令和7年6月18日(水曜日)10時00分-12時00分
対面、オンラインハイブリッド開催
<委員>
髙橋部会長、市川裕二委員、日本発達障害ネットワーク・三澤副理事長(市川宏伸委員代理)、伊藤委員、岩井委員、尾上委員、小林聖代委員、小林健委員、下倉委員、根本委員、毛利委員
<特別協力者>
深堀特別協力者
(大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課)瀬戸課長、梅崎企画調整官、田中課長補佐、桜井係長、市原係員
(大臣官房文教施設企画・防災部施設助成課)下岡企画官
(高等教育局私学部私学助成課)満田主任
(国土交通省住宅局参事官(建築企画担当)付) 荻野係長
・事務局より開会の挨拶。
・事務局より委員の出欠について説明。
議題1:今後の学校施設のバリアフリー化の推進に関する取組について
・事務局より資料1、2、3に基づき説明。
(○:委員の発言)
【整備指針について】
○通し番号46ページの段差解消機について下に脚注があり、平成12年建設省告示に規定する段差解消機とある。手元の資料にある文部科学省が2021年11月11日に出された通知の別添資料であるバリアフリー法施行令第18条第2項第6号に掲げるエレベーターその他の昇降機の例では、斜行型の段差解消機等は含まれるが、これまで学校現場でよく使われてきたキャタピラ式の階段昇降機などは含まれないということが明示されたが、内容的にはイコールということか。今回、脚注で紹介されている平成12年建設省告示というのが、思いつかなかったもので、確認をしたいのは、以前の文部科学省の通知でお示しをいただいたとおり、段差解消機と階段昇降機は違うこと。階段昇降機は、このバリアフリー法でいうエレベーター等には含まれないということは、内容的には同じなのかどうかということを確認させていただきたい。
○2021年の通知に書かれているバリアフリー法施行令第18条のほうが、新しい政令施行令になっていると思うので、そちらを示していただいたほうが、同じだということが分かりやすいと思った。
○主な改訂ポインの下段に、「ソフト対応との連携の充実について追記」という文言がある。この点、当然、多様な障害を有する方々が、通常の学校の中で学校生活を送っていく際、障害理解というところにおいては、児童生徒だけでなく、教職員も含めた理解が重要だと認識している。そういった意味では、いわゆる障害の理解という、障害特性を知るということだけではなく、障害特性によって生じる様々な困り感ということをしっかり理解をしていただくということが重要なポイントではないかと感じているので、このあたりの記載内容、対応について、少し踏み込んでいただけるとありがたいと思っている。
発達障害の特性というところで、カームダウン、クールダウンというスペースの設置、及び、オープン型の教室というのは、これは発達障害の特性だけではないかと思うが、いわゆる感覚情報、刺激が多く入り過ぎると非常に混乱をしてしまうというところで、間仕切り空間という提案をさせていただいたが、いわゆる学校生活環境というところは、義務教育下で通っていく生徒にとっては、重要な、いわゆる集団生活への参加ということにも影響が出てきている。この部分については、さらに踏み込んで、様々な検証をしていただいて、どのような対策、対応が必要なのかということも、今後、御検討いただけるとありがたい。
○今日のお話を伺っていて、学校のバリアフリー化が、個々のバリアフリー化というだけではなく、学校全体が教材として、子供たち、児童生徒に障害のことを理解させるような重要な教材になっていくのではないか。
特に、今日の事例の中で、実際に障害のある人たちと校舎内を歩き回るとか、インタビューをして状況を聞くとか、そういう学習も紹介されていたので、このバリアフリー化の指針の冒頭か最後のほうに、学校施設がバリアフリー化されることが児童生徒の障害理解についての教材にもすごくいいものになっていくのではないかというふうなことを少し紹介していただければありがたいと思った。
今日のガイドブックや事例集などには、そういったことが載ってくるかと思うが、今、教材としての意味があると感じたので発言させていただいた。
