学校施設のバリアフリー化の推進に関する検討部会(第10回)議事要旨

1.日時

令和8年1月29日(木曜日)13時00分-15時00分

2.場所

オンライン開催

3.議題

  1. 学校バリアフリープラットフォーム(仮称)について

4.出席者

委員

髙橋部会長、日本発達障害ネットワーク・三澤副理事長(市川宏伸委員代理)、市川裕二委員、伊藤委員、尾上委員、小林健委員、小林聖代委員、下倉委員、根本委員、毛利委員

文部科学省

(大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課)瀬戸課長、梅崎企画調整官、田中課長補佐、桜井係長、市原係員

オブザーバー

(大臣官房文教施設企画・防災部施設助成課)下岡企画官

5.議事要旨

・事務局より開会の挨拶。
・事務局より委員の出欠について説明。

議題1:学校バリアフリープラットフォーム(仮称)について
・事務局より資料1-1、1-2、2に基づき説明。
・議題1について質疑応答

(○:委員の発言)
〇これが活用されて、あちこちでバリアフリー化が進んでいくことを期待する。その上で、今回特にプラットフォームが随時コンテンツの更新ということなので、色々な動画や好事例を紹介していっていただければ。
 特にこの4月からのバリアフリー法の基本方針の大きなテーマである当事者参画を進めてきている事例で、先ほど小学校の例があったが、ほかにも例えば去年の検討部会の中で言及した市は、当事者が参画をしてモデル校の足りない部分をチェックし、さらに今後の市のバリアフリー仕様を変えたという意味で、非常に面白い事例だと思った。
 ぜひ当該市の教育委員会と、そこに参加された当事者、両方の対談形式の動画もあるとよい。当事者参画を行う際に、当事者にはクレームばかり言われるのではないかと構えてしまう部分があるかもしれないが、そうではなく一緒に学校バリアフリーを進めていけるという形の事例である。
 去年の8月にまとめていただいた取組紹介の中で取り上げられている例を、一つぜひまた動画で入れていただければと思う。あと、これは今後ということになると思うが、学校を建て替えたり、増築をするときに、当事者参画も行いながらということだが、各教育委員会が、その当事者団体と、つながりがあればいいが、そういったところばかりではない。あるいは逆に当事者団体からしても、鉄道事業者の方は定期的に話合いの場を持つけれども、教育委員会とはそういう場を今まで持つことはなかった。
 そのため、市町村単位での実施だと難しいと正直思っている。例えば、市町村でバリアフリー計画が持ち上がった際に、協力をしてもらえる当事者アドバイザーを都道府県単位ぐらいで登録し、紹介してもらうような制度がぜひできればと思う。もしそういう事例があれば、こういった今後のプラットフォームに随時、コンテンツとして、ぜひ取り込んでいっていただきたいと思う。
 この4月からのテーマが当事者参画ということで、大きなテーマである一方で、学校現場というのはなかなか今まで、障害当事者が参画をして一緒に進めるということが、教育委員会側も、そして障害者団体側もその経験がないということなので、ぜひその部分についての情報発信に、特に力を入れていただきたい。
〇学校バリアフリープラットフォームが広まっていくことがとてもよいことになるのではないかと思う。そのときに、学校の施設を新築及び改築するとき、今、学校を増築していく、基本計画に携わっているが、設計業者が非常に重要な役割を担っている。建物の設計業者が色々なアイデアを出してくれて、学校にとってよい増築をするプランを考えてくれるので、この学校バリアフリープラットフォームにおいても、設計業者も見られて、設計業者が参考になるような部分があるとよいのかなと思っている。
〇特に動画のところで、自治体であるとか学校の先生が語っているという、その部分は非常に説得力があると思った。特に学校の先生方が話されているところで、やっぱり障害が特にない児童との交流であるとか、色々なそういう面にもバリアフリー化がなされることによって波及した効果があって、本人が移動できるというだけではないんだ、学校の中での人の交流の在り方も変わっていくんだというのが伝わるのが非常によいなと思った。
 バリアフリー法では移動の円滑化が主眼なので、今回出てこないのは当然かもしれないが、家庭科の調理台だったり、図工とか木工とかの作業台とか、そういった授業で使う設備が車いすでも使えるようになっているというのも、割と建築だとそこも含めてバリアフリーと呼ぶことがある。その辺りというのはまた別の法律や、別の部局で扱っているのか。
 
