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学習指導要領における主な国際理解教育の取扱い

中学校学習指導要領(抜粋)

第1章 総則

4 総合的な学習の時間の取扱い
 総合的な学習の時間においては,各学校は,地域や学校,生徒の実態等に応じて,横断的・総合的な学習や生徒の興味・関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行うものとする。
 総合的な学習の時間においては,次のようなねらいをもって指導を行うものとする。
(1)  自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。
(2)  学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができるようにすること。
 各学校においては,2に示すねらいを踏まえ,例えば国際理解,情報,環境,福祉・健康などの横断的・総合的な課題,生徒の興味・関心に基づく課題,地域や学校の特色に応じた課題などについて,学校の実態に応じた学習活動を行うものとする。

第2章 各教科

第2節 社会

1 目標
 広い視野に立って,社会に対する関心を高め,諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め,公民としての基礎的教養を培い,国際社会に生きる民主的,平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。

2 各分野の目標及び内容
地理的分野】
 目標
(1)  日本や世界の地理的事象に対する関心を高め,広い視野に立って我が国の国土の地域的特色を考察し理解させ,地理的な見方や考え方の基礎を培い,我が国の国土に対する認識を養う。
(2)  日本や世界の地域の諸事象を位置や空間的な広がりとのかかわりでとらえ,それを地域の規模に応じて環境条件や人間の営みなどと関連付けて考察し,地域的特色をとらえるための視点や方法を身に付けさせる。
(3)  大小様々な地域から成り立っている日本や世界の諸地域を比較し関連付けて考察し,それらの地域は相互に関係し合っていることや各地域の特色には地方的特殊性と一般的共通性があること,また,それらは諸条件の変化などに伴って変容していることを理解させる。

 内容
(1)  世界と日本の地域構成
 世界の地域構成
 地球儀や世界地図を活用し,緯度と経度,大陸と海洋の分布,主な国々の名称と位置などを取り上げ,世界の地域構成を大観させる。
(ア)  地球上の位置関係と水陸の分布
 地球儀や世界地図を活用し,緯度と経度,時差,大陸と海洋の分布などを取り上げ,生活舞台としての地球を大観させ,地球的規模での位置関係をとらえる基礎的な技能や知識を身に付けさせる。
(イ)  国々の構成と地域区分
 現代の世界は,州や大陸及びそれらを幾つかに区分した地域でとらえられていることや様々な国々から構成されていることを理解させ,主な国々の名称と位置を地図を用いて身に付けさせるとともに,地名や地図への関心を高める。
(2)  地域の規模に応じた調査
 世界の国々
 世界の国々の中から幾つかの国を取り上げ,地理的事象を見いだして追究し,地域的特色をとらえさせるとともに,国家規模の地域的特色をとらえる視点や方法を身に付けさせる。
(3)  世界と比べて見た日本
 
 様々な面からとらえた日本
 世界的視野から見た日本の地域的特色と日本全体の視野から見た国内の諸地域の特色を追究し,我が国の国土の特色を様々な面から大観させるとともに,地域の規模に応じて,また,地域間を比較し関連付けて,地域的特色を明らかにする視点や方法を身に付けさせる。
(エ)  生活・文化から見た日本の地域的特色
 世界的視野から見て,日本においては比較的ものの豊かな中で人々が暮らしていること,また,近代化や国際化の進展などにより伝統的な生活・文化は変容していること,外国から入ってきた生活・文化は日本の環境条件に対応させて取り入れてきたことといった特色を理解させるとともに,国内では生活・文化の地域による差異が次第になくなりつつあるが,一方で各地に特色ある生活・文化がみられることを大観させる。
(オ)  地域間の結び付きから見た日本の地域的特色
 世界的視野から見て,日本は国際間の交通・通信網の整備が進んでいること,世界の各地と強く結び付いていること,結び付きの深さや内容は相手の国や地域によって特色がみられることを理解させるとともに,国内でも交通・通信網の整備が進んでいること,各地の時間的な距離や位置の関係が大きく変化しつつあること,人や物資の移動には地域的特色がみられること,各地域の特色は他地域との結び付きの影響を受けながら変化していることを大観させる。

 内容の取扱い
(3)  内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
 アの(イ)については,州名,大陸名及びそれらを幾つかに区分した地域名なども合わせて取り上げること。なお,国名については,生徒の既得知識を踏まえ更に拡充が図れるよう配慮し,大まかに世界地図を描けるようにすること。
 イの(ア)については,地球儀や地図を活用して我が国の位置と領域の特色を多面的・多角的にとらえるようにすること。また,「領域の特色と変化」については,北方領土が我が国の固有の領土であることなど,我が国の領域をめぐる問題にも着目させるようにすること。
 国名や都道府県名を確実に身に付けさせる観点から,適宜機会を設けて計画的に指導すること。
(4)  内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
 ウについては,二つ又は三つの国を事例として選び,具体的に取り扱うようにすること。なお,事例として取り上げる国については,近隣の国を含めて選び,それぞれ特色ある視点や方法で追究するようにすること。

