国立大学法人等の施設整備の推進に関する調査研究協力者会議(第4回)議事録

1.日時

令和4年4月22日(金曜日)15時00分~17時00分

2.場所

オンライン会議(Zoomを用いて開催) (事務局:文部科学省旧庁舎4階文教施設企画・防災部会議室)

3.出席者

委員

池田委員、岩村委員、上野委員、倉田委員、後藤委員、篠原委員、竹内委員、恒川委員、土井委員、西尾主査、浜田委員

4.議事要旨

【西尾主査】  皆様、この会議に御参加いただきまして、誠にありがとうございます。ただいまより第4回国立大学法人等の施設整備の推進に関する調査研究協力者会議を始めます。
 初めに、事務局からオンライン会議の注意事項の説明、欠席委員と配付資料等の確認をお願いします。
 本日の会議の模様はユーチューブにてライブ配信いたします。また、会議資料と議事要旨は後日文部科学省ウェブサイトに掲載される予定です。
 事務局、よろしくお願いいたします。
 
【藤代大臣官房文教施設企画・防災部計画課専門官】  よろしくお願いいたします。それでは、事務局のほうからお話をさせていただきます。
 本日は御多用のところ、皆様御出席いただきまして、本当にありがとうございます。事務局を務めさせていただきます文教施設企画・防災部計画課整備計画室専門官の藤代と申します。本日、どうぞよろしくお願いいたします。
 初めに、事務局からオンライン会議の注意事項の説明、委員の出席と、それから配付資料について確認を、御説明をさせていただければと思います。
 まず、オンライン会議の注意事項でございますけれども、発言時以外はマイクをミュートにするよう御協力をお願いいたします。
 また、御発言をいただく際には、挙手機能、Zoomの挙手機能のを使っていただきまして、挙手機能でオンにされた方から順番に主査から指名をしていただくことになりますので、御発言は御指名を受けた後にお願いいたします。
 続いて、出席・欠席委員につきまして、東京大学理事、岩村先生は16時頃に所用により御退席されるものと聞いております。また、本日、片岡先生、金子先生、下條先生、出口先生、山内先生が御欠席でございます。それ以外の先生方におかれましては、皆様御出席である旨伺っております。
 配付資料の確認につきましては、各自で議事次第を御確認いただければと思います。資料は事前にPDFでお送りしているものを画面共有しながら、こちらの方で御説明をさせていただければと思っております。
 事務局からは以上でございます。西尾先生、お願いいたします。
 
