令和7年6月26日(木曜日) 15時00分~17時00分
文部科学省 旧庁舎4階 文教施設企画・防災部会議室(オンライン併用)
(委員)
荒木康弘、稲山正弘、大庭拓也、垣野義典、川原重明(WEB)、草野崇文、後藤章子(WEB)、長澤悟、林立也、堀場弘 (敬称略)
(特別協力者)
長谷川学、百瀬智史(WEB)、石毛史恵(WEB)、下野恵理子(WEB)、吉田優一朗(WEB)、深堀直人 (敬称略)
(大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課)
瀬戸課長、梅崎企画調整官、扇谷課長補佐
・荒木委員(ワーキンググループ主査)より、「JIS A 3301改正の方向性について」について、資料1-1~1-4に基づき説明が行われた。その後、委員等によるJIS A 3301改正の方向性について討論が行われた。主な意見は以下の通り。
・ユニットタイプについて、寸法を固定したタイプは減らし、寸法に幅を持たせて自由度を確保しようという方針と考えてよろしいか。
・そのとおり。
・Cタイプ中廊下型の中廊下寸法が4.45m以下と書かれているが、この数字の根拠を教えていただきたい。
・4.55mの間違いではないか。
・4.55mの間違い。現行JISのLy2は、4.55mが一番大きな数字で、それを設定している。
【事務局】
・事務局からの補足。
・現行JISで、中廊下寸法が4.55m、3.64m、2.73mの3種類設定されていた。4.55mはあまり使わないという議論もあったが、構造的に一番厳しいものだけ残しておけば、それ以下のものは対応できるため、一番大きな寸法を設定している。
・自由度という意味では、4.55mから大きめにしておくという選択肢があるのかお聞きしたい。参考事例に記載されている昭和学院小学校の校舎も、オープンスペースの空間を教室と同じぐらい広く取ってほしいという依頼がクライアントからあった。今後の学校のあるべき姿とリンクするのかもしれないので気になった。そういう意味では、Bタイプの2.73mの廊下寸法も、先生方の御意見をお聞きしたい。
【事務局】
・4.55mの根拠は調べてみないと分からないが、恐らく、国庫補助上の基準面積があり、補助できる最大面積が学校全体で決まっている。それを見つつ設定したのではないかと推察している。設計の自由度は、廊下寸法が大きいほど上がると思うが、その分、建設コストも上がる。国庫補助上の基準面積も勘案しつつ設定していく必要があると考える。
・構造的に無理がない制限まで広げておいて、あとは補助、コスト、使い勝手等に応じて、その範囲の中で調整するほうが自由度という観点からはいいのではないかと感じた。検討をお願いしたい。
【事務局】
・承知した。
・先ほど、寸法を固定してタイプを増やすのではなく、様々なタイプを内包する寸法で自由度を確保し、それが構造的に説明がつくなら、その方向がいいのではないかという考えを申しあげた。しかし、前回改訂時は、ある判断をして様々なタイプを示してJISを制定した経緯があると思うので、実際に構造設計をされている先生方はどのようなお考えか確認しておきたい。
・前回のJISをまとめたときは、耐力壁が面材タイプで15倍ぐらいでした。開口部に使える透過する3段の筋交い耐力壁が11倍ぐらい。耐力壁の桁行き方向が構造的に厳しい。そう考えたときに、奥行き方向を広げても、桁行き方向の耐力壁が増やせない。そのような理由で、4,550mmに設定していたと記憶している。
・その辺がクリアできれば、設定が可能か。
・今回の改正で、より高倍率の耐力壁を使うことができれば、もう少し中廊下を広げられると考える。
・空間の自由度が変わると設備設計も変わってくる。現状、建築と設備の担当者間で、空調の範囲等をそれぞれの計画において決めている。ユニットの自由度が変わることによって、その辺の考え方のルールも同時に整理していく必要があると考える。
・このJISが設計の全てを規定するものではなく、個々の状況に応じて、環境面での設計が個別的になされるということであれば、特に問題ないということでよいか。
・問題ないと考える。
・種類が少なくなったのは分かりやすくていいが、Cタイプで、昨今、廊下をオープンスペースとして利用したいと求められるケースが多い。
