国立大学法人等の施設整備の推進に関する調査研究協力者会議(第10回)議事録

1.日時

令和5年9月7日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

オンライン会議(Zoomを用いて開催)

3.出席者

委員

上野委員、片岡委員、金子委員、倉田委員、後藤委員、下條委員、竹内委員、恒川委員、出口委員、土井委員、西尾主査、山内委員、大村委員

4.議事要旨

【宮城大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室室長補佐】  ただいまから国立大学法人等の施設整備の推進に関する調査研究協力者会議(第10回)を始めさせていただきます。
 本日は御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。事務局の宮城です。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の御欠席は、五十嵐委員、池田委員、岩村委員、篠原委員が御欠席です。倉田委員も御出席いただける予定です。
 ほかの委員の皆様には御出席いただいており、また、本日は大村委員に御出席いただいておりますが、10時30分までの御出席予定です。
 また、竹内委員におかれましては、10時30分より1時間程度離席されると伺っております。
 配付資料につきましては、議事次第を御確認いただき、資料は事前にお送りしているものを必要に応じ画面共有しながら御説明いたします。
 本日は本会議の最終回となりますので、まず部長の笠原より御挨拶申し上げます。
【笠原大臣官房文教施設企画・防災部長】  
文教施設企画・防災部長の笠原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、本日御多忙の中、御出席いただきまして、本当にありがとうございます。また、これまで本会議において継続的に御議論を賜りまして、御礼を申し上げます。
 御案内のように、我が国における地域の知と人材の集積拠点であります大学は、社会全体の変革の原動力として積極的な役割を果たすことが求められていると考えています。
 とりわけ、御案内のように国立大学につきましては、地域や社会における課題解決や新たなイノベーション創出等に貢献していくことが一層期待されております。そのキャンパス施設というのは、地域の貴重な公共財というふうにも考えております。
 そこで、この会議では、国立大学等が地方自治体、産業界など、多様なステークホルダーとの共創拠点としてキャンパス全体をイノベーション・コモンズへと転換することについて、その考え方や方策等について議論を深めていただきました。
 昨年来、御出席いただいております全国知事会ですとか日本経済団体連合会、日本商工会議所からも、同様の問題意識に基づいた御提言をいただいており、国立大学等に対する社会からの期待も様々なところから伝わってきていると考えております。
 一方で、国立大学のキャンパス施設については、老朽化が喫緊の問題となっております。当然、老朽化を放置しますと、安全の問題や教育研究活動への支障ですとか、イノベーション・コモンズとしての役割を果たすということはおろか、地域における人材育成ですとか、学術研究を全うすることができなくなるというふうに考えています。
 そういうような状況の中、文部科学省としては、今回取りまとめていただく報告書を最大限活用させていただいて、地方公共団体ですとか産業界なども含めて、広く社会の理解をまず得るということが必要だと思っています。
 それらを踏まえて、必要な予算の確保、様々な形の支援につなげていきたいというふうに思っています。この部分につきましては、皆様方の引き続きの御協力を賜れればと考えているところでございます。
 本会議、本日が最終回となりますけれども、ぜひ忌憚のない御意見をいただければと思っております。
 また、今後文部科学省では、国立大学等施設につきまして、現在も5か年の計画をつくって計画的な整備を進めております。現在の計画は令和7年度が最終年度になっております。次期の計画についてもきちんとしたものをつくり上げて、社会、様々な期待を受けながら、広く進めていきたいというふうに考えているところでございます。その際も引き続き、皆様方からのお知恵、お力を賜ることができればと思っています。引き続きの御指導、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 以上をもちまして、簡単ではございますけども、開会の挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
【西尾主査】  笠原部長、どうもありがとうございました。
 それでは、議題1としまして、報告書案について事務局からの説明と、その後の審議を行いたいと思います。それでは、事務局から説明をお願いいたします。
【宮城大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室室長補佐】  資料1から資料2-3に基づきまして御説明申し上げます。
 まず、資料1ですけれども、前回6月の会議まで御議論いただきましたまとめにつきまして、いただいた御意見を踏まえ、本文の修正をしています。前回の会議からの変更点を赤字としています。また、本会議の下に設置しておりますワーキンググループで7月に議論いただいた点を踏まえ修正した点を青字としています。前回からの変更点につきましては、色がついている部分と御理解いただければと思います。
 また、資料1につきましては、この内容を全体的に見て概要する資料として、概要の資料を作ってございます。こちらは4月におまとめいただきました中間まとめの案を基に、こちら、事例の充実ということで関連する事例というものを載せる形で、全体を作ってございます。
 資料2-1につきまして、御説明申し上げます。
 前回の会議でいただいた意見を踏まえ修正いたしましたとともに、ワーキンググループでいただいた意見を踏まえまして、修正を幾つかしてございます。基本的には本文の幾つかの修正と、こういった事例を充実すべきでありますとか、事例においてこういった情報を付加すべきであるという情報について充実をしてまいっております。
 具体的に本文の修正につきまして、6ページ目から御説明申し上げます。
 こちら、ワーキンググループでの議論の中で、まず、背景といたしまして、全国の大学、国立大学等は様々な立地に立地しているというところも踏まえ、その周辺環境や課題も踏まえたそれぞれの対応が必要であることでしたり、共創拠点化の取組において、各取組の各大学のビジョンや方針の下で、地方公共団体や産業界をはじめとした多様なステークホルダーと、企画段階から運営活用に至るまで連携することが一層重要になっていること、また、今後においてはPPP/PFIの推進をはじめとした官民連携手法による整備の推進もまた、共創拠点化に推進する取組として一層の強化が求められている旨を追記してございます。
 続いて8ページでございます。本日、参考資料11でお配りさせていただいてございますけれども、先日、文部科学省におきまして、「せかいまなびのプラン」を公表させていただきました。本会議においても、グローバル化への対応というところで御議論いただきましたけれども、それに関連する動きといたしまして、まさにこのプランの中で、教育の国際化に係る施策といたしまして、地域とともに国際化を図ることによる、留学生が定着しやすい環境のソフト・ハード一体の整備を行う旨盛り込まれておりますので、そういった昨今の動きについて追記をさせていただいてございます。
 続きまして、31ページ目の修正でございます。もともとグローバル化への対応においては、寮整備、学生の生活環境の整備という観点で記載をしてございましたけれども、こちらについて、寮の在り方として、生活環境のみならず様々な交流スペース、留学生との交流も含めた交流の推進という観点の重要性も含め、学生への生活支援として良好な生活環境の構築が基本となることに加えて、居住者同士の交流の推進、共創空間との一体的整備など、各種宿舎の狙いに応じた教育、交流機能も有する整備も有効な取組である旨、新たに書き加えてございます。
 なお、本日資料2-2でお配りしてございますのが、この資料2-1の第2部として、最終的に具体的な事例集として掲載をしていきたいと思っている各事例です。
