令和6年11月19日(火曜日)10時00分~12時00分
オンライン会議(Zoomを用いて開催)
西尾主査、伊香賀委員、五十嵐委員、上野委員、木部委員、塩﨑委員、下條委員、高橋委員、恒川委員、土井委員、両角委員
【西尾主査】 皆様、おはようございます。それでは、定刻となりましたので、ただいまから今後の国立大学法人等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議(第3回)を開催いたします。
本日は皆様方、本当に御多用のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
初めに、事務局からオンライン会議の注意事項の説明、欠席をされます委員の情報、それから配付資料の確認をお願いいたします。
【松田計画課整備計画室室長補佐】 事務局を務めさせていただきます、文教施設企画防災部計画課整備計画室で室長補佐をしております松田と申します。
初めに、ウェブ会議の注意点を御説明いたします。
1.音声が聞き取りづらい場合がありますので、御発言の際はゆっくりはっきりと御発言ください。
2.発言時以外はマイクをミュートにしてください。
3.御質問などありましたら、その場で発言の御希望があることが分かるよう挙手機能を御使用ください。挙手機能をオンにされた方に主査から指名していただきますので、御発言はその後でお願いします。
また、本日は大村委員、金子委員、酒向委員、鶴見委員、出口委員が御欠席でいらっしゃいます。なお、大村委員の代理として愛知県政策企画局企画調整部長の河合泰様に御出席いただいております。あわせて、鶴見委員におかれましては、本日の議題にございますとおり、有識者による発表において国立高等専門学校における施設整備の現状と課題などを御紹介いただく予定となっておりましたが、急な御家庭の事情により、本日は急遽御欠席されることとなりました。そのため、本日の発表につきましては、資料共有のみとさせていただき、次回以降、鶴見先生の御事情も踏まえながら、改めて御発表いただけるよう調整させていただきたいと考えております。
資料は、事前にPDFでお送りしているものを画面共有しながら御説明いたします。配付資料の確認については、各自、議事次第を御確認ください。
会議の開催に先立ち、事務局に人事異動があり、8月から計画課長として後藤が着任しましたので、御挨拶申し上げます。
【後藤計画課長】 皆様、おはようございます。文部科学省施設部計画課長の後藤と申します。お忙しいところ、本会議に御参加いただきまして、ありがとうございます。8月の異動ということで、途中交代をしてしまいましたが、瀬戸に代わりまして、しっかりと調整させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【松田計画課整備計画室室長補佐】 それでは、西尾先生、議事の進行をよろしくお願いいたします。
【西尾主査】 ありがとうございます。後藤課長、どうかよろしくお願いをいたします。
【後藤計画課長】 よろしくお願いいたします。
【西尾主査】 それでは、議題に入ります。本日の議題は、1番目が「有識者(塩﨑委員、鶴見委員)による発表」となっておりましたが、先ほど事務局からも御説明がございましたとおり、鶴見委員におかれましては、急な御家庭の事情により本日は御欠席をなさるとのことでございます。本日の発表は、資料の共有のみとさせていただきます。議題2は「国立大学法人における地域の防災拠点及び地域と連携した人材育成と地域産業振興のための共創拠点の取組事例について」、議題3は「次期国立大学法人等施設整備計画策定に向けた中間まとめ骨子案について」ということで、中間まとめに向けた動きを始めてまいりたいと思っております。議題4の「その他」事項につきましては、何かあればということを考えております。
それでは、まず初めに、議題1、有識者による発表について、塩﨑委員から御発表をお願いいたします。一般社団法人国立大学病院長会議理事事務局長の塩﨑委員からは、国立大学附属病院における課題などを御紹介いただきたいと考えております。それでは、何とぞよろしくお願いいたします。
【塩﨑委員】 ありがとうございます。塩﨑でございます。どうぞよろしくお願いいたします。では、今、国立大学病院が置かれている様々な状況と課題等も含めて御紹介させていただければと思っています。まず、最初ですけれども、大学病院が果たしてきた幾つかの機能を少し御紹介させていただきたいと思っています。御承知のとおり、コロナの感染症のときには、初期対応は多くの大学病院が頑張ったなと思っています。資料1、2ページ目を御覧ください。対応できた理由ですが、遺伝子の微量な病原体の痕跡を探すPCR検査装置が大学病院に合った事、また今回、呼吸器系の疾患でしたけれども、それに対して胸部CTで確認できたかどうかというところ、またさらには、ECMOで対応できたか、更には重症者に対応した陰圧の集中治療室を持っているかという設備面での対応と、マンパワーとしては、感染対策専門医がいるのか、そして、感染症に日常的に対応している専門家のチームがあるのか、最後にECMOを24時間交代で回せるようなMEのチーム体制が整備されていたのか。この様な設備と人員の体制があり、初期対応する機能を全て持っていたのは、実は大学病院だった。そういう背景のもと、大学病院が最初頑張ったわけでございます。大学病院全体のICU関係の病床は1,276床ございます。そのうちコロナに対しては即応病床と準備病床の合計として約8割の病床で対応したところでございました。今回の例からも、大学病院としては今後も様々な、10年に一度起こると言われている新しい感染症に対応して、いろんなことができなければならないと考えております。
特に今回、施設のマネジメントに関しましては、コロナの発熱者対応だけでなく、本来、大学病院が行うべきコロナ以外の医療との患者動線をどう分けるのか、入院エリアでそれをどう分けていくか、また陰圧対応できる限られたICUをどの様に活用するのか。そういう施設の今後の在り方にも様々な課題が残されたところでしたが、こういう新型感染症拡大の初期対応を含めて大学病院の役割かなと思っています。
資料1、3ページ目を御覧ください。もう一つ御紹介させていただきたいのは、地域医療において大学病院がどういう機能を果たすべき位置にあるのかというところを、医師の働き方改革の面から、医師派遣を頑張っている事も御紹介したいと思っています。資料は国立大学病院の医師派遣機能でございますけれども、左の日本地図にドットがいろんな色でついています。これは現在、全国の国立42大学病院で、地域に医師を派遣しているマップです。それぞれの各国立大学病院の地元の県だけではなく、遠く離れた他県の病院まで医師を派遣しています。この調査時点では、8,892か所に兼業という形で非常勤のドクターが、週1回とか月2回とかという形で派遣されて地域医療を守っている状況です。なお、資料右側の日本地図を御覧になっていただくと分かりますけれども、非常勤以外に常勤の医師が4万3,000人派遣されています。大学病院が地域医療をどれだけ支えているかが分かるところです。医師派遣できているのは大学病院が、一般病院よりも大体3倍から4倍、医師数が多いからです。教育・研究のために大学病院に帰ってきていただいているわけでございます。こういう自己研鑽と研究活動のために大学病院にドクターが多いので地域を守っていけるという状況も大学病院の重要な機能だと思っています。
このような形で大学病院は頑張ってきたわけでございます。ここから少し、法人化後の国立大学病院の活動について御紹介させていただければと思っています。 資料1、4ページ目を御覧ください。法人化直後、これは病院収益でございますけれども、6,000億でありましたのが、現在は1兆3,000億となっています。大体売上げで言うと2.2倍になっている。当然、これは先生たちが頑張っていただいて、ドクターの数も増やし、ナースの数も、またメディカルスタッフも増えて、また、施設部の御協力で、オペ室とかICUも増やすことができました。その結果、アクティビティーがこれだけ上がっているというところでございます。人員と施設の充実で2.2倍のアクティビティーを発揮している。とても皆さん頑張っていただいているところでございます。これもまた当然ですが、それだけのスタッフと患者さんを治療する面積が必要となっています。
次は、資料1、 5ページ目を御覧ください。これは、どうしてこんなに頑張らなければいけなかったかという1つの理由なのですけれども、この黄色の棒グラフ部分は、法人化前からの借入金残高です。実は病院の建物の場合は、9割は借入金で整備し、病院収益で返しなさいということで再開発を行ってきました。また、大型の医療機器は100%、財政投融資で借りて返済しております。ですので、黄色の棒グラフを御覧になっていただくと、法人化直後、7,000億を切るぐらいしかまだ売上げがない時点で、1兆円の債務を背負って法人化をスタートしました。病院収益の拡大に努力して返済が進み、この黄色の部分がどんどん小さくなってきました。現在は法人化の際の借金は、ほぼ返し終えたという状況でございます。
一方、借入金によって再開発していくという手法は法人化後も続いておりまして、これは大変助かっている制度です。法人化後の新しい借金というのも増加しております。これが赤い棒グラフの部分でございます。法人化後の新しい借金がずっと伸びてきていますので、全体として借金がなくなっているわけではなくて、新しい借金に入れ替わっているというところでございます。現在は合計で7,000億ぐらいの借金を背負っているというところです。この法人化前の借入金残高と法人化後の借入金残高が両方重なっていますが、現在はちょうど合計残高が法人化後直後よりは少なくなっているという状況ではございます。ただ、この赤い棒グラフ部分、少し御覧になっていただくと分かると思うのですが、徐々に伸び悩んでいると言ったらおかしいですけれども、それほど伸びておりません。本当はアクティビティーが上がっていますし、建物面積も広がり、大型医療機器も増えていますので、もっと実は伸びる状況なのですが、返済が困難となり借金がこれではできないという状況があって伸ばせないという状況でございます。