・中廊下がもう少し広くないとオープンスペースとはならない。もう少し大きい寸法が必要と考える。
・極端な話、8.19mくらいの寸法が欲しい。
・構造的には、Cタイプの中廊下を8.19mにしたときに、桁行き方向の耐力壁が、部屋の両側に1Pずつと真ん中に2Pある。それ以外の廊下との間を開口部とすると、それをベースに2階建ての1階の耐力壁の必要壁倍率が設定される。今年、新しく設定する予定の高性能耐力壁の目標壁倍率がそこから決まると考える。
・壁倍率との関係では、中廊下の4.55mはいい寸法ということか。
・前回のJIS改訂時の検討では、合板を張った耐力壁で15倍、開口的にも使える筋交い耐力壁が11倍以内という条件だと、2階建ての1階で4.55mぐらいまでが限度だった。耐力壁を増やせば対応可能だが、今までは開口部等には耐力壁を設けないルールで考えていた。Cタイプの中廊下の寸法を8.19mと決めていただければ、逆にそれに合わせて新しい耐力壁の開発の目標倍率を設定したい。
・今いろいろ頂いた意見を踏まえ、またJISの性格あるいは有効な活用方法ということに照らして、詳細はワーキンググループで検討するということでよろしいか。本検討会で結論を出すということではない、という理解でよいか。
【事務局】
・実際は構造計算をしないと分からない部分もあるため、日本建築学会にJIS原案制定の中で詳細を検討してもらうことになる。本検討会では、「Cタイプの中廊下寸法は拡大したタイプを設定する」、というような改訂の方向性を出して頂きたい。どこまで拡大できるかは、構造、コスト、建築計画、施工性等を総合的に勘案し、日本建築学会及び技術的資料の検討会の中で、今後検討することになると考える。
・計画論的にいうと、どういう規模の建物を想定するかにもよるが、2階建てとなると、1階の中廊下の寸法を広げるというようなプランニングでない工夫をしてほしいという個人的な思いはある。環境的な面も気になる。ただ、そういう判断はこの場には合わないので、幅の広い中廊下ということではなく、多様な活動の場、学習空間として活用する可能性を担保するため、中廊下の寸法を大きくする可能性について示しておくということでよろしいか。
・ユニット数を縮小するということは了解をしているが、部屋のスパンの大きい側でユニット種類を整理している為、部材断面は大きめになる懸念がある。
例えば2階の床伏図でG1が150×600に対して、部屋のスパンが小さい場合には150×540でも選択可能になる。実際、経済的に設計する場合、600mmは使わずに540mmで成立するなら540mmを選ぶし、480mmで成立するなら480mmを選択する。その点、発信していくときに少し注意が必要と考える。
【事務局】
・その点は事務局も認識しており、教室サイズを小さくつくると、もう少し部材が省力化できるところがあると考える。教室サイズを小さくつくる場合は、そういうことを検討して、適切にコストダウンを図る必要があることを、注意書きとしてしっかり記載していきたいと考える。
・コスト面も含めて総合的に検討してこのJIS案はできているということを、内容と併せて、ぜひ発信して頂きたい。
説明を聞いて、総合的な検討がワーキングでなされているという印象を受けた。
問いの立て方として、「トップライト型の屋根架構は、張弦トラスで設定すべきか」という、「設定すべきか」はどういう趣旨か。
【事務局】
・日本語が、分かりにくくて申し訳ない。
・トップライト型をつくるということが、前回の検討会で決まっていたが、屋根架構をどうするかということが決まっておらず、「張弦トラスが最も合理的か」という問いを立てた。
・勾配屋根について、太陽光パネルを置くのに合理的な寸法や勾配とかはあるか。JISとは直接関係のない話かもしれないがお聞きしたい。
【事務局】
・最近の木造校舎の屋根勾配を調べてみると、あまり4.5/10というものがない。近年、瓦屋根でつくっている事例があまりないため、コストダウンを図るためにもう少し屋根勾配を緩くできないかという問いを立てた。3/10が金属屋根では多いので、「3/10程度を標準として設定してはどうか」という事務局からの提案。太陽光発電設備については、先生方、適切な勾配はあるか。
