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初等中等教育における教育の情報化に関する検討会(第7回)議事概要

1.日時   平成17年7月22日(金曜日)10時〜12時

2.場所   東京国際フォーラムG402会議室

3.議題  
(1)  ITを活用した教育効果の向上について
(2)  「情報教育」の内容の充実について
(3)  その他

4. 配付資料
資料1   ITを活用した教科指導の改善のための調査研究【清水座長発表資料】
資料2   「情報教育の目標で分類した学習活動一覧」等に関する各委員からの意見等
資料3   「『情報教育』の内容の充実について」各委員からの意見等の整理
資料4-1   情報教育の目標で分類した学習活動一覧(小学校段階)【堀田委員発表資料】
資料4-2   情報教育の目標で分類した学習活動(小学校段階)再修正方針について【堀田委員発表資料】
資料4-3   情報教育の目標で分類した学習活動一覧(中学校段階)【小泉委員発表資料】
資料4-4   情報教育の目標で分類した学習活動一覧(高校段階)【小泉委員発表資料】
資料4-5   各教科の情報教育に関係する指導内容(中学・高校版)【小泉委員発表資料】
資料5   次回の予定
資料6   初等中等教育における教育の情報化に関する検討会(第6回)議事概要
参考資料1-1   情報教育の目標で分類した学習活動(小学校段階)一覧(第6回資料4-1)
参考資料1-2   情報教育の目標で分類した学習活動(中学校段階)一覧(第6回資料4-3)
参考資料1-3   情報教育の指導内容の体系化のための指導項目(概ねの整理)(第6回参考資料3)
参考資料2   情報教育の指導内容の体系化のための指導項目(概ねの整理)
参考資料3   中央教育審議会教育課程部会(平成17年7月19日 開催)関係資料(抄)

5. 出席者
  (委員)
 
  清水座長、赤堀副座長、大久保委員、小澤委員、久野委員、小泉委員、坂元委員、田村委員、永野委員、野間委員、平野委員、堀田委員、毛利委員、吉野委員、渡邉委員
  (文部科学省)
 
  小川生涯学習政策局参事官、嶋貫初等中等教育局参事官、その他

6. 議事概要
 
  (1)ITを活用した教育効果の向上について
 
 
清水座長が資料1について説明。以後、以下の質疑応答があった。

 14ページの表14の解釈は、教える教員の印象か。
  ○然り。生徒による評価も一部行っているがデータ数として充分ではなく、この説明では割愛した。

 教育の情報化を進める上で大変重要なデータと考える。ITを活用した学習の効果があると教員が認識している一方、効率化の観点ではやや問題があるとのこと。ITを活用した学習の在り方についての研究は行われてきたが、今後は、ITを活用することによる効率化についての研究が必要と考える。

 英国の調査結果では成績が挙がったか否かを、具体的な点数で表示しているが、この調査は主観的評価。英国の調査結果と似た結果が出ているのか。英国の調査結果との関連性について説明願いたい。
  ○ITの活用のみでその学校の成績が高くなるかというと、他の要素もあり現実には難しいため、そうしなかった。
 今回の調査では、教員に評価していただくこと、評価の観点をお知らせすることにも意味があった。調査の後、教育委員会から、この観点をIT活用の評価の観点に使いたいという要望が多く寄せられている。
 この研究でも、一部、ITを活用する授業としない授業とを分けて点数評価を行い、有意な結果が出た科目もあったが、クラスを分けてITを使う使わないを区分すると、保護者からの懸念が出ることも想定されたため、その点には充分配慮して進めた経緯がある。

  (2)「情報教育」の内容の充実について
 
 
事務局から資料2,3及び参考資料1,2について説明。
その後、堀田委員が資料4-1,4-2、小泉委員が資料4-3〜4-5について説明。
以後、以下の質疑応答があった。

