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教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議(第4回)議事録

1. 日時: 平成17年6月20日(月曜日)14時〜16時
2. 場所: 東京国際フォーラム 5階 G502

3. 議題:
(1) 教育関係団体ヒアリング1
(2) その他
4. 配付資料:
資料1   教育関係団体ヒアリング日程
資料2   今後の日程について(案)
参考資料   教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議(第3回)議事概要(速報版)
5. 出席者:
(ヒアリング団体) 全国連合小学校長会、全日本中学校長会、全国公立学校教頭会、全国特殊学校長会、全国市町村教育委員会連合会
(委員) 高倉座長、小川座長代理、伊藤委員、大平委員、島宮委員、高浦委員、渡久山委員、宮崎委員、横山委員
(事務局) 銭谷初等中等教育局長、藤原財務課長、山下特別支援教育課長、杉浦初等中等教育局企画官、小熊教職員配置計画専門官ほか
6. 議事内容

【高倉座長】 それでは、定刻でございますので、ただいまから第4回教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議を開会させていただきます。
 ご多忙中、しかも暑いところ、ご参集いただきましてありがとうございました。本日と次回の2回にわたりまして、前からお話をさせていただいておりますように、教育関係の団体からのヒアリングを行わせていただきます。
 きょうはその第1回としまして、小学校、中学校、特殊教育諸学校の校長会からのご意見、及び、全国公立学校教頭会からのご意見、さらに、全国市町村教育委員会連合会からのご意見、合計5つの団体からのご意見を伺うことにしております。
 なお、ほかの5つの団体につきましても、ご案内をさしあげましたけれども、日程の調整等が難しかったことなど、あるいは、期間が非常に限られていたというようなことで、きょうご出席いただけません。別途、意見書を頂戴する、あるいは、また改めてヒアリングを行わせていただきたいというようなことで対応させていただきたいと思います。
 きょうは、先ほど申しました小学校長会、中学校長会、小中学校の公立学校教頭会、特殊学校の校長会、全国市町村教育委員会連合会、この5つからご意見を頂戴いたします。
 あと、進め方等につきましては、またその都度ご相談してと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の配付資料の確認を小熊専門官からお願いいたします。

【小熊教職員配置計画専門官】 それでは、お手許の資料をご確認いただきたいと思います。まず、資料1でございますけれども、「教育関係団体ヒアリング日程」でございます。資料2が「今後の日程について(案)」でございます。参考資料といたしまして、この協力者会議第3回の議事概要速報版を配らせていただいております。さらに、机上配付といたしまして、本日、ご意見を伺います団体からの意見書を配付させていただいております。まず、全国連合小学校長会の提出資料、続きまして、全日本中学校長会の提出資料、次に、全国公立学校教頭会の提出資料、全国特殊学校長会の提出資料、全国市町村教育委員会連合会の提出資料、5団体分でございます。資料をご確認いただきまして、過不足等ございましたらお知らせいただきたいと思います。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 それでは、教員配置、学級編制及び学習集団の在り方などにつきまして、関連団体からのご意見を頂戴したいと思います。
 最初に、3つの団体、ご一緒にご登場いただきましてご意見を頂戴したいと思います。そのご意見の頂戴の仕方ですが、予定しておりました5分程度ご意見をいただいて、5分程度質問をさせていただくということでございますが、全体まとめて3つの団体からご意見を頂戴して、まとめて質問させていただく。関連すると思いますので、そのほうが進めやすいと思いますので、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 そういうことで進めさせていただきます。どうもありがとうございました。
 お忙しいところ、ご足労いただきましてありがとうございました。非常に大切な子どもたちにとっての学習あるいは生活上の条件であります学級編制、あるいは、教職員配置等につきましてのご意見を頂戴し、それをもとにしながら、最終的な答えを出していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、全国連合小学校長会、全日本中学校長会、全国公立学校教頭会の3つの団体からのご意見を頂戴いたします。それで、かなり重なった中身があろうかと思いますので、最初に5分程度、それぞれの団体のご意見を頂戴いたしまして、そして、大体15分ぐらい、その後、15分程度質疑をさせていただきたいと思っております。
 ただ、重要な問題を含みますので、若干時間が延びるかもしれませんが、フレキシブルに進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、順番になりますけれども、全国連合小学校長会のご意見を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。

【全国連合小学校長会】 全国連合小学校長会長の寺崎でございます。よろしくお願いいたします。隣は、対策部長の小滝でございます。
 お手許にプリント資料を提出させていただいております。時間が限られておりますので、ほぼ読み上げるような形になると思います。失礼ですが、よろしくお願いいたします。
 まず、今日こうした意見発表の機会をいただいたことに感謝申し上げます。ありがとうございます。
 現在、小学校では自主性、自立性を確立して、それぞれの学校が創意工夫して、確かな学力の向上を図り、豊かな心と健やかな体を培う教育の推進、このことを求められると同時に、私たちも重視し、進めているところでございます。
 そのためには、様々な教育諸条件を整備することが必要ですが、中でも教職員の配置、学級編制、学級集団の在り方については、大変重要な条件であり、この調査研究の成果に期待しているところでございます。
 まず、教職員配置の在り方についてですが、基本的には教職員の配置については、一定の基準を設けるということ、その基準の運用に当たっては、特に校長の裁量を最大権限認めることが大切であると考えております。今後、保護者、地域住民に説明責任を果たすためにも、学校に権限を与え、自主的な学校運営が行なえるよう是非お願いいたします。
 つきましては、以下の5点について具体化をお願いしたいということです。
 まず、価値観の多様化、地域・家庭の教育力の低下等から、基本的な生活習慣、しつけの欠如等、小学校教育には様々な課題があります。したがって、教職員の配置率の見直しを是非お願いしたい。小学校では学級の担任がすべての指導をしているわけですが、授業が命である、授業が勝負であると言われながらも、なかなかその授業そのもの、教材研究そのもの、子ども理解そのものに十分な時間をとることができない。そのことが学級担任の多忙感を招いている実態がございます。そのような意味からも是非お願いしたいと思っております。
 (2)に、これまでの教員配置改善計画、とりわけ第6次、第7次により、基礎学力の向上ときめ細かな指導が可能になってまいりました。教職員の意識も、そういったシステムに慣れ、向上し、児童や保護者の感想も好意的であります。したがいまして、今後さらに少人数教育が充実していくように拡充していただきたい。
 (3)は、特色ある学校、特色ある教育活動の推進のためには、食の指導のための学校栄養職員や、読書指導のための司書教諭の配置が必要であります。とりわけ、学校図書館活用を推進するためには、司書教諭の定数外配置をこれまでも要望してまいりましたが、是非お願いしたいと思います。また、小学校における英語活動や情報教育指導者のような専門的な知識や技能を持つ非常勤職員の配置も望まれます。さらには、高学年の教科担任、専科制の充実のための教職員配置も望まれるところです。
 このように、特色ある学校、特色ある教育活動を進めていく上で、今、多様な教育が求められております。こういったものに学級担任だけではなく、多くの教員を配置して、柔軟な、あるいは、多様性に対応できるシステムが必要だと考えております。
 (4)では、学校経営の充実のためには、特に大規模校への教頭、養護教諭の複数配置や、大規模校への教職員の配置が必要となっております。学校では様々な状況が起きますが、大きな学校になればなるほど、その割合は増えてまいります。したがいまして、柔軟に対応できるようなシステム、あるいは、教職員の配置が求められるところでございます。一方では、少人数の学校である僻地校への配慮も必要となっております。
 (5)として、特別支援教育を見据えたときに、特殊学級制度で維持してきた教職員数を確保する特別支援教室への移行、あるいは、コーディネーターの専任化なども必要であります。特に、コーディネーターの専任化については是非お願いしたいと考えているところです。
 2「学級編制及び学習集団の在り方について」でございます。学校長の経営方針に沿って、特色ある教育活動を主体的に推進するため、学級編制を含め指導方法の改善について、実情を踏まえ、個別に判断できる制度を是非お願いしたいと考えています。そのために、以下の5点について具体化をお願いいたします。
 (1)は教育課程の定着とともに、生活指導、心の教育の教育の推進等のためにも、少人数指導が有効であります。そのためには、現在の学級編制基準の見直しが必要であると考えます。
 (2)に、小学校においては、編制された学級集団が学習集団であり生活集団であります。その枠の中で、あるいはその枠を超えて、教科等の特性に応じて、少人数指導や習熟度別指導など、指導の工夫、改善をさらに推進することが大切です。現在も多くの学校が工夫しておりますが、そういったことをさらに広げていくこと、それによって、一層個に応じた指導が充実できるようにお願いしたいと考えております。
 (3)は、児童が集団生活に馴染むまでの低学年においては、きめ細かな少人数指導が必要であり、少人数による学級編制が望ましいと考えております。かつては、1年生は入学期においては、一、二週間程度が学校に慣れる時間と言われておりましたが、今日は半年近くかかると言われております。そういった意味からも、保護者の不安も含めて、少人数で対応していくことが望ましいと考えております。
 (4)は、一方において、児童は、集団における切磋琢磨、友達との関わりの中で成長するものであることを考えれば、発達段階に応じ、ある程度の学級集団としての人数も必要であると考えています。したがって、学級編制については、一律に基準だけで決めるのではなく、校長が児童の人数や様々な状況、つまり、地域の実態、家庭の実態、あるいは、学校の実態等、それぞれの実態の中で校長がその状況を判断して、学校現場の裁量によって柔軟に運用できる制度が必要であると考えております。
 以上、2点について申し上げました。よろしくお願いいたします。

【高倉座長】 ありがとうございました。後で、先ほど申し上げましたように、ご質問等はまとめてさせていただくことにいたしまして、では、全日本中学校長会、大橋先生、お願いいたします。