次のグラフでございます。 資料1、6ページ目を御覧ください。大きいグラフは、収益は2倍になっているのですけれども、費用もかかる医療になっていることを表しています。右下の小さい棒グラフにありますとおり、研究開発の結果大学病院での高難度な医療を実践するため、医薬品も高額化しておりますし、低侵襲の治療をするために様々なデバイスと言われる高額な医療材料も必要となっております。その結果、1日当たりの病院収益は非常に上がっているのですけれども、費用はそれ以上に上がっているということで、左上の収益から費用を引いた残りの利益の棒グラフのようになっています。なお、この利益があったので借金の返済もできますし、古い設備も更新できるのですけれども、御覧になって分かりますように、平成22年から徐々に利益が減少しております。つまり、売上げはどんどん増えている。黄色の折れ線の売上グラフのとおり、売上げが増えたにもかかわらず、残念ながら手元に残る利益はどんどん減っている、まさに増収減益傾向でございました。
コロナ時である、令和2年から令和5年まで、下に伸びた赤い棒グラフ部分は、補助金がもし、措置されてなければこれだけ赤字になっていた状況でした。補助金をいただいたのでグレーのところまで押し上げられて、何とかコロナを乗り切れたのですが、令和5年度、残念ながら補助金も大分減りまして、結果としてマイナス60億になっております。これは全国の国立大学全体の合計でございます。以上のとおり、今まで法人化後確実に借金を返しながら頑張ってきたのですけれども、いよいよ初めての赤字になったという状況でございます。今年度はさらに厳しい状況かなと思っています。
さて、この様な増収減益で何を我慢して凌いできたかというところが、今回の大きな論点でございます。
資料1、7ページ目を御覧ください。左上の折れ線グラフは、資産の価値残存率、つまり、どれぐらい建物と設備が老朽化しているかという事を示したものです。平成24年からでございますけれども、上のオレンジの折れ線グラフが建物でございます。下のブルーの折れ線グラフは医療機器でございます。機器はかなり老朽化して、購入時の値段に比較して減価償却済み額が大幅に増えている。取得価格ベースと減価償却済み額の棒グラフが二つあります。左側のグラフが建物、右側のグラフが機器でございます。これは施設部の皆さんの御協力が、本当にありがたいなと思っていますけれども、様々なオペ室とかICUとか、大学病院の機能を増強するために建物を広く造っていただいて左側の建物は徐々に増加しているのですが、残念ながら、広くなった分も含めて減価償却累計額というのは増えてきて、残存価値が少なくなっているという状況です。
右側のグラフを御覧になっていただきますと、機器はかなり老朽化が厳しい状況に入っていて、手術支援ロボットであるダヴィンチといった次世代医療を担う新しい機器も購入していますけれども、病院には多数の様々な機器があり、その中にあってインフラ的な機器の更新整備できていないところです。最先端医療も導入して実践しながらも全体として老朽化が進行している厳しい現状です。
資料1、9ページを御覧ください。この図は、大学病院を取り巻く様々な課題があるので、「今後の医学教育の在り方に関する検討会」を文部科学省で開いていただいておりまして、その中で、いかにして大学病院としての機能を増強していくかということが議論され、中間まとめが出ているところです。大学本部のバックアップも含め、様々な経営改革、運営改革に取り組んでいこうと各大学病院は頑張っているところでございます。これは別途また、文科省のホームページに出ておりますので、参照していただけばと思っています。
では、今後の社会の中にあって大学病院がどういうふうな形で進めばいいのかという、環境の話をさせていただきたいと思います。 資料1、9ページ目を御覧ください。これは11月1日に財政諮問会議の中で紹介されたグラフです。今後、人口減少になってきます、病院は2つの側面から大きく影響を受けると思っています。右側のグラフを御覧になっていただきますと、X軸は高齢者人口の増減、Y軸は生産年齢人口、つまり労働力を表したグラフです。労働力対象人口は全体として減っていくという状況でございます。病院にとっての影響は、一つは対象患者の変化です。高齢化によってまた高齢者が増える地域と、高齢者も減っている地域がございます。
そしてもう一つは、病院の中での様々な、労働力についてです。人を治すのは人でございますから、労働力が必要になります。働き手がどうなるのかという事です。グラフで紹介されている、秋田県でございますけれども、これは2020年から2050年の見通しでございますけれども、大体、2020年に対する高齢者人口というのは22.2%減って、働き手はさらに半分以下になるというのが秋田県の状況であるというところでございました。この予測の約半分ぐらいまで来ているわけでございますけれども、このように見ますと、患者さんが減りつつある地域、そしてなおかつ労働力が著しく落ちていくという地域と、患者さんはまだ増えているのだけれども、若干労働力が減っていく地域というのは大きく違いがあるのかなと思っています。各国立大学でもその違いが出ているところでございます。
資料1、10ページ目を御覧ください。これは、それに伴って具体に病院がどんなふうに変化していくかという事ですけれども、特に右側の日本地図を御覧ください。これは外来患者がピークとなる年別に色分けされています。すでに2020年以前にピークを迎えている地域がほとんどです。つまり、外来患者はもう減っています。そういう地域がほとんどになっているという状況です。
資料1、11ページ目を御覧ください。次のグラフでございますけれども、これは消防庁が出しているグラフですが、左上のほうの帯グラフを御覧ください。オレンジの部分を御覧になっていただければ分かりますけれども、救急搬送が増えていますが実は高齢者搬送が大きく増えています。併せてグラフには出ていませんけれども、高齢者搬送は、重症の方もいらっしゃいますけれども、全体としては、軽症の方が多く二、三日で帰宅される状況も増えています。
もう一つ、右側上のグラフは、11月8日に新たな地域医療構想等に関する検討会で出されたものですけれども、死亡場所の推移です。これは2005年ぐらいを境に、濃いブルーの部分がどんどん減っていると思います。以前は御自宅より、病院で亡くなる方が多かったのですけれども、濃いブルーのところがどんどん減ってきて、それで薄いブルーと赤いところが増えています。薄いブルーは在宅でございます。赤いところは施設でございます。つまり、高齢者もまだ増えている地域はありますけれども、お亡くなりになる場所はもう病院じゃなくなりつつある。施設と在宅になりつつあるという状況でございます。
その結果、左下の折れ線グラフを御覧になっていただくと分かりますけれども、病床利用率の推移、この30年間、実は一般病床はどんどん減ってきておりまして、今69%ぐらいと書いていますけれども、都内ではもう6割台を切っている、そんな公的病院もございます。ですので、多くの医療機関の方で誤解されている方がいらっしゃるのですけれども、コロナで患者さんが帰ってこないではなくて、患者さんはもういなくなっているということを早く気づくべきだと思っています。
そういうで、入院の病床が空いていくということになるわけでございます。外来も減って入院患者も減っていくのですけれども、じゃあ、大学病院も病床をどんどん減らしたらいいのかというとそうはならなくて、右側下のほうに棒グラフは、全国の国立大学病院の稼働率でございます。赤の折れ線グラフである在院日数がどんどん短縮して、22日から11日へ半減しています。つまり、半分の期間で患者さんを治すということをどんどん頑張っていって、その結果、青い折れ線グラフである入院の単価が上がっています。稼働率、若干落ちていますけれども、普通の病院よりもはるかに維持できています。大学病院はほとんど8割を超えています。ですので、地域の病院のでは患者さんは減ってきて病床がどんどん要らなくなっているのですが、大学病院はまだ患者さんの症例が集まっているというところです。当然ですが、地域の医療機関が減少する、統廃合が進んでいくのだと思いますけれども、その中にあっても、医療の最後のとりでである大学病院に症例が集中していく状況は、まだ当分続くかなと思っています。
資料1、12ページ目を御覧ください。以上の前提に、今後の医師の偏在、と地域医療機関の撤退戦が日本全国で始まっている。次々と患者さん少なくなり、病院での労働者も減少する、病院も統廃合していく。その中にあって、特に地方の大学病院は最後まで頑張っていかないと、地域の医師偏在の問題も深刻化するところでございます。この撤退戦における大学病院の在り方というのは、一番下の行、2025年度の列に書いていますとおり、今後、都道府県と大学病院がしっかりとパートナーシップを持って、協議しながらやっていかないとうまくいかない。実は大学病院にお医者さんが少なくなると、その地域の他の病院にお医者さんが行くわけではなくて、残念ながら、多分、都会に行ってしまうということが起こります。ですので、まさに地域医療がどんどん収縮していく中であっても、大学病院のどこまで頑張っていくかというところは、都道府県としっかり話し合い協力していかなければならないと思っています。また今後、都道府県もそのことを意識して一緒になって考えていただければと思っています。
資料1、13ページ目を御覧ください。このグラフは、平成24年、これはちょっと古いのですけれども、私も参画しておりました研究報告で大学病院の手術と一般医療機関の手術を同じ術式でどれぐらいの面積が必要かということをレポートさせていただきました。左側のほうのオレンジの棒グラフが国立大学で、グリーンの棒グラフ、こちらは当時の外保連に出ている必要面積でございます。これを比較しますと、かなり件数の多い手術を選びましたけれども、大学病院は少し重たい手術が多い事と、多くの機器もありますし、また、なおかつ人材育成としての教育機能もありますので、実際に学生さんも入るなど様々な勉強をしに来る人もいらっしゃいますので、より広い面積が必要だということになります。こういった部分の、教育機能も充実させていく必要があるのかなと思っています。
資料1、14ページ目を御覧ください。さて、ただ、こういうふうに本当に大学病院はこれからも残って頑張っていかなきゃいけないのですけれども、今再開発費用というのは非常に上がっています。右側折れ線グラフに建設物価の高騰が表れていますけれども、以前は平米50万円ぐらいまでで何とか再開発の新築ができたのですが、今はもう90万になっても、落札できない公的病院が次々出ています。1.8倍になって、それでもなおかつ落札できないという中で、幾つか左下の日本地図に書いていますけど、一時的な理由として、半導体の工場ができたりとか、また、データセンターが日本中でできたりという、こういうサブコン的な様々な設備が必要なので受注ができないというところもあります。一方、この1.8倍に上がっても、実際に落札できない状況というのは、今後も物価高騰と、人件費の高騰の中で続くのではないかと考えます。先ほど触れましたとおり大学病院は増収減益ですので、本当にこれから大学病院が再開発できるのかというのは大きな論点かなと思っています。