 小については、学習指導要領本体で情報教育に当たる部分を抽出し、捉え方によっては情報教育になるものはパンフレットで紹介することとして精査したと認識。中高については、学習指導要領本体のみならず解説の内容が抽出され、小学校の資料では外されるような内容が入っており、「ねらい」に相当する部分は少ない。両者を並べると、如何なる観点で抽出したのか疑問に感じる。
 中高は全教科について記されており、情報教育は特定の教科で行うのではなくどの教科でも行うのだということが実感できる。小でも、全ての教科について1つでも入ればよいと考える。

 小学校の場合はクラス担任制であるため、方法論を入れると膨大になる点に配慮。中高では、教科担任制であるため、各教員に指導内容を伝える必要があることから、踏み込んだ既述としている。

 小学校高学年では、教科担任制をとる学校が増えている。

 小でも、学習指導要領本体と解説の両方から抽出しており、小と中高とで抽出手法は一致している。ただし、小では、中高の資料の右側参考例の部分はなく、ここは一致させる必要がある。
 全ての教科について情報教育を導き出すことは可能だが、深い密度で情報教育に関わる内容のなかった科目については、掲げられていないものもある。追加可能なものがあればお知らせ願いたい。ただ、幅広に入れることも可能だが、数が増えることもまた問題であるため、選択した上で記載している。

 プログラミングという言葉は、現在の学習指導要領では数学的、アルゴリズム的、論理学的なものに使われている。一方で、私は、プログラミングにより、コンピュータは自動的に様々な処理ができるということ体感的に生徒達に学んでほしいと考えている。この2つの意味が、同じ「プログラミング」という言葉で表されていることが問題。後者については「コンピュータの原理」等の文言で表せればよいと考える。

 資料4-1をそのまま出すのは問題。5年生の国語に言葉の研究という単元があるが、既に教科書に、調べて最後はメディアでプレゼンするようにとある。このような実態があるのに、この資料では「総合的な学習」の時間で行うべきと読める。現場では、教科書に基づき指導が行われ、そこには、明らかに情報教育的な能力を身に付けられる指導も多い。それがはっきり見えたほうが現場の教員は安心する。学習指導要領はバイブル的なもので、そこから現場はもう二段くらい下りた教科書で教育を見ているので、実際的な学習活動というのを打ち出したほうが良いと思う。ただ、ここまで整理してきた現状を踏まえれば、当面の改善点として、例えば「総合」となっている箇所を、総合「等」とか、総合又はこの教科のこの活動等といった形で書けば良いと考える。
 参考資料2は、指導項目の書き方が難しい表現になっており、学習活動一覧との対応が分かりにくい。指導項目の右側に欄を設け、「絶対やってもらうべき箇所」と「やってくれればいい箇所」といった、「重み」付けをすべき。そうしなければ、結果としてやらない人はどれもやらないことになる。
 我々の側では学習指導要領のどの項目に対応しているのかを示すことは重要だが、学習指導要領由来であることが明確なら、教育現場向けには、情報教育の観点を書くほうが良い。そしてこの赤い部分と参考資料2がうまく対応するようになればかなり使いやすくなる。
 中高の資料に関しては、選択の部分と必修の部分の区分けがはっきり見えたほうが良い。高等学校ではほとんどが選択。少なくともプログラミングに関しては選択で、あまり行われていない実態が問題。

 教員の心理を考えると、ガイドラインを示すことで系統化、促進を図ることには賛成。例えばコンピュータを使えばこういうことができるという発見のようなことが総合的な学習の時間の中では展開されると思うので、ピックアップして整理することは重要。一方で、こういう形で出ることにより、これだけをやればいいと誤解され、逆に創造的な部分が失われないかが心配。また、総合的な学習の時間でしか出来ないと思われても困る部分なので、「総合等」とすることは重要と考える。