・一般的には、南向き30度が、一番発電量が多いと言われおり、それほど矛盾していないと思う。勾配と向きが常にセットになって利いてくるので、どちらの方向を向いているのかにより、最適な勾配が変わる。
・JISは屋根の向きまで規定するものではないが、向きを意識して配置したときにも、無理のない勾配だということか。
・そのとおり。
・Dタイプは、現行JISが、Lx1そのままとLx1の2倍の2つ設けられており、見直し案もLx1が2つあるので、2プランとしている。戸境壁がなくなるだけなので、どちらか残せばいいのではないかと考える。これも1つにまとめていいのではないかと個人的に考えたが、先生方いかがか。
・2倍タイプは、真ん中に柱が建つ。Dタイプだと、DAは1本建ち、DBも1本建つ。DCになると2本柱が建つ。
・そのとおり。
・2倍タイプは、本来、ユニットを2つ結合したときの耐力壁、戸境の耐力壁がなくなり、その代わり大梁を支えるための柱が建つ。その柱が建つということの違いである。
・どちらかだけ設定してあればいいのではないかと考える。
【事務局】
・大きいユニットのサイズを設定して、「この寸法以下なら柱を抜くことが可能」、というような書き方なら可能と考える。
・1つに統合するということは、例えば、DBタイプでいうと、7.28m~18.2mとしておき、「9.1mまでは柱なしで可能だが、9.1mを超えると、Ly1とLy2との間のライン上に1本柱が必要である。」というような書き方をしておけば、恐らく統一的な書き方になると考える。
【事務局】
・「柱を建てたとしても18.2mまでが最大である」ということか。
・そのとおり。さらに大きくなると、耐力壁が足らなくなる。
【事務局】
・承知した。
・Dタイプの大部屋タイプは、採光面はどういう想定になるのか。どちらか一面採光になるのか。
【事務局】
・大部屋タイプは、たしか、一番端にしか設定できないと思う。
・そうすると、3面採光。
【事務局】
・そのとおり。
・他のタイプでも、教室面積が大きくなるので、採光面積を取ろうとしたときに、ぎりぎりになりそうな懸念がある。
・片側教室の場合、最大で何平米になるのか。
【事務局】
・大きい教室で、80㎡程度。
・採光面積が、教室面積の1/7必要だとすると、10㎡か11㎡が必要になってくる。外壁の耐震壁、間口寸法、開口部の高さ、ランドセル置き場等のインテリア等を考えると、採光面積は体感的に厳しい感じがする。
【事務局】
・採光面積は、事務局で細かく確認する。
・採光は、トップライトで取ってもいいのか。
・トップライトで取ってもいいが、1階の教室ではトップライトは取れない。
・教室面積が80㎡としたら、階高にもよるが。採光はぎりぎりな気がする。
・それについては、プランニングとして、採光が必要な部屋は、1階には配置しないとか、建物全体の設計の話になる。構造的には自由度を持たせておいた方がいいが、1階に大きな教室を置こうとすると、採光はしっかりチェックしないといけない。
・2のパースについて、建築基準法施行令で12m置きに小屋裏隔壁を設けるという規定があり、昔はトラス上弦材の上を小屋裏と説明して確認申請を通してもらえていたが、最近は完全に駄目になった。
【事務局】
・ご指摘の箇所は、準耐火構造の壁にしないといけないと思われるので修正する。
・12m置きに壁にしなければいけない。トラスを石膏ボードで覆わなければいけない。
・それは設計上重要な点だと思うので、修正をお願いする。
・今、開口部が非常に強調されている割に、掲示がほぼないような状態に見える。採光面積を増やすときに必ず掲示場所との戦いが出てきて、教室のオープン化も掲示との戦いが必ず話題になる。先生たちが見ると、掲示場所があまりないと指摘されそうな気がする。オープンな教室でも、掲示場所があるということを表現できているといいのではないか。
・そのとおり。木の骨組みを見せたいと思うと合わせうまく工夫して欲しい。
・照明は描かれているが、空調等をどう納めるかは、木の架構を見せるときに設計上のテーマになる。例えば昭和学院小学校は、すごく工夫をされている。
【事務局】
空調等も表現したい。
・配線・配管の収め方等も細かく言うと設計上は大事である。