資料1、15ページ目を御覧ください。最後に、今までの課題を全部まとめさせていただきました。1つ目は、財源の多様性で、診療報酬も今後集約した高度医療に対する財政支援が必要だろうと思っています。また自治体でも一緒に地域医療を支えるための医師派遣機能と、また新型感染症対策とか、防災のことも含めた医療施設に対する整備、これも自治体と一緒になって検討し、自治体からも御支援をいただきたいと思っています。それから、外部資金で研究資金とか、また企業からの出資、また様々な医療の附帯設備なども、多様な寄附金なども含めて考えていかないと、とても診療報酬だけでは無理かなと思っています。
それから、2番目でございます。新築はそう簡単にできないし、大変負担がありますので、しっかりとした検討の必要があると思っています。既存建物の改修による活用も今後は大事かなと思っています。
3点目が、治療空間と患者居住空間と機器保存空間と外部委託空間という、これはそれぞれ実は同じ建て方で同じ中で全部作られる時代はもう終わったのではないかなと思っています。それぞれ病院が、本当に病院がつくるべき空間なのかどうか。そこもまた、人がいなくてもいいのであれば、もっと簡素なやり方はないのかということも考えないと、なかなか厳しいかなと思っています。
4点目です。今回のテーマですけれども、外部研究機関の誘致。研究機能が大学にとってとても大事でございます。このためには、そういう外部の研究者を誘引するための学内的な措置とか、本部に協力していただきながら、共創拠点をつくっていければなと思っています。
それから、5点目でございます。やっぱり長く使うことが必要になりますので、変わっていくということを前提にして計画を立てなきゃいけないのではないかなと思っています。先ほどありました地域の様々な計画も含めて、今後の長い計画を立てていく必要があります。
6番目でございますけれども、収益は実際に診療報酬だけでは無理でございます。いかにして予防医療とか、インバウンドとか、そういうところに投資しながら、ある程度収益も稼ぎ頑張って研究もやっていける組織にしていく必要があると思っています。
それから、7番目の防災拠点としての役割の分担。特に災害拠点病院とか、最後のとりでとしてどれだけ機能を維持していくか。そこは、日常的に運営費用も必要になりますので、そこも含めたところを考えなければ担保できません。
最後でございます。これは今回のテーマではないかもしれませんけれども、今までの再開発の借入金を30年の返済ではとても返せそうにない状況です。できましたら建物の実耐用年数と同じ、40年近くかけて返済することができるような新しい借入金制度の改善も御検討していく必要があるのではないかなと思っています。
以上、全体を少し長めに話してしまいましたけれども、病院の持っている課題と今後の方向性についてレポートをまとめました。以上が私の提案でございます。ありがとうございました。
【西尾主査】 塩﨑様、国立大学病院が今抱えておられる問題等につきまして、本当に分かりやすく御説明いただきまして、ありがとうございました。御説明にありましたように、大学病院が、医療機関における最後の砦であることは、コロナ禍において、我々も実感したところです。それだけ重要な機能を持つ国立大学病院を今後どう維持発展させるのかという点は非常に重要な観点であると考えております。一方で、昨年度、会計上とうとう60億円の赤字が出ざるを得なかったということも深刻な問題として受け止めております。その点も踏まえながら、皆様方から様々な御意見や御質問を受けることができたらと思っております。何かございませんでしょうか。挙手をいただければと思います。
下條先生、どうぞ。
【下條委員】 御発表ありがとうございます。私、今青森におりまして、まさに先生おっしゃるように、大学病院というのが地域医療の中核になっているということは実感しております。特に青森みたいな地方では、弘前病院から全青森を見ないといけなくて、そのためには、実は移動が二、三時間かかるという話があって、そのときに遠隔医療等の整備というのを逆に、むつ(むつ総合病院)とか対応する病院で行っていただくことによって、医師不足だとか、幾つかの問題を解決できるという話がありましたけど、そういった取組というのは全国的になされているものなのでしょうか。
【塩﨑委員】 よろしいでしょうか。
【西尾主査】 塩﨑様、よろしくお願いいたします。
【塩﨑委員】 ありがとうございます。まさに先生がおっしゃるように、遠隔ICUというお話も動いてございます。それぞれの地域へ看護師さんが行って、医師の指導の下で、治療と言うとあれですけれども、様々な処置をするということもございます。そうやっていかないと、先生がおっしゃったとおり、撤退戦の中では全てを網羅するというのは難しいのではないかなと思っています。まさに始まったところかなと思っていますし、多分これは、各大学病院も遠隔のそういうルームをつくっていくということもあり得るのかなと思っています。5Gが取りざたされたとき、ちょうど中国がそういうのを各病院につくって、かなりの地域を何とか守ろうとしてい
たこともございますけれども、まさに通信手段も大分進歩してきましたので、いろんなことができるかなと思って期待しているところでございます。
以上でございます。
【下條委員】 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。
【西尾主査】 病院の新しい機能として、今塩﨑様がおっしゃったような遠隔医療の機能をさらに充実させていくことが、これからより重要になってくるということで、下條先生の御質問に対する重要なお答えにもなっているのではないかと思いました。
恒川先生、どうぞ。
【恒川委員】 ありがとうございます。名古屋大学の恒川です。塩﨑さん、かつて名古屋大学にもいらっしゃったこともあるのでよく御存じだと思いますけど、名古屋大学を例に挙げますと、長期的に改修をしようと思っても土地に余裕がなくて、バッファーでプレハブを建てたりとかということもできないということで、今多くの大学が、新規移転したところはともかく、改修しようにも敷地的に手詰まりで建物を建て替えられない。一方で、長期的に使わなければいけない、もったいないと言いながら、医療の進展に建物が追いつかないという状況が起こっていて、実は土地や建物の現状の問題で手詰まりになっているのではないかと思います。名古屋もそれで非常に困っているのですけれども、この辺り、全国的にはどんな状況なのかを教えていただけますでしょうか。
【塩﨑委員】 よろしいでしょうか。
【西尾主査】 ぜひよろしくお願いいたします。
【塩﨑委員】 まさに私も名古屋大学のときに、ちょうど機能強化棟というのをどうしても必要だということで院内で議論したときに、実は名古屋大学だけが容積率が300%に上げてもらえていなかったということを初めて知りまして、名古屋市立大学とかほかの全ての大きな病院は、名古屋市は全て容積率を300%に上げているのです。ところが大学病院だけ置いていかれているというのが分かりまして、名古屋市のほうに話をしましたら、それは国だからと、国は別なんだみたいな言い方をされたのですけれども、地域に対する医療は名古屋大学病院は、懸命に頑張っているのだから同じように扱ってほしいというお話をして、結局、近隣地域の住民96%ぐらいの同意を取り付け、容積率を300%まで上げていただきました。そういう意味では、今までは国だから別なんじゃない? ということを結構地元自治体は考えていますけれども、地元自治体と一緒になって、その地域全体の土地の活用の仕方を考えなきゃいけないかなと思っております。
それと、まさにローカルな話になって申し訳ないのですが、名大病院の隣にある大きな公園がございます。その名大の横にある大きな公園は土日以外、駐車場はがら空きです。それをもっと有効活用して使わせてくれという話もしましたけれども、それはいやいや、あんたたちは国だからとかいう話ですけれども、地元自治体としっかり話し合いながら土地の有効活用を考えていかないと駄目じゃないかなと思っています。今後は多分、そういった意味では自治体と検討する必要があるかなと思っています。
以上ですけど、いかがでしょうか。
【西尾主査】 恒川先生、いかがでしょう。
【恒川委員】 ありがとうございます。改修するときに、改修することもできないぐらい、容積率が足りないこともそうですけれども、仮設をつくることもできないほど土地に余裕がない、建蔽率もいっぱいになっているというのも、多くのところで問題になっているのではないかなと思います。そうすると建て替えるしかないが、建て替える場所もないし、別の土地を求めるということもなかなか難しいということで、手詰まりになっているところが多いのではないかという実感があります。ありがとうございました。
【西尾主査】 塩﨑様からのお話で、地元自治体と国との関係がクローズアップされておりましたが、本委員会には、大村知事にも御参加いただいておりますので、今後、文部科学省の事務局でも地元自治体との連携について、改めて大村知事と種々お話しいただけるとありがたいと思っております。どうもありがとうございます。
それでは、高橋様、どうぞ。
【高橋委員】 ありがとうございます。御説明ありがとうございました。この分野にはそんなに明るくないのですけれども、1つ、そもそもこの会議が、国立大学法人等の施設の整備充実をどうやって図っていくのということを検討する母体ということを踏まえて、実際に今お話しになったような今後の改革ですとか、規制等の少し柔軟化ということを担う人は、大学の中でどういう人たちがやっているかというところを伺いたいと思います。極めて特殊な大学に関するルールですとか、施設、インフラ整備等があると思いますが、これを担う方たちというのは、やはり大学の中の事務職員や(大学)施設部のそういう方たちが、長くその大学に所属した人たちが自大学のことを考えるというのが現状なのでしょうか。というのは、ある程度は国の大きな方向性として共有できる課題が多くあるのではないかと思うのですけれども、どんな人たちが個々の大学の中でこのプランを実装するのか。そこら辺の少し実情を教えていただければと思います。