 もちろん教科書には目を通した。例えば先程の5年生の国語の「言葉の研究」という単元は、この表の高学年の国語の部分の学習活動2つ分が合わさって単元となっている。似たような合わさり方でいくつかの単元が成立している。単元レベルでは何度も同様の学習活動が出ているが学習指導要領や教師用解説書には単元名が書かれているわけではない。この検討会で出すものとしては学習指導要領或いは教師用解説書レベルで対応を書く必要がある。例えばプレゼンの活動は「総合」としているが「総合・国語等」とすれば、少なくとも教科書にはあるし、よく行われる学習活動でもあるので分かりやすくなるし総合的な学習の時間だけでしか行えないようにも見えなくなる。すべての教科と対応づけることはできないが再検討したい。

 高等学校の「選択」の件は充分意識はしている。情報ABCも「選択」。「選択」をこの表に入れることで、分かりやすくなるのか逆に曖昧になるのかということで悩んでいる。どの教科・科目も選択があるし、学校の独自性とか、更には各指導教員の分限みたいなものがあり、必修及び選択の表記については再検討したい。

 科目内の必修選択区分についてははっきりしていると思うので、入れて良いと考える。

 小学校の資料は、厳密に見ればこうならざるを得ないのではないか。とはいえ、全ての教科に情報活用の土台の能力があることも我々は認識しているので、もう少し他の教科も充実できればという願いはある。
 中高については、逆に手段としてのIT活用の部分も入っている気がする。一般の教員が情報教育とIT活用とをうまく区分して理解してくれれば良いが、理科等では混同される印象。

 情報教育のデザインをするときに、そこをはっきり区別するようにとメッセージを送っているが、必ず混同が起きる。我々が発信する際、そこは明確に区別しておくべき。
 情報教育の目標で分類した学習活動一覧という表題で発表するなら、並行してIT活用の場面から見た学習活動一覧のようなものを全く別の絵として出し、いろいろな教科が入って、チャンスがこれだけあるというようにすべき。一緒にするとまた同じことが起きる心配がある。

 情報教育に係る科目では、実践的な内容も原理的な内容も全て盛り込まれており、限られた時間の中での指導は難しかった。今後は、「活用すること」にあたる実践的な内容は、様々な教科で浸透し、体系的に捉え直す部分を情報教育に係る科目で扱うように移行していくと考えている。核となる情報教育に係る科目の部分でどういうことを指導するかの区分を考えたい。

 せっかく教科情報や総合的な学習の時間等が入り、情報教育も充実するかと思っていたら、まだ「特殊な領域」として扱われている。今の日本がこれだけ情報で成り立っているにもかかわらず。時間が解決するとしてもそれを待っている訳にはいかない。他の教科も巻き込みつつ、情報モラルも教え、子ども達を伸ばす観点から、見せ方について再度考えたい。

 内容が固まった後、これをどう出すかは検討が必要。我々が表を見るとイメージ浮かぶが、教員には、表だけでは分からないのではないか。

 報告は、表だけを出すつもりではない。学習活動の一覧表及び指導項目の概ねの整理を盛り込んだ報告書の形でまとめる予定。具体的に、如何にまとめるかは、改めての相談となる。この検討会で扱っている検討事項は、各教科の指導のための「IT活用」と「情報教育」とがあり、両方できた段階で報告にするのが良いのか、或いは、今、「情報教育」という観点でまとまりつつあるので、まずそれを先に出せば良いのか、という問題もある。情報教育の推進を考えると、先に「情報教育」の部分を、その位置付けを明確にして出すことも重要ではないか。
 また、教員に配布するパンフレットも、必要に応じて分割して作成することもできる。

 小学校でも専科制が入ってきているので、各教科の中で「情報教育」と「IT活用」の区分をしっかり分かりやすく示さないと、単に「コンピュータを使えば情報教育である」と混同する人が多い現状が変わらない。それはIT活用であり情報教育は別の次元のものだということを明確にした報告書とすべき。

 しかし、あまりそれを強調し過ぎると、教員に、情報教育の目標と学校の目標が全く別のもののように思われてしまう。情報教育は学力の一部であり、情報活用能力を身に付けることで他の学力も身に付いていくことも多い、有効な部分であるということも併せて盛り込んでいきたい。

  (3)その他
 
 
事務局より、参考資料3について説明。

(以上)



(初等中等教育局参事官付)

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