・資料にイメージパースが示されているが、木造JISでは、このような雰囲気の空間がつくれるということを広く認識してもらう上で、非常に意義がある。
・イメージパースで、色々なバリエーションを示しているが、大教室タイプもうまく表現できたらいいと思う。柱が大空間の中に出てきても、空間の自由度が確保できていることを示すパースも追加できるとよい。
【事務局】
大教室タイプで、柱をうまく生かしたような空間を表現するパースを追加したい
・事務局より、「報告書(素案)」について、資料2に基づき説明が行われた。その後、委員等により報告書(素案)について討論が行われた。主な意見は以下の通り。
・木質化を進める意義として、学校をつくる目標、或いは、今日的な課題の所に、キーワードとして「ウェルビーイング」を明記するといいのではないか。また、「木材の活用」という観点では、学校建築の場合には木質化も非常に大事である。素案の中にすでに書かれているのかもしれないが、木造化することの意義や特色について記述する際に、木質化の意義やそれとの関りについてもふれると、JISの活用をして木造を実現しようとすることの積極的な意味がより伝わるのではないか。
・もう一つは、JISがより活用されるための推進方策について記載があるといいと思う。設計者・施工者等の経験不足や教育委員会・担当部局の知見不足などの現状の問題をどのように補っていくかという対策も重要である。近年の文教施設部の報告書は、目標や課題を示した後、それをいかに進め実現を図るかという、推進方策を書かれているので、この報告書にもその記述があるといいという印象をもった。
【事務局】
推進方策も記載したい。
・屋根勾配について、東北・北海道地域では、3.5/10勾配は緩いという印象になる。鶴岡市は、内陸部と違って雪の降り方が特殊。豪雪地域になると累積深が毎年4mを超えるため、4.5/10が標準勾配という感覚がある。
・3/10や3.5/10を基準というのは全国的に見れば当然だと思うが、多雪地域も勘案して欲しい。
・ただ、金属屋根に関しては同意する。無落雪で陸屋根を使うという学校の場合は、あまり気にしないのかもしれないが、木造の場合は庇を出して屋根を架ける形になる為、自然落雪の形をとる。雪止めをつけると雪止めから雨漏りを始めるから、なるべく自然落雪で雪止めをつけない計画になる。雪を落とす方向と落とす距離を計算して、除雪車に入ってもらうゾーニングを行う。
・積雪荷重の建築基準法の緩和規定等も利用しつつ、どのくらいの梁や柱寸法が必要になるかという内容も技術資料には記載して欲しい。
・技術資料に、きちんと記述をする方向で考えていただきたい。
・私もワーキンググループに参加しているため、大体のやり取りは把握している。先ほどの床梁の話は、スパンテーブルさえ用意しておけば済む話と思った。
・わからないのは柱の軸力で、柱の断面がこれでいいのかどうかは、ある程度グリッドを決めないと分からない。床梁はスパンとピッチさえ分かれば、ほぼ決まるので、そういうリストを用意すれば、ユニットプランに関係なく対応できる。トラスは、プランを決めれば断面が決まる。
あと、積雪量は、現在のJISでは一番大きいところは1.5mで4段階の設定。今回の改正でも、4段階設定する必要があると思っている。
・頂いたご意見も踏まえて、今後の検討を進めていきたい。
・垣野委員より、「木造校舎の木架構がオープンスペース活用に与える影響」について、参考資料3に基づき情報提供が行われた。主な意見は以下の通り。
・大変興味深い場面をいろいろ御紹介いただいた。
・使われ方が自然発生的な場合と、学校の中で使い方に対するルールがある場合と、設計者が使い方をある程度意図していてそれが伝えられている場合と、色々なバリエーションがあると思う。今回の調査では、基本的にクラスや先生が、自分たちで自分たちの領域に対して活動場所をつくっているというとケースが多いのか。
・そのとおり。木造は尺貫で、今見ていただいたように色々な寸法で柱が空間に落ちていて、柱が落ちてくることによって、誰に言われるともなく、先生方がそれを読み取り、自律的に動いているところが、木造の柱の面白いところだと考える。