【西尾主査】 塩﨑様、この点についても今までの御経験等を踏まえてお答えいただけますか。
【高橋委員】 よろしくお願いします。
【塩﨑委員】 ありがとうございます。私が間違っていましたら、文教施設企画・防災部のほうでぜひ追加をお願いしたいと思っています。私も再開発に何度か立ち会いました。実際そのとき中心になるのは、大学の施設のメンバーと、それから事務のメンバーが、病院長と病院執行部と一緒になり検討する状況でした。今先生がおっしゃいましたとおり、各それぞれの地元から施設で頑張っている人たちもいますし、大学施設部のほうは、別の人事系統で各大学を横に異動していただいています。もう一つ、なかなかそれだけではカバーし切れないので、施設部(文教施設企画・防災部)のほうは早めに相談に来てくれということを以前からおっしゃっていただいておりまして、計画の段階で早めに文科省のほうに御相談に上がっていくと、もっといろんな知恵があるというところがございます。今先生がおっしゃったようなところは、まさに早めに計画を立てる段階で、途中でもいいから早めに相談していくということが重要かなと思っています。そうしないと、どうしても地元のメンバーは、20年か30年に一度しか再開発はないものですから、めったに合わないのですね。でも、そういった知見は、まさに文科省の文教施設企画・防災部はお持ちですので、こんな知恵があるよということを早めに相談していくことが今後重要かなと思っています。問題なければ、そのような形の対応でお願いしたいと思っています。
【西尾主査】 文部科学省から一言補足していただけますか。
【小林計画課整備計画室長】 今まさに塩﨑委員からおっしゃっていただいたような形で、いろいろな病院の病院長の方が集まる会議などでも今お願いをしているところでして、文部科学省は全国のストックとか知見などがございますので、そうしたものをうまく生かしながら、一番よい形を一緒に考えていくという形で今進めております。
【高橋委員】 ありがとうございました。
【西尾主査】 上野先生、どうぞ。
【上野委員】 ありがとうございます。今の高橋委員のお話と塩﨑委員のプレゼンテーションをお聞きして思ったことなのですけれども、やはり大学病院というのは、これまで僕自身も高度医療ということを進めていくことばかりに目が行っていて、実は地域医療の部分で非常にこれからの問題が大きいということを実感いたしました。ありがとうございます。
病院の今後の方針を決めるということ、あるいは再開発、施設はどうあるべきかということを、そこの病院長をはじめ、病院のスタッフの方々、教員、職員含めて、医療、教育、研究に加えて、常に考えていらっしゃることを、私自身の千葉大学での経験や、塩﨑委員が千葉大にいらっしゃったときの再開発計画の立案時のことを思い出し、あらためて実感しました。
一方で、病院は自分たちでお金を稼いで返していくので、建設費が常に用意されていていいよねというような、非常に単純な意見が大学のほかの部分から出ているというのも実態かと思います。ただ、本来は、今回の国立大学の施設整備ということで言うと、病院だけじゃなくてほかの構成メンバー、施設職員だけじゃなくて、大学の教員も含めて、その施設の在り方、自分たちが無駄な使い方をしていないかとか、施設をどうマネジメントしていくかという意識を高める必要が絶対にあると思います。実際、文教施設企画・防災部のほうでも、これまで施設マネジメントの重要性とかということは常に発信しているのですが、やはり病院関係者に比べるとまだまだ意識が足りないような気がいたしました。先ほど基本計画を立てるときに早めに相談に来てというようなことについても、実態を言うと、病院の再開発ですと、病院長のというか、病院の予算の中で、例えば海外視察の事例を見に行く場合でも、病院の人たちと大学施設部の人たちが一緒に行くようなことが割とよくできています。一方で、病院以外の施設整備に関して、教員と事務方と大学施設部が一緒になっていろんな検討を進める。例えば、視察に行く予算がなかなか取れないというところもあると思います。その辺の問題をこれからどう解決していくか、少し文教施設企画・防災部のほうでも何かいい知恵を出していただければと思いました。
雑駁ですが、意見でございます。
【西尾主査】 病院での再開発が一つの好例になるのではないかということでございますが、文部科学省の方で何か今の段階でコメントいただけるようなことはございますか。
【小林計画課整備計画室長】 今後、この会議、中間まとめだとかそういうことで、大学の皆さんに読んでいただくようなものをつくっていく段階になっていくわけですけれども、まさに学内でどうやってよいものをつくっていくかという体制をつくっていただきたいというのは、これはかねがね言っていますし、またイノベーション・コモンズの理念の一つでもあると思いますので、例えば今おっしゃっていただいているのは、大学の病院のほうでの好例などは、ほかのところでも活用できるというようなメッセージなども入れていくということで、いろんなところに私たちもアピールをしていくということが考えられると思います。
【西尾主査】 ありがとうございます。ほかに御意見などありますか。
塩﨑様、今の上野先生のコメントに対して、何か御意見ございますか。
【塩﨑委員】 ありがとうございます。上野先生、いつもいろいろお世話になっています。ありがとうございます。今の先生のお話、重要な論点かなと思いましたけれども、建物とそれから経営のマネジメントというのは、ほとんど一体だと思っています。いかに有効活用ということも当然ですけれども、この病院建物の巨大なインフラをどううまく使って活性化していくかということが勝負かなと思っています。そういう意味では、怒られますけれども、案外、文教施設企画・防災部に早めに相談に行くと簡単に解決する問題が、結構地元だけで一生懸命考えていると行き詰まってしまうので、もうさっさと相談に行ったほうがいいなと思っています。そういう意味では、様々な知見を入れながら、施設マネジメントと経営のマネジメントは同一線上にあるというふうに考えていくべきかなと思っています。そういう面で、病院も様々な検討が進められればなと思っています。よろしくお願いします。
【西尾主査】 ありがとうございました。ほかに何か御意見ありますでしょうか。
塩﨑様、プレゼンテーションを伺いながら本当に多くのことについて勉強させていただきまして、どうもありがとうございました。
【塩﨑委員】 ありがとうございました。
【西尾主査】 国立大学病院は自らの収入があるからこそ財政投融資のような仕掛けが機能しているのですが、特に最近、高価な薬を使用するようになってきている中で、病院の稼働率を相当上げたとしてもなかなか収益は出ない状況になっています。そのような状況を踏まえて、塩﨑様の発表の最後に、例えば建物を再開発した場合、財政投融資の返却が非常に厳しい問題になっており、返却期間30年間というのがなかなか難しくなっているため、少なくとも40年間に延ばしてほしいというお話がありました。そのような点について、先ほど上野先生がおっしゃったように、国立大学病院、大学の経営の現状を見つつ、国の制度として再度御検討いただき、改定できるものは改定していただいて、日本の医療における最後の砦である大学病院を何とか発展維持させる提言を次の基本計画の中に盛り込んでいけたらと考えております。どうかよろしくお願いをいたします。
それでは、次に議題2、国立大学法人における地域の防災拠点及び地域と連携した人材育成と地域産業振興のための共創拠点の取組の事例、グッドプラクティスについて事務局より御説明をお願いいたします。
【松田計画課整備計画室室長補佐】 それでは、資料3-1、東海国立大学機構における共創拠点の取組事例及び資料3-2、三重大学における共創拠点の取組事例について御説明させていただきます。
始めに、産学官民連携における地域の防災拠点となる共創拠点の取組事例としまして、東海国立大学機構における共創拠点の取組事例について御説明させていただきます。
資料3-1、2ページ目を御覧ください。こちらは、東海国立大学機構における共創拠点化の背景・目的を示した資料になります。東海国立大学機構が地域の防災拠点となる共創拠点に取り組んだ背景としまして、東海国立大学機構では、南海トラフ地震等の大規模自然災害に備えるため、最先端の防災・減災研究を産官学民の連携を通して展開し、地域の防災力を向上させることを目的として、東日本大震災発生後、2012年に減災連携研究センターを正式発足しました。さらに、当該研究センターにおける防災・減災研究を推進するとともに、平時には地域住民等に自然災害への備えを促す防災啓発や防災人材の育成のための場、災害時には地域を守る災害対策本部を設置するなど、災害対応のための場として2014年に減災館を新築しました。その後、名古屋大学、愛知県、名古屋市が連携して、講演会やセミナーによる防災啓発や研修等による地域の防災人材の育成等を推進するため、2017年にあいち・なごや強靱化共創センターを減災館に発足し、地域と連携した減災の取組を推進していると聞いております。
資料3-1、3ページ目を御覧ください。こちらは、先ほど説明しました東海国立大学機構における実施体制及び取組概要を示した資料になります。先ほども触れましたとおり、減災館では、減災連携研究センターが主に最先端の防災・減災研究を実施しており、あいち・なごや強靱化共創センターが主に防災啓発や地域の防災人材の育成等に取り組んでおります。これら2つの組織が連携して、大規模自然災害発生時に被害を最小限に抑え、復旧・復興が迅速に進む減災社会の実現を目指した取組を実施していると聞いております。
資料3-1、4ページ目を御覧ください。こちらは減災館の用途等を示した資料になります。東海国立大学機構では、減災館の新築に合わせて、市民向けの防災アカデミーやげんさいカフェ、自治体向けの防災専門研修等が実施できる講義室やホールを整備したと聞いております。
資料3-1、5ページ目を御覧ください。こちらは、東海国立大学機構における共創拠点化による効果を示した資料になります。まず始めに、地域との産学官民連携による防災啓発に関する実績としまして、資料左上になりますが、主に地元の地域住民など来館者は毎年約1.3万人、市民向けの各種講演会やセミナーの参加者は、毎年約2,000人から3,000人となっているとのことです。
