人権教育の指導方法等に関する調査研究会議(第38回) 議事要旨

1.日時

平成22年7月5日(月曜日)10時30分~12時40分

2.場所

合同庁舎7号館西館「共用会議室1114」

3.議題

  1. 平成22年度人権教育担当指導主事連絡協議会の開催について
  2. その他

4.出席者

委員

福田委員、有村委員、梅野委員、神野委員、神山委員、金子委員、桒原委員、谷口委員、林委員、平沢委員、増田委員、森委員

文部科学省

磯谷児童生徒課長、大月児童生徒課課長補佐、小林指導調査係長 他

5.議事要旨

  • 事務局より、資料3に基づき、「平成22年度人権教育担当指導主事連絡協議会」の開催案について説明があった。その後、同会議において行う事例発表について、委員から先進的な取組を行う教育委員会及び学校について情報提供があり、事例発表の在り方等について議論を行った。

(先進的な取組を行う教育委員会・学校について)

【委員】
A教育委員会は、初めて人権教育に携わる教員にも使いやすい「人間教育ワークシート集」を作成している。このシート集は、授業時に想定される児童の意見が示されているなど、具体的、実践的な対応が示されている。
また、B小学校においては、人権教育の実践集を10年間に2冊発行しており、年間11時間を設定した人権同和学習の中で、身近な問題から社会的な課題など、その学年に応じたテーマについて取り組んでいる。この取組は長期的に行われているほか、児童生徒、教書員のほかPTAなどに対して、公開授業により周知を図っている。

【委員】
C教育委員会においては、中学校区を活動単位に幼・小・中・高が連携した取組を進めており、こうした取組は本年で14年目となる。市全体で行う研究集会に、市内のほぼすべての教職員が参画し、「豊かな人権感覚」と「確かな学力」の育成を目指して、教科の学習と連携した取組を行っている。
また、D中学校においては、各教科をキャリア教育の視点から再構築した「夢づくり科」を新設し、各教科のカリキュラムと「夢づくり科」との関連付けについての研究実践に取り組んでいる。また、「豊かな人権感覚」と「確かな学力」の育成を目指し、教科横断的な連携とともに、地域との連携を大切にした取組が注目すべきであると考える。

【委員】
E小学校は、「外国人」、「障害者」、「HIV感染者等」の3つの課題を重点として取り上げ、第1学年から第6学年までを3つの分科会に分け系統的な指導を行っている。低学年分科会は、外国人との交流などに取り組み、最終的には第6学年の社会科の単元において、偏見、差別について考える授業に繋げている。中学年分科会は、障害のある方との交流を行っている。この年代では、偏見や差別の解消には至らないが、障害者に対する偏見や差別があることを知ることにより、その後高学年での取組に繋げている。高学年分科会は、新型インフルエンザの感染者に心情を共感させ、偏見や差別意識の解消に取り組んでいる。1年間という短期間の取組だが、具体的な成果を幾つも挙げている。

【委員】
F教育委員会においては、昨年、10年前に策定した人権教育基本方針を改訂し、これに併せ個別の人権課題の取組の視点を示した「人権教育ガイドライン」を発行した。さらに、人権学習の副教材を全中学生に配布したほか、教師用の活用資料集も発行している。
G教育委員会においては、全ての中学校区において学校、地域、行政の協働により人権教育推進協議会等を組織し、地域ぐるみで様々な学習活動に取り組んでいる。
H小学校は、仲間づくり、学級集団づくりをベースに学力の向上、人権、部落学習に取り組むとともに、職場体験活動などキャリア教育の側面を充実し、子ども達の社会的自立を目指している。
I小学校は、家庭や地域との関係連携を大事にしながら、これまで取り組んできた仲間づくり、学級集団づくりに加え、「授業づくり」として学習意欲を高め、学力の向上を図る取組を進めている。
J高等学校は、第1学年に部落問題を、第2学年には、様々な人権問題をテーマとした人権学習全校討論会を子ども達自らが企画・立案し、開催している。

【委員】
K教育委員会は、人権教育を育成するための学習プラン集として指導者用の手引を作成している。ここでは全教科、全領域で人権教育を推進するために、各教科の特性を生かしながら人権教育に繋げて行く視点などが示されている。

【委員】
L小学校は、人権教育を価値的側面と技能的側面から捉え、研究が進められている。特に暴力行為への対応と人権感覚の育成を関連付けて指導を行うことで、人権教育だけの取組に留まらない取組を教職員が一丸となって実践している。