〇非常に分かりやすいなという印象を持った。
外観の写真というのが掲載されているが、古い建物については、もう少し見栄えのいい写真に変えることができるのかなと思った。ほかは割ときらびやかな写真がずっと続く中で、トーンが少し違うような。
〇バリアフリーのガイドを見て、今までの参考事例等が、とてもきれいにまとまっていて、設計する側にとっては見やすいものができているのではないかなと思っている。
 その中で、設計する方は、規模や条件等、調べたいものに特化して調べたりするときに、このハッシュタグのやり方がとても分かりやすいなと思って拝見していた。今後このハッシュタグも、事例に応じて増えていったらいいと思っている。
 結構いい資料ができていると思うが、これを自治体にどのように広げていくのか、自治体がどのくらい活用するかによってこれが生きてくるかになると思うので、その辺りがこれからの課題とは思っている。
 
〇ガイドラインのほう、とても情報豊富でいいなと思って聞いていた。
階段のイラストで、この女の子がいる側の手すりはいいが、先生がいる側の手すりが、実はあまりいいつくりではなくて、手すりはずっと伝っていけることが一番大事。イラストだと縦の格子がずっとあるので、毎回手を離してちょっと浮かしてということをしなくてはいけない手すりになっている。これが視覚障害者の方や足が少し悪くて少し寄りかかりたい人にとっては、すごく不便だということを聞いたことがある。このイラストも、できればずっと伝えるようなつくりの手すりにしたほうがいいかなと思った。
 先ほど委員が、当事者と話すという機会を鉄道会社はよく設けているというふうにおっしゃっていたが、そういう障害者の方に聞いても、鉄道、JRの手すりはいいですよと言ったりするので、やっぱり教育施設はまだ遅れているのかなと思った。
 
〇第1にガイドを拝見し、既存のいわゆるバリアフリー法や、学校施設バリアフリー化推進指針などが踏まえられているところかと思うが、やはり写真やイラストが入ると、一段と分かりやすくなるなと感じた。
 他方で工事の設計などに際しては、必要な情報を網羅的に把握していきたいところで、資料が様々あると、確認にどうしても時間を要してしまう部分もある。このたび集約のプラットフォームをということなので、ぜひ設計事務所や自治体が参照すべき情報を漏れなく効率的に集められるように、現在も既に「部会からのアドバイス」といった見出しを付けていただいているところだが、引き続き御支援をいただけるとありがたいのではと思った。
 具体的には、今回のガイドにおいて「指針にないような内容を深掘りしているので、ぜひここをチェックしてほしい」といった項目があれば、例えば一覧表などでお示しいただけると分かりやすいのではないかと思う。逆に項目によっては、ガイドでは指針の内容についてイラストを交えてかみ砕いているだけなので、建築のリテラシーの高い方におかれては、指針だけを見てもらえれば大丈夫といった箇所もあるかもしれない。
 設計段階の情報収集に時間を要してしまうと、その分整備も後ろにずれ込んでしまうので、こういったところについても、可能な範囲で交通整理を検討いただきたい。
 第2に、当事者参画について事例も盛り込んでいただき、大変勉強になった。当事者参画については様々なアプローチがあるので、自治体によっては幅広のことができる見通しが整うまで、なかなかスタートを切りづらいというふうに逡巡するようなところもあるかもしれない。
 そのような中で、取り組みやすい内容から当事者参画を進め、その充実を図っていくことが重要というふうに背中を押していただけると、自治体としても歩みが前に進みやすくなると思う。特に人手不足や資材調達に時間を要するなど、昨今の社会情勢下において、目標年限を定めてのバリアフリー化を考えていくときに、合意形成のプロセスの充実と速やかな設計整備をいかに両立していくか、これは必ずしも容易でない重要な問いになる部分もあろうかと思う。
 このような問いに、学校設置者が向き合っていく中で、様々悩みなども出てくるかと思うが、その際に、資料1-1にあるアドバイザリーであったり、ネットワークであったりが心強い存在になっていくのではないかと思った。
〇このバリアフリーガイド、先ほど御説明いただいて、大変分かりやすくてすばらしいなと思った。
 目に見えない部分であるが、耳が不自由な児童生徒向けに、市でも難聴学級のある学校やほかの学校でも、要約筆記をするボランティアの方がいて、それでWi-Fiを使ってその子のパソコンに文字を飛ばしたりとか、今はソフトも大変発達していますので、ボランティアがいなくても先生の言葉を音声にするという機能もあったりするが、それはWi-Fiがないと使えない。
 現在GIGAスクールで、普通教室は、整備するとき必ずWi-Fiは入れてくれているが、昨今非常に建築費が高騰しており、それで例えば児童クラブや普通教室ではない体育館とか図書館とか特別教室みたいなところで、予算がないから普通教室は入れようかという感じになると、先ほどビデオで、ICTは非常に障害のある人にとっては武器になるというお話だったので、やはりそこを何か入れていただけるといいのかなと思った。
 あと、デジタルサイネージについて、玄関、階段、通り道等、ちょっとしたところに電子掲示板みたいなものがあって、今、コンピューターをつながなくてもWi-Fiで、全部の校内の電子掲示板の内容を入れ替えたりできる。例えば災害が起きたときに、緊急放送を流しても聞き取れない児童生徒、あるいは保護者の方、避難している方等が、このデジタルサイネージがあれば、ぱっと見て、今こういう放送があったんだなとか、あるいは案内を、ここに行くとこういう催物があるんだなというのが視覚的に分かるようになるので、やはりWi-Fi等、そういうデジタルサイネージのような機器は、色々な箇所で設置できるような状態にしておくというのは大事と思った。
 あと、これはバリアフリーガイドブックとは関係ないかもしれないが、県内でも建築費が高騰していて、入札が不調に終わった、あるいはもう新築は諦めたという学校が幾つか出てきているので、せっかくこういうのをやりたいなと思っても、うちは予算がないからできないなではなくて、何か予算の獲得方法はこちらみたいなページがあると、その補助金だったり、何かそういうものがどこかにあると、実際に、よしやってみようという気持ちになるのかなと思った。

