| 1.日時: |
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平成17年6月1日(水曜日)15時〜18時
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| 2.場所: |
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丸の内東京會舘 11階 「シルバールーム」 |
| 3. |
議題:
| (1) |
山形県における少人数教育への取組について(ヒアリング) |
| (2) |
少人数教育について
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| (3) |
その他
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| 4. |
配付資料:
| 資料1 |
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山形県における少人数教育への取組について(ヒアリング資料) |
| 資料2 |
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少人数指導・少人数学級の評価 |
| 資料3 |
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学級規模の基準と実際[国際比較] |
| 資料4 |
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学級規模等と教育効果に関するこれまでの研究について |
| 資料5 |
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今後の日程について(案) |
| 参考資料1 |
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検討の論点(案) |
| 参考資料2 |
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30人学級等の実施について(鳥取県教育委員会) |
| 参考資料3 |
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今後の児童生徒数の推移 |
| 参考資料4 |
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小・中学校の1学級当たり児童生徒数の推移 |
| 参考資料5 |
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公立小・中学校の教員1人当たり児童生徒数の推移 |
| 参考資料6 |
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小・中学校における週当たり授業時数の推移 |
| 参考資料7 |
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教諭の平均教科担当授業時数について |
| 参考資料8 |
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指導方法の工夫改善定数の配置について |
| 参考資料9 |
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公立小・中・高等学校の年齢別教員数(平成17年3月31日) |
| 参考資料10 |
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教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議(第1回)議事概要(速報版)
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| 5. |
出席者:
| (山形県) |
真木義務教育課長、生田主任指導主事 |
| (委員) |
高倉座長、小川座長代理、吾妻委員、天笠委員、伊藤委員、梅田委員、大平委員、門川委員、島宮委員、高浦委員、渡久山委員、橋本委員、堀内委員、宮崎委員 |
| (事務局) |
藤原財務課長、杉浦初等中等教育局企画官、小熊教職員配置計画専門官
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| 6. |
議事内容
【高倉座長】 まだ定刻前まで1〜2分ございますけれども、ご出席の予定の方々みんなご出席でございますので、早速、開会をしたいと思います。
第2回の教員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議第2回でございますが、それでは始めさせていただきます。
本日はお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございました。6月1日からはサマースタイルでということでございますので、どうぞ人のことは見ないで、サマースタイルでよろしくお願いいたします。
きょうは第1回目にご検討いただきましたものを参考資料1でお配りしておりますけれども、検討の論点、それの4つ柱が立っておりますけれども、第1番目の柱の少人数教育について、この柱についてご議論をいただくということにさせていただきたいと思います。その議論をする前に、少人数教育に関して実践的な事例の報告をしていただくということで、本日は予定よりも30分時間を延長しておりますので、どうそよろしくお願いいたします。
なお、今後、時間の延長というのは1時間とか何とか、そういうのがまた出てくるのでははないかと思いますが、どうそよろしくお願いいたします。
本日、実践的な事例をご報告いただくために、山形県教育委員会から真木吉雄義務教育課長が、それと生田浩樹主任指導主事、お2人においでいただいております。ありがとうございました。どうそよろしくお願いいたします。暑いですから、上着をお脱ぎになっていただければと思います。
それに続きまして、また高浦先生からのご報告もいただくということで、いずれにしても少人数教育についてという第1番目の柱についてきょうはご議論いただくということでございますので、よろしくお願いいたします。
なお、前回ご欠席で、きょうご出席いただいている先生方をご紹介させていただきます。
門川委員、よろしくどうぞお願いいたします。
【門川委員】 京都市の門川です。よろしくお願いします。前回は、市議会でご無礼いたしました。
【高倉座長】 島宮委員でございます。
【島宮委員】 島宮でございます。前回失礼いたしました。よろしくお願いいたします。
【高倉座長】 渡久山委員でございます。
【渡久山委員】 渡久山でございます。
【高倉座長】 宮崎委員でございます。
【宮崎委員】 宮崎です。よろしくお願いします。
【高倉座長】 前回ディスカッションしているときに、特別支援教育についてお話をいただきたいんだけれども、きょうは宮崎先生は欠席だという話をしたその宮崎先生でございます。よろしくお願いたします。特別支援教育絡みの教員配置等の問題も今回の論議の1つの柱になると思います。どうぞよろしくお願いいたします。PRしたようで申しわけございませんが、よろしくどうそお願いします。
それでは、ヒアリングを始めます前に、配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。
【小熊教職員配置計画専門官】 それでは、配付資料の確認と内容の簡単なご説明について、事務局より行わせていただきたいと思います。
まず、資料1でございます。「教育山形『さんさん』プラン小学校の取組」ということで、後ほど山形県教育委員会の真木義務教育課長よりご説明をいただく資料でございます。
資料2でございますが、「少人数指導・少人数学級の評価」でございます。表紙をおめくりいただきますと、文部科学省がこの春4月に実施をいたしました習熟度別指導、少人数指導等の評価ということで、平成16年度に習熟度別指導等を行った学校のアンケート調査の結果を示しているものでございます。第1回会議の資料の中にも、この中より抜粋したものをお示ししておりましたけれども、項目を増やしまして示しているところでございます。
内容につきましては、効果について総じて児童生徒の学力は向上した、授業につまずく児童生徒が減った、児童生徒は少人数指導やティーム・ティーチングを喜んでいるなど、学習指導面での効果は高く評価されているようでございます。
一方、11番目以降、不登校やいじめなどの問題行動が減少した、また学級内における友人関係が広がったといったものについては、比較的評価としてはあまり高くないような状況になっています。
そのほか、課題についてもいろいろと挙げていただいているところですけれども、大きな課題といたしましては、教師間の打ち合わせや教材準備の時間が確保できないといったところが、「そう思う」という意見が高いように見受けられます。
そのほかの課題としましては、さらなる加配が必要であるとか、継続的な加配措置が必要であるなど、前向きなご意見としてとらえるべきものであろうと考えております。
1枚おめくりいただきますと、今度は中学校のほうの評価でございます。学習指導面の効果については小学校と同じような傾向で、9割を超えるところで、肯定的なご意見を頂戴していると考えております。
また、生活指導面につきましても、小学校と同じように、学習指導面に比べますと、若干低い評価になっているということが見てとれるところです。ティーム・ティーチングや少人数指導について、保護者が歓迎しているであるとか、学校全体における取り組み、学校経営の活性化につながったといった面でも評価をいただいているところでございます。
課題についても、小学校とは若干異なっておりますのが、例えば16番にある学習集団編成におけるグループ分けの仕方や判別が難しいであるとか、18番、グループ間における授業進度の調整が難しいといった点が挙げられています。さらに、共通の問題としては、20番にある打ち合わせの時間が確保できないといった課題の意識がこちらに表れています。その下を見ていただきますと、やはり小学校と同じように、教員の加配が必要であるとか、また28番の加配措置の継続が必要であるといったご指摘をいただいているところです。
さらに、3ページをごらんいただきたいと思います。こちらは地方における少人数学級の評価ということで、アンケート調査をさせていただいたものでございます。学校を対象に行っております。こちらにつきましては、効果についての評価といたしましては、総じて高い評価をいただいているところでございます。
1番、総じて児童生徒の学力が向上した、2番、授業につまづく児童生徒が減ったといった項目につきましては、習熟度別指導などと同じ程度の評価をいただいているものと考えております。
顕著に異なってまいりますのは、例えば10番、不登校やいじめなどの問題行動が減少した、11番、児童生徒の基本的な生活習慣が身についたといったところが、少人数指導・習熟度別指導とは異なった評価になっているといった点でございます。
課題につきましては、大きな課題として取り上げられているものとしては、17番の実施拡大のために教室などの増設が必要などといった点がございます。18番では、少人数指導、ティーム・ティーチングのほうが効果的であるといった項目を設けさせていただいておりましたけれども、これはあまり高くない状況になってございます。
1枚めくっていただきますと、今度は中学校の少人数学級に関する評価でございます。小学校と比較いたしますと、学習上の効果については、若干ではございますけれども、評価が低いものも見受けられるようでございますが、総じて効果が認められているといったところが見受けられるかと思います。
10番にございます不登校やいじめなどの問題行動が減少したといったところにつきましては、やはり高い評価、要は生活指導上の問題点については高い評価をいただいているといったところが見てとれるところでございます。さらに、保護者は少人数学級を歓迎しているという項目につきましては、高いポイントとなっております。
課題につきましても、あまり大きな課題は見受けられませんが、やはり施設等の問題が17番で意識されているといったことが見てとれるところでございます。
続きまして、資料3をごらんいただきたいと思います。学級規模の基準と実際〔国際比較〕とさせていただいているものでございます。欧米主要国の学級規模の基準等についてあらわした資料でございます。
アメリカを見ますと、これはカリフォルニア州の例ではございますが、小学校の第1学年から第3学年までで、1学級当たり30人を上限として、学区内に32名を超える学級がないことという基準を設けています。第4学年から第8学年になりますと、1964年度の平均29.9人か、同学年の同年度の当該学区の教員1人当たりの児童生徒数のうち、大きい数値を上限とするという基準を設けています。
イギリスについては、小学校の第1、第2学年の1学級当たりの上限を30人としている。それを上回る学年については、特に基準はないということです。
フランスについては、学級編制の基準はありませんが、教員当たりの平均児童数は17人から20人というある程度の目安を設けているということです。中等教育学校についてはコレージュ(これは日本でいう中学校相当)においては、教員1人当たり生徒21人から24人という目安を設けているということです。
ドイツにつきまして、これはノルトライン・ベストファーレン州の例でございますけれども、基礎学校第1から第4学年は標準は24人として、学級の人数の範囲としては18人から30人というものをあわせて設けている。第5、第10学年では同じく24人。そして、18人、30人。ギムナジウムの場合ですと、第5から第10学年で標準は28人で、範囲として26人から30人という幅が設けられています。
1枚おめくりいただきますと、1学級当たりの児童生徒数ということで、OECD諸国の平均と日本の実態を表しています。これを見ますと、日本は平均を上回っている状況にあるということが見てとれるわけでございます。
また、3ページを見ていただきますと、教員1人当たりの児童生徒数ということで、こちらもOECDの平均と比較しています。小学校については、日本では20.3人、OECDが16.6人、中学校では日本が16.2人、OECDでは14.4人ということでして、こちらも日本はOECDの平均を上回っております。
それから、資料4をごらんいただきたいと思います。学級規模等と教育効果に関するこれまでの研究についてというものです。古くはグラス・スミスの研究ということで、1982年に発表されたものですが、学級規模が20人程度以下になると、学習効果が大きいといったものから、これまで私どものほうでいろいろと蓄積してきたものを羅列させていただいているところでございます。エッセンスの部分だけを書き記させていただいているものでございまして、本日、高浦先生から意見発表をしていただきますけれども、その研究につきましても2ページの4番と5番に示させていただいています。委員の方々で、もしこれら以外に有効な研究成果等についてお持ちであれば、またご指示いただきましたらば、こちらのほうに記載をさせていただきたいと思っておりますので、ご協力をよろしくお願いいたします。
資料5でございますけれども、今後の日程でございますが、これは後ほどまたご説明を申し上げたいと思います。