【西尾主査】  どうもありがとうございました。それでは本日の重要な論点である議題1、まとめの方向性(案)について、事務局から説明をお願いいたします。
 
【廣田大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室長】  失礼いたします。事務局の廣田と申します。この4月に整備計画室長に着任をいたしました。皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、私のほうからまとめの方向性(案)について御説明をさせていただきます。
 今、画面のほうに資料が映っているかと思います。資料の1はまとめの方向性の概要となります。2枚にわたりましてこの概要を作成しておりますけれども、本日御説明の中心は資料の2、まとめの方向性(案)の本文を用いまして御説明をさせていただきたいと思います。
 前回、3月30日、第3回の会議がございました。そこでの御意見も踏まえて本日御提示するものでございます。
 全体の構成としまして、目次がございますけれども、大きくは変わっておりません。3番と4番、前回の会議の資料ではイノベーション・コモンズの事例という中に実現のための取組の要点などが入っていたもの、これを3番目と4番目に切り分けております。その体系化をしたという、構造上で切り分けたというところが変更点でございます。
 今回のまとめの方向性というのが、様々な先行事例から学び、要点を明らかにするという視点、もう一つが、今後それを前に進めるために、あるいは横に広げるために必要な手だてとなる推進方策、これが5章の部分でございますけれども、これが今回のこの報告書の要点でございます。
 続きまして、「はじめに」というところですけれども、前回と比較しまして、より強調したいポイントを下線そして太字で表現をしております。今申し上げましたように、今回の報告というのが、イノベーション・コモンズの実現に向けて先導的な取組事例を整理するということと併せて、今、カーソルを表示しておりますけれども、国及び国立大学等における推進方策を検討し、今般、まとめの方向性を整理する、これが今回のこのタイミングでございます。
 黄色くマーキングしているところがあります。全体として、軽微な修正を除きまして、大きく項目が追加されたものにつきましては黄色いマーキングの表示をさせていただいております。前回の会議資料から大きく異なる点、これは黄色い表示です。
 「このうち」ということで、今回のまとめの方向性の中で、「国が取り組むべき方策として、国の予算のより一層の確保・充実やソフト・ハード一体的な取組への支援、大学等の取組の掘り起こし・伴走支援などを提言」するということで、この後御説明をいたしますが、推進方策として横展開していくための、あるいは深掘りしていくための方策を散りばめておりますので、そのことについて「はじめに」のほうでも触れております。
 あわせて、国においては、本報告を踏まえて、令和5年度の概算要求に反映するなど、その実現に向けた着実かつ迅速な対応を強く求めたいということで、今回のこの審議のまとめの方向性、これを踏まえてしっかりとアクションをしてほしいというメッセージを込めております。
 これが「はじめに」の部分でございますけれども、続きまして第1章、「国立大学等キャンパス・施設の目指すべき方向性」でございます。この中で変更点を申し上げますと、中教審あるいはCSTIでの審議の状況を整理した上で大きく追加しているのが、「さらに」の部分でございます。5ページ目でございます。現在岸田総理を議長とする教育未来創造会議が設置され、議論が進んでいるところです。大学が果たす役割、大学の機能強化、学びの支援等々について精力的に審議がされている状況でございまして、論点整理の案の中では、地域産業の高度化、地域発イノベーション等を担う高度人材の育成ということなどが盛り込まれている状況でございます。
 続きまして、第2章に参ります。「イノベーション・コモンズの考え方」というところで、ソフト・ハード一体的に進めていくこと、あるいは、キャンパス全体で有機的に連携していくことなどが考え方の中で整理をされております。
 変更点に参りますと、(2)「イノベーション・コモンズの実現に向けた整備の考え方」という中で、8ページ目、まちづくり全体の中でのキャンパスという位置づけについて追記をさせていただいております。また、施設整備に関わるステークホルダーを巻き込みつつ、地方公共団体の都市計画などとの整合を踏まえたマスタープランを検討するなどの取組が必要であるという観点。
 そして、8ページから9ページにかけてでございますけれども、池田委員、山内委員より施設の共用化についての御意見がございました。研究設備・機器等の共用化を推進し、様々な分野から多数の研究者が参画することによる分野融合・振興領域の拡大、企業等からのアクセスによる産学官連携の強化を図ることが必要である。そのように反映させていただいております。
 その下でございますけれども、多様な人材のという部分での項目を追加しております。これは岩村委員から御意見いただいたことを反映したものでございます。「多様な人材の能力を最大限発揮させるとともに、多様な人材が集まることで革新的・創造的アイデアが生まれ、新しい価値が創造されるようダイバーシティ、インクルージョン、アクセシビリティにも配慮した環境づくりが求められている」という観点でございます。
 その下、出口委員からの御意見を反映しております。人生100年時代に向けた社会人のリカレント教育を推進する上でも、キャンパス外の施設の有効活用ということについて触れております。
