令和8年2月17日(火曜日)10時00分~11時30分
対面・オンラインハイブリッド開催
<委員>
奈須主査、市川委員、伊藤委員、垣野委員、小山委員、高橋委員、田邊委員、長澤委員、中埜委員、樋口委員
<特別協力者>
深堀特別協力者、植田特別協力者
(大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課)梅崎企画調整官、田中課長補佐、桜井係長、市原係員
(大臣官房文教施設企画・防災部施設助成課)山田課長補佐
・事務局より開会の挨拶。
・事務局より委員の出欠について説明。
議題1:学校施設のバリアフリー化に関する検討部会経過報告
・事務局より資料1に基づき説明。
・議題1について質疑応答
【樋口委員】今の実際の法案の書いてある6ページ目のところに線が引いてあり、非常用電源という言い方が今までもあり、これからも非常用電源という言葉が書いてあると思うが、非常用電源のイメージが具体的にあるのかを教えていただければと思う。体育館に空調を入れる際には、非常用電源では済まないこともあり、病院にある自家発電のようなものがないと現実には動かないということもあるので、考えや定義があれば教えていただきたい。
【長澤委員】資料1の2ページ目で、作成当時の状況として、現行版にあったコロナ感染症という表記とそれに対応した施設整備についての記述が今度の版ではなくなっている。今日の状況をもとに、施設整備基本方針を示すという趣旨からは、コロナ感染症という表記がないのは理解できるが、それに伴って、例えば避難所についての衛生環境の改善とか、安全・安心な教育環境を確保するという記述もなくなっている。これはコロナに関係なく今、大事な視点だと思うので、どこかで示しておけるとよいのではないか。
その観点で資料1を見ると、8ページ目に衛生環境の改善について、現行版と新しい版で同一の記述があり、衛生環境を確保するということが「感染症対策も踏まえ」とトイレの話から始まっている。現行版では前段にコロナ感染症に関連して衛生環境の改善等が示されているが、それがなくなった新版では、順序としては本来、教室の衛生環境を確保する、また、現行版にある避難所としての環境ということが先にあって(5)の記述を示すようにすると、現行版の持っている衛生基準に関する積極的な意味合いというのが新版でも表現できてよいのではないかと感じた。
適正規模・適正配置という表現が今日的な状況を踏まえて随所に出てきているが、4ページ目の記述の中で、「統廃合も含む」とあり、「統廃合も」という表現ではあるが、統廃合がダイレクトに出てきている。これについては、学校施設整備の状況によってはインパクトが大きいと感じるところがある。適正規模・適正配置については、少人数の場合には統廃合が議論の的となる一方、近年では過大規模的な計画例も生まれており、統廃合に触れるのであれば、過大規模対策についても触れておくと、統廃合という記述の強さがもう少し和らげられてよいと思った。
学びの多様化学校や夜間中学に触れられていることは、子供の多様性に対する施設の在り方ということで、1つの大きなテーマが示されていると思う。これと合わせて、バリアフリーという観点だけではなくて、包摂的な学習、インクルーシブな観点が、学びの多様化等と並んで明示されていると、よりこれからの施設整備についての方針、方向を示すことができ、それが大事なのではないかと個人的には思った。ただしバリアフリーの会議を傍聴させていただいたが、そうした観点の議論もそこでなされた上でということであれば、それ以上申し上げることはない。
議題2:学校バリアフリープラットフォーム(仮称)について
・事務局より資料2・資料3に基づき説明。
・議題2について質疑応答
【伊藤委員】バリアフリープラットフォームについて、もう1個、文科省がやっている校舎の学校づくりのプラットフォームがあると思う。これと別建てでプラットフォームをつくるように見えるが、なぜか。
情報量が多いという趣旨は分かるが、窓口が幾つも出来ると、情報に行き着きにくいと思う。CO-SHAプラットフォームに参画していて気づくのは、バリアフリーであったり、地域施設であったり、かなり広い相談がまずそこに来ている感じがあるので、別建てするにしても、同じ入り口からそちらに振り分けられるとか、同じ文科省なので何かもう少し一体的にしたほうが使い勝手がいいように思う。
議題3:来年度における検討事項について
・事務局より資料4に基づき説明。
・議題3について質疑応答
【樋口委員】基本的にはこれで賛同するが、今やっている中教審の議論において、多様な子供たちを包摂するための柔軟な教育課程の在り方とはというのが2つ、義務教育段階と高等学校段階とあり、この辺りが何か一番、今度の学習指導要領の新しいところになっていくのかなと考えて、審議会の動向を見ながら勉強しているところ。
例えば、授業時数が割と柔軟化してきて、裁量的な時間が出来て、その裁量的な時間というのも、授業だけではなくて、研究や研修をするとか、新しく、今まであることであったり、特定分野に特異な才能のある児童生徒に対するそういう教育等も考えようといった新しいことがいろいろ出てきている中で、それで施設・設備をどうすればよいのかについても、同時進行である程度考えていく必要があるのではないかと思った。