・特に、建築家から「こういうふうに使ってほしい」という要望があったわけではないが、自然と「ああなった」という意味で、結構いいなと思っている。先生たちにとって、柱が空間を使うときのガイドになっているところがポイントである。
・現象の紹介はどれも面白かった。解釈については、さらに幅広く議論できる余地があると思われる。
・中で、柱が真ん中に出てきてもいい場面や説明もいただいたが、空間を構成する骨格となる構造体を考えるときに、その空間の中には基本的に柱がないというか、骨格をつくるところで議論することが基本となると考えられる。RC造の場合には、柱が出てくると非常に径も大きいので、柱のない空間で考える。一方、木造の場合は外側の骨格で考えないでいいところがあり、柱が自立して出てきても、それがむしろいろんな活動を生み出したり、場を用意したり、場をつくる手がかりになっているというところがある。スパンを考えるときの出発点を問い直す可能性もあるという点で、大変面白いし、RC造と木造の違いがあると感じる。
・発表の中で、多目的スペースとして8,000mmあるとガランとすると言われたが、それはスケールそのものではなく、場をつくるための家具とか、道具立てが何もなければ、結果としてそうなるということではないか。教育面、環境構成面でその広いスペースをどういうふうに活かせるかということと合わせて考えることが大事だと思う。
・しかし、木造の場合に柱が出てこざるを得ない状況に対し、それを言わば逆手にとって多様な空間を実現できている場面を、いろいろ伺えて大変面白かった。
・柱が出てこざるを得ないようなケースでも、むしろそれを積極的に生かせる可能性があるということを、技術資料でも図・写真等を使いながら示せるといいのではないか。
・今年度、林野庁補助事業で、学校校舎のJISに使える耐力壁を開発する予定。
・現行JISは、壁倍率が最大でも15倍で、もう少し耐力がないとオープンスペースを広げられないため、軸組工法で使える耐力壁を林野庁補助事業で開発していく。CLTは分厚くて取り回しが大変なものが多いが、ここでは、36mm厚の(昔からJパネルといっている)杉3層CLTを、軸組の中に真壁状に収めたCLT耐力壁を実験した。
・真壁状に120角の柱、梁の間に36mm厚CLTを落とし込んで、ビスで留める収まりになっている。予備試験で、耐力壁が水平力を受けたとき、壁を溝に入れてビスを打っている下部で割裂することが分かった。足元に関しても受け材を設けて留めれば問題ないことが分かり、その後本試験を実施した。1階は、基礎の上に土台を敷いて、その上に耐力壁を設置するが、2階以上になると、大梁の上に耐力壁が載る形になる。1階タイプと上階タイプの両方で実験を行ったところ、上階タイプは足元の梁でめり込みが起きる為、めり込みをビスで補強する仕様で実験を行った。
・結論からいうと、壁倍率換算で20倍相当の耐力壁が、36mm厚のCLTを使って可能であることが実験結果から得られた。この耐力壁を使えば、先ほどの中廊下型のオープンスペースや、大部屋タイプについて、入れる耐力壁の数等を極力減らしながら、開発できるのではないかと考えている。
・高性能の耐力壁を前提にすると、可能性が広がることになる。
・CLTを使った耐力壁だけではどうしても面の壁になるが、もう一つは、斜め格子の耐力壁で壁倍率15倍ぐらいのものがあるとよい。開口部やオープンスペースとの境で半分透過したような壁に使えるものも今回検討していく予定。
・あとは、今年の建築基準法の改正で、「準耐力壁」という柱と柱の間に垂れ壁や腰壁があるような壁も耐力壁にカウントできるよう位置づけられた。桁行方向がいつも構造的に厳しい。桁行方向の外壁で、両側の開口部を除いた真ん中の垂れ壁と腰壁がある部分も、準耐力壁として使えるものが開発できたらいいと考えていている。
・このCLT耐力壁は、住宅レベルの高さのため、今年度、階高4m弱ぐらいの高さの壁の検討を行う予定。
・今、補足していただいたが、空間の自由度を高めることのできる耐力壁や、一体感や視線が通る耐力壁も確保できるようになるとのこと。学校に求められる空間の特色に応じたJISになるという観点で、大変期待を持った。学校のスケールに対応するという課題があるということなので、いい結果を期待したい。