超えて機械的にするのではなくて、学級編制を市町村が行うのか、あるいは校長の裁量に委ねるのか、あるいは、それぞれのところでもう少し考えるのか、もう少しそこのところを明確にお話をいただけるとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
【全国都市教育長協議会】 国の役割を維持しながらといいますのは、私ども、今は義務教育費国庫負担法ということで、教職員の予算の措置をしていただいておりますが、やはりこれは教育水準を維持するための非常に重要な要素の1つだと考えております。
2つ目に、委ねるといいますのは、機械的な配置よりも、ここは31人になったから、2つ学級にすることよりも、最初申し上げましたように、その学校では、実はもう既に33人ぐらいで学級経営をしており、何人が適正規模かというのはなかなか難しいわけですが、25人から33人ぐらいの範囲であるならば、私は適正規模だろうと。切磋琢磨していく、子どもたちが学級集団の中で、極小規模に分けることよりも、ある程度の規模は維持しながら、生活体験をさせながら、やっていくことも必要な学校もあると思っております。ですから、校長の意見を十分市町村教育委員会が連携しながら、聞きながら、その学校の判断に任せていくという方向が今望まれていると思います。
【橋本委員】 1つ目のところに学習集団の適正規模を30人と考えていることからもということで、上限については、先ほどご説明があったわけですが、下限についてどのように考えておりますか。また、ご意見等がどのような形で出されておりますか、そのあたりをお願いしたいと思います。
【全国都市教育長協議会】 学級編制として、適正規模は何人だと考えますかというアンケートもやってみたんです。その中で一番多かったのが30人というのが一応出ました。30人学級という言葉が先行してきておるものですから、それについては59.4パーセントございました。それから、35人というのが、20.3パーセントでございました。31人を割って、例えば2つに分けて、20人とか14、5人とかいうのは私どもはやっぱり適正規模とは考えておりません。やっぱり、切磋琢磨、学級の中で30人前後というのは現在学級の状況を見ましても、適正かなと思うところでございます。
【堀内委員】 いただいた文面からちょっと外れるというか、入っていないことで恐縮ですが、先ほど渡久山委員のご質問にありましたように、学校事務のことで、私の承知しているところでは、宮崎市は共同実施でかなり先駆的な取り組みをされてきたと伺っているんですが、その観点から、先ほど絶対的に増やすというお話だったと思うんですが、共同実施との関係で、例えば、各学校に1人配置、これは当然ながら維持しての上で、第7次で若干の加配で共同実施をされたかと思うんです。そういったご経験から、事務職員の配置の在り方について、共同実施なりセンター化というものを進めた場合に、やはり単に一人ずつではセンター化するだけでの余裕が出てこない、あるいは最低そういったような方向での上乗せの定数が必要だとか、第7次の取り組みを踏まえられた、もし宮崎市としてのご見解をお持ちならば、ちょっとお伺いしたいなと思うんです。
【全国都市教育長協議会】 学校事務につきしては、各校一人という配置もございます。しかし、これほど教育内容が多様化してきますと、先生方の要望もどんどん、各種各様出てまいります。そうしますと、一人で判断するよりも、センター的なところに共同で配置しておいて、ある小さな学校で出た問題をみんなで考えて、では、こういうふうにしようという判断もできると思っております。そのためには、今、数の問題が出てまいりましたが、各学校プラス1ずつというのは絶対的に不可能だろうと思っておりますので、せめて共同実施という形を有効に生かして、プラス1という加配は本当にありがたいなと思います。
【渡久山委員】 その際、共同実施ですから、複数校には、そうするとやっぱり、事務の系統的な、あるいはより効果的な実施のために、事務長を置くというような考えについては、どう感じていらっしゃいますか。
【全国都市教育長協議会】 宮崎の場合、県立学校には事務長制度がございます。義務制には事務長制度はございませんが、センター化していくとするならば、センター長とかいった意味での、ある程度の責任を持たせた配置のほうが私はいいのかなと思っております。
【吾妻委員】 資料の一番下のところで、先ほども他の委員から質問があったところですが、最後のところの具体的な学級編制の在り方や、教職員配置については各市町村や校長の裁量云々というところですが、本当に具体的になってくると、当然、人事の問題とか、給与負担の問題とかというのは絡んでくることになると思うんです。その辺のところを全国都市教育長協議会としては、どのぐらい話題にされたり、あるいは方向性のようなお話し合いがあったかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
【全国都市教育長協議会】 実は、今日は全国都市教育長協議会の理事会もあったわけでございまして、教職員配置については、数でぱっと切るよりも、柔軟性のある配置が一番望ましいということで、そのあたり、人数が増えるということに予算が伴うことにつきましては、国の補助と自治体の援助、それには首長さん方のご理解が本当に私ども、望まれるところでございまして、今首長さんが非常に教育に対して目を向けていただいておるということは大変ありがたいと思っております。そういったことで、首長の理解を得ながら、こういった柔軟な配置もお願いしていきたいと考えます。
【横山委員】 今、おっしゃった柔軟な配置というのは、例えば、これは人が配置されるわけですから、柔軟な配置というのは、もう少し具体的にどういうことをおっしゃっているのか、そこのところをお聞きしたいんです。
【全国都市教育長協議会】 まず、学級を持たないでも、その全般を見渡せる、例えば、教務主任を補佐するような全体的なリーダー、そういった方法が1つはあると思います。
あるいは、配置ということよりも、例えば生徒指導の加配教員が配置されます。それが、従来であるならば、何時間以上は持たせられないという上限が定まっておるわけです。ところが、この学校でいうならば、その生徒指導よりも、むしろ学習指導にその人を使って、生徒指導ももちろんやるが、こちらの数学の時間を5時間持たせるというふうな柔軟性もあってほしいなと思うわけでございます。
【横山委員】 加配教員の使い勝手の柔軟性の話ですね、加配そのものが柔軟性ということはないんでしょう。
【全国都市教育長協議会】 はい。それはもちろんです。
【小川座長代理】 最後に私のほうから、1点だけ、他の団体にもお聞きしているですが、30人学級という話ですが、これは事務局の試算でも、もしも小学校1年生から中学校まで全学年で30人というようなことをやった場合に、11万人が必要だという試算があるんで、今の財政状況からすると、それはほとんど難しい話ですよね。実際、これまでの学級編制の標準の改善というのは、児童生徒数の減に対応した、自然減の教職員数を確保してこれまでやってきているわけで、これも事務局の試算からすると、今後5年間で大体8,500人ぐらいだという話がありますし、またそれプラス今少人数指導の加配等々での数というのが大体3万9,000人ぐらいですから、その2つが、例えば今後の第8次の改善を考えた場合には、これが原資となると仮定した場合に、これを使ってできることというのはかなり限定されていると思うんです。例えば、35人学級はぎりぎりできるとして、30人学級というのはせいぜい1学年か2学年にとどまると。しかし、35人とか30人学級、例えばそういう形でやった場合には、今やっているような少人数加配とか、今日お話されているような様々な支援の教員配置というのはほとんど不可能になるというふうなことも現実なわけです。このようないろいろな制約の中で、仮に、次の第8次改善計画で優先的にやっぱりやるべきことと考えて、優先順位として全国都市教育長協議会で強くご要望されるというのは、例えばどういうふうなことかということを少しご意見をお伺いしたいんです。
【全国都市教育長協議会】 相当な予算が伴うということはよく理解できます。ただ、優先順位として言わせていただくならば、現在、小学校の低学年、1年生、2年生まで宮崎県の場合は進行してきておりますが、あえて今度は視点をどこに置いていただくかという、それならば、私は中学校の大規模校といいますか、そういったところの学校の学級数定員に視点を当てていただくことも今後の在り方かなと思うわけでございます。
【小川座長代理】 分かりました。
10分ぐらい時間をオーバーしましたが、今日は貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。
【全国都市教育長協議会】 どうぞ、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【小川座長代理】 では、次に全国高等学校長協会の関係者の方、よろしくお願いいたします。
【全国高等学校長協会】 今日、協会長が不在のものですから、かわって私、常務理事の都立鷺宮高等学校の校長の戸谷が意見を述べさせていただきます。時間が限られておりますので、手短にお話をしたいと思います。
まず、本協会が昨年度行いました都道府県高等学校長協会の予算要望状況の資料から見ますと、教職員定数に関わる項目のうち、特色ある学校づくり生徒多様化への教員配置、これが第2位の要望事項となっております。それから、習熟度別、少人数編成授業にかかわる教員配置、これは第4位です。それから、教職員定数増、あるいは定数改善計画完全実施というものが第6位。カウンセラーの配置加配が第7位となっていて、総じて上位の要望事項となっております。要望事項は全体で49項目ございましたが、上位にあるということでございます。
というのは、それから考えますと、教員配置が学校現場では必ずしもゆとりのある教員配置、あるいは社会の変化を受けて、教員の新たな職務内容に対応した配置基準になっていないのではないかという感じを受けているところでございます。このことについては、先に申し上げました2つの観点から、理由とともに意見を述べさせていただきます。
最初に、ゆとりのある教員の配置についてですが、1点目は大学との接続における高等学校教育の充実のためのゆとりある教員配置の必要性です。現在、高等学校には、義務教育修了者の97パーセントを超える生徒が入学してきておりますが、入学してくる生徒は学力や学習歴、そのほか学ぶ構えや学ぶことへの興味、関心など、多様化している実態がございます。入学してくる生徒の学力低下や学力差の問題はもちろんのこと、学ぶ意欲の低下、学ぶ習慣のなさ、殊に家庭学習習慣の欠如に対して、教員は危機感を持って対応しております。ですから、入学時から学ぶ習慣を形成していく仕組みづくり、基礎学力の定着度の検証、指導法や指導形態の工夫、生徒面談など、教員の日々は今多忙を極めております。
加えて、小中学校段階において、教科内容の3割を削減された生徒を受け入れておりますが、一方出口では、国公立大学の大学入試センター試験における5教科7科目に対応すべく、高校の3年間で鍛えて育てていかなければならない課題も抱えております。ですから、高等学校段階での指導内容は、必ずしも減少しているわけではなくて、逆に増加している実態となっています。その対応として、高等学校においては、土曜日における補習や、資格取得講座の設定、ゼロ時限や7時間目、あるいは8時間目の設定、長期休業の弾力化など、あらゆる努力を重ねております。さらに、教員の持ち時数については、学校週6日制当時の週18時間が学校週5日制でもそのまま引き継がれており、授業準備や到達度、あるいは定着度検証に要する時間、いわゆる空き時間が減少しました。また、放課後の7時間目を設定する学校が増え、研修会や生徒対応、部活動指導など、時間的な制約が出ているのが現実で、教員の日々の仕事量は増加してゆとりをなくしている、そういう実態があります。
一方で、学力の底上げや学ぶ意欲の向上に対応して、習熟度別、少人数編成授業、及びティーム・ティーチングなど、授業形態の工夫や生徒の興味、関心に対応した選択幅の拡大を行ってきています。このことは、生徒の学力に応じて、きめの細かな指導ができ、基礎学力の定着や、学習意欲の向上に大きな成果を上げてきました。しかし、こうした授業形態を実施する上で、すべて正規教員が加配されているわけではなくて、非常勤講師等が充てられることが多いわけです。今後、こうした指導形態がさらに必要になるということを踏まえますと、正規教員の加配の拡大、加配対象となる教科、次に述べますが、生活指導困難等も含めて、一層の弾力化を進めてほしいと考えています。