また、地域の防災人材の育成に関する実績としまして、資料右上になりますが、誰でも参加できる防災人材教育プログラムの参加者は毎年約100人、避難所運営等の災害時の対応に関する自治体職員向けの防災専門研修の参加者は毎年約500人となっているとのことです。こうした成果から、OUTCOMEとしては、市民向けの各種講演会やセミナー等に数多くの地域住民等が参加しており、地域全体の防災啓発に貢献できている。また、防災人材の育成に関する研修等を毎年実施しており、地域の防災人材の育成に貢献できていると考えられます。
さらに、産学官連携による最先端の防災・減災研究に関する実績としまして、資料左下になりますが、毎年約30件の研究を実施しているとのことです。こうした成果から、OUTCOMEとしては、産学官連携による共同研究を実施することにより、最先端の防災・減災研究の推進に貢献できていると考えられます。
最後に、減災館ではありませんが、災害時における地域との連携に関する実績としまして、資料右下になりますが、名古屋市の指定避難所として名古屋大学の附属中学校・高校の体育館が指定されていたり、名古屋市東山元町等と一時避難場所として山の上の屋内運動場の使用協定を締結したりしているとのことです。こうした成果から、OUTCOMEとしては、平時からの地域とのつながりを活用して、大学の一部を地域の避難所・避難場所として提供することにより、地域防災力の向上に貢献できていると考えられます。
資料3-1、6ページ目を御覧ください。こちらは、地域の防災拠点となる共創拠点の実装化に向けた課題と方向性を示した資料になります。先ほど御説明しました東海国立大学機構の取組から、共創拠点の実装化に向けた方向性としては、これまでも言われておりましたが、産官学連携による防災・減災研究ですとか、災害時の教育研究の継続性の確保に向けたソフト・ハードの両面による環境整備を推進することが引き続き重要ではないか。
また、こちらは新しい観点ではありますが、国立大学が地域の避難所等を提供する場合、国立大学における避難所等となる施設などの防災機能強化を図ることが重要ではないか。なお、こちらにつきましては、引き続き、過去の大規模自然災害における被災地の国立大学の対応事例を調査しており、次回、第4回協力者会議で改めて御報告させていただきたいと考えております。
その下ですが、また、平時より、避難所等を提供する国立大学と避難所の運営を担う市町村の防災担当部局等との連携体制を構築するとともに、避難所運営にも関わる地域の防災人材の育成や地域連携を推進するためのネットワークづくりに資する場をソフト・ハードの両面で整備することが重要ではないかと考えております。
続きまして、地域と連携した人材育成と地域産業振興のための共創拠点の取組事例としまして、三重大学における共創拠点の取組事例について御説明させていただきます。資料 3ー2、2ページ目を御覧ください。こちらは、三重大学における共創拠点化の目的を示した資料になります。三重大学が共創拠点に取り組んだ背景としまして、三重大学では、地域経済の衰退に伴う新たな市場の開拓や新事業の開発の必要性に迫られていた地域の産業界から、新事業を開拓する人材の供給と新事業創造につながる共同研究への協力が求められており、地域連携による地域経済の活性化が三重大学の使命(ミッション)となっていたと聞いております。そのため、三重大学ではヒト・モノが結集して地域共創する拠点、地域イノベーション研究開発拠点を全ての学部の結節点である上浜キャンパスの中央に既存施設を増築する形で整備し、地域の産業界との共同研究を土台とした地域社会の将来を担う中核人材の育成と、地域課題解決に必要な学際的研究による成果を地域や産業界に還元することに取り組んできたと聞いております。
また、三重大学では、県内5か所に地域拠点サテライトを設置しており、当該サテライト施設が三重大学と地域との窓口となり、地域の課題(ニーズ)を発掘し、これらの課題解決に向けた学際的研究による成果を地域や産業界(三重県全体)に還元することにも取り組んでいると聞いております。
資料3ー2、3ページ目を御覧ください。こちらは、先ほど説明しました三重大学で取り組んでおります共創拠点化に向けた施設整備(ハード)と仕組みづくり(ソフト)の変遷を示した資料になります。流れとしましては、最初に、左下にございますが、当時の豊田学長の文理融合の大学院構想を基に、地域とともに共創して発展する地域イノベーション、地域イノベーションといいますのは、三重大学の西村先生がおっしゃっているのですが、地域内での創造的破壊を伴う新結合を生み出すことで新たな価値を創造し、時代に適応した新たな社会を創造することと定義されておりますが、こちらを研究し、教育する場、新しい大学院として地域イノベーション学研究科を設置し、続いて、当該大学院と地域の産業界との共同研究を実施する各種センターの活動拠点を既存施設の増築で整備し、地域社会が求めるイノベーターの創出等につなげていると聞いております。
三重大学の特徴としましては、国立大学と地域の企業が共同研究している事例は全国にも幾つかありますが、地域と産業界と連携した共同研究を実施する各種センターと、地域社会が求めるイノベーターを創出するとともに、地域課題解決に必要な学際的研究による成果を社会に還元するための学部を持たない大学院である地域イノベーション学研究科の2つのソフト機能を整備するとともに、これらの活動拠点となる地域イノベーション研究開発拠点という場をハード整備した点にあります。
資料3ー2、4ページ目を御覧ください。こちらは地域イノベーション研究開発拠点の用途等を示した資料になります。三重大学では既存施設の増築に合わせて、当該施設がヒト・モノが結集して地域共創する拠点となるよう、学内と学外の様々なステークホルダーがディスカッションできる講義室やホールを整備したと聞いております。
資料3ー2、6ページ目を御覧ください。こちらは、三重大学における共創拠点化による効果を示した資料になります。まず始めに、地域課題解決に必要な学際的研究による成果を地域や産業界に還元している事例としまして、こちらは地域イノベーション学研究科で学んだ主な経営者の方々ですが、当該大学院で博士号取得の際に研究された成果を自らの企業等で社会実装することにより、事業の拡大や高い収益性を実現したりしているとのことです。こうした成果から、OUTCOMEとしては、共同研究を三重大学と地域の企業が行い、その成果を地域や産業界に還元することで、新事業の創造による地域経済の活性化に貢献できていると考えられます。
資料3ー2、7ページ目を御覧ください。続きまして、地域社会の将来を担う中核人材育成の実績としまして、地域イノベーション学研究科でこれまで博士号を取得した社会人の割合は約60%となっており、博士号を取得した社会人を数多く輩出しているとのことです。なお、現在、博士後期課程に在籍している社会人学生は25名とのことです。こうした成果から、OUTCOMEとしては、共同研究による成果を地域や産業界に還元できる博士号を取得した社会人を数多く輩出することで、地域イノベーションの創出に貢献できていると考えられます。
さらに、地域の産業界との連携による地域イノベーションのハブ拠点形成の実績としまして、各種センターと多くの機関が連携しているとのことです。こうした成果から、OUTCOMEとしては、地域課題解決に向けて、地域や産業界との連携体制を構築することにより、地域のイノベーションのハブ拠点を形成できていると考えられます。
資料3ー2、8ページ目を御覧ください。こちらは、地域とともに発展する共創拠点の実装化に向けた課題と方向性を示した資料になります。先ほど御説明しました三重大学の取組から共創拠点の実装化に向けた方向性としては、1つ目としまして、地域の産業界と国立大学との共同研究を土台として、地域社会の将来を担う人材の育成に向けた教育研究を実施することで、そこで学んだ社会人が共同研究の成果を企業に還元し、新しい社会に適応した新産業の創造(変革)につなげ、こちらを覚醒と定義しておりますけれども、その行動がさらにほかの社会人や一般学生などにも影響を与え、連鎖反応(地域イノベーションの群発)による地域経済の活性化を促すためには、裃を脱いだ議論ができる場をソフト・ハードの両面で整備することが重要ではないか。
2つ目としまして、国立大学が地域の産業界とともに発展(成長)していくためには、地域との一体感、信頼関係を相当強く構築する必要があり、そのためのヒト・モノが結集して地域共創する拠点(場)をソフト・ハードの両面で整備することが必要ではないかと考えております。
説明は以上になります。
【西尾主査】 御説明ありがとうございました。
産学官民連携による地域の防災拠点、それから、地域と連携した人材育成と地域産業振興ということで、すばらしい事例を御紹介いただきました。今予定しています次期の基本計画等においても、防災拠点は非常に重要なテーマになっていくと思いますし、また、地域産業に資する人材育成も、今まさに様々な委員会などで議論されているところです。今御説明いただいた二つの事例紹介に対しまして、皆様方から御意見やコメントをいただけますと幸いです。名古屋大学のことに関しましては、ちょうど恒川先生もいらっしゃいますので、いろいろお答えしていただけるのではないかと思います。早速、恒川先生、どうぞ。
【恒川委員】 すいませんありがとうございます。
少しだけ補足的なことをお話しさせていただいてよろしいでしょうか。
【西尾主査】 どうぞ。
【恒川委員】 東海国立大学機構におけるというのが冠についていましたが、我々の認識としては、東海国立大学機構の傘下ではありますが、これら全て名古屋大学の取組です。なので、名古屋大学の名前もつけておいていただけるとうれしいなというのが1つです。
大事なことは、ソフトとハードをまさに一緒にやるということがイノベーション・コモンズの議論で非常に重要ですけれども、ソフト・ハードのソフトが極めて強い推進力を持って動かしているということが、こういう拠点化につながっていると思います。御存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、減災センターには定年退職された福和先生という名物教授がおりまして、この方が自治体の首長さん相手に強烈に推進していった結果、自治体の職員を常時数十人、この施設に抱えているのです。数十人の愛知県や近隣の市町村からの職員が常にここにいるということ自体が、地域もやらなければいけないということを、強烈に実践しています。そこで、それぞれの自治体での悩みを解決するというようなことも含めて、教職員が一緒に課題解決しながらそれを実際に自分の自治体に持ち帰るというソフトの仕組みをつくっています。この減災館は私たちも当初の計画に関わっているのですけども、こういうものをつくって、そこで常にイベントなりいろんな形で仕掛けることをし続ける体制をつくる、まさにソフトをつくるということなのですけれども、それをつくっていること自体、なかなかここまでやるのはできないことをできているのかなと思っています。そういう意味で、やはりソフトをどういう人たちが担っていくのか、それを担える人材がそこにいるのか、それが継続していけるのかということが極めて重要なことだったなと思っています。