 資料2-2につきましては、例えばどういった財源で整備がされたのかでありますとか、どういう体制で整備が進められたのかなどを踏まえるべきと御指摘いただいた点を、追記させていただき、整理をしてございます。また、最終に向けてはもう少し余白、字が多くなった分は余白をつくりながら、より見栄えよくというのを最終報告に向けてつくり上げていきたく思ってございますけれども、そういった形で、各事例の詳細、資料2-1の各部分に、御紹介した事例の背景情報も含め、情報を資料2-2で整理してございます。
 続きまして、資料2-3でございます。こちら、かなり事例を充実していただいたところもございます。報告書を見た方が注目されているキーワードに伴い、どの事例を参照すべきかということについて参照いただきやすいよう、リストを基に作成をいたしておりまして、こちらも最終的には、資料2-1の本文、最終報告書の中に取り込む形で、分かりやすく整理していきたいと思ってございます。
 少し大きくさせていただきますけれども、色つきの部分でございます。今回御議論をいただきましたデジタルハイブリッド型環境の整備でありますとか、各分野の重点テーマに応じまして、それぞれの分野、例えば地域産学連携でありましたらスタートアップであるのか、企業連携であるのか、地域連携であるのか、少し毛色の違うものをカテゴライズいたしまして、より見る方が御自身の関心に沿って該当した事例を参照いただきやすいように、事例の整理ということをしてございます。
 あわせて、立地の場所の特色でありますとか、そういうところも踏まえ、右のほうに取組のポイント、キーワードを書きまして、また、見る方が検索しやすいようにしています。
 また、この表の右のほうには、先ほど必要な情報として御指摘いただいておりました財源に係る情報も整理していますので、これをより見やすくした形で、最終報告書にも取り込んでいきたいというふうに考えてございます。
 本日用意した資料につきまして、このように準備してございますので、御意見いただければと思います。
 事務局の説明は以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 今まで、この会議、またワーキンググループ等で出ました意見、また、こういうことを調べてほしいということでこの会議で要望が出ました点と、事務局で反映していただいた資料につきまして、今御説明をいただいたところでございます。本当にどうもありがとうございました。
 それでは、審議に移ります。
 ここで、大村委員、竹内委員におかれましては御退席の時間が近づいております。先ほど事務局より説明のありました報告書案全体について、また、次期5か年計画も見据えたお考えなど、大村委員、竹内委員の順に最初にここで御意見を頂戴できればと思っております。何とぞお願いいたします。
 大村委員、お願いいたします。
【大村委員】  ありがとうございます。まずは、委員の皆様の2年間にわたる活発な御議論を経て、本日このような形で国立大学等の施設整備の推進方策についての報告書が取りまとめられたことは、大変喜ばしいことだと考えております。
 私自身は全国知事会の文教・スポーツ常任委員長を務めておりまして、この共創による地域課題の解決の促進とそれを支える体制の強化、それから地方創生を担う専門人材の輩出・再教育、そしてソフト・ハード一体となった教育研究環境の充実を柱とした「イノベーション・コモンズ(共創拠点)の発展・深化に向けて」といった提言を7月末に開催されました全国知事会で取りまとめさせていただきました。
 参考資料の8、各種閣議決定文書提言等ということで、2ページの一番左肩のところにその抜粋が出ておりますので、また御覧いただければと思いますが、こうしたイノベーション・コモンズの深化・発展に向けて、ソフト・ハード一体となった教育研究環境の充実という提言を取りまとめさせていただきまして、8月3日にその提言を永岡文科大臣に手渡して、国立大学法人等の施設整備の推進を含め、必要な予算の確保等について要請を行わせていただいたということでございます。
 デジタル化やグローバル化が急速に進む中で、大学が果たす役割はますます大きくなっております。また、東京一極集中になかなか歯止めがかからないといったような中で、各地区の大学が持つ知見や人材を地方創生の取組に生かしていくことが大変重要だと考えます。
 大学政策を所管する文科省、国におかれては、大学がその役割を果たせるようにこの会議で取りまとめた報告書の内容をしっかりと踏まえ、ソフト・ハード一体となった教育環境の充実に着実に取り組んでいただくことを大いに期待するものでございます。
 以上、これは全国知事会47都道府県の仲間の皆さんの総意ということでございますので、何とぞよろしくお願いをいたします。
 以上です。ありがとうございました。
【西尾主査】  大村委員におかれましては、常日頃、文教施設関係のことで多大なる御支援、また、御指導をいただいておりますこと、心より感謝申し上げます。
 今また御報告いただきましたように、全国知事会等におきましても、大村知事の多大なる御尽力によりまして、その充実、整備に向けた様々な発言、御提案をいただき、さらに、提言としてまとめていただいておりますこと、心より御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
【西尾主査】  それでは、竹内委員より御意見いただけますでしょうか。
【竹内委員】  ありがとうございます。本日は本務校の都合で中座しなければならないということもあり、西尾主査、そして事務局の皆様の御配慮でこのような発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 また、事務局の御尽力によりまして、大変すばらしい報告書がまとまったと考えております。本当にすばらしいことでして、本当にお礼を申し上げたいというふうに思います。
 思い起こせば、2020年の春に始まったCOVID-19パンデミックによって、キャンパスの在り方に非常に大きな影響を与えたというふうに思っております。その当時、我々は誰もいないキャンパスというものを経験しております。また、COVID-19パンデミックが始まったときには全ての授業をオンラインで実施する方向というのが示されたわけでございますけれども、情報のインフラが必ずしも十分ではないといったこともあり、様々な苦労を多くの方がされたと思います。そのような中で混乱とともに始まったオンライン授業ではありましたけれども、すぐに教員も学生も慣れて、教室に来るよりもオンラインの授業のほうがいいという声すら聞かれるようになりました。そうすると実際のキャンパスの意味は何かということを改めて考えざるを得なくなったというふうに思っております。
 また、一方で、COVID-19パンデミックの波が収まってくると、元の対面式の授業に戻ればよいという声も聞かれるようになりました。しかし、それでは、我々はCOVID-19の経験から何も学ばなかったということになってしまうのではないかと思います。
 このような経緯を踏まえて、キャンパスのことを考えると、物理的に存在するキャンパスが持つ価値の再発見と、そして、仮想空間とリアルな空間が併存する時代のキャンパスの新たな価値の創造という2つの点を見ていくことが必要であるということが分かると思います。
 今回の協力者会議においては、どちらかといえば前者の議論のほうが中心だったかと思いますけれども、その限りにおいては漏れのないすばらしい議論ができたというふうに考えております。後者については、資料には既に含まれておりますが、まだ先行事例が少ないがゆえに、具体的な議論の難しさというのがあったかと思います。今後は、仮想空間とリアルなキャンパスの併存を図る多様な事例が増えていって、さらに議論が重ねられることを期待しておりますけれども、その際に、イノベーション・コモンズという方向性がしっかりと示されていることが我々の強みであるというふうに思いますので、それを軸とした展開が今後も進められていくことを期待しております。
 また、このような新しい方向性について語ることはもちろんすばらしいことですけれども、先ほど事務局からの御言及もございましたが、実際のキャンパスには老朽化が進んでいる建物というのも多くなっているのも事実であります。教育研究の質を保つという観点から、機能面での充実ということは言うまでもありませんが、学生・教職員を引きつける魅力的なキャンパスということも重要で、キャンパスの空間としての質の高さということの重要性についても改めて認識をしたと考えております。
 予算には限りがあるものの、国際的な大競争時代にあって、諸外国からの留学生や研究者を引きつけるためには、グローバルに見て魅力的かどうかということも問われているということを忘れてはいけないというふうに思っているところであります。
