今後の国立大学法人等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議(令和6年度~)(第8回)議事録

1.日時

令和7年10月27日(月曜日)15時30分~17時30分

2.場所

オンライン会議(Zoomを用いて開催)

3.出席者

委員

西尾主査、伊香賀委員、上野委員、大村委員(代理:浅田部長)、金子委員、酒向委員、下條委員、高橋委員、恒川委員、鶴見委員、出口委員、土井委員、両角委員、山内委員、和田委員

4.議事要旨

【西尾主査】  皆さん、こんにちは。
 それでは、定刻となりましたので、ただいまから今後の国立大学法人等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議(第8回)を開催いたします。
 本日は、皆さんには本当にお忙しいところを御出席賜りまして、誠にありがとうございます。初めに、事務局からオンライン会議の注意事項の説明などをお願いいたします。
【木村文教施設調査分析官】  事務局を務めさせていただきます、文教施設企画・防災部計画課整備計画室で分析官をしております木村と申します。
 初めにウェブ会議の注意点を御説明いたします。
 音声が聞き取りづらい場合がありますので、御発言の際は、ゆっくりはっきりと御発言ください。発言時以外はマイクをミュートにしてください。
 御質問などありましたら、その場で発言の御希望があることが分かるよう挙手機能を御使用ください。挙手機能をオンにされた方に主査から指名していただきますので、御発言はその後でお願いいたします。
 また、本日は、木部委員、塩﨑委員が御欠席でいらっしゃいます。加えて、両角委員が御都合により、30分程度で御退出される予定です。また、下條委員が御都合により30分程度遅れて入室される予定です。なお、大村委員の代理として、愛知県政策企画局の浅田部長様に御出席いただいております。
 資料は事前にPDFでお送りしているものを画面共有しながら御説明いたします。配付資料の確認につきましては、各自、議事次第を御確認ください。
 事務局からは以上になります。
 それでは、西尾主査、議事の進行をよろしくお願いいたします。
【西尾主査】  ありがとうございます。
 それでは、これから議事に入ります。本日の議題は1つ目が、次期5か年計画の整備目標などについて。2つ目が、第6次国立大法人等施設整備5か年計画策定に向けた最終報告素案について。3つ目が、共創拠点の実装化、多様な財源の確保に向けた取組について。4つ目が、その他でございます。
 それでは、まず、初めに議題1、次期5か年計画の整備目標などについて事務局より御説明をお願いいたします。
【真保計画課整備計画室長】  ありがとうございます。整備計画室長の真保でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 私のほうから整備目標について、事務局からの資料を御説明させていただきます。こちらの資料については、前回の議論の継続ということで事務局としての案を作成させていただいたところでございます。資料番号166ページをお願いします。こちらは中間まとめの概要でございますが、前回の9月25日の会議におきまして、一番下の整備目標のところにあります面積をもとに御議論いただいたところでございます。中間まとめにおいては、面積の下限値、上限値を設けまして、幅がある形で、案としておまとめをいただきましたが、こちらについて御議論をいただいた上で、前回の御議論といたしましては、上限値をベースにさらに議論を深めていくという方向性が共有されたと理解しております。今回は面積に加えまして、所要額の試算を併せてお出しいたしまして、御議論いただければと思っております。
 通し番号の3ページをお願いします。こちらは整備目標の基本的な考え方について、中間まとめの言葉を抜粋する形でまとめさせていただいてございます。まず、1つ目でございますが、国立大学法人等の施設について、3行目のところですが、計画的・重点的な整備を推進するということのみならず、共創拠点の実装化、地域の防災拠点の実現に向け、その必要性について、広く理解を得ることが重要であるということを記載しております。また、次期5か年計画期間においては、共創拠点や防災拠点として十分な機能を持ち、質の高く、魅力的に安全な教育研究環境の確保と、その一層の高度化に向けて整備を推進することが必要であるということも記載してございます。加えて、最後の丸でございますが、この後、所要額の試算をお出しいたしますけれども、国立大学法人等全体として、今後必要となる整備量の大枠を把握するための一定の仮定に基づいた試算であることについて御理解をいただきたいと思います。こちらは中間まとめと同様の理解に基づくものになります。具体的な整備内容については、国立大学法人等全体の状況に応じて行われるものでございますので、必ずしも全ての施設において試算の内容通りに改修をしなければいけないということではないということについても確認をした上で、以下、試算について御説明を申し上げたいと思います。
 1つ目が老朽改善整備でございます。こちら、前回の議論を踏まえて整備目標の考え方を改めて確認をさせていただければと思っております。1つ目の丸については、戦略的リノベーション、または性能維持改修による老朽改善を基本として行っていくということ。2つ目の丸は、次期5か年計画開始時点に存在する老朽施設、ここでいう老朽施設は建築後25年以上改善が行われていない施設、また、改修したものの場合は改修後25年以上改善が行われていない施設について、老朽施設と便宜的に定義をさせていただいてございますが、こうした老朽施設については、当該計画期間中におおむね老朽改善整備を行うということ。次のマルは、戦略的リノベーションによる改修が困難な経年45年以上の老朽施設については改築を検討しましょうということ。次の丸は、総量の最適化の観点から、経年45年以上の老朽施設について一定割合については、取壊しを見込みましょうということ。最後の丸は、次期5か年計画期間中に老朽施設となるもの、目安としては経年25年を迎えるものということですけれども、このようなものについては、性能維持改修を行っていきましょうという方向性が確認をされたものと理解をしております。
 次のページをお願いします。それに従いまして、老朽改善整備の面積と金額を試算させていただいたものでございます。資料の上部に整備目標の面積、金額が書いておりますが、こちらの中で性能維持改修については、2つの試算を設けてございます。前回の会議において、性能維持改修の面積が今次の計画の実績値に比してかなり膨大でないか、これが本当に実現できるかということについても、論点を提示させていただいて、御議論いただいたところでございますが、2つの案については、それを踏まえて提示させていただいたものになります。整備内容でございますが、経年45年以上については、いずれの案を取った場合についても変わらず、丸1の未改修施設については全て大規模改修を行うこととし、試算上は、うち8割を大規模改修とし、うち1割を改築、うち1割を取壊しということにしております。丸2の経年45年以上の部分改修済施設については、部分改修の度合いに応じて、全ての施設にそれぞれ小規模から大規模の改修を行っていこうということで試算をさせていただいてございます。こちらについてもうち8割を改修、うち1割を改築、うち1割は取壊しということで試算をさせていただいてございます。
 丸3の経年45年以上かつ大規模改修後25年以上を経過した施設については、全て性能維持改修を行うということで試算をしております。丸4の経年35年以上45年未満の施設でございますけれども、こちらは未改修施設のうち、物理的な性能を維持するために至急対応が必要な施設の1割に性能維持改修を行うことで試算をさせていただいてございます。経年35年未満については、こちらは冒頭に申し上げたように、2つの案を提示させていただきます。
 1つ目の案、丸5-1の加速化整備案については、前回会議でお示しした内容を踏襲し、次期計画期間中に老朽施設となる経年20年から24年の未改修施設を含めまして、経年35年までの未改修施設を全て5年間で性能維持改修しようとするものです。概算の面積としては432万平米になります。2つ目の案、丸5-2の段階的整備案については、加速化整備案が今後5年間で全て改修をしましょうというものに対して、この期間を10年間まで延ばしまして、第6次、第7次の計画期間で5割ずつ改修をしていこうというものでございます。10年間ということになりますので、10年後に老朽施設になる経年15年以上の未改修施設を整備の対象に含めておりますが、これを10年間で5割ずつ施行していくということで試算をいたしますと、概算の面積は282万平米になります。
 これを全部足し上げましたところ、老朽改善施設について、加速化整備案を取る場合は概算の面積が779万平米、所要額が9,799億。段階的整備案を取る場合は同じく629万平米、8,598億円という形で試算をしております。次のページ以降が、加速化整備案、段階的整備案、それぞれを採った場合のグラフをお示ししたものでございます。右側から経年5年ごとに棒グラフでそれぞれの面積を記載させていただいてございます。右側から5番目から7番目までのゾーン、こちらが築20年から34年までのゾーンでございますが、こちらのピンク色の部分、加速化整備案では、全て性能維持改修をしていこうとするものでございます。
 次のページお願いします。段階的整備案については、右側から4番目の棒から7番目までの棒、こちらが15年から34年までのゾーンでございますが、こちらの未改修施設について、性能維持改修を2回の計画期間をかけて2分の1ずつ行っていこうということでございます。具体的には青と白で斜線に掛けている部分について、次の次の計画期間に後ろ倒しすることも考えられるのではないかという案でございます。いずれの案を取る場合にいたしましても、経年45年以上のゾーンにある古い建物については、しっかりと大規模改修を行うことについて変わりません。
 次のページをお願いします。このような試算をしていった場合に、老朽化率がどこまで改善されるかということについても申し上げておきたいと思います。こちらの表の一番下の部分は、次期計画期間終了時の老朽化率を示したものでございます。こちらには書けてございませんが、次期計画期間開始時点における老朽化率は32.5%と試算してございます。こちらを性能維持改修の加速化整備案を採用した場合に、想定通り施工できた場合という条件がつきますが、どこまで老朽化率が下がるかということで試算をいたしますと、これが10.7%まで下がるという試算が出てございます。段階的整備案を採用した場合においても、老朽化率が16.7%まで減少するという試算が出ております。実現可能性や施工量、こういったことも考慮いたしますと、段階的整備案を取った場合においても、相当程度老朽化率が減少してくるというシミュレーションがありますので、現時点においては、事務局で検討した限りですけれども、段階的整備案をとることも、むしろ合理的ではないかと考えております。この点については、委員の皆様に本日、御議論をいただきたいと思っているところです。