○全体的に、計画的に事前にバリアフリー化を進めている自治体の話と、実際に計画したりするプロセスでの当事者参画と、最後の整備事例の部分は具体的なハード面での整備手法だと思う。その3つの観点に分かれているということが、もう少しはっきり見えるといいかなと思った。具体的に言うと、整備事例のところは独立しているが、前半の当事者参画と計画的に進めている設置者のやり方という、そこは区切ってもいいと思った
事前にハード面でやっておかないといけないバリアフリーと、具体的にその建物を使う方が、何らかの合理的配慮であったり、バリアフリーの追加の取組が必要なときに対応するという部分があると思うが、実際の後半の整備事例で、障害のある児童生徒であったり、保護者、あるいは先生がいたときに、この点が機能したとか、この点が特に役立ったとか、そういった情報があったらば大分役に立つのではないかと思う。もしそれがあれば、含めていただけるとありがたい。
○今の内容は、車いすの子に対して、場所と場所の間の移動が円滑にできるかということは、多く盛り込まれているが、教室の中での移動が確実にできるかというのは、ここだと、「多様な行動に対し十分な安全性を確保することが重要である」と書かれているが、もう少し踏み込んで、アクティブラーニングだとか、対話的学びなどを今行っていて、車いすの子は、例えば、対角線上に向こうの子の、あの子のところに話に行きたいと思っても、なかなか行けない。歩ける子だったら、机の間をすり抜けて行けばいいけれども、今求められている学びに対して、教室がちゃんと対応しているか、その教室の家具配置とか、中の人数だとか、そういうところまで、将来的には、大人がケアできるような世界になればいいと思った。
○指針における計画的なバリアフリー化に関する整備の実施で「就学期間」という言葉が出てくる。どうお使いになられたのかなというのが気になった。
配慮の必要なお子さんがいる場合には、入学に関する情報を早く把握するまでは理解できるが、その後、「児童生徒の就学期間を見据えたうえで、計画的にバリアフリー化を行う」というと、どのぐらいそこの学校に就学しているお子さんかによって変わってしまうということの意味にも読めてしまう。
「就学期間」という言葉がその次にも出てくる。「児童生徒の就学期間に対応できるよう」というのが、言葉として分からなかったので、御検討いただければ幸い。
○例えば受付カウンターのカメラ付のインターホン、音声の案内、あと、デジタルサイネージ、補聴援助システムなど、たくさん盛り込んでいただいた。
これらのことを行うには、無線LANがあれば簡単に今はできてしまう。昔は一本一本線を引いてインターホンを引いていましたけれども、今、カメラとかインターホンとか、ドアの自動開閉もWi-Fiが通じてあれば、もう簡単にそういうシステムが構築できる。このデジタルサイネージも、Wi-Fiが通じていれば、職員室とか遠く離れたところからもリアルタイムに更新もできるので、現在、学校では、教室の無線LAN化は進んでいるが、廊下、玄関、体育館等、ほかの校舎のところについては、Wi-Fiはあまり規定がない。ぜひここの改修に当たって、校舎全体をWi-Fi化すると、こういうものが設置しやすく、安価に設置しやすくなるし、後からでも追加が容易になるので、校舎全体のWi-Fi化が重要であるということがあるといいと思っている。
トイレのところで、緊急対応ボタンというものがあったが、設計時における実践で、できることとできないことがあって、できないことは職員が対応しますと書いてある。そこの場所に行ったときに誰もいないと対応できなかったりするが、このWi-Fiがあってボタン一つあれば、ボタンをと押せば職員の人が来てくれるとか、そういうものがあるので、校舎内の何か不都合がありそうな場所にそういうボタンがあれば、きっと何かのときに駆けつけられるという、トイレだけではなくて、数多くあるといいと思う。助けてボタンみたいなものがあるといいと思った。
今後、技術が発達、AIが発達していけば、例えば、廊下にマイクがあって、「誰か助けて」と言ったら、AIが話し言葉と緊急の選別をして、それをアラートで知らせるみたいなこともできるかもしれない。そういうものも無線LANさえあれば、ネットワークさえあれば、後からいくらでも簡単にできる。だから、校舎全体のWi-Fi化というのは、このバリアフリーにとっては非常に有効な手段なのかなというふうに聞いていて思った。