 今後、恐らくメタバースに代表される仮想空間とリアルな場の融合が求められます。また、少子高齢化の中で、18歳人口ではない人々を引きつけることも必要になります。そのためには、報告書に述べられておりますように、キャンパス全体が共創の場として、多種多様な人々にとって魅力的な学びの場となるよう、現在、点としてキャンパス内に存在しているコモンズが、キャンパス全体に面として広がっていくことを強く期待しているところでございます。
 西尾主査の適切なお導きで、大変重大な任務をせおう責任を感じながらも、大変楽しい議論をさせていただきましたことに対して心より御礼を申し上げて、意見表明とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
【西尾主査】  竹内委員、どうもありがとうございました。
 全体を本当に総括していただくような貴重な御意見をいただきましたことに対しまして、心よりお礼申し上げます。
 特に、竹内委員のほうからは、COVID-19のときに、キャンパスというものが本来どういう意味を持つのかということをここで再度きっちりと考える必要があるのではないかという御示唆をいただきました。そのことは、我々委員全体が非常に考えさせられた重要なポイントだと思っております。
 ただし、コロナ禍が過ぎ去った後、我々は単に元の状態に戻るのではなく、まさに竹内委員がおっしゃったように、ポスト・コロナ禍においては新たなキャンパスのありようというのを模索し、何らかの方向性を見いだし、そして発展させるという、そのプロセスの中で、イノベーション・コモンズの概念というのを今後さらに徹底してまいりたいと思っております。
 本当に貴重な御意見、どうもありがとうございました。心よりお礼申し上げます。
 それでは、続けてワーキンググループ主査の上野委員より、報告書案に関しましてコメントをぜひいただけたらありがたいと思っております。
 ワーキンググループの主査として、多大なる御尽力をいただきましたことに対しまして、改めて御礼申し上げます。
 上野委員、お願いいたします。
【上野委員】  上野でございます。こういう機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。
 今回、この会議におきまして、自治体の皆さんや経済界からの皆さんの御意見をお聞きできたことは、私にとってとてもいい経験になりました。
 今回、昨年10月の報告書を補完する形で、イノベーション・コモンズのさらなる展開に向けて、デジタル化推進や、DX、GX、グローバル化の推進などについてワーキンググループで議論できたことはとても有意義でした。
 特に、先ほど竹内委員からもお話がありましたけども、デジタルの空間とリアルの空間をどういうふうに共存、併存させていくのか。この辺りのことは、まだまだ実際の事例が少ないですけれども、こうあるべきじゃないかということを議論できたことはとても有意義だったと思います。一端ではありますけれども、そういった事例が事例集に書かれたことも非常によかったのではないかと思います。
 また、この会議は、オンラインで行われることが多かったわけですけれども、実際に、東洋大学のデジタル化推進の取組ですとか、明治大学のラーニングスクエアの取組、あるいは柏の葉キャンパスにおける企業や地域との連携の様子を、対面の形式で視察できたことはとてもいい体験でございました。
 これらの視察の結果も踏まえて、事例がまとまりましたことは、事務局の皆さん、とても大変だったと思いますけれども、この報告書を見ていただく読者の方の理解がより深まるのではないかというふうに思います。
 一方で、GXとかそういった方向をもう少し突っ込んで議論できればよかったなと思っているところです。今回、共創拠点をつくっていく上で、施設だけではなくて、キャンパス全体、あるいは外部空間の重要性を議論できたこと、それを報告書に記載していただいたことはとてもよかったというふうに思っております。
 さらに、10月の報告書にも書かれていたことですけれども、デジタルな空間と併存しながら、リアルな場所の大事さ、活動を可視化したり、交流を誘発したり、将来的な活動のためのフレキシビリティーを兼ね備えたり、そういったリアルな空間の重要性を改めて報告書に記載いただいたのはとてもよかったというふうに思っております。
 また、イノベーション・コモンズを各大学が計画していく中で、運営までも視野に入れた学内での体制づくりや、中間支援組織の重要性、この辺りも改めて確認できたことはとてもよかったんじゃないかというふうに思います。
 御協力いただきましたワーキンググループの委員の皆さんに、この場を借りて改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
 この後、委員の皆さんから、さらに様々な御意見が出ると思いますが、最終まとめに向けまして、あと一踏ん張りといいますか、事務局の方々には頑張っていただければというふうに思います。
 私からは以上です。ありがとうございました。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 ワーキンググループでの上野委員のコーディネーション力によりまして、非常に充実した、今までなかったようないろんな議論ができたということでお伺いしまして、本当にすばらしいことだと思いました。
 リアルとバーチャル、そのリアルの空間の重要さであるとか、また、キャンパスの外部空間との接点、そういうものも非常に議論できたということも大きなことではなかったかと思います。今後、各委員の方々から御意見が出たときに、また上野委員のほうにお伺いの質問をするかもしれませんが、その折はよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
 それでは、本日御欠席の日本商工会議所の五十嵐委員からの意見が寄せられておりますので、事務局のほうで御紹介いただきたく、お願いいたします。
【宮城大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室室長補佐】  ありがとうございます。事前に資料も共有させていただきましたけれども、日本商工会議所の五十嵐委員からいただいている御意見につきまして、御紹介をさせていただきます。
 今般の調査研究においては、知の拠点である大学等をイノベーション・コモンズとして再定義し、教育研究にとどまらず、広く地域の経済社会に貢献する機能を併せ持つ機関としてどう活用できるか、あるいはどう活用すべきかを分かりやすく取りまとめていただいたと思う。これが円滑に実行に移され、産業界はもとより、多様なアクターが連携・共創することで、地域経済が大いに活性化されていくことを望む。そうしたことを通じて報告書のタイトルにも記されている「我が国の未来の成長」がより早期に実現することを期待したい。
 その上で、イノベーション・コモンズの実効性ある推進体制が必要という観点から、2点、御意見いただいております。
 1点目、大学運営に関する期待。イノベーション・コモンズの推進に向けては、ソフト・ハード一体的な取組が必要であり、報告書への記載にとどまらないことが肝要である。特にソフト面での大学の取組、産学官金での連携体制構築、インキュベーション機能の強化等は、産業界事業者と教員・研究者の共創のきっかけづくり、継続した活動と成果創出を大きく左右する。各大学におかれては、キャンパス全体を真のイノベーション・コモンズへ転換させるために、学内での窓口連絡・連携体制の強化はもとより、積極的な対外情報発信や、地域の事業者が共創に参加しやすい環境整備を確実に行っていただきたい。
 2点目、政府に対する期待。イノベーション・コモンズの実効ある推進に必要な予算の充実確保と併せて、上述したような、今お話ししましたような、大学側におけるソフト面での取組を促すための施策、支援策についての充実をお願いしたい旨、御意見お寄せいただいております。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 国の制度に対する期待等に関しましては、先ほど御挨拶をいただきました笠原部長ともいろいろ協議しながらも、様々な活動を展開していくことが重要かと思っております。また、大学の運営に関する期待も、こういうことが重要であるということ、また、報告書の一端で記述していくことも大事かなということを思っております。どうもありがとうございました。
 それでは、次に、皆さまから御意見をいただきたいと思っております。この会議としては最終回となります。今後は、次期5か年計画の検討が本格化することとも思われます。それに向けた、この報告書案のみならず、もしそういうことに関してもコメントがあります場合は、それもおっしゃっていただくことが非常に重要かと思っております。