次に、生徒実態に応じた学級編制の弾力化のための教員加配の必要性について意見を述べます。現在、問題行動等の発生件数が年間100件を超えるなど、生活指導上の困難な課題を抱えている学校、または中途退学をしていく生徒を何とか食いとめるため、適応指導を積極的に進めていかなければならない学校が実態としては多くあります。こうした学校の一部では、入学時には、当初の設置クラスを1つ増やして、少人数編制学級の中できめ細かな指導を行い、成果を上げていますが、2年次以降は当初の設置クラス数での指導となってしまう例があります。生徒の健全育成、中途退学防止の観点から、こうした生活指導等で困難な学校には、3年間を通じて教員の加配措置が是非とも必要と考えております。
また、生徒の社会性を育成するとともに、生徒自身が自己の将来を展望できるように、勤労観や職業観を育成することが急務であり、学校では、インターンシップを含め、キャリア教育やボランティア活動を充実させる取り組みを行ってきています。しかし、この部分は教員の持ち時数に入りにくく、過重負担となる場合があります。ですから、新たな人事配置、特に専門性を有した教職員の配置が必要と考えております。加えて、この取り組みにはかなりの費用がかかりますので、あわせて財政面の増額が必要であると思っております。
次に、社会の変化を受けて、教員の新たな職務内容に対応した配置基準について、2点から意見を申し上げたいと思います。
1点目は、教頭の複数配置に関する意見です。このところ、教頭の職務内容が事務処理、校内組織のマネジメント、人事管理、外部との折衝等、急激に増加をしております。中でも、人事面での教頭の職務はにわかに重要な役割となってきています。例えば、教員評価制度は全国的に実施されてきておりますが、能力と業績に基づく人事制度を活用し、教員の資質、能力の向上を図り、人材の育成に繋げる。このことは、学校経営上、重要な課題で、教頭に課せられた役割も大きなものがあります。ご承知のように、教員評価制度は、教員等の日々の職務を観察し、その業績を評価することですが、その評価の主眼は形成的評価にあります。目標管理とその評価を通じて、教員の能力開発を行い、人材育成に繋げることが管理職の務めでもあります。しかし、高等学校における教員数は、義務制の小中学校と比べて多く、例えば東京では、全日制普通科16学級規模で教職員数が約40名おります。この人数を1人の校長と教頭が評価するわけですが、やはり時間的な限界が存在します。評価精度を上げて、教員評価制度により、教員の能力開発、人材育成が充分期待できるよう、管理職の人事管理スパンの引き下げは必要不可欠だと思います。そのために、いわゆる高等学校標準法における教諭等の数、これは第9条に書いてございますが、そこにある教頭の定数を別立てにする法整備の検討と、その上で、教頭の複数配置の検討が必要と考えております。
2点目は、司書教諭の配置についてですが、現在12学級以上の学校に司書教諭が配置され、司書教諭が図書館運営を担うことになりました。しかし、都道府県により、司書教諭は司書業務を専任として配置されているとは限りません。というのは、教科定数の一部として配置され、教科指導等、司書教諭の職務を兼務している実態があり、図書館運営は図書館司書、あるいは図書館の運営を助ける教員、それから成る分掌、委員会等により、辛うじて運営が維持されています。現在、学校図書館は国語力の向上、あるいは教科指導の支援、読書習慣の定着、あるいは総合的な学習の時間の支援、ひいては学校の情報センター化の役割を担うため、一層のその重要性を増してきていると思っております。また、生涯学習を展望したとき、生徒の自学自習の態度形成にも重要な役割を持っております。ですから、司書教諭の配置については、教科定数に入れるのではなく、独立した定数として配置できるよう、配置に関する基準等を整備してほしいと考えております。
以上でございます。
【小川座長代理】 ありがとうございました。この後の教頭会もかなり内容についてはオーバーラップしていることもありますので、できましたらこの後、教頭会のほうの関係者からも今ご報告いただいて、それと質疑応答についてはご一緒にさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
教頭会の関係者の方、すみません、前のほうにお願いいたします。
教頭会につきましても配付されている資料につきまして、大体5分程度で報告いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【全国高等学校教頭会】 では、よろしくお願いします。
高校の実態につきましては、今、校長会からお話があった、そのとおりでございます。その中で、一応そのプリントにありますように要望とその理由ということを話しております。先ほどの話の中にも、30人学級にすると、もう予算的にそれは無理だというようなことで、実質、高校の授業からいいますと、その理由の2番のところに、ほんとは20人ぐらいで授業ができれば一番理想は理想だと思います。ただ、現実は、経済的、予算的なことで、それは無理だということです。先ほど言ったように、進学校であれば、生徒は割りと一生懸命自分から勉強するという姿勢がありますから、それなりに40人いても、ある程度授業はできるかなと思うんですが、いわゆる底辺校、あるいはあまり勉強が得意でない生徒が集まるような学校だと、やはり授業そのものを成り立たせるのが厳しく、それで入ってくる生徒もすごく学力差が大きいわけです。ですから、そういう生徒に対応するためには、やはり少人数でできるような形をつくっていただけないか。だから、一律というよりも、学校ごとに差をつけてもいいのではないか。要するに、校長がこれは必要だと思って要求したら、それはある程度認めていただけるようなシステムをつくっていただければいいかなと思っております。
それからあと、そういう少人数にしても、これはまた教員配置とは離れますが、文部科学省で今まで10であった黒板とチョークの授業じゃない、ほんとの1人1人を活かすような授業の方法を考えて、それを広げるような取り組みをしていただければなと思います。
それから最後に、校長会で言われました教頭複数配置の問題ですが、やはりこれは教頭会としても要望したいと思います。この数年、教頭の仕事がすごく増えてきております。いろいろなところで人事考課制度等を導入してくるわけですね。そのときには、授業観察、それから面接等をしていかなければならないわけですが、その分は1人大体1時間。面接と授業観察で1人1時間かかります。それも1学期2学期3学期でやっていきますので、相当膨大な量になっていきます。それを1人でこなし、かつ、教育委員会から来るいろいろな報告書等を作成していかなきゃならない。あるいは、生徒指導の関係で問題が起こればそれを解決していかなければならないということで、今、教頭の仕事はすごく多忙になっていて、まず大体ほとんどの人が12時間以上勤務していると思います。そういう実態がありますので、是非教頭複数制で、6番目の理由のところに書きましたように、それにプラスして、今、地域、家庭との連携というような話もありまして、外に出ていかなければならない、そういう機会もたくさんあります。そういう面で、2人いれば、1人は内部のことだけ専念する、もう1人は対外的なことをやるというような形で仕事の割り振りもできるかなと考えますので、是非教頭複数配置の件はご検討お願いしたいと思います。
以上です。
【小川座長代理】 ありがとうございました。では、校長会、教頭会2つを一緒に扱って、これから議論していきたいと思います。委員から自由にご意見があれば出していただければと思います。では、宮崎委員どうぞ。
【宮崎委員】 何点かご質問したいと思います。高校の実情について、校長協会のほうからお話しいただきました。改めて高校の実情がよく分かりました。
教頭会と校長会、それぞれのペーパーでご質問したいんですが、まず教頭会がお話をされた中で、1番の要望についての ですが、学校の実態に応じて教職員の増減が可能になるように、学校長の裁量権を拡大してほしいと、具体的にこれはどんなことを指すのか。前後して、例えば習熟度別の授業ができる教員配置と少人数学級ということが具体的に書いてあるんですが、一体この意味でいう裁量権というのはどんなことを指しているのかというのが1点です。
それから、校長会で最優先課題ということで、幾つも挙げてあるわけですが、実態からしてこういうことはとても大事なんだということはよく分かったんですが、その中でもプライオリティーをつけるとすると、どんなことが一番望まれるのか。特にここでは教職員配置の在り方に関する検討をしているわけですので、今、この部分はものすごく大事なんだということを、なかなか優先順位というのは難しいんだろうと思うんですが、具体的につけるとすると、どんなことなのかというのを改めて教えていただければと思います。
【小川座長代理】 では、教頭会のほうからお願いします。
【全国高等学校教頭会】 学校の実態において教職員の増減が可能となるというのが、先ほどお話ししたように、進学校のレベルと、それから底辺校のレベルと、そういうところで、それは学校の実態ですね。それで、学校長がやはり学力差が大きいから、少人数、あるいは習熟度別、そういうふうな形で、もっと少ない人数で授業をしたいと思ったときに、それが実現できるような形というふうに考えております。
特に、底辺校、学力が低い生徒ほどやはり個別のこともやっています。今、東京は、エンカレッジスクールですか、そういうところで、いろいろ。そこはすごく東京都で人数を厚く配置していますので、普通の学校よりも倍ぐらいの教員が配置されていて、個別の指導をしている。それは東京都の教育委員会が指定されているからそれができるんですが、他の学校でもそういうことをやりたいと言ったときにできるような形にしていただければありがたいと思います。
【全国高等学校長協会】 優先順位をつけるとどこかということですが、優先順位としては、やはり高校段階で教える内容が増えている、こういう実態に応じて、教職員がゆとりある配置をしていただきたい。ただ、これは都道府県の運用によって高等学校の場合にはありますので、その総額自体を増やしていただかないと、高等学校の場合には直接はね返ってこないと考えております。いわゆる教職員が入ってきた子どもをきちっと鍛えて育てるというための教員配置が、一番優先順位が高いのではないかと考えております。
【小川座長代理】 宮崎委員、それでよろしいでしょうか。では、渡久山委員、どうぞ。
【渡久山委員】 1つは、教頭の複数配置ということについてなんですが、それは前提として人事考課の問題がありますし、また報告書等いろいろあると思うんです。やっぱり報告書の作成とか、これが非常に煩雑になっているといういろいろなこともありますが、もう少し実態として、これは一般教員も多忙化だろうと思いますが、特に教頭としてやっている仕事の中で、もう少し合理化できないのかどうか、事務ですね。これは少し具体的にどんどん増えていくばかりが教頭の仕事みたいなんですが、減らす方向で、何を減らしたらいいのかというのをもっと具体的に、もしもあるとしたらそれができないかというのをちょっと教えてもらいたいなというのが1つです。
それからもう一つは、ここで理想的に20人学級というのは校長会からも出ていたわけですが、やっぱり今の高等学校の中においても、数学とか英語とか、あるいは生徒によっては20人学級というような指導が非常に学力差等の問題等で必要だという話なんですが、これはどの程度、こういうようなことの要求というか、必要度、ニーズがあるのか、これを教えていただきたいと思います。
【小川座長代理】 それぞれ2つの団体でよろしいでしょうか。では、校長会のほうからお願いします。
【全国高等学校長協会】 教頭会の複数配置についてでございますが、教頭が新たに教員評価制度、これは大事な教員を育てていく、人材育成という観点からは、いわゆる経営の観点からは大事な仕事になってきていると思っております。やはり自分の学校の教員をそういった能力開発、そういったものできちっと鍛えていく、それは教頭、あるいは校長、管理職の大事な仕事になっている。何を減らせばいいのかということについては、実務面については、今ここですぐにはお答えはできませんが、新たにこれは全国的な形で入ってきている大事なものであり、人事管理制度については能力主義、こういったものは、これからも主流になるだろうという前提でお話をいたしました。