 次のページは性能維持改修の促進策についてまとめたものです。資料の上半分にこれまでの経緯をまとめてございます。第5次5か年計画や今回の中間まとめでは、国が投資するべき部分は、資産形成をなす大規模改修やライフラインの更新を重点的に行うということの記載がございます。資料の下半分では、このような経緯を踏まえ、性能維持改修を促進していくために考えられる方策を記載しております。性能維持改修推進の方策の中の1つ目の括弧、国立大学法人等の取組ですが、現在においても行っていただいている大学が多いと思いますけれども、各大学にある施設に係る総合的かつ中長期的な計画を、長寿命化のライフサイクルへ転換を念頭に置いて再構築をしていただく。その実現に向けた整備手法として、性能維持改修を明確に位置づけていただく。これによって、各法人の人的資源や予算の一部を性能維持改修へ充当していく、こういったことが考えられると思います。
 国の取組といたしましても、当面の間を施設整備費補助金において性能維持改修に充当できる長寿命化促進事業を拡充していくこと、各大学の参考になるように、他分野の施設まで範囲を広げて事例を調査し、その結果を周知していくということ、各大学の状況のフォローアップを行うなどして、その結果に応じてインセンティブを講じるなど、各法人の取組の加速を図ることが考えられると思っております。
 次のページは、ライフラインの更新についての試算になりますけれども、こちらは前回の議論における上限値の考え方をそのまま踏襲する形で試算を行ってございます。その結果といたしまして、配管配線は2,176キロ、設備機器は3,496台、所要額は1,843億円という試算になってございます。
 次のページが新増築整備の試算でございます。こちらは「中間まとめ」と同様に15万平米という形で試算をしてございまして、所要額は780億円ということで試算をさせていただいておりますが、資料の中段「整備目標の主な考え方」の一番下、3つ目の丸でございますけれども、こちら、次期計画期間中において、国立大学法人等全体として保有面積を増加させないよう留意するということを追記させていただいてございます。これは、現時点での私どもの実態調査の結果といたしまして、国立大学が現在保有している施設の総保有面積と必要面積がほぼ同じ数値まで近づいてきているという点を踏まえたものです。各大学のミッションや機能強化という方向性によって施設の総面積が増える、減るといった部分は大学によって違う部分はあると思いますけれども、全体としては、保有面積をこれ以上増加させないということに留意することが必要であると思いますので、この点について記載をさせていただいたものでございます。
 次のページが附属病院整備でございます。附属病院整備については、中間まとめにおいて20万平米という試算であったところ、こちらを25万平米まで増加をさせていただいてございます。附属病院整備については、各大学からのヒアリングなどを基に面積を積み上げているということでございますけれども、丸の3つ目と4つ目について、現在においては、再開発整備がおおむね一巡した状況にあるということではあるものの、現下の附属病院の経営状況を注視し、国の議論を踏まえつつ、整備面積については、今後の新たな計画等に応じて柔軟に対応するということ。また、附属病院の経営が厳しさを増しているという中で新たな再開発整備を行うことが難しい、また、整備中の再開発事業を一時中断すると、そういった状況も生まれていることにも十分に留意する必要があるということを記載させていただいてございます。
 次のページをお願いします。以上を踏まえて、最後、合計の試算でございますけれども、一番下の行が、これまで説明したものを全て足し上げていった金額になります。こちら性能維持改修の加速化整備案を取った場合は、整備目標の面積が全体で818万平方メートル、試算額が1兆4,542億円、性能維持改修において、段階的整備案を取った場合は、整備目標の面積が668万平方メートル、試算額が1兆3,341億円ということになってございます。いずれの案を取る場合にいたしましても、これは多様な財源を含む試算額ということにはなりますが、かなり思い切った金額の試算になっているということが言えると思います。重ねて申し上げたとおり、実効性などを考えた場合に事務方としては現在のところ、段階的整備案をとることも合理的ではないかと思っているところではありますけれども、そういったことも含め、委員の皆様に本日は御議論いただければと思っているところでございます。長くなりましたが、説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【西尾主査】  どうも説明ありがとうございました。御質問、御意見をいただく時間ですが、両角先生が30分程度で御退出と伺っております。この段階で何か御意見等ございませんでしょうか。
【両角委員】  ありがとうございます。意見というか、よく理解できていないので質問させてください。加速化整備案と段階的整備案ということで、面積や金額のところだけを見ると、段階的整備案も合理的ではないかという説明は理解できなくもないのですが、ただ、それによる中身というか、どういうところにどんな影響が及ぶのかという違いがよく分からないので、どちらがいいかというところの判断がなかなかつきかねるので、その辺りをもう少し説明していただけたらなと思いました。よろしくお願いします。
【西尾主査】  多分、委員の方々も両角先生と同じ質問をなさりたいのではないかと思っておりますが、事務局どうかよろしくお願いいたします。
【真保計画課整備計画室長】  ありがとうございます。性能維持改修の段階的整備案のグラフをお示ししたものでございますけれども、一番大事なところは経年45年以上を超える老朽化してしまったものを早急に大規模改修しなければいけない。または、場合によっては改築、取壊しをしなければいけないというところだと思っております。こちらについては、いずれの案をとっても、しっかりと大規模改修、改築、取壊しを行っていくということで試算をさせていただいてございます。
 性能維持改修において、案を変えた場合にどういう影響が出るかということでございますけれども、性能維持改修をすることで、施設を長期間使っていくことができるということが最大のメリットだと思っております。そういった意味では、性能維持改修について、段階的整備案をとることによって、長寿命化のライフサイクルへの転換が少し遅れていくということが言えるとは思っておりますが、こちらのグラフにある斜線のある部分を次々期計画に遅らせていったとしても、クリティカルな影響が出るとまでは言えない。段階的に長寿命化ライフサイクルへの転換を行っていくということで説明がつくのではないかと考えまして、この案をお出しさせていただいているということでございます。
 すみません、うまい説明になっているか分からないですけれども、取りあえずの回答としては以上になります。
【西尾主査】  両角先生も皆様も、加速化整備案の方が、今、説明いただいたことも含めて、多分、望ましいとお考えだと思いますが、なぜここで段階的整備ということを考えるのかといったあたりを皆様がお知りになりたいのではないかと思います。財政的になかなか実現が難しいので、段階的整備案を考えるということでしょうか。
【真保計画課整備計画室長】  もちろん財政的な部分についても検討するべきところではあると思いますけれども、一番は今次のフォローアップにおいて、性能維持改修の実績値があまり上がっていないということがございます。そういったことから、202万平米という実績の推計値が出ておるところでございますけれども、こういったことも踏まえれば、なかなか539万平米の目標値を立てていくということは、少しフィージビリティが薄くなっていくのかなということは考慮したところでございます。
【西尾主査】  両角先生、いかがですか。
【両角委員】  そうですね、なかなか判断が難しいですけど、そういう大規模に長期間使っていけるようにするというようなことをやってほしいというメッセージのようなこともあるのかなと理解しました。ただ、本当どちらの案にしてもかなりの費用を要することなので、最初に書いてあったように、社会の理解を得ていくということが、どちらにしても不可欠なのかなということも今改めて思いました。ありがとうございます。
【西尾主査】  ありがとうございます。今まで実績値が伴っていないという中で、あえて加速化整備案というのを提起した場合、実現可能性を財政当局から問いただしてこられるということに関しての一つの対応策でもあるとはいえるかもしれません。両角先生、どうもありがとうございました。
【両角委員】  ありがとうございます。
【西尾主査】  皆様、どうぞ御意見、御質問いただければと思います。いかがでしょうか。恒川先生、どうぞ。
【恒川委員】  ありがとうございます。今の話に関連しますが、「25年以上たったものは改修する」というメッセージからすると、この段階的整備案では25年たったものが積み残しになるので、目標としておかしい気がします。
 それと、今のお話の中の「お金が足りないのではないか」という点ですが、9ページのところに実績値のことが書いてあります。学校関連契約の実績は、先ほどあったように200万平米で36%ですが、それ以上に重要なのは、その後の施設整備費補助金による実績は86万平米、15%にすぎないということだと思います。仮に段階的整備案だとしても、389万平米の目標値というのは2倍近くになるわけで、86万平米の3倍、4倍になってくるということです。前回もお話ししたことですが、ほとんどの性能維持改修は施設整備費補助金ではできていない。つまり、自己財源を含む多様な財源に期待しているということだと思いますが、何度も指摘しているように、寄附等の外部からの資金、つまり多様な財源の多くは新築に回っていて、空調や防水といった性能維持改修に外部資金を充てるというのは、これからも難しいのではないかと思います。
 その時に、各大学とも財政的に厳しい中で「自己財源を性能維持改修に回せ」というメッセージだと思いますが、それは大変難しいのではないかと思います。段階的整備案でも5年で約3,100億円ですから、1年当たり約600億円を各大学が負担するということは、なかなか考えにくいのではないかと思います。そうすると、施設整備費補助金に期待せざるを得ませんが、その下のほうに「長寿命化促進事業を拡充する」と書いてあります。これはどの程度増やすのか、目標達成するためには相当それを増やしていただかないと難しいと思いますが、そのメッセージなくして、なかなか性能維持改修を各大学に委ねるのは難しいと思います。この辺り、「当面の間」というようなことも書いてありますけれども、長寿命化促進事業の拡充をどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいです。
【西尾主査】  重要な御質問かと思います。いかがでしょうか。