 主体はこの報告書案についてどういう御意見をお持ちであるかということにつきまして、各委員から順番に御意見を頂戴できればと思います。
 まず、片岡委員、何とぞお願いいたします。
【片岡委員】  片岡でございます。これまでの取りまとめまでの長い道のり、皆様方、大変お世話になりました。ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
 このまとめですけれども、今、国内・国外、非常に大きな社会変容が起きている中で、これからのこの施設等の整備というものをどう持っていくかということ、大変大きな課題になっていたと思います。この議論の中では施設等の整備から活用までを社会全体で共創するという、イノベーション・コモンズの基本理念に基づいた、多面的、かつ具体的な提言ということになっていると思います。
 今後の施設整備の企画・立案をこれから各大学と行っていくわけですけれども、その中で、これを指針として広く活用していただけるものになるのではないかというふうに思っております。
 この取りまとめの中で一番気になりましたのは、ハード事業だけではなくて、やはりソフトの事業と組み合わせて、企画・立案することが非常に重要であるということ、これは何度も御議論の中に出てきたと思うんですけれども、例えば、この提言の中にもありますように、リカレントのような問題は、それぞれハードができたからといって実現するわけでもなく、ソフトだけが動いても難しい。加えて、今、デジタルのいろいろな技術が進む中で、その基盤となる要素を含めてうまく活用することで、初めて真の効果が表れるというふうに考えておりますので、一例ですけれども、こういうことにも全体としてつながっていく、重要な提案が盛り込まれているというふうに思いました。
 それからもう一つ思いましたのは、この提言の中ではこういう形でまとめられているわけですけれども、ますますいろいろな社会情勢、国内外ともに変化が急速であるというふうに思いますので、一旦この形でまとめはいたしますけれども、その状況に応じた柔軟なアレンジというものがやはり必要になってくるというふうに考えました。この点、また御配慮いただければと思います。
 それから、この会議の中で私自身思いましたのは、これは施設整備のみならず、今後の大学等の在り方そのものについての様々な議論がなされまして、お考え、それからそういう事例というものを伺うことができたことも、私自身とっても非常に認識を新たにするいい機会であったというふうに思います。
 それから、私は地方大学の立場で参画させていただいておりますけども、この現状とか御意見を申し上げるような機会をいただけたこと自体、また、提言にも盛り込んでいただいたこと自体、大変ありがたいというふうに存じます。地方の国立大学は、それぞれが立地している地域において、地域を担う人材の育成、地域発のイノベーションの創出、地域課題の解決というために、地域のステークホルダーの方々との共創によって取組を進めておるところでありますので、今後も、規模の大小に関わらず、地域の将来を見据えた地方国立大学等の提案に対しましても、国、地方自治体、経済界の皆様の御協力、御支援を引き続きお願いしたいというふうに考えております。
 私のほうからは以上でございます。ありがとうございました。
【西尾主査】  片岡委員、今までの議論のことを振り返っていただきながら、非常に大事な観点を御指摘いただきまして、誠にありがとうございました。心より御礼申し上げます。
 おっしゃっていただいた中で、今後、やっぱり社会情勢がいろいろ変わっていく、また、大学が置かれている状況がいろいろ変わっていく中で、この資料そのものも、やはりアップデートしていく必要があるのではないかという御指摘につきましては、また今後、事務局のほうでもきっちりと考えていただければと思っております。この点、笠原部長はじめ、何とぞよろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。
【片岡委員】  ありがとうございました。
【西尾主査】  金子委員、お願いいたします。
【金子委員】  私も初めてこういう検討に参加させていただいて、恐らく、ワーキンググループの専門の皆さんがいろんなことを議論したものが時々報告書のような形で、我々としては、その成果を見せていただいたものをコメントするというような形で参加させていただいたんですけど、コンテキストとか用語の本当の意味とか、なかなか最初の頃はよく分からないことも多かったんですけど、かなり広い範囲をカバーしているということもあって、徐々に全体感というか、非常に大きな視点で物事を捉えなきゃいけないということが少しずつ理解するようになってきて、こういう活動の重要性というのが理解できてきたかなというふうに思います。
 本学の中におきましては、恐らく建築学の専門の先生を中心に、施設マネジメント、キャンパスマネジメントを議論してきましたが、その範囲にとどまらず、大学執行部全体でこのことを広く議論しなきゃいけないという問題に、このレポートによって各大学が位置づけを大きく変えるだろうというふうに思います。
 その意味で、この報告書は非常に重要だと思っていまして、そういう形で使われるようになると、大きなインパクトが出てくるのかなというふうに思いますので、各大学でこの報告書を、やはり執行部がきちっと理解するようなプロセスで、もう一段これから必要になるんじゃないかと感じました。
 もう一つ、イノベーションを誘発するようなキャンパスの在り方というところに恐らく力点が置かれていると思いますけど、イノベーションの、恐らくデジタルにしてもカーボンニュートラルにしても、技術の普及段階で、かなり出来上がったものをきちっと調達する政府の予算を使う枠組みの中で導入していくという段階のものに今のところとどまっているのかなと思いまして、かなり早い段階のイノベーションを、次々とこのキャンパスを活用してテストするというようなことについてのキャンパスの在り方についての議論はまだ少し至っていないのかなと考えております。
 これには非常に大きな制度変更とか、いろんな準備しなければならないということも理解していまして、海外では、新しい技術を次々キャンパスの中でトライするというようなことをされている国もあるようですので、今後はそういうことをやれるようなキャンパスの在り方というのも、次の方向性としては考えていかねばならないのかなというふうに思っております。
【西尾主査】  ありがとうございました。
 片岡委員からも御指摘いただいたように、この報告書の持つ意味が、単に施設のことのみならず、もう少し大学における経営、運営に広く関わっているものだということで捉えていただけているということを非常にありがたく思いました。
 また、金子委員がおっしゃっていただいた後半の部分で、イノベーション・コモンズということで、学内、あるいはその地域の様々なステークホルダーとフィージビリティースタディーをやっていく空間としてのキャンパス、そこでイノベーション・コモンズという概念がさらに生きてくるんだと思うんですが、規制緩和の問題も含めまして、まさにおっしゃるところは私も非常に共感するところでございます。また、そういう点の、今後の我々としての議論も必要になってくるのではないかと思いました。
 本当に貴重な御意見、それと、この報告書を各大学等において有効に使ってもらうべきじゃないかということも御示唆いただきまして、私としては大変ありがたく思いました。御礼申し上げます。
 次に、倉田委員、よろしくお願いいたします。
【倉田委員】  ありがとうございます。今回、私にとっても、キャンパスを研究の対象にしている者としてもこの会に参加させていただいて、非常にありがたく思っております。それから、私自身も特にワーキングなんかに参加させていただいたことで、いろんなことを得ることができました。
 まず、そのときに、イノベーション・コモンズというものは、例えば、海外の大学のキャンパスにおいてどのように扱われているかということも非常に興味があったんで、海外における取組なんかも、限られた大学ではありますけれども、見てまいりました。
 そういう中で、少し今回のイノベーション・コモンズの中で欠けている議論というものはないかということも、その都度意識してみたわけですけれども、最終的に、今回の報告書を拝見する限りは、そういった点も非常に反映されて、非常にこの議論自体が海外での議論ともかなり十分に、それに応えたものになっているんじゃないかなというのが私の印象であります。