【西尾主査】 ありがとうございました。ソフト面で大学と地域が一体的になって活動することの重要性について、非常に貴重な御示唆をいただいたと思います。どうもありがとうございました。
それでは、木部先生、両角先生、上野先生という順番でお願いしたいと思います。まずは木部先生、お願いいたします。
【木部委員】 どうもありがとうございます。木部でございます。
減災館の活動、非常に参考になりました。というのは、私どもも文化財を保護する、どうやって災害から文化財を守るかという活動を歴史資料ネットワークという事業でやっています。今でも能登の復興がまだ進んでない状況なのですけども、そこで感じますのは、防災アカデミーや減災カフェのようなことをやって、ふだんから市民の方を巻き込んだ活動をするというのはとてもすばらしいと思いました。そのときに、私どものような文系といいますか歴史系のことをやっている者から見ますと、災害当時は、まずは人の命を救済するのが必要。そして、救済した後は、とにかく生活を支援するのが必要ということなのですが、能登半島地震や東日本大震災でも、復興が長期化することが多いのです。だんだん長期化してくると、次は地域の精神的な支えをどうするかということが問題になります。私どもは地域の文化的な面にもう1度目を向けることで、地域を復興するための精神的な柱を作ろうという活動をやっています。短期的なことと長期化するということを考え、長期化したときのことを考慮して、地域文化的なものも防災に含めていくという考えです。それにどう取り組めばよいか、これは名古屋大学の恒川先生にお伺いしてもよろしいのでしょうか。文科省の方にお伺いするのか、ちょっと教えていただければと思います。
【西尾主査】 短期と長期を見据えて、地域の文化をどう考えていくのかという点は、非常に重要な観点だと思いました。
まず、恒川先生、もしコメントがありましたらお願いいたします。その後、文部科学省からもぜひコメントをお願いします。
【恒川委員】 ありがとうございます。私自身もこの減災研究センターの兼任・連携教員ですけれども、実はこの減災センターには、文系の方も、心理学とか地理学の方も入っていて、そういう方々もこの連携センターの連携教員だったり兼任教員だったりして、様々な課題を、歴史的なことや心理的なことも含めて議論する場も設けるような形にしています。なので、長期にわたる心理的な問題とか、実際に災害が起こったときにパニックになるということはどう解明すればいいのかとか、文系の方々との連携も含みながら、自治体の方々と知見を共有するというようなこともやっています。ただ、避難所等の生活が長期化するとか、あるいは歴史的な建造物がどうなのかということについては、私もちょっと分からないのでお答えできないのですが、でも、歴史のことをやっている方は結構いらっしゃって、かつての地震ではどういう災害が起こって、それをどういうふうに生かすのかというようなことも展示等のテーマにもしています。
すいません、お答えになっていますでしょうか。
【西尾主査】 文部科学省からも、どうぞお願いいたします。
【小林計画課整備計画室長】 文化の話、今ちょっと出たと思います。例えば今回の能登の地震のときに、例えば輪島なども被災をしていて、それは輪島塗という文化のところが結構被害を受けています。文科省の中で文化庁の組織があって、実際に震災でしっかりこの立て直しをどうしていくかというのは1つ大きなテーマにもなってきました。今回の能登ときには、こういう文化をどう立て直していくか、そして守っていくかというのが大きな論点の1つになりましたので、恐らくこうしたことも防災という観点では、施設部分の話とは少し離れてくるところもございますけれども、やはり考えていくというのが、1つ能登の教訓かなというのも、だんだんそういうことも出てくると思いますので、そうした側面は大事にしていくという姿勢が出てくるのではないかと思います。
【木部委員】 ありがとうございました。すばらしいと思います。能登の場合も災害が起きてからという感じがちょっとあったので、起きる前から文化を総体的に地域の保全の中に入れて考えるという発想をしていただければと思います。
【西尾主査】 どうもありがとうございます。東日本大震災に関しても、やはり時間がたってくると文化的な側面をどう復興していくかということが非常に重要になってきております。文化的面での復興について、災害が起こる前からある程度常時議論することが大事ではないかと考えております。非常に重要な観点を御指摘いただきありがとうございました。
それでは、両角先生、どうぞ。
【両角委員】 ありがとうございます。大変貴重な取組でとても勉強なると思いながら聞いておりました。
今の名古屋大学の減災拠点に関する話なのですけれど、大学だけでなく、自治体の人も常にいるような形で、かなり大規模な連携が行われていると理解しました。産はどこまで、共同研究以外でどこまでここにがっつり入っているかはちょっとまだよく分からなかったのですが、少なくとも官と大学がかなり組んだ形でできているという点、なぜこういう体制が組めたのかというようなところについて、どういうところが秘訣なのかが他の事例が参考にする上で大事で、その点について伺いたいと思いました。
減災とか防災に関わらず、これからの大学の在り方を考えていくときに、地域の自治体なり産業界なり、一緒になって地域の課題を考えていく、その中で大学の教育研究も発展していくという、そういった在り方が重要になっているというふうに思う一方で、あまり自治体がそこまで大学のほうを向いていないというか、一緒に何かするということが本当に難しいなということを感じているところがあり、なぜできたのか。防災だったからやりやすかったという面もあるかもしれませんが、その秘訣を教えてもらいたいなというのが1つ目です。
もう一つ質問が、一つ目の質問とちょっと関係するかもしれませんが、やはりこういう活動をしていくときに、先ほど恒川先生もおっしゃったように、ソフトな活動をしていくためにも、やはり拠点というハードなものがあるということがとても大事だなというふうに感じました。ハードなものは作るのも維持するのもお金もすごくかかりますので、そこを支援し続ける、あるいは最初にお金を投資していくときに、アウトカムというか、こういうことをどう評価していけば、こういうところにちゃんとお金が出てくれるのだろうかというところが気になりました。数字を出すのもとても大事だと思うのですが、例えば資料3-1、5ページ目の、ここが効果ですという、この数字だけだと、次にもつながっていく感じがなかなかしなかったと言いますか、あるいは政治的な判断でこの首長さんはやりたいと言ったけど、次の首長さんはうんと言わないとか、そういうものがすごく出そうな気がしています。こうした活動を評価して、きちんとお金をつけていくといった観点で考えた際に、成果とか、あるいはこういったところでの評価をどんな形で、何を指標に見ていったらいいのかなといったところが、重要でして、このあたりを具体的にどのように考えたらよいのかということについても、合わせて教えていただければ幸いです。
以上です。
【西尾主査】 どうもありがとうございました。恒川先生、もし可能でしたらコメント等をお願いします。
【恒川委員】 最初の秘訣という、どうやってこういう組織をつくっていくのかということですけども、この組織ができたのは2012年です。東日本大震災が起こった翌年ということで、もともと文部科学省に震災の前から組織の概算要求をしていたのですけども、震災がある意味は引き金になって、組織化されたというところはあると思います。ただ、その組織化、概算要求が通って組織ができたという以前から、先ほど話した福和先生をはじめとするグループは、地域と一緒になって減災をどうするのかという活動をしてきた、その実績があったからこそ概算要求が通ったと思うのです。
なおかつ、その先生たちが、愛知県や名古屋市をはじめとする様々な自治体の防災計画、減災計画に深く携わっていたということが、これをつくっていく上で大きく関連しています。国交省の中部整備局とか愛知県とか名古屋市に対して、大災害が起こったときに、ここがバックアップ拠点にもなりますよということで建物の予算をつけてもらっています。建物も、文科省の概算要求でつけて頂いているのですけども、非常にレアな建物で、建物は全面的に免震なんですけども、資料3ー1、2ページ目、の写真の上のほうに見える楕円形の屋根のところが制振装置にもなっていて、なおかつこの楕円形の実験室自体を揺らして、建物全体を揺らすことができるような、大きな実験装置になっています。なおかつ、この実験室を揺らして、その中で地震を体感して、心理的な実験をすることができるのです。これは日建設計さんの設計なのですが、その最先端の技術を入れたりとか、免震ゴムの会社と共同で研究をしたりとか、企業のノウハウも相当入れているので、そういうものを安く入れるということも含めて、実験の一環としてやるみたいなことでお金を入れているという側面もあります。
評価の話については、確かにこういう数字がどうなのかということはありますけど、先ほど言った免震ゴムなども含めた委託研究等を受けているのと、中部電力や東邦ガスというインフラ企業とか民間のトヨタさんをはじめとする地域の企業や自治体の人たちと本音の会というのをやっていて、本当に地震が起こったら何が起こるんだということを、ずっと議論しているんですね。流通がストップしたらどうするんだ、インフラがストップしたときに産業はどうなるんだみたいな話をしていて、そういう人たちと定期的に話をしながらやっているということと、一方で、防災に関する様々な競争的な資金、研究資金も相当入れているので、そういうものを含めて評価を受けたことが、次につながるという形で、どんどん活動が膨らんでいるというようなところは大きいんだと思います。
【両角委員】 ありがとうございました。
【西尾主査】 東日本大震災以前からこのようなことをずっと考えてきておられたということに非常に感銘を受けました。