○学校全体のインフラ整備に関わるところだというふうに思うが、特に共用空間について、校舎だけではなくて、運動場等も、あるいは体育館等も関係してくると思う。当然、災害時の対応なども絡んでくるかと思うので、ここをもう少し追記できるように検討をお願いしたい。
○周知動画を作られるというお話をされていた。ぜひ進めていただければという趣旨で申し上げるが、視察先では、市の職員の方が非常に情熱を持って、こういうことを計画的に取り組んできたので、こういうことができたという話をされていた。実践例を見ると、確かに要約するとこういう表現になるのかなと思うが、これを読んでも視察で受けた情熱は伝わってこないので、ぜひ周知動画でそこら辺の熱い思いも加えていただけるとそういう周知度があると、これをさらに自分事として読めるのかなとも思うので、ぜひ周知動画のほうもやっていただければと思う。
こういうバリアフリーをしたからどういう効果があったという、効果まで見せられると分かりやすいという話があった。視察先については先んじてエレベーターの設置ができていて、そしてバリアフリートイレも整備できていたので、肢体不自由の子供が、そこに入りたいという相談を受けたときに、合理的配慮の中でできるということで受け入れたということだったかと思う。
つまり、先んじてエレベーターとバリアフリートイレがあったから、肢体不自由の方の入学の相談を受けて、一部合理的配慮でバリアフリートイレがあっても、個別に何か慎重さを埋めるような対応をいろいろされたというような話もあったが、ベースがなければ、多分、合理的配慮の中で受け入れることができなかったと思うので、そういうことを書いていただけると、なるほど、こういう素地があったのでこういうことができたというような効果が現れるかと思う。御検討いただければと思う。
○ 新築だが、別の視察先でも、学校を移動してきているという、新築されてアクセシビリティが確保されたということがあったので、その辺のことも含めて、少し押さえておきたいというふうに思う。
【目標について】
○将来的に目指す学校の姿を提示した上で、整備目標を引き続き掲げられたということは、大変高く評価をしたいと思う。
ただ、この5年間、残念ながら、その整備目標に沿ったバリアフリー計画をつくってもらうところが、2割から3割ぐらいという現状が前回も報告された。次の来年度からの基本方針の期間中には、何とか実現できるよう、学校設置者の方に、この整備目標の意味を理解していただけるようにすることが重要かなと思う。
「この際、迅速かつ実効性のある整備計画の策定がされるよう」というのは、そのとおりだと思う。特に「バリアフリー化の整備に関する取組方針や具体の実施時期等について計画に位置付けることを促進する」ということだが、意味が、次の2030年までの目標という期限を切っているということがちゃんと理解されていなかったら、長寿命計画で、それこそ10年後、20年の期間で書いているこの数字をそのまま持ってこられたりする場合もあり得るのではないか。少し疑心暗鬼過ぎるかもしれないが、そうならないように、2030年までに、この整備目標を達成する、そのために計画をつくってくださいということ、それを求めているということを踏まえて、「計画の更新時期を迎えていることを踏まえて」の次のところに「国として掲げている整備目標を着実に達成するよう、関連項目の見直しを行い」というふうな文言を挿入いただければと思う。
既につくっている長寿命計画に記載しているエレベーターといった関連項目をそのまま引っ張って抜き出すのではなくて、この委員会では、もう当たり前だが、この整備目標に向けて、ちゃんと計画をつくってくださいという趣旨であることが分かるように、先ほどの文言を入れていただければと思う。
同じく当事者参画の実施のところもすごく重要な部分だとは思うが、「当事者参画に当たっては、児童生徒や教職員、保護者、地域の障害者・高齢者・妊産婦等を当事者として想定し」とある。一般論としては、これはすごく妥当だと思う。学校運営への住民参画という意味で、すごく重要だと思うが、特に、この文書は、バリアフリー化における当事者参画なので、具体的に言うと、「とりわけ地域の障害者・高齢者・妊産婦等を当事者として想定し」という、「とりわけ」というものを入れていただきたい。