 特に海外の事例なんかを見ていますと、今回のイノベーション・コモンズの議論そのもの、向こうではイノベーション・コモンズという言葉は使っていませんけれども、議論の中で、まさにその議論の中に、その中で特にSDGsで取り上げられている視点というものはどのように反映されているかということも海外では議論されていまして、今回でもそういった点で、特に今回のイノベーション・コモンズの中で多様な主体に開かれた環境整備が必要だというようなことでありますけれども、ジェンダーの話とか、そういったものまでも含めて出てきているというのは、非常に、ある意味でいろんな行き届いた議論になってきているのではないかなと思いました。
 それと同時に、先ほども竹内委員のほうからも御指摘がありましたけれども、もちろんイノベーション・コモンズのハードの整備において、特にその技術的な施設整備ということにおいて、それは非常に最先端のものである必要があると同時に、まさにその環境として、どれだけ質の高いものにするかという視点というのも非常に大事であると。特に、先ほどもお話ししたように、海外の場合ですと、やはりSDGsといったことに配慮した環境づくりというようなことが、こういったイノベーション・コモンズというような拠点施設においても行われているということで言えば、今回、日本においてもそこに同じような問題意識が入ってくる必要があるのではないかなと感じました。
 ただ、先ほども申し上げましたように、非常にいろいろな視点、配慮した取りまとめになっているというふうに思いますので、あとはそれぞれの大学の事情、課題をどういうふうに反映していくかということが大事かなと思います。そういう意味では、事例も非常に豊富になってきているんで、その助けになるのではないかなと感じております。
【西尾主査】  倉田委員、どうもありがとうございました。
 この報告書の持つ意義につきまして、再度、我々も認識させられる貴重な御意見をいただきましたことを心より御礼申し上げます。
 特に、委員のほうで意識していただきました国際的な観点から、この報告書がそれなりの用を成しているのかということに関しての御評価もいただきましたこと、大変ありがたく思っております。
 あとは、最後のもう一歩をきっちりとまとめて、いかに使ってもらえるかというところに、我々としては進んでまいりたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、次、後藤委員、お願いいたします。
【後藤委員】  今後のキャンパスの整備や在り方の方向性を考えるよい機会を与えていただきまして、感謝しております。
 また、10回にわたる審議の内容を踏まえまして、報告書の取りまとめをありがとうございます。
 私がお願いしてきたことも、ほぼまとめの中に反映していただいておりますが、再度確認させていただきます。
 人と人とのコミュニケーションや協働により新たな価値をつくり出すためには、ハードの整備だけに頼ることなく、ソフトとの一体化が必須でございます。単なる箱物にならないように、イノベーション・コモンズの強みや特色、取り組むべき課題を明確にすることが重要と思います。
 また、コモンズの機能や役割に加えて、カーボンニュートラルの実現やスマート化などの特有のテーマを設定して、社会全体にメッセージを発信することも重要と思います。
 フィジカル空間をサイバー空間でつなぎ、融合することによって、共創の無限の広がりが可能になる、そういう時空を越えた共創拠点構築に今後チャレンジしていただきたいと思います。
 産学官連携のインキュベーションとしてのオープンラボ、地域を中心とした公開講座や科学教室、リカレント、リスキリング講座の開設、グローバル、あるいはダイバーシティーに対応した交流拠点、災害時の対応拠点や避難所としての利用も視野に入れていただきたいと思います。そのためには、宿泊施設や交流スペースの併設、学寮機能、保育機能などとの一体的整備を考えていく必要があると思います。
 今後の課題としましては、共創というのはやはり時間がかかりますので、継続的な運営のための設備メンテナンスや人の雇用などを含めて、あるいは連携体制の構築、課題はいろいろありますし、今後も出てくるかと思います。
 それと、やはり少し気になるのが、提案された共創空間のイメージが、どうしても可視化ができるハードに偏ってしまっていて、最も大切な人の活動というものに軸足を置いた共創がイメージできるという工夫ができないかということを考えております。
 以上です。ありがとうございました。
【西尾主査】  貴重な御意見をいただきまして、後藤委員、ありがとうございました。
 今御指摘いただいたことが、これまでの文部科学省における文教施設関連の事務局にとっては、今後求められる、新たなカバーすべき課題、あるいは領域になってくるんだと思うんですけれど、事務局のほう、後藤委員からおっしゃっていただいたことに対して、今後の展望も含めてここでコメントいただけますとありがたく思います。これが多分、先ほど来出ておりますように、次期の5か年計画の検討というところでは大事になってくるのではないかと思いますが、事務局、何かコメントいただけないでしょうか。
【瀬戸大臣官房文教施設企画・防災部計画課長】  計画課長の瀬戸でございます。今いただきました御意見に関連しまして、大変貴重な御指摘の観点だと思います。
 特に私ども、施設整備が主戦場ではありますが、近年、高等教育機関における課題というのは非常に複雑化してきていると思います。そういった中で、私ども、施設整備そのものが持つ意味というのをしっかりと、いわゆるソフト・ハード一体となってという言葉には集約されるんですけれども、実際は建物ができてからそれをいかに運営するか、しっかりそれが本来果たすべき機能、教育・研究上の機能をしっかり果たすべき、そこはまさに委員方がおっしゃっていただいたような、当然、人が主役でありますので、その辺のところは今後の私どもの仕事の仕方にも随分影響は出てくるだろうと思います。
 貴重な御意見ありがとうございます。
【西尾主査】  後藤委員、また様々な観点からインプットしていただいて、我々としてもおっしゃっていただいたことをきっちり記憶にとどめておくことが大事かと思っております。
 新たな重要性、新たな方向性に対して御示唆いただきましたこと、心より御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
【後藤委員】  ありがとうございました。
【西尾主査】  下條委員、お願い致します。。
【下條委員】  ありがとうございます。取りまとめ、また、委員の皆さん方から御意見いただいてありがとうございます。
 今までの委員方の議論ともかぶるんですけれども、やっぱりコロナ後に我が国、世界で起こったことというのは、やっぱりデジタル化に向けた取組が大きく進んだと。我が国の状況を考えると、例えばデジタル田園都市構想だとか、あるいはデジタルライフライン総合計画のように、我が国のスマートシティー化に向けた、あるいはSociety5.0に向けた、大きな取組が今始まっているところ。その中で、先ほど委員方も御指摘のように、ある種大学が、リビングラボとして、いわゆるキャンパスを使っていろんな技術のフィージビリティーだったり、あるいはスマートシティーの中心として活躍していく、活動していくということが非常に大きく求められている。まさにここに挙げていただいたように、大阪大学とか、いばらきキャンパスとか、あるいは東洋大学の例があるというふうに捉えました。
 今回、そこが結構新しい点なので、資料1ですかね、まとめていただいたところで、デジタルという話が共通事項として上がってくるんですけれども、ここの前の一番最初に書いてあるその3行の中では、デジタルやグリーンの成長分野のと、①のところがうまく書かれているんですけど、共通部門として上がった、このデジタル技術を駆使したハイブリッドというは、どちらかというともうコロナで終わっちゃった感じもありまして、デジタルの捉え方をもうちょっとうまくフィーチャーできないかなと。
 先ほどの、立命館大学とか大阪大学とか東洋大学のような、ある種、スマートシティーのためのリビングラボとしてのイノベーションハブという捉え方が、もうちょっと打ち出せないかなと思った次第です。
【西尾主査】  ありがとうございました。
 やはりこの報告書はポスト・コロナに今移りつつあるときに出すものですので、今、下條委員のほうから言っていただいた点をもう少し強調する、重要な方向性としてきっちりと方向性を示すということで考えていきたいと思いますので、そこの改定を行いますので、下條委員、またいろいろ事務局との間で助けていただけますとありがたく思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、出口委員、よろしくお願いいたします。