また、両角先生がおっしゃったように、危機感をどう地域の方々と共有していくかというところが、評価にも大きく影響するということを思いました。
両角先生、貴重な御質問ありがとうございました。また、恒川先生には、有意義なお答えをいただき、ありがとうございました。
それでは、上野先生、五十嵐様、それと伊香賀先生という順番で御発言いただき、この件に関する質疑応答は一旦閉じたいと思います。上野先生、お願いいたします。
【上野委員】 ありがとうございます。今回テーマになっている、共創拠点をつくっていくためにはソフトとハード、両輪でやっていく必要があるというのは、以前からずっと出ていまして、今回御紹介いただいた例のうちの名古屋大学は、まさにそれが実現できた例だと思います。
先ほど免振装置のお話とかというのがありましたけども、それ以外にも、一般の人たちが見に行きやすくなるとか、中で研究する人たちのいろんなコミュニケーションが取りやすい空間の構成などを、実際、現地に行って体験するとよく分かる計画になっていると思います。
ですから、こういうふうに取組事例としてまとめるときは、ソフト寄りになり過ぎない方が良いのではないでしょうか。ソフトはもちろん重要ですけれど、それを支えるためのハードにこれだけいろんな工夫をしていてという辺りを紹介することが、今後の施設整備充実に関わる人たちにとって非常に役に立つんじゃないかなと思いました。
という意味で、例えば三重大学の事例で、これもやはりソフトとしていろいろな先進的なことをやっていると思うのですけども、それを支えるハードがどうなっているかというのが、今回のこの御紹介の中からだとちょっとよく分からなかった。もしかすると、これを見ちゃうと、施設の有効利用をして面積をつくり出して、場所を用意すればいいんでしょみたいにハード整備側の人たちが思ってしまうと、共創拠点に遠いものになってしまう気がするのです。だから、そこで施設改修でもこういう工夫をしたとか、そういった施設整備に知恵を使うことに対して、もっとバックアップする体制を大学としてつくることが必要だと思います。
名古屋大学は、恒川先生、遠慮してあまり言われなかったですけど、設計者とか免振装置の会社とか、そういう人たちをうまくコーディネートして、このソフトを、研究を進める人たちのための施設をつくる計画をしているのが、教職共同の組織でもある施設計画推進室だと思うのです。そういうところを、もう少し各大学、見習って、体制を整えるとか、そういうことに、文教施設企画・防災部からも、もうちょっとバックアップのコメントなどが入るといいじゃないかなと思いました。
以上です。
【西尾主査】 本当に重要なコメントかと思います。この委員会が持つ本来の意義を考えたときに、今、上野先生がおっしゃったことを、今後の基本計画等へ生かしていきたいと存じます。事務局には、何とぞお願いいたします。
それでは、五十嵐様、どうぞ。
【五十嵐委員】 ありがとうございます。質疑ではなく、意見として言わせていただきます。
今ハード・ソフトの話というのが出ていましたが、やっぱり共創拠点が最大限効果を発揮するためにはソフト面が重要です。今日御紹介がありました三重大学の西村先生にはお会いして意見交換もさせていただいていますが、地域イノベーション学のような取組みが非常に重要だと思っています。産業界の立場からしますと、地域の事業者が新たな事業を生み出すとき、必要な知見が共創拠点にある、そこから知見を得られるという仕組み、そしてそこに躊躇なくアクセスできるような仕組み、というのを整備していただくことが必要と考えます。
また、地域の防災拠点としての大学ということで申せば、平時に災害が起きる前に利用されている教室、ホール、食堂、敷地といった大学の施設全体が、被災時に避難場所として活用できるならばメリットはたいへん大きいものがありますし、ぜひそこを追求していただきたいです。地域の特性に合った防災・減災技術を各大学で研究していただくことが重要だろうと思います。
また、施設整備ということであれば、以前にも申し上げたかもしれませんが、ローカルPFIですとかスモールコンセッションといった手法、地域の民間資金ですとか知恵を活用した公的施設整備・管理の手法を採り入れていただいて、地元の事業者とともに共創拠点を発展させていくということを御検討いただければと思います。例えば山口県の山陽小野田市のように、スモールコンセッションによって大学の学生寮を核にして、行政、商工会議所、地元金融機関が一体となって町に活気を生み出す官民プロジェクトというのをやっておられる例もあります。こういうのを参考にしていただければと。ローカルPFIは、地域住民のニーズを踏まえた公共サービスの対応も可能となりますので、防災拠点としての効果も高まると考えます。
最後になりますが、共創拠点化の効果を示すための評価指標の設定というのが今日の、この後の議題にあると思いますけども、評価指標としては、施設の利用実績ということにとどまらずに、共創拠点化したことによって実際に地域に根差した技術とか産業がどれだけ生まれたかとか、あるいはその前の段階のシーズをどれだけ生み出せたかといったような視点での指標も、ぜひ御検討いただければと思います。その生み出されたものの効果が高いといった成果を出せれば、さらに共創拠点の活用が進んで好循環が生まれるのだろうと思います。
ちょっと長くなりましたが、以上です。
【西尾主査】 五十嵐様、ありがとうございました。大学に設置する共創拠点が、敷居が高いと思われず、地域、企業の皆様から気軽に頼って来ていただけるような施設となる必要があるという御意見を含め、今いただきましたコメント等につきましては、商工会議所様と大学の関係を考える上で非常に大切であると捉えております。また、評価の指標についても非常に貴重なコメントをいただきましてありがとうございました。ぜひ生かしてまいります。
伊香賀先生、よろしくお願いいたします。
【伊香賀委員】 2点ございます。
まず1点なのですが、先ほどの名古屋大学の減災館で、すばらしい取組がされていらっしゃるわけですけれども、カーボンニュートラル化に関しての貢献という部分が、もう少しプラスアルファで解説が加わってくれたらよかったかなというのが1点です。それはなぜかといいますと、5か所でカーボンニュートラル達成に貢献する大学とコアリション、活動は数年前から動いていて、国立大学がその中心に、施設側とか購入電力の話とか取り組んでいて、そういう意味で、カーボンニュートラルという観点のキーワードが入っていてほしかったなというのが1点でございます。三重大学についても同様でございます。
それから2点目なのですけれども、大学自身が競争の拠点をつくるというほかに、直近だと愛知県が設立したSTATION Ai、名古屋市の鶴舞に10月1日オープンして、私も関係者なのですけれども、例えばそういう民間の資本、民間のソフトバンクの資金も得ながら、実質的にその地域での共創拠点をつくるというのもうまく活用するみたいな話、予算は無限にはない、限られた国立大学の予算の中で全部をやろうとするのは無理だというような気もいたしますので、民間の力もうまく活用するみたいな視点も、これは名古屋大学に対して申し上げる話ではない、委員会として、そういう視点もあってほしいのかなと。
2点でございます。
以上です。
【西尾主査】 減災というキーワードと同時に、現在世界的に求められているカーボンニュートラルという非常に重要なキーワードがあります。それに関することを、もう少し全体に打ち出していくことが重要ではないかという貴重な御意見をいただき、ありがとうございます。今後、文部科学省でも十分に意識していただければと思います。
また、後半にいただきました御意見に関しましては、これも非常に重要な観点で、これまでも幾つかそのような意見が出ておりますので、そこも今後我々として鋭意考えてまいりたいと思います。どうも伊香賀先生、ありがとうございました。
それでは、御紹介いただきました事例を重要なロールモデルとしながら、これまでいただきました様々な御意見については全て、それを施策としてどう生かしていくかという観点で、今後、取り扱っていきたいと考えております。
それでは、議題3、次期国立大学法人と施設整備計画の策定に向けた中間まとめ骨子案について、事務局より御説明をお願いいたします。
【松田計画課整備計画室室長補佐】 それでは、資料4、次期国立大学法人等施設整備計画策定に向けた中間まとめ骨子案について御説明させていただきます。
資料4、1ページ目を御覧ください。
本骨子案につきましては、赤字は記載方針、網かけ文字は協力者会議の下に設置したワーキンググループで整理する項目を示しております。
始めに、第1章、国立大学法人等に求められる役割と方向性等では、国の各種答申や報告書等で示されている、施設整備に関連する国立大学法人等全体に求められる役割と方向性について整理したいと考えております。
資料4、2ページ目を御覧ください。
第2章、国立大学法人等の施設に求められる役割と方向性では、昨年度までに有識者会議で取りまとめられました第1次、第2次報告書などで示された国立大学法人等の施設に求められる役割と施設整備の方向性について、直近の議論を整理したいと考えております。
資料4、3ページ目を御覧ください。
第3章「第5次国立大学法人等施設整備5か年計画」の取組状況では、現行5か年計画について、整備内容の検証や共創拠点化の検証、財源の多様化や適切な維持管理など戦略的な施設マネジメントへの取組についての検証を行い、整理したいと考えております。
その中で、2.(1)イノベーション・コモンズへの転換において、共創拠点化の効果について、個別事業ごとに調査及び評価を行いたいと考えております。
資料4、4ページ目を御覧ください。
第4章、地域とともに発展する共創拠点の実装化に向けた課題と方向性では、第1回協力者会議でお示ししました次期5か年計画に向けた6つの論点について整理したいと考えております。
なお、地域とともに発展するという項目名につきましては、第1回協力者会議でも御説明しましたとおり、これまでの大学が地域に貢献するだけでなく、地域からも支えられる大学という観点で盛り込んでおりますが、地域に限らず、その他のグローバル化の観点などについても本文中で触れていきたいと考えております。
また、先ほど申し上げました6つの論点の内容につきまして、
(1)ソフト・ハード一体となったキャンパス全体の共創拠点化のさらなる推進については、共創拠点化の推進に関するワーキンググループで現在検討しております。