〇改めて、今回御説明いただいたプラットフォーム、これはさらにどんどん理解、啓発が進んでいくということが非常に重要なことになっていくのだろうなということで、改めて聞いていた。やはり障害があるということだけではなく、学校環境ということを考えれば、そこにいる児童生徒も含め、どういうふうに環境が整備されていっているのかというところのフィードバックをしながら、さらに改正を進めていっていただけるとありがたいと感じていた。
 あと、他の委員からもあった、手すりに関して、説明のところで、コラムに少し追加で記載されるという発言もあったので、この手すりに関しては、今提示いただいているような手すりの形だけでなくて、最近は壁に埋め込み式のものがあったりとか、跳ね上げ式のものがあったりとか、階段スペースにもよると思うが、集団で移動するというふうになってきたときに、どうしても手すりによってスペースが限られてしまうという問題もあるので、この点、福祉用具・機器というところの観点からいくと、幾つかその利便性に応じて使い分けていくという視点もあっていいのかなと思って聞いていた。
 特別支援学校のところで、カームダウンスペースやスヌーズレンといった教室空間の設置が提示されているが、昨今通常学校においても、感覚の過敏性であったりとか、非常に疲れやすい集中持続困難という場合、少し気持ちを切り替えるというところにおいては、通常学校の中にもこういったスペースが確保されるといい。
 その背景には、災害時の避難施設になることを想定されている。特に避難所での生活というのは、障害のある方にとっては非常に生活しづらい環境で、なかなか利用が困難だという話を耳にしている。その中で、こういった教室等で安心して避難ができるような場所が身近にあるということは、非常に大きな意味もあるかと思う。今後色々な検討がされるとは思うが、ぜひ議論いただければありがたいかなと思っている。
 大きな改修、新築というところにおいて、予算確保が難しいという場合は、DIYではないが、安価でリノベーションして環境を変えるという、そういった事例もあると非常に、建築事務所等に広く推進するという意味においては、そういった視点も必要なのかなと感じて聞いていた。大いに期待したいところであるので、我々のネットワークでも広く進めていきたいなというふうにも感じている。
〇先ほど動画を拝見させていただき、やはりとてもいいのではないかと感じた。それぞれ行政の立場は行政の立場でのコメントがあり、あるいは先生方、教頭先生のお話があったが、そういった方々のお話があると思う。
 それから可能であれば、これから順次例えば地域の住民の方のコメント、あるいはその中に障害のある方もいらっしゃるかもしれないが、それから保護者の方とかというようなこともあるかもしれない、いろいろ各方面からみんなでつくるという、そういう視点に立ったようなコメントが追加的に出てくるとよいと思う。
 それから事例の中でも、当事者の範囲については必ずしも障害のある人たちだけではなくて、地域住民の方、あるいは基本的には校内で生活する先生方、児童生徒の方々になるかというふうに思うので、そういったような児童生徒の方々のコメントなんかも出てくるといいかなという印象を持った。
 先ほどの当事者のお話ではないが、環境が未整備で、自分の学校の進路が制限されるような状況があるというお話を聞いた。やはりこれは今の差別解消法の水準から言えば、完全に差別の状況になってくるかというふうに思う。こういうようなことが今後、過去のことだというふうに思うが、これから再び起こらないような、あるいは起こってほしくないというようなことを、それぞれの行政の方々、現場の方々、学校の先生方も理解をしていただくということが、まず非常に重要かと思う。