それからもう2点目は何でしたですか。
【小川座長代理】 20人学級の具体的なニーズがどの程度あるのかという、そういう話です。
【全国高等学校長協会】 校長会の場合には、20人学級というのは示しておりませんが、習熟度、少人数、あるいはティーム・ティーチング、こういったものについての一定の成果は表れていると思っております。特に、積み重ねの必要な数学であるとか英語であるとか、あるいは国語、こういったものについては、学力差に応じて学級編制ができるような形、そのための教員配置が必要であるというふうに言っております。何人という形については言っておりませんが、今現在行われているものは、3クラス2展開、あるいは1クラス2展開、そういった形で、1クラス2展開だと20人、それから2クラス3展開になると30人ぐらいという形でやっております。
【小川座長代理】 では、教頭会お願いします。
【全国高等学校教頭会】 教頭複数制で仕事の量が増えているということですが、これは教育委員会の縦割り行政の1つもある。私たちも教頭の仕事をどうにかして減らせないかと考えていますが、ところがやっぱり縦割りなので、調査ものは2箇所の違う部署から同じものが来るわけです。それに対して、それぞれ対応して、答えていかなければならない。それを1つに済ませてもらえば少しは仕事の量は減るかなと思います。
それから、学校現場はどういう状況かというと、前例踏襲主義で昨年と同じことをそのまま繰り返している。学校長が新しいこと、これをやろう、あれをやろうと思ったときに、なかなか教員が動かないという実態があります。そうすると、教頭がまずはそれを全部背負って、自分が動かして何人かの教員仲間をひっつかまえて、それで一緒にやっていくということをやらないと、なかなか学校現場というのはうまくいきません。会社みたいにぱっと命令して、すぐぱっと動くような、そういう組織ではありませんので、そういう面で、今、こういう学校改革の波がたくさん来ている中で、新しいことをどんどんやっていかなきゃならない。そうすると、そのトップ、そのリーダー、その先頭に立って教頭がやらなきゃ動かないということで、それだけ教頭の仕事の量が増えているとご理解していただきたいと思います。
それから、20人学級なんですが、やはり今の高校に入ってくる生徒は、学力差がすごく大きいです。そこそこ勉強する子もいますし、あるいは全然勉強してこない子もあります。それからあと、家庭での学習時間はまずほとんどありません。そういう生徒たちに勉強させるということは、なかなか40人、あるいは40人を前にして先生が一律、言ったからといってできるものではありません。ほんとにその1人1人を育てていこうと思ったら、理想的に言えば、その1人1人に応じた課題を与えて、それをチェックして、どこまでできたかということを見て、それをまたやるというところが必要になってきます。
本校を例にとりますと、やはり中学校段階で、あるいは小学校段階で数学なんかはつまずいている子もいるわけです。そうすると、そういう生徒に対しては、小学校段階、中学校段階に戻って指導していかなきゃならない。でも、それが全員がそうではないわけですね。もうそういうことが分かって、高校の勉強ができる生徒もいるわけです。それを習熟度でやっても、その習熟度の中にまたすごく大きな差が出てくるということで、なかなか1人1人の力を伸ばそうということについては、高校の授業が非常に難しいということが言えます。
【小川座長代理】 渡久山委員、それでよろしいですか。
【渡久山委員】 もう一つ。そういうように、教頭も教員もいろいろ忙しいと思うんですが、実は高等学校の場合は交付税化されておりまして、そのかわり定数は標準法で決められているんですが、統計によりますと、二十数県が標準法を割っているんです。配置されていない。そういうことについて、校長会なり教頭会なりで、改めて教育委員会なりに是正措置要望なんかを出されていらっしゃるんですか、どうですか。
【小川座長代理】 どちらか、今の質問で何かお答えできるものがあればお願いします。
【全国高等学校長協会】 おっしゃるとおり、交付金で各都道府県がその運用については裁量に任されているんだと思うんですが、それについて増やしてくれというふうなことについては、多分、会長のほうから言っているんだろうと思うんですが、これについては、各都道府県の裁量で運用のものですから、如何ともしがたいという感じは私たちのほうでは持っております。交付金の場合に、各自治体の財政事情によっては大分その差が出てくるのかなとは考えております。
【小川座長代理】 教頭会のほうから何かございますか。
【全国高等学校教頭会】 特にありません。
【堀内委員】 いつもこの定数の問題を考えるときに、義務教と高校と比較をしながら考えざるを得ないんですが、校長会のご意見として、最後に今2点、教頭の複数化の話と司書教諭の話ですね。これは大変よく分かるんです。やっぱり小中に比べて規模の大きいこと、それから子どもたちの学習内容そのものを考えた場合に、およそ高等学校に共通する問題としてこの2点というのはよく分かるような気がするんです。ところが、教頭会のご意見にもあったんですが、学校格差がやっぱり歴然としてあるし、各県とも普通学校を広域化して、それがやっぱり傾向としては大きくなるだろうと思うんです。そうしますと、定数で縛るということが高校にどこまで馴染むのかという、そういうお話はされませんでしたが、例えば東京の例も多分その1つの面もあらわしていたんじゃないかと思うんです。だから、もちろん専門教科は別にしまして、普通科の高校で1,000人の高校がA、Bありますと。だから、学力、偏差値で言うと20から15ぐらいの開きがあります。ところが、数で割ったら同じ教員数になります。それはおかしいと思うんです。こう言うと実態を知らないとおしかりを受けるかも分かりませんが、あまりにも高校の先生にいろいろ話を聞いていて、実は先生の数が足らないとか忙しいという話はほとんど聞かないんですよ。もちろん、私の接している学校はそうかも分からないけれども。だから、小中に行ったらどの先生に会っても、忙しいから何とかしてくれという話ばかり出てくる。確かに、何人学級みたいな話をしますと、今言ったご意見になると思うんですが、どうも定数の問題というのは、高校の場合、違う次元で考えなきゃいけないのかと。私はずっと前の、第7次のときからそういうことを考えているんです。
今日、お話伺っていて、もっと大学の方が深刻じゃないかと、逆に言いますと。大学の格差なんてたくさんあるんですが、40人、50人、語学をやっている大学というのはざらにあるわけですよね。英語の授業を、例えば50人学級でやっていると。そういう話をしても、学力の格差も、英語なんていうのは高校のレベルで、なんていうことを考えますと、高校並みの格差があって、そういうふうになってしまっている。ここでの議論は高等局とは関係ないんですが、私学もありますけれども、やっぱり次元を変えて検討しなきゃいけない。分かりやすく言いますと、公立高校のお話でしょうから、県、政令市で、学校に応じたような、総数が100なら100としたときに、機械的にこの学校に10、この学校に10ではなくて、さっきのように同じ生徒の数があっても、ここは10、ここは8でいいみたいな、そういったことが先にあったほうが、今のご意見も踏まえまして、より現実的な対応になるんじゃないかなと私は思うんですね。ちょっと質問にはならないかも分かりませんけれども。
もう一度繰り返しますと、校長会が言われた、最初の2つの点ですね。教頭の複数化、これは絶対数といいましょうか、教職員の数からいいましても、必要であると思っています。職員の場合もそうなんです。2つの話は、私の意見なんですが、最後に、教頭会のほうのお話で出たんですが、これも感覚的な言い方で恐縮なんですが、教科の縦割りを何とかしていただかないと、校内の有効な人材の配置・活用というものができないんじゃないだろうか。持ち時間、平均数が、例でしょうが、教科による差というのも中学校以上だと思います。学校差も大きいと思います。そういったことで校務分掌を、例えば持ち時間の少ない先生に校務分掌によりいろいろな形の仕事をしていただくとか、協会の代表の方を前にして大変口はばったい言い方をしますが、学校としての経営裁量をすべき問題、人の時間の問題ですね、まだまだ高校の側には多くあるような気がするんですね。そういった面も含めて、やはり教員の数の問題というものを、違う次元で考えていただくということが私は必要じゃないかと、私個人、全く私的な意見で恐縮ですが、思っているということです。
【小川座長代理】 今の堀内委員のご意見について、校長会、教頭会のほうで何かお考えございましたら、ご意見いただきたいんですが。よろしいですか。
【全国高等学校長協会】 高校標準法の前に、前回のところでも1クラス2.5人とか、それを定数に改めるというのがございましたよね。いずれにしても、これは各都道府県に委ねられていくわけですよね。ですから、それを縛るのはどうなのかなという意見は校長会としても持っています。各都道府県の、今おっしゃられた、困難校には定数こうだとか、それは多分、今の流れの中ではできないのかな。ただ、それは都道府県自体が県教委、あるいは都道府県教委が、きちっとその辺のところを考えてほしい。
それから、学校の格差は実態としてはあるということは、これはもうそれを前提に考えなければいけないと思っております。どこの学校も一緒ではないし、学校のミッションもそれは違うということでございます。それに応じて学校経営をしていかなければいけないと考えております。
【小川座長代理】 あと、堀内委員の最後のご意見で、教科の縦割りの配置のところが、かなり厳密に運営されているんで、それをもう少し柔軟にして、校内での教員の配置運用ということで、もっと工夫できるところがあるんじゃないかというご質問だったんですが、それについては何かございますか。
【全国高等学校長協会】 学校の中の定数については校長の権限で、教科定数については変えられますから、それはそれで1つは、校長の権限の中でできるんだろうと思うんですね。ですから、お尋ねの意味がちょっと不明確で、しっかりと答えられませんが、学校の中の教科定数については、必要なところに教科定数を持っていけばいいわけで、例えば数学が必要ならば、社会から1人をこっちへ持ってくるということは学校の中での権限の中でできることですね。
【横山委員】 高等学校の実態をいいますと、これは標準法を上限と考えているわけですよ。だから、これが上限ですから、標準法を上限として、かなり弾力的なんです、高等学校の教員配置というのは。その一方で、先ほど来、学校の格差という話がありましたが、これは格差じゃないんですよ。今、高等学校というのはそれぞれが、例えば都立の高校でいえば、それぞれの校長が学校計画を作るわけですね。好きなように作っていただきたい。それぞれの学校は特色化を出しているわけですね。これは格差でも何でもなくて、もし今おっしゃった格差が学力レベルの話をしているんだとすれば、これは当然あるでしょう、これはね。ただ、今はそれぞれの学校が特色を出した教育課程を組んで、高校運営をやっていくという過渡期にありますんでね。これは、私は格差とは考えていないんで。
私がお聞きしたいのは、例えば、教頭先生が非常に忙しいというのは、私も実感としてよく分かってます。ただ、その中でも、先ほどおっしゃったけれども、縦割りで同じ書類が3つも来るなんてことはあり得ないです。もしあるんなら示していただきたい。それで、実は私は一番不思議なのは、学校は組織でありますよね。その中で校長と教頭の役割分担について、本当に疑問がないのかどうか。これは非常に言いにくいと思うんですがね。私は、実は教育委員会の中で携わっていた、そこら辺が非常に整理されていないような気がするんですね。例えば人事考課の問題にしても。教頭の場合に複数配置というのは、今、原則的に全・定併置でもやっていますね。それは役割分担ができるから。そういう意味で、もしお答えにくいでしょうが、校長と教頭の役割分担というのが、全く今のままで正常だと考えておられるのか、あるいは改革すべき点があるのか、この辺、もし、お答えにくいですか、やっぱり。
【小川座長代理】 どうぞ、何かお考えございましたら、どちらでも構いませんけれども。では、教頭会のほう、よろしくお願いします。
【全国高等学校教頭会】 非常に微妙な問題でお答えにくいんですが、私見であるということでお断りした上で。
