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算数・数学の領域において、学校現場に入っているソフトはどういうもの多いのか。また、今後はツールに置き換わっていくのか。
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算数・数学の専門の先生がよい活用例として出すのは、数学の理解や考え方を身に付けたり、発展させたりするものだと思う。基礎・基本を身に付けるような繰り返し学習をさせるソフトは、単に技能をやるのではなく楽しみながら技能や知識を習熟させるようなソフトがかなり出ており、実際に市販ベースで出ており使用されている。それは決して軽視されるべきものではないが、授業として集団でやることが望ましいかということになると、これから先生方が臨機応変に進められていくことになるのではないか。
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数学ツールにはグラフ電卓とか関数ソフトなどがあり、グラフをかけるようになった子どもが様々なグラフをかいて、例えばY=2X2+AのところのAを変化させるときにグラフがどういうふうに変化するか、定数項が増えるとグラフが上に行くとか、Xの項の係数が変わるとグラフの開きが変わっていくとか、そういう形を発見的に理解していくためのツールとして数学ツールというのが使われている。これにより、今まで演繹的な学習が中心であったとすれば、実験・観察型、帰納的な学習を取り入れる時に重要な道具となってくる。
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アメリカのISTEは、生徒用、教師用それぞれに全教科に関してのテクノロジースタンダードを作っており、情報教育の立場から見た各教科における情報の活用のあり方を示しているが、NCTMのスタンダードは、数学の学習のために〃テクノロジーが活用されるべきかについて決めており、さらに、ウェブ上でよい授業や良い活用をビデオやJavaで紹介して授業で使えるような形の普及活動も行われている。
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現在、多くの算数・数学の先生方が魅力的と感じているITの活用というのは、いわゆる追体験型、シミュレーション等である。それは、今まで論理性を前面に打ち出したり、法則や定理を最初に出してから、例題で解いていくという授業から離れて、具体例から入って、理解して、それから定理、法則に至るような流れが指導法としてすごく魅力に感じるせいもあると思う。論理や体系性に関するITの活用もあると思うが、それが情報教育等の基礎的な力になっていく側面が強いと思う。特に小中の段階でいえば、ツールとして使うのが適当だと思う。
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総合的な学習の時間などで、統計的なものがほかの教科とかかわったときに数学の力が生きたり、数学的なアプローチをやるという例がある。また、数学史に関して調べるということは、ペーパーメディアで十分な教材もなく、様々な形で活用されている。さらに、数学の社会的価値等を学ぶ中で、例えば、ビルのエレベーターがとまる階を調べてみると、現実社会で数学の目から見て教材になりえたりする。もう一つは、問題を解いてみようというサイトがたくさんある。例えば、問題を出してその解答を求めて、皆で交換するというものもある。
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図形とか、計算ソフトとかによって数学的な考え方が伸びたとか、計算力が伸びたことはあると思うが、そういうデータとしての調査結果が学会として何か出ているのか。
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本当はそのようなデータがあって、その裏づけでいろいろ考えればいいのだが、まだ数が多くない。これからの問題として考えなければならないと思っている。 |