参考資料についてでございますが、参考資料につきましては検討の論点(案)ということで、第1回の会議に示させていただいたものでございます。先般のものと変更はいたしておりません。
それから、参考資料2でございますけれども、5月10日の中央教育審議会義務特別部会におきまして、委員の鳥取県片山知事のほうからご説明をいただいた鳥取県における30人学級の実施についての資料でございます。
ごく簡単に資料をかいつまんでご説明申し上げますと、鳥取県では平成14年度から小学校1、2年生における30人学級、また15年から中学校において一部実施されておりましたけれども、17年度から33人学級を鳥取県で実施されたということでございます。17年度の実施状況といたしましては、小学校では84人の教員増、また中学校では35人の教員増が行われ、これにかかる経費については10億円を超す経費がかかるといったものでございましたが、平成16年度からの総額裁量制の導入により、これら本来県の単費で負担していた経費について、義務教育費国庫負担金による負担がなされるようになったというご説明がございました。
教育効果につきましては、1枚おめくりいただきましたところで、県・市の行政懇談会において、各市の教育長さんなどから報告があったものによりますと、小学校時に不登校であった者が中学校では大幅に減って、目に見えた効果があった。小学校1、2年生では、学校生活になれる上で非常に効果があったといった報告がなされたということでございました。
1枚おめくりいただきますと、30人学級の考察ということで、学校の先生方、また保護者の方々に対するアンケート調査で、30人学級になってよかったという意見が多かったというものでございます。
それから、また1枚おめくりいただきますと、効果があったことということで、小・中学校の先生方にアンケート調査をされたものでございますけれども、発言の回数が多くなったであるとか、音読・英語の会話活動など表現活動が増えたであるとか、体験的な活動・実験・実習などで一人一人の活動量が増えたといった、おおむね肯定的な意見が寄せられたということでございます。
子どもたちの様子につきましても、下のほうのグラフでございますが、学校が楽しいと子どもが言っているということであるとか、子どもがクラスの友達と仲がよいといった報告がなされております。
また、1枚おめくりいただきますと、2、学校規模別の平均正答率というデータが載せられております。これは少人数学級を実施された学校ではないわけですけれども、小学校3年生の学級の規模別に問題の正答率を比べてみると、1人から10人という小規模な学級における正答率が高かったというデータでございます。
1枚おめくりいただきますと、小学校6年生の同様の調査結果が載せられておりますけれども、おおむね小規模な学級の子どもたちのほうが正答率が高かったといったデータでございます。
以下、同様の正答率についての調査をまとめられたものが報告されたところでございます。
それでは、続きまして、参考資料3をごらんいただきたいと思います。今後の児童生徒数の推移ということで、実は第1回目の会議のときに、教職員定数の今後の減少の見込みはどうなんだろうかというご質問をいただきました。最新のデータについては、私どもは今、都道府県教育委員会等に照会いたしまして調査等をしているところでございますが、子どもの数の今後の見込みをグラフにしたものでございます。平成16年度において、平成17年度から22年度までは各都道府県に照会をした推計値でございます。
こう見ますと、若干の減少傾向にはございますが、平成22年度あたりまであまり大きく減らないという傾向が見てとれるかと思います。平成23年度以降につきましては、これは人口問題研究所という厚生労働省所管の独立行政法人による中位推計をもとに試算をしたものでございます。23年度ぐらいから徐々にまた減り始めるということでございますが、ここ当面はあまり子どもの数は減らない、ということは、教職員の定数もあまり減らないのではないかと見込まれるところでございます。
参考資料4をごらんいただきたいと思います。これは1学級当たりの児童生徒数の推移をグラフにあらわしたものでございまして、平成16年度現在で小学校では26.2人、中学校では30.6人ということになっております。先ほどのOECDの数値とは若干異なっておりますのは、こちらの数値については特殊学級とか、複式学級も含めた学級数を分母にしているために、若干数値が異なっているところでございますが、このような状況にあるということをご承知おきいただきたいと思います。
続きまして参考資料5でございますが、教員1人当たりの児童生徒数ということで、こちらも経年推移をあらわしたものでございます。平成16年度で18.4人、15.1人というところまで下がってきているという状況でございます。
参考資料6をご覧いただきたいと思います。こちらは第1回の会議で委員からの資料の要望を受けご用意させていただいたものです。参考資料6は小・中学校における週当たり授業時数の推移ということで、戦後昭和22年以降、学習指導要領に基づいて各学年ごとの授業時数、カリキュラムの時数を示したものでございます。これらについては道徳、特別活動、総合的な学習の時間を含むものになっております。
それから、参考資料7にお移りいただきますと、今度は教諭の平均教科担当授業時数ということで、昭和31年以降を示させていただいております。最新のデータを申し上げますと、小学校では21.5時間、中学校では15.6時間、高等学校では14.4時間となっております。特殊教育諸学校では盲学校が13.2時間、聾(ろう)学校が11.8時間、養護学校が18.5時間という教科の持ち時間でございます。この中には特別活動ですとか、学校行事、総合的な学習の時間は含みませんので、実際、子どもたちの指導に当たっている時間としては、もう少し多くなろうかと思います。
それから、参考資料8でございます。これも第1回の会議で委員の方からご指摘いただいた資料でございまして、指導方法の工夫改善のための加配定数につきまして、何人加配がされているのかによる学校数の割合でございます。小学校ですと、1人加配されているという学校が全体の学校数に対して43パーセント、2人配置が14パーセント、3人以上配置が2パーセント程度。中学校のほうになりますと、1人配置は31パーセント、2人配置は35パーセント、3人以上配置は14パーセントといった割合で配置されているところでございます。一方、配置されていない学校が小学校で41パーセント、中学校では20パーセントという状況でございます。
参考資料9についてでございます。こちらは小・中・高等学校の年齢構成についてご指摘をいただいたものについてでございます。今、小学校の年齢構成のピークが48歳、中学校が45歳。高等学校につきましては、ピークは43歳でございますけれども、小・中学校とは若干違った年齢構成を示しています。
それから、参考資料10でございますが、第1回の会議の概要の速報版でございます。こちらにつきましては、事務局の責任で取りまとめをさせていただいておりますので、今後、変更の可能性があるものでございます。議事録につきましては、またご出席の先生方にご確認の上、公表の手続をとらせていただきたいと考えております。
それからもう1点、実は先般の会議の中でご質問をいただいておりました。例えば30人学級、35人学級を実施した場合に、どの程度の財政的な負担を伴うものなのかということを試算できないものだろうかというご指摘でございました。私どもがごく機械的にこれを試算いたしましたところを、口頭でご説明を申し上げたいと思います。
これは16年度の児童生徒数をもとに、機械的に割り算、引き算をした結果でございますので、そのようにご理解いただきたいと思いますが、上限を30人という形にしましたところ、増加学級数としては8万3,000学級。それに伴いまして教職員定数の増加は11万人。これに伴います国、地方を通じた給与の所要額としては7,800億円が必要になってくるであろうと思われます。
それから、35人学級にした場合でございます。これは小学校1年生から中学校3年生まで実施した場合に、増加学級数としましては3万5,000学級、増加定数としては4万7,000人、給与の所要額としては3,300億円必要になってくるだろうと考えられるところでございます。繰り返しになりますが、これはあくまでも先ほど申し上げました16年度の児童生徒数を機械的に使って試算をした場合でございますので、将来的に児童生徒数の減少がある場合には、これよりも縮小していくであろうということが考えられます。粗々でございますけれども、そのような試算になるということをご理解いただければと思います。
資料の確認等につきましては以上でございますが、過不足等ございましたらば、係員にお申し出をいただければと思います。
それから、お願いでございますけれども、机上に7月、8月の日程調整表を配付させていただいているところでございます。お帰りの際に、事務局にご提出をいただければ幸いでございます。
【高倉座長】 どうもありがとうございました。それでは、議事に移らせていただきます。
先ほど申し上げましたように、山形県教育委員会の真木義務教育課長及び生田主任指導主事のお2人から、山形県の取り組みについて15分程度ご説明をいただき、その後、やはり15分程度質疑等を行いたいと思います。資料1に基づいて、どうそよろしくお願いいたします。
【真木課長】 山形県教育庁義務教育課長の真木でございます。よろしくお願い申し上げます。
それでは、これから山形県において平成14年度以来実施してございます小学校の少人数学級編制推進事業の、教育山形「さんさん」プランというふうに名をつけてございますけれども、これについてご説明申し上げます。資料はお手持ちの資料1でございます。この中をごらんになりながら、説明をお聞きいただければありがたいかと思います。
まず初めに、これまでの取り組み、概要につきまして、8ページ目をお開きいただきたいと存じます。8ページの上に「さんさんプラン総合推進事業」ということで網かけをしている部分がございます。平成14年度小学校1年生から3年生まで52校、おおよそ本県では公立小学校が340校程度ございますので、そのうちの52校、93学級増ということで実施させていただきました。それ以降、15年は5年生まで、16年が6年生までということで、昨年度で全学年に導入を完成したところでございます。
なお、ただ小規模校もございまして、1学年が1学級の場合につきましてはこれに該当させておりません。後ほど申し上げます下限21人という数でございますので、そこには非常勤講師を配置しまして、少人数指導の充実を図っているところでございます。
そこをまず確認させていただきながら始めさせていただきたいと思いますが、まず初めに少人数学級編制実施上の基本的な考え方についてご説明申し上げたいと思います。資料38ページをごらんになっていただきたいと思います。
なぜ山形県が全国に先駆けて少人数学級編制を推進してきたかということにつきましては、全国的にもある問題ではございますけれども、本県が抱えておりますいじめ、不登校等種々の教育課題の解決を図るために、学級を少人数化することによって、よりきめ細かな指導を推進することが最適であるという判断によるものでございます。
そこで、新しい学習指導要領の趣旨並びに本県の教育課題などを踏まえまして、ねらいを「きめ細かな指導のもと、基礎・基本を徹底するとともに、いじめや不登校など今日的な教育課題の解決を図る」といたしました。
また、学校生活における児童の生活状況や学習状況の実態を把握し、こうしたねらいをより具現化するために、さらなる考慮を加えてまいりました。ご承知のとおり、小学校における学校生活は生活集団と学習集団が同じであり、同一の環境の中で営まれております。本県が目指す少人数学級編制のねらいは、生活集団を基盤としながら、いろいろな人間関係の中で多様な学習の場を設定し、一人一人の個性に合った学習を行うきめ細かな指導の充実にございます。
また、集団を少人数化することによって学習効果を向上させるという学習面でのねらいを達成させるだけでなく、温かな人間関係づくりをも達成することをねらいの大きな要素とすることにいたしました。さらに、こうしたねらいに迫るためには、授業改善が急務であり、多様な指導方法の工夫改善が必要であると考えております。
本県では、少人数学級編制を推進することが、ティーム・ティーチングなどの少人数指導を否定するというとらえ方ではなく、むしろ少人数指導を包含するものととらえてございます。少人数学級編制には、少人数となったことによって、一斉指導の中での指導方法の工夫改善がよりやりやすくなるというメリットがあると考えております。
また、取り組み方によっては、T.Tを実施することによって、さらに少人数化した指導を行うことも可能となります。
少人数学級編制によって学級担任が増えることになりますが、これによって教科によっては学級の枠を取り払い、課題や習熟度に応じた学習集団を編成するなどの工夫も可能となってまいります。児童が抱えるいろいろな課題に対応するには、少人数だけでは不十分であり、生活集団を優先させた小規模の学級編制に加え、少人数指導を併用できるシステムが有効であると判断し、そのような形態でこれまで実施してきているところでございます。
それでは、なぜ33人なのかということについてご説明申し上げます。39ページにございますので、そこをごらんになっていただきたいと思います。
「さんさん」プランにおきましては、1学級を21人から33人としておりまして、上限と下限を定めるところに特徴があると思います。本事業を初めに検討しました平成13年度時点では、国内外においても、小学校段階での1学級当たりの適正人数に関する明確な根拠となるデータを見出すことはできませんでした。
そこで、本県が考え得る1学級当たりの最多の人数と最小の人数を想定した上で、それに伴っての学習面や生活面において、いかなるメリットやデメリットが考えられるか徹底した討議をしてまいりました。
21という数字には、共同学習が効果的に成り立つ最低の人数という想定がございます。また、33という数字には、基礎・基本を徹底する個々の学習を保障し得る最大の人数であるという経験的な判断がございます。もちろん上限30人という考えもございましたけれども、そのために必要となる人的、物的条件、いわゆる予算などを考慮したときに生み出されたのが、33人という実現可能な数ということでございます。
続いて、少人数学級編制を推進する上でのポイントについてご説明申し上げます。次の40ページをお開きください。
本県におきましては、少人数学級編制に係る制度の確立と、それを支え、推進するための具体的な事業の展開が成果を上げるポイントと考えております。学級規模を小さくすることだけで生まれる効果も考えられますが、そうした効果はすぐに立ち消えてしまうことは当初から想定しておりました。本事業によって編制された少人数学級であっても、例えば極小規模校から異動してきた教員から見ればやはり多人数であり、多人数を受け持ってきた教員でも、その人数に慣れてしまえば、当たり前の環境になってしまいます。そうした教員からはさらなる少人数化を望む声が予想され、本質からは外れた方向に進んでいくおそれが生じてきます。
私ども山形県教育委員会がねらいとしているのは、単に少人数化することだけではなく、いわゆる授業改善であり、きめ細かな指導による基礎的・基本的事項の定着と、いじめや不登校などの教育課題の解決でございます。そうしたことから、各学校に対しましては、少人数学級編制によって何が変わるのかという受動的な姿勢ではなく、これを契機に何を変えるのかという積極的な姿勢を求めていくことにしてまいりました。
そこで、少人数学級編制の効果を、学級規模が小さくなったということだけの効果にとどめ終わらせてしまうことのないように、学級編制の弾力化を支え、推進する具体的な取り組みを行ってまいりました。
