3.学校としての取組の点検・評価

参考:学校における人権教育の推進体制に関するチェックポイント

学校における人権教育の推進体制に関するチェックポイント

  • 学校教育目標に、人権教育の推進に関する事項が示されている。
  • 校長等管理職が人権教育の推進に指導力を発揮している。
  • 人権教育の推進のための校内組織を整え、人権教育の目標を具体化するための計画的な運営を行っている。
  • 人権教育の全体計画及び年間指導計画が作成されている。
  • すべての教職員が、人権教育の全体計画及び年間指導計画の見直し・策定に、いずれかの形で参加する体制が執られている。
  • 人権教育の推進に関し、学校と家庭・地域、関係諸機関との連携・協議の場を設けている。
  • 人権課題に対する理解を深めるための教職員研修が計画的に実施されている。
  • 人権教育に関する理解と指導方法の改善のための教職員研修を行っている。
  • 教職員の間で実践の交流・評価が行われている。
  • 学習活動づくり、人間関係づくり、環境づくりに関する評価項目を設定し、実践の評価が次年度の取り組みに生かされている。
  • 人権教育の取組の評価に当たり、保護者や学校評議員等、学校外の人々の意見・評価を反映している。
  • 教育の中立性が保たれている。

事例3:点検・評価アンケートの項目(教員向け/児童生徒向け/保護者等向け)

点検・評価アンケートの項目例

教員向け

観点 項目(例)
学年・学級経営
  • 人権教育の視点が学級経営目標の中に位置付けられている。
  • 児童生徒の不安や悩みを受け止める体制ができている。
  • 配慮や支援を要する児童生徒への支援について共通理解を図っている。
  • 言語環境及び教室環境の適正化を図り、偏見や差別意識が生まれることのない言葉づかいや掲示物等の指導をしている。
教科等指導
  • 人権についての知的理解を深める指導を推進している。
  • 人権感覚を育成する指導を推進している。
  • 人権教育の視点に立った各教科等の指導目標や年間指導計画が作成されている。
  • 道徳の時間や学級活動の時間で、人権に関する内容を計画的に指導している。
  • 様々な人権課題を身近な生活と結びつけて理解できるようにするための教材の工夫を行っている。
  • 人権教育の指導を進めるに当たり、協力的・参加的な学習を取り入れる、体験活動や交流活動を多様に組み入れるなど、指導方法の工夫を行っている。
  • 人権を尊重し支え合う集団づくり(人間関係づくり)に取り組んでいる。
  • 集団活動において、児童生徒が、互いのよさを認め合い協力するとともに、自己を生かすことのできる場や機会を適切に設けている。
  • 学習内容が定着していない児童生徒や支援を必要とする児童生徒に適切な支援を行っている。
生徒指導、教育相談、進路指導
  • 積極的生徒指導の視点に立って、相互に人権を尊重し、支え合う人間関係づくりを援助している。
  • いじめ等の実態を的確に把握し、課題解決を図るための校内組織を整備している。
  • 児童生徒理解については、受け身の姿勢だけでなく、一人一人の性格や抱える問題等を積極的に理解・把握するための取組を、日頃から行っているか。
  • 児童生徒が自他のよさを理解し、将来への目標と希望を持って生きることができるように指導・援助している。
  • 自己の進路や生き方について考える機会を設けている。
  • 人権教育の視点から進路指導の目標が立てられている。
連携の取組 家庭・地域との連携
  • 人権教育の全体計画及び年間指導計画の中に、家庭・地域との連携に関する取組が組み入れられている。
  • PTA組織や学校評議員等を活用して、人権教育に関する意見や要望等を的確に把握し、日々の教育活動に反映している。
  • 家庭訪問等の機会をとらえて、家庭や地域の意識・関心・要望や児童生徒の実態を的確に把握し、教育活動に反映させている。
  • 人権教育に関する連携に限らず、家庭や地域と連携した取組を日頃から積極的に進め、相互の信頼醸成に努めている。
  • 人権学習に取り組むに当たって、地域や保護者の協力を得ている。
  • 人権教育の指導に当たり、地域の人材を活用した授業や、保護者参画型の授業等の工夫を行っている。
  • 人権教育の年間の活動の中に、家庭や地域との連携事業等を組み入れている。
  • PTAによる研修会や役員会、担任による家庭訪問等の機会をとらえて、保護者に対する計画的な啓発がなされている。
  • 授業参観等の機会をとらえ、教科等の学習において人権に関わる主題を取り上げてこれを公開したり、学年・学級懇談会等で、学校の取組を説明して意見交換を行うなど、人権教育についての理解を図っている。
  • 人権学習について保護者に対する説明責任を十分に果たしている。
  • 人権教育の取組の様子や成果を、「学校(園・学級)だより」や「PTAだより」等を通して、家庭や地域に発信する機会を設けている。
関係機関等との連携
  • 関係機関等と連携した人権教育の取組を年間指導計画の中に組み入れている。
  • 関係機関が開催する人権啓発イベント等への参加や、関係機関が作成する啓発資料の利用・周知などを、積極的に行っている。
校種間の連携
  • 校種間の協議の場を通して、人権教育の教育課程の編成等に関し、長期的な観点から検討・調整を行い、その結果を各学校の年間指導計画等に反映している。
  • 校種間交流の取組など、複数校種の連携による人権教育の活動を行っている。