【真保計画課整備計画室長】  ありがとうございます。まず、経年25年以上たったものは改修をするということで前回、御議論をいただいて、一定程度、方向性を共有したということで理解をしています。段階的整備案では、積み残しが生じることは承知しているものの、これ自体は長寿命化のライフサイクルへの転換を進めていくという方針を変えるわけではなく、これを段階的に行うということになりますので、そのような形で御理解をいただくことになるのかなと思います。また、長寿命化促進事業の部分でございますけれども、額をどこまで増やすかということについては、今後検討が必要になってくるところではございますが、施設整備費補助金における整備実績が低いということも含めて、これはしっかりと増額できるように、事務方においても検討してまいりたいと思っているところです。
【西尾主査】  恒川先生、いかがですか。
【恒川委員】  なかなか文面にしにくいとは思いますけど、できるだけメッセージが伝わるようにしていただければと思います。
【西尾主査】  そうしましたら、伊香賀先生、いかがですか。
【伊香賀委員】  ありがとうございます。カーボンニュートラル対応については、この後また出てくるとは思いますが、結局、既存の施設の性能維持という言葉からいうと、これに加えてカーボンニュートラル対応を同時に、改修工事をするときに予算化しておかないといけない種類のものだと思いますが、今回のこのページの整理としては、まず、性能維持改修工事の予算額を示した上で、後で出てくるカーボンニュートラル対応の性能向上の予算の上乗せというのは別に確保するということでよろしいんでしょうか。
【西尾主査】  事務局、いかがでしょうか。
【真保計画課整備計画室長】  ありがとうございます。今御説明をさせていただいているのは大枠としての大規模改修、または性能維持改修も含めたものの整備面積、所要額試算になりまして、カーボンニュートラルに関しては、この後、素案の中で一部説明をさせていただければと思っておりました。実態といたしましては、機能強化の事業を施設整備費補助金の中で行っていく中で、カーボンニュートラルの促進事業についても実際に行っているところでございますので、次期5か年計画期間中においても、そういった手当をする中でカーボンニュートラルの促進についても進めていきたいと思っているところでございます。
【伊香賀委員】  分かりました。
【西尾主査】  今回の論点として、ある程度の方向性について皆様とコンセンサスを得ておかなければならないことは、加速化整備案にするのか段階的整備案にするのか、ということです。そのことが非常に重要だと思っています。和田先生、どうぞ。
【和田委員】  ありがとうございます。これまでの議論で面積というところが一つの議論だったと思います。今回、そこに金額というところが出てきた、これで変数が2つになったと思います。その中で、もう一つ、仮にあるとすると、機能面というところがあるのではないかと思います。その中で、附属病院というのがここでは項目として別扱いになっていると思われます。したがって、例えば機能的に見れば、附属学校園のような機能もございますし、同じ年数であっても、機能的に使えなくなるということもあるかと思います。この機能というところは今後どのようにここに組み込まれていくのかというところを一つ確認しておきたいと思います。
 西尾先生の直接の答えではないですけれども。
【西尾主査】  もう一つの軸があるのではないかということですが、事務局、どうでしょうか。
【真保計画課整備計画室長】  ありがとうございます。性能維持改修という整備手法については、基本的には物理的な性能を維持するということになりますが、大規模改修については、それにとどまらない全体的な改修ということになりますので、機能強化もセットになってくるということだろうと思っております。
 御指摘のございました附属学校園については、現状において、この後御説明をいたします素案にも言及がほぼないというところでございますので、御指摘を踏まえて、どのような記載ができるかということも検討してみたいと思います。以上でございます。
【和田委員】  ありがとうございます。よろしくお願いします。先ほどの加速なのかどうかというところに関してです。先ほどの両角先生の御意見とも重なりますけども、その間で何が変わってくるのか、少し具体的なところがあると、議論がしやすいのかなと思います。それは我々の希望からすると、やはりここは加速をしていただくというのは非常にありがたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございます。
【西尾主査】  まさにおっしゃるとおりかと思います。
 ほかに意見はございますか。山内委員、どうぞ。
【山内委員】  山内でございます。産業界として、地域で人材育成や産学連携、これから稼ぐ力を増やすということを考えると、大学や高専といった教育機関の施設は極めて大事だと思っております。今、必要となる整備量について、現実的な話から段階的整備案が出てきているのかもしれませんが、本当に必要なものであれば、ライフラインや防災は非常に重要ですので、しっかりと対応していく必要があると思います。
 加速的にやっていくという話につきましても、何のために必要なのかしっかり説明するということが非常に大事だと思います。大学の施設が、地域経済や企業活動の拠点として、人材の供給拠点としてどう寄与しているのか、実績や共同研究、社会連携の状況等、できる限り定量的なデータや指標を可視化するなど、エビデンスを明確にした形で目標設定をすれば、予算の拡充が必要だということについて、財政当局の理解も得やすくなるのではないかと思います。
 施設整備費補助金について、我々産業界とすると、整備目標や大学施設の重要性が分かれば、外部資金や寄附、民間の支援も呼び込みやすくなると思いますが、これまでの議論を伺って、これが非常に難しいという現状も分かりました。予算の増額については、整備をした上で納得性がうまく高まれば、皆様が期待されている加速的にやっていくところの予算というものもあるかと思っています。また、物価上昇もしていますので、資材等の高騰も考慮のうえ、整備計画を組んでいただくようにお願いしたいと思います。
【西尾主査】  貴重な御意見をどうもありがとうございました。上野先生、どうぞ。
【上野委員】  上野でございます。私も加速化の方にかじを切る方がいいと思っております。理由としては、今回、次期5か年計画のお話をしているわけですけども、今動いている5か年計画、あるいはその前の5か年計画から老朽改善整備というのは問題になっていたわけで、そこで予算があまりつかなかったということもあって、その結果が今まで引きずられてきているのではないかと思います。ここである程度、大きなお金を財政当局にお願いして解決すべきではないかと思います。今、大学への風当たりが強い部分もあると思いますが、大学の数が多すぎるのではないかとか様々な問題が起きていますけども、国立大学が果たしていく役割というのは非常に社会的に大きいと思います。その部分の最低限基本的な環境を整えない限りは、大きな研究成果、教育成果というのは生まれてこないのではないかと思います。
 それで、企業の皆さんや自治体の皆さんに支援をお願いするということもあると思いますけれども、まずは国が率先して、こういった環境の整備、性能維持改修だけではなく、戦略的リノベーションによって大学が変わっていくんだということを社会に発信していかない限りは協力がなかなか難しいのではないかと思います。ぜひその辺りを文科省の施設整備部署だけではなく、高等教育局等ほかの全体も含めて、教育環境に関する予算を確実に確保していっていただきたいと思います。
 以上です。どうもありがとうございました。
【西尾主査】  ほかに御意見はありますでしょうか。金子先生、どうぞ。
【金子委員】  長寿命化に関して、大規模改修ではなく性能維持改修を行う場合の経済的な試算が出てきましたが、経済的な意味がもう少し分かるように説明されると良いと思います。次の5年間だけではなく、最終的に大規模改修が起こると思いますが、そのライフサイクル全体で長寿命化した場合のコストが将来どうなるかについてももう少しインプリケーションがあると良いと思います。
 また、物価は今後5年、10年で上がっていくだろうと予想されるなか、現在も改修のコストが上がっている状態です。将来の見通しを踏まえ、どのタイミングでどのような改修や機能維持を行うかといったところにも影響があると思うので、長寿命化してライフサイクル全体で見ることの意味をもう少し分かりやすく説明があると、合理的な判断の助けになるのではないかと思います。
【西尾主査】  ありがとうございます。多分、委員の皆様としては、今、金子先生がおっしゃられたところが、なかなかすっきりと腑に落ちる形での御説明がされてないということかと思います。委員会としては、今までの御意見を踏まえると、今、金子先生もおっしゃっていただいた意味で、今後の物価上昇等も考えると、事務局には加速化整備案をぜひともお願いしたいということでよろしいでしょうか。皆様、今申し上げた方向性に対して御反対などの御意見はございますか。あるいは、事務局から追加の御説明などはありますでしょうか。いかがですか。
【真保計画課整備計画室長】  主査、よろしゅうございますでしょうか。
【西尾主査】  はい。
【真保計画課整備計画室長】  今、金子委員からも御指摘ございましたけれども、大規模改修、長寿命化したときにどのように変わってくるのかということについては、これは中間まとめの御議論の際から共通了解があったところとは思いますけれども、長寿命化のライフサイクルへ転換していくところによって、施設のトータルコストの削減、平準化を図っていくということが一つの大きな目標として挙げられているところだと思いますし、こうしたことは中間まとめにも記載をいただいているところであると思います。ですので、そういったところでの転換が必要になってくる際に性能維持改修を進めていくということで、どう進めていくかというときに、少し先送りになる部分はあるけれども、実現可能性の高い案を提示していこうということでお示しをしたものでございます。
 性能維持改修について、加速化整備案をとるということであれば、現状の実績値に比して、では、それを実現していくためにどういう方策が必要なのか。これは単に予算ということだけではなくて、大学における施設部の職員の人数、または業界の人手、そういったことも踏まえて実現可能性がどこまであるのか、それを実現するためにはどういう手段が必要か、こういったことも含めて考えていく必要があるのかなと思っているというところでございまして、なかなか現状においては、加速化整備案をとることの実現可能性が十分に見いだせなかったというところもあり、段階的整備案の方がむしろ合理的ではないかということで御説明をさせていただいたところでございました。
 以上になります。
【西尾主査】  今、説明いただいたところではありますが、先ほど来、話題に出ていますように、今、文教施設関係の整備が十分になされていない状況の中で、上野先生もおっしゃったように、やはり、加速化整備案ということをこの委員会として、きっちりと打ち出していくという方向で向かいたいと思いますが、何か御意見等はございませんか。