また、前に戻りますけれども、8ページ目の先ほどの図をごらんになっていただきたいと思います。
先ほどの図の中ほどにございますが、この「さんさん」プラン実施初年度の平成14年度以来、3つの大きな柱を掲げて推進してまいったところでございます。
その1つが、一番左にございます調査・研究であります。ねらいに即して実践した事業を、地元にございます山形大学教育学部の先生方に専門的な見地から分析していただきました。その中から、少人数指導に関する理論的な裏づけや、授業改善の視点について提言を行っていただくとともに、その研究成果を広く発信しながら、普及することを目指してまいりました。あわせて、学力、不登校児童数、欠席日数などの実態調査や意識調査、さらに個々の児童の変容に目を向けた事例調査なども行ってまいりました。
2つ目が、右側にございます研修による指導方法の改善でございます。県内には4つの教育事務所がございますが、教育事務所ごとに年間を通した研修会を継続的に実施しており、この実践から非常に大きな成果を得ることができました。
3つ目が、真ん中にございます全国や全県への成果の発信でございます。全国少人数教育研究会や少人数学級編制研究会を主催し、授業の開催や成果の発表とともに、参会者から意見をお伺いしながら、本事業の検証と修正に向けて取り組んでまいりました。山形大学をはじめ、他の大学や教育研究機関の方々から貴重なご意見を頂戴することができ、本事業の推進に大いに役立たせていただいております。
なお、今年度は11月に県の南にございます米沢地区を会場に、この研究会をやる予定でございます。
ところで、今まで申し上げてきたとおり、成果をどのように検証するのかが本事業を継続していくための大きな要因となりますが、本県では3つの角度から検証を行ってまいりました。
その1つが学力調査でございます。これにつきましては、26ページをごらんなっていただきまして、そこに成果がございますので、それを通しながらご説明申し上げます。
順番が不同になりますけれども、その成果の検証の1つが学力調査でございます。学力調査につきましては、標準学力検査と教育課程実施状況調査の2つを活用させていただいております。この調査から基礎・基本の定着に関する状況を把握してまいりました。
2つ目が、指導方法の改善や人間関係の改善がどのように進んでいるのかを把握するために、校長や担任、児童やその保護者を対象として、アンケート調査を実施してまいりました。
3つ目が、不登校児童数や欠席率の推移に着目し、調査してまいりました。調査には事業を検証するというねらいと、成果を生み出すために努力する目標的な意味合いがあるものととらえております。
いずれにしましても、多様な検証方法とその継続性、そして追跡調査などにより、比較・分析と考察が重要であると考えております。
今、お開きのところから、具体的な成果についてご説明申し上げます。
まず、26ページにございます不登校の減少についてでございます。15年度の成果についてでございます。この15年度というのは、先ほど説明申し上げましたとおり、5年生まで実施した年度でございます。
26ページにございます不登校の減少につきまして、ここにございます数字は不登校児童の出現率でございます。全県と該当校という2つのグラフがございますが、該当校というのは「さんさん」プラン該当校、つまり少人数化した学校における出現率でございます。その該当校につきまして、平成14年度が出現率0.255であったのに対し、平成15年度は0.248に減少しております。これは全県における出現率とほぼ同じ値になってございます。このときの全国の出現率が0.33でございますので、全国と比較しても低い値になってございます。ただ、減少の要因といたしましては、スクールカウンセラーの配置など、さまざまな施策が相まって反映しているものとも考えられます。しかし、全県の約9割が少人数学級となり、少人数の利点を生かしたきめ細かな教育が意図的に実施され、授業改善や人間関係づくりに努力した結果が影響したことは間違いないものではないかと思われます。
2つ目は、次の27ページにございます欠席日数の減少であります。ここに示した数字は、「さんさん」プラン該当校の児童1人当たりの年間の平均の欠席日数でございます。少人数学級編制実施後、明らかに欠席日数が全体的に減少しております。また、同一学年を縦断的に追ってみても減少の傾向が見られます。
3つ目が、28ページにございます学力の向上でございます。数字は学力偏差値をあらわしております。平成14年度第3学年児童の縦断的な追跡調査になってございます。サンプル数が多くはございませんが、その該当校、限られた学年のデータではございますが、これをごらんになっていただきますと、偏差値における変化が明らかでございまして、年度を追うごとに学力が向上していることが、このグラフからうかがえるのではないでしょうか。
要因といたしましては、教員の努力効果により授業改善が図られ、きめ細かな指導が行われてきたということが考えられます。なお、この裏づけにつきましては、先ほど来申し上げてございます山形大学教育学部の各先生方の共同研究の中でも報告がなされております。
また、29ページ以降にアンケート調査などもございます。そのアンケート調査や教育事務所からの報告等に、教室空間を利用し、内容や目的に応じた学習形態の工夫が目立ってきたとか、学年内での教材研究や情報交換が充実してきたなどの回答がございまして、少人数の利点を生かした授業改善が進んでいることがうかがえるのではないでしょうか。
最後に、本県が抱える今後の課題について触れさせていただきたいと思います。事業を継続する限りにおいて、常に新たな成果を求められることになりますが、成果が永久に向上し続けるなどあり得ないことでございまして、またそれを学校に対し求めることは、ねらいに逆行することになりかねません。
そこで、継続して調査や研究を行う必要性のある事柄と、新たに取り組んでいかなければならない事項とを整理・分類する必要があると思われます。具体的にはアンケート調査自体は継続して行いながらも、項目の精選や見直しが必要であると考えております。また、学力検査や欠席日数の調査につきましては、良好な状態に維持されているかを把握する程度の目的にとどめることが適当であると考えております。また、数値による傾向把握や分析を中心とした調査方法から、事例分析やすぐれていると判断される実践収集、また分析に焦点を当てた調査検証にシフトしていく方向で検討しているところでございます。
これまで小学校の実践を申し上げましたが、本県では今年度から、全部ではございませんが、選択制を取り入れて、中学校1年生でも少人数学級編制を取り入れてございます。そんなところから、少人数における成果をぜひこれからも続けながら、取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
以上で教育山形「さんさん」プランの取り組みの概要について説明させていただきましたが、ご質問などございましたら、今日は平成14年度からずっとかかわってございます生田主任指導主事が同席させていただいておりますので、細部についてもお答えできるのではないかと思っております。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
【高倉座長】 どうもありがとうございました。それでは、ご質問等をいただきたいと思います。ご意見をいただきますと、非常に膨れ上がってしまうと思いますので、ご質問という点に留意しながら、若干のご意見もということでお願いできればと思います。どうぞお願いいたします。
【高浦委員】 高浦ですけれども、ありがとうございました。
山形県の少人数学級は21人から33人の学級編制ということで、1つの特徴は、いわゆる学習集団と生徒集団を分けなくて、21人から33人にしてやっていこうということで、今、主にご発表された中に少人数学級編制を行うと同時に指導法の改善を行うということで、そうすると前の協力者会議が決めたときには、両者を分化させていこうと。特にデータはなかったんですけれども、低学年はあまり集団が変わらないほうがいいから、生活集団も学習集団も分けないほうがいいんじゃないかという議論がありました。そうすると、山形県の場合は、分けなくてやっていこうという方針のもとでしながら、私も大変よいと思う面は、同時に指導法の改善をしなければ、ただ規模を小さくしただけでは効果なしと。
その面は確かにわかるんですけれども、もう一方の生徒集団については、生活指導あるいは生徒指導という面で、低学年ではあまり集団を変えないほうがよいとか、中・高学年になっても学習指導面はどんどん変わるにしても、また帰ってほっとするような場所を作っておこう。それが学級だというふうに考えているわけですけれども、その面の効果、あるいはその面の学年間の違いとか、そういうことはどういうふうに考えていけばいいんでしょうか。
【真木課長】 確かにご指摘のとおり、生活集団と学習集団の見方につきましては、相まうところと矛盾するところがございます。正直申し上げまして、国加配の振り替えがなされるようになりましてから、少人数指導、ティーム・ティーチング等については学級担任のほうに回りまして、1学級に当たる教員の割合が少なくなっているという現状がございます。
ただ、そんな中で、生活集団を基盤にしながら学級を経営することによって、そこにきめ細かな配慮が生じるということは、我々のほうでは非常に高く評価してございまして、そこから生まれる効果が学習にも影響してくるだろうというふうにとらえてございます。とりわけ低学年においては、学習集団と生活集団というのは一体としながら進めていくことが必要だろうと。
ただ、学年間における調査は残念ながらとってございませんので、はっきりしたことが言えないのが申しわけないんですけれども、今年、中学校に先ほど導入したということを申し上げましたけれども、学年を追うにつれて学習集団はある意味で独立していきながら、教科等に応じた、課題等に応じて学習集団を分けていく必要があるのかなというふうにとらえているところでございます。
中学校に関して今年度取り入れるにあたっては、選択制といたしました。重点教科副担任制ということで、数学とか英語の教科に常に副担任が入ることができる方法を選ぶか、それとも少人数学級編制を選ぶかということで、これは1年生ですけれども、中学校の校長さん方に選んでいただきました。1年生だからでしょうけれども、大半が少人数学級編制を選ばれました。この要因としては、中学校1年生における生活集団というものを重点化しながら、すべての教科領域に少人数化していく授業をしていくということに意義づけられた校長先生方が多かったのではないかと思っているところでございます。
そんなところから、学年順を追った形としての有りようというものが考えられるのかなというふうに思っております。
【小川座長代理】 今の質問に重複することかもしれませんけれども、生活集団と学習集団の関係をどう理解するかというのはこの会議の重要なテーマの1つなので、ちょっとお聞きしたいんですけれども、39ページに、少人数の学級を考えていく際に人数ということと、もう1つ、山形では生活集団と学習集団の一体化を重視したということですけれども、その基本的な学習観とか生活指導観というのは何なのかなということをずうっと考えていくと、ここに出てきている共同学習が効果的に成り立つという、共同学習というのが1つのポイントなのかなというふうに理解しました。
というのは、犬山も少人数学級と少人数指導をずうっと意識してやっていて、僕もずうっとこの間犬山に入って状況を見ているんですけれども、あそこは少人数学級とか、少人数授業だけやればすぐ効果があるということではなくて、どんな学習の方法とか、学習の形態をそれにリンクさせるかということをかなり意識しています。犬山の場合には明らかに共同学習なんです。学び合いを通して、一人一人の生徒が授業の中で個別に学習するということではなくて、いろんな能力の子どもたちが学び合って、教え合うという共同学習のところを軸にする。そこをうまく活用するためには、どうしても生活集団と学習集団を一致させなきゃだめだということらしいんです。
どういうことかというと、共同に学習するとか、学び合いながらやるということは、クラスの中の生徒集団のつくりということを、学習集団ですよね。つまり、そういうことを意識しながら日常的に子どもの集団づくりということをやっていかないと、授業の場面だけでの学び合いとか、共同学習というのはすぐにはできないと言うんです。ですから、日常的な学級の中での、ないしは生活場面での生活集団というものをきちっとつくることが、学習集団の場面での共同学習とか、学び合いということが非常にスムーズに進めることができるということで、共同学習ということを意識して学習の効果を上げようという場合には、どうしても生活集団と学習集団を一緒にしないとうまくいかない。
低学年の場合には、特にそうだということをすごく力説していて、実際、授業場面を見た場合に、子どもたちの共同学習の場面がすごく生き生きしていて、これはただ単に授業の場面だけではなくて、日常的な集団づくりというのがきちっとあるんだなということをすごい実感したんですけれども、山形なんかも39ページの共同学習というところが、私にとってはすごくインパクトがある言葉として映ったんですけれども、そのあたりを教えていただければと思います。
【生田主任指導主事】 ただいまのご質問につきまして、私のほうから若干説明をさせていただきます。
本県で考える生活集団と学習集団ということでございますが、まず本県がこの「さんさん」プランを立ち上げるに当たりまして、このプランで何をねらうのかというところに、基礎・基本の定着ということが大きく取り上げてありますが、いじめ、不登校などの今日的な生徒指導面での課題の解決ということも大きなねらいの1つにしているということが挙げられると思います。ただ単に学習面での集団ということで少人数指導、少人数学級を考えるということであれば、学習面での成果を事業の成果とするだけでいいのではないかと思いますが、本県の場合には生徒指導面での課題解決も大きなねらいになっております関係で、生活集団の中で子どもたちが互いに学び合うことでの効果というものを非常に大きなねらいとして、期待をしている部分がございます。それをまず1つ確認させていただきたいと思います。
それから、先ほどもありましたけれども、年齢の段階や学年の段階を考えた生活集団の重視ということも確かにございます。低学年においては、生活集団を基盤にした学習ということで、クラスの人数が少なくなったことによる指導の充実をねらいとして取り組んでおります。中・高学年に至りましては、学習集団の多様な形態を取り入れながら、個々の学びに対応していくということで考えているところであります。
ただいまご質問がありました学びの共同化ということでありますが、本県では山形大学の先生方に授業分析研究ということでお願いをしているわけでございますけれども、その各先生方から、少人数学級編制のメリットというのは、学習の共同化に大きなポイントがあるんですよというご指摘を受けております。ただ単にクラスの規模が小さくなったということではなくて、人数が少なくなったことによって学習の共同化がより図られやすいのだと。個々の子どもたちがより活躍する場、その量と質が高まることによって、学びの共同化が深まっていくのだということが指摘されております。それを本県では第一に考えているわけです。
その上で、共同化というものがどのぐらいの人数で成り立つものなのか。人数が少なくなると学び合いが少なくなるのではないかという不安の声がよくあるわけですが、本県の21人から33人という枠の中では、十分に学びの共同化が成立しますという研究成果をいただいておりまして、また少人数のメリットを今後ずっと継続させていくには、学びの共同化をさらに教師が意識していく必要があるのではないかというところも、研究の報告をいただいているところでございます。