児童生徒向け

観点 項目(例)
自分自身について 自他の大切さ
  • 自分のよいところを知っている(気付いている)。
  • 友だちのよいところに学ぶことがある。
  • 先生や家の人のよいところに学ぶことがある。
  • 学級のみんな(や部活動のメンバー)と協力し合っている。
  • 問題が起こったとき、みんなで話し合って解決している。
  • 周りに困っている人がいたら助ける。
  • 自分が困っている時は周りの支援を求める。
  • 自分のことを大切にして生活している。
  • 自分と同じように、相手のことを大切にしている。
  • 人の気持ちがわかる人間になりたい。
人権の理解
  • 人間は、誰でもいきいきと生活できるはずだと思う。
  • 考えや感じ方には、人それぞれ違いがあってよいと思う。
  • 他人の人権を侵害する行為(相手のいやがること)は、どんな理由があっても行ってはならないと思う。
  • 人権の大切さについては、憲法などの法律にも示されていることを知っている。
社会的な行動
  • 自分の考えや気持ちを、友だちや先生によく話している。
  • 勉強などのとき、友だちや先生の話をよく聞いている。
  • 誰かがつらい(悲しい)思いをしているとき、一緒に考えるようにしている。
  • 誰かがいじめ(や人権侵害)受けているとき、それを止めるようにしている。
  • 友だち同士の間で問題が起きたときに、それに向き合って話し合うようにしている。
  • 相手と対立したとき、互いの立場を尊重して解決しようとしている。
  • 地域や社会の活動に協力し、よりよい社会づくりに参加したい。
体験の事実等
  • 誰かからしてもらったことで、とてもうれしかったことがある。
  • 自分が誰かにしている(した)ことで、その人に喜ばれている(喜ばれた)ことがある。
  • 自分のしている(した)ことで、地域や社会に役立っている(役立った)ことがある。
  • 友だちに何でも相談できる。
  • 友だちは、がんばったことを認めてくれる。
  • 友だちとよく遊ぶ。
  • 友だちが間違っていたら注意する。
  • 自分の大切さや他人への思いやりについて考えている。
  • 今している勉強は将来に役立つと思う。
  • 大人になったときの夢や仕事について考えることがある。
  • 地域の行事に積極的に参加している。
学校について
  • 学校で、友だちに会うのは楽しい。
  • 学校で好きな授業がある。
  • 学校の勉強はよくわかる。
  • 学校で楽しみにしている活動がある。
  • 学校に行きたくないことがある。
  • 学校は、悩みをごとや相談ごとをよくきいてくれると思う。
  • 学校は、もめごとなど私たちが困っていることについてよく助けてくれると思う。
  • 学校は、努力したことを認めてくれると思う。
  • 学校では、間違ったことを納得いくように話してくれていると思う。
  • 学校で、地域の人々の活躍や家族からの話を聞いたりすることがある。

保護者等向け

観点 項目(例)
子どもについて
  • 子どもは、学校に楽しく通っている。
  • 子どもは、学校生活の様子を家庭で話している。
  • 子どもの考えや話をよく聴くように心がけている。
  • 子どもの生き方や将来を親子で話し合うことがある。
  • 子どものよさ、努力(がんばり)、可能性を大切にしている。
家庭の取組等について
  • 授業参観や運動会などの行事には積極的に参加している。
  • 学校だよりなどの配付物にはよく目を通している。
  • 家庭や地域で問題が起こったとき、学校にも相談している。
  • 家庭の教育方針を学校にも伝え理解を求めている。
  • 子どもの教育に関する学校からの要請を踏まえ、家庭や地域で実現しようとしている。
学校の取組について
  • 学校は、家庭や地域に対し、自校の教育の方針や内容を十分説明していると思う。
  • 学校の教育の方針や内容については、よく理解している。
  • 学校は、人権教育の活動に関する計画や実施状況等について、わかりやすく伝えていると思う。
  • 学校で取り組んでいる人権学習の様子については、子どもからよく聞いている。
  • 学校(教師)は、子どものよさを大切にしていると思う。
  • 学校は、子どもをよく理解していると思う。
  • 学校は、子どもの努力や能力を適切・公平に評価していると思う。
  • 学校は、子どもの間違った行動に対し適切に指導していると思う。
  • 学校は、子どもや保護者の相談事によく対応していると思う。
  • 学校は、問題が生じたとき迅速に対応していると思う。
  • 学校は、いじめを許さない学校・学級づくりに積極的に取り組んでいると思う。
  • 学校は、地域の人々や保護者に対する人権啓発を積極的に行っていると思う。
  • 学校は、子育て等の教育相談に気軽に応じてくれると思う。
  • 学校は、保護者や地域の要請に応えようと努力していると思う。
  • 学校は、地域人材や保護者の教育活動への参加を積極的に促していると思う。

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課