 私も特に障害のある児童生徒の方々からかつて聞いたときに、トイレに行くにしても、1階にもあって、エレベーターがあるけれども、毎回授業に遅れて入ってくるという、そういうようなお話を聞いたことがある。場合によっては、トイレを1日我慢して、しないといったような、そういう障害のある高校生のお話も聞いたことがある。
 そういうことが表に出てくると、本当はいけないが、我慢しているということ自体も、身体の状況も含めて、精神的な側面も含めて、非常に大変な状況になるので、そういうようなことなんかも、私たちが共通の認識として意識していかなければいけないなという気がしたので、その辺りも含めて、少しずつより当事者の方々の声が入ってくると、すばらしいものになっていくのではないかと感じている。
 それから個別の部分については、抜けているというわけではないが、先ほども話が出ていた、災害時での避難のルートの問題だとか、特に災害時になると、避難所として外部から入ってくるということはあるが、学校から避難をしていくときには、外部の通路、生活道路とのつながりとったようなこともすごく重要になってくると思う。こちらもコメント的にどこかで知らせていく必要があるのではないか。今回の改訂の指針の中でも、地域のまちづくりと一体的になってバリアフリー化を進めるというようなことのアドバイスも入っていたかと思う。
 そういうことも含めて、外から避難してくる場合、あるいは逆に、校内から外に避難していくことなんかもあると思う。それは両面で重要な側面かと思うので、その辺りについても、私ももう一度資料を拝見させていただきながらコメントできればと思う。
 ハッシュタグの関係の中では、改訂の指針とどこかで内容がつながっていて、それが読み込めるようなことがさらに出てくるといいかなと思うので、その辺りの工夫についても、関係性、指針の改訂の部分とガイドの部分との連携みたいなものが、うまく取れているとよいかと思う。そこも含めて御検討いただければと思う。
 それから、最初に委員からもあったが、当事者参画の難しい部分は、当事者の方々は非常に多様化してきていて、その一人一人の人権をどうやって担保できるかというようなことにつながってくるかと思う。いわゆる発言できる当事者の方々、あるいは発言できなくて、支援の必要な方々、あるいは保護者の方々という立場もあるかと思うので、その辺りも想定しながら、これは当面コメント欄という形になるかもしれないが、少しずつ充実していければいいと思っているので、お願いしたい。
 何よりも、やはりお金の問題について、財源をどうするかということについて、長期的な計画も重要だと思うので、これも少し前のほうに出してもいいと思う。
 事例の中で後半に出てくるが、バリアフリー整備計画をどうやって立てていくのか、あるいは立てていないところは多いが、立てていけるかということと同時に、そのときに、こういう補助金、場合によっては地方債もあればできるかもしれないが、様々なお金の助成の仕方とか、あるいは地方債の使い方等も含めて、文科省だけではなくても使えるような、自治体の中でも用意されている可能性もあると思うので、その辺りの情報を的確に、設計者の方々、あるいは行政の方々、様々な要望を出す当事者の方々も見えていたほうがいいかと思うので、お金についても検討いただきたい。
 何よりも全体の整備の進めていくプロセスということになるかとうので、様々な複雑な部分もあるかもしれないが、一度にはできないかと思うので、少しずつ、第1弾、第2弾というふうに継続してバージョンアップしていくときに、このガイドブックが有効に活用していただけるように、お願いしたい。
 
・事務局より今後の日程等について連絡。
・髙橋部会長より閉会の挨拶。
―― 了 ――