【全日本中学校長会】 こんにちは。全日本中学校長会給与対策部長・阿部でございます。会長・大橋にかわって意見を発表させていただきます。まず、こういう機会を設けていただきましたことを深く感謝申し上げます。
 教職員配置の在り方についてですが、本会も最大の関心を持っております。前回、第3回目までのこの会議の流れ、また、座長のおまとめになられた方向、1から6まで6点あったかと思いますが、大筋で本会、全日中の考えと同様であります。学校の実態を深くご理解いただき、論議を進められていることに敬意を表します。
 3点に絞ってお話しさせていただきます。まず1点目、少人数指導、少人数学級についてですが、校長の判断で推進できるよう正規教員の増員を是非お願いいたします。少人数指導については、効果の上がっている例が多く報告されていますが、実施上の問題点もかなり指摘されております。生活指導上の問題、打ち合わせ時間の問題、評価の問題、時間割の組み方の問題等々でございます。これにつきましては、全国中学校挙げて、研究をして調査をしていく必要があると考えます。
 また、非常勤講師による実施で、連携等、相談等、苦労している実態もございます。正規の教員の増員をお願いいたします。
 少人数学級については、30人から35人が適当と思いますが、学校規模や、その他、学校を取り巻く諸条件により、適切な実施形態も異なると考えます。したがって、基準は国で定めるにしても、かなりの幅で校長の判断に委ねていただくのが望ましいと考えます。この件もまだまだ発展途上であると思います。
 また、加配でございますが、少人数指導等でございますが、加配0の学校も16年度で20パーセント、文科省の調査だったかと思いますが、かなりの割合に上っています。理由は幾つかあると思いますが、加配が4名、5名といる学校、0の学校があるということは、決して望ましいことではないと考えます。計画段階で縛りをかけるよりも、ある程度任せて結果を評価したほうが成果が上がると思われます。円滑なご審議により、年度をあけず、第8次計画を実施されることと、各学校の実態に合った学級編制、授業形態、校内人事が行われるよう、これもかなりの部分で校長判断に委ねていく形での教員の増員をお願いしたいと思います。
 (2)でございます。教諭1人当たりの授業時数の軽減を視野に入れた教員定数の増員・見直しをお願いしたいと思います。教諭1人当たりの平均教科担当授業時数は、中学校ですが、昭和58年16.5時間、平成13年15.6時間、18年間にわたって少しずつ、0.9時間ですけれども、減少してきています。しかし、現教育課程では、この15.6時間に総合的な学習の時間が2時間強、(3時間の学校もあります、)加わっております。したがって、教諭1人当たりの週時数、持ち時数は増えております。さらに、学校5日制になりましたために、週のコマ数、30時間から28時間というふうに減っていますので、空き時間は大幅に減っています。また、総合的な学習の時間の準備も以前にはなかったことでございます。
 右の表は、学年2学級の学校の数学科教諭を想定した時間割のシミュレーションでございます。学年2学級ですと、通例、数学科は1人でございます。週の時間割ですが、学校により、自治体により、違いがあると思いますが、平均的なものであると思います。空き時間の6の部分に校務分掌、それから、企画会議を括弧つきで入れてございますが、こういう空き時間になっております。ここのところで、授業準備、小テストの採点、道徳その他の準備と事後処理、分掌等の会議、校務処理等が入って、放課後には清掃指導、委員会指導、教育相談、諸会議、情報交換、そして、部活動が入ります。少人数授業を行っている教科は、その打ち合わせもどこかでやらなければなりません。
 これらにより、授業準備や教育相談等、授業を充実させる、あるいは、生徒指導を充実させる時間が十分にとれない状況がございます。また、部活動に出られない顧問も多いですし、そのために顧問を引き受けないという教諭も増えてきております。
 したがって、持ち時数の軽減、それを視野に入れた教員定数の増員、配置を是非お考えいただきたいと思います。
 (3)でございます。特別支援教育について、適切な人事配置をお願いいたします。今回は通常学級にいる軽度の発達障害のある生徒の支援、特別支援教育についてのみ申し上げますが、コーディネーターについては、現有勢力の中で割り当てるのではなくて、1名の増員ということで是非配置をお願いしたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、公立学校教頭会の立場の北村先生。

【全国公立学校教頭会】 全国公立学校教頭会の16年度の総務部長と17年度の総務部長で参加しております。よろしくお願いいたします。

【高倉座長】 お願いいたします。

【全国公立学校教頭会】 まず、このような機会を与えていただきまして、本当にありがとうございました。全国公立学校教頭会、3万2,000余りの会員の総意として意見発表させていただきます。
 まず、1についてですが、本会議が少人数学級の実現方策を探るために設置されたことについては承知しております。第9回の義務教育特別部会の意見交換等についても拝見しております。
 しかしながら、教職員配置の在り方というテーマに対しては、少人数学級の実現とは直接関係せず、むしろ学校の組織運営に関する作業部会の審議にかかわる内容とも考えられますが、そちらで議論されることがなかった義務教育標準法とのかかわりで主張したいことがございますので、是非とも若干最初に時間をいただきたいと思います。
 学校はよく、なべぶた構造のフラットな組織と言われ、フラットな組織の欠点として、ここに挙げました2点以外にも様々な事柄が指摘されます。教頭につきましては、小規模校に対する配慮である教頭法成立時の学校教育法上の措置が、教職員の意識上、または、実質的にも組織的運営の妨げになっていると考えております。この学校教育法上の措置によって、教職員定数を算定する義務教育標準法において、教頭は「教諭等」として分類されます。そして、現在そのために標準学級数以上の規模を持つ学校においても、授業を担当する教頭がいるという形になっております。第7次の改善計画においても、円滑な学校運営のための教頭複数配置という項目がございました。東京都では本年度から、教頭ではなく副校長と名称が変更されております。これは東京において主幹制度とあわせて、学校を組織として機能させるための意図があると判断いたしますが、単に名称変更にとどまらず、法的な裏づけをもって管理運営に専念できる形にすべきと考えております。教頭法制定の趣旨に立ち返って、義務教育標準法において、教頭の定数を独立してカウントする形にする、これが学校運営を組織的、そして、円滑に行うために必要なことと考えております。
 (2)の主任の中間管理職化についてですが、これも平成10年9月の中教審答申以来、東京都独自の取り組みとしての主幹制度がスタートしていますが、国としての動きはございません。中教審、そもそも四六答申が、中間管理職としての主任の制度化を提言していたということからも、国として主任制の在り方を見直して、学校が組織として機能する形を整えるという、それをお願いしたいところでございます。
 本会議におかれましても、単に少人数学級と教職員数との関係のみに目を向けるのではなく、広く組織運営の基本である職員構成、そして、その配置についてご審議いただければと考える次第でございます。
 次に、本題になりますが、(3)につきましては、スクールカウンセラーを例として挙げました。従来、学校に置く職員は、教員と若干の職だったわけですが、現在、学校には様々な職が存在します。必要であるから配置するわけですけれども、ここには費用対効果の考えが極めて重要ではないかと思います。スクールカウンセラーにつきましては、活用補助事業により、中学校を中心に相当数の学校へ配置されているところですが、その勤務実態は、多いところでも週1回の6時間勤務程度が現状だと思います。高度に専門性のある職ということで、報酬は時給5,000円以上、通常の8時間、週5日勤務しますと、月給が軽く80万を超えてしまうために、この程度の勤務しか1校当たりという形ではできないと思います。スクールカウンセラーを配置するために、毎日勤務していた相談員等を廃止する県も出てきております。費用対効果という観点からは、極めて疑問がございます。このようなことをお考えいただければと思います。
 次に、「学級編制及び学習集団の在り方」について述べます。平成13年の義務教育標準法の改正、また、15年4月の初中局長通知等により、弾力化に伴う経費が都道府県あるいは市町村の負担となるにもかかわらず、独自の予算措置を行って、少人数学級編制を行っている地方自治体が出てきており、その効果も検証されつつあると考えます。
 このような流れの中、35人学級、30人学級など、学級定員を減ずることを望ましいとする考えについては承知しております。しかしながら、単に少人数学級編制を行うことのみを目的とすると、そこにも書きました、教員の負担を強いるようなことになります。教職員数に余裕があってこそ、児童生徒のための様々な取り組みが可能になるということをご理解いただければと思います。
 現在、習熟度別学習の展開などによって、学習集団としての学級と生活集団としての学級、これを一律に考えることができなくなっていることからも、40人の標準定数を35人、30人とすることが単純に望ましいとは考えません。むしろ小さな集団では効果が得られない活動も多数ございます。標準法上の1学級の児童生徒数を減じることと並行し、乗ずる数の見直しを行って、都道府県ごとに置くべき教職員の総数を増加させることが必要と考えます。
 次に、現在、小中学校とも、低学年に少人数学級編制を実施しているところが多いわけです。諸外国の例を見てもそうですが、この効果は検証されているとは言い難いと考えます。各学校の取り組みに自由度を与え、様々な取り組みを可能にすることが必要であり、これはまた、総額裁量制の趣旨にもかなうものであり、あくまでも、先ほども校長会からございました教員1人当たりの児童生徒数の削減を主体とする目的で、義務教育標準法の改正を行うという点で(2)を主張いたします。
 最後でございます。義務教育標準法17条により、教員定数には短時間勤務者が換算される形になっております。我々は、義務教育段階の学校には、授業だけを受け持つ教員が望ましいとは考えません。授業のみに目を向け、非常勤講師や臨時的任用職員に頼った改善はいずれ破綻することになると考えます。学校生活トータルで児童生徒とかかわり、感化することは、授業のみを担当する者では不可能なことであり、正規に教諭発令された教員の配置が必要であると強く考える次第です。
 ありがとうございました。以上でございます。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 それでは、時間も限られておりますので、質疑応答を要領よく進めていきたいと思いますが、どうぞまず最初にご質問等をお願いいたします。いかがでしょうか。小川先生、どうぞ。

【小川座長代理】 3つの団体に共通して1つお聞きしたいのは、1つは、教頭会と小学校、中学校の校長会では、学級編制の在り方については少し違うアプローチをとっているのかなというような感じがしました。
 教頭会の場合には、今の40人という国の学級編制基準をそのままにしたまま、1人当たりの教諭の児童生徒数を減らすというようなことで、各学校単位での教職員数を増やすという標準法の配置を工夫しつつ、あとは、40人ということをベースにしながら、各学校側が自由に判断するという趣旨だと理解したんですけれども、それに対して、小中学校校長の場合には、40人という学級編制標準は縮小してほしい。しかし、国の標準については、30人とか35人というような固定的で一律の見直しではなくて、例えば、上限が35人、下限が例えば二十幾つというふうにした上で、それでもって、あとは校長に任せて、各学校が上限、下限の中で自由に、小学校1年生にするか小学校6年生にするかは任せてほしいという趣旨として理解していいんでしょうか。
 まず、その違いを確認したいことと、2つ目には、学級編制の在り方というのを校長レベルにすべてお任せしてほしいということが非常に強かったんですけれども、これは市町村レベルでの一定の方針を確認した上で、その市町村レベルでの一定方針のもとで、さらに校長が市町村レベルでの意向というのを反映しながらやるという趣旨だと理解していいんでしょうか。つまり、国レベルの標準を目安としつつ、市町村教委を超えて、校長にすべて任せてほしいという趣旨なんでしょうか。
 正確を期す意味で、市町村教育委員会のそうした学級編制や少人数授業の方針と校長の権限の在り方というところを、もう少し詳しくお話しいただけないかなという感じがします。
 ほかもいろいろありますけれども、とりあえず、最初はこの2つだけで。

【高倉座長】 お願いいたします。

【全国連合小学校長会】 それでは、お答えいたします。今、小川先生からお話があったように、私ども小学校では、上下限の中での校長の判断でということで考えております。
 それから、市町村レベルのことで言えば、市町村によって本当に実態が違い、現在は既にかなり弾力的にやっている、そして、校長に権限を与えているところもあるんですね。そういう意味で、やはり市町村レベルでそれぞれの実態に応じながらやっていく。そのときに、願わくば、校長会との連携なり、一方的ではなくてやっていっていただけると、より実態に合ったものになっていくのではないかなと考えております。