【出口委員】  東京大学の出口です。本当に長い期間にわたっての大変熱心な議論に、私も加わらせていただきまして、大変勉強もさせていただきました。まず、皆さんにお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
 もう既に、今回のこの提言書といいますか、報告書の意義については、多くの委員の方々から御指摘いただいたところでございますけれども、私としても、やはり今、社会が大きな転機に来ていると。特にポスト・コロナの時期を迎えて、大変大きな時期に来ているということ、それに合わせて大学も変わっていかなければいけない、その受皿となる施設の考え方も変わっていかなければいけないというような御指摘だったかと思います。
 私やっぱり、何よりも非常に大きな変化として感じていますのは、やはりその技術の変化のスピードの速さとか、あるいはその政策転換の短さというか早さといいますか、そういったことを考えておりまして、やはり社会がそういったものにキャッチアップしていくために、あるいは社会人の人たちがそういうものにキャッチアップしていくために、大学が新しい役割を果たしていくことが求められているのかなと思います。
 将来の社会を担う人材をきちんと育てていくために、それぞれの地域、あるいは大学が、伝統なり、あるいはこれまでの教育の方法に根差した教育研究を進めていくことも非常に重要だと思いますので、引き続きそれは継続していただく。それに加えて、やはり新しい技術、変化の速いスピードに応じた技術、あるいはその政策等をきちんと勉強していただく、そういう場が必要になっていると思います。
 そういった意味では、今後5年間、向こう5年間、やはりそのイノベーション・コモンズの役割として、3点あるかなと思っております。
 1つは、もう既にほかの委員の方々も言われているように、社会人のリカレント、リスキリングへの対応です。このためには従来の施設の考え方と違う考え方が必要ではないのかなと思われます。これまで、日本はどちらかというと、キャンパスの中心的な機能は20歳前後の若者を育成して、社会に送り出すことが中心的な役割で、そのためのキャンパスの機能が中心だったと思いますけれども、これからは、非常に速いスピードで技術、政策が変化していきますので、10年に1回、あるいはもしかしたら数年に1回は社会人の方に大学に戻ってきていただいて、そして、新しい技術なり政策なりを学んで、また、企業なり地域社会に戻っていただくというような、そういった人生のサイクルで大学に関わっていただく、そういう時代になってきたのかなと思います。その受皿として、やはりイノベーション・コモンズというものが必要になってくるのかなと思います。
 2点目は、スタートアップです。やはり大学が、特に若い人たちが、新た生業を自ら起こしていく、それを大学が支援していくという、それもイノベーション・コモンズの大きな役割、今後5年間の大きな役割ではないのかなと思います。
 そのときに、ライフサイエンスや、あるいはIoT、デジタル関係のディープテックだけではなくて、いわゆる社会起業家を育てていくということも重要だと思います。非常にバラエティーに富んだスタートアップの支援をしていくということが、大学の役割として非常に従重視されることかなと思います。
 3点目は、留学生などを拡充していくための国際化です。そういった3点が、今後5年間、大学の役割・機能として非常に重視されていく中で、それらの受皿として、今回、イノベーション・コモンズというものが打ち出されるというふうに、私としては理解をしたいと思っておりますので、そういった趣旨で、今後の施設整備に取り組んでいただければなと思います。
 あと、最後、そのために非常に重要なことは、先ほど来も議論ありましたけども、この施設をデザインして運営していく、スタッフの強化、拡充です。報告書の37ページ目、資料2-1の37ページ目以降にそういったことが書いてありますので、これをぜひ関係者の方々で共有していただいて、この共創拠点がうまく使いこなされていくための仕組みづくりでありますとか、あるいはURAをはじめとする人材育成、その辺りが今後の鍵を握ってくるかと思いますので、それを改めて強調させていただいて、私のほうからの最後のコメントとさせていただきたいと思います。
 本当にこれまでの期間、西尾委員、そしてワーキンググループ主査をしていただいた上野委員、委員の皆さま、事務局の方々、大変にお世話になりまして、御助力いただきましたことに心からお礼を申し上げたいと思います。
 本当にありがとうございました。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 今、出口委員から御指摘いただきました3つの観点、リカレント、リスキリング、それからスタートアップ、それから留学生のこと。これはやはり、こういう新たな重要なポイントがどんどん増している中で、ハードとソフト一体となって、どう大学のキャンパス空間の質を高めていくのかということが、今後、より重要になってくるということだと思っております。
 それと、デザイン、あるいは運営していくスタッフの重要性、このことも本当に重要なポイントであると思っております。
 これらのことに関して、もう一度最後の段階の報告書の最後のブラッシュアップのところで、より強調することができたらと思っております。
 出口委員、どうもありがとうございました。心より申し上げます。
【出口委員】  ありがとうございました。
【西尾主査】  土井委員、お願いいたします。
【土井委員】  取りまとめ、いろいろどうもありがとうございます。改めて報告書を拝見させていただいて感じたことが、皆様、今まで述べられていることと重なるかと思いますが、イノベーション・コモンズというのは様々な分野でのボーダーレスを実現する場所なんだなということです。今回書き込んでいただいておりますように、デジタルとリアルというサイバーフィジカルな世界をボーダーレスで実現する、あるいは産官学連携をやっていく、あるいはグローバライゼーションに対してボーダーレスにしていく、リビングラボやリカレントなどのように、地域、市民とのボーダーをなくしていく、そして、先ほど後藤委員からも御指摘がありましたように、日常と災害地というところのボーダーレスを実現し続けられるようにしていくということが、イノベーション・コモンズ、共創として非常に重要なことなんだというのを報告書を拝見して感じました。
 もう一方で、先ほどからも御指摘がありますけれども、イノベーション・コモンズ、施設、ハードとソフトをつくって完成というわけではなく、常日頃の維持が重要になってくるかと思います。ボーダーレスを実現するための、運用していくための、URAとか、そういう方々の活躍も必要ですけれども、ボーダーレスを実現しようとすると、セキュリティー対策であるとか、データをいろいろ集めて使っていくということをやると思うんですが、そういうことに関するアクセス権の制御、一方で、物理的な施設に対するアクセス権の制御ということも重要になってくると思います。
 また、先ほどのお話にもありましたけれども、ディープテックとかをリビングラボとしていろいろな実証実験をしていこうとすると個人情報保護の問題も出てきます。そういうものをいかに確実に、かつ、なるべく手間をかけずに実現していくかというところが今後非常に問われるかと思います。
 また、実際にやろうとするとやっぱりリアルなものだけではなくって、施設を共有していくということは非常に重要です。特に電気管理技術者とか足りなくって、企業でも引っ張りだこになっていますが、そういうところをいかに、ソフト面、オペレーションのところをどうやってうまく人手をかけずにやっていくかということも今後施設維持という意味では非常に重要になってきます。こういうところが実現できていかないと、イノベーション・コモンズ、共創の場が維持できないということになりますので、それが施設整備だけで済まず、どうやってそこを担保していくかというところが今後問われていくのかなというところも感じました。
 そういう意味で、次の5年間、このレポートがどのように生かされていくかというところは非常に重要であると思っております。このような場に参加させていただきまして、どうもありがとうございました。
【西尾主査】  土井委員、どうもありがとうございました。