小川先生からご指摘いただいた、まさにこの共同化というところが本県にとっても大きな課題になっている、ポイントになっている点ではないかと考えております。
【吾妻委員】 今の視点とは違うことになると思うんですが、違う視点でもいいと思ったので。
単純に、この事業を行ってどれだけ教職員を多く採用するようになったかという人数、それからどのぐらいのお金がかかっているか。そして、その財源はどこから出ているのか。例えば鳥取県の場合には、総額裁量制で大体できるという報告を先日いただいたわけですが、山形県は少しスタートが早かったと思うんです。その辺の推移も多少違ってきているのかなということも含めて、その辺は非常に関心のあるところですのでお願いします。加えて、必要になった増加分の教職員の確保ですね。教職員の質、指導力の問題、その辺、何か特別のことをなさったのか、それともあまりその辺は苦労なさらないで確保ができたのか。それから、講師の指導力の問題で何か問題点はなかったか、その辺をお聞きしたいと思います。
【真木課長】 14年度からこの実践を行ってまいりましたけれども、14年、15年、16年ということで、まず人の確保でございますが、14年度、非常勤講師として40名ほど配置させていただきました。当初は振り替えができなかったということもございまして、7億2,500万円の経費が要されました。15年度になりますと、5年生までですので、講師の割合もだんだん増えておりまして、15年度で9億6,900万円。16年度、この振り替えができるようになったことも含めまして全学年に配置しておりますけれども、減額されまして6億3,600万円という内容でございます。
なお、今年度につきましては、小学校分におきましては、おおよそ小学校の県単持ち出し分が1億6,000万円ほどで済んでございます。
この面におけます講師の確保でございますが、本県でも、特に今年度中学校にも導入したということもございまして、およそぎりぎりの線で確保せざるを得ない状況でございます。ただ、今後、さらに拡大する方向にいくかといいますと、少子化のため全国的にも学級が減ぜられておりまして、いわゆる絶対数の面から見ますと、必ずしも今後また大幅な数を確保しなければならないという状況でなく、現状をまず維持しながら確保できるのではないかと捉えているところでございます。
山形県の場合ですと、今年2月に知事がかわりました。前知事はこれを進めるに当たりましては、いわゆる教育山形という面から、橋1本、2本よりも教育に予算をかけなければいけない、そのほうが将来性があるというその一声で、このプランがスタートしたところでございますが、現在の知事も教育については非常にご理解を示しておられまして、財政的には大変理解を得まして、県のほうの持ち出しをしていただいているというのが現状でございます。
【吾妻委員】 ちょっと確認をよろしいですか、お金のところで。
そうすると、平成14年には40人ぐらいでスタートして7億円、15年は9億円だったのが16年度は逆に6億円に減った。17年度は1億6,000万円で済んでいるということは、いわゆる総額裁量制を使うようになったということでよろしいんでしょうか。
【真木課長】 ええ、振り替えということですので。
【吾妻委員】 そこは中教審でも非常にポイントになると思いますので、明確にお答えいただければ大変ありがたい。
【真木課長】 結局、昨年度までですと、いわゆる緊急雇用分等も充てさせていただきながら、活用させていただいたところがございます。そういうところで県単持ち出しを抑えることができているというのが現状でございますので、振り替えによる予算の減ということは確かにございます。
【高倉座長】 先ほどの吾妻委員のご質問は、教員の確保は数の問題だけじゃなくて、質の問題についても触れられておりますが、そこのところをお示しいただければと思います。
【真木課長】 本県では教員採用に関しまして、非常に厳しい実態にございます。実質的に10倍を超える教員志願者、採用数がございます。そうしますと、講師を確保することによって質が低下するかというとそうではなくて、本採用者とそうでない採用者においてもそう実力差はないのではないか。また、講師もそういう状況ですから、大分臨時を経験してございます。そんなところから、質というものはそんなに低下する心配はないかと思います。
また、現時点で教員の質をもっと高めようというプロジェクトの中に、講師とか非常勤講師に対しましても、全員に指導力または服務等の研修を各事務所ごとにやっておりまして、今年度もそれに力を入れてやっていこうということで、本務者だけにかかわらず、そういった臨時教員についても研修を通して質を上げようという努力をしているところでございます。
【渡久山委員】 先ほどの予算ですね、それは今の研修費とか、山形大学の先生方との研究会とか、そういうようなものにも全部使うことを含めて入っているんですか。これが1つです。
【真木課長】 いや、これはあくまでも人件費だけでございます。
【渡久山委員】 もう1つは、これは大体多くの県が非常勤講師で賄っているんですけれども、常勤でいくという考え方。なぜかというと、校務分掌等いろんな分掌というので、非常勤講師でやれるのとやれないのがある。多くの場合、やれないのが多い。だから、常勤にそういう面では事務量の負担が非常に大きくなる可能性が大きいんですけれども、そういうことで常勤でやっていくことにした場合に、どういうような困難なことが起こるのか、あるいはできないのかということが1つです。
それからもう1つは、教員や非常勤講師以外に、例えば事務職員だとか、教員以外の職種の職員を雇用するということがあるのかどうなのか、この2つについて教えてください。
【真木課長】 常勤、非常勤のかかわりでございますが、正直申し上げて、山形県では常勤を採用することによる問題点というのは、今のところ見つかっておりません。かえって非常勤のほうが、ある意味、経費は安く済むわけでございますけれども、学校にとってみますと、非常勤でいただくよりも、常勤でいただいたほうがいろんな意味で校務分掌とか、さまざまな活用がなされるということで、学校からは常勤を要求されてございます。
それから、教師以外の事務とか、そういう方の採用でございますが、これにつきましては少人数学級編制とはちょっと質を異にしておりまして、これについては代替の事務職員は確保しておりますけれども、特に少人数にかかわって事務職員等の採用ということは行ってございません。
【高倉座長】 ありがとうございました。ちょっと時間をオーバーしておりますけれども、非常に大切なディスカッションに入っておりますので、もうお1人あるいは2人。どうぞ、伊藤先生。
【伊藤委員】 今までのご議論で、学校全体の少人数化は約25パーセント、県全体の4分の1が34人以上だと。その中で、逆に言うと、75パーセントぐらいは34人以下のクラスがあったということです。それで、先ほどのご議論で、40人ほどの非常勤、それで学級数が14年度、15年度、16年度、この資料の8ページ目を見ますと、学級の数は200ぐらい3年間で増えているわけです。それで、非常勤の数が40人ずつということで考えますと、数が合ってこない。すなわち小規模な学校である程度学級をくっつけて、数を減らして小規模に。それで、こっちの大きいほうを削っていくということが行われたんでしょうか。
【真木課長】 すみません。先ほどちょっと説明不足でございまして、申しわけございません。
平成14年度におきましては、初年度1年から3年まで導入いたしましたが、このときは振り替えできないということで、常勤講師でなく、非常勤講師で対応させていただいた。それが40名ほどだというお話を申し上げました。15年度に関しましては、非常勤講師は15名、常勤講師を63名、常勤、非常勤をあわせまして約80名ほどの講師を採用してございます。それから、16年度につきましては、常勤講師が58名、非常勤講師が県単で75名という数になってございます。
【伊藤委員】 小規模のクラスを別に2つするとか、そういうことはないですか。
【真木課長】 そういうことはしてございません。説明不足でございます。すみません。
【堀内委員】 ちょっと計算の問題だけ確認したいので。
平成14年度は非常勤が40名で、人件費が7億2,000万円というお話だったんでしょうか。それでよろしいんですか。これは単価が1,800万円なんですけれども、聞き間違えかと思って今お隣とも話をしていたんですが、1けた違っていませんでしょうか。どこも全部そのけたが違っているんです。人件費だけとおっしゃいましたよね、先ほどのご質問で。
【真木課長】 これまた、すみません。数につきましては、ほんとうに申しわけございません。
平成14年度の非常勤は40名でございますが、常勤につきましては、手持ちの資料のところが空欄になってございまして、入っている数が今明確に出せない、示せないでいるところでございますが。
【堀内委員】 その後のご説明は、15年は非常勤15名、常勤63名とおっしゃいましたよね。これで78名でしょうか。それで9億6,900万円。人件費だけというお話で、それにしましてもとんでもない単価になって、教員増の人件費の予算額がこの額だとしましたら、要するに10倍近い額かなと思うんです。時間数によりますけれども、非常勤は。大体30時間で210万円から220万円ですよね、普通、公立学校は。
【真木課長】 申しわけございません。手持ちのほうがデータ不足でございまして、今のような計算ではないということで、ちょっと確認させていただきまして、次回にでもご回答させていただきたいと思います。
【吾妻委員】 私が言い出したものですから、一言お願いしたいんですが、大事な問題なんですね、これ。ですから、今日でなくて結構ですから、担当の課のほうにこのことで、人件費がどういうふうな経緯で、現在どういうふうになっているか、総額裁量制も含めて、義務教育国庫負担法の絡みでぜひ正確なデータを私どもにご提示いただければありがたい。
【高倉座長】 2つのポイントですね。1つは計算をもう少しきちっとしていただく。もう1つは今吾妻委員のご指摘のとおりで。
【小熊教職員配置計画専門官】 それでは、私どものほうで後ほど山形県教育委員会の真木課長のほうから資料を頂戴いたしまして、また次回以降にお示しさせていただくということにさせていただきたいと思います。
【高倉座長】 まだまだご質問あるいはご意見等あろうかと思いますが、あと議題が込んでおりますので、よろしいでしょうか。また、ご質問等ございましたらば、事務局を通して伺うということも含めて、一応ここで打ち切らせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、ノンストップで申しわけございませんが、高浦委員から資料を提供していただいております。その資料に基づきまして、簡潔にご説明をいただければと思います。約10分ほどということで予定しておりますが、それをめどにお願いいたします。続きまして、15分程度の質疑応答ということで進めさせていただきます。
高浦先生、どうぞよろしくお願いいたします。
【高浦委員】 資料番号も何にもないんですけれども、A4判で全部で6ページのものがお手元にありますでしょうか。
本体はきょうここに持ってきたんですけれども、事務局に紹介していただいた資料4の2ページ目にありますけれども、2ページ目に全部で5つの研究物がありまして、このうちの主に4、5をきょうは報告ということになっております。私は、所属が今年から変わったんですけど、国研にいるときから3番、4番、5番と研究しておりまして、その結果を簡単にご紹介ということになりました。
最初の1、2は、2つの研究の特徴を書いております。
1つは、学級編制、つまり今、第7次の計画が今年度で終わりということですけど、その計画が始まる前になりましたけど、学級は何人学級がよいのかという議論が随分出ておりました。30人がよいとか、35人がよいんだとか、あるいは30人以下とか、いろんな提起がありました。私どもは、アメリカのグラス=スミス曲線などもありまして、何人規模だったらどうなるのだろうかということを研究したいと思って調べたんです。その結果、大きく1、2という2つの報告書を出しました。
1つは、学級規模だけでなくて、最近は学校規模も問題になっておるようですけど、主にアンケート調査で、校長、教員は、意識としてどのぐらいの学校や学級規模を適正と考えているかということを1つ調べました。
それから、もう1つは、学級規模別に、ここは大きく5の学級規模をとりましたけど、20人以下、21〜25人、26〜30人、31〜35人、36〜40人と。先ほどの山形のケースは10人刻みでこれとはちょっと違っておりますけど、私どもはこういうふうに5つの規模別に調べたんです。この規模の小学5年と中学2年を対象に、算数・数学、理科のテストと、学習・生活のアンケート調査を行いました。2つとも、対象数はありますけど、全国的な傾向が分かるようにということで調査したものです。
それから、もう1つの研究は、実際に第7次がスタートしまして少人数指導が始まりましたけど、その2年目に調査をしました。
1つは、少人数加配、加配という言葉はちょっと語弊がありますけど、少人数担当教員を配置されおる小・中学校の校長、担当者、それから児童・生徒を対象に、1つアンケート調査をしました。実際にどういうふうに配置して、どういう授業をどういう教科でどういうふうにやっておるか、どういう効果があるかということを質問し、調査をしたものです。
それから、もう1つは、授業のタイプを7つとりまして、その授業タイプは一番最後の6ページに書いておりますが、タイプ1からタイプ7までの授業を比較研究しようということでしたんです。タイプ1から3までが、40人、30人、20人のいわゆる学級一斉授業と言われる授業を対象にしまして、4、5、6、7は少人数指導ということで調べました。
特に、今2つ紹介しましたけど、1番目の の研究と、2番目の の研究は、文科省の記者クラブでも発表いたしたりしまして、マスコミで取り上げられたりして、既に先生方にはご記憶もあるかと思いますので、結果は2ページ以降に書いておるんですけど、時間もありますので簡単にレビューしようと思います。
まず、(1)の学級編制の のところですけど、結局、校長に聞いても、教員に聞いても、教科で必ずしも一定の数は出ないということが特徴でした。聞く視点で違うということです。
それから、今度は教員のほうで、学習指導とか生徒指導面でどういう違いがあるかということを調べたんですけど、これは移動平均法という方法でしましたけど、1人から40人までの学級ごとに比較して全部見たんです。そうすると、項目間ではかなり違いがあり、例えば一斉的な指導をするとか、問題解決的な授業をするとかになりますと随分違ってくるんですけど、同じ教科書中心とか、同じ問題解決とかいう中で見ると、10人でも40人でも変わらないという結果でした。
生徒指導面では、やや少人数の方がよいという面がありましたけど、概して同じような形でした。だから、これをもって私どもは、日本の教員は数が少なかろうが、多かろうが、同じようによく努力して務めているという結論を出したわけです。
子どもの調査を、算数・数学、理科で、小学4年、中学2年でしたけど、調べましたところ、20人以下というところが平均点等で若干よい面がありましたが、有意差はありませんで、それで私どもは、何人規模でも、テストの成績に関しても、学習に関しても、あまり差はないというふうな結論を出したわけです。ただ、クラスでの生活面において、少し少人数学級のほうがいろんな面でよいということはありました。