上野先生、どうぞ。
【上野委員】  今の段階的整備案にせざるを得ない理由が、施設課職員が少ないとか、技術的に難しいとかというのは、私は何かちょっと違うのではないかと思いました。人員が足りないのであれば、それに対してどういう手だてをすればいいか、それに対してどのぐらいのお金がかかるのかというようなことを示した上で言っていただかないと。私も大学にいて、施設課職員の方々の、随分昔に比べると現場に関わる時間が少なくなったとか、そういうことはあると思いますが、だとしても、例えば民間企業との連携を図るとか、そういった形で進めていくことはできると思います。
 防衛省が、予算がすごく多くなって、5年間で4兆円の施設整備費が付いてあっぷあっぷしているということも一方では聞いてもいますけども、それに対しても様々な企業が協力しながら進めていこうという方向に動いているとも聞いています。ですから、ただ単に人員が足りないということで段階的整備案が合理的だというのは少し違うのではないかと感じました。以上です。
【西尾主査】  どうも貴重な御意見ありがとうございました。ほかに何か御意見ございますか。それでは、この委員会としては加速化整備案という方向性で考えてほしいということで、一つの結論にいたしたいと思います。どうもありがとうございました。
 次が議題2でございます。第6次国立大学法人等施設整備5か年計画策定に向けた最終報告素案について事務局より説明をお願いいたします。
【真保計画課整備計画室長】  続けて事務局から説明をさせていただきます。
 最終報告の素案でございますけれども、こちらについては、中間まとめの構成をそのままに、7月、9月の会議で提示しました論点、また、先生方からいただきました御意見を中心に内容の追記修正を行いまして、素案として御提示をさせていただくものでございます。
 こちらの目次については、中間まとめの内容を踏襲しており、構成は基本的に変えておりません。
 次のページをお願いします。こちら前回も御議論いただきましたけれども、中間まとめにおいては、大学共同利用機関に関する内容が記載されておりませんでしたので、第4章に、大学共同利用機関の機能強化について追記させていただいてございます。加えまして、第6章でございますけれども、こちらは提言という形で、第1章から第5章までの内容を踏まえ、国が取り組むべき事項、国立大学法人等が取り組むべき事項、地方公共団体や産業界に対する期待を、第1章から第5章までの記載をブレークダウンする形で記載をさせていただいているところでございます。
 早速、第1章でございますが、こちらについては、関連の高等教育をはじめとする答申や報告書などを踏まえまして、国立大学法人等を取り巻く状況、役割、方向性といったものを記載させていただいているところでございます。追記修正をしたところを中心にこれから御説明をさせていただきます。通し番号の19ページでございますが、スタートアップ・産学連携の項目について追記をさせていただいてございます。我が国の開廃業率が低い水準で推移しているということや、国立大学法人等においてもスタートアップに対する事業化支援などの割合が依然として少なく、これを改善していくことが求められているといったことや、各地域における大学、高専等を中心とした産業人材育成の取組を促進していく、こういったことについても言及をさせていただいているところでございます。
 次の通し番号20ページでございますけれども、経済安全保障との関連で、研究セキュリティや研究インテグリティの確保に係る取組の高度化が求められていること、また、経済環境の変化による物価上昇について、運営費交付金と並びまして、施設整備費補助金等の基盤的経費を着実に確保していくことが強く求められているということについて記載をさせていただいております。
 次の21ページでございますけれども、こちら、国立大学法人等の役割の中でございますけれども、大学共同利用機関や共同利用・共同研究拠点の重要性について記載を追記させていただいているところでございます。
 続いて、23ページになりますけれども、こちら、国立大学法人等の方向性ということでございまして、こちらで官民連携による研究力の維持強化、また、高度な研究マネジメントの体制構築の必要性、こういったことについて記載をさせていただいてございます。その下、社会経済情勢の変容への対応というところで、一番下の丸にありますけれども、国立大学についても、18歳人口が減少する中において、日本人学部学生への規模の縮小が避けられないと。その中でも、教育の質を持続的に確保していくために、現在の学部の規模、組織の在り方についても機能強化の方向性などに沿って見直しを図っていく必要があるということ。加えまして、それぞれの法人のミッション実現の一方策として、統合・連携が有効な選択肢になると考えられる、こういったことについて記載をさせていただいてございます。
 続いて、25ページでございますけれども、附属病院のことについても追記をさせていただいてございます。附属病院が地域医療構想の実現に向けた地域全体での取組に関して、地域の実情も踏まえつつ、地域貢献の在り方について検討し、組織的かつ主体的に取り組む必要があることについても言及をさせていただいております。
 続いて、第2章ですけれども、こちらが第1章の内容を踏まえて、施設に求められる役割と方向性を記載している章でございます。こちら、1ポツについては、これまで本委員会で取りまとめていただいた、いわゆる第一次報告書、第二次報告書の取組の内容のポイントなどを記載させていただいておりますので、中間まとめから内容の変更はございません。2ポツで、それ以外の近年の状況を踏まえた方向性ということで、施設に関する内容を記載している部分については修正を加えております。
 通し番号の30ページをお願いします。こちらについては、本年の8月末に高等教育行政の有識者会議の中でおまとめいただいた、国立大学法人等の「改革の方針」という報告書の記載を引用、抜粋する形でまとめさせていただいているところでございます。国立大学法人等の施設についても、現有施設の機能や用途を前提に更新を行うのではなく、施設のアロケーションの最適化を図った上で、世界や地域のニーズに対応する形で再生するということが求められること。また、少子化が進展する中において、今後想定される大学院への収容定員のシフト、機能面を含めた大学間の再編統合、連携等の動きに対応した施設面の整備・運営の工夫が求められることについて言及をさせていただいております。そのほか、研究力の強化、また、地域イノベーションの推進、次にカーボンニュートラル達成に向けた新しい技術、例えばペロブスカイト太陽電池といったところの動向についても注視をする必要があるということ、また、自然災害、スタートアップ、こういったことについても、施設の方向性として言及をさせていただいているところです。
 第3章については、今次5か年計画のフォローアップに関する章になります。こちらは中間まとめからのデータの更新が主とはなりますが、追記修正をした部分を簡単に御説明いたしますと、通し番号の37ページでございますけれども、こちらについては、老朽改善整備に関する評価をしている記載について追記を加えたところでございますが、全体として十分とは言えない整備状況になることが見込まれるという記載がございましたところ、その後に、今次計画の開始時点では想定できなかった急激な物価高騰、建築コストの高騰なども整備目標の進捗に影響を及ぼしたということについて記載をさせていただいてございます。
 続いて、39ページでございますけれども、附属病院整備の部分で、中間まとめでは整備実績の進捗率のみを記載をしておりましたが、こちらに加えまして、近年の経営状況なども踏まえつつ、整備実績のみをもって順調な進捗があると判断するのではなく、緊急かつ重要な整備が先送りされていないかなど、整備状況の把握に努めることが重要であると考えられる旨、記載をさせていただいてございます。
 続きまして、第4章でございます。こちら通し番号の53ページ以降になりますけれども、こちらについては、第1章から第3章の内容を踏まえまして、共創拠点の実装化に向けた課題と方向性を整理している章でございます。丸1の共創拠点の実装化に向けた課題という部分では、共創拠点の実装化を行っていくに当たって、機能強化、耐災害性の強化など施設整備をしっかりと行っていくことが重要だということについて記載をしている部分でございます。
 続いて、54ページでございますが、その中で戦略的リノベーションや性能維持改修による老朽改善整備などを基本として取り組んでいくというところの記載があった後に、性能維持改修の重要性について触れつつ、実績値が十分でないということを踏まえ、各国立大学法人等において、計画の更新、日常的な維持管理を着実に行うこととともに、国においても予算確保、進捗状況のフォローアップなどによって、適切に各法人の伴走支援を行うことが必要である旨、言及をさせていただいております。
 次が共創拠点の実装化に向けた方向性というところで、通し番号55ページでございますけれども、こちら3つほど記載を追記させていただいてございます。地域も含めた様々な国立大学間の連携により、高度な研究が行われているといった事例もございますので、そういったことを念頭に、戦略的な施設の共有による共創拠点化、コアファシリティ化、こういったことについて言及をさせていただいております。また、次の丸でございますけれども、これまでこの会議でも事例紹介、また御議論いただきましたけれども、まちなかキャンパスの事例や、鹿児島大学にあるように地域の施設を借用するといった事例、こういった事例を念頭に置きまして、地域課題へ対応することを念頭に施設を共同利用する、地域の施設を借用するなどして、地域とともに運営することも考えられるといったようなことを記載させていただいてございます。また、次のなお書きでございますけれども、広島大学のTown&Gown構想などを参考といたしまして、地方公共団体や産業界との連携の下で、キャンパスを社会の実験場として活用が進むよう計画することも重要だということについて記載をさせていただいてございます。
 次が地域の防災拠点の実現に関する部分でございますけれども、こちらについては、防災拠点の推進、拠点化を進めていく中で、カーボンニュートラルに向けた取組を推進することがエネルギー供給の途絶リスクを軽減することにもつながるということを記載させていただくとともに、最後の丸では、能登半島の震災において、大学のサテライトキャンパスが住民の避難所等の役割を果たしたというような事例を念頭に、サテライトキャンパスが地域にとっても重要な公共施設であり、住民の避難所にもなるということ、こういった観点から防災機能の強化を推進することが重要である旨、記載をさせていただいております。