先ほどの御説明の中でも紹介をいただいた国交省のほうでつくられている建築プロジェクトの当事者参画ガイドラインの6ページに「当事者とは」ということで、こういう記載がある。「多様なニーズを反映したり質の高い施設整備を進めるためには、施設の利用にあたって多くの制約を受ける障害者からのニーズを丁寧に吸い上げることができる人選を行うことが重要である」と書かれている。その点をふまえて、とりわけバリアフリーということでいうと、この制約を受ける障害者からのニーズを丁寧に拾い上げるということがすごく大事なポイントだと思う。
鉄道事業者等は障害者団体と普段からやり取りに慣れておられると思うが、学校は、卒業したら、大人の障害者は、私自身も含めて、あまり地域の学校に普段から出入りするわけではなく、普段のお付き合いがあまりないようなことがある。そのため、地域の障害者・高齢者・妊産婦等を含んだ当事者参画、そうでないと当事者参画ではないというぐらいの趣旨を明記していただければと思う。ここに書いている文章ぐらいを、この整備目標のほうにも入れていただきたい。
【既設施設におけるバリアフリー化の促進のための新たな取組】
○これまでも施工内容や整備例については折に触れて国から情報提供をいただいたところであるが、今回の検討では、整備計画やスケジュールの組み方など、実際に事業を進めるプロセスについての内容が充実し、自治体にとってさらに参考になる部分が大きいように感じた。
実際の事業化にあたっては、本市でも文科省の補助金の2分の1へのかさ上げに大変背中を押していただいたので、引き続き、国庫補助など御支援をいただきたい。
今般、国庫補助を受けてバリアフリー化に取り組む市町村が感じている不安の一つに、事故繰越があるかと思っている。事故繰越については、学校施設環境改善交付金について、近年、補正予算やその本省繰越の予算区分が多い昨今において、入札を行っても業者決定に至らずに所定の年度内に事業を完了できない場合、補助金の事故繰越を視野に入れる必要が出てくる。この事故繰越は、文字どおり事故に係る繰越で、典型的には自然災害などがイメージされるところ。入札不調に関連する事柄を、この事故繰越の文脈に当てはまるものとどう整理していくか、あるいは、根拠となる書類や情報をどう整えていくか、ノウハウが少なく不安に感じているという市町村も少なくないのではと思っている。
こういった方面についても、このたびのガイドブックの中なのかはともかく、何らか情報提供いただけると、市町村としてはありがたく、事業計上の際にも積極的に手を挙げやすくなるのではと思う。
市町村としては、バリアフリー化の推進に当たり、文科省の国庫補助は非常に心強く感じているので、今回資料で示していただいている情報面の御支援と併せ、引き続き御支援いただきたい。
○当事者参画の推進について、ファシリテーター、アドバイザーの活用というところで「当事者と事業所等の間に立って調整を行う」と書かれているが、このファシリテーター、アドバイザーはどういった方をイメージされているのか。
先ほどから入学前の情報など、昨今、いろいろな医療機関をはじめ、つながっている子供は数多くおられると思う。この間に立っての調整となると、なかなかハード面の建築については、業者のほうが非常にノウハウを持っておられるというところと、当然、当事者の方々の学校生活環境ということを考えたときに、どういった配慮、どういった整備が必要なのかという状態像を把握している専門家、もしくはそういう知識を持たれている方が、この役割に最も適しているのではないかと思う。
例えば、住環境整備であったりとか、福祉用具の専門家であったり、もしくはリハビリテーションの専門家といった、当事者、障害ということを十分理解した上で状態をきちんと見極め、その間の調整がうまくいけばスムーズな対応ということにつながっていくのではないかと感じた。
○恐らく新規で新たに計画から設計をする場面とすると、個別の部分も含めて改修をしていくといったとき、相談する方々、ファシリテートする方々、あるいはアドバイザーの方々、それぞれ分けられるような気がする。あるいは、そのときの利用者、児童生徒の状況にもよるかと思うが、その辺りのそれぞれの個別のニーズ、あるいは改修、整備をするシーンにも関わってくるので、その辺りのことについて、少し加筆できるかどうか検討していただければと思う。
・事務局より今後の日程等について連絡。
・髙橋部会長より閉会の挨拶。
―― 了 ――