事務局の説明だと、今までの学習指導要領の事例を整理して、これが固まってから、次どうするか、となる。焦点化する上で、それも必要だとは思うが、例えば教育課程が自由になったら施設とどう関係するのか、というのは、自分も答えがよく見えてこないので、こういう施設にするからこそ、こういう新しいものが実現できるという点をある程度にらみながら、現状どうなっているかということを考える必要があるのではないか。
【高橋委員】長野県の長野スクールデザインプロジェクトというものに参加させていただいていて、建築家の先生と地元の人や学校の先生、当事者でワークショップ等をしながら、基本設計からやっていくプロジェクトをわきで何年か見させてもらっている影響が非常に強いが、当事者が参画していくことの重要性ということは物すごく感じている。
一応このプロジェクトでは学校の先生にも聞くとなっているが、農業高校と工業高校が同じ校舎を使うような校舎のときに、それぞれの先生がそれぞれの専門性を理由に、自分の部屋が欲しいといった意見を言う。普通に聞くと、どうしてもそういう意見になってしまうが、校舎というものをもう少し長く見れば、50年等と使っていく視点で考えていくべきであり、自分は今回の建築のコンペの審査をするが、建築家の先生のほうが校舎にかける物の考え方のレベルが現場の先生たちを大きく超えている。そして考え方も非常に斬新で、新しい。建築の方も非常に上手に学校の先生と関わるが、学校の先生にとって非常に学びが大きく、これに参画すること自体が自分自身の教育観を変えるすばらしいきっかけになると思っている。建築の方々は海外とかを見たり、最新の教育の動向、学習指導要領も超えて、諸外国を調べているような方の建築設計ということと、最終的に1つに落とし込まなければいけないという厳しい制約の中でのアイデアの表出というのが、校舎というのは結局、色々なアイデアがあっても最後は1個にするしかないところがあるので、非常に予算や様々な制約の中で、最高のものを仕上げようというプロセスに、学校の先生が積極的に参加していくことが、先生自身の探究の経験になったり、非常に教育界が、建築の方から見たらやや狭くなっている視野を広げるのに非常に大きな役割があるのではないかと感じている。
先ほどの具体例で言えば、農業が大事、工業が大事と言っても、今後ロボットが農業をする時代が来るわけで、そうしたら農業の人だって、ロボットをずっといじっている可能性だってあることを考えていけば、建築の方の意見を伺っていくと、本当に私自身も視野が広くなっていくので、バリアフリーということでの当事者の参画というのもあるが、あらゆることについて、参画していくということが役に立つのではないかと思う。ちょうど学校も統廃合や、特に高等学校は今、改革の中で、非常に統廃合の圧力が強いところなので、単に教育委員会の方や施設の方が、学校整備の方針を一方的に作るというよりかは、参画していくことでお互いにいい影響、いい教育環境がつくれるのではないかと感じている。
【垣野委員】これからの動きにつながることを色々教えていただけて、すごく勉強になった。当事者参画というのが、どのタイミングでの当事者参画なのかというのが結構重要で、学校が建て替わるときに地域住民や、それから着任するかもしれない先生や校長先生を巻き込んでというのは、小学校、中学校、高校も含めて、割と色々な学校でなされていることではあるが、もう一つの大きな問題が、それが1回醸成された後、先生方がよく言われるのが、公立の学校だと特に場所を移られる、転勤されるということが1つ大きな、もう一つの当事者参画プロセスを考える大きなターニングポイントになってくるので、持続性ということを踏まえた当事者参画をどう考えるかというのはこれからの肝かなと思っている。
【市川委員】今後の教育の在り方等のすごく大きい方向性を踏まえた学校ということも大切な視点だと思っているが、いざ実際に学校を設計したときというのは、いろんな制約がある中で、本当に限定された工夫になっていくと思う。例えば私の学校も今、高等部棟を設置しようとしているが、緑化計画等があり、もう少し校舎を広げたいが緑がないと駄目、屋上に何か置かなくてはいけない等、様々な制約が建築をしていく上である。そうした中で、少しでも限定された中で、具現化できるようなアイデア、こうすれば今の制度の中でも、例えばこの主体的・対話的で深い学びができるような施設になる、包摂する施設になるということが分かるようなものをつくっていっていただいたほうが、学校をつくる立場とすればありがたいと思っている。現場の方が、今回のバリアフリーについてはかなりアイデアを出していただいたので、つくる側がアイデアを見ることができるような検討をしていただきたい。
【深堀特別協力者】検討事項の②当事者参画による学校づくりのプロセス整理について、令和4年度に取りまとめた調査研究で、「対話を通じた新しい学校づくりのプロセスに関する調査研究」もあるので、その知見も提供させていただいて、活用いただければと思う。
・事務局より今後の日程等について連絡。
・蝦名部長より挨拶。
・奈須主査より閉会の挨拶。
── 了 ──