それから、今回の少人数指導は、小学校算数、中学校数学が、少人数の担当の教員がとび抜けて多いんです。それで、小学校で算数の次は、国語、理科の順でした。中学校は、数学の次に英語、理科と。しかし、先ほど申したように、算数と数学が圧倒的に多いということでした。
それで、形も非常に画一的な現象がありまして、少人数というんですけど、授業法も、学級集団を対象にしながら1人か2人で一斉的な指導を、あるいは主・副分担してするというのが非常に多くて、習熟度別学習ということは非常に少ないということがわかりました。しかも、習熟度別指導をやっておるのは、算数・数学が比較的多いということでした。
あとは、少人数の効果がずっとアンケートで出ておりました。例えば、行き届いた指導ができる等々の問題でした。
私どもは、そのアンケートだけでなくて、子どもに実際に調査してみようということで、7タイプ見たんですけど、6ページの最後で随分いろいろ質問もされたんですけど、まず小学2年の算数も実は調査してみたいと思ったんですけど、新しい教科書の進度が随分違っておりまして、2年生だけはどうしてもできなかったんです。これは、全国7地点を選んで調査したものなんです。しかし、小学2年の教科書は随分違っておりまして、それでやむを得ず小学4年、6年の算数、中2の数学、英語というふうに決めました。
それで、調査の結果が6ページに書いておりますけど、「学力調査」という面では、少人数がいずれもよいという結果でした。それから、「興味・関心・意欲」、「学習態度」になりますと、中学校ではタイプ7ということで、少人数の中でもマスタリー(完全習得学習)ということでした。それから、「興味・関心・意欲」は、小学4年がタイプ1、つまり40人一斉授業、それから小学6年は30人一斉授業と。それから、「学習態度」は、同じように40人、それから小学6年が30人と。それで、小学2年だったらどうなるかという問題があったんですけど、残念ながらそこはできませんでした。
これを見ていろんな反応があったんですけど、タイプ3は20人程度だからこれが一番よいんじゃないかという意見もあったんですけど、どこも効果は出ておりませんでした。それから、タイプ4は、少人数の中でも、先ほど紹介しましたように、主・副分担のT.Tというのが多いんですけど、これもあまり効果は出ておりませんでした。
今、習熟度別学習ということが1つ言葉でありながらいろいろあるんですけど、私どもは、「到達度別学習」と「完全習得学習」というふうに2つの分けて調べたんですけど、どちらかというと、マスタリー(完全習得学習)の方がよかったという結果でした。
こういう結果を通して、私どもは、両方の調査を含めてですけど、学級規模を小さくするということは、それ自体は問題ないと思うんですけど、しかし、規模を少なくすれば効果が上がるということではないという結論を持ちました。つまり、規模の問題も大事ですけど、それ以上に指導方法の改善を伴わないとものは進まないんじゃないかということ。だから、少なければよしというようなことではないような、そういう結果だったと思っておるんです。
以上です。
【高倉座長】 ありがとうございました。
ちょうど先ほど山形県のケースについてのご報告をいただいたところとかなり重なり合うところがあるんではなかろうかと思いますが、どうぞご質問等をお願いいたします。
【生田主任指導主事】 高浦先生の研究レポートは、我々も十分に検討させていただきまして、この発表がありましたときには、山形県の「さんさん」プランは一体成果が上がるものなのかということで、随分マスコミからもいろいろな問い合わせ、指摘を受けたところでありましたけれども、高浦先生から最後のまとめのご説明がありましたように、やはり少人数学級編制にしたからといって成果が上がるものではないということを我々は実感しております。常に授業改善のためにどのような指導方法の工夫、改善を行うのかと、そこと一体となって初めて成果があらわれると。ですから、そういう意味で、この少人数学級編制をよい機会として、授業改善、あるいは学級経営の改善を図るということを、学校経営においても、またそれぞれの学級、担任においても、どれだけ意識して取り組むことができるかということがポイントになると考えているところです。
以上です。
【高倉座長】 ありがとうございました。
橋本先生、どうぞ。
【橋本委員】 どうも大変ありがとうございました。
私も、高浦先生から、学級規模を小さくするだけが成果が上がるとは言えないということを考えてます。先日、全国で実施している県から何件か情報を得てみました。そのときに、非常勤講師対応が大変多い、そのことを私はとても心配しています。
先ほど、山形県のすばらしいご発表をいただいて、これから多くの県で参考になるものと思っていますが、その中で質問させていただきたいのは、お話しいただいた中で、正規教員でなくても、非常勤であっても優秀な職員であれば何ら問題はないというお話がありましたが、私は、そのことに対して果たしてそうなんだろうかという疑問を持っています。
なぜならば、学校というのは、生活面、学習面、そして教育活動全体を通して、人格形成をしています。その中で、学校と学習塾との違いは何かといったら、学校は人間教育をしているという、ただ単に力を向上させるだけということだけではないことです。学力の向上は、当たり前のことですが、基礎・基本をしっかり身につけさせる、それにプラス・アルファの部分がまたものすごく大きいわけです。
したがって、非常勤講師はいくら研修を積み重ねたとしても、それだけの時間的なゆとりがありません。また、研修はとても重要なので、それは行うことが必要ですが、プラス必要なことは、毎時間、毎日、子どもと接しながら、子どもの成長とともに教員も資質を高めていくという、これは子どもと一緒に接する中で本当にいろんな苦労がありますが大切なことなのです。例えば非常勤講師の方だったならば、そこまで接するなんてことはありません。授業が終わればまた別の学校に移るとか、ゆっくり打ち合わせすらできない、そういう現状の中で、本当にこれから各県が非常勤講師をどんどん採用しながら対応していく。それは、教員の数からいいますと、いないよりはいたほうがいいかもしれません。でも、必ずどこかにひずみが来るのではなかろうかという心配がすごくあるわけです。
私は、基本的には、正規教員を計画的に増加させて、それで少人数学級を編制していく、そのことはよいと思っているんです。それを10年計画、20年計画にするのかわかりませんけれども、短期の中でほんとうに一気にやろうとしますと、どこの県もパンクしてしまう。財政的な面もパンクしてしまう。ですから、いかに現状の中で、少し無理しないとできませんけれども、どのようにしていったならば効果的なのかということを考えていかないといけないのではないのかと思います。
私は、中学校の立場ですから、中学校で非常勤がどんどん増えて、生活指導もできない、非常勤講師の授業のところから崩れていかないようにと考えています。
ですから、今大変すばらしいご発表をいただいて、次から次へといろいろな県で実施していく中で、心配なことがあると考えております。
【高倉座長】 では、関連して。
【天笠委員】 関連ではないんですが。
【高倉座長】 では、ちょっとお待ちください。初めの予定では、ご発表を2ついただいて質疑をする。その後、少人数教育、特にその評価について集中的にディスカッションしようということでございました。もう自然にそちらに入ってきてしまっているということがありました。しかし、一応ご発表いただいたことに対する質疑ということを、あるところで切れ目を入れまして、そしてその後の本格的ディスカッションにしたいと思います。
今、橋本先生のご発言、どちらかといえば山形県の実践にかかわることでございますので、簡潔に常勤・非常勤の話、また後で詳しいディスカッションをしたいと思いますが、ちょっとお答えいただければありがたいと思います。
【真木課長】 ご意見ありがとうございます。ただいま橋本委員ご指摘のとおり、やはり本務者のほうが、確かにこれは十分なる指導がなされるというようなことは我々も認識してございます。ただ、先ほど申し上げましたとおり、今、大量退職時代を迎える前に、我々が目指す少人数学級編制を遂行するためには、その両面から見ていかなければいけないという点がございます。今、本務者を増やすことが将来的にどういうふうになっていくのかといいますと、ほんとうに過剰要員を抱えることにつながりかねない、リスクを非常に背負ってしまうということがございまして、いわゆる実務面からと、それから教育の面の両面から考えても、どうしてもそれが相入れないところでございます。
我々は、事業として立ち上げる上で、どうしても確保しなければいけないという面から、今常勤・非常勤講師の確保をさせていただいておりますが、その最大限のなせることとして、研修の充実ということから少しでも役立って向上していただきたいという思いでございます。できましたら、これが制度化されてきちんと本務教員が配置されれば、それに越したことはないというのが本音でございます。
【高倉座長】 ありがとうございました。
天笠先生、高浦先生に対するご質問ですか。どうぞお願いします。
【天笠委員】 私、高浦先生の調査に対して、最後の6ページにあります点ですけど、タイプ1からタイプ7について分けられたという点について、ちょっと先生のご感想をいただければと思います。とりわけ、タイプ4、タイプ5、タイプ6、タイプ7について、調査の結果等々からどんな高浦先生なりのご感想を持ったのかどうなのかということです。
というのは、先ほどもありましたように、学級規模をただ単に減らすだけでは云々、やはり指導法の改善を伴うことによってということが出たかと思うんですけど、私は、この指導法の改善という中に、教師のチームワークということが混在しているというんでしょうか、というふうな形で、指導法の改善という言い方をすると、そこら辺のところはどちらかというと大変不鮮明になるような印象を持っていまして、ここのところは、私は、教師のチームワークが実は大きなファクターを握っている部分があるんじゃないかと。要するに、規模を小さくすれば小さくするほど、それだけ学級の数が増える可能性が出てくるわけで、そこに教師のチームというものが実は存在していて、ということで、タイプ4は学級は崩さず、その中に教師2人なんですけれども、子どもの集団を崩しながら、なおかつ教師の集団も可変的に変えていくというようなことがタイプ5、6、7、のほうには出てきているんだと思うんですけれども、教師の集団の柔軟性と、子どもの集団の柔軟性を合わせて相乗的に効果を出すことがより効果を高めていくことになるかと思うんですが、それをとかく指導法の改善という言い方をすると、何か一斉指導法を個に応じる指導にとか、あるいは教材の工夫というふうに一般的には理解する、あるいは先生方もそのように理解しがちなんですけれども、この問題は私は教師集団のチームワークということが実は大きなポイントになってくる点じゃないかと思うんです。
そういう点で、私は、このタイプの分け方と、それについての結果の考察等々から大変興味を持たせていただいたわけなんですけど、この点について、高浦先生、どんな感想を持たれるかとか、もしお考えがあればお聞かせいただければというふうに思います。
【高倉座長】 ちょっとお待ちいただきまして、天笠委員のご質問にもう1つ加えさせていただきまして、タイプ6と7、到達度別学習という形での習熟度別学習と、完全習得学習というタイプでの習熟度別学習、これは端的に言えばどういうふうな違いがあるのか、それも含めてご説明いただけるとありがたいと思います。
【高浦委員】 天笠先生のおっしゃったことなんですけど、このタイプ4、5、6、7は、ある意味では、これはみんなティーム・ティーチングなんです。違いは、タイプ4は、2人で主・副分担をして、同じ場所に2人いて授業するというのがタイプ4なんです。タイプ5は、T.Tというのは、1学級を例えば2つぐらいに割ると、担任は1人ですから、するともう1つのグループの指導はまたどなたかしなきゃなりませんから、実際は2人が入るということになります。タイプ6は、私どもは到達度別学習と呼んでいるんですけど、授業が新しい単元に入る前に、子どもの習熟度の希望などを見ながら、2つないし3つのグループに分けるんです。そして、新しい単元を授業していくという。だから、新しい授業に入る前にどれだけ到達しているかを調べて、習熟しているかを調べて、そして新しい単元に入りますから、これをあまりいつも常用すると、いつも固定するような感じがするんです。
そういう授業でして、そうすると、これは授業を、ある集団が始まる前に調査して、2つか3つグループになりますから、1つの学級でしたらまた1人か2人は必ず先生が必要ということで、これもまた違った意味のT.Tになるわけです。
それから、タイプ7は、これは今まで共通授業を12時間みんなやっておったとしたら、10時間ぐらいのところで一応授業は終了するようにプログラムをつくりまして、そして子どもの習熟状況を診断テストということで調べまして、既に理解できている子どものグループにはプリント問題を個別にさせると。主な対象は、習熟していない子どもが主な対象になるわけでして、だから別名マスタリー・ラーニング、「マスタリー」というのは、アメリカでは9割以上ができるようにするということを言っております。
私どもは、8割ぐらいに今回見たんですけど、大体四、五人ぐらいが残るんです。その子どもが主に2時間ぐらいの授業の主な対象というんでしょうか、そういう特徴がマスタリーはあります。そうするとこれも、共通授業は1人でするにしても、診断テストの後は、通過組と、もう1回念のためにという組と、ちょっと補充指導組とか3つに分かれるとすれば、また3人の先生が必要ということでティーム・ティーチングを組まざるを得ないということで、そういうことがありました。
ただ、これは学習指導面でしたけど、算数と数学、英語が中心でしたので、あとまだ少人数指導で課題選択とか、課題順序選択とか、いろんな指導プログラムがありますので、例えば社会科とか国語とか理科とか、そういう面の調査もしてみたかったし、いろんな県でもそういう調査もやっていただくとありがたいという気が1つしました。
それから、もう1つは、生徒指導面ですけど、これは私どもはちょっと手が出なかったんですけど、ぜひやっていただきたいと思うことは、学級が生活集団というときに、例えば山形の今の場合でしたら不登校が減ったとか、いじめ問題が少なくなったというんですけど、私は、少人数学級になって教師の指導のあり方が何か変わったんじゃないかと思うんですよ。それをはっきり目指していっていただけばよい気がするんです。
こういうことが少人数学級になったからできるようになって、それが不登校が減ったんじゃないかとか、そういう面というんでしょうか。それは学習指導面とはまた違った指導のあり方ではないかという気がしました。
それと、先ほどの共同学習というのは、どちらかというと集団化のほうですよね。そうすると、個に応じた指導というのはそれとは違う形態ですから、そうすると、学習指導と生徒指導の面でちょっと違う面も若干あるかという気もするんです。
【高倉座長】 ありがとうございました。
今日の進行の予定でございますと、まず最初に、山形県の実践についてご報告いただき、質疑応答などをし、それから、高浦委員からの研究成果をご報告いただきまして、質疑応答をすると。そこで、かなりウォーミングアップをしまして、その次に少人数教育について、参考資料1です、この前配らせていただきました第1番目のまとまりのところですが、この少人数教育についてディスカッションをしようということでございます。