 土井委員のほうからは一貫して、セキュリティーの問題、アクセス権の問題、これは実空間と、いわゆるネットワーク上、両方あるんですけども、その両方の重要性であるとか、個人の情報、データのアクセス権、これはELSIの問題そのものなんですけれども、やはりイノベーション・コモンズというときのイノベーションを起こそうとすると、倫理、個人情報の問題、知財の問題等々、その問題の解決を同時に図っていかなきゃならないということを常々御指摘いただけましたこと、我々にとっては非常に大きな財産だと思っております。本当にどうもありがとうございました。心よりお礼申し上げます。
 恒川委員、お願いいたします。
【恒川委員】  まず、数年にわたってつくってこられました皆さんの会議、非常に楽しく参加させていただきました。有益な議論ができてまずもって感謝しております。
 私からは2点ほどお話ししたいと思うんですけれども、これは今までの皆さんのコメントでもいろいろ出てきたわけですが、一つは、この報告書をどのように活用していただくかということだと思います。ここに書いてあることというのは非常に重要なことが書かれていますが、こういった報告書というのは、文教施設のほうから出るということもあって、主として大学の施設系の職員が読まれる、その方々は精読されるかもしれませんけれども、それが執行部をはじめとして、今回、ソフト・ハード一体の整備と言っているわけですけども、企画系だとか財務系だとか産学連携だとか、そういった事務職員の方々が読むということはなかなかないかもしれませんし、実際に企画に携わる方々がどういうふうにソフト・ハードを一体的に考えていくべきなのかということで読まれるということがなかなか難しいなということがあると思うんですね。なので、この報告書をどのように、ここにもちろん書いてあるんですけども、どのように学内に浸透していただくかということのプロセスみたいなことをぜひ、文科省からこの報告書を発信していく際に、各大学に対して、どんなふうに示していけばいいのかというようなことをうまく伝えられるようなことをしていただけるといいなと思っています。
 それから、もう一つは、次期5か年計画等に向けてですけれども、私自身はワーキングにも参加させていただきましたように、建築や都市空間を専門にしているという立場から、空間の質の担保、屋外や論文等も含めて、そういった空間の質の担保ということが重要だと思っていますし、一方で、それがソフト・ハードと一体となるということが重要だということで、中間支援組織の重要性みたいなことを何度も申し上げ、これは報告書にも反映していただいたところだと思うんですけれども、一方で、実際にそれを創造する設計者とか建築家、そういった方々の役割というのも非常に重要だと思っていまして、いかに外部の専門家たちとコラボレーションしていくのかということも非常に重要だと思っておりまして、施設整備のプロセスのイノベーションが必要だと思っているんです。どうしてもそれは国が出す公共事業でもありますので、公共性といった観点から様々な予算の制約ですとか時間の制約といったことがあると思うんですけども、まさにイノベーション・コモンズをつくろうとしていったときには、整備のプロセス自体がイノベーションであるという考え方に変えて、様々なトライができるような仕組みというのをお考えいただくことが大事かなと思っております。昨今、そういった意味で民間の方々と一緒に考えるPFIとか、そういった事業も進んでいるわけですけれども、仕組みとして民間の創意工夫をうまく生かせるといったところに行き着かない産学連携の事業みたいなものも多いような気がしておりまして、それをいかに、プロセスを自由にすることによって、あるいはプロセスとか制度を自由にすることによってできるのかというようなことも含めて、イノベーション・コモンズの実現に向けては、そういったことのある意味緩和ですとか、ということもお考えいただけるといいなと思っております。
【西尾主査】  ありがとうございました。
 最初の観点は非常に重要だと思っておりますので、今まで文教施設関係の報告書、提言書が出た場合に、それのアウトリーチをなされてた方法だけではなくて、やはりこれを、様々な方にどうやって読んでいただけるかということに関して、ぜひとも事務局のほうで工夫をしていただきたくお願いいたします。せっかくの議論が、大学の施設関係者の方のみにしか読まれないというのは非常にもったいないですので、いかに大学の執行部である、また社会のいろいろな方々に読んでいただいて、大学関連の状況を御理解いただくことによって御支援をさらに引き出していくということが重要かと思います。よろしくお願いいたします。
 それと、2点目も非常に重要なことだと私も常日頃思っています。施設整備のプロセスのイノベーションは重要だという御指摘だと思います。特にイノベーション・コモンズで今まで議論してきたような空間を設計し、実装していくには、今までの施設整備のプロセスではなかなかないと思っております。そういう観点でどういうところの規制の緩和をしたらいいのか、また、大学における施設部においても、マンパワー的には今本当にぎりぎりで仕事をなさっている状況ですので、いわゆる外部の企業等をいかにそういうところに巻き込んでくるのかというような、そういうことに関しての新たな方策、レギュレーション等も必要なんじゃないかと思っておりますので、それが時期の5か年のところでは非常に大きな課題となっていくと思います。どうかよろしくお願いいたします。
 恒川委員、重要な問題の御指摘、誠にありがとうございました。
 山内委員、よろしくお願いいたします。
【山内委員】  高エネルギー加速器研究機構の山内でございます。昨年10月にイノベーション・コモンズの実現に向けてという報告書が取りまとめられまして、さらに今回イノベーション・コモンズの更なる展開という次の段階に向けた報告書がまとめられようとしているということでありまして、非常に急ピッチといいますか、早いペースでもって物事が進んでいるということでございます。文科省やワーキンググループの皆様をはじめ、関係者皆様の大変な御努力の賜物であると敬意を表したいと思っております。
 この報告書は我が国の未来の成長を見据えたという大変大きな事業でございますので、最初の報告書につきましては、各大学とステークホルダーになり得る方々の十分な理解をいただいた上で予算措置を含めた具体化ということが必要になるだろうと。これにはどうしても時間がかかるわけでございまして、その時間の間には、議論だけでは見えなかった課題も見えてくるでしょうし、方針変更が必要であるというような場合も出てくるでしょう。したがいまして、各大学などの状況を定期的にレビューいたしまして、適宜政策的なところにフィードバックしていただくということが必要になってくるんだろうと思います。
 このためのレビューのプロセスというのはぜひとも必要なものではないかというふうに思っております。もしかしたら、どこかに書いてあるのを私が見逃しているだけかもしれないんですが、先ほどの御意見の中で資料のアップデートが必要だという御指摘もありましたが、こういったことのためにも、今どのように進んでいるか、正しい方向に進んでいるのかどうかというところを常にレビューするということが必要だと思います。ただ、ここで私が申し上げたレビューというのは、予算をつけるとかつけないとかそういうことではなく、やはり重要なのは、この協力者会議の議論にもあったように、非常に高い立場から、どういう方向に進むべきなのかと、それと現状足し合わせてどうなんだといったレビューが必要になるんじゃないかと思っております。
 それから、もう一点なんですが、イノベーション・コモンズというときのイノベーションの意味を狭く捉えないほうがよいということを申し上げておきたいと思います。最近、イノベーションといいますと、革新的な技術によって新たな価値を見いだす。それによって大きな変化が社会に起こるんですよということであるというふうに狭く捉えられがちなんですが、イノベーションが社会に大きな変化をもたらすためには、革新的な技術に加えまして、我々の発想そのものを変えていくということがぜひとも必要になってまいります。大学におけるイノベーションで、この点において力を発揮するのが文系や技術系の学問や研究があると思うんですね。もちろん全部の大学がこういった分野を持っているわけではございませんので一概には言えませんけども、こういった分野の知恵を生かしていくということが、大学におけるイノベーションの大きな強みであると私は考えます。ぜひともこの強みを生かしたイノベーション・コモンズの在り方というのを今後とも模索し続けることが必要ではないかなと思っております。こういった報告書でも、こういったことを多少強調していただいてもいいのではないかというふうに思っております。
 皆さん、本当にそれぞれ、非常にいろんなところで貴重な御意見いただきまして、私も大変勉強になりました、どうもありがとうございました。
 以上でございます。
【西尾主査】  山内委員、ありがとうございました。