【委員】
M教育委員会は、小・中・高・特別支援学校から研究校を指定し、各校における年間指導計画等を作成のうえ、特色ある人権教育を組織的体系的に推進している。さらに、研究校の取組を冊子としてまとめ、全ての学校に配布している。
N教育委員会は、毎年、人権教育のための資料を作成し、幼稚園から高等学校における様々な事例を紹介している。当該資料は教員研修において活用され、人権教育の具体的な進め方の確立に役立っている。
O小学校は、困難な生活背景を持つ子どもが多いことや校区に同和地区を含むなどの状況のもと、40年以上にわたり同和教育、人権教育に取り組んでいる。学力の育成に着目した研究を進めるとともに、子どもたちの家庭学習、生活規律の見直しを地域住民と教職員が協力して行うなど、相互的に人権教育を推進している学校である。

【委員】
P教育委員会は、児童生徒の人権感覚を育むための体験活動や参加体験型の活動を組み入れた人権学習プログラム集を小・中・高・特別支援学校に配布するとともに、保護者や地域住民の人権感覚を育むためのプログラム集についても作成し、PTA研修会等で活用している。また、拉致問題啓発アニメ「めぐみ」を用いた教師用指導事例のリーフレットの作成についても実施している。

【委員】
Q中学校とR小学校は校区に同和地区があり、これまでの実績や今後の課題等は、大変参考になると考える。
またS中学校は、校区に同和地区はないが、Q中学校と同じ取組を実践している事例として注目できる。
T小学校は、人間関係づくりをベースとして社会に発信していくような子どもを育ようと取り組んでいる。
U中学校は、不登校が多い現状から人間関係づくりに着目し、そのプログラムを何年もかけて体系化してきた。現在はシティズンシップ教育実践のためのプログラムの構築を目指している。
V中学校は、授業改革を中心に据えて学校づくりを進めてきた。学級や学年を超えて子どもを支援し、学校に居場所がなかった子どもが中心になることができるような授業の展開に取り組んでいる。
W小学校は、多様性のある教育を土台に人権教育の体系化を図り、「自分が生きている価値の実感」、「お互いの間にある違いの自覚と尊重」など六項目の枠組みからなる実践を学校全体で進めている。
X小学校は、アイヌ民族について、アイヌ民族の伝統的な家を校内に造るなど、アイヌ文化の理解をベースにした取組を行っている。
Y会は、アイヌ民族の子ども会であるが、20年ほど前から学習会を重ね、15年前頃からは世界各地の先住民との交流を行うなど様々な活動を通じて、子ども達のアイヌ民族としての誇りを育んでいる。

(事例発表を行う教育委員会・学校及び事例発表等の在り方について)

【委員】
事例発表を行う教育委員会・学校は、第3次とりまとめに沿った取組を行っているところとすべきではないか。

【委員】
人権教育とは、児童生徒の人権感覚をはぐくむことが基本だが、加えて、教員の人権感覚を育てる教員研修を行うことも重要である。昨年度、本調査研究会議において分析を行った、人権教育の推進に関する取組状況の調査結果により、教員研修の取組が今一歩であることが明らかになった。事例発表においては、このような点を関連させてもいいのではないか。

【委員】
人権教育担当指導主事協議会の参加者が全国から集まることを考えると、事例発表を行う教育委員会・学校が、地域的に偏らないような配慮をされることが望ましい。

【委員】
短時間で8~9件の事例発表を行ってもよいのではないか。ポイントを絞って焦点化した発表を行ってもらうことができる。

【委員】
教育委員会で学校などに実践報告を依頼する際には、スライドの準備なども含めて20分でというケースが多い。あまり発表時間が短いと、発表者の入れ替わりで時間を取ってしまって難しい。

【事務局】
学校の事例を発表する際は、学校の担当者が行うのか、指導主事が発表するとすべきか、ご意見を伺いたい。

【委員】
端的に発表するという観点からは、指導主事が発表するほうがよいのではないか。学校の担当者が発表する場合はどうしても、取組のすべてについて言及するので、ポイントが絞れなくなることがある。

【委員】
学校の取組をどのように作り上げてきたのか、という点を伝えようとする場合は、県教育委員会の指導主事の発表では届きにくいのではないか。

【委員】
第3次とりまとめにおいては、参加的、体験的、協力的な取組が大切であると示しているので、連絡協議会において、グループ討議を取り入れるのもよいのではないか。

【事務局】
研究協議については、パネルディスカッション形式にて行う案も検討していたが、参加者をグループ分けした研究協議が良いとの意見が多かったので、この方法としたい。今後、事例発表をお願いする教育委員会・学校及び研究協議の具体的な方法については、座長と相談して決定したい。

【委員】
異議なし。

  • 事務局から、今後の日程等について説明した後、閉会。

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課

-- 登録:平成22年12月 --