実は、横山教育長には、お目にかかりたいって申し上げたんですが、実はお目にかかれないという教育委員会の、それこそ縦割りの仕組みがあるんですね。横山先生、ないとおっしゃっていますが、例えばつい最近で言えば、指導企画課から来る書類と、高指課から来る書類、内容的には同じものなんですが、文科省のほうから発出されている、多分、課が違うんだろうと思うんですね。ですから、それがそのまま直接下りてくるということで、そういうケースは多いとは言いませんが、やっぱり年間の中ではかなりあると思います。
そういう発言をすると、後ほど怒られてしまうかもしれませんが、私自身は、今、横山先生がおっしゃったことで言えば、校長と教頭、多分その辺の視点を東京都は校長と副校長という表現をすることによって、学校経営の在り方についてもう一度管理職として考えろという視点があったんだろうと思うんですね。ですから、そういう部分で、今後、東京が校長と副校長が管理職としての在り方を考えていくということは、多分、将来割と近いところの課題としてはあるんだろうと思っています。ただ、そのことが全国的な校長と教頭との関わりということになっていくのかどうかということについては、また別の問題かなと思っています。
ただ、複数ということでいえば、今の実態からいえば、本当に40人規模の教員を年間、授業観察1回と評価と面接ということでいえば、単純に考えると年間で9日間、1人について費やしているという事実がありますので、それを40人分で9日間ということでいうと、もう360日になってしまうわけですね。もちろん、360日の中で、1日1時間はその人につき合っているという感じでやっていけばできるだろう。それがなれてくれば、問題はないんでしょうが、なかなか、正直なところを申し上げますと、先ほど、もっと教頭の仕事を下におろすことはできないのかというご指摘もありました。そういう形で主幹制度とか主任制度というのは存在しているんだろうと考えていますが、それも実際に定着するまでには、まだ時間がかかる。どれくらい主幹なり、あるいは主任が調査ものを代わりにやってくれれば楽かということはありますが、実態としてはまだまだそういうふうにはなっていない。ただ、目指そうとしている方向は、東京はそういう方向にあるんだというふうには、校長先生方も我々も認識はしているというところです。
あと、横山先生がおっしゃったことでいえば、学力の格差は大きい、その格差は現実にあるということですね。学校の格差は確かにおっしゃるとおりないと思いますが、学力格差による、要するに教員及び管理職、校長先生も含めて多忙であるという事実は、やっぱりぬぐえないと思っております。
【小川座長代理】 横山委員、それでよろしいですか。
【横山委員】 縦割りの弊害は直しておきますから。
【小川座長代理】 では、渡久山委員、どうぞ。
【渡久山委員】 私が申し上げたのは、次に、日高教の要求が出ているんですよね。そうすると、1つは、標準法によって配置をされているはずなんだけれども、そうなっていないということに対して、やっぱり今のように20人ぐらいまでやらんと学力差の解消にならない、あるいは授業の工夫が必要だということであれば、やっぱりきちっとした定数要求をすべきじゃないか。ただ教員組合だけに任せていていいのか。管理職自身が、もっときちっと積極的に学校の子どもたちの学力差を解消したり、あるいは授業を充実させたりするための努力が必要じゃないだろうかというようなことを、3つちょうど載ってますから、見て感じたんです。
それから、教頭が忙しいからって、また教頭を下におろすというのは、そうじゃなくて、やっぱり今のような複数に来ているような書類なんかを、どういう形で改善していくのかというのは、僕は教育委員会とか、あるいは文部科学省とかというところも反省というか、議論せんといかんと思いますが、学校現場がそれをやっていかんと改善にならないと思うんです。何でかというと、こういう書類は必要じゃないんじゃないか、あるいは、こういう書類については毎年やるのか、何年かに1回でいいんじゃないか、あるいは半年に1度だっていいんじゃないかという、こういう具体的な事務の合理化のための研究を、やっぱり具体的にやっていただかなきゃいけないだろう。
なぜかというと、今の標準法は、基本的には授業定数になっているんですね、教頭だって。だから、授業をすることが前提であって、校務分掌をすること、事務をやることが前提じゃないんですよ。そうであれば、もう少し自分たちが今法律的に要請されているものに対して、もっとシビアな仕事上の管理といいますか、あるいは区分といいますか、あるいはまた合理化といいますか、それをやっていかれることが非常に大事じゃないかという気がいたしたものですから、次に、日高教が出しているもの、もっと具体的に、例えば事務職員ももっと増やしてほしい。それで、その事務量というものは、教頭の事務との関係、あるいは学校、校務分掌との関係でもたくさん出てくると思うんですね。そういうようなことを少し、もっと学校現場で議論をしていただければなという気がしたものですから、そういう質問をしたんです。
【小川座長代理】 今のは委員のご意見ということでよろしいですよね。
ほかに。時間が予定の時間を30分オーバーしていますが、せっかくの機会ですのでよろしいですよね。他にどうぞ、ご意見やご質問がございましたら。では、どうぞ。
【角田委員】 ちょっと高校の実態がよく分からないものですから教えてください。
先ほど、校長会のほうから、16クラスで40名という具体的な数字が出ましたが、例えば、これで1人当たりの持ち時間数というんでしょうか、この辺のところは教科によっても差があるだろうと思うんですが、例えば最高このぐらい持っているよ、最低だとこのぐらいだよ、その辺が分かっていたら教えていただきたいということが1つ。
それから、教頭の複数配置をした場合に、先ほど教頭会のほうでは、内と外で分けるというふうな言い方をされたんですが、そんなに単純な分け方でいいのかどうか。もう少し、複数配置になったときに、逆に困るようなことがないのか。もう少し検討されているものがあったらば教えていただきたい。
以上です。
【小川座長代理】 では、2点について、どちらからでも構いませんけれども。
【全国高等学校長協会】 持ち時数について、全国的な調査をしておりませんが、本校の場合で一番多いのは18、標準の18、それから、少ないのは14という形で、教科の中で。それから、当然、異動の中で生じた過員がつけば、その教科は当然持ち時数は下がるという形になります。ただ、それは、過員の場合には1年限りという形ですので。
以上です。
【小川座長代理】 では、教頭複数配置の問題。
【全国高等学校教頭会】 教頭複数配置についての内と外というのは、あくまで一例でありまして、現実的には校長が、本当は第1教頭、第2教頭というふうに差をつけたほうがいいと思うんですが、それでそれぞれの担当する分掌、あなたはこれ、あなたはこれというふうにきちっと振り分けておくということが必要になってくると思います。
【小川座長代理】 ほかにどうでしょうか。よろしいでしょうか。
時間オーバー、30分超過しました。どうも失礼しました。貴重なご意見、ありがとうございました。今後の審議に参考にさせていただきます。
では、最後になりますが、日本高等学校教職員組合にお願いいたします。
では、また配付の資料に基づいて、ちょっと短いですが、5分程度ということで、よろしくお願いいたします。
【日本高等学校教職員組合】 日本高等学校教職員組合の書記長をやっております小林と申します。よろしくお願いします。
まず、私たちの高等学校・障害児教育諸学校の職員を巡る状況ということで、まず、児童・生徒を取り巻く環境の変化ということで書かさせていただきましたが、ご案内のように、一言で言えば、子どもたちが多様化しているということで、その原因としましては、情報化、いろいろな有害情報の氾濫ですとか、または社会の変化ということで、核家族化、少子高齢化、離婚の増加とか、都市化とか、そういった状況がありまして、家庭、地域の教育力が低下をしている傾向にあるというようなことが指摘されているような状況。また、いじめ、不登校に加えまして、最近では引きこもりですかと、薬物乱用、凶悪犯罪、性の逸脱行為等が増えている状況、また、近年、所得の二極化が進んでいるというようなことで、家庭環境の格差が学力間の格差を生じさせているような指摘がございます。また、学校から社会への接続ということでフリーターやニート、そういったものが問題になっているという状況がございます。
また、障害児教育におきましても、障害の重度・重複化、多様化が進むということで、特別支援教育に今後転換していくというようなことで、共生共学の意義が広がりを見せてきているような状況かと思います。
我々教員を巡る状況でございますが、先ほども校長会からも指摘がございましたが、5日制の導入等に伴いまして、学力向上というような観点から、学習時間の確保、これは0時間目とか7時間目の授業をやっている。また、生徒の学力格差の対応ということで、習熟度別の学習ですとか、朝の読書指導というようなことをやっていたり、または、教育のIT化、進路指導、カウンセリング等、非常に対応面で多様化しているような状況がございます。
また、進学校なんかでは、土曜日、PTA等の要望によって学校を開放している。また、部活動、平日の時間外ですとか土日等、非常に教職員、負担感を感じているところでございます。部活動につきましては、教育効果が非常にあるというようなこともあるわけなんですが、非常に最近は、なかなか持ち手を選ぶのが厳しいというような、顧問を選ぶのがなかなか難しくなっている状況もございます。
また、開かれた学校づくりを推進するために評議員制度、学校評価、教員評価など、新たな制度が導入されているため、その対応のための多忙化が進んでいる。
また、教員の資質向上の観点ということで、最近、免許の更新制ですとか、専門職大学院というようなことが言われてございますが、研修の重要性は私たちも認識しているところでございますが、それに伴いまして、様々な初任者研修、10年目経験者研修ですとか、そういった学校を離れた研修の機会が増加しているということで、子どもたちと接する時間が少なくなってきている現状があるかと思います。
非常に多忙感が年々顕著になっていくという中でも、教師の資質向上が問われております。また、ここには書きませんでしたが、病気休職者のうち、精神性の疾患が非常に増えているということで、平成4年から15年までの約10年間で約3倍ぐらいにデータ的には増えているという状況がございますので、非常にそういった教師の多忙化だけではないのかもしれませんが、そういったことで忙しさが、そういう精神性疾患のようなものにもなっている状況があるのかと考えております。
定数に関しましては、こういった現状を認識いたしました上で、生徒・児童一人ひとりのニーズにあったきめ細やかな指導に当たるには、現状の定数はさらに改善されるべきと考えております。
特に、学校の実情に応じて特色ある学校とか、または生徒指導の困難性ですとか、進路指導の充実、または研修の充実、事務処理の負担軽減、そういったものを考慮しまして、それに見合う教員数とすべきと考えております。また、資質向上が求められておりますので、そういった教員の自主的な研修等を、さらにとりやすくするためにも増員は必要なのではないかと考えております。
まず、最初の でございますが、生徒の定員ですが、これは学校の実情に合わせた柔軟な対応をすべきと考えております。特に高校では普通高校、専門高校、職業系の学校ですとか、定時制、通信制ということで、その展開のスタイルが様々でございますので、ニーズも違うということで、実態に合ったものとしていただければということで考えております。一般的に言えば、きめ細やかな指導のためには1クラス30人程度が理想的ではないのかなと考えております。
また、児童・生徒の家庭環境の変化がありますので、健康指導ですとか「食育」、カウンセリングの充実等が図られなければならないということで、養護教諭、栄養教諭、スクールカウンセラー等を充実していただければと思います。
また、現業職員等につきましても、学校教育を進める上で多様な職務があります。仕事を通じて生徒の活動を支援しておりまして、当然、定数法に位置づけられるべきと考えております。
また、事務職員に関しましても、生徒と接しながら学校の施設管理、経費の出納等を行っておりまして、学校のマネジメント、経営に携わっております。今後、情報公開ですとか、地域社会との連携等をする上で、窓口としての仕事も増えてくるのではないかということで予想されますので、定数の拡充を求めたいと考えます。
