令和6年9月26日(木曜日)15時00分~17時00分
文部科学省 旧庁舎4階 文教施設企画・防災部会議室(オンライン併用)
(委員)
青木謙治、荒木康弘、稲山正弘、大庭拓也、垣野義典、川原重明、草野崇文、後藤章子、長澤悟、堀場弘 (敬称略)
(特別協力者)
日向潔美 、百瀬智史 、若林究 (Web) 、佐藤靖浩 、吉田優一朗 (Web) 、深堀直人 (敬称略)
(大臣官房文教施設企画・防災部)
笠原文教施設企画・防災部長、金光技術参事官
(大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課)
瀬戸課長、松下企画調整官、扇谷課長補佐
(大臣官房文教施設企画・防災部施設助成課)
野口課長補佐
・ 長澤委員が本検討会の主査に選出された。
・ 事務局より、本検討会の趣旨及び検討会の公開の扱いについて説明が行われ、原案のとおり了承された。
・ 事務局より、本検討会の検討体制について説明が行われ、本検討会の下に木造校舎の構造設計標準に関する検討会ワーキンググループの設置が了承された。
・ 木造校舎の構造設計標準に関する検討会ワーキンググループの座長に荒木委員が選出された。
・ 事務局より、検討会のスケジュールについて説明が行われ、原案のとおり了承された。
・ 日向特別協力者より、「建築物における木材利用について」について説明が行われた。
・ 吉田特別協力者より、「木造建築物に関する近年の建築基準の改正」について説明が行われた。
・ 稲山委員より、「住宅用一般流通材を用いた中大規模木造建築の構造計画について」について説明が行われた。
・ 事務局より、「JIS A 3301 の改正に係る検討課題(案)」について説明が行われた後、委員等による自由討議が行われた。主な意見は以下の通り。
・ 建築基準法令の改正により、簡易な構造計算で建築可能な最高高さが16m まで拡大することを踏まえ、高さの変化に対応した耐力壁等の整備を行う必要があるのではないか。
・ JISA3301 がこの10 年間使われてきた中で、ユニットプランという形で使われてきたかというと、そうでもなさそうだという現状をお聞きしている。
・ 本JIS 規格の部分的な構造技術は、その他の大規模な木造建築の中で使われたりしていることから、木造校舎も含め中大規模、低層大規模の木造建築普及に寄与することができるかという視点でも、検討を進められればと思う。
・ この10 年で、中大規模の木造建築物の構造に関する要素技術が蓄積されてきている。その中に木造校舎にも活用できるものもあるのではないか。
・ 多くの意匠設計者は、新しい教育スタイルを自由に設計したいと考えていることから、ユニットプランというやり方は廃止して、プランを自由につくるときに必要となってくる高耐力壁やトラス等の構造要素を標準化するのがいいのではないか。
・ 「ユニットプラン」については、文部科学省が別に定める事例集等で、幾つかの設計事例を照会する方が参考となるのではないか。
・ 令和6年4月の建築基準法改正により、残存壁量への準耐力壁の算入が新たに認められたことから、垂れ壁式の準耐力壁みたいなものの追加も考えられるのではないか。
・ 本JIS 規格は、トラス接合部等の細かい仕様まで記載され、実験で性能が確認されていることから、構造設計者は使いやすい。
・ この10 年の防耐火関係の法改正を受けて、準耐火構造で建設できる木造の範囲が広がったことから、本JIS 規格の適用範囲を広げるかどうかについて議論すべきではないか。
・ 耐火構造にならないような敷地というのは、敷地も豊かで、新しい校舎を精力的にチャレンジしていくという意識が生まれてくると思う。ユニット方式をどのように捉え、新しい時代の学校施設づくりの汎用性を高めていくのかみたいなことの両方を考えていく必要があるのではないか。
・ 学校独自の木造ならではの良さをいろいろと引き出せるのではと思い参加した。
・ 低学年ほど床を使って何かを書いたり、子どもたちの手が触れるタイミングが結構あることから、それも含めて木造の価値だと思っている。
・ 長スパンの場合、金物を使わないとコストアップにつながることがあるので、一般流通品による金物工法についても検討していただきたい。
・ 学校校舎を本JIS 規格で設計する場合、令第46 条第2項に定める含水率15%以下が難点となる。含水率15%以下は、正角材は手に入るけど平角材は手に入らないことから、結局、柱にしか使えないということになり、それ以上の断面を使おうとすると必然的に集成材になってしまう。
・ 平角材の製材は6mまでが標準なので、それ以上のサイズは、大断面集成材となり地元のプレカット工場では難しい。
・ 「新しい学校の学び」として、特別教室を造るときや図書館を中心に特別教室を機能連携させると面積が大きくなるので、45 分準耐火構造まで対象範囲を広げてはどうか。
・ CLT を床材に使用すると、バルコニーが造りやすいことや、バルコニーによる日射遮蔽により教育環境が豊かになるなどメリットがある。床材にCLT やLVL 等の新しい製材も含めて議論してはどうか。
・ 新しい技術が進歩していることから、メンテナンス等を含めた最新の木造の知見を反映した実施設計者が使いやすいものにつなげられればと思う。
・ 学校の教室環境では、床の遮音が課題になっていることから、各所の知見をフィードバックすることにより、実施設計者に使いやすいものにつながっていくのかなと思う。
・ メンテナンスバルコニーのような形で、木造学校の外壁の塗装を子どもたちができるなど学校の活動に関わる部分がある。また、日射遮蔽とかの環境調整も有効であることから、バルコニーについても、検討していただきたい。
・ JIS で標準化するということと、まだできていない新しいことに対応するということは、ちょっと矛盾があることから、切り分けたほうが現実的ではないか。
・ 学校は大きいので、「その他木造」での設計は限られてくることから、準耐火構造まで拡大すると使いやすくなるのではないか。木造の準耐火構造(ロ準耐1号)における、室内側の耐火構造のディテールをJIS で規定すれば使いやすいのではないか。
・ 令和3年度の 「都市 (まち)の木造化推進法」の改正により、木造化の対象から耐火要件が外れ、コストや技術面で困難な場合を除き原則木造化する整理となっていることから、JIS適用範囲については、可能な限り法律と整合を図った方がよいのではないか。
・ 木造の官庁施設においては、CLT パネル工法で建設したものもあることから、在来軸組工法だけでなく、CLT パネル工法についても検討してはどうか。
・ 事務局より、林委員からの意見の読み上げが行われた。
・事務局より、今後のスケジュール等について説明が行われた。
以上