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2. |
国際教育資源の活用と連携のための支援体制の構築 |
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(1) |
海外経験を有する教員の活用 |
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在外教育施設等派遣教員や海外研修経験者の一層の活用・登用 |
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人事配置上の工夫など組織的な活用の促進 |
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海外派遣教員による経験・知識の発信の充実 |
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日本人学校等在外教育施設に派遣された教員、REX(レックス)プログラムにより現地校で教育に従事した教員、青年海外協力隊に参加し途上国の子どもたちの教育に携わった教員、そして独立行政法人教員研修センターの実施する海外研修に派遣された教員など、これらの海外派遣教員を一層活用していくことが必要である。学校の中に自ら異文化を体験した教員がいるということは、帰国児童生徒や外国人児童生徒だけでなく、それ以外の子どもたちにとっても刺激となり、学校における国際教育を進める上で効果的である。
また、海外に派遣されたことはなくても、国際教育に関心をもち、実践を行ってきた優れた教員たちが多数いる。こうした教員と海外派遣教員が協力し合い、お互いの実践力をより向上していくことは国際教育を普及していくためにはきわめて効果的であり、両者の協力・連携を支援していくことが必要である。
〈人事配置上の工夫〉
海外派遣教員が国際教育を担当するなど、その経験や力量を生かせるような人事配置を行うことが必要である。そのためには、まず、個々人のみならず教育委員会や校長が、海外経験を生かすという意識を共通してもつことが大切である。また、各教育委員会において、例えば、海外派遣教員の国際教育への活用を人事方針に位置づける、あるいは、教員の採用に当たって国際経験を積極的に評価するなど、工夫することが考えられる。
〈海外派遣教員の経験・知識の発信〉
海外派遣教員にも、個々人がその経験や成果を積極的に普及していくことが求められている。海外派遣教員は、国費によって派遣されていることを十分意識し、派遣期間中に多様な経験を積み、識見を深め、帰国後は、地域や学校の国際教育の充実に役に立てるべく、その成果を自らの周囲だけでなく広く還元していくことが必要である。そのためには、そのような意志・意欲を有する個人や組織が情報発信できるような体制を整備することが必要となる。海外派遣教員のネットワーク化や例えば国際教育に関係する研究協議会等における研究・発表などを支援することが考えられる。
なお、海外経験を国際教育の専門家として生かすためには、2、3年という派遣期間では不十分であり、その経験を踏まえ専門性が深められるようなキャリア形成の在り方を考える必要があるという指摘があった。国際教育を専門分野としたい教員が、自己の生涯にわたる研修構想を確立し計画的に研修を行い、当該分野に関わる資質向上を図ることを期待する。
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(2) |
個々の努力から共有と連携へ |
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外部の人材等を活用し、学校における国際教育の活性化・多様化の一層の促進 |
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外部の人や組織と学校の連携・協力を促進するための体制づくり |
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学校における国際教育の活性化・多様化や地域の広がりを一層促進するためには、学校の外部にある幅広い経験、優れた知識や技術を有する人材や組織と協力しながら進めることが効果的である。
学校の外部にある人材や組織等の教育資源は、学校の明確な教育目標、教員の確かな課題意識、しっかりとした指導計画の下で活用することによって、実践的な授業づくりに効果を発するという点に留意し、活用を進めることが大切である。
連携のための体制づくり
学校の外部にある人材や組織等と学校の効果的な連携のためには、両者を結びつけるコーディネーターの存在が鍵となる。学校や教育委員会、地域のNPO等について知識と理解をもつコーディネーターが、例えば、関係者の交流の場の設定、関係者への助言や連絡調整、プログラムの提案等の役割を担うことが連携体制の構築のためには効果的である。
〈地域の国際教育ネットワークの形成〉
国際機関、地域国際交流協会、企業、関連学会等との協力を促進するため、これら学校の外部にある組織等と学校・教育委員会とを結びつける仕組みや体制の確立が必要である。例えば、教育委員会・学校と地域が連携し、コーディネーターの配置、国際教育にかかわる情報の収集・提供などを行うことが考えられる。また、外部の人材や組織など、国際教育にかかわる教育資源を掘り起こし、それらをネットワーク化することも必要であり、そのような取組の中で、国際教育にかかわるNPO等の育成・発展を支援していくことも求められる。
〈教育委員会や学校における体制整備〉
教育委員会においては、国際教育を担当する部署を置き、学校と外部の組織や人材との間の連絡調整や学校や教育一般に関する情報提供など必要な支援を行うことが求められる。また、学校においては、国際教育の担当者を置き、他の教員が学校の外部にある教育資源を活用する際の支援を行うなど、各教育委員会や学校が、その実情に応じて工夫していくことが必要である。
〈優れた連携事例の普及〉
外部資源の一層の活用を広く促進するためには、学校の外部にある人材や組織等の教育資源の活用に関する先進的な取組や優れた事例について情報収集・提供を行うことが必要である。あわせて、国際教育に関係する取組や人材を有する組織について、その特色や活動事例を紹介することも必要である。
なお、学校と外部にある人材や組織等との円滑な連携のためには、学校や地域の関係組織が日頃から交流の機会をもち信頼関係を築いていることが大切である。関係者が交流や意見交換の場をもち、効果的な連携の在り方について共に考えることが期待される。 |
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