したがいまして、一応ここで山形県からの実践のご報告、及び高浦委員からの研究成果のご報告を終わりまして、それで十分ウォーミングアップができたと。先ほど来、学習の共同化と指導の共同化がいろいろと議論をされてきましたけれども、我々、ディスカッションの共同化の準備が進んだのではなかろうかということで、ここで一遍仕切り直しをしたいと思います。
どうもありがとうございました。それから、高浦委員、ありがとうございました。
ここで、委員の先生方、いかがでしょうか。休憩が必要か、それともノンストップで走るか。
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(「休憩を入れてください」の声あり)
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【高倉座長】 はい。では、非常に申しわけございませんが、5分間、5ミニッツ・インターミッションということで。16時55分から再開といたします。
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<休憩>
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【高倉座長】 それでは、インターミッションを予定した時刻よりも1分半早いですが、委員の先生方お戻りでございますので、始めさせていただきたいと思います。十分にディスカッションのためのいろいろな認識の共有化か何かが整ったと思いますので、よろしくお願いいたします。また、ディスカッションの中で山形県の実践に対するご質問、あるいは高浦先生に対するご質問等、当然また出てくると思いますが、それは、どうぞ自由にお願いいたします。
それで、先ほど申し上げましたように、次は、参考資料の1、前回、今回もお配りいただいております、検討の論点の第1の黒ダイヤマーク、少人数教育について、マルが3つございます。少人数指導及び習熟度別指導のための教員配置の評価をしましょう。
2番目、学級編制の弾力化の評価をする。そして、その評価に基づいて、これからの少人数教育について生活集団と学習集団、大きくその2つに分けてディスカッションしよう。前の2つは、これまでの実践の評価でございますし、それを踏まえて、これからどうするかというディスカッションをしようということでございます。
ですが、何分にも最初に予定した時刻というのはあと4分半しかございません。30分延長しましたけれども、これは30分延長してもどこまでいけるか非常に難しいです。この会議室はもうちょっと使ってもよろしいということでございますが、どういうふうにしましょうかね、進行についてのご提案をいただく、それだけ時間がかかってしまいますので、とにかくそれでは、まず3つのマルがありますけども、そのうちの前の2つ、評価の部分については、ある程度ローラーをかけてみたい。そして、その議論の進み方でもって、30分というタイムリミットを若干過ぎることもあり得るということをお許しいただきたいと思います。よろしいでしょうか。
それじゃあ、どうぞ、まず最初に、少人数指導及び習熟度別指導のための教員配置の評価というこのくくりについて、どうぞお願いいたします。門川委員。
【門川委員】 今、山形の実践と、それから高浦先生の研究、非常に興味深く聞かせていただきました。
京都市の実践ですけれども、保護者、教育関係者、学識経験者も含めた教育改革推進プロジェクトの提言に基づき、平成15年度から小学校1年生に、16年度からは2年生に拡大して35人学級を実施しました。これは、途中で構造改革特区制度の認証を得ましたので、京都市独自で小学校の常勤講師を採用しましたが、開始時点では、特区認証を得ていませんでしたので、京都市は指定都市で任命権はあっても、市費の教員は採用できませんでしたので、幼稚園籍にしました。幼稚園籍の先生を小学校に兼務させるという便宜的な方法で始めたのですけれども、効果は非常にすばらしいものがあります。少人数学級の効果は、大体言い尽くされているんじゃないかと思うんですけども、小学校の1、2年生においては生活集団と学びの集団というのは学級集団として一致させるほうが好ましい。
こんなことがありました。1学年36人の場合には、1学級のままT.Tにしてもいいし、18人ずつ2クラスに分けてもいいというふうに学校の選択にしました。そうすると、一応、学級を分けて、そして適宜合同学習するという形にすべてがなりました。やはり、小学校1、2年では帰属意識というようなもの、学級集団づくりというのを優先させる方が効果的というのが今の実態でありました。
それから、常勤講師の問題ですが、将来、全国でこういう制度が導入されてくるときに、教員の需給関係がどうなっていくかということもあり、やはり、できれば正規教員で確保していくべきものだと思います。今、採用が総体的に少ない、そして、一定の競争率が確保できているもとでは、優秀な常勤講師が確保できております。
その次に、非常勤講師がどんどん増えてくるのは、橋本先生のおっしゃるとおり、危険性があると思いますが、現在、中学校の教員採用というのは非常に少ない。体育でも社会や国語でも、多くの教科が100人の受験者があって、2、3人しか採用にならないという状況。そして、その厳しい試験を落ちた多くの人が教員を志望しているというときに、質の高い非常勤講師が確保できる。彼らが非常勤講師をしながら10年後には定年退職者が増加し、大量採用の時期が来るわけですね。そういう人が、学校現場に入ってきていただく。あるいは、小学校で音楽、美術や体育の専科制を本市独自予算でやっていますので、中学校の採用を目指しながら、小学校で講師として入ってきていただいている。これはすばらしい役割を果たしていただいています。また、私どもも講師対象の研修会等を実施し、資質向上を図っています。すべて正規教員で、たっぷりと定数があるほうがいいとは思いますけれども、現在の行財政状況の中で、よりベター方法としては、非常勤講師も大いに役立っている。もちろん財政事情のため正規教員を減らして、非常勤化していくというのは言語道断だと思います。
学力保障、あるいは不登校の問題、子どもの学びや生活集団の問題、あるいは教師の指導力向上の問題、指導形態の改善問題、これらを総合的に考えていかなければいけない問題だと思うんですけれども、現実に中学校において40人の学級集団というのは、とても多すぎる。今、京都市教育委員会でも、引き続き、研究しているんですけども、小学校低学年の次には、逆に、義務教育の終了時点、進路保障の時点である中学校3年で、35人学級とか、30人学級にして、もう一度きっちりと、担任が責任を持って、きめ細かい指導を徹底するという方法もあるんじゃないかというような提言もあります。多様な方法を研究し、実践しながら、よりよいものを求めていくという意味においては、今、画一的な基準をつくらずに地方の自主性を発揮できるようにというのがいいんじゃないかと思っています。
学級集団を少なくすると、多くの教職員の定数が必要になる。だから、学びの集団を分けて、やっていこうという形の議論にならないようにする必要があるのではないかなと思っております。やはり、行き届いた教育のためには、指導方法の改善と学級集団を少なくする両方が必要であり、教職員定数の改善というのが大切だ、そのように思います。
【高倉座長】 ありがとうございました。これからの少人数教育のところにもお入りになっていらっしゃると思います。
それで、初めはこの3つのマル、それぞれ、時間を切って、ローラーをかけていこうかと思いましたけれども、全体が絡み合う問題でございますので、どうぞ、どのマルにというようなことをあまり意識せずに、自由にご発言いただきたいと思います。ただ、その場合に、最初のマル、少人数指導云々、教職員配置の評価、ここのところでは第6次、あるいは第7次の改善というものを一応念頭に入れて、それを評価するというような視点でご発言いただければありがたいと思います。
学級編制の弾力化の評価、これはいろいろなところでいろいろな実践があろうと思いますので、そういったことも念頭に入れてご発言いただき、その結果、当然これからの少人数教育をどうするかということへの提言にも結びつくと思いますので、1つ1つ仕分けして、時間を配分することはいたしません。どうぞ、そういった今、私が申し上げたような意図で進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。小川先生どうぞ。
【小川座長代理】 意見じゃなくて、ちょっとやっぱり、せっかく山形の方がいらしているので、やはり少し成果をちょっと聞きたいんですけれども、そういうことでよろしいですか。
先ほど、高浦さんからの問題提起と最後の発言のところに関係するんですけれども、やはり少人数学級とか、少人数授業をやったからといって、自動的に教育効果は上がらないというのは、僕もそうだと思うんです。やはり、少人数学級とか、少人数授業の形態を最大限に効果を上げるための授業のさまざまな工夫改善とか、それを自主的に支える教師の、先ほど天笠さんもおっしゃったように、チームワークというか、そういうふうなものが一緒に進行しないと、少人数学級とか少人数授業の効果というのは上がらないと思うんです。
僕も幾つかの自治体を見ているですが、大体、少人数授業とか少人数学級のパターンを見ると、各学校に丸投げしたり、各学校の中の少人数授業とか、少人数学級の担当の先生に丸投げして、教育委員会や、学校自体がそれを自覚的にどう改善していくかというふうなことを取り組まないような、せっかく、少人数学級とか少人数授業を導入しながら、ほとんど丸投げで、担当者だけに任せているという自治体も、実はあるんです。そういうところは、なかなか成果は見えてこないんです。
しかし、もう一方で、やはりお金をかけて少人数学級とか少人数授業を導入する以上、やっぱりアカウンタビリティーというのが問われているということで、かなり自覚的にその辺の実践ということを、取り組んでいる自治体もあるんですが、そういうことでちょっとお尋ねしたいのは、つまり、少人数授業をすることで授業改善とか、学校経営の改善、いろいろな、そうした改善や開発の可能性が、実際、山形ではどのように広がっているのかということと、もう1つは、そうした少人数学級とか少人数授業を導入することで、そうした教師の授業づくりとか、学校経営に対する姿勢とか、意識というのは、どういうふうに変わってきているのかということを具体的にその成果を教えていただければと思うんですけれども。
【高倉座長】 お願いいたします。
【真木課長】 今のご質問に関しまして、先ほどの資料、30ページ、31ページをお開きいただきながら、お答えしたいと思います。
私のほうから資料によってお答えして、そして、生田のほうからは具体的な実践例を申し上げたいと思いますが、30ページに校長への調査結果がございます。
やはり、これは取り組むためには今もございましたとおり、いわゆる学校へ、それから教師担任だけの、丸投げという状況ではない、学校経営においてどう生かすかという問題なんです。そうしますと、校長さんの意識として、子どもの姿から感じる教育効果として、いわゆる積極的に発言するようになったとか、学習の集中度合いが高まってきたというふうなところを挙げている校長先生が非常に多くなっている。それだけ、校長さんが授業の、それから子どもの変容を直接見る、意識化しているということが1つあるのかなというふうに感じます。
それから31ページのほうでは、担任への意識調査という観点からしますと、いわゆるこの上のほうにあるように、コミュニケーション能力、このところを挙げている担任が多いと。これは、先ほど天笠先生がおっしゃったように、いわゆる教師同士のチームワークというところにこれがあらわれているのかと感じているところでございます。そんなふうにして、教師自身がこの効果をきちんと踏まえるようになってきたというようなところを、まずこのデータからお答えしたいと思います。
【生田主任指導主事】 はい。それでは、私のほうから、どのような取り組みをしてきたのかというようなことも含めて、若干、説明をさせていただきます。
資料の6ページ、7ページをお開きいただいてよろしいでしょうか。県の教育委員会としまして、少人数学級編制でどのような授業改善を望んでいるのかということを各学校にまず示しております。まず、1クラスの人数が少なくなることによって、教室の空間を活用した工夫ができますよね。机の配置を工夫してみませんかというようなことで、6ページのほうには、そのような図入りで、このような工夫ができるのではないかという提案をしています。また、複式学級が本県の場合は研究が盛んに行われてきた歴史がございまして、複式学級における直接指導と間接指導のよさを生かしてみませんかということも、もう1つの視点にしております。
それから、チームワークについて、これも本県では、学級が増えるということは担任が1人増えるということでであり、その増えた教員をどのように生かすのか、学年の体制でどのように授業改善を図っていくのかということも重視しております。この7ページの図は、もし1名の教員の加配であれば、ある教科のTTしか今まではできませんでしたねと。それが下の図を見ていただきますと、1クラスの人数が少なくなって、なおかつ4人の教員がいることによって、課題別学習に対応することもできますよと。それから、習熟の程度に応じた学習に対応することもできますよと。それから逆に、クラスの人数を大きくして合同学習という形で音楽の合唱や合奏をやったらどうですかと。体育や図工なんかでもっとダイナミックな展開をしてはどうですかということを提案しています。このような提案を踏まえて、丸投げではない形でどのような具体的な指導をしているのかというのは18ページ、19ページをお開きください。18ページにありますのは、各教育事務所単位で行っています、各学校への計画書の例でございます。各学校には、重点目標を明確にして、具体策、それから具体的な評価方法と時期までを明示するように求めて、各教育事務所はこの間に何度か訪問指導などもしながら、その経過を指導しながら評価改善を行っています。このような形でフォローもしながら、各学校の取り組みを支援しているという形になっています。
また、19ページには、各学校での実践を示す場合には、ビフォー・アフターというものを大事にしましょうと。これまでの実践ではこういうふうなことしかできなかったけれども、少人数学級になって、このような取り組みをしたことによってどのような成果が出たのかということを、具体的な事例であらわすようにしましょうという指導も行っています。
【高倉座長】 ありがとうございました。では、一たんそこで小川先生へのご質問。今3人手が挙がっていますので、堀内先生のほうから橋本先生、渡久山先生と。この評価の点に触れてご発言いただければありがたいと思います。
【堀内委員】 ちょっと前の論議が気になっていたんですけれども、少人数指導、あるいは少人数編制をして、そのこと自体あまり効果がない、むしろ指導方法でというお話が、高浦先生の調査からも、山形も出たんですけれども、逆にいうと、指導法さえ改善すれば学級編制、あるいは人数って関係ないのかと。論理的にはそういう話にもなりかねないんですよね。このことはやっぱり、筋から考えますとおかしいわけです。というのは、やっぱり評価の方法が違うんじゃないだろうかという気がせざるを得ないんです。具体的に、いろんな評価の観点で一番中心なのが、学力が伸びたかどうかということがあると思うんですけれども、生徒指導の問題もある、いろんな項目でどう見ているかということは出ているわけなんですけれども、それと対応させてどうのこうのという見方をしたときに、やはり今のように、具体的な傾向、効果というのは見えてこないと。じゃあ、そのトータルを見たときにどうなんだろうというような観点がやっぱり必要ではないかと思うんです。