(2)次のキャンパス全体の強靱化(地域の防災拠点としての国立大学等)については、本日、事務局から発表させていただきました共創拠点の取組事例の調査等を基に、共創拠点の実装化に向けた課題と方向性を整理したいと考えております。
(3)施設整備に活用できる予算の拡大などの財源の多様化。
(4)持続可能な維持管理の観点を含めた適切な施設マネジメントについては、戦略的な施設マネジメントに関するワーキンググループで現在検討しております。また、この中で先ほど伊香賀先生が御発言されていたカーボンニュートラル等につきましても、検討しているところでございます。
(5)附属病院の機能強化については、本日の塩﨑先生による発表を踏まえ、共創拠点の実装化へ向けた課題と方向性を整理したいと考えております。
(6)国立高等専門学校の機能強化につきましては、本日の鶴見先生による発表資料の内容等を踏まえまして、共創拠点の実装化へ向けた課題と方向性を整理したいと考えております。
資料4、6ページ目を御覧ください。
第5章、地域と共に発展する共創拠点の実装化に向けた整備目標等では、第3章で示した共創拠点化の効果を踏まえ、次期5か年計画において共創拠点の実装化を推進するため、第3章で検証した現行5か年計画の進捗状況も踏まえた次期5か年計画の整備目標などについて、共創拠点化の推進に関するワーキンググループと戦略的な施設マネジメントに関するワーキンググループで整理したいと考えております。
最後に、第6章、最終報告書に向けた検討事項では、中間まとめで積み残した、または来年度、より具体的な検討が必要な事項について整理したいと考えております。
説明は以上になります。
【西尾主査】 ありがとうございました。もし可能でしたら、資料5の今後の予定における中間まとめ骨子案の位置づけについてもお話しいただけるとありがたく思います。
【松田計画課整備計画室室長補佐】 かしこまりました。
そうしましたら、先に、資料5、今後のスケジュール案を御覧ください。
本日開催しました協力者会議が11月19日の第3回調査研究協力者会議になります。次回の第4回協力者会議は、来年の令和7年1月17日、13時半から15時半の開催を予定しております。次回の第4回協力者会議の主な議題としましては、別途設置しております各ワーキンググループからの検討結果の報告と、これまでの協力者会議における議論や各ワーキンググループにおける検討内容を踏まえた中間まとめの素案について御審議いただきたいと考えております。
その後、記載にはございませんが、第4回協力者会議と第5回協力者会議の間にパブリックコメントの募集を実施させていただいた上で、第5回協力者会議を令和7年3月26日、10時から12時に開催し、中間まとめの案を御審議いただき公表したいと考えております。
なお、各協力者会議の開催方法につきましては、オンラインを予定しております。
説明は以上になります。
【西尾主査】 どうもありがとうございました。今御説明いただきました中間まとめに関する骨子案は、最終的には、来年の3月下旬に案としてまとめることを予定しながら、議論を開始していく時期に来ております。項目立て等につきまして、皆様方から御意見等いただければと思いますが、いかがでしょうか。
3章までが今までの取組状況に関する評価も含めた振り返り及び課題の抽出、4章、5章が次期の5か年計画に向けた論点の整理となっておりますが、いかがでしょうか。
こういった観点が不足しているのではないか、この件はもう少し強調すべきではないか等、何なりと御意見いただけますとありがたく思っております。
上野先生、どうぞ。
【上野委員】 共創拠点化の推進に関するワーキンググループ(WG1)の主査をしております関係で発言させていただきます。本日、網かけ部分のところ、具体的にきちっとお示しできていないので、皆さんきっと心配じゃないかと思いますが、そこが一番大事な気がしています。12月の上旬、2日が共創拠点の推進に関するワーキングが、4日が戦略的な施設マネジメントに関するワーキングがありますので、そこでまとめたものを4回目、次回の1月17日の調査研究協力者会議にご紹介できるように頑張りたいと思います。
以上です。
【西尾主査】 本当に多大なるお世話になりますが、何とぞよろしくお願いいたします。
ほかに何か御意見等ありますでしょうか。高橋先生、どうぞ。
【高橋委員】 確認させていただきますと、多くのこういう政策文章で、やはりソフト・ハードに加えて、それを運営する人材について、1つ章立てをして述べられることが多いのかなというのが何となくの認識です。こちらのペーパーに関して言うと、そこではなくというところであれば、全然現行の立てつけでもいいかなと思うのですが、今日伺った範囲でも、かなり今後重要な全体感、ハードとソフトを併せて企画するときの人材というところを1つまとめるのはあり得るやり方かなと思いました。
以上です。
【西尾主査】 ありがとうございます。事務局、いかがでしょうか。
【小林計画課整備計画室長】 ありがとうございます。
本計画、これまでいろいろな有識者会議、今の計画も有識者会議などで決まってきたものであると思うのですけれども、その中で例えば施設系職員に求められる能力であるとか今後期待される役割であるとか、そういうことも、これまでの報告書に書いてきていると思います。このイノベーション・コモンズの実装化という観点でいくと、ますます重要になってくる、また、新しい観点が出てくるところですので、そこはちょっとどのように書くかよく考えさせていただければと思います。
【高橋委員】 ありがとうございます。
【西尾主査】 高橋先生、貴重な御示唆ありがとうございました。
ほかにありますでしょうか。恒川先生、どうぞ。
【恒川委員】 ありがとうございます。
今日、WG2の座長の出口先生が御欠席ですので、施設マネジメントに関するワーキング・グループ(WG2)で副座長をしておりますので、WG2のほうについてのお話もさせていただきます。今いろいろ議論はしているのと、WG2に参加されている先生方からのいろいろな事例の御報告等を伺っていまして、ここに挙げているような観点の話を議論しているつもりではあるものの、まだあまり系統だっていないところもありまして、もう少し整理していかなければいけないところです。
一方で、先ほど高橋委員からおっしゃっていただいたような、人材の育成みたいな話は極めて大事だなというふうに、先ほどの減災館の例じゃありませんけども、思っております。特に施設マネジメントとか共創拠点をつくる上で、施設系の職員の方々が担うということで、先ほど上野先生が、単にイノベーション・コモンズという場をつくればいいと思われがちだという話がありましたけども、そうじゃないという意識を持っていただくことが極めて大事だと思うのです。
なので、個々の項目において、人が大事だとか組織が大事だという話をするのと同時に、施設系の職員がそのことをどういう感覚で持つべきなのかをきちんと表明するというか、こういうふうに考えてほしいということを訴えるようなことも大事なのかなと思います。それは項目として立てるのかどうかは別の議論としてあると思いますけども、そういうことについても、ぜひ記述できればいいかなと思っております。
【西尾主査】 ありがとうございました。施設系の職員の方をエンカレッジするような記述があると、より多くの人に読んでいただけるということもありますので、検討してまいりたいと思います。ありがとうございました。
ほかにありますでしょうか。
それでは、資料4につきましては、今いただきました御意見をもとに、特に人材系のこと等に関しまして、事務局と調整をしてまいりたいと思います。その点については当方に御一任いただけますとありがたく思っておりますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、予定していた議題は以上ですが、愛知県のことが数多く出てきましたので、大村知事の代理で出ておられます河合様、もし何かコメントや御意見ございましたら、お願いいたします。
【大村委員代理(河合愛知県政策企画局企画調整部長)】 全国知事会の文教スポーツ常任委員長の大村知事の代理で出席させていただいております。
本当に愛知県に身近な話題というか、特に恒川先生の減災館の関係など、改めていろいろ地域と共にやっていただいていると、大学が多大な貢献をしていただいているのだなということを改めて強く感じた次第でございます。
我々も、全国知事会文教スポーツ常任委員長県ということもありまして、先日、中教審の大学分科会高等教育の在り方に関する特別部会に、私どもの副知事が出席しまして、いろいろ意見を述べる機会もございました。大学が地域の中核的な拠点ということで、人材や産業育成にいろんな貢献をしていただいているということを申し上げたところではございますけど、先ほどいろいろ御議論ありましたソフトやハード一体となって、特にソフト面の取組を支えている施設の機能強化や老朽化対策とか、そういった面につきましても、いろいろ意見をさせていただいております。目指すべきところは、地域という観点で言えば同じ方向を向いていると思っております。引き続き、深く議論をしていただきながら、まとめていただければということを強く思った次第でございます。
以上でございます。ありがとうございます。
【西尾主査】 河合様、どうもありがとうございました。
事務局から連絡事項等も含めて何かございますでしょうか。
【松田計画課整備計画室室長補佐】 ありがとうございます。事務局でございます。
本日の会議の議事録につきましては、改めて委員の皆様へ照会させていただきますので、御確認いただければと思います。御確認いただいた後、文部科学省のホームページにて公開させていただきたいと考えてございます。
以上になります。
【西尾主査】 それでは、本日も本当に貴重な御意見、御示唆等賜りましたこと、改めて御礼申し上げます。また、今後ワーキング・グループで、議論を展開していただくことになっております。本当にお世話になりますが、何とぞよろしくお願いをいたします。
それでは、次回は1月と伺っておりますが、その際にさらに議論を深めて、3月のまとめ案の公表に向かっていければと思います。本日は、皆様方、お忙しいところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございました。また、事務局も御準備、御回答いただきましたことに対しまして、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
―― 了 ――
企画調査係
電話番号:03-5253-4111(内線3247)