 最初のところで、今後、さらにこの提言書を出すだけじゃなくて、きっちりとレビューをして、必要なところをアップデートすることや今後のフォローアップのプロセスについても重要だという非常に貴重な御示唆でございます。事務局のほう、これをどういう形でやっていくかということに関しましては、ぜひ御検討いただければと思います。
 それと、2点目のところは私も非常に大事なことだと思います。イノベーションというのを単なる技術革新として捉えるのではなくて、やはり発想の転換をどうしていくかというところまでいかなければ、真の社会創造にはいかないと思っております。そのためには、今、科学技術基本計画等で重要視されている、いわゆる自然科学系のみならず、人文社会科学系も含めた総合知、コンバージェンスナレッジというものをどういう形でその過程で生かしていくのかということが求められるし、そういうことをエンカレッジしていくのがイノベーション・コモンズの大きな役割ではないかと思っております。その点、この報告書の最後のブラッシュアップのところで、もし記述できるようでしたら、いわゆる総合知的なアプローチが大事だというようなことをぜひ記述していただけるとありがたく思っております。
 山内委員、どうもありがとうございました。心よりお礼申し上げます。
全員の委員からの意見が出たとこで、上野委員、今までの意見を踏まえて何かコメントがあれば、よろしくお願いいたします。
【上野委員】 イノベーション・コモンズの報告書がまとまったことで、来年以降、これから各大学では概算要求のときに、このイノベーション・コモンズの実現ということをかなり前面に押し出して各大学が考えてくると思うんですけれども、そのときに、イノベーション・コモンズというのは一朝一夕に企画ができるということではないと思うので、ぜひその辺の体制づくりとか、関わる方たちへの理解が深まるように、今後も文教施設企画部の皆さんからいろんなメッセージ、あるいはセミナーみたいなものをやることで、各大学の関係者の理解を深めていただくようにすればいいんじゃないかなと思います。
 それと、やっぱり一朝一夕で計画できるものじゃないので、質の高い場所をつくっていくためには、企画から計画立案の部分でどれだけ質の高いものをつくるかというのが重要になりますし、それはそれなりに時間もかかることかと思います。そのときに、執行部や運営とか研究のトップに関わる方だけじゃなくて、実際の施設の職員の方々、若手の方々に、特に自分の大学の教育研究力、あるいは研究シーズ、そういったものにアンテナをぜひ張っていただいて、逆に施設系職員のほうから提案をしていく、こういうところにこういうような計画をやると、うちの大学の研究力がもっと高まるんじゃないかとか、そういったことができるような施設系職員の人材育成、これをぜひしていただければなと感じました。大変かと思いますけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、皆さん方の御意見につきましては、以上でよろしいでしょうか。
 それでは、まとめの案については、本日いただきました御意見を踏まえまして、ひとまず取りまとめをさせていただきますので、案文等については、僣越ながら当方に御一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
(「委員異議なし」の声あり)
 どうもありがとうございます。
 それでは、今後の改定等につきましては、事務局と相談して進めさせていただきます。
 あとは事務局からの連絡、また、森技術参事官からの御挨拶をいただくことになっておりますが、最後に、私自身も今回のこの会議におきまして、イノベーション・コモンズのことをテーマにしながら、皆さん方と様々な議論を展開する中で大変多くのことを勉強いたしました。そして、今後のキャンパスのあるべき姿に関して、一つの大きなビジョン、あるいは方向性を持つことができました。改めて委員の皆さん方に対しまして、貴重な御意見、また御示唆等々いただきましたことを心よりお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
 それでは、閉会の前に、事務局からの事務連絡をお願いいたします。
【宮城大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室室長補佐】  本日はありがとうございました。今後の公表に向けてですけれども、本日いただきました御意見を踏まえた修正をさせていただき、西尾主査にも御相談させていただき、最終公表に向けまして各種調整をさせていただいた上で、9月から10月にかけて公表していきたいと思っています。また、最終、取りまとまった段階で公表前には委員の皆様に御連絡させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、その後に、どういうふうに大学等の中で、執行部の皆様であるとか、施設部の皆さんはもちろん、他部局の皆様にどう伝わっていくかというところでしっかり対応を検討して進めてまいりたいと思いますので、本日は御意見いただき誠にありがとうございました。
 本日お配りしてございます参考資料9につきまして、御紹介をさせていただければと思います。
 イノベーション・コモンズにつきまして御議論をいただきましたけれども、今回の令和6年度概算要求についてでございます。国立大学、高等専門学校等施設の整備といたしまして、先ほど委員から老朽化というところも御指摘いただきましたけれども、安全・安心の教育研究環境の整備をはじめ、イノベーション拠点の強化、カーボンニュートラルに向けた取組といたしまして、右にございますけれども、本まとめをいただきましたイノベーション・コモンズの実現に向けて、さらなる展開に向けてしっかり取り組んでまいりたいということで、右上にございます令和6年度要求・要望額といたしまして、950億円プラス事項要求ということで要求をしてございますので、本報告書をどう生かしていくかということでしっかり予算確保に向けても取り組んでまいりたいと思ってございます。
 本日の会議の議事録につきましては、追って皆様へ御確認いただいた後に、文科省のホームページに公開をさせていただきたいと思います。
 それでは、最後に技術参事官の森から御挨拶をさせていただきます。
【森技術参事官】  文教施設企画・防災部、技術参事官の森でございます。委員の委員方におかれましては、本日も活発に御議論いただき、貴重な御意見の数々を賜りましたことに、まずもって御礼を申し上げます。
 今回の報告書の取りまとめでは、我が国の未来の成長を見据えたイノベーション・コモンズのさらなる展開に向けてとして、複数の具体的なテーマについて重点的に御議論いただきました。本日も委員の皆様から数々の貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございました。
 今後のまとめ方につきましては、西尾主査に御一任いただきましたので、事務局といたしましても、主査に御相談させていただきつつ、しっかりと最後の仕上げにかからせていただきます。
 さて、今回の報告書を踏まえまして、必要な予算の確保を含めまして、ソフト・ハード一体的な支援の充実を図ってまいります。また、御指摘のとおり、今回の報告書につきましては、施設関係部署のみならず、各大学等の執行部、経営層、さらには地域、産業界に対しても積極的に周知を図り、アウトリーチに工夫を行いまして、各大学等の共創拠点化が一層推進、展開されるように働きかけてまいります。
 また、学内への浸透につきましては、また委員方のお知恵、御助言などをいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 今回の報告書に続き、次回、5か年計画に向けた検討も速やかに着手してまいります。新たな検討を進めるに当たりましては、引き続き、ぜひ委員方のお知恵やお力添えを賜りながら国立大学等施設の整備推進に向けて取り組んでまいりたいと思いますので、変わらず御指導を賜りますよう、何とぞよろしくお願いいたします。
 以上、簡単でございますが、閉会の御挨拶とさせていただきます。誠にありがとうございました。
【西尾主査】  どうも御丁寧な御挨拶をいただきまして、ありがとうございました。心よりお礼申し上げます。
 それでは、本会議、10回にわたって開催してまいりましたが、委員の皆様方に貴重なお時間をいただきましたこと、心よりお礼申し上げまして、閉会といたします。
 どうもありがとうございました。
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