【高倉座長】 どうぞ、中学校長会。

【全日本中学校長会】 重複してしまいますけれども、同じように、やはり少人数学級については幅を持たせた中で、予算との関係もございますでしょうから、少人数指導との関係も含めて、各学校にある面でお任せいただけるとありがたい。もちろん、その中で、市区町村立学校でございますので、予算等もそちらと関係してまいりますので、市区町村の枠というのは当然出てくるものだろうと思っております。ただ、市区町村の中でも、大規模校、小規模校がございますので、実態に合った経営ができるように、校長にもお任せいただきたいということでございます。

【高倉座長】 ありがとうございました。どうぞ、教頭会のお立場から。

【全国公立学校教頭会】 それでは、教頭会には前段のご質問がございましたので、そちらにお答えしたいと思います。
 少人数学級編制、仮に35人、38人として、1クラス増えたとします。そうしますと、先ほど中学校長会からもお話がございましたけれども、中学校では28時間授業が増加します。それで、1人増えても、1人の持ち時数は先ほど申し上げましたように、20をちょっと超えたぐらいですので、28時間の授業数増について、1人増えてもだめなのですね。苦しくなるだけなのです。
 ですから、そういう意味で、教頭会としましては、全体の人数増につながる形で余裕を持たせていただきたいと、そういう観点での主張なのです。当然、35人、30人という、そういう流れを否定するものではございません。ただ、それが学級増がトータルでの教員の割合の増につながらないと、これは何の意味もない、そういう考えでございます。
 以上です。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 どうぞ、伊藤先生。

【伊藤委員】 ただいまの教員の数を学校サイドのほうに権限をというお話ですけれども、具体的に校長あるいは教頭の学校の管理職だけというお考えなのか、それとも、学校評議会その他、地域の、小学校校長会の提案にありましたけれども、地域、保護者という表現がありますけれども、そのあたりの権限というものをどういうふうに運用するか、組織、あるいは、学校単独、そのあたりのお考えはいかがでしょうか。

【高倉座長】 それぞれの先生方から、どうぞ。

【全国連合小学校長会】 お答えいたします。基本的には管理職の権限と考えております。もちろん、それに当たっては、地域なり、特に保護者の要望というのは、どちらかといえば、1学級の子どもが少ないほうを望んでいるのが現実です。しかし、学校の経営という点から見たら、あるいは、そのときの教職員の力量から見たら、必ずしも小さくするよりは、1人余分にして、それをいろんな意味でコーディネートしていくほうが効果があるだろうという判断もできるわけです。
 そういった意味で、最終的には校長の権限でそれを行うことが望ましいと考えております。

【全日本中学校長会】 そういうことなんですが、例えば、41人の学年ができたときに、20人、21人に分けるか、それとも、その1人をいろいろな部分で少人数指導であるとか、その他に割り振るかということになってくると思います。もちろん、学校評議委員会とか、保護者の意見とかは聞いてまいります。ただ、判断は校長でございます。その上で、やはり外部評価等、成果については評価を受けて、それをもとに教育委員会の指導を受けるのがよいと考えております。

【全国公立学校教頭会】 これにつきましては、我々も管理職レベルでの権限と考えたいと思います。ただ、コミュニティスクールなどで、学校運営協議会が機能しているところについては、当然、学校の運営にかかわる部分ですから、関与してくると思います。
 ただ、先ほど申し上げたことと関連いたしますが、教員にとりましては、授業時数というのはかなり大きい問題です。年度当初の職員会議は、自分の授業が年間を通じて週何時間になるかということにかなりのこだわりを持つ先生が多々おります。
 私が昨年苦労したのが、TTの授業を組んでいるのですが、一方の教員が授業に行かないのです。2人でやるわけですが、基本的には1人でも用は足りるわけで、その授業自体は成り立ちます。授業に出すのに苦労したというようなことがありました。
 したがいまして、管理職の権限強化ということと一体となって進めるとともに、基本的には管理職と学校の設置者との一体化した計画に基づいてやるのが望ましいと考えます。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 どうぞ。横山先生。

【横山委員】 教育行政をやっているものですから、かなりきついことを言うかもわからんですが、今、先生方のお話を聞いて、さっぱり私自身、分からないんです。例えば、校長の裁量云々といった場合に、まず1点が、校長の裁量云々で、例えば教職員の定数、実際に配置される数というのは、校長が判断して、それを積み上げた数を確保しろと言っているのか、あるいは、現在の標準法の中で計算をしていくけれども、一方で、先ほどお話があったように、県単独の教員配置もあれば、市町村単独の配置もある、それをも言っているのか。教職員配置というのは、通常、今のルールで決まってきますよね、計算上。そこのどこに校長の裁量というのが入ってくるのか。そこがいまいちよくわからないですね。具体的にお三方とも、別に今日に限らず、校長先生方の話を聞いていると、非常にそういう話が多いんですよ、校長の判断と。どの部分が一体判断、今のルールを変えて、そういうことをおっしゃっているのか、あるいは、ルールの中でそういうことをおっしゃっているのか。ここが非常によく分からない。
 今のが1点で、もう一点は、実は今、小学校の場合には、少人数学級という言葉が一つも出てこない。これは今、少人数学級の流れ、あるいは、少人数指導を強化しようと流れ、2つありますよね。おおむね、いろいろ保護者あるいは教員、校長、管理職に聞くと、みんな1学級当たりの人数を減らしたほうがいいという非常に大きな声がある。先生方もご案内のとおり、昨日、実は文部科学省が義務教育に関する調査結果を発表して、その中で、学級単位定員でいいますと、小学生、中学生、子どもたちですよ、減らすことに賛成してないんですよ、実は子どもたちは。ところが、他はみんな減らすことに賛成している。
 この辺のところを、本当に先生方はどう考える。例えば、国の政党関係でも、あるいは、私はたまたま東京なんですが、都議会の議員の各会派の中でも、それはやっぱり学級編制を減らすというのは非常に反対の数のほうが多いんですよ、議員としては。それはなぜかというと、子ども主体に考えるからなんですよ。先ほど言ったきのうのアンケート調査につきましても、その辺のところを先生方はどうお考えになるのか。
 その2点をお聞かせ願いたい。

【高倉座長】 じゃあ、順番にまたよろしいでしょうか、小学校長会から。

【全国連合小学校長会】 最初の質問の趣旨が、私はちょっと十分に理解できない。というのは、私どもが自分の主張をしているだけで、今、横山先生がおっしゃったような視点で、我々の論理を十分に検討してない部分があるいはあるのかもしれないなと、今お聞きしながら思いました。標準法で定数として教職員が配置され、例えば、24学級で24担任、そして、今、加配で1人、ただ、その加配も、少人数、もしくはTTというような形で規定されてきている。今度、それを40人を35人にした場合にということで、定数がきたときに、私どもは今4学級平均なんですけれども、それをすぐに35人で5学級にするんではなくて、4学級のままでそれを、例えばTTなり少人数に、各学年なり、低中高に1人ずつ配置するような形で、弾力的に扱えるようにしてもらいたい。4が5になったんなら、そのまま5に全部しろということではなくて、そういう形の判断を校長に委ねてもらいたいと、そういう意味でございます。
 それから、低学年においては、やはり私の学校でも40人から30人に、学級編制替えのときに学級数が増えて子どもの数が減った学年がありますけれども、非常に子どもの生活自体が落ち着きますし、教師の指導も行き届きますし、これはもう実態として明らかでございます。そういった意味では、少人数のほうが特に低学年では有効であるということは、これはもう私どもの経験則としてご理解いただきたい。
 それから、子どものほうが必ずしも賛成してないというのは、これは私どももこれからまた分析しなければいけないかなと思っておりますが、それがどうしてなのかなというのは、ちょっと小学校では私どもは理解できません。子どもたちも、当然、数が減ってくれば先生とのかかわる時間、質問をする時間、教えてもらえる時間が増えてきて、分かったという思いをするチャンスが増えるわけで、現実に様々な研究校でデータをとると、そういう結果が出ております。
 ですから、今のこの出てきているデータについては、もうちょっと分析をしていきたいなと思っているところです。

【全日本中学校長会】 例えば、2年から3年に上がるとき、人数が減って学級数が減った場合に、クラスを変えずにそのままの学級を維持するというような制度があるかと思います。ああいう弾力的な運用を学級数の編制についても現行法でもできるのではないかなと思っておりますが、いかがでしょうか。40人学級、35人学級等についても、学校によって、規模によって、先ほど申し上げたようにいきなり21人、20人にしてしまうのがいいのかどうなのか、それを少人数指導という形でやっていったほうがいいのかどうかというのは、学校によってかなりの差がある、生徒の質によっても差があると思います。
 そういう意味で、各学校の実態に合ったやり方を、校長が判断して評価を受けるという形が望ましいと考えております。

【全国公立学校教頭会】 最初の点については、これはもう今おっしゃられたのと同じです。ルールの中で定まった、決まった人数を、どう使うかという部分について、学校と市町村教委、要するに、設置者とが柔軟性をもって対応できる、それが望ましいと考える次第です。
 それから、後半の部分ですけれども、これはやはり学習集団と生活集団、学級をどう考えるかという部分、ただ、単純にまたそれだけではなくて、同じ学習集団としても教科の差によって、少人数では成り立たないような教科もたくさんあるわけですよね。ですから、その辺のところを十分考慮する必要があるということです。
 生活集団も、小さければいいと思うかもしれませんが、そのようなことはありません。小さい生活集団の中に、大きい力を持つボスがいた場合に、これに対抗できる力は何もなくて、あとの子どもたちは小さくなるだけ、そういうことが想定されます。したがいまして、ここももうケース・バイ・ケースなのです。
 したがいまして、教頭会としては、単純に少人数学級編制でということではなく、教員総数で措置いただければ、という主張をしております。