先ほどの天笠先生の発言、多分私もそうだろうと思うんですけれども、やっぱり加配なり、いろいろな形で1つの学校単位で考えたら、同じ子どもの数、学級数であったとしても教師が増えてくる、それで最後終わらせてしまったんですけれども、そのときどう教師を活用するのかという側面と、それからその人が入ったことによって、学校全体の雰囲気なり、あり方がどう変わったのかという、そういった観点で学校を1つの単位に見たときの評価ってやっぱり必要じゃなかろうかと思うんです。
ある学校の話をさせていただきたいんですけれども、ある学校は、今、1年生と2年生が30人です。3年生が35人なんですね。4、5、6が38人なんです。3クラスある学校なんです。要するに、縦に6学年を見ますと、明らかに雰囲気が違うんですね。今の山形のほうにスペースの問題も出たんですけれども、下のほうが人数少ないので、子どもの体の大きさも関係するんですけれども、まずこれは物理的な雰囲気が全く違います、当たり前に。1人の先生が指導している様子をよく見ますと、コミュニケーションという話もありましたけれども、その辺の子どもの雰囲気、やっぱり当たり前に違うんです。これではどう数量化して評価するかなんて話は、なじまない話なんです。今、言ったのは子どもの数なんですけれども、この学校はさらに補助教諭を入れております。650人ぐらいの学校なんですけれども、常勤2人、非常勤7人の全体で9人を入れているんです。当たり前に、小学校なんですけれども、年齢的には非常勤等ですから、23、24歳の若者でございます。全くこの学校は雰囲気が変わりました。平均年齢が40を超えていたところがこうなりましたわけですから。これも評価という形で、実はその学校の用務員さんとこの前、一緒にお酒を飲む機会がありまして、話してみて、「先生、変わりましたよ。この学校は」という話になりました。雰囲気がまるきり変わった。明るくなったし、生き生きしている。子どもの顔つきが変わりましたと。私、用務員さんの見方って一番正しいだろうと思っているんですけれども、言ってみると、ちょっと変な話になってしまったんですけれども、評価というのはそういうもののトータルの見方をしないと。その学校がどう変わったのかという話だと思うんです。だから、突き詰めていくとこの論議も、実は5年前をどうしても思い出してしまったんですけれども、5年前もこんなこと言っていたんじゃなかろうかと。要するに、評価しようがないんじゃないかと、40がいいのか、30がいいのかと。今日いただいたデータでも、押しなべて効果はと言えないというような表現があったり、だからそういうところでぐるぐる論議してもしようがない。結局、この5年間の何らかの措置というものは、言ってみるといろんな学校でいろんな取り組みをした、その学校1つ丸ごと見たときに、学校の教育力が上がったのかどうか。やっぱりこういう形で定数改善というものは評価していかないと、5年前と同じ論議になって、結果的にやっぱり改善しなくていいんじゃないかという答えが出るのを実は恐れています。
そういった形で、評価ということでいったときに、どうしてもいろんな調査をやりますと、分析的な評価しか出てこないと思うんです。やっぱり総合していくような評価というのをどこかでしていかないといけない。事例だと思うんです。今、「ある学校」と言いましたけれども、1つの学校で条件を変えた。そうすると、トータルのインプットなり、雰囲気がこう変わった。それは親がどう評価している、教員がどう評価しているかというようなまとめ方をしていくことが、やっぱり改善につながるだろうと思っております。
【高倉座長】 ありがとうございました。評価の仕方、視点。どうぞ、橋本先生、お願いいたします。
【橋本委員】 第7次の定数改善のときに加配教員の活用についてご提言があり、この5年間で、特に少人数指導については加配教員を配置された学校もかなり増えてきました。先ほどのデータによりますと、小学校で41パーセントはまだ加配なし、中学校では20パーセントが加配なしと。しかし、1名か2名加配があるところが増加していると。それの成果ですが、確かにTT加配、少人数加配、正規教員が加配されて大きな力になっています。したがって、少人数指導についても成果はありました。ただし、教員の打ち合わせの時間が必要だけれども十分取れないというような悩みを抱えながらも、先ほど来、お話がありましたように、打ち合わせをせねばならないという状況の中で実施しております。これによって、今までは独自で自分の授業のみという形でやっておりましたけれども、打ち合わせを行いながらいかに指導力を高めていくか、指導内容・指導方法を改善していくかという、このような努力が見られるようになったことは成果であると、そのように思っております。
それからまた、少人数指導のことですが、少人数学級につきましては、上限と下限、特に下限を考えていく必要があると思います。先ほど、山形県の事例をお伺いさせていただいて、データを基にしない、いわゆる実態を基にしながら分析をして、だから山形県ではこのようにしたという、それは本当にすばらしいことだなと思いました。
先ほど、何人かの方からも、正規教員の採用、配置はとても重要だと、講師ですべて賄えばよいということではないんだと、そういうお話がありましたけれども、講師も優秀な講師がいるわけですけれども、ほんとうに正規教員で賄えない場合の講師を配置した場合、これは研修は十分にする必要があると思います。それからまた、学校は組織体ですから、その学年組織、または学年だけではなく、学校全体の組織の中で、講師を成長させる必要があると思っています。また、小学校で何県か行っているところで、低学年を少人数学級にしているところもかなりあります。小学校で今、学習のつまずきが多いのは中学年です。体を動かすことが大好きで、学習に関心を持つよりはという、中学年の年代の子どもたちのことにも目を向ける必要があるでしょう。ただ、低学年はしつけからなにからやらなければならないから人数が少なければいいだろうという感覚ではなくて、低学年、中学年、高学年という、小学校のどこに配置することが望ましいのかということを考える必要があるでしょう。中学校では、1年生で実施をしている県も何県かあるようですけれども、私は、先ほど3年生でというお話もありましたが、3学年の進路の選択の真っただ中のとき、学習を充実させなければいけないとき、また、2学年の1番発達段階で難しいとき、こういったときにどのように充実させるかということもあると思うんです。これはほんとうに学校の実態、または生徒の年度の状況によって大分違います。そのように、例えば加配の教員がいたならば、どこにどのように配置をすることがよいのか、校長の権限によって配置を考えることも必要と思います。
以上です。
【高倉座長】 ありがとうございました。渡久山先生。
【渡久山委員】 今、日本の場合、特に義務教育をめぐってのいろいろな状況の中で、教育課程の到達度。これが実際は、子どもたちの実力と今の教育課程との間に、非常に乖離しているという実態です。例えば具体的には、学力の七五三と言われるような、乖離している状況がある。ですから、これを何とか解消して、ほんとうに学習指導要領なり、あるいは教育課程なりが、きちんと子どもたちの中に定着をして、到達していかなければいけないというこの課題をどう解決するかというのが1つですよね。
もう1つは、先ほどから出ていますように、いじめとか、不登校だとか、いわゆる学校が楽しくない、あるいは学校にもう行きたくないという子どもたちがだんだん増えてきている。ですから、そういうような子どもたち、フリースクールもありますけれども、しかしそうではなくて、学校自身がもっと楽しい学校づくりというのをしていかなければいけないという、この2つの問題を解決していくのにどうするんだというようなことです。
それと、文部科学省も、具体的には例えばTTを入れて、いろいろなことでやってこられたわけですけれども、昨今、ちょうど今の40人学級をある程度各県の自主裁量に任せたら、そうしたらたちまち42県が、結局40人を切って、ずっと今、山形とかでもありますように、各県の持ち出し分で改善してきているわけです。とういことは、その状況を見ますと、やはり今の幾つかの困難な問題を解決する最もいい手段というのはまず、今の少人数学級や指導の方法もあるんですけれども、学級定数をどう減らすかという、あるいは教員数をどう増やすかという、これですね。この問題がやっぱり1つの流れになってきていると思うんです。ですから、先ほどの山形の例もありますし、あるいは鳥取からもありましたし、また文部科学省からも先ほど評価がいろいろ出ていましたね。各都道府県の実態、実践の中から出ている。やっぱりこれもみんなほとんど、少人数学級にして効果を上げているんです。不登校の問題もものすごく効果を上げている。そうであれば、今、各県で非常に財政的な苦労をしながら自己負担といいますか、各県負担でやられているのを、やっぱりきちんと国が責任を持つという形の定数法の改正をやるべきだと僕は思うんです。
ですから、そういう意味ではいろいろな意見がありますけれども、それも今までのように画一的にすべて40人学級としないで、やはり小学校の低学年の、例えば今、これは学習指導も大変なんですけれども、生活指導が大変なところに、例えば25人学級にするとか、20人学級でもいいんですけれども、果たしてどれぐらいいくか、財政問題もありますから、25人学級、30人学級、あるいは35人学級とか、そういう形の画一性にとらわれないで、最も必要なところに最も重点的に配置をすると、あるいは改善をするというようなことが1つあると思うんです。
もう1つは、今は機械的に40人学級だから41になったら20と21に分けますよね。そうしないで、やはり学校や校長の裁量で、ある程度バラエティーに富むと。先ほど山形からありましたように、21から33までをどこでやるのかと。お聞きしてみましたら、その中でも25人から29人の学級が一番多いんだそうですね。だから、そういうように最もリーズナブルな子ども数、学級数が出てくるはずですから、それは学校現場にほとんど任せるというようなものが1つ必要だと思うんです。
それから、定数法自身は、構造的に見ますと、単なる教員だけの問題ではないですよね。ですから、例えば教員でも特別支援教育のための加配。これも今、複数免許が1人で取って1免許になるような形になっています。そうすると、一番困るのはそれによって定数が減るのではないかと。今までは障害の別によって、定数がそれぞれ枠があったのに、今度は同じ障害で両方持てるから、じゃあ人数減るのではないかという危惧も現場でありますから、そうなってくるとやっぱり、特別支援のための、要するに障害児学級や障害児教育のための定数をきちんと査定する。それが1つ。
それからもう1つは、改善していくのにもっと必要な職種がないか。例えば学校事務職員も複数配置をしていく。それから、事務の共同制の中で、事務長制をとっていくというようにして、ほんとうに機能的な学校事務ができるようにしていかなければいけないのではないか。教員だけに全部、例えば今、警備の問題もそうです。教員が、警棒でも使ってよそから入ってきたら退治するなんて、教員は授業をしたりいろいろやっているんです。ですからそういうことはできないんです。そうであれば、きちんとした常勤の警備員を配置するというようなこと等も考えて、今度の定数法の場合には、そういう例えばカウンセラーの問題とか、あるいは外国籍の子どもたちのための教育、これはアメリカあたりでも非常に語学教育なんかやっていますよね。外国から来た子どもたちのための英語教育といって、わざわざそういう加配をしています。
そういう意味で、もう一度、今まで続いていた日本における定数法や学校の教職員問題を、この際きちんと抜本的に、いろいろ多角的なところから検討をし、改善の余地があるところは改善をすると、あるいは配置すべきだということについてはきちんと言っておくというようなことが非常に大事ではないかと。何か財政問題で、自主規制ばかりやっているような感じが文科省もありますから、自主規制はやめて、あるべき姿はどうなんだということを一度きちんと言っておく必要があるのではないかと、こういう気がいたします。
以上です。
【高倉座長】 ありがとうございました。どうぞ、宮崎先生。
【宮崎委員】 山形県の「さんさん」プランをこれまで注目させていただいて、ホームページなどで見せていただいて、私も少し論文に書かせていただいたりしたんですが、きょうは直接聞けて大変ありがたかったです。高浦先生の発表と一緒に、同じ向きなんだろうなと思いながら聞かせていただいたんですが、学校における生活集団と学習集団というのは一体不可分のもの、分けることはできるんですが、非常に重要な側面を持っているわけですよね。ですから、生活集団を小集団化するということは、学習集団そのものも質的に変化してくるということをきちっと押さえる必要があるのではないかと思いました。
特に、少人数学級にした場合に、当然のことながら、山形で考えてくださっているように、学級が増えるということは教員が増えるということで、それに応じた課題や習熟度に応じた学習集団の編成ができると。これはさまざまな課題を持っているお子さんにとっても非常に重要なことだと思っています。
今日出していただいている少人数学級の評価の中で、小学校、中学校おしなべて、児童・生徒の少人数指導、チームティーチングに対する期待というか、喜びというか、これが非常に高い。日本の子どもが自己肯定感がすごくなくなっていって、なおかつ、学習意欲が低下している。特に小学校の高学年になると極端にその部分が落ちているということなどを考えると、このあたりは非常に重要なものとして見る必要があるのではないか。
それから、同時に、意欲、興味、関心が高まっている。こういう状況が生まれると、先ほど堀内先生がおっしゃったように、学校全体として考えたときに、教師の授業改善に取り組む意欲などもぐんと高まっていくと思うんですね。ですから、そういう視点で少人数学級の問題というのは、評価をいろいろ重ね合わせながら考えていく必要性があるのではないかと思いました。
どちらにしても、40人学級では子どもたち一人一人の顔が見えにくいところは現実にあると思うんです。特に低学年などはそうですし、先ほどは小学校中学年の話をされましたけど、低学年の場合に、学びの姿勢ができていない。今でいうソーシャルスキルトレーニングといったことなど、学校へ入りたての子どもたちにきちんと指導していくのは、少ないほど――少ないほどというのは、ある一定の規模は必要だと思うんですが、少ないにこしたことはない。子どもの顔がお互いに見え合っているというのは非常に重要だと思いますので、そういう視点もあわせて評価の項目として入れて、考えていく必要性があるのではないかと思いました。
山形に1点だけお伺いしたいんですが、不登校のことについては、確かに統計で分かるんです。確かに不登校の子どもが減ってきたというのが実体として分かるんですが、ここでいじめ・不登校を今日的な大きな課題にされていて、この問題については山形はどんな評価をされたのか。特にいじめなどに関して言えばなかなか見えにくいところですので、この部分で、私の見方が悪いのかもしれませんが、このあたりについてはどんな評価をされたのか教えていただくとありがたいと思います。
【生田主任指導主事】 いじめについてはこの報告の中には載っておりませんが、本県の場合には、少人数学級編制でいじめの件数が減ったかということは、必ずしも言えませんでした。ただし、このような結果はご紹介できるかと思います。
この少人数学級を実施して、いじめが発見される件数は増えました。そのかわり、それが解消したという報告の件数も増えました。これは、その以前の調査結果と大きく違うことだなと。発見件数が増えて、なおかつ解消されていることによさがあるのではないかと、現時点では考えているという状況でしかないです。