 続いて、57ページ、附属病院の機能強化でございますけれども、現状などを踏まえて追記をさせていただいているところでございますが、1つ目の丸の一番下、新たな再開発整備を行うことが難しい、また、整備中の再開発事業を一時中断する、こういった状況も生まれているということを追記させていただくとともに、中間まとめの記載では、ややもすると改修を中心とした施設整備に言及をしているような状況でございましたが、こちらについては、新築・改築か、改修で行うのか、こういったことを各大学においてメリット、デメリットを十分に比較し、適切に整備手法を判断することが必要であるという形での記載に変更させていただいてございます。加えて、国の政策動向などを踏まえた施設整備も必要であることから、今後というところでありますが、救急・急性期医療が地域ごとに必要な連携・再編・集約が求められるということ、こうした動きの中で、中長期的に高度医療、医師の輩出・交流を含めた附属病院の地域医療における貢献がさらに重要になると想定されること、こういったことを踏まえ、必要に応じて、こうした構造変化に対応した附属病院の機能強化を行うことが重要であることについても言及をさせていただいております。
 次の通し番号58ページが、大学共同利用機関等の機能強化に言及をした部分でございます。大学共同利用機関等で行われる共同利用・共同研究システムが、大学の枠を超えた共同研究をする我が国独自のシステムであって、今後もこれを強化していくことで研究力を強化していくことが大事だということ、しかしながら、老朽化率が非常に高い状況にあるので、施設の継続的な老朽化対策、機能強化を推進することが重要である旨、記載をしております。留意点といたしましては、大規模な研究機器、設備、資料、データが蓄積されているということを踏まえまして、遠隔地からの利用への配慮、こちら注釈にありますように、高エネルギー加速器研究機構などに遠隔地の研究者とネットワークを介して、画面を共有しながらリモートで測定をする事例などがあることを確認しておりますけども、こういったことも念頭に遠隔地からの利用の配慮、また、AI時代にふさわしい高度かつ高効率な研究環境の実現に向けた施設整備面の工夫が必要である旨、記載をさせていただいております。また、大学共同利用機関ということでありますが、研究者コミュニティのみならず、ステークホルダーとのつながりを生み出す施設の整備が重要である旨、記載をさせていただいております。
 次が第5章でございます。こちらは施設マネジメントと整備目標について記載をした章でございます。具体的には(2)保有面積の総量最適化というところでございますけれども、2つ目の丸、61ページの頭ですけれども、中間まとめの時点より、総量最適化を確実に推進するために保有面積の縮減目標、期限等を設定することも有効である旨言及がございました。これに加えまして、次の丸でありますけれども、国立大学法人等が保有する施設について、法人の責任において安全・安心で機能的な環境を維持することが必要であるということの前提の上で、なかなか施設系職員や建設業界等における人材不足が発生している。また、限られた予算の中で管理運営が求められる中においては、各法人が有する人材面、財政面を含む経営資源の実情を明らかにしつつ、維持管理が実施できる施設の総量を検討することも必要である旨、記載をさせていただいております。
 (3)の施設の有効活用ですけれども、こちら、なお書きを一つ加えさせていただいておりますが、長寿命化のライフサイクルへ転換するに当たって、性能維持改修が大変有効であるということではありますけれども、実績が十分でないということも踏まえて、各法人の人的資源や予算の一部を性能維持改修へ充当していくことが重要だということについて記載をさせていただいております。
 次が62ページでございますけれども、上のまたというところで施設の老朽改善の優先順位づけについて記載をしているところでございますが、こちら、これまでの委員からの意見も踏まえまして、地方公共団体や地域の産業界を巻き込んだ共創活動を実施する施設、また、防災拠点となる施設、こういったものについて、優先的に整備を進めることも考えられる旨、例示として記載をさせていただいてございます。
(4)のカーボンニュートラルに向けた継続的な取組については、中間まとめについても多く記載があったところでございますので、おおむね変更はないところではありますが、一つ丸を加えております。施設の運用以外にも国立大学法人等の運営全体として、温室効果ガスの排出量というところが決まってくる部分があると思いますので、大学全体としての取組が必要不可欠であるということについても記載をさせていただいてございます。
 63ページは、財源の確保について記載がある(5)でございますけれども、こちら、中間まとめにおいて、財源の多様化等について、記載があるところでございます。最後において、なお書きということではありますが、次期5か年計画期間中で施設整備に係る費用のうち、国費を充当するものについては、今後の物価変動や業界動向を勘案しながら予算を措置することが重要である旨、記載をさせていただいております。
最後、(6)の施設系職員に期待される役割というところでありますけれども、これまでの話などを踏まえれば、施設系職員の役割は単純に施設の施工管理といったことにとどまらず、施設に関する企画をし、関係者を巻き込み、外部資金などをどう獲得していくか、こういったことの戦略についても関わっていく、これまでよりも職責がかなり広がっていくということが想定をされます。そのため、企画部局などにこれを任すということではなく、自ら企画立案などをして、企画部局や財務担当とも協議をして巻き込んでいくというようなことが大事になってくると思いますので、そういったことを念頭に追記をさせていただいているところでございます。
 65ページ以降は、次期5か年計画の整備目標について記載させていただいてございます。こちらについては、本日、先ほど御議論をいただいたところでございますので、整備の面積、または金額については、今のところブランクにして記載をさせていただいてございます。その上で、通し番号67ページでございますが、新増築整備について、2つ目の丸で、ライフサイクルコストの財源の見通しを確保するなど総量の適正化に留意することが重要だということが中間まとめでも記載されておりましたけれども、先ほどの説明でも申し上げましたが、国立大学全体としての施設の総保有面積と、必要面積がかなり同じくらいまでになってきていることを踏まえまして、国立大学法人全体としては、これ以上、総保有面積を増加させないよう留意することが重要だということを記載させていただいてございます。また、これは前回、委員から意見もございましたが、取壊しについても、施設面積の抑制やマネジメントコスト削減に貢献する取組などについては、取壊しに係るインセンティブを検討すべきである旨、言及をさせていただいております。
 次の部分でございますけれども、新増築については、産業界からの支援などによって、ラボなどが建設されている事例も見られるところでございます。こうした部分は、国立大学としても非常にありがたいことでございますし、産業界からも期待感があるということでございますので、新増築について、総量の適正化に留意をするということではありますが、こうした用途に用いる施設の新築自体を否定すべきではないということについても言及をさせていただいてございます。また、これまで確認をしている事例におきまして、一部には維持管理費などの一部も含めて、産業界、または団体などから寄附をいただいている事例もあるということで確認をしておりますけれども、その元になるのは、ステークホルダーとの信頼関係や長期的な関係構築ということだと思いますので、そういったことを念頭に、なおの部分は記載を追記させていただいております。
 68ページの附属病院、についても、先ほどの議論で説明をさせていただいたことを追記させていただいております。4つ目の丸ですけれども、なお書き以降でございますが、附属病院の整備面積は各大学の整備計画を踏まえて面積は算出しているということ、1980年代から始まった再開発整備がおおむね一巡した状況にあるということ、ただ、現下の経営状況を注視し、国の議論も踏まえつつ、新たな整備計画に応じて整備面積を柔軟に対応することが適当であるということ、また、整備中の再開発事業を一部中断する例も見られていますので、緊急かつ重要な施設整備が先送りされていないかということにも留意すること、こういったことを追記させていただいております。
 続いて、通し番号の71ページ、第6章でございます。こちらは、これまでの内容をややブレークダウンする形で、国立大学法人等が取り組むべき事項、国が取り組むべき事項などについて、提言という形でまとめさせていただいたものでございます。1ポツの国立大学法人等が取り組むべき事項として、全学的体制の構築、また、中長期的な計画の再構築、こちらについては、キャンパス全体の総合的かつ中長期的な計画について、各法人のミッションや経営戦略等を適合する形で再構築を行う、定期的に進捗状況のフォローアップを行い、更新をするということなどについて記載をさせていただいています。保有面積の総量最適化についても、保有施設の利用状況、財務状況の見通し、人的資源の状況などを踏まえて、安全・安心で機能的な環境を維持できる施設の総量を検討することなどについて記載をさせていただいております。
 次の72ページでございますけれども、新増築についても、先ほど申し上げた内容、新増築の項目で申し上げた内容をやや具体的にする形で記載をさせていただいているところです。長寿命化のライフサイクルへの転換ですけれども、こちら、老朽改善に着実に取り組むため、人的資源や予算の一部を性能維持改修に充当するということなどについて記載をさせていただいているところでございます。次が地方公共団体や産業界との連携ということでございますけれども、キャンパス全体の共創拠点の実装化に向けて、地域構想推進プラットフォームなどを活用するなどして、日常から地方公共団体や産業界との連携を図るということ、また、地域の防災拠点としての役割を果たすという意味でも、地方公共団体の防災部局等との連携体制を構築して、ソフトハード一体で進めていくということ、社会から投資を呼び込む努力を行うということなどについて記載をさせていただいております。多様な財源の確保は、財源の多角化について記載をさせていただいているということと、こういった観点で施設系職員の役割も重要になってきますので、スキルアップを図ることが重要であるということについて記載をさせていただいております。