【高倉座長】 渡久山先生、どうぞ。

【渡久山委員】 小学校校長会にご質問したいんですが、1つは、食指導のための栄養職員ですね。今、これは栄養教諭という形で教員免許も、去年の7月からそういう免許もできているんですけれども、このことについて2つ。1つは、栄養職員のままでいいのか、それとも、栄養教諭という免許があって、もう既に4月から栄養教諭になっている県もあります、採用している県もありますが、これのことについてどうでしょうかということと、もう一つは、やっぱり今兼務校ですよね、割と兼務ですね、兼務あるいはセンターが非常に多いわけですけれども、実際、就職をしているところで、学校でどう思われるか、これが1つです。
 もう一つは、やっぱり図書館教育は非常に大事なもんですから、司書教諭の独自の図書館への配置というものが非常に言われているわけですけれども、このことについても、現在も司書教諭という免許を持って兼務していた人が多いんですけれども、どんな形態の配置を考えていらっしゃるかということが1つです。
 それから、もう一つ、3番目に、下のほうに、学級編制の関係で、児童集団の低学年においてきめ細かな指導のためにということですが、そのときの学級編制で望ましいと思われる数、どれぐらいを想定していらっしゃるかということが1つ。
 それから、中学校長会に、持ち時間数、これはいろいろ人によっても教科によっても違うかもしれませんが、大体今ありましたように、少なくとも20時間、多くて二十数時間持ってますよね。ですから、これをこの持ち時間と教材研究の時間、その他の時間、というと、週40時間労働ですよね。その中で、どういう形に中学の教員の勤務形態がどうなっているかということがありますね。
 それから、教頭会にお願いしたいのは、確かに今、主任の見直し等も含めていろいろあるんですけど、やっぱり学校における管理体制の在り方としてどう思われるか。もちろん、東京では今主幹という形で置かれているのがあるんですが、ただ、主幹は今までの主任とは一緒じゃないんですよね。これが1つと、もう一つは、やっぱり教頭は非常に多忙だというのがいろいろな調査で出ているんですね。これは主に事務、提出事務が非常に多いというようなことですが、実態としてどういうものか。これは教頭会に教えていただきたい。
 以上です。

【高倉座長】 それぞれにご質問がございましたけど、また小学校長会からお願いいたします。

【全国連合小学校長会】 それでは、小学校長会からお答えいたします。
 まず、栄養職員ですが、基本的には今進められている教諭として配置される、栄養士の資格を持った者が教諭の免許も持って配置されるほうが、多様な意味で学校の中で職能を発揮できるんだろうと思っております。
 それから、兼務校に関しては、現在も非常勤職員等は、例えば東京の場合ではやっていますけれども、かなり学校には不便な存在です。やはり常勤でいてもらいたいと思います。
 2つ目、司書教諭ですが、これも専任として是非配置していただきたいと考えています。特に、学習情報センター等の機能を発揮する上で、司書教諭がまさに栄養教諭と同じように、多様な学校の中での能力を発揮できるということが、これからの学校では是非必要だろうなと考えているところです。
 それから、3番目の低学年の学級編制ですが、これは大変難しい質問で、何人が適切なのかというのは私どもは何人ということははっきり言えないんですが、少なくとも30人を切るということが望ましいし、集団としての意味からいえば、二十四、五人はやっぱりいてほしいなということで、これを根拠づけるデータそのものは持っておりません。
 以上でございます。

【高倉座長】 中学校のお立場からお願いいたします。

【全日本中学校長会】 お示しいたしました週時数のところで説明させていただきます。都道府県によって多少の差はありますが土曜日がなくなった分、空き時間が少なくなった。つまり、土曜の分が、半日ですけれども、ほかの曜日に、指導準備等も含めて入ってきます。
 加えて、以前は総合的な学習がございませんでした。形態にかかわらず、準備が教科に比べるとかかってしまう。選択も増えて、その分も必修教科と違った種類の準備をしなくてはならないということもあります。
 そんなことで、単純に土曜日の分がというようなことになりますが、具体的な数字をお示しはできないですが、できる限りよろしくお願いいたします。
 勤務ですが、大体1日6時間授業ですと、6時間目が終わった後、約1時間、あるいは、1時間10分程度の後に退勤時間がくるのが通例です。その中で、休憩時間等も昼にはなかなかとれない学校が多く、終わりのほうに持ってきたり、コマの中に入れたりしている学校もあり、そういう中で、もし労基法どおり休憩をとりますと、本当に準備の時間がなくなってしまう、教育相談もなくてってしまうというのが現状です。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 教頭会のお立場、どうぞ。

【全国公立学校教頭会】 申しわけありません。先に答えさせていただきます。
 まず、主幹制度ですが、東京都が教育委員会の組織編成権に基づいて、主任を兼務させるという形でやっているわけですが、我々教頭会としましては、これが全国に広がることを強く望んでおります。学校がなべぶた組織と言われて久しいわけですが、やはりこれは危機管理という意味からも、非常に望ましくない形だと思います。教頭を補佐する職、中間管理職という形で位置づけ、組織的に機能的に学校が運営できる形を作ることが必要と考えるのですが、実はこれは学校の規模ということが非常に大きく影響するのです。
 といいますのは、小学校で6学級の学校が全国的に一番多いわけですね。中学校では3学級、要するに、学年1学級という学校が一番多いわけです。このような、あるいはそれ以下の小規模校と、通常我々が想定する20人、30人、あるいは、40人の教職員がいる学校、これを一律に論じる、一律に法令上で制定しなくてはいけない、ここら辺にかなり無理があると思うのです。
 私も、ある程度人数がいるところしか想定していないわけですが、これが全国的な形で話を聞きますと、それこそ10人未満の学校、これに組織的な運営が必要かというと、そんなことはないのです。役割分担の範囲で何でもできます。教頭が多忙かというと、多忙は多忙なのです、やることは同じですから。でも、人数が少なくてやるのは全然違うのです。5月初めまで、大体5月の連休は教頭は休みません。学校にいて、いろいろなことをやって、連休明けぐらいに全部提出が終わって、良かったなと、これが通常なのですけれども、これとて、そこそこの規模のある学校の問題で小規模校ではそうでもないのです。
 ですから、ここら辺が一律に論じられないというところに、非常にちょっともどかしさはあるのです。
 お答えになっていないところもあり、申しわけございません。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 ちょっとここでお詫びとお願いでございますが、最初に予定した時間、大分オーバーしております。しかし、問題が非常に多岐に渡り、また、もっとお教えいただかなきゃならんことがあろうかと思います。
 それで、お待ちいただいておりました特殊学校長会の先生方にお入りいただきました。それから、市町村教育委員会連合会の方にもお入りいただきました。ディスカッションが重なったり、いろいろ重複したりすることもあろうかと思いますが、このあたりをなるべく省くことと、お待ちいただくのは大変申しわけないので中へ入っていただきました。
 中に入ってはいただきましたけれども、ご発表いただく時間がちょっとずれ込みますが、よろしくお願いいたします。
 それから、今、ご報告いただいております3つの団体の先生方、また、選手交代いたしますけれども、お残りになってディスカッションをお聞きいただく、フロアのほうから質問されて、ご発言されても結構でございますが、時間がございましたらば、またお残りいただいてということで、学級編制もフレキシブルでございますが、会議の進め方もフレキシブルに、若干時間のことでご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、どうぞ、宮崎先生。

【宮崎委員】 時間のない中で申しわけありません。私からは、特別支援教育にかかわる面で意見が出ていることについてご質問したい。
 まず、全連小、全日中に関しては、適切な人事配置ということをお書きいただいております。現在の特殊学級の制度から、特別支援教育への移行ということ、ここはまだ微妙な段階ですが、このあたりで、定数配置というようなことを含めてお考えなんだと思いますが、それと含めて、コーディネーターの専任化ということ、このあたりで現状がどうなのかという点について少しお話をしていただきたいということが1点です。
 それから、教頭会にご質問したいんですが、スクールカウンセラーの実例を出されて、費用対効果という視点でお書きいただいたんですが、学校現場が様々ないわゆる人材活用といったようなことをするということが、今非常に求められてきているわけです。そういうことから、スクールカウンセラーの配置等も考えられてきたんですが、実態的に、特に中学校なんかでは生活指導そのほか、大変ご苦労されている。それから、ここでいう特別支援教育の在り方や、あるいは、不登校、いじめ対策等のことなどがあって、私はスクールカウンセラーの役目は大変大きいのかなとは考えたんですが、このあたりのすべての整理も含めて、検討しなければいけない点も出てきているんだろうなと思いながらお話を聞いていたんですが、このあたりについて、教頭会で何かご意見があれば、もう少し加えてお話をいただければありがたいと思います。

【高倉座長】 どうぞ、お願いいたします。

【全国連合小学校長会】 それでは、小学校長会からお答えいたします。
 コーディネーターにつきましては、全国連合小学校長会の各都道府県へのアンケートでも、是非制度化をしてもらいたいという要望が大変多くございます。例えば、私どもの学校、今子どもが840人おります。東京都の調査によると、約4パーセント前後が通常の学級に入っている、つまり、盲・聾・養護学校を抜きにして、軽度あるいはADHD等、私の学校は実は30人を超えるわけですね。その子どもたちの支援計画をつくり、関係機関と様々な連携を図っていく上では、とても兼務ではこれはできないだろうと考えております。
 したがいまして、専任のコーディネーターを配置していただいて、個別指導計画からはじめ、関係機関との連携、あるいは、どうなるかわかりませんが、支援教師との対応等々、やはりこういった点を考えると、専任化がやはり必要であろうと思っております。
 以上です。

【高倉座長】 中学校のお立場。

【全日本中学校長会】 実態から申しますと、なかなか意識的にもそんなに進んでないというのが実態かなと思います。研修、今お話が出ましたLD、ADHD、それから、高機能自閉症等に関する研修等は進みつつありますが、実際問題としては、なかなか教員の意識というのはそんなに高まっていない。
 今、4パーセントというお話がありましたけれども、これも学校のアンケートをとるときの教員の意識によってもパーセントが変わってくる状況があります。
 意識高くよく見ていくと、7パーセントぐらいに上がってきたり、あまり特別支援教育に前向きでない教員がとれば、もっと低いパーセントが出てくるという傾向もあります。
 それから、都道府県においても、特殊教育の在り方──特殊教育といいますか、知的障害の学級が各学校にあるような都府県もございますし、集中的に指導している東京都のような形もございます。そういう今の状況の中で、どういうふうにやるのが一番いいのかというのは、かなり問題があると思います。
 いずれにしても、通常の学級から4パーセントなり7パーセントなりを抜き出した形で指導するとなると、これはコーディネーターの実力もかなり必要ですし、それから、教育相談もコーディネーターが中心になってやるんでしょうけれども、大きな役割を果たさなければならない。
 それにはやはり専門性を持ったコーディネーターが、加配というんでしょうか、必ず必要と思います。
 それから、もちろん、授業を別にやるようなことになってくれば、それに対する人の手当てというのも必要になってくると考えております。
 以上です。

【高倉座長】 ちょっとそこで割って入って申しわけございませんけれども、コーディネーターの件で、やはり校務分掌的に考えるか、専任化ということで考えるかということは1つ意見が分かれるところなんです。
 それから、専任化という場合に、定数1くださいという意味で言っているのか、専門職化というような中身に入り込んだ意味でおっしゃっているのかというあたりもまた非常にコントラバーシャル(論争のある)なところかと思いますが、これは後でまた特殊学校長会からのご意見を聞いたところで改めてディスカッションをさせていただきたいと思います。
 では、スクールカウンセラーにつきまして。