また、近年、学校の安全対策、または個人情報保護法なんかも施行されまして、そういう情報機器の管理ですとか、または情報の管理、そういったものも喫緊の課題となっておりますので、そういった形の専門職員を配置いただければと思います。
また、特別支援教育の転換ということですので、盲・聾・養護学校への理学療法士等の専門職員といったものを確保していただきたいということと、特別支援コーディネーターの配置を求めたいと思います。
これら、定員確保ということで、非常に難しい状況ではあるかと思いますが、十分な予算措置が必要であると思います。特に義務教育費国庫負担制度は堅持されなければならない。また、様々な教育課題に対応するために優秀な教員を確保するための人材確保法が果たしてきた役割は極めて大きいと思いますので、財政論によりまして、これらの制度の廃止を求める意見もございますが、これらの制度が維持できなければ教育の水準は守れないのではないかと考えておりますので、是非、改善をお願いできればと思います。
以上でございます。ありがとうございました。
【小川座長代理】 ありがとうございました。
委員からご質問等がございましたら。橋本委員、どうぞ。
【橋本委員】 高等学校のことがあまりよく分かりませんので教えていただきたいと思います。
今、ご意見としていただきました内容については、ご説明がありましたので分かりやすい内容だと思っておりますが、教職員、日本高等学校教職員組合として取り組みをされている最重要課題、3点ほど、ありましたならば教えていただきたいと思っております。それを伺った上で、もう少し伺いたいことがありますので、よろしくお願いしたいと思います。
【小川座長代理】 では、まず最初に、今の質問にお答えいただけるでしょうか。よろしくお願いします。
【日本高等学校教職員組合】 特に今、最重要点と言われても、これというのをすぐに思いつかない部分もあるんですが、私の今思っている、頭の中に入っていることで発言させていただきたいと思うんですが。
まず、学校の生徒が非常に学力の、極端に格差が拡大しているというのが非常に大きな問題かと思います。所得の格差が学力の格差を生んでいるという報告もございますが、非常にそういった面では学力の格差を何とかしなければならないと考えております。
また、生徒の授業料の未納者といいますか、お金が払えない子どもたちが近年増えていまして、それに対応する事務職員の方も非常に苦労をしているということもあるんですが、担任が行って、授業料を取りに行くという、非常に嫌な思いをしながらやってこなければならないということで、そういう奨学資金ですとか、または授業料減免制度といったものも改善していかなければならないと考えています。
あと、5日制が入ってきまして非常に多忙化をしているということで、土曜日、日曜日、本当に休みもなく働いている教職員が多いわけです。そういった教職員の負担軽減といいますか、そういったものも非常に重要な改善テーマだと思っております。特に土曜日は勤務日になっていないところがございますので、学校へ来る途中の事故ですとか、そういった補償もままならないという状況がございますので、その点については非常に危惧をしているところでございます。
今ぱっと思いつくのは、その辺ところです。
【橋本委員】 今、3点お伺いいたしましたが、その中で1つ1つ、対応なさっていることと思いますが、特に先ほど、裏面になりますが、教職員の定数と学級編制基準の改善についてのところで、教職員の増員をお願いしたいというところが何カ所かありますが、私は義務教育の立場ですので、高等学校の教職員定数は小・中に比べると大変多いなと思っているわけです。先ほど、校長それから教頭会の方々にご質問もありましたが、困難校であるから大変で増員が必要。困難校でなくて、進学校であるから大変ではなくて、増員は必要ないのではなかろうかということではなくて、それぞれが特色ある学校、今の課題に対して、だから教員の定数の増員が必要だということが、分からないところが何点かありました。
これは、義務教育に比べて、すごく定数が多いものですから、それに対して、どのような課題を抱えていて、それをどのように取り組んでいるんだろうかということが伺いたかったところです。基本的に大変なのは分かっているけれども、先ほどの課題とどう結びついていくのかなということが、分かりにくかったということです。
【小川座長代理】 質問の意味は分かりますよね。何かお考えがあれば、よろしくお願いします。
【日本高等学校教職員組合】 先ほども、1人の教員の持ち時間が、最高が18時間で最低が14時間ぐらいということで、義務の先生が24時間とか25時間ぐらいですか、そのぐらいの時間を毎週持っているわけですね。それから比べれば、時間数にゆとりがあってそんなに大変じゃないんじゃないかというようなご意見もあるかもしれません。私は農業高校の教員でして、ちょっとまた違うと思いますので、後で委員長のほうから補足してもらえればと思いますが、農業高校というような特色ある学校でございますので、その間に、教材の準備ですとか、実験・実習を非常に多く取り入れていますので、その準備等にかなりの時間を費やすんです。生徒に生き物とかそういったものを見せなければなりませんので、そういうような部分では非常に時間がとられてしまう部分がございます。また、非常に最近、事務量が多くなりまして、空き時間は生徒の奨学金の手続の準備ですとか、いろいろな文書が回ってきましてその処理に追われているというようなことで、かなり厳しい部分がございます。また、定数に関しましても、うちの学校でございますが、選択指導または習熟度学習、さっきの学力の二極化もありますので、習熟度別の学習をやっていますので、実際には1クラスを2つに分けて別個に授業を展開したりですとか、または実習なんかも2つに分けてきめ細やかな指導をしているというようなこととか、また、場合によっては1クラスを3つに分けてというようなことで多様な展開をしていますので、持ち時間数よりはかなり多い時間をやっているような状況がございます。
【小川座長代理】 委員長のほうから何かございますか。
【日本高等学校教職員組合】 私、委員長をしている早川と申します。
英語におきましては、現在、空き教室というのがあるんですね。前は1学年12学級でしたが、生徒数が減りまして、現在6学級ぐらいになっています。その空き教室を利用しまして、6学級を8クラスに割って、そうすると30人ぐらいになりますね。そういう形でやっておりまして、でも定数は増えないということでやっているわけですが、そういう形で人数的にはぎりぎりという線かなと思います。
それから、部活動が高等学校の場合は教科と同じなんですね。義務制との違いは、部活動に対する考え方が違うというふうに言われています。高校では教科指導と同じような考え方を持っておりまして、これが今、夏ですと、7時、8時ぐらいまでグラウンドでやっております。そういうのが毎日続きます。責任が非常に重いですよね。顧問がいなくて事故があった場合どうなるか。何千万という損害賠償を請求されます裁判になります。ですから、絶えず顧問は部を見ていなければならないわけです。そういう仕事が高等学校の場合はあるわけです。それから、体が大きいんです。高校生は、もう180センチだとか、体の大きい子がものすごく多いわけです。しかも教科内容もかなり難しくなってきますし、それをどう教えるかということ、根本原因は私は家庭の問題だろうと思います。
小学校のいろいろな先生方に聞いてみますと、親が面倒を見ないとやっぱり子どもは勉強しないですよ。子どもが意欲がないとかやる気がないといったって、スタートはやっぱり親ですよね。「今日の宿題なんなの? あそう、では、出してごらん。へー、こんなことやってるの。では、こうやってみたら?」とかですね。まずは親が先生ですよね。ですから、家庭教育ができない親がかなり多いんですね。そこが僕はスタートかなというふうに思っているんですけど。以上です。
【宮崎委員】 ここに書いてあることで、少し日高教のお考えをちょっとお聞かせいただきたいんですが、職員をめぐる状況の中の1の(1)の最後の に、特別支援教育への転換を迎え、共生共学の意義が広がりを見せている、こういうご認識だと思うんです。このことに関しては、その後の高校としての考え方の中にはこの部分は取り上げてなくて、最後に盲聾養護学校の部分で特別支援教育コーディネーターの配置を望むということで、ここではお書きになっているんですが、高校として共生共学の意義の広がりを見せているという視点で、今後の在り方として、高等学校教育の中でこのあたりに何かお考えがあったらお聞かせいただきたいということです。1点だけお願いします。
【日本高等学校教職員組合】 特別支援教育の転換に関して、高校ではどう考えているかということですね。
これはうちの中でもかなりいろいろな意見がございまして、私も専門ではないものですから、はっきりとしたことは申し上げられないんですが、行く行くは共生共学というようなことで、高等学校にもそういった障害を持った児童、生徒さんが入ってくるというようなことが前提になってくるのではないかなと思います。実際に私の県、栃木県でございますが、何校かにはそういった生徒さんが入ってきて、エスカレーターを設置するというような必要性が出てきたり、そういった現状もございます。そういった子が入ってくることによって、周りの子が障害の理解を示すとか、共に学び合えるといいますか、そういったことも必要になってくるのではないかなというふうには考えておりますが、具体的にどういうふうに進めていったらいいんだというのは、なかなかいろいろな議論がございますので、ここでは私もちょっと意見がまとまらないものですから、その辺は失礼させていただきたいと思います。
【宮崎委員】 今お話をされたのは、おそらく障害のある生徒さんへの対応が少し広がっている、こういうお話なんだと思うんですね。特に、視覚障害、聴覚障害、あるいは肢体障害のお子さんが、高校にもかなり入られているというふうに私も存じ上げているわけですが、そういった方々への高校としてどんなような対応を今後されていこうというのかということ。もう一つは、発達障害支援法ができて、実は知的に遅れのない発達障害系のお子さん、これは従前からかなり高校にも入っていらっしゃるわけですが、そのあたりについて、文部科学省としても、本年度から具体的な高校への対応の検討を始めたわけですが、そのあたりのこと これは従前からいたわけですが、そこへ十分な対応ができていなかったという問題があるわけですが、そのあたりについて、高校側の先生方として、どんなお考えがおありかなということだけちょっと聞きたかったということなんですが。
【日本高等学校教職員組合】 私もちょっとその辺は専門ではないものですから、ちょっと控えさせていただきます。すいません。
【渡久山委員】 状況の把握ですね。これは例えば、学力格差については、校長会、教頭会、それから日高教、皆さんの分析は全く一致しているわけですから、それに対して、高等学校の教職員、管理職も含めて非常にご苦労されているというようなことはよく分かりました。
そこで、教師を巡る状況というところについてですが、結局、学校5日制の導入に伴って学力問題があって、一つには土曜日の補習、それから部活動の平日の時間外、土曜日の時間外などの負担、それから、開かれた学校づくりのための多忙化が進んでいるということなんですが、具体的に、例えばどのくらいの時間これなんかに割いていらっしゃって、大体、超勤というか、40時間プラスアルファーとして、アルファーはどれぐらいになっているのかを教えていただきたいなと思います。
【日本高等学校教職員組合】 土曜日でございますが、これは全部の学校のデータをとっていませんので何とも言えませんが、私は栃木県でございますので、栃木県の進学校で、大体、ほとんど、普通高校と言われるところは土曜日の何らかの対策をしていると。職員が、これは1人2人張りついている学校もあれば、授業形式の補習をやっているところもございます。来れば、土曜日といっても1日の対応になりますので、4時間から8時間程度の時間の拘束ということになりますので、それが毎週というのではなくて代わりばんこにやっているようなところもございますので、1人に対して何時間ということはちょっと把握していませんが、そのような実態がございます。また、教科によってもこれはかなり違いますので、普通教科の先生方に関しましては、かなり負担が増えているのではないかなというふうに思います。
【小川座長代理】 渡久山委員、それでよろしいでしょうか。
【渡久山委員】 この開かれた学校づくりはどういう努力がなされているんですか。
