情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議
1997/09/10 議事録情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議 (第13回)議事要旨 |
情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議(第13回)議事要旨 1 日 時 平成9年9月10日(水)10:00〜12:00 2 場 所 文部省5B会議室 3 出席者 (協 力 者) 赤堀,清水,鈴木,中村,永野,波多野,松野,美馬,棟方,渡邉の各協力者 (文 部 省) 近藤審議官,河村中学校課長,太田中学校課課長補佐,松田教科調査官ほか関係官 (オブザーバー) 吉川 通商産業省 機械情報産業局情報処理振興課課長補佐,三田 自治省 大臣官房情報管理室課長補佐(代理 中根事務官) 4 議 事 (1) 第11回の議事要旨は特段の意見はなく,原案どおりとする旨の確認があった。 (2) 事務局から配布資料の確認及び説明が行われた。 (3) 第一次報告(案)の修正点及びワーキンググループの活動概要について事務局から説明があった。 (4) 事務局からの説明の後,概ね以下のような発言があった。 (主査) 説明のあった第一次報告の修正点の検討項目についてご意見いただく。 −情報教育の3つの目標の部分での検討項目− ○ (2)のキーワード『情報の科学的な理解』というのは「科学的」というと理工学的な印象がある。また,(1)の文中「相手の特性を踏まえて」というのは具体的にはどういう意味か。 (事務局) 情報の受信者が,個人なの不特定多数なのか,面識のある人かない人かなどを踏まえて,という意味である。 ○ (1)「相手の特性を踏まえて」は「相手の状況やメディアの特性も踏まえて」に変えるとよいのではないか。メディアの特性を踏まえることを加えた方がよい。 ○ 「相手の特性を踏まえて」には,視聴覚障害者など障害のある人にも配慮した表現にして欲しい。「相手」は,「受け手」と言い換えてもいいのではないか。 ○ 「手段」というと狭い「方法」と捉えられかねない。(2)の「情報手段」は「情報機器」または「情報メディア」といいかえてはどうか。 ○ 「手段」というより「媒介」という意味合いが強いが,「情報手段」という言葉はこれまでも使われてきているので,このままでよいのではないか。 また,「なお,」以下の「直接体験」は,一般的には自然や人間との直接体験という印象が強い。混同を防ぐためにも単に「体験」でよいのではないか。 (主査) (2)の「情報を正しく」は「情報を適切に」と変えた方がよい。 ○ (3)「情報化の「影」の部分」は読む人にマイナスイメージを与える。「及ぼしている影響」という重複した表現もあるので,「情報化の「影」の部分」と重ねていう必要はないのではないか。 ○ 「自分の頭で考える」ということが教育にとっては一番大切。情報を材料にして「考える」,「考える」ために情報が必要だという意味が不足している。この点は3つの目標の中に入れる必要がある。 (主査) (1)の文中の「主体的に」以下でそれを表現している。 ○ 「情報社会」は「情報通信社会」としてはどうか。 −(高等学校段階)部分での検討項目− ○ 「総合的な学習の時間」の活用については触れてないが,どうなったのか。 (事務局) 教課審での「総合的な学習の時間」の扱いが未確定であり,先んじて表記することはできない。 ○ ここは,普通科で履修する普通教科と考えてよいのか。普通教科以外にどのようなものがあるか。 (事務局) 結構です。普通教科以外には専門教科がある。 ○ 「限りなく必修に近く」,ということを表記すべきではないか。 ○ 職業に関する教科・科目については,考えなくてよいのか。普通教科との整合性も必要ではないか。 (事務局) 職業に関する教科・科目については理産審で取り扱うので省略した。 ○ 「情報社会への参画」について言葉が足りない印象を持つ。 (主査) ありがとうございました。第一次報告(案)についてのこの他の意見は,15日までに電子メールもしくはFAXにて事務局までいただきたい。今後の扱いは主査預かりにして,文字の修正は一任していただきたい。また,公表の日程等についても,お任せいただきたい。 (主査) それでは残った時間で,「コンピュータ,ネットワークの教育利用の在り方,学校における情報関連施設・設備の整備」についての意見交換願う。 −事務局より「学校における情報教育の実態等に関する調査」結果(速報値)等の説明− ○ コンピュータの整備状況について。