【全国公立学校教頭会】 では、スクールカウンセラーについてお話しさせていただきます。
 まず、私は、公立学校教頭会ということで来ているのですが、実は、本年から、同じ教頭職なのですが、高校のほうへ移っております。なぜか自分でもちょっとわけが分からない形で高校へ移っているところなのですけれども、その中で感じていることがございます。
 高校には、カウンセラー等は入っておりません。ただ、非常に教員数にゆとりがございます。そういう中で、本校は何をやっているかといいますと、放課後や休み時間、昼休みに、教育相談担当の先生というのを決めて、常に部屋に待機させております。そこへ自由に相談に来いよという形をとっております。それから、授業のない教員、空いた教員をペアにいたしまして、1時間、校内巡視という形をとっております。時間に余裕がありますから、そういう形での運用ができるのです。したがいまして、やはり先ほどにまた戻ってしまうのですけれども、教員の余裕というのが様々な学校の取り組みを可能にできると。その辺もまた実際に高校に入ってみてそういう意識を持ったところでございます。
 スクールカウンセラーについては、これは精神科の医者、あるいは大学の先生を想定しておりましたので、時給5,000円云々というのは当然なんでしょうけれども、実質、臨床心理士という資格の者が大部分を占めております。これが、助けられた部分もあるのですけれども、若干疑問ということが現場からかなり上がっております。そういう声を聞いているということでご理解いただければと、難しいところもあるのですけれども、そのような感想を持っております。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 近く国家資格として云々というような動きもあるようでございますが、ただ資格だけじゃなくて、やっぱりこれも中身が大切かと思いますが、貴重なご意見、ありがとうございました。
 これは延々と続いてしまいますけれども、それでは、最後に座長代理の小川先生に、コンクルーディング質問というのは変なあれですが、締めくくりの質問をひとつお願いいたします。

【小川座長代理】 質問に入る前に、これはすごく重要なことなので文科省にお聞きしたいんですけれども、先ほど、横山さんが指摘されたアンケート調査がありますよね。その26ページで、「1人クラスあたりの子どもの数を少なくする」ということで、小学生、中学生、あと保護者すべてが答えているんですけれども、小学生、中学生の子どもの答えと、保護者、教員との答えの傾向が違うというのは非常に注目することなんですが、ただ、これがちょっと不正確なのは、これを答えた小学生、中学生が、何人の学級に在籍して、今のクラスよりももっと少なくしてほしいと答えているのかというのが分からないんですよ。これは今よりももっと少なくしてほしいかどうかという質問なので、例えば40人学級にいる子どもと、20人学級にいる子どもがどういうふうに答えるかというのは違うんですよ。ですから、20人とか30人の学級にいる子どもが、今よりも減らしてほしい、20人よりも減らしてほしいなんていう答えは当然出てこないと思うんです。
 ですから、できましたら、この数字がひとり歩きするのが僕はすごく怖いので、これは何人の学級の子どもたちがどう答えているか。例えば、36人以上の学級の子ども、ないしは25から36人ぐらいの学級、あと20人以下の子どもというふうに、クラスの子どもの数ごとに分けてもう少し詳しく数字を出していただきたい。是非お願いしたいと思います。

【高倉座長】 小熊さん、どうですか。サンプル数の少なさというようなこともまたいろいろあると思いますが。

【小熊教職員配置計画専門官】 そういった問題もございますが、データについては、クロス集計等ができるようにデータをとっていただいているように聞いておりますので、次回にでもまたお示しできるようにしたいと思います。

【小川座長代理】 それと、これは答えるのは難しいと思うんですが、私たちも今、どうするかということですごく悩んでいることを少し率直にぶつけて、現場のお話を伺いたいんです。というのは、これまで例えば定数改善をするときに、財政的な制約ということをどうしても考えざるを得ないですよね。すると、例えば来年度は第8次の改善計画をするといった場合に、児童生徒数の自然減に対応する教員確保というのは、文科省の試算によれば、大体あと10年ぐらいで8,000人ぐらいですか。

【小熊教職員配置計画専門官】 5年でございます。

【小川座長代理】 5年で8,000人ぐらいですか。なおかつ、例えば今、少人数指導でやっている加配が3万人か4万人ぐらいありますよね。

【小熊教職員配置計画専門官】 少人数指導の加配は、3万9,000人でございます。

【小川座長代理】 3万ですか。すると、それで4万ぐらいですよね。少人数の指導をどうするかということもいろいろ考えなきゃならないですけれども、ちょっと単純に、今言ったような児童生徒数の自然減と、少人数指導で今加配で使っている分、大体4万ぐらいというふうにして、この数を少人数学級、例えば35人学級とか30人学級とする場合には、せいぜい1学年か。2学年は厳しい状況ですよね。その形でするほうがいいのか、それとも少人数指導の充実ということで、国の標準40人ということには触れないで、少人数指導をさらに拡大していくというような形でやるか。それとも、国の標準は、もう今のまま40人として、先ほど教頭会から説明があったように、各学校に配置する先生の数を増やすと。増やした上で、各学校ないしは市町村レベルで、40人学級という国の標準をベースにしながら、可能なところで、例えばうちは35人をやろうとか、30人をやろうとか、いや、うちは少人数でやるというふうに、それは市町村、各学校で自由にやってくださいというふうにするほうがいいのか。このあたり、政策判断というのはいろんな意味であるかと思うんです。
 ただ、文科省がどういうふうに政策判断するかというのは、これはいろんな政治的判断を考慮すると思うんですけれども、単純に学校レベルでは、そういうふうな幾通りの政策の選択肢を求められた場合に、学校現場が活力をもらえるというのはどういうふうな政策選択の場合が望ましいというお考えですか。

【高倉座長】 学校現場からの提言ということで、簡潔に。

【高浦委員】 今のもうちょっと補足していいですか。

【高倉座長】 はい。では、どうぞ高浦先生。

【高浦委員】 今の質問を少し実質的に進めることですけれども、小中学校の校長会は、校長サイドの拡大ということを言っていますよね。これが、1つは教職員配置の問題と、それから少人数学級・少人数指導のことを両方で書いていますよね。
 その後者のことだけで今の質問を補足したいんですけれども、例えば今、現実に少人数指導の加配があるときに、学校では40人定数のもとでやっていますけれども、学校、学級を半分に割って授業をするとか、何かパターンがある程度画一的になっているんです。そのときに、例えば1人加配したときに、あるいは複数の加配があるときに、生活集団としての学級集団も、授業集団も、もうすべて学校の校長裁量でやらせるというところまで突っ込んでこれは考えているのか。あるいは、そこまでやったときに、全国の小中学校の校長は大丈夫かという話ですよね。
 教頭会は、1学級の定数40人以下を30人云々というのがありながら、一方で教員1人当たりの子どもの数を減らして欲しいと言ってますよね。そのときに、減らすのはいいんですけれども、減らした後はどうするのか。今度はまた、実際は校長になるんでしょうけど、全国の校長にそこまで任せたときに、本当に学習集団も、学級集団も適宜その学校で違うと、そしてそれを常にやっていくと、そこまで今現実に任せられるのか、あるいはそこまで考えた校長裁量を言っているのか、質問をしたかったんです。

【高倉座長】 小川先生と高浦先生の似通ったところと、違うところもあろうかと思いますが、両方をひっくるめたような受けとり方をしていただきまして、これも簡潔にサジェスチョンをいただければありがたいと思います。

【全国連合小学校長会】 これから申し上げることは、全国の校長を代弁するかどうかちょっと私も自信がありませんが。
 やはり国としての基準を、40人でなくて、もう少し少ないところできちんと示してもらうというのは、区市町村等の予算によってそれがあやふやになったり、変わったりするという可能性がかなりあるのではないか。そういう意味では、基準は基準できちんと明確に示してもらいたい。なおかつ、その上で、繰り返し申し上げているように、弾力的な扱いができるようにしていただけたらと。
 単純に言えば、子どもの数により多くの教員がいるということが、学校としてはいろんな意味で弾力的な対応、まさにいろんな問題にいろんな対応ができる、幅が増えるということで、それがひいては教員の多忙感を減らし、授業や教材研究に没頭できる時間が増えるという意味で望ましいなというふうに考えております。
 それから、高浦委員さんの少人数のことですが、これについては画一的という話もありましたけれども、施設設備等の問題もあって、なかなか多様なというのはできない実態が正直ございます。したがいまして、2クラスを3つに分けたり、1クラスを2つに分けたり、これも施設設備がないためにかなり苦労しながらやっている学校が東京では多うございます。
 そんな中で、その1つを申し上げているのは、最終的に校長がそれでできるのかということですが、全連小としては、できる方向でやっていきたいというふうに考えております。

【高倉座長】 中学校のお立場から、教科担任制なんかも若干視野に入れられたほうがいいのかなという気もいたしますが、あまりこだわらずにどうぞ。

【全日本中学校長会】 全日中の立場としては、先ほど申し上げたように、幅を持たせた形でお任せいただきたいということでございます。丸投げという形で、全部任せろというようなことで意志統一ができているわけでは決してございませんので、そこまでは申し上げられない。行く行くはそういうことがあってもいいかなというふうには思っておりますけれども、いきなりそういう体制というのは無理であろうと。
 それから、8,000人というお話がございましたが、今、加配についてはすごく学校差がございますので、これも例えば私どもが異動したときに、前の学校は4人加配があったけど、今度はゼロというようなことも結構ございますので、その辺はやはり計画で縛ってしまうとそういうことがよく起こりがちだと思うので、ある程度やった形で任せて評価するという線をもう少し強く打ち出していただければありがたいと。
 以上です。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 それでは、教頭会。

【全国公立学校教頭会】 財政上、1学年あるいは2学年しか増やせないというようなことになりますと、これは先ほどから主張しているとおりでございます。
 埼玉県では、38人学級を中学校1年生についてやっております。私、中学校の経験から言いますと、中学校で少人数学級編制をするのであれば3学年が適切と、これは個人的な見解なのですけれども、そのように考えております。したがいまして、そういう思いが実現できるような形が一番だと思います。
 任せられるのかという部分については、学校は任せられると判断しております。ただし、前提がございまして、ここで設置者である区市町村教委、これとのかかわり、この権限と、それから学校の学校長としての権限、これが一体となって機能するような形、これがなくて単に学校でやってみろと言われても、なかなか難しい部分もあるかもしれません。設置者の出番という、そこら辺を強調したいと思います。
 以上です。

【高倉座長】 ありがとうございました。学校と設置者とのコーポレーションをどうするのかというようなことのご指摘かと思います。
 どうもありがとうございました。最初に予定した時間配分の3倍を使わせていただきまして、それだけまた後のご意見いただく団体の先生方をお待たせしてすいませんでした。
 本当にすばらしいご意見をありがとうございました。私どもの意見の集約に大いに参考にさせていただきたいと思います。もしお時間ございましたらば、フロアにいらっしゃってまた手を挙げて発言したいというようなことがございましたら、どうぞ割り込んでください。どうも本日はありがとうございました。
 大変お待たせしてしまって申しわけございません。
 それでは、全国特殊学校長会からご意見を頂戴したいと思います。これは、特殊教育、ないしは今日的な呼び方で言いますと、特別支援教育の問題に特化した意味でご議論いただければと、それのご意見を頂戴できればというふうに思っております。では、よろしくお願いいたします。