 続きまして、第3章の部分でございます。こちらは、この報告書の後ろのほうに、ページ数でいきますと27ページ目でございますけれども、先導的取組事例に関するアンケート調査結果の概況を整理させていただきました。事例を整理するに当たりまして、36大学からアンケートの調査の回答を得ておりまして、それを簡単にかいつまんで整理をしたものでございます。ここに図の1から図の6までがあります。共創活動の目的、どのような目的で共創活動を行っているのかという観点、あるいは図の2の部分が各種計画との関係、図3が地方自治体の各種計画との連携、図4、施設計画上の工夫という形で6つの項目についてアンケートを実施しております。
 もともとの10ページに戻りまして、このアンケートの調査から見えてくる要点というものをこちらに整理をさせていただきました。
 1つ目、共創活動の目的というのが、社会課題の解決に向けた研究開発など、イノベーションの創出、あるいは教育・人材育成、地域貢献など、多岐にわたるということ。
 2つ目、図2のほうからは、回答した半数以上の大学において、イノベーション・コモンズというのが、大学のビジョン、アカデミックプランなどの計画に位置づけられているということ。
 図の3からは、回答した半数の大学において、イノベーション・コモンズというのが自治体が作成する総合計画などの計画と連携がなされているという観点。
 図の4が、施設計画において、交流を誘発する仕組み、フレキシビリティの確保、活動の可視化の順に工夫が施されている観点。
 図の5といたしまして、連携しているステークホルダーとして、民間企業、自治体、行政機、学内の他部局等々が挙げられるという視点。
 図の6でございますが、多様な主体との連携の工夫として、専門家を活用していること、あるいは地域連携プラットフォームの構築・活用、そういったことが挙げられております。
 このような調査結果も参考としながら、先進的な事例の抽出を試みて、この次の(2)の主な事例を整理するということとしたというふうにつないでおるところです。
 (2)の事例の部分については、前回の資料の中でも各大学の状況について御説明をしましたわけですが、その下、10ページ目の下ほどに、「また、今後、更なる事例の調査・分析を進める」と書いてございます。参考資料の9になりますけれども、そこに調査対象の機関一覧というものがございます。飛んでいきますとちょっと分かりにくくなりますので、口頭で申し上げますけれども、この有識者会議として、事例調査、主に国立大学であれば17大学、公立大学であれば4大学1機関、私立大学が7大学、そのほか、高専、共同利用機関法人等、多数の調査対象機関というものの一覧が参考資料の中にございます。
 今、本体の報告書の中では7つの事例を取上げておりますけれども、今後さらに事例を深く整理をし、分析を進めていくことが重要であると考えておりますので、その一文を追加させていただいております。
 次のページからがそれぞれ個別の事例の情報でございますけれども、前回お示しした情報からこの四角い部分がそれぞれ追加されております。目的、掲げているビジョン、主なステークホルダー、共創活動の施設等という形で、それぞれの事例においてどのようなことが共通項として挙げられているのか、ある程度整理をしてお示ししたほうがいいのではないかというところで、この四角の部分をそれぞれに整理をさせていただきました。
 千葉大学の墨田サテライトキャンパスの場合、地域活性化・地域の産業振興に資する共創拠点、これを掲げて整備がされている。またソフト・ハード一体の取組がなされているということのあらわれをこの四角に込めております。
 同じように、次のページ以降、大学の下に目的やビジョン等について整理をしている。この構成をそれぞれの事例で続けているところです。
 それぞれの事例の御説明は前回の会議での御説明をしておりますので、今回はその御説明は割愛させていただきたいと思います。
 お手元、続きまして、20ページになりますけれども、ここからが、4番、「『イノベーション・コモンズ』実現のための取組のポイントと具体的なイメージ」というところでございます。実は前回の資料の中では、ここ、取組の要点と、もう一つが成果・効果という文脈がございました。それぞれの各事例から見えてくる成果・効果というのはこの4章の中からは外しておりまして、それぞれ先ほどの3章の中に各事例を載せておりますけれども、ここに主な成果・効果というのをそれぞれの事例にぶら下げる形で記述させていただいておりますので、今回の第4章の中には主な成果・効果というところの項目は出てきておりません。大きくは、「取組のポイント」という項目が(1)、そして(2)が「具体的なイメージ」という部分に焦点を当てて掘り下げたものでございます。
 (1)「取組のポイント」とあります。イノベーション・コモンズ実現のための取組のポイントとして、各大学それぞれに取組を進めておられますけれども、さらにそれぞれの大学が持つ強み、特色を発揮するために大切な視点というものをその下に記載しております。
 「取組のポイントの一例」ということで、前回の会議でもお示ししておりますビジョン、プランなどの各種計画の中で共創を位置づけているということですとか、あるいはソフト・ハードが一体となった創意工夫が行われている。このようなそれぞれのポイントというものを改めてここに記載させていただきました。
 こちら、なお書きがございます。あくまで取組のポイントの一例というのが、この7つの事例の中から出てくるポイントを少し抽出したものでございまして、全体としてまだまだ十分でございません。その観点からは、今後、先ほど申し上げたさらなる事例の収集・分析というものを行っていきますので、この収集した事例を基に取組のポイントをよりきめ細かく整理をするというふうな一文を書かせていただきました。
 続きまして、(2)「具体的なイメージ」というものでございます。これは、それぞれの事例から出てくるもので、具体的に共創拠点化に向けてどのような施設整備を行っているのかということをそれぞれ抜き書きしたものでございます。あくまで一例ということでございますので、それぞれ大学に掲げられるビジョンに基