歴史的分野】
 目標
(1)  歴史的事象に対する関心を高め,我が国の歴史の大きな流れと各時代の特色を世界の歴史を背景に理解させ,それを通して我が国の文化と伝統の特色を広い視野に立って考えさせるとともに,我が国の歴史に対する愛情を深め,国民としての自覚を育てる。
(3)  歴史に見られる国際関係や文化交流のあらましを理解させ,我が国と諸外国の歴史や文化が相互に深くかかわっていることを考えさせるとともに,他民族の文化,生活などに関心をもたせ,国際協調の精神を養う。

公民的分野】
 目標
(3)  国際的な相互依存関係の深まりの中で,世界平和の実現と人類の福祉の増大のために,各国が相互に主権を尊重し,各国民が協力し合うことが重要であることを認識させるとともに,自国を愛し,その平和と繁栄を図ることが大切であることを自覚させる。

 内容
(1)  現代社会と私たちの生活
 現代日本の歩みと私たちの生活
 現代日本の発展の過程と国際化の進展のあらましについて理解させるとともに,現代社会の特色に気付かせる。その際,高度経済成長から今日までの我が国や国際社会の変容について,国民生活と関連させて理解させるとともに,国際社会における我が国の役割について考えさせる。
(3)  現代の民主政治とこれからの社会
 世界平和と人類の福祉の増大
 世界平和の実現と人類の福祉の増大のためには,国家間の相互の主権の尊重と協力,各国民の相互理解と協力が大切であることを認識させる。その際,日本国憲法の平和主義について理解を深め,我が国の安全と防衛の問題について考えさせるとともに,核兵器の脅威に着目させ,戦争を防止し,世界平和を確立するための熱意と協力の態度を育てる。また,人類の福祉の増大を図り,よりよい社会を築いていくために解決すべき課題として,地球環境,資源・エネルギー問題などについて考えさせる。

 内容の取扱い
(2)  内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
 アについては,次のとおり取り扱うものとすること。
(エ)  「国際社会の変容」については,国際的な協力や協調が政治や経済の面で一層進んできたことに気付かせること。
(オ)  「国際社会における我が国の役割」については,国際平和や経済協力の具体的な事例を取り上げて考えさせること。
(4)  内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
 ウについては,次のとおり取り扱うものとすること。
(イ)  「世界平和の実現」については,領土(領海,領空を含む),国家主権,主権の相互尊重,国際連合の働きなど基本的な事項を踏まえて理解させるように留意すること。なお,国際連合などを取り上げる際には,主要な組織とその働きなどの基本的な理解にとどめること。
(ウ)  「国家間の相互の主権の尊重と協力」との関連で,国旗及び国歌の意義並びにそれらを相互に尊重することが国際的な儀礼であることを理解させ,それらを尊重する態度を育てるよう配慮すること。
(エ)  「地球環境,資源・エネルギー問題」については,適切な課題を設けて行う学習を取り入れるなどの工夫を行い,国際的な協力や協調の必要性に着目させるとともに,身近な地域の生活との関連性を重視し,世界的な視野と地域的な視点に立って追究させる工夫を行うこと。

第9節 外国語

1 目標
 外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,聞くことや話すことなどの実践的コミュニケーション能力の基礎を養う。

2 各言語の目標及び内容等
英語
 指導計画の作成と内容の取扱い
(2)  教材は,英語での実践的コミュニケーション能力を育成するため,実際の言語の使用場面や言語の働きに十分配慮したものを取り上げるものとする。その際,英語を使用している人々を中心とする世界の人々及び日本人の日常生活,風俗習慣,物語,地理,歴史などに関するもののうちから,生徒の心身の発達段階及び興味・関心に即して適切な題材を変化をもたせて取り上げるものとし,次の観点に配慮する必要がある。
 世界や我が国の生活や文化についての理解を深めるとともに,言語や文化に対する関心を高め,これらを尊重する態度を育てるのに役立つこと。
 広い視野から国際理解を深め,国際社会に生きる日本人としての自覚を高めるとともに,国際協調の精神を養うのに役立つこと。

その他の外国語
 その他の外国語については,英語の目標及び内容等に準じて行うものとする。

第3章 道徳

2 内容
 主として集団や社会とのかかわりに関すること。
(9)  日本人としての自覚をもって国を愛し,国家の発展に努めるとともに,優れた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献する。
(10)  世界の中の日本人としての自覚をもち,国際的視野に立って,世界の平和と人類の幸福に貢献する。

3 指導計画の作成と内容の取扱い
 各学校においては,校長をはじめ全教師が協力して道徳教育を展開するため,次に示すところにより,道徳教育の全体計画と道徳の時間の年間指導計画を作成するものとする。
(3)  各学校においては,特に,規律ある生活ができ,自分の将来を考え,国際社会に生きる日本人としての自覚が身に付くようにすることなどに配慮し,生徒や学校の実態に応じた指導を行うよう工夫すること。また,悩みや心の揺れ,葛藤等の課題を積極的に取り上げ,人間としての生き方について考えを深められるよう配慮すること。


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