【全国特殊学校長会】 それでは、全国特殊学校長会として、意見表明の場をいただきまして本当にありがとうございます。最初に感謝申し上げます。
 それでは、ペーパーをご用意させていただきましたので、これに沿って意見を表明させていただきたいと思います。特別支援教育をこれから推進していくという立場に立って、何点かご意見を申し上げます。昨年12月に、特別支援教育を推進するための制度の在り方(中間報告)を中教審の特別委員会から出していただいたということで、それに沿って、その中で出ていることでございます。
 特別支援学校(仮称)の教職員配置のまず第1点の問題は、児童生徒1人1人の生涯にわたる一貫した支援をするための個別の教育支援計画を策定するということで、そのためにコーディネーターを指名ということになっております。特別支援学校には、コーディネーターを指名するということになっております。
 現在、17年度、今年度中に、全国の盲・聾・養護学校では、個別の教育支援計画を策定するというふうになっておりまして、それに向かって今現在進めている真っ最中でございますけれども、やはりコーディネーターの役割は、非常に重要であるということでございます。その役割を十分に果たすためには、やはりコーディネーターの配置が必要であろうと考えております。
 コーディネーターの役割は幾つかありますけれども、1つは、在籍している幼児、児童生徒のための教育支援計画をつくるということ。それから、福祉・医療等の関係機関との連携を図るということ。それから、さらに在籍以外の幼稚園、小学校、中学校、高等学校に在籍している障害がある子どもたちに対する教育支援計画つくり、支援をしていくという大きな役割がありまして、そのためにはそこに当たる教員の配置が一番重要かと思っております。
 また、盲・聾・養護学校――これからは特別支援学校(仮称)になっていくわけですけれども――のためには、地域の特別支援教育のセンター的な機能をいかに果たすかということが求められていると思います。実際にLD等の発達障害の児童生徒が在籍している小中学校、幼稚園、保育園等々への支援というのが必要になってございますので、それに向けて巡回指導を行ったり、あるいはそれぞれの学校の教職員に対して研修を行ったり、あるいは支援を行ったりということで、非常に重要な役割がありますので、そのような体制がとれるような仕組みを考えていただきたいと。
 例えば、聾学校において現在も加配されて、超早期というんでしょうか、ゼロ歳児からの療育相談ということも行っておりますけれども、その辺のところも是非ほかの障害種別にも広げていただければ、非常にこれの成果が上がるのではないかというふうに考えております。
 次に、2番目に示しましたところは、小中学校の特別支援教室(仮称)ということで、これは先ほど小学校長会等でもありましたように、現在、小中学校に在籍していると言われている、軽度の発達障害も含めた障害のある子どもたちへの対応というのが非常に重要だと思っております。それと同時に、今現在、特殊学級や通級指導教室で障害のある子どもたちを指導しておりますので、現在の小中学校で行われている障害教育の質が低下しないような、そういう教員配置のシステムづくりというのが大事かというふうに考えております。是非その辺を検討していただければと思っております。
 それから、3つ目ですが、外部専門家の学校における登用、活用の仕組みについてというふうに書かせていただきました。学校に教員以外の専門家、ここにちょっと書きましたけれども、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士、臨床心理士、または医療関係者、看護師等ということでございますけれども、それとの連携が非常に重要だというふうに思っております。
 そういう意味では、現在の法律でも導入できないことはないんですけれども、ただこれは都道府県によって非常に差がございます。そういう意味で、もう少しその辺をきちんと、学校に専門家を登用していただいて、そこで十分に教員と一緒になって幼児、児童生徒の教育の充実に当たれるような仕組みを是非導入していただきたいと思っております。これは、大学とか、NPO法人とか、そういうところとの連携ということももちろん視野に入れて、そのような専門家たちが学校のほうに入ってくれば、子どもたちの教育がさらに充実するのではないかというふうに考えているところでございます。
 それから、4番目のところで、柔軟な学級編制の在り方についてというふうに書かせていただいたんですけれども、様々な課題がありますが、特に1つ、現在、知的障害の養護学校の児童生徒数が非常に増加しているという現状にございますけれども、その中でも自閉症症の子どもたちが非常に増えてきているという現状がございます。自閉症の子どもたちにつきましては、特に低学年の段階ですと、行動障害というんでしょうか、様々な課題がありまして、重度障害学級という学級がございまして、そちらのほうで対応したいというふうになるんですけれども、現在の法律では、重度障害学級、重複学級の中には、直接には対象になっていないという問題がございます。その辺も、学校の現状等もございますけれども、柔軟に自閉のお子さん、特に重複障害のあるのはやはり自閉症のお子さん方が重複障害学級のほうに措置して、そちらで手厚い指導ができるようにという、そういう柔軟性がとれるようなことが必要かと思っております。
 特別支援学校ということで、これから障害のある子どもたちの教育の充実のためには、やはり国の基準というものをきちんとしておかないと、全国の一定の水準を確保する必要があろうかと思いますけれども、その上に立って柔軟性がとれるような仕組みということを私どもとしては強く要望したいというふうに思っております。
 以上でございます。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 今、先生からご意見いただきました、その中で出てきた中間報告ということで、これが1冊あるんですが、前回、第3回のこの会のときにお配りいただきましたものがこの大きなファイルに入っております。第3回のところ、資料2−1から後です。これは、これまでの特別委員会での審議の経過と、中間報告の概要など、それからセンター的機能、これはもう先生方は当然お分かりのことでございますが、そういったことにつきましても、ポンチ絵の中におまとめいただいたのがございますので、参考にしながらと思います。
 それから、今校長会からご意見いただきました1と2につきましては、中間報告にかなり即したご意見。3番目につきましては、さらにそれに追加する必要なご意見。4番目につきましては、ここで議論する内容と同時に、特別委員会で議論しなきゃならないものまで入っているのかなというふうに思います。幅広なものと思います。そういったことをご考慮の上、またご発言いただければと思います。ありがとうございました。
 それでは、ご質問あるいはご意見をどうぞ。
 宮崎先生、どうぞ。

【宮崎委員】 先ほど、全連小、全日中、それから教頭会の方々にお伺いしたことと重なってしまいますが、まず、1点目、コーディネーターの設置をということのようでありますが、これについては、いわゆる調査研究協力者会議等では、校務分掌扱いでというようなことでなっていたんですが、お考えとしては、コーディネーターの定数配置、あるいは定数外配置とかいうような、定数として学校に置くという考え方でよろしいですか。
 それから、2点目は、小中学校の特別支援教室への配置ということが重要なんだということで、先ほどの意見表明と重なる点で、ここは省きますが、3番目の外部専門家の学校登用、活用というのは私も非常に重要だと思っておりますが、実態的には、直接対応するのはなかなか難しい、専門家も少ないという現状から、非常勤職員というような形で対応せざるを得ないんだと思うんですが、そのあたり、そういうことでよろしいでしょうか。
 それから、最後の学級編制のところは、もうお話を伺っていて、知的障害と自閉症を伴った場合に、重度重複学級対応ができるような仕組みをということで、これは定数配置とは少し違うんですけれども、そういったような話として伺ってたんですが、そういったことでよろしいでしょうか。

【全国特殊学校長会】 それでは、コーディネーターの件でございますけれども、これは定数、または定数外ということはあると思いますが、やはり教員として配置を考えております。というのは、特に今年度は個別の教育支援計画を全国の盲・聾・養護学校では進めているんですけれども、現実に、例えば小学部、中学部、高等部と3つの学部があった場合に、それぞれやはり小学部のコーディネーター、中学部のコーディネーター、高等部のコーディネーターという形で、やはりコーディネーターそのものとしては、盲・聾・養護学校は複数で指名をしているわけなんです。それで進めているというのがほとんどなんです。それを、そのコーディネーターにプラスその分掌、担当の教員が入って、例えば教育支援部とか、地域支援部とか、そういう分掌をつくっている。それが学校の組織の作り方なんですが、そのようなものを、やはり束ねていく、その中心となって教育支援を行っていくものとして、やはりコーディネーターの配置というのがあればよろしいのではないかと考えているところです。
 それから、外部専門家の導入ですけれども、これは宮崎先生おっしゃるとおり、やはり非常勤ということでよろしいのではないかと思うんですが、ただ、非常勤講師という形になると教員免許との関係とか、様々難しい問題がありまして、なかなか導入しにくい現状にあるのではないかと思っておりますので、そういう教員免許とはちょっと切り離した形で、学校に来ていただく、応援していただく、そういうことが一番、それで教員と一緒に、教員も指導していただいて、子どもに当たっていただくというのが一番望ましいのではないかと考えております。次の自閉症にあわせ有する障害ということについても、おっしゃるとおりでして、そのようなときの重複認定をあわせた学級の柔軟な運用ということで申し上げました。
 以上です。

【高倉座長】 ありがとうございます。
 どうぞ、伊藤さん。

【伊藤委員】 現在、大学で教員養成をやっておりまして、中学の教員免許で、介護体験で養護学校を2日間という制度がありますけれども、あの学生たちの活用は、実際に現場に効果的なのか、あるいは、そういう人材をどのように現場で活用されているのかというのを、ちょっとご意見を、あればお聞きしたいと思います。

【高倉座長】 介護体験等の話、ちょっと広がりましたけれども、どうぞ。

【全国特殊学校長会】 現場での活用という考え方よりも、やはりそこで体験をしていただいて、共に生きる、その姿勢を作っていただきたいというのが、この体験のねらいで、大変貴重な場であると考えております。そのようにして、いろいろ感想文なんか寄せていただきますと、本当にいい体験をしていただいたなということが、たくさん寄せられておりまして、そのことが自然に、活用ということではないんですけれども、その後、自発的にいろいろなボランティアにつながっていたりだとか、そのことがまた教員のその後の質を高めたりすることにつながっていると感じております。
 また、私ども全特長としましては、教員免許を取って教師、教員になる、なりたいという者に対しても、障害のある子どもたちに対する理解というのを、教職課程の中でやはりきちっと触れていただいて、そういう障害のある子どもたちに対する理解をしていただいて、それで教員の免許を取っていただいて、通常の小学校や中学校に障害のある子どもがいたときに、その子と障害のない子どもたちがともに理解し合う、そういう形に是非していただきたいと思っておりますので、そういう意味では介護等体験の学生たちは、2日間という限られた時間なんですけれども、来ていただいて、子どもといろいろ接したりとか、私ども盲学校ですけれども、例えばアイマスクをして校内を歩いて、視覚障害があるということの実体験をするとか、そういうことが非常に重要で、大変、私どもにとっても役に立つというか、私ども、学校が逆に、学校のことを知っていただくといういい機会だなと捉えております。そういう意味では、本校も1年に200人ぐらい学生が、延べ400人ということで来ますけれども、大変貴重な機会だなと思っております。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 先ほど、センター的機能のこともお触れいただきまして、お出しいただいたペーパーの1の最後のところに、これらを担当する教員の配置云々と、これらを云々というのは、このセンター的機能を具体的に遂行していくということになれば、それなりの教員の数が体制として必要ですよといったことを、かなり控えめにお書きいただいたと、こういうことでよろしいでしょうか。