【日本高等学校教職員組合】 開かれた学校づくりということで、いろいろなのがあるかと思いますが、1例を申し上げますと、私の学校は農業高校でございますので、学校開放講座といいまして、学校を開放して市民の方に農場で野菜をつくっていただいたり、または学校でとれたものを加工してもらうとか、あと、小学生、中学生を対象にものづくり体験学習というようなことをやってまして、小学生、中学生が学校に来て、パンとかジャムとか、そういった加工品をつくるとか、または花に触れ合うとか、動物に触れ合うとか、そういったことで学校を開放しているというようなことがございます。ほかにも多分あると思うんですが、1例で挙げさせていただきます。
【渡久山委員】 これは執務時間外ですか、放課後とか。
【日本高等学校教職員組合】 そうです。はい。土曜日が多いですね。
【堀内委員】 2つありまして、1つは今の渡久山委員のご質問と重なるんですが、先ほど校長会、教頭会からのご意見をいただいて、ちょっと意外だったのが、ほとんど差がない意見だと思ったんですね。もちろん、複数教頭制を主張されるようなこともないし、今のように多忙化の問題は出されているんですが、例えば今の土曜日の話、部活も含めた、あるいは、特に授業をされるということがあった場合に、教職員組合、団体の立場で、これで忙しいから人をつけろという主張になるのは、私はどうも筋が違うんじゃなかろうかと。要するに、そのことをなくせというご主張なら分かるんですが、実態を肯定した上で人を付けろというのは、どうもお立場上どうなのかなというのが1つです。
2つ目は、先ほど校長会へお尋ねしたということも重なるんですが、実際に今、高等学校全体で教員の数がどうなのかと、今、たまたま別の資料が手元にあったので計算したんですが、これはもう国公私立全部集めて、各種の高等学校全部を平均しますと、平成16年の数字で、生徒数272万、教員数25万5,000人で教員1人当たり14人程度なんですね。これに対してまして、大学の国公私立、これもすべてを集めますと、281万人学生がいまして、本務教員数15万8,000人で教員1人当たり17.5人なんですよ。大学の教員の方がはるかに1人当たりが多いんですね。もちろん、非常勤がたくさんいますとか条件は全然違います。多分、一番最大の違う理由が、大学の場合では事務職員が高校の何倍もいるわけですね。場合によっては1対1ぐらいのところもある。多分、国立ですと1対2ぐらいでしょうか。
要するに、一つの論点としまして、先ほどの小川座長代理の話に戻しますと、優先順位は何ですかと聞きたいのは一つなんですが、その中でいろいろな職種について足らない、拡充すべきだというご主張だと思うんです。そうすると、その前提になるポリシーが何なのかと、高等学校をアレンジした場合に、一番どこが優先順位をつけて高めなきゃいけないのか。単純に全部増やせというのはもちろん分かるんですが、例えば今言ったように、これも1つの単純な見方なんでしょうが、事務の仕事と教員の仕事、それも結構ご意見は出されたと思うんです。お金の集金だとかもいろいろやる。大学のほうは、基本的にこれはみんな教員と事務との二元化で処理しています。多分、国公私立すべてですね。ですから、教員のほうには回ってこない。その分、事務職はたくさんいますよと。例えば、こういうアイデアというものを高等学校に入れることはできないのか。そうすると、さっき言ったように、教員数では、はるかに高校のほうが大学よりも学生1人当たりからいうと多いんです。だから、その辺でやっぱり大きなポリシーを立てないと、総花的にすべての業種で増やしてくださいという話になってしまうのではなかろうか。
意見か質問かちょっとまた分からなくなったんですが、やっぱりそういうところは、どうも高等学校の場合、足らないというおしかりを受けるかもわかりませんが、義務教の場合にもぎりぎりやっていますので、当たり前に先生の数を増やせと、すっと入ってくるんですよ。ところが高校の場合、これで先生の数を増やしてくださいと言われても、もっともっと違うところをやった上でご意見をいただいたほうが分かりやすいんじゃないかなと私は思いますので、その辺をご検討いただければということです。
【小川座長代理】 関連質問ということで他の委員のもありますので、その委員の方のご意見を伺った上でお答えいただきたいと思います。
【門川委員】 今、専門家が非常に大事だということになってきている、私も大事だと思います。ただ、例えば栄養教諭も司書教諭も大事だ、情報機器等を専門とする職員も大切だということで、大規模な高校もあれば小規模な高校もあるにもかかわらず、各校に職種を増やしていく議論ですね。本当にそれがいいのか、また実現できるのかと思います。
例えば、専門の職員が配置されていない学校へ巡回指導する。また、大胆に外部の専門的人材を活用して、アウトソーシングできるところはしていく。先ほど、小・中学校と高校との一番の差は、高校では規模にかかわらず事務職員が5人いるのに、小・中学校はどんな大規模でも1人しかいないという話がありましたが、こうしたことが問題だと思うんです。組合の立場とか校長先生、教頭先生のお立場とすれば、すべての職種がすべての学校に大事だということになるわけでしょうが、現実にすべての学校の教育力を全体として高めていく。また、特色のある学校づくりをするには、例えば、ある学校では、図書館司書よりも国語の先生を1人増やすとか、栄養教諭の巡回のご指導を得て家庭科の先生が食の指導等を充実してほしいとか。コンピュータの校内ネットワークの管理・運営というようなものは、外部の人材を活用すればいいんじゃないか。あるいは、給与事務等については将来的にはアウトソーシングしていったほうがスムーズにいくんじゃないかというようなことを考えていかなければならない。安上がりにしようと言うのではなくて、子どもの教育を充実させるため、学校毎に必要な人材を重点的に増やし、また、効率的かつ効果的にやれる部分はやっていく、という意味ですが、その辺も含めてご意見賜ればありがたい。
【小川座長代理】 では、お二人のお話はまとめると2つの質問だと思いますが、1つは、忙しいから配置教員を増やせというようなことではなくて、何か違った考え方はどうかというようなことと、もう1つは、教職員配置の前例となるポリシーみたいなものについてどう考えるかというようなことだと思うんですが、よろしくお願いいたします。
【日本高等学校教職員組合】 まず最初の点でございますが、土曜日の学校を開けること自体が、組合運動としてはまずいのではないかというようなご指摘もございました。本来ならば学校5日制の趣旨が徹底的に生かされて、それができればよかったんですが、まず私立高校との関連がありまして、私立高校が土曜日を開けると、私立への流動化というようなことがございました。また学校保護者の希望といいますか、PTAの希望が非常にあって、是非うちもやってくれというような希望、特に地方の学校は、それに対応するだけの塾ですとかそういったものがないというようなことで、学校で見てもらえれば安心だというようなことがございます。教職員も、それでは、うちはやるよということで、うちの組合員なんかはまじめといいますか熱心にやってくれるのかもしれませんが、そういうようなこともありまして、それではその環境整備を求めるのも一つの方法ではないかということで、そういったときの土曜日の通勤上の災害等に関しては、保険を適用するように組合で保険の手配をするとか、そういったことで対応してきたようなことがございます。多忙化しているから教員を増やせというのが、その多忙化をできるだけ見つめ直すといいますか、そういったことが大事なのかもしれませんが、やはり教職員にこれだけいろいろな面で負託といいますか、いろいろな要望が強いと、その期待感というか、それに応えなければならないという使命感ですか、そういったものでなっているような現状がございますので、そこでやはり定数を改善していただきたいというようなことでございます。
また、そのポリシーといいますかでございますが、大学と高校では人数が違うというようなこともございますが、高校の事務職員を例にとりますと、金銭を扱う、今は振込とかそうやって分けて、また事務処理のコンピュータも入っていますので、かなり負担は軽減されているようなところではございますけれども、やはり先ほども申し上げましたように、授業料が払えないですとか、また諸経費も払えない、それを取り立てるといいますかそれを扱うという、非常に細やかな対応が求められているような状況がございます。また、進路指導の業務を、外部の方に来ていただいて事務処理をやってもらったりというようなことでやっていますが、個人の情報ですとかそういったものが、守秘義務といいますか、公務員には守秘義務がございますので、そういったきめ細やかな対応をする上では、やはり教員でやらなければならないことというのは多いのではないかなというふうに思います。
【小川座長代理】 よろしいですか。もうそろそろ時間も大分オーバーしているんですが、あと一、二ございましたら。では、橋本委員と、あと最後、伊藤委員と、吾妻委員。この3人で終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【橋本委員】 一番最初に教職員組合としての最重要課題は何でしょうかということで3点ほど伺いたいというお話をさせていただいたのは、最重要課題としてとらえていることが、教職員定数改善にどのように結びついているのかということで伺ってみたいなということだったのです。
先ほどご説明いただいた中の事務職員のことがありますが、先ほど別の委員からも、いろいろなことで全部定数を増員してほしいというようなことが書かれていますが、例えばということで事務職員についてのことであるならば、これは義務教育と全く定数が違います。よく県費の事務職員が公立小・中学校の職員として配属される場合がありますが、自分は経理しかやっていませんでしたとか、自分は施設だけやってきましたとか言われ、勤務の内容が分からない方がいます。これは裏話であって、一生懸命やってくださる方もいるわけですが、そういうようなことから、どのように課題を捉えて、その課題をどのように今回の定数改善に取り組もうとしているのかということが一番伺いたかったことだったんです。時間がありませんので、最初に質問した意図、それをご理解いただきたいと思ってお話しさせていただきました。以上です。
【伊藤委員】 1つだけなんですが、いろいろな課題、あるいは困難な問題が高校でたくさんある、そのために少人数ということですが、一方で研修等で考えてみますと、例えば海外であるようなサバティカルな、サバティカルイヤーまでいくのかどうか分からないですけど、例えば10年の勤務の方に、半年、1年の有給休暇のような形で、例えば精神疾患の方が多いと、そういう研修権として主張するという流れで、だから定員が足らないという理屈というのは組合側にはあるんでしょうか。
【小川座長代理】 この要望書の裏のほうにも書かれているかと思いますが、何かございましたら。
【日本高等学校教職員組合】 とりあえずここで答えてしまってよろしいんですか。
まず最初の点、定数改善にどのように繋がるのかということでございますが、特に学力間格差というのは、先ほども申し上げましたように、非常に危惧しているところでございます。習熟度別学習とか多様な授業展開というのは、今後さらに必要になってくるのではないかということで、当然、1クラスを2つに分けるとか、2クラスを3つに分けるとかということで展開をしていかなければならないことは、本当にせっぱ詰まった状況かと思いますので、そういった部分では定数改善というのは必要かと思います。
あと、事務職員とかそういったもので、それぞれの職種によって何でもかんでもというようなことでは、やっぱりなかなか難しいというようなお話でもございますが、確かに実際のところは、そういうことは重々承知でございますが、それぞれの専門部を私どもは抱えていまして、それぞれの専門部から改善をしてほしいという要望が出てきております。やはり職員になれば、当然それなりの問題意識が出てくることと考えております。事務職員一つとりましても、今、本当に生徒が多様化している状況で、授業料が本当に払えなくて、それを対応するという、家へ電話したり、いないところを、夜遅くまで家に帰るのを待って、電話対応しなければならないという状況もあったり、家庭訪問をしてというようなことも場合によってはございますので、ケースバイケースでかなり違ってくると思いますが、必要性というのはあるのではないかなというふうに思います。
