1) |
これも総合的学習というものが、現実には大変問題になっています。柔らかい”情報”というものを意識するならば、調査力、分析力、計画・設計力、制作力、評価力、伝達・表現力といった項目が考えられます。また”情報”を強く意識すれば、アルゴリズム構成力、デバッグ力(問題発見力)、システム構成力といった能力目標を設定した上で、具体的な項目をあげることが出来るのではないでしょうか。
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2) |
例えば、検索の仕組み、Webの仕組み、デジタルとアナログの違い、制約ー充足問題、データ圧縮等などを総合的学習の中で課題研究として探求させることができます。理解における発達段階の問題がありますが、教材研究や指導の方法(小中学校段階では分かりやすい表現・工夫が重要ですが)を工夫する必要があります。
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3) |
中学生用の「情報社会に参画する態度」において、指導要領のない項目がいくつもあるが、少なくとも情報倫理や情報安全に関する項目は、総合学習等で対応すべきである。「参画態度」については、すべて対応してもよいと思う。
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4) |
小学生用の「情報活用の実践力」では、「収集力」「表現力」「発信・伝達力」は下位目標となっているが、「判断力」「処理力」「創造力」は、指導要領での記述がないためであろうが、下位目標項目となっていない。これらに対し、総合学習等での対応があってよい。
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5) |
「情報活用の実践力」における「情報表現の効果的な伝え方」で、ビデオカメラで撮影した映像を加工・編集して作品を作ったり、プレゼンテーションに生かしたりする項目を入れてはどうか。
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6) |
それに関連して、「情報活用の実践力」における「情報手段の操作」で、ビデオカメラを使って後で利用する映像を撮影したり、撮影した動画を編集することを入れてはどうか。
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7) |
小学生の「情報社会に参画する態度」において、中学年以前が全くないが、少なくとも情報安全と情報倫理に関するものは追加すべきである。次期の指導要領では低学年からが望ましいと思うが、今回については中学年からでもよいと思う。
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8) |
同様に、小学生の「情報の科学的な理解」における「表現された情報の意図に対する判断」についても、中学年段階からの項目が追加されてよいと思う。ただし、この項目は、先述したように、「参画する態度」に移動させたほうがよいと考える。
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9) |
「情報の科学的な理解」の中に,「なぜ記憶違いを起こすのか」「なぜ判断を誤るのか」「なぜコミュニケーションに失敗するのか」といった原因探求型の学習(「人間の情報処理を科学する」)を含めてはどうか。簡単な実験を盛り込むことも科学的探究活動として効果的と考えられる。
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10) |
「情報の科学的な理解」の中に,「人間の情報処理とコンピュータの情報処理の違いを理解する」学習を含めてはどうか。コンピュータとの比較により(コンピュータが得意で人間が苦手な,あるいはその逆の情報処理を知ることで),人間の情報処理が理解しやすくなる。
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11) |
「情報活用の実践力」の「情報判断力」の中に,「合理的な判断とは何かを理解する」「合理的判断を妨げる“からくり”を理解する」「論理的な判断,目的にかなった判断を行う方法を学習する」などを含めてはどうか。
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12) |
「情報活用の実践力」の「新たな情報を創り出す能力」の中に,「情報を用いた仮説形成,仮説評価を日常の出来事に対して行う学習をする」などを含めてはどうか。
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13) |
以上の内容は,具体的活動と題材を年齢に応じたものにすれば,中高のみならず,小学校高学年においても可能ではないかと思われる。
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14) |
また,「人間の情報処理への感情の影響」「情報伝達における感情の上手な表現」など,感情についての学習も重要と考えられる。
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15) |
いずれも、ネットワーク関連の実践力、知識、態度の育成を大きく取り入れる必要を感じます。
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16) |
ただ、もともと情報教育は既存の教科の枠組みとは相容れない内容であり、内容知から方法知への転換を実践する場面のために総合的な学習がもうけられた側面もあるように理解しています。そうなると総合的な学習の内容を規定するよりは、実践のヒントや例示にとどめる方が実際的ではないでしょうか。
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17) |
総合も良いと思いますが,やはり,教科の中で情報教育をしっかり位置づける方が学校現場としては良いのではないかと思います。
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18) |
中学年にも、総合的な学習の時間に情報安全教育を位置づけたい。なぜなら、自分の身を守り、正しく情報を活用していくためには、中学年のうちから、知識として教えるべきものがあると考えるからである。
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19) |
総合的な学習の時間の中で知識として教えたいもの
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著作権や肖像権について中学年から指導したい。
提案のように、総合的な学習の時間において、高学年で著作権や知的所有権を理解させることに賛成である。理解は高学年だが、これらの概念についての指導は、中学年あたりからはじめてもよいと思う。なぜなら、調べ学習やデジタルカメラで写真を撮ることは、中学年からすでに始めているからである。 |
2) |
IDやパスワードなど、個人情報の保護について早いうちから指導したい。
学校現場では、電話番号を含め、個人情報については、知らない人に教えないことを指導している。ネット社会の特性などを考えた場合、個人情報はあっという間に広がる。個人情報の保護を含めた「情報が広がるしくみ」を知識として教えた方がよいと考える。 |
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20) |
各教科以外では,道徳教育や,特別活動には情報活用能力の育成に寄与する学習活動がたくさん含まれると考える。(新)「情報教育に関する手引き」57ページ〜59ページを加えてはどうか。
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21) |
コンピュータやネットワークなどの内容に加え,情報を総合的に捉えることのできる情報端末としての内容を付加することが必要と考える。情報を受ける情報を発信することがどのような場所からでも可能になっている時代だからこそ,また,これからの情報社会を考えた内容を構築することが重要である。情報はコンピュータとすることを根底におき,様々なメディアを含めることも必要である。 |