【全国特殊学校長会】 はい。

【高倉座長】 どうぞ、高浦先生。

【高浦委員】 特別支援教育のコーディネーターのイメージなんですけれども、実際、そういう職種なり専門職を置くとしたときに、どれぐらいのカバーをして、どこに配置して、どういうふうに実際にやっていくというイメージを立てておるのか、それを聞きたいんです。いろいろな機能のことは、ここに書いておりますけれども、あるいは今ご説明いただいたんですけれども、実際にどういう人間を、どれくらい、どこに配置して、どういうふうに動かしていくのかという、ちょっとそのイメージを教えていただければと思います。

【高倉座長】 さきほど申しましたように、特別委員会の議論とかなり重複しておりますけれども、どうぞ、なるべく教員配置のほうに、この会でございますのでウエートを置きながら、今の問題をお答えいただければありがたいと思います。

【全国特殊学校長会】 コーディネーターについては、まずは、在籍している子どもたちの個別の教育支援計画を作成するわけですけれども、それは子どものニーズ、それから、保護者のニーズを聞き取って、個別の教育支援計画を書き、ニーズを聞き取って、そういう支援計画を作るということになります。
 一番基礎でやっているのは担任が一番それをやるわけですけれども、その担任がやったものを、個別のコーディネーターがまとめていくということが大事なわけです。そうしないと、例えば、全校的にどうなのかというところが共通理解もとれないということになってしまいますので、学部によっていろいろ様々違っていたら、子どもが小さいときから、中学部、高等部になっていくに従って、それがうまく連携をとって支援していくことができないということになりますので。
 それを、今度はそれに基づいて支援会議を開きます。というのは、その子のために、教育のところでは何ができるのか、それから、福祉のサイドでは何ができるのか、それから、医療のところでは何ができるのか、あるいは、中学、高等部になっていきますと労働との関係が何ができるのかということで、様々な関係機関が集まって、一人一人の子どもについて、どのようにそれぞれの役割を持ち合いながら、支援計画をつくって支援していくのかという、実際の支援を行っていくのかということが大事になります。
 その関係機関は、現在のところ、やはりまだまだ各機関が十分あるとも限りませんし、それから、関係機関等の連携が今かなり充実するというわけでなくて、今始まったばかりなんですね。そういう意味では、コーディネーターが各関係機関を開拓して、その人たちを集め、それで連絡をとって、一人一人の子どもに対して支援会議を開いていく。それをまとめて、また教員、あるいは保護者や関係機関に返していくという、大体仕事としては、そういうイメージになるわけです。そういう意味では、学校に1人おればいいということではないんですけれども、先ほど申し上げましたように、学校の分掌として、まず何人かで、このところを受け持って、それを統括する形でコーディネーターが各学校1名程度おれば、それを十分に活用した、子どもたちに対する支援というのができるのではないかと考えております。
 それともう1つ大きな仕事としては、小学部に入るところ、それから、学校から出るところ、そこのところの移行するところが非常に、今円滑にするということがなかなか、そこが難しい課題になっておりますので、そういう就学するところ、それから、社会に出ていくところ、そこのところをやはりコーディネーターが中心になって押さえていく、そこをきちっと円滑に移行できるようにするという仕事があると思います。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 コーディネーターにつきましていろいろと議論をいただいておりますけれども、コーディネーターにつきましては、ただいまのご意見のところでは特別支援学校のほうでコーディネーターについて触れられ、今、ご発言のところは、実際には小中学校の特別支援教室絡みのコーディネーターの話、両方一緒になっているなと思います。両方必要なのかなと思いますが、中間報告で書き込んだコーディネーターというのは2のほうですね。小中学校の特別支援教室絡みで小中学校にコーディネーター、山下課長、それでよろしいわけでしょうか、この中間報告……。

【山下特別支援教育課長】 いえ、特別支援学校のセクションにも若干記述ございますが、ただ、若干役割が違うんじゃないかというご議論が出ていると承知しております。

【高倉座長】 わかりました。
 というようなことで、いずれにしても、そのために人の配置が必要なのではないかというようなご指摘をしていると承らせていただきたいと思います。
 また、何か、課長、ご意見。

【山下特別支援教育課長】 コーディネーターについて、ご要望がたくさん出ておりますけれども、今、高倉座長おっしゃいましたとおり、中教審の特別委員会でいろいろと議論をしております中では、盲・聾・養護学校につきましては、これが特別支援学校に移行したときに、いわゆるセンター的機能というものを制度的にきちっとしようということがパッケージになっておりますので、比較的コーディネーターというものが、そこでどんなようなまとまった仕事をするのかということがイメージしやすいんでございますけれども、小中学校につきましては、今まで障害児教育というのは、特殊学級担任の仕事であるという世界を少し変えなければいけないと。全校体制でやらなきゃいけないというところを、私どもの施策としては平成19年度を目標年次と定めさせていただいて、そして、19年度までにすべての小中学校に最低1人はコーディネーターの指名をしてくださいよという形のことをやらせていただきまして、そういう意味で、今いろいろな過渡期でありますので、小中学校が大変な状況であるというのは十分認識をしておるんですが、ただ、小中学校のコーディネーターというものが制度的にどんな位置づけをするのがいいのか、例えば、スクールカウンセラーのような高度な専門職みたいなものがいいのか、それとも生徒指導体制のように全体の教職員が仕事をする中で、若干、教職員配置の中で何がしかの手当がなされているという形がいいのか、これはまた次の段階でおそらく検討すべきことかなと、私どもとしては考えておりますけれども、いずれにしても、ご要望も踏まえて、またいろいろと中教審でも引き続き、審議を進めていただければと思っているところでございます。
 どうもありがとうございました。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 私、思い違いをしておりました。コーディネーターにつきましては、何カ所にも出てきますし、中間報告だけじゃなくて、協力者会議等々でも出てまいります。ここを見ますと、今、課長がご説明くださいましたように、センター的機能を担う中核的存在としてのコーディネーター、これは学校ですね。それからもう1つは、小中学校におけるコーディネーター、これも。両方かかわっていて、それぞれ役割が違う。役割の違いということが、教員の配置にどうかかわってくるかということについて、さらに突っ込んで議論しようということで、そのための様々なサジェスチョンをいただいたということで、どうもありがとうございました。
 それでは、大変お待たせして申しわけございませんでした。最後になってしまいましたけれども、どうぞ、よろしかったら。全国市町村教育委員会連合会からのご意見を頂戴しようと思います。若干議論の展開の仕方によっては、時間をオーバーするかとも思いますが、大変お待たせしてしまって申しわけございません。よろしくお願いいたします。

【全国市町村教育委員会連合会】 全国市町村教育委員会連合会にも意見発表の機会を与えていただきましてありがとうございます。
 私ども、会長、ただいま議会のために出席できませんので、私、千葉県の教育委員会連合会協議会の会長を仰せつかっておりまして、当連合会の常任理事を務めさせていただいております安藤でございます。
 全国2,341市町村の教育委員会の連合組織として、我が国の教育の向上を目指して活動している組織でございます。そのために各都道府県の現状や課題をまとめて、その課題に対して検討をし、対応を考え、活動しているわけでございますけれども、各都道府県、各市町村教育委員会、非常に多様でございまして、全部集約するのは大変難しゅうございます。また、小中学校、それから高等学校も所管しておりますけれども、それぞれの現場からの要望も非常に多岐にわたってございますので、全部集約はできませんけれども、共通した事項につきまして申し述べさせていただきたいと思います。
 なお、現場からの要望をまとめておりますので、これまでにありましたように、小学校長会、中学校長会、教頭会、そして、特殊学校長会、これらと大変共通し、重複している事項が多うございますので、簡潔に申し上げたいと思います。
 まずは、教職員配置の在り方につきまして、第7次の定数改善計画、非常に成果があったということでありがたく思っています。つきましては、さらに柔軟で効果的な次期改善計画を策定し、実施されますように、各市町村教育委員会から強い要望が出ておりますので、この点をまずお願い申し上げたいと思います。
 さて、きめ細かな指導に対する加配教員の拡大でございますけれども、これもいろいろなところから出ておりまして、一層拡大していただきたいということでございます。今、縛りがありますけれども、加配定数などについて、もう少し弾力的にできるような方法で拡大をしていただきたい。
 さらに、2番目にありますように、加配教員の非常勤対応が増えておりますけれども、是非正規の教員の配置をお願いしたいと思います。
 それから、3点にありますけれども、特別支援教育のコーディネーターの定数上の措置でございます。
 それから、司書教諭の専任化も、これまで出ておりますけれども、12学級未満の学校への配置、そして、定数化をお願いしたいと思います。
 スクールカウンセラーも、現状では週8時間の勤務、こういう状況にあるようでございます。是非これも、勤務時間の拡大ということをお願い申し上げたい。
 それから、今、キャリアカウンセラーが必要な状況になっていると思いますので、是非、このカウンセラーの配置をお願いしたいと思います。
 7番目の言語通級指導教室の希望者が増加している現状でございます。是非、この教室の増設と専門指導員の増員が必要と考えます。
 8番目の障害を持つ児童生徒の受け入れが非常に増えてまいりまして、現状ではうまく対応できない状況にあります。是非、専門知識のある非常勤や介助員の配置を考えてほしいということでございます。
 それから、食育教諭とありますけれども、食育の指導です。これは、栄養教諭は市町村の教育委員会に置いて、巡回指導する体制が現実であろうかと思います。
 所管であります高等学校でも、習熟度別指導が進んできております。是非、これの教員の配置、お願いしたいと思います。
 学級編制及び学習集団の在り方につきまして、ここは校長の裁量に任せるなど、弾力的に運用できるよう標準法を改正していただきたい。これが非常に強い要望でございます。
 私ども、集約しておりますと、学級の定数の人数でございますけれども、そこに数字を示してございますけれども、小学校の1年生・2年生は30人、それ以外は35人、この辺が集約して、多くの理解が得られる人数であろうかと集約しておるところでございます。非常にこの辺の議論につきましては多様でございますけれども、もう既に40人という数字は見直す時期に来ていると考えております。
 あと、複式学級ですけれども、この基準が今、1年生を含むのは8人、その他は16人という数字が規定されてございますけれども、その辺を勘案してもう少し複式学級を減らしていくという方向に見直していただきたいと思っています。
 私ども設置者としての市町村教育委員会は、人事においてもいろいろな権限があるようで、実際はあんまり発揮できない部分がございます。これまでも指摘されておりますけれども、どうしても市町村の施策を実施するときに、都道府県の教育委員会の指導が非常にいいような悪いようなというんですか、あるときにはちょっと規制が強くて、うまく機能しない。そこで、各市町村には独自にいろいろな方策を考えて、今取り組んでいるところが増えてきております。この辺は、地域の教育は地域でという、そういう時代でございますので、各市町村のそういう独自の取り組みというのは、これからも進行していくかと思いますけれども、何せ財政的な差がございます。そういう財政的に厳しいところでは、思っていることが実際にできないわけでございます。私どもとしましては、総額裁量制、あるいは人事についても都道府県の教育委員会から市町村の教育委員会に枠を移していただく。そうすると、現場の校長の裁量を市町村の教育委員会が受けとめて、柔軟に対応できるというシステムをつくっていただくことが現実的かなと考えているところでございます。そのように法律の改正、あるいは運用をお願いできればありがたいと考えております。
 以上でございます。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 校長会からは、校長の裁量を非常に強調されたところがあろうかと思いますが、今度は市町村の裁量というところにウェイトを置いた市町村教育委員会の連合会からのご指摘、最後のところ、そういうところでおさまったというように理解させていただきたいと思います。
 1点、加配教員ですが、第6次に加配のことを書くときに、算数(数学)、英語等、学年が進むに従って個人差が目立つというようなことを書いて、あそこに例示として算数(数学)、英語を書いたらば、例示として書いたのが、何かそのとおりにやらなければいけないということで一般化してしまったというのが、少し心外だったんですが、むしろ、それ以外にも広領域の教科、社会などなど、もちろんそこで加配の先生方、うまく活用していただいておりますが、やはり特定の算数(数学)等に集中しているというのがいまだにとれないのか、あるいは、どこが集中させているのか。先ほど都道府県の話やら、市町村のお話が出ましたけれども、そんなことも何かお教えいただければ、あるいはそういったことに対して、どういうふうな動き、ご意見なのか。