あと、研修の件でございますが、海外に半年、1年という、今後そういうのも必要なのかもしれませんが、そういうよりは身近な、それぞれ教職員が授業を展開する上で必要な研修というのは、それぞれ課題意識を持っておりますので、それがやっぱり十分にとれない状況が現在ございます。夏休みも、先ほど校長会のほうからもありましたが、学校で補習だ何だということで、ほとんど、今、休めない状況でございます。自費を払ってでも研修したいというような教員もたくさんいますので、そういった教員のために、研修機会がとれるようなことを考えていただけたらというふうに思います。以上でございます。
【小川座長代理】 最後によろしくお願いします。
【吾妻委員】 最後に大変単純な質問で申しわけないんですが、高等学校についてちょっと存じ上げておりませんので。裏側のページの の3つ目にあります、現業職員についてなんですが、いわゆる、どういう種類の現業職員があって、どういう位置付けで勤務されているのか、実態というんですが、その辺のところ、私どもはちょっと知りませんので、具体的に教えていただければありがたいと思います。
【日本高等学校教職員組合】 学校の管理を行うということで、樹木がたくさん植わっていたりすればその管理、または学校の安全対策ということで、学校の門ですとかそういったものの管理ですね。または、ボイラーが学校にあればボイラーの運転、あと公用車があれば公用車等の運転。また、うちの学校なんかですと、遠隔地農場というのがございまして、10数キロ離れたところに農場があるんですが、そちらに生徒を連れていくバスの運転手さん、そういった方も現業になります。あと障害児教育諸学校なんかでは、官舎といいますか寄宿舎がございますので、そういったものの管理をする方とか、そういったものが現業の職員になります。あと教室のドアが壊れたとか、トイレの水の出が悪いとか、そういったものをすぐ対応してもらえるですとか、蛍光灯が切れたとか、そういったものを取りかえるとか、あとはガラスが割れたときにすぐに処置をしていただくとか、そういったことで働いていただいております。位置付けは行政職の位置付けの方が多いかと思います。行政職の給料表で働いております。
【小川座長代理】 よろしいでしょうか。はい。
当初の予定より大分遅くなりまして、本当にありがとうございました。これでヒアリングは終わらせていただきます。長い間ありがとうございました。
では、今のヒアリングで今日の教育関係団体のヒアリングは終了いたします。
それで、主に後半部分の高等学校の関係団体からのご意見を踏まえまして、今日は残りの時間、当初は7時までということで残り30分程度しかないんですが、一応、今のヒアリングを踏まえまして、高等学校における教職員配置の在り方について、少し時間をとって意見交換、審議をしたいと思います。
それで、今のヒアリングのところでも大分いろいろな議論の基本的なデータ等々も出てきたと思いますが、それに関係する資料も今日は配付されておりますので、まず、事務局から配付資料の説明をいただいた上で、残りの時間を審議したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【小熊教職員配置計画専門官】 それでは、時間の関係もございますので、簡単に資料の説明をさせていただきたいと思います。
まず、資料2「学級編制及び教職員定数に関する資料」ということで、おめくりいただきまして2ページをご覧いただきたいと思います。高等学校の学級編制、教職員定数につきましては、いわゆる高校標準法で規定をされているものでございます。
3ページをご覧いただきますと、第6次公立高等学校教職員定数改善計画の概要について記載されているところでございます。この趣旨といたしましては、多様な高校教育の展開に対応するため、第6次高等学校教職員定数改善計画を平成13年から17年までに実施するということで、義務と同様に平成17年度が最終年度ということになっております。内容といたしましては、この でございますが、学科や教科の特性に応じた指導等の充実ということで、習熟度別授業、少人数による授業、また新しいタイプの高等学校等といたしまして、中高一貫校であるとか総合学科、単位制高校への加配の拡充を行ったところでございます。
ここで総合学科というものが出ておりますが、これは普通教育及び専門教育を選択履修を旨として総合的に施す学科というものでございます。それから、単位制高校というのは学年区分をなくして、必要な単位数を取得すれば卒業できるという高校でございます。いずれも多様な科目開設というものが必要になってきますことから、定数を加算するという仕組みをとっているものでございます。
そのほか、教頭の複数配置、養護教諭、事務職員定数の改善、特殊教育諸学校における教職員定数の改善、また、長期社会体験研修等の研修等定数の改善というものを行いまして、5年間で約7,000人の改善を行ったものでございます。
4ページをご覧いただきたいと思いますが、こちらは学級編制の標準の変遷を記載させていただいております。第1次が昭和37年から41年でございましたが、こちらで50人学級とし、次の第2次改善計画で45人学級を実施しております。現在の40人学級になりましたのは第5次でございまして、平成5年からの改善計画で40人に引き下げを行っているところでございます。過去の第1次から第6次の改善計画の概要につきましては、その下の枠にあるものでございます。第5次及び第6次において、改善数を自然減が上回っているという状況になってございます。
5ページにつきましては、学級規模の基準の国際比較でございますが、これはご覧いただければと思います。
それから、6ページでございますが、現在、この高校標準法に基づく学級編制の標準は40人ということになってございます。義務と同じようにこの40人につきましては、これを下回る弾力的な運用を図ることも可能となっているところでございます。
7ページをご覧いただきますと、教職員定数の算定について主なところを書かせていただいておるところでございます。校長定数につきましては、学校数 1でございます。教頭数につきましては、基本的に課程数 1、さらに収容定員によりまして複数配置、また学科の設置数に応じましても加算がされているところでございます。教員の定数算定についてですが、義務が学級数をもとに定数算定することになっておりますが、第6次の改善計画におきまして、高校の定数算定につきましては収容定員を基に定数算定をする仕組みになっているわけでございます。これは先ほど申し上げましたように、多様な教科、科目等を開設するような新しいタイプの学校等が増えてまいりました。そういうことから、選択幅の拡大によって実際、40人を下回る人数で授業を展開するということが増えてきているということから、学級と定数の関係というよりは、やはり子どもの数と定数との関係というほうがより現実に近いのではないかという判断から、収容定員による定数算定と変更されたものでございます。
1枚おめくりいただきまして8ページでございます。団体の要望等にございました習熟度別指導、少人数指導というものが、収容定員に応じて算定される形になってございます。第6次の改善計画におきましては、この681人から1,040人のところでプラス1をしております。さらに、1,161人以上のところにつきましても、少人数指導、特に情報関係の科目が増えておりますので、そこでプラス2という改善が行われたところでございます。
そのほか(4)のところでは、生徒指導担当分の定数算定などが行われております。さらに、(5)にありますように、各学科等に応じた加算というものが行われているところでございます。この各学科等の加算につきましては、14ページをご覧いただきたいと思います。こちらで普通科等に比べて加算される教員定数の例が示されているところでございます。例えば、農業科・水産科で小学科2学科置かれている場合にはプラス4人されると。これが360人ですので9学級相当の学校の場合の例を上の段で示させていただいておりまして、 では600人規模、15学級の学校の場合の加算数を示させていただいております。
2ページお戻りいただきまして、12ページをご覧いただきますと、普通科における教職員定数の算定例を示させていただいているところでございます。順番が逆になりましたが、これらの全日制普通科を大きな算定の例といたしまして、さらに学科等に応じた加算がなされているということでございます。
また、お戻りいただいて恐縮でございますが、9ページをご覧いただきますと、養護教諭定数、実習助手定数、事務職員定数の算定方法を記載させていただいているところでございます。それから、9ページの下の枠でございますが、特殊教育諸学校についてでございますが、これは高等部に係る教職員定数の算定について、この高校標準法で規定をさせていただいているところでございます。比較的きめ細かく定数算定をさせていただいております。
時間の関係もございますので、ごくごく簡単ではございますが、資料のほうはまたご覧いただければと思います。そのほか15、16ページあたりをご覧いただきますと、今、説明させていただいたものと重複はいたしますが、標準法の規定に応じた定数算定の仕組みを早見表という形で示させていただいているところでございます。
それから、次に参考資料の4をご覧いただきたいと思います。こちらでは、「高等学校教育の改革に関する進捗状況」ということで、特色ある学校・学科の設置の推移等を示させていただいているところでございます。
まず、1ページにつきましては、総合学科の設置数の推移を示させていただいております。
また、2ページには単位制高等学校の設置を示させていただいているところでございます。そのほか高校教育改革の一環といたしまして、インターンシップ等のデータも示させていただいているところでございます。
続きまして、参考資料の5をご覧いただきたいと思いますが、「生徒指導上の諸問題の現状と文部科学省の施策についての抜粋」といたしまして、高等学校の中途退学の状況をデータとして示させていただいております。表紙をおめくりいただきましたところをご覧いただきますと、公立高等学校の中途退学者は、平成15年度でございますが、年間で5万5,668人、中途退学率としましては2.1パーセントになっているというデータが示されております。
2ページ目をご覧いただきますと、各年推移がグラフに表されておりまして、ここ数年は減少傾向にあるわけでございますが、2パーセントから2.5パーセントといった率になっているといったところでございます。中途退学の理由といたしましては4ページをご覧いただきますと、「学校生活・学校不適応」が37.5パーセント、「進路変更」が35.3パーセントといったことが示されているところでございます。
続きまして、このグリーンのパンフレットをご覧いただきたいと思います。参考資料6でございますが、「キャリア教育の推進に向けて」ということでございまして、めくっていただきますと、中に「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」ということで、関係省庁、関係大臣が昨年の12月に合意した資料等も入っております。最近のフリーター、ニートの増加ということから、政府全体でこのキャリア教育等に取り組んでいくべきということがこの資料の中に書かれているわけでございますが、開いていただきましたページの右側、ピンクのところでございましょうか、学校に関係する部分といたしましては、 の3つ目、「学校外の教育資源活用にかかるシステムづくり」であるとか、一番上の の「キャリア教育を推進するための学校内の組織、体制づくり」といったことが必要であるということが提言されているものでございます。
続きまして、最後に机上配付させていただきました「地方税財政改革の推進に関する意見」ということで、地方財政審議会から出された冊子がございます。8ページをご覧いただきたいと思いますが、「地方公務員の定員管理及び給与の適正化等」ということで、真ん中ほどに2番として書かれているわけでございます。そのうちの(1)定員管理でございますが、「新地方行革指針においては、地方公務員の総定員について、過去5年間の純減(平成11年から平成16年までに4.6パーセント純減)を上回る純減を図ることが必要とされている」ということが書かれているわけでございます。