 2の国が取り組むべき事項でありますけれども、こちら必要な予算の確保ということが、まずもって、何よりも重要になりますので、こちら、必要な予算の充実を図るとともに安定的に確保するということを明示的に書かせていただいております。次が施設マネジメントの支援でありますけれども、キャンパスマスタープランや個別施設計画などを円滑に再構築できるように必要な調査研究等を行いまして、その結果を周知するということ、施設整備や維持管理を進めることができるよう必要な支援を行うとともに、定期的にフォローアップを行うということなどについても記載をさせていただいております。長寿命化ライフサイクルへの転換の支援ですけれども、こちらは長寿命化促進事業の予算を増額するということ、また、性能維持改修を進める際に参考となる取組事例を整理・共有するということなどについて記載をさせていただいております。総量最適化に向けた支援ですけれども、こちら、必要な支援を行うということに加えて、取壊しに係るインセンティブを検討するなどして、総保有面積が計画期間中に増加しないようにするということ、加えて、こういった総量最適化の実効性というのを高めていくためには、国立大学法人自体のミッション、経営方針との関連も留意していく必要があると思いますので、今後の国立大学法人の第5期中期目標・中期計画と連動させることも検討することということで記載をさせていただいてございます。地方公共団体や産業界との連携については、国としてもしっかりと理解増進に努めていくことが重要になりますので、この点について記載をさせていただいてございます。多様な財源の確保については、様々な他省庁との連携、産業界・地方公共団体等の投資の促進などのために、国としてもしっかりと汗をかいていくということについて記載をさせていただいているところでございます。国立大学法人等の取組の支援については、先般御説明をいたしましたけれども、地方公共団体のアンケートなどの中で、きっかけがつかみづらいということもありましたので、情報発信や相談窓口の開設、関係者ネットワークの形成等の支援などについて言及をさせていただくとともに、本報告書の内容が実効的に行われるようにするため、今後策定される第5期の中期目標・中期計画に掲げるミッションや機能強化の方向性に応じて、施設マネジメントを着実に推進することができるよう、必要に応じて伴走支援を検討することについても言及をさせていただいております。
 最後が地方公共団体や産業界への期待ということでございます。こちらについて、1つ目は、キャンパス全体の共創拠点化を国立大学法人等が進めていく際に、企画段階から地方公共団体や企業様にも関わっていただきたいということ。加えて社会・地域のニーズを反映した教育研究活動の推進のために必要な予算確保、体制強化等も期待されるということ。3つ目が、国や地方公共団体等の各種補助金、ふるさと納税を含む企業や個人からの寄附など、こういった仕組みの上手な活用について、国立大学法人等への提案や助言、活用方法に関する意見交換を行うことが期待されるということ。最後は地域の防災拠点の関係でございますけれども、市区町村の防災担当部局等において、国立大学法人等を地域の防災拠点の一部として位置づけ、連携体制を構築することが期待されるといったことについても言及をさせていただいているところでございます。
 すみません、大変説明が長くなりましたが、以上になります。御審議のほどよろしくお願いいたします。
【西尾主査】  どうも説明ありがとうございました。次の5か年計画の案をお示しいただきました。事務局には相当力を入れて、いろいろと書き込んでいただきました。ここで皆様から御意見、御質問等をいただけたらと思っております。出口先生、どうぞ。
【出口委員】  どうもありがとうございます。出口です。かなり踏み込んで表現をしていただきまして、大変ありがたく思います。
 確認をしたいのですが、よろしいですか。細かいところになりますが、71ページ目からが国立大学法人等が取り組むべき事項と書いてありまして、ここに書いてある内容は全て国立大学法人等が主語であるということでよろしいでしょうか。
【真保計画課整備計画室長】  失礼いたします。そのような形で御理解いただければと思います。
【出口委員】  よろしいですかね。
【真保計画課整備計画室長】  はい。
【出口委員】  分かりました。それで、72ページ目のところについて、かなり踏み込んで書いていただきましたのでよろしいかと思いますが、検討することという言葉遣いが多い気がします。例えば72ページ目の上から2行目のところも、施設保有面積を純増させる新増築については、維持管理コストを増加させることから、まずは現有施設の戦略的リノベーション等への対応を検討すること。要するに、対応を検討してそれから取り組みなさい、それでも駄目だったら新増築を考えなさいよと、そういう趣旨と考えてよろしいですか。
【真保計画課整備計画室長】  趣旨としては、そのとおりでございます。
【出口委員】  私は弱いかなという気がしました。それで、その次が、施設整備に係る人的資源や整備後のライフサイクルコストの増を考慮するとありますが、後者のライフサイクルコストの増を考慮するは分かりますが、施設整備に係る人的資源というのは、どういう意味になりますでしょうか。これは分かりにくいかなと思ったのですが。
【真保計画課整備計画室長】  こちらの文章で想定していたことは、具体的には国立大学法人等において、施設整備に関わる施設部の職員、建設業界の人手等、そういったことを想定して記載させていただきました。
【出口委員】  そうすると、これは施設整備に関わる人的資源も増やさないといけないことを考慮しなさいという意味ですか。
【真保計画課整備計画室長】  実際のところ、人的資源には限りがあると思いますので、そういった部分を考慮する必要があるという意味で記載をさせていただいたものです。
【出口委員】  分かりました。
【西尾主査】  出口先生、どうぞ何なりとご質問ください。
【出口委員】  すみません。そういったように、国立大学法人等がここは全て資料になっていますので、主語にして、もう1回読み合わせをさせていただきたいなと思いますが、やや分かりにくい表現が若干あるように思ったもので、そこをもう1回通して見ていただければと思いました。
 それから、あともう一つ、60ページ目から61ページ目の(2)保有面積の総量最適化に関する部分です。保有面積の総量最適化ですが、これに関しても、結局、主語が国立大学法人等と考えてよろしいですか。ほぼ全ての丸は国立大学法人等がやるべきことをここに列挙していただいていると考えてよろしいですか。私はもう少し、文科省としてするべきことが上位に記載があって、それで国立大学法人等がやるべきこと、あるいは国立大学法人等がこういう姿勢で今後、向こう5年間臨んでいくべきであるということが記載してあり、これに基づいて、先ほども前半のほうで議論がありましたけども、国のほうとしても、機能改修なり、大規模改修などの予算もこういう条件の下できちんと手当していきますよと、そういうロジックになっていくべきではないかと思いました。
【廣田計画課長】  失礼します。文部科学省でございます。今、先生のほうで御確認していただいた第5章の記載については、主語を必ずしも国立大学法人等に限定をしているものではありません。国として5か年計画の整備目標を策定するに当たって、戦略的な施設マネジメントを推進していく必要があり、これは国と国立大学法人等が一体でしっかりと進めなければならないものだと思っています。施設マネジメントそのものを実施するのは各法人ではありますけれども、それに対して、国として必要な支援を行っていく必要があるという問題意識の中、その後に出てくる第6章のそれぞれ国の役割、国立大学法人等の役割というところに保有面積の総量最適化に向けた支援策を書かせていただいているという状況にありますので、第5章の部分は必ずしも国立大学法人等に限定しているという記載にはなっておりません。
【出口委員】  分かりました。これは国全体としての方針がここに記載されていて、その方針に基づいて、70ページ以降のところが国立大学法人等が進むべきこと、していただくべきことが記載されていると、そういうロジックと考えてよろしいですか。
【廣田計画課長】  さようでございます。したがって、第6章の71ページ以降の国立大学法人等が取り組むべき事項だけでは、これらの取組方策を完結することはできないことから、その後ろの73ページ以降に、国が取り組むべき事項というものをしっかりと列挙させていただき、総量最適化に向けて後押ししていこうという構造になっております。
【出口委員】  分かりました。それで、また予算の問題にもなっていきますが、それに基づいて、それを実際に実行していくために、国としてはこのような予算の要求をしていくと、そういう考え方でよろしいですか。
【廣田計画課長】  そうでございます。
【出口委員】  分かりました。その辺のメッセージを明確に伝えるように工夫をしていただければと思います。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。事務局には、今のコメントをうまく活かして、構造的に分かりやすくしていただけるとありがたいと思います。
 それでは、鶴見先生、お願いいたします。
【鶴見委員】  私からは、国立高専の機能強化ということで、59ページの部分が大体、非常にコンパクトに私も調査したことを書き入れていただいているということでいいのですが、一つだけ、「令和新時代高専の機能高度化プロジェクト」が非常に大きな役割を果たしていたと思います。これは令和6年度で終了していますが、国立高専機構と文科省の関係で、「第2弾令和新時代プロジェクト」のようなものが続けてスタートしないと、今、高専の老朽化が41.4%から38.2%に少しは改善されましたけれど、まだまだ大学に比べれば改善は遅いと私は思っていまして、これを促進するための何か方策として、例えば新たな「令和新時代のプロジェクト」や、これと同様のプロジェクトを企画する、押し進めるみたいな文言が入るといいのかなと思いました。
 それ以外につきましては、大体私のほうでは特に意見等はございません。
【西尾主査】  今の鶴見先生からの御意見につきまして、事務局から現時点でのお答え等はございますか。
【廣田計画課長】  事務局でございます。鶴見先生、御意見ありがとうございます。
 「令和新時代高専の機能高度化プロジェクト」については、確かにこのプロジェクトを踏まえて、重点的、集中的に施設整備、あるいは設備の整備を進めてきたという状況がございます。その後、第2弾となるものがプロジェクトとして実施されていくのかどうかということについては、国立高専機構そのもののお考えや、政治情勢も含めて、全体としての状況を確認していく必要があるものの、少なくとも今後の5か年計画において、国立高専も含めてしっかりと重点的な整備を図っていく必要性は我々も感じていますので、お声をしっかりと受け止めながら進めてまいりたいと考えております。ありがとうございます。
【鶴見委員】  よろしくお願いします。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。高橋先生、どうぞ。
【高橋委員】  ありがとうございます。ボリュームがかなり大きいところではありますが、コメントと確認と、あと幾つか申し上げたいです。まず、簡単なコメントですが、30ページの辺り、現状にとらわれない最適なアロケーションという、まず大きな方向性、私も前の委員会のときから重要だと思い、幾つか発言させていただいたところをきちんと取り上げていただきありがとうございました。同じように前段のところ、イノベーションコモンズの取扱い方で、例えば26ページのところに、おそらくこのペーパーの中でイノベーションコモンズが最初に取り上げているところかなと思いますが、第2章の冒頭、ここがもう少し分かりやすく、イノベーションコモンズを、我々の文章においてはどういうものとして取り扱っているかというのが明確に出てくるといいのかなと思いました。後ろのほうに良い取組であり、発想を、概念を広げていくというようなことがきちんと詳細に書かれていますが、特に第2章の冒頭の2段落目のなお書き部分について、だからいいのか悪いのかとか、どのように取り扱っていいのかというのが、後ろのほうまで読まないと分からないので、ここはぜひアピールしていただいたほうがいいかなと思いました。これは簡単なコメントです。