【全国市町村教育委員会連合会】 例示がございまして、どうしてもそれにとらわれるという部分がございまして、なかなかそれ以外は進行していかないという状況にあります。
 現実には、私も個人的に考えていることでして、総合的な学習というのは、もっと人数が必要でございまして、この辺に加配がうまく機能していくということが大事なことだと考えております。

【小熊教職員配置計画専門官】 参考までに、今、全国的な教科等の実施状況を簡単に申し上げさせていただきたいと思います。
 平成16年度の状況でございますが、小学校の場合ですと、一番多い教科、使われているのが算数でございます。これは、加配されている学校の98パーセントの学校で算数で実施をしているというご回答をいただいております。その次に多いのが国語でございまして、43パーセントでございます。次に多いのが総合学習等でございまして、これが35パーセント程度という実施状況になっているところでございます。
 一方、中学校でございますけれども、一番多い教科につきましては数学でございます。これは加配されている学校の約88パーセントで数学を実施している。次に多いのが外国語でございます。これが約70パーセント実施をしているということでございます。3番目につきましては、小学校と同じで総合学習等でございまして、約40パーセントの学校でこの加配を活用しているという調査結果になっております。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 どうぞ、委員の先生方、ご質問等ございますでしょうか。

【横山委員】 私は都道府県サイドにいる人間です。これまでいろいろな場面で、都道府県と市町村の教育委員会とは、ある種あつれきといいますか、いろいろ縛りがきついとか、そういう話を非常に聞くんですよ。要は、先生方から、そういう話は聞きましたが、これ47都道府県がすべて同一の歩調でやっているとは思わないんですが、例えば、今おっしゃったように、都道府県が市町村の教育行政に口を出す。私自身はそんなに思ってないんです。というのはなぜかといいますと、ほとんど口を出すのは教育課程の実施の状況なんです。例えば、教育課程の適正実施という面からの、それはいろいろあるんです。それから今先生がおっしゃった教員の配置についても、枠で配分をして、あとは市町村とおっしゃいましたね。例えば、東京都の事例ですと枠でしか配分していないんですよ、区市町村に対しては。あとは、個々の教員をどこに張りつけるかというのは、それぞれの区市町村の教育委員会の専権事項であって、都道府県がどこの学校にどの先生がということは一切やってませんしね。だから、今おっしゃったように、そういう弾力的な対応を、そのために法令を改正してほしいとおっしゃいましたが、それは法令を改正しなくても、現実の日々の運用の中でなし得る話であって、非常に一般論として都道府県が市町村行政に口を出すな、あるいは縛りがきついという話を聞きますが、私自身はそんなに思ってないんですね。もし、例えば、事例としてこういうところはとんでもない話だということがあったら、是非お聞かせ願いたいんですが。

【高倉座長】 教員定数の改善、あるいは教員配置等に関して、できればそれに限定してお話しいただければありがたいと思います。

【全国市町村教育委員会連合会】 ちょっと適切な答えにならないかもしれませんけれども、私どもが学校現場から教員配置、様々な要望がありまして、学校現場を支援する立場から、すべてそういうものを受け入れていきたいんですけれども、そうはいかない。集約して、全体的な数を算出して県の教育委員会のほうにお願いをしていく。その段階で、数字的にも開きが出てくるんですね。だから、そこをどういうふうに埋め合わせるかというところが、現実的なネックというんですか、あつれきというんですか、というふうに思われます。
 ですから、現場の要望に対して、都道府県の教育委員会が握っている枠が、絶対数が足りないと、こういう現状があって、それがあつれきになっていると理解しております。

【横山委員】 それは国の枠ですね。

【高倉座長】 ありがとうございました。どうぞ、高浦先生。

【高浦委員】 今、先生が、2ページになりますけれども、2の1のところで1学級の人数を小学校1・2年は30、それ以外は35人。それ以外というと、これは小学校も中学も入るのかと思うんですけれども、この数字の根拠とか何かデータ、どういうものがあるんでしょうか。
【全国市町村教育委員会連合会】 根拠というのは特にございません。いろいろなところから寄せられている数字を集約をして、最大公約数的に算出したものでございます。ただ、私ども連合会としては、これまで50人、45人、40人と来ましたから、そして、現実的にはもう既に30人学級が、数字的には実現している、こういう現状を勘案したときに、30人という数字がいろいろなところから出てくるんでございます。しかし、30人という数字を法律に載せるということは非常にいろいろな意味で賛否両論があるでしょう。これまでの経緯からすると、35人というのが適切な数の表示であろうと、こういうことでございます。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 先ほど、多様な議論があるけれども、それを集約的にいえばというのは、40人は見直すべき時期に来ているというところで押さえられた。そのことに持っていくためのプロセスとして、こんな数字が出てきたのかなというように理解しておりますが、そんな理解でよろしいでしょうか。

【全国市町村教育委員会連合会】 はい。

【高倉座長】 ありがとうございました。どうぞ。

【渡久山委員】 まだいいですか。1つだけ。食育のための教諭の配置ですね、要するに栄養教諭の配置です。これは原則的には今は県費職員ですよね。もちろん市町村で採用してもいいんですよ。いいんでしょうけれども、これは学校巡回指導ということは、自主規制でそう書かれているんですか。それとも、それが望ましいということですか。学校に配置するよりは、教育委員会に配置したほうがいいという考え方ですか。

【全国市町村教育委員会連合会】 学校に配置が望ましいという意見もございますけれども、現実的に各学校に栄養教諭を配置するということは、財政的に見ても厳しいし、また、配置された栄養教諭が十分に職責を果たせるというんですか、場合によっては余ってくる。場合によっては足りない。こういう現実があろうかと思います。ですから、一律に学校へ配置というのは現実的ではない。したがって、教育委員会に配置しておいて、必要に応じて巡回して指導する、これが効率的な配置であろうと考えております。そのほかの加配教員等につきましても、教育委員会にストックをしておく。それで必要な学校に、校長の要請に応じて配置していく。こういうのも1つの方法かと考えておるところでございます。

【高倉座長】 ありがとうございました。
 島宮先生、大平先生、何か、特によろしいですか。

【大平委員】 いや、特に。

【高倉座長】 じゃあ、長い時間お待たせしてしまって、本当に申しわけございませんでした。今日はまた貴重なご意見をありがとうございました。全国的に非常に多様な教育委員会の連合会、その中で意見を集約するというのは、これもまた大変なことと思いますが、その中で公約数的なご意見をおまとめいただきまして、私どもにご提示いただき、本当にありがとうございました。また、それを非常に大きな参考の材料とさせていただきまして、私どもさらに議論を煮詰めていきたいと思います。
 また、今後ともいろいろなご助言等、いろいろな機会にいただければありがたいと思います。
 なおまた、特別支援教育絡みで、これも中間報告は出しましたけれども、その後、いろいろな議論もまたございますし、千何百人というような多くの方々からパブリックコメントも頂戴している。そういったコメントの中身も多様でございますし、本日の会議で議論しておりますように、やはり教員の定数、あるいは学級編制等々を一体どうするのかというようなことが、きちっと解決しないと、なかなかまたそれも進みにくい、そんなこともございます。したがいまして、教職員配置等の会議、及び特別支援教育の特別委員会等々、その中でもさらに意見を集約してと考えておりますので、また引き続き、いろいろなご意見を頂戴できれば大変ありがたいと思います。
 今日は、本当に長い時間お待たせしてしまいまして、しかし、また貴重なご意見を頂戴しました。ありがとうございました。お詫びと感謝の気持ちをあらわさせていただきます。ありがとうございました。
 時間少々オーバーしましたけれども、大変ご迷惑をおかけしました。しかし、いろいろなご意見の交換ができまして、大変よかったと思っております。ありがとうございました。
 それでは、小熊さん、今後の進め方等、今後の日程について、ご報告いただきたいと思います。

【小熊教職員配置計画専門官】 それでは、資料2をご覧いただきたいと思います。次回の会議、第5回でございますけれども、6月23日、木曜日、午前10時から如水会館2階「ペガサス」において開催をさせていただきたいと思います。ここでは、教育関係団体ヒアリング2ということで、団体ヒアリングを行っていただきます。
 それから、第6回以降は、この資料2に書かせていただいてございますので、またご予定のほうを入れていただきまして、できるだけ出席をお願いできれば、かように思う次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【高倉座長】 長時間、ありがとうございました。また次回もヒアリングがございます。またよろしくお願いいたします。そのあたりで一遍、第6回を挟んで、ここのところでは最初に作っていただきました議論の柱立てがありますので、それを少しずつ進めさせていただきたいと思います。その後は第10回まで組まれておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。

―了―

(初等中等教育局財務課)


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