【宮崎委員】 その変の具体的な原因というか、やっぱり少人数学級編制の結果というふうに考えられるわけですね。
【生田主任指導主事】 関連があるのではないかというふうには考えておりますが、明確に関連があるという分析をしている状況ではありません。
【宮崎委員】 なぜ、このことを聞いたかというと、昨年の統計で、小・中の不登校が初めて減ったんですよね。7,000件減った。減ったといっても13万件ですから、この点は現在の日本の学校教育の一番の課題になっているところだと思うんです。そこをどういうふうに克服するかというのは大事な視点ではないかと思っているわけです。
【高倉座長】 どうもありがとうございました。
時間もオーバーしておりますし、申しわけございませんが、これからの少人数教育について、生活集団として適切な学級規模、学習集団と学習効果、このあたりについて、まとめの意味でご発言をいただければ大変ありがたいと思います。
天笠先生、そういうものも含めて。
【天笠委員】 先ほど来出されています不登校の減少についてということですけれども、おそらく、いろんな営みがあって、結果としてこういうことになったことは十分推察できるかと思うんです。担任の先生がとある方と相談するとか、あるいはともに協同しながらそういう子に向かっていったとか、そういうことがきっとあるんだと思うんですが、おそらく、そういうのは事例を挙げていって、それを整理すると見えてくるんじゃないかと思うんです。やはり、そういう営みが事態の改善に大変大きな意味を持ってきたんだという認識を、学校の先生方自らが深めていくということもまた大切なのではないかと思うんです。
そういう点で、少人数、あるいは学級規模の縮小という効果というのを、学校が、あるいは先生方が自らその成果、あるいは課題を確かめるという、こういうこともまた大切なのではないかと思うんです。そういう点からすると、この数年、学校評価の改善とか充実ということがかなりいろんなところで取り組まれているんじゃないかと思うんですけれども、改めて、今ここで議論されているようなことが、学校評価のレベルでどんなふうに取り扱われて、そこからどういう形でそれがデータ等々で整理され、出てきているかというと、ちょっと距離があるような感じがしてならないわけなんです。
ですから、先ほどの資料2で示されました少人数指導・少人数学級の評価というのも、もう1つ挙げるとすると、先ほど堀内先生もおっしゃっていましたけれども、学校評価というフィルターを通してこの評価を確かめていく、成果を確かめていくという発想が、評価ということを考えた場合に必要なんじゃないかと。そうすると、当然、組織としての機能がどうであったかとか、あるいは個々の連携がどうであったかということなんじゃないかと。そういう点では、少人数がそういうところにいろんな波及的な効果を及ぼしたがゆえに成果が上がるとか、あるいは必ずしも成果が十分じゃないとか、このあたりのところが大切ではないかと思います。
ですから、そういう点で、学校が自ら成果を認識するような、そういう営みとしての学校評価のあり方と、そのときに捉えるべき必要な観点というのが、どちらかというとまだ埋もれているような、まだ表面に出てきていないような、そんなことがあるかと思いますので、何をどういう観点で評価するか自体、ここのところにまだ十分に浮かび上がってきていない、そんな現状なのかなと思います。
以上です。
【高倉座長】 ありがとうございました。
今、教職員配置の在り方を検討していますが、どうも評価の在り方を検討することが先決問題のようでございますが、とにかく本論に入っていかなければ。
どうぞ、大平先生。
【大平委員】 今、天笠先生から学校評価のお話が出ましたが、本校でも子ども、保護者、また、地域の一部の方と卒業していく進学先の中学校の先生方から学校評価をとっています。ただ、少人数指導に関わる内容のみでとっているわけじゃないんですね。だから、この内容のみでとる場合と違って漠然とした部分もありますが、複数の教師で指導することについては、子どもからも保護者からも本当に高い評価が得られております。
また、自由記述の欄もありまして、子どもからは、「先生にすぐ質問ができる」だとか、「先生に質問しやすい」、あるいは、「自分が何か作業をしているときに先生が上からのぞいてくれると安心する」だとか、そういうような、少人数指導を受けていることによって、今までにない教師との近さというか、物理的な距離の近さ、あるいは会話を交わす多さだとか、そういうよさが生じているのかなと思っております。
また、保護者のほうも少人数指導を非常に高く評価しています。いろいろな面で安心感を持っておられるのかなと思います。少人数指導のみに絞ってまたアンケート等をとってみれば、またおもしろい結果が出てくると思うんですけれども、いずれにしても大変高い評価を得ている内容であることは実感しているところです。
そういう意味で、少人数指導の評価というのは、これを数量的にどのようにとり上げて、学習指導的にどういうふうにプラスにはね返ってきたかという判断がなかなか難しい部分もあるんですけれども、実感的には、教師集団も非常に効果があるなというふうに受けとめています。
それと同時に、非常に大きな部分というのは、教師の意識改革にも結びついてきたことです。今までは、とかく学級王国的な、1人の教師が自分のクラスの子どもを前にして指導していくという形態が多かったわけですけれども、少人数指導によって、チームを組んで指導することが増えてきました。おそらく、今日の山形のご説明の中でも、少人数学級なんだけれども、授業によっては学級の枠を外してやっているだとか、そういうことが非常に大きな教師の意識改革につながってきて、授業の改善や指導力の向上に結びついてきているんだろうなと思っております。そういう意味で、少人数指導をいかに評価していくかということにおいては、私は小学校の現場としては子どもたちからも、あるいは保護者からも、教職員からも非常に高く評価できる内容だと思っております。
今の山形のお話を伺って、私の学校にも山形から毎年、数名から、多い年には十数名程視察に見えますが、山形の先生方とお話ししていていつもうらやましいなと思うのは、この「さんさん」プランについて必ず彼らの口から話題にされるんです。非常に誇らしい顔で山形の「さんさん」プランのお話をなさります。私は県の教育施策というか、県全体の施策の中で子どもが大切にされてるということを教職員が身近に感じて、それを本当に誇りに思っていられるということは非常に大切なことなんだろうなというふうに、いつも山形の先生方とお話をしながら思っているところです。
そういう意味では、文科省の施策の中に、学校現場の元気が出るような施策というんですか、それは、1つは少人数学級であったり、あるいは教職員定数の増ということであったりすることが元気が出るもとになると思いますので、ぜひとも、このことについても一緒に付け加えてお話をさせていただきます。
【高倉座長】 ありがとうございました。
進め方ですが、これからの少人数教育について、もう少しここのところにアプローチしたかったわけでございますが、なかなか難しい問題と思います。したがいまして、これは継続して議論する、その場合に、次回、教職員の配置について予定しますし、その次は柔軟な学級編制、その中にも差し込んで議論できると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ちょっとお待ちいただきまして、梅田先生、島宮先生、ご発言いただいておりませんので、何かご発言ございましたらば、よろしくどうぞ。
【梅田委員】 では、一言だけ失礼します。
前回の会議のときにも申し上げましたが、少人数学級や少人数指導というのは、それなりに成果があると聞いてますので悪くはないと思いますが、ただ、30人とか、そういう数字の固定はしないほうがいいんじゃないかと。それぞれの実情に合ったようにやったほうがいいのではないかなと思います。それには校長先生の力といいますか、指導力がかなりウエートを占めるのではないかなと思います。
先ほど加配の話もありましたが、いくらいい先生をいただいても、活かし切れないと何にもなりませんので、校長先生の指導力というのは問われるだろうと思いますし、先ほど、学校評価のところでも、私、親としていろいろ感ずることは、やはりこれも校長先生だろうと。言い方は非常に悪いんですが、いくらいい先生が来ても、校長先生がやる気のない先生ですと元も子もない。そういう例を随分見ておりますので、やはりこれも校長先生だろうと思います。
あと、いじめですね。先ほど言われておりますが、これは少人数、あるいは少人数学級をやって効果があらわれているということをおっしゃいましたが、表にも出ておりましたが、果たしてそうなのだろうかと。いじめというのは非常に闇の部分がございますので、おそらくそういう形ではあらわれないんだろう。むしろこもる、深く潜行する場合も出てくるだろうと。ですから、これはまた別の観点から考えなきゃいけないと思います。
私の経験上からお話しさせていただきますと、これもやはり校長先生によって非常に成果を上げているのがあります。ですから、ポイントは、結局どんな生徒を持とうとも、そこで責任を持つ立場にある校長先生の力量といいますか、力というのは非常に大きく作用するのであろうということを思いまして、そこも考えていかないといけないのではないかという気がいたします。
以上です。
【高倉座長】 ありがとうございました。
校長権限の裁量を生かす云々というのは、これは後でありますので、さらにここで進めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
島宮先生。
【島宮委員】 私、高等学校ですので、簡単にまとめさせていただきます。
簡単に申しますと、高等学校は選抜されて入ってきますので、したがって、結果として、いわゆる進学を目指す学校があったり、または生活指導に課題を抱える学校があったり、また、それを外すと残りが大体中間の学校という、そういう形で学校ごとにさまざまな課題があります。したがいまして、そういうときに、この少人数指導や習熟度別指導のための加配の活用の仕方がまた変わってくるということがございます。
私、今まで皆様のお話をお聞きしていまして、やはりクラスの編制、これにつきましては上限、下限をある程度明示して、その範囲の中で学校の裁量に任せる形が、それぞれの学校の課題に一番ぴったり合うのかと考えております。
以上です。
【高倉座長】 ありがとうございました。
高浦先生、手が挙がっておりました。そろそろクローズドにいきたいと思いますので簡潔に。
【高浦委員】 爆弾発言になるかもしれませんけど、今から生活集団とか学級集団という概念をやめたらどうかと思うんです。あたかもフランスがやっているように、算定基礎は教員1人と子どもの比率にしてやっていくと。
なぜそういうことを言うかといいますと、まだ今日の発想、私も紹介した面がそうだったんですけど、私たちは学級集団というのに強くコミットし過ぎるんですよね。だから、例えば、きょうの資料の中にありましたけれども、チームティーチングの効果を調べたときに、T.Tのほうが一斉授業よりもよい結果が出たんです。それは、学級で授業しているんですよね。ところが、さらに学級を解体して、学年システムとしてT.Tを動かすほうが、またよかったんですよね。
つまり、私どもが思うのは、学級はよい意味で解体して、これからの基本は学年経営を中心にしていくと。そういうふうにやれば異学年編成もすぐできてくる。例えば、オープンスペースの学校などを考えてみると、欧米のほうは日本でいう生活指導という面がそうない気もするんですけど、実は教科指導でやっているわけですよね。しかし、日本で見ると、子どもが学校に来ると、クラスに行かないんですよ。広い場所に集まる。そして、チャイムが鳴って授業になると、どこどこに行く。授業が終わるとまたそこに帰る。学級がいわゆるホームベースじゃないんです。
そうすると、生活集団の指導はないかというと、そうじゃないんです。だって、不登校とかをどうするかというと、教科指導以外で不登校の指導をするかというと、それはそういう面もあると思うんですけど、しかし、学校のほとんど8割以上は教科の指導でしょう。そうすると、教科指導を通して生徒指導をやっていたりする面を決して忘れてはいかんと私は思うんです。だって、教科指導をしながら「おい、そこ、何やっとる。そんなことやっとるからできんのだろう」と言って、ああ、そうか、相手を見たら敵と思えという授業をやっていると、いくら仲よくしなさいと言ってもだめなんです。
そういうこともあるものだから、極端に言えば、これから学級集団とか生活集団というのはもうやめて、そして、対教師、子ども比率でも基礎にして、学校の、あるいは県の配属数を決める。そして、あとはどういう学年で集団編成して授業をするかとか、給食を指導するか。給食なんか、ときには異学年とか半分ずつとかで学級を越したほうがいいこともありますのでね。そういう集団編成はもう学校に任せると。だから、今から学級はもうやめちゃって、先生をはじく算定基礎を変えちゃって、あとはどういう集団をつくるかは学校に任せる。あるいは県に任せる。そうすると、同じ教科でもあんな集団編成やっているかとか広がっていくような気がすると、そんなことを思ったんです。
【高倉座長】 いろいろありがとうございました。
時計とにらめっこばかりしていて大変申しわけございません。遠方からお見えの委員の先生方、先ほど申しましたように帰りのリザベーションのこともございますので、きょうはこの辺で切り上げたいと思います。
少人数教育について、もう少しきめの細かいローラーがかけられればと思いました。しかし、それをやっていく途中で、上のマル2つは評価の問題でございますけれども、評価の在り方それ自体、評価の仕方それ自体が、また大きな課題になってきている。
それから、最後のこれからの少人数教育を考える、その場合の切り口としての生活集団、あるいは学習集団につきましては、その2つを中心に考えるという考え方、それ自体に対する大きな問題提起がなされたと。
実は、このシナリオどおりに進んでいくのではなくて、このシナリオの持つ問題性がかなり明らかになってきた。そこで、この問題をどう処理していくかと、いろいろな進め方があろうかと思いますが、若干、少人数教育について、もうちょっとだけローラーのかけ直しをして、次には教職員配置について議論を進めていく。その中で、今日大きな課題として浮かび上がってきたことを差し込みながら、また議論をしていくというようなことで進めさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
あとの進め方につきまして、事務局からご連絡をいただきたいと思います。
【小熊教職員配置計画専門官】 長時間にわたりましてご議論いただきました。ありがとうございました。
それでは、今後の日程についてご説明申し上げます。資料5をご覧いただきたいと思います。
次回、第3回の会議、6月8日水曜日、17時から19時を予定しております。場所は虎ノ門パストラルでございます。先般、場所についてお知らせしてございませんでしたので、よろしくお願いをいたします。
また、前回お示しした日程に加えて、第4回、第5回を教育関係団体のヒアリングということで日程に加えさせていただいております。現時点でご都合が合わないという委員もいらっしゃいますけれども、日程調整等をしていただきまして、できればご出席いただきたいと考えております。どうぞご考慮いだたくようお願いいたします。
【高倉座長】 よろしいでしょうか。本日はどうもありがとうございました。 |
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