 それから、出口先生のコメントにも通底するところですが、第5章以降、重要な、中身の具体的なところに移っていくことについて、最後に申し上げたいと思います。まず、施設、設備というのは、DXやAIがこれから進んでいく中で、物理的に人や物が集積しているという場の価値というのが非常に大きいと思っています。それを個々にはいろいろ書いてくださっていますが、そのことの価値というのを忘れないようにしたいなと思っています。特にこれも最適なアロケーションのところで今後進んでいくことかと思いますが、イノベーションコモンズも幾つかのいわゆるチャレンジングな科学技術系の偉大なる実験区、試験区にもなり得るという話の中で、大学という科学技術リテラシーが高い人たち及びそれにチャレンジしていく学生が物理量として濃度高く存在しているということを忘れちゃいけないだろうと思っています。具体的にどこにどう書くかというよりは、むしろ前文ですとか、説明するところで補足的にそういう説明を入れていただければ十分かと思いますので、ぜひお願いしたいです。
 最後に、先ほどの国立大学法人等が主語ですかという話で、最後の部分はもう少し広がったイメージということについてです。とても大切なことだと思っています。日本全国を見渡したときに、いろいろな施策がいい意味での地域のキャラクターとして特徴づけられていくという方向性の中で、地域に集積するセクターを超えた、国公私立を超えた地域に物理的に集積しているところを最大活用する必要があるのだろうと思っておりますし、ほかの委員会でも、いわゆる国立大学だけが理工系の研究教育を支えるというよりは、むしろ私立のやる気があるところにも今、理工系の転換を進めることによって、日本全体の自然科学の力を増していこうというような議論がかなり大きくなされているところだと理解しています。そういう意味では、横で流れている大きな流れを踏まえて、国立大学法人等が中心として書くべきところと、広く国公私立を踏まえて、全体としてその地域においてというところの明確な書き分けというのがあってもいいのかなと思いました。以上です。
【西尾主査】  非常に貴重な御意見の数々ありがとうございました。事務局には、今の御意見に対応いただけますか。よろしくお願いいたします。
【廣田計画課長】  参考にして、また検討を進めたいと思います。
【西尾主査】  ありがとうございました。下條先生、どうぞ。
【下條委員】  大体いろいろ言っていただいた、皆さんの御意見とも同じなのでいいですが、財源が多様化する、あるいは先ほどの御意見のように、私立大学も併せて、ある種のエコシステムをつくりながら発展していくとすると、最初の整備と、維持管理も含めて、実はエコシステムの中で、ライフサイクルを考えていかないといけないというのはどこかに書いてあったと思いますが、それぞれのエコシステムをつくるというところにもそういう記載があったほうがいいかなと思いました。その点、特にエコシステムをつくりながら相互に発展して、かつ維持管理も含めて将来的にライフサイクルを考えていくということをみんなで考えようということがどこかにあったらいいかなと思いました。以上です。
【西尾主査】  どうも貴重な御意見ありがとうございました。ここで、経団連の酒向委員、いかがですか。
【酒向委員】  私からは2点ございます。1点目が通し番号67ページ目のところでございますが、先日の私からの発言を反映していただきました。ありがとうございます。この文章で加筆修正の要請はありません。お礼でございます。
 もう一つ、通し番号73ページの国が取り組むべき事項の必要な予算の確保のところでございまして、ここのところで「安定的な確保」と書いてあるところでございますが、通し番号64ページに記載のある「物価変動等を踏まえ、安定的に確保し」というような形で明記していただいたほうがよろしいのではないかと思いました。
 以上でございます。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。このこともぜひ反映させていただきます。
 それでは、伊香賀先生、山内様、どうぞ。伊香賀先生、まずお願いいたします。
【伊香賀委員】  すみません、2回目の発言で恐縮です。
【西尾主査】  いえいえ、何回目でもどうぞ。
【伊香賀委員】  まず、62ページの(4)カーボンニュートラルに向けた継続的な取組という記載の冒頭の4行のところはいいと思いますが、問題はこれに対する63ページの(5)財源確保の記載が弱いのではないかと感じました。一つは2050年まであと25年しかない状況ですので、これまで民間資金にも頼りながら、地道な省エネ改修をやってきた予算では、もう到底間に合わないぐらいしっかり予算を自ら取らないといけない状況だと認識していますが、それに対して、財源確保側の記載が弱すぎないかというのが懸念点でございます。
 ちなみに、2050年に向けた民間と地方公共団体に対しては国のGX補助金や、カーボンニュートラル向けの財源というのが大分手厚くなってきていますが、多分国立大学法人はその対象ではないと思いますので、それに見合った財源を財務省に要求していくということを打ち出さないと結局手つかずにならないかという懸念でございます。以上です。
【西尾主査】  財源の確保に関して、もう少し強力に書く必要があるのではないかということですが、どう書いたらいいのか、事務局どうですか。まず、伊香賀先生から何か良い案を御提示いただけたら、ありがたいのですが。
【伊香賀委員】  多分、財源確保のページの中にPFI等要は民間の資金を当てにした書きぶりになっているところを、もう少しきちんと国立大学法人等の施設、カーボンニュートラル化のための財源確保について書いておかないといけないのではないかと思います。具体的にどうするというのは交渉事だとは思いますが、このままだと何もできないということになりかねないなというのを懸念しております。
【西尾主査】  分かりました。そこが肝要ですね。事務局に工夫していただくということで、どうかよろしくお願いいたします。
【廣田計画課長】  失礼いたします。事務局でございます。
【西尾主査】  どうぞ。
【廣田計画課長】  伊香賀先生、ありがとうございます。現状におきまして、現行の5か年計画で、安全基盤を確保しつつ、省エネを進めていくという取組に加えて、先導的なモデル法人を指定しまして、ZEBを進めていくという先導モデル開発事業というものを進めている状況です。現状、そうした取組を進めつつ、さらなるカーボンニュートラルの実現に向けた取組を進めていくべきという御指摘だと思いますので、そうした枠組みも含めて、どのように加筆ができるかということについて、しっかりと検討してまいりたいと思います。
 今、画面に表示をさせていただいたのが現行の5か年計画、これまでの計画には位置づけられていなかった先導的なモデル事業というものを進めながら、今順次、進めている状況でありますが、恐らく先生の御指摘はこういった取組では全く不足しているということかと思います。加速していくべきという御指摘であるというふうに理解をしておりますので、こういったことにも触れつつ、どのようにこの財源の部分に加筆できるのかということを検討してまいりたいと思います。ありがとうございます。
【伊香賀委員】  ありがとうございます。要は先導プロジェクトだけではもう追いつかない、ストック全体をこういうレベルに持ち上げられるだけの財源が必要、確保が必要だという発言でございます。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。それでは、山内委員、それから愛知県の浅田様、御意見いただければと思います。山内委員、どうぞ。
【山内委員】  ありがとうございます。すみません。2回目になってしまいますが。
【西尾主査】  どうぞ。
【山内委員】  既に書き込んでいただいておりますが、報告書において、ぜひ、イノベーションコモンズ拠点が大事だということを、よりクローズアップできるような形で、ブラッシュアップしていただければありがたいと思います。また、鶴見様からもありましたが、高専の機能強化は大事だという点を盛り込んでいただいてありがとうございます。高専、専門高校などが、地域産業の拠点として大事だというところについて、強く打ち出していただけるとありがたいと思っております。
 次に、地方公共団体と産業界との連携のところで、地域構想プラットフォームについて書いていただいており、我々も協力していきたいと思っています。プラットフォームを活用していくということについては、必要なところは抜けがない形で書き込んでいただきたいと思っております。
 次に、61ページ第5章の施設の有効活用のところですが、産業界としますと、地域にとって重要な役割を担う大学や、教育研究機関の機能強化を発揮しているような努力している大学に対しては、重点的に施設の整備をしてもらいたいと考えています。真に地域経済や地域産業に貢献している大学の取組を重点的に後押しするんだということをうまく盛り込んでいただけたらと思います。
 次に、58ページ目に、大学共同利用機関の機能強化について、地域のステークホルダーとのつながりをうまく生み出していく施設整備ということですが、前の会議にもお伝えしましたとおり、立命館大学の中に商工会議所が入っています。各地の商工会議所でも、地域で共通した基盤の整備をどのようにしていくかという話もありますので、ぜひ教育機関も入って整備していけるといいのかなと思います。そういった連携の方法もあるのかなと思いますので、こういったところも報告書に書き込まれるとよいのではないかと思います。
 最後に、酒向様からもありましたが、予算のところで、物価変動や上昇分も含めて、もう少し丁寧に書き込んだらいいのかなと思いました。産業界としても、施設整備の充実については、応援したいと思いますので、よろしくお願いします。
【西尾主査】  山内委員、いつも応援いただきありがとうございます。今、おっしゃっていただきました点、非常に大切なことだと思いますので、事務局に反映していただくことにします。
 それでは、浅田様、何か御意見ございませんか。
【大村委員代理(浅田)】  愛知県の浅田でございます。まずは様々な意見を十分に反映させながら、報告書の素案を取りまとめていただきました。事務局に深く敬意を表したいと思います。また、合わせまして、この素案が地域の防災拠点としての役割の拡充など、私どもの発言内容を加味したものとなっていることに、こちらもまた感謝を申し上げたいと思います。
 さて、地方の側といたしましても、素案の第6章に記載をされました、国立大学法人等と地方公共団体との連携など、地方への期待に応えられるよう、一層真摯に向き合う必要があると感じております。こうした考えの下、素案の方向性にはおおむね賛成の立場でございますが、記載について若干感じたことがございますので、こちら申し上げたいと思います。