設置率,設置台数や平均設置台数ではなく,「コンピュータ1台あたり何人」という形のデータを出して欲しい。 ○ コンピュータは,職員室のみにあり,生徒が実際には使えない,という状況も多い。その実情が分かるデータも収集して欲しい。 (事務局) この調査は昭和62年度から実施しており,今回で10回目である。調査内容については必ずしも現状を把握するのに十分でなくなっているので,調査項目や方法の見直しについて別途検討中である。 ○ コンピュータ整備のための地方交付税措置が,適正に活用されているのかが分かるデータはあるのだろうか。 (事務局) 各県の担当者に対し,年2回のヒアリングは行っている。現状では新整備計画の達成率で把握するしかない。 ○ コンピュータ新整備計画の終わる平成11年度以降の方針を中心に議論願いたい。インターネット接続は新しい課題であるが,コンピュータ整備よりもネットワーク整備の方が緊急を要する問題となってきている。 例えば,ドメイン名は,JPNICのドメイン割り当てを受けているケースが多い。強制力はないが,学校用にドメイン名の統一(ed.jp)を図るのが望ましい。有害情報フィルター機能も可能になる。JPNICに働きかけ,早期対策の必要がある。ご意見いただきたい。 ○ JPNICへの申請は膨大な量になっている。今年度中,早急に対策を立てなければならない緊急の課題である。 (主査) 現在不明確な「ネットワーク接続することで教育にどのようなメリットがあるのか」について,みなさんのご意見を電子メールで事務局までお寄せ下さい。 (主査) 学校現場へのコンピュータ導入に関し,日本はいかにあるべきか。米国では壊れにくく,倒れにくい学校仕様のコンピュータが開発されている。 ○ 教育には環境が大きな影響を与える。施設課の方も情報環境の重要性を理解すべき。パソコンを使える場所は学校の中心になければならない。「コンピュータ室」等のネーミングも考え直す必要がある。 ○ 学校規模や児童生徒の人数に合わせた,コンピュータの普通教室,特別教室への配置基準が重要である。多目的教室への配置,図書室での利用の仕方,保健室や進路指導室への整備も必要である。 ○ 現在,コンピュータ室への集中型でなければ,学校にコンピュータ導入ができないシステムになっていると聞くが,実態はどうか。 ○ 分散型でも導入はできる。ただ,コンピュータ室への集中型の導入の方が容易な現状はある。また,現在の整備計画では分散型には数量不足ではないか。社会のネットワーク化を踏まえると,分散型・ネットワーク化が重要だ。 ○ 理想は,各教室と図書館に1台,そして学校のネットワーク化を推進すること。 (主査) アメリカも,各教室と図書館はネットワーク化している。 ○ 「知識は分散して共有する」という時代だ。児童・生徒の活動の流れからみても,コンピュータ室という集中型は不自然である。また,学校でノートパソコンを貸し出す制度も必要だと思う。 ○ 小学校としては情報化社会への参画には,集中・分散型の併用を望みたい。リテラシー教育には集中型,各教科での主体的な活用では各フロアや教室への分散型が必要であるからだ。だが,過去のインテリジェントスクール構想時に,小学校のコンピュータ室は,生涯学習推進のため,地域との共有が求められ,集中型で整備された。これは小学生の使いやすい配置ではない。小学校の「生涯学習センター機能」との両立は困難なのだ。 また,小学生の情報活用実践力を育成には,インターネットよりも教育用ソフトの開発整備がより重要である。 ○ 学校に配置するコンピュータ機種は,統一したものではなく多様な機種とし,臨機応変に操作する環境がよい。 また,グラフィックや音楽などの特化したソフトの設置も,子どもたちの関心を引きつけ,コンピュータの可能性を広げると思う。 (主査) 標準化は,例えばカナダの例に見られるように,技術レベルの進化を止めてしまうという面があるのも確かである。 ○ 分散設置し,子どもたちが自由に触れ,様々な可能性を見いだすのがよい。 ○ コンピュータの整備は,設置台数ではなく機能的水準を示した方が有効だ。 ○ コンピュータを教育現場に設置するのは何のためなのか。施設の整備水準と,カリキュラムの中でをやるべきことがリンクした方針が必要である。 ○ 何のために情報を得,そのためには何をすべきなのかを考え,行動することが重要だ。その点も本協力者会議で議論する必要がある。 (主査) ありがとうございました。本日の議事はこの辺で終了したい。 ・第一次報告の今後の扱い及び公表の日程等については,主査預かりとなった ・次回第14回は,平成9年10月3日(金),10:00〜12:00,文部省5B会議室。 (閉会) |