それから4行下のところに「その際」という書き出しがございますが、そこでは「教育、警察を始め国が法令で人員配置の基準等を定めている分野の比重が大きいことから、国の各行政機関においては、地方公共団体の定員の縮減、増員の抑制に資する施策を積極的に推進する」ということが書かれているわけでございます。実はここの教員、教育にかかわる部分といいますのは、義務、高校を通じましてこの標準法のことを指しておるということでございます。先般、骨太の方針ですとか財政審議会の建議等についてもお示しをいたしましたが、地方公務員の行革という観点からも非常に厳しい状況にあるということでこちらを示させていただいたところでございます。特に高校の定数につきましては、全額一般財源、地方交付税措置ということもございまして、義務教育費国庫負担金である義務教育諸学校の教職員定数以上に、さらにこういったことが地方財政当局などから言われることになるだろうということをご承知おきいただければということで示させていただいたものでございます。
時間の関係もございまして、大変、資料の説明を端折りまして申しわけございませんが、事務局からの説明は以上でございます。
【小川座長代理】 ありがとうございました。残りの時間、本当に僅かですが、先ほどのヒアリングと今の事務局からご説明あった資料等々を踏まえまして、少し高等学校における教職員配置の在り方について意見交換をしたいと思いますので、どうぞ自由に。
どうぞ、門川委員。
【門川委員】 先ほどから高等学校に対して厳しい意見もあったわけですが、私は率直に申しまして、公教育が信頼回復をしていかなければならないその中で、一番大事なのは公立高校だと思っています。公立高校が、学力保障、進路保障において信頼にこたえきれていない。そして、今、社会全体の二極化という問題が、日本の将来の行方にとって深刻な問題、大きな鍵になってくると思います。そのときにやはり公立高校が頑張らなければならないと思いますし、そのためには財政上厳しいのは分かっていますが、教職員定数の改善が極めて重要な課題であると思っています。もちろん何もかも単純に増やせばいいというようなことではありません。
京都の場合ですが、平成7年に市立高校改革プロジェクトを発足させまして、市立高校が9校あるんですが、標準定数法の第6次改善完成時の数と比較して、1.2倍から1.3倍の教員を配置しています。例えば、15学級で40人というところを50人ぐらいの教員を配置しています。効果はてきめんです。少子化による生徒数の減にあわせて学級数は減らしましたが、教員は加配という形で一定維持する。単純に加配するのではなく、各学校で改革プランをつくってもらい、そのために何が必要なのかということを出してもらって、それを評価して加配するという取り組みをしてきました。また、教頭については、例えば、音楽高校という全校3学級の高校や、美術工芸高校という小規模な高校以外は原則複数にしています。ただ、管理的な実務のために増やすのではなく、教職員のモチベーションを高め、保護者の信頼に応えて、地域あるいは中学校との連携、就職開拓などに取り組まなければならない中で、教頭1名というのは無理だと思っています。定時制は今年から工業で25人学級にしました。子どもの実態を踏まえれば、できれば20人学級にしたいなと思っています。
それで、どんな効果が表れているか。すべて人を増やしたからということではないんですが、いろいろな学校の取り組みの結果、例えば、2校の工業高校では、3年連続学校あっせんの就職は100パーセントを達成しました。全ての教職員が企業訪問する。進学する生徒も含めてすべて企業でインターンシップをやる。こういうことをやると手間暇がかかります。あるいは普通科高校でも、中学校との連携が大事だと、全教職員が手分けして中学校訪問をやっていく。進路保障の取り組みを充実させる。こうした取り組みをするためにはどうしても人が要る。
ただし、増やした状態が当たり前になってしまうと前進しない。常にサンセット方式で点検して、改革を重ねて新しい取り組みに対して加配する方式にしている。非常に難しいんですが、例えば生徒指導で非常に困難な学校にそのために加配する。そして、頑張って学校が落ちつけば加配を引き揚げる。そうしないといろいろな課題に対し、次々と加配していくということはできませんから。学校評価をしっかりしながら必要な教員を配置していくということが大事だと思っています。平成12年3月に卒業生でフリーター的なものが8.8パーセントだったのが、この3月に3パーセントになったという成果もあった。そういう成果も、教員を増やしただけではなく総合的な取り組みの結果です。今これだけ教育が困難なとき、学校の生徒の実態、さらには学校の取り組みの実態に応じて教員を加配するというのは、重要な課題ではないかなと思っています。
【島宮委員】 高等学校の立場で述べさせていただきますが、定数の算定について7ページの部分なんですが、例えば、ここの基礎の数が、収容定員が40人ということが基礎になっていると思うんですが、例えば、小中と同じように生徒の学級定数を下げたときに、小学校、中学校では学級数が増えて、教員の定数も増えるという現象が起きるわけですが、高校の場合、収容定員で考えていきますと逆に減ってしまうという現象が起きます。ですから、この辺の教員の基礎定数を算定する場合のやり方というものについては、是非慎重にご検討願えればと思います。やはり基礎定数がきちんとしていないと加配をつけるにしても、何にしてもつかない学校も出てくるわけですから、そういう意味で、この基礎定数の算定については是非慎重にお願いしたいと思っています。できることなら、この収容定員の総数を基本としながらも、例えば、学級数を基本とすると。高校の場合、定員、または学級数、設置規模で募集をかけますので、生徒数は減っても学級数は変わらないわけです。そういうことを是非ご考慮願いたいと思います。
それからあと、加配の部分なんですが、先ほど門川先生も言われましたが、その学校の校長の経営計画というものにのっとって加配がもう少し多く確保できるような、その辺の枠のとり方、標準で示されている人数が最大限であるという見方、また、この基準がそのままひとり歩きしますと、どうしてもそういう形になってしまう。ですから、この辺のところをもう少し柔軟性が持てるような形に、是非お願いできればと思っております。
以上です。
【小川座長代理】 ありがとうございました。では、橋本委員さん、どうぞ。
【橋本委員】 高校の定数につきましては、ゆとりある定数が必要であると考えております。ここ数年間の、私は東京都の高校しかわかりませんが、都立高校の大改革が行われて、校長が大変元気が出てきている。学校自体がものすごい活性化している。このように考えているんです。学校経営の改善計画も明確に示されておりますし、特に東京都の場合には数値目標を明確に出しながら、校長自らがすごい闘いに挑んでいるという、言葉はきついんですが、そのくらいに感じているところなんです。それはなぜかといいますと、特色ある学校づくりをそれぞれが行う。そのためにどのようにしたならばよいのかということで、東京都は私学が大変多いですから、私学に負けないだけの経営を行っていこうというようなことで、大変元気が出ている、そのように感じております。今、頑張っている校長を中心としている頑張っている先生方、さらに私どもは義務ではありますが、心から応援していきたい、そのように考えております。
以上です。
【小川座長代理】 ありがとうございました。渡久山委員、どうぞ。
【渡久山委員】 今まで小中学校の定数の問題をやっていたのを見てて、30人とかという話が出たんですが、高等学校が20人というような数字を出してきているんです。ということは、一つは学力格差という問題を言われたんですが、結局、今、子どもたちに分かる授業をやっていくというような場合に、非常に困難な状況が出ているというのがよく出ていると思うんですね。ですから、そういう意味では、小中学校を含めて今、定数問題というのは真剣に検討しなくてはいけないだろうというのを感じました。
それから先ほど、門川教育長も言われたんですが、私も京都を見せていただいたのが、京都の市立高校と府立高校では全然違うんですね。市立高校は非常に恵まれている。特に堀川なんかだったらすごく恵まれておりまして、これは日本全国でもモデルになるんではないかという非常にいい学校です。そうやって見ていると、定数も金も随分プラスアルファで出ているようなんですが、今の橋本先生のお話ではないけれども、それによって教職員が校長はじめ全部生き生きしているんです。子どもたちも非常にすぐれた自主的な研究授業をやっているんです。ですから、そういうところではずっとレポート、研究成果なんかを見ていますと、結局、意欲があるんです。何か学習していく意欲というのがあって、自分から進んで、自ら学習課題を見つけて、教員だけに頼って座学でただ教えてもらっているんではなくて、非常にすばらしいところを見せていただきました。
また、東京でも今、エンカレッジスクールとか、こういうようにして教員配置の数を非常に増やしているし、金も出してそれぞれの子どもたちの学力に合った指導というものを本当に個人的にやっている。そういうような工夫があるわけです。ですから、それを考えますと、今、日本の学校は総じてあまりにも創意工夫をしても、それに対する財政的な裏付けが非常にないんではないか。これはもっともっと真剣に考えていかなければ、将来の日本の国を背負っていく子どもたちをどうつくっていくかということも非常に大きな問題だと。特に今日は高等学校の非常に困難な状況から見て、教職員の努力、もちろん管理職を含めて、これからそういうことをつとに感じました。
【小川座長代理】 ありがとうございました。そろそろ時間が来ていますが、あと、堀内委員、先ほどのヒアリングのところで高等学校における標準法の在り方とか教職員定数の在り方について、幾つか基本的なことを述べられていたんですが、再確認を含めて少し問題提起をいただければと思います。
【堀内委員】 すいません、ちょっと怒られそうな発言ばかりしたと思うんですが、やはり一番最初からの疑問というのは氷解しないんです。もちろん義務教育学校と高等学校、教員の定数イコール財源措置の仕方は全くシステムが違っていると。これは皆さん、前提の上の話なんですが、たまたま今、門川さんのお話もあったように、私は設置者のスタンス、先ほども関係団体の方にポリシーという言葉を何回も使ったんですが、個々の学校であったり、あるいは校長さんとか教頭さんの立場でのポリシー以上に、設置者が高等学校についてはポリシーを明確に打ち出して、財源措置も義務教育と違いますので、うちの県では、うちの市ではというところがあった上での話が必要ではなかろうかと。単純に40人よりも30人、30人よりも20人というのは一般論ではいいんですが、私はその論議というのはほとんど高等学校では意味を持っていないと思っています。
一般論では、単純に義務教育でも40人よりも30人がいいというのと同じレベルでは言ってもいいんですが、それよりもうんと小さい意味でしかないだろうと。もっともっと濃淡をどうつけていくのか、その県なら県の高等学校ポリシーというのをどう作ったのかという形での競い合いがあってもいいだろうし、それは文字どおり各設置者の教育政策上の競い合い、競争というものが、高等学校についてはより義務教育以上にあっていいだろうと。これを前提にした上での定数措置、これはあくまでナショナルスタンダードの問題をしているわけですから、それをどんどん一般的に切り下げていく、ある意味では豊かにしていく。それは繰り返しますが、一般論はいいかも分かりませんが、一定の財源なりそういった状況の中で、単純化できる話ではないだろう。この辺が義務教育学校との違いということを、私個人については踏まえるべきではなかろうかと思っております。
【小川座長代理】 ありがとうございました。他にどうでしょうか。もう時間も過ぎていますが、今日いろいろ出されたことについては次回以降、そろそろ論点整理しながら、具体的な次期改善計画の具体の中身は整理していく時期かと思いますので、高等学校につきましても、次回以降、今日出された論点をさらに深めていく立場で検討していきたいと思いますので、今日はこのぐらいでよろしいでしょうか。
事務局のほうで、次回以降の予定等を含めてご報告をお願いいたします。
【小熊教職員配置計画専門官】 それでは、資料3をご覧いただきたいと思います。今後の日程についてでございますが、第8回、7月14日でございますが、10時から13時、同じくこの如水会館2階の「オリオンルーム」で開催していただきたいと思います。席上に出欠表を配付させていただいておりますので、ご記入の上、事務局までご提出いただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【小川座長代理】 では、これで今日の会議を終わりたいと思います。長い間、ご苦労さまでした。
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