 まず、1点目でございますが、素案に示されました地方自治体の予算、体制強化等に関する期待についてでございます。それぞれの地域において、国立大学法人等は知の拠点として存在をしておりまして、地域のシンクタンクとして重要な役割を担っておられますが、地方自治体の予算や体制については、言うまでもなく、各自治体の自主性に委ねられるものでございまして、そのため、各地方自治体の意に沿わない形での負担が生じてはならないということは改めて確認させていただければと思います。したがいまして、72ページの多様な財源の確保につきまして、地方自治体の予算を活用する取組は、地域の自主的な判断に基づくことが前提でございまして、何らか強いられるものではないことと理解をしておりますので、こちらについての表現ぶりにつきましては、改めて調整をさせていただければと思います。
 また、2点目でございますが、社会の複雑化が進む中で、様々なステークホルダーと連携して、課題解決に当たることがますます重要になってくると考えております。ただ、連携体制の構築につきましては、地域の特性や既存の連携体制を踏まえて柔軟に進めていくことが望ましいと思っております。そのため、こちらのほうに記載をされております地域構想推進プラットフォームを指導する組織については、地方自治体に限るものではなく、様々な主体がそれぞれ担っていくものであると考えてございますので、こちらについても、75ページの記載については、そうした趣旨をぜひとも反映したものとしていただきますようよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
【西尾主査】  浅田様、どうもありがとうございました。今、いくつかおっしゃいました懸念点等につきましては、浅田様と事務局とでいろいろすり合わせをしていただきまして、改定をしてまいりたいと思います。どうもありがとうございました。大村知事にもぜひよろしくお伝えいただきたくお願いします。
 それでは、恒川先生、時間の関係で短くお願いいたします。どうぞ。
【恒川委員】  前回の発言についていろいろ修正いただき、ありがとうございます。先ほどのことに関してですが、今回、性能維持改修が倍以上に増えるというメッセージが、72ページ辺りの提言のところで十分に伝わっておらず、やや物足りないと思っています。かなり増やすにもかかわらず、「予算の一部を性能維持改修で充当すること」といった表現では、各大学がそれで動いてくれるのかについて懸念があり、もう少し強い表現がないと動かないのではないかと思います。先ほども話しましたが、長寿命化促進事業の費用を増やすのであれば、あわせて性能維持改修の概算要求もしてもよい、といったより強いメッセージがあれば、各大学にとっても励みになるかなと思います。もう一度こうした点について御検討いただければと思います。以上です。
【西尾主査】  今までの経験等を踏まえての貴重な御意見、どうもありがとうございました。
 それでは、議題2につきましては、一応、時間の関係もございますので、これで閉じます。今までにいただきました貴重な御意見、コメント、また御質問でおっしゃった点も含めまして、それをベースに最終報告の案を、今後、事務局の方で改定をしていただくことにいたします。
 続きまして、議題の3、共創拠点の実装化・多様の財源の確保に向けた取組について、事務局より御説明、簡潔にお願いいたします。
【真保計画課整備計画室長】  事務局から説明いたします。資料の通し番号76ページ、共創拠点の実装化等に係る取組事例等について説明をいたします。こちらについては、7月以降、取組事例などをお出しして、先方、先生方にいろいろな御意見、アドバイスをいただいてまいりました。こちらの資料は最終報告書の参考資料として束ね、添付をし、各大学等の取組の参考にしていただくことを念頭に作成を進めてきておりますが、今回通し番号77ページでございますが、2つ取組事例を追加しておりますので、そちらについて御紹介をさせていただければと思っております。
 1つ目が、東海国立大学機構のCommon Nexusという施設でございます。こちら通し番号の82ページでございますけれども、知的交流と社会価値が集まる共創の場ということで書かせていただいております。機構全体のイノベーションコモンズへの転換に向けて、機構内外を有機的につなぐ革新的な共創拠点として構想され、実現をし、今年、竣工したものでございます。そのような観点から、基本構想、計画段階から、多様なステークホルダーを巻き込みながら検討を実施したということでございます。写真にある通り、施設主体もかなり斬新的なデザインなどで、作りとしてもしっかりと交流などが誘発されるような作りの工夫が見られ、そういったことの背景として、計画段階からステークホルダーを巻き込んで検討を実施していったということや、右側の検討体制というところでありますけれども、従来から機構において研究成果に基づく知見を持つ教員組織と、実務を担う職員組織が連携して施設マネジメント体制を構築していたことなどが相まって、こういった施設の完成に結びついているものと理解をしております。様々、検討手法なども含めて、多々各大学の参考になる点がある事例だと思いますので、今回追加ということで紹介をさせていただきます。
 次がSTATION Aiの事例でございますけれども、こちらは地方公共団体などが主体となって建設を行い、スタートアップエコシステムの形成に向けた産学官連携ということでの施設でございます。地域のポテンシャルを最大化することを目的とした日本最大級のオープンイノベーション施設ということでございますけれども、こちら、自治体や産業界、金融界のほか、大学等が連携をしてスタートアップ創出・育成とスタートアップエコシステムの形成を図るという目的で建設がされているものでございます。名古屋大学との関係では、STATION Aiとの間で施設・設備を相互活用する基本合意を締結するなどして、東海地域でのスタートアップ創出・育成・発展などを支援しているということで聞いてございます。かなり大規模な施設ということではありますので、この規模をそのまま各大学で参考にするということは難しい面もあるかもしれませんが、右側の写真などにございますとおり、スタートアップを誘発するきっかけとなる空間という意味では、参考にできる部分が多々あると思いますので、こちらも一つ事例として紹介をさせていただいているところでございます。
 追加した2点の事例については、以上になります。アドバイスなどありましたら、いただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【西尾主査】  ありがとうございました。今、室長のほうから御説明いただいた2件につきまして、皆様から何か御質問、御意見ございますか。
 それでは最後に、その他についてですが、事務局より今後のスケジュールの御説明をお願いいたします。
【真保計画課整備計画室長】  ありがとうございます。通し番号の98ページでございますけれども、本日整備量、整備金額、また、最終報告書の素案について御議論いただきました。これを踏まえる形で、次回12月9日になりますけれども、最終報告書の案を提示させていただいて、再度御議論いただきたいと思っております。こちら、本日、様々御議論をいただきましたけれども、それを踏まえて、次回の会議でおおむね方向性、内容等が共有できれば座長一任という形にしていただければ大変ありがたく思っておるところでございます。
 それを踏まえまして、年内には最終報告書の取りまとめができればというスケジュールで、現段階としては、事務局のほうで考えているところでございます。
 以上になります。
【廣田計画課長】  失礼いたします。事務局より一言付け加えさせていただきたいと思います。前段で整備量に関してのやり取りがありました際に、他の業務がありまして外しておりました。失礼いたしました。
 まずもって、有識者会議の委員の皆様の総意といたしまして、加速化整備案を推す御意見があったということについては、文科省として重く受け止めたいと考えております。今般お示しをさせていただいた段階的整備案というのは、前回会議で議論いただいた、現状維持、いわゆる下限値というものと、より一層加速化していく案という上限値、このうち、上限値である加速化案を採用した上で、そのうち将来的に建物を長く有効に活用する観点から、性能維持改修の対象をどこまで整備していくのかという観点で、2つの案を御提示させていただいて御議論いただいたわけでございます。
 一つ補足になりますけれども、既に老朽化が著しく、機能面でも支障が生じているような施設については、大規模改修を要する施設といたしまして、加速化整備案であっても、段階的整備案であっても、いずれもしっかりやりきることを目指した案となっております。この点、段階的整備案であっても、これまで国が確保してきた予算規模を大きく上回る予算の確保が必要となるものになりますし、かなりチャレンジングな計画というものになってまいります。また、大学等における多様な財源の確保という観点でも、さらに求めていく必要があるというふうに認識しております。先ほど恒川先生のほうから、意識を転換していくということにおいて十分な記載なのかどうかという御指摘ありましたけれども、国も、あるいは国立大学法人等においても、しっかりと長寿命化ライフサイクルへの意識の転換というものが必要になって参ります。今後、5か年計画の策定に際しまして、あるいは策定された以降も、その都度、財政当局との厳しい折衝が想定されますけれども、委員の皆様の声も受け止めつつ、予算の確保に力を尽くしてまいりたいと思っております。
 また、複数の委員の方から御意見いただきましたけれども、単に安全を確保するということではなくて、教育研究の高度化に対応し、しっかりと機能の確保を図っていく、ひいてはイノベーションコモンズの実現を果たしていくということをしっかりと意識しながら5か年計画の実現に力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
【西尾主査】  ありがとうございました。
 それでは、事務局より連絡事項等ありましたらお願いいたします。
【木村文教施設調査分析官】  木村でございます。本日ありがとうございました。本日の会議の議事録につきましては、改めて委員の皆様へ紹介させていただきますので、御確認ください。御確認いただいた後、文部科学省のホームページにて公開させていただきます。以上です。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 そうしましたら、本日も本当に貴重な御意見、御質問、また、コメントをいただきまして誠にありがとうございました。12月の委員会は、5か年計画をまとめるに当たりまして、非常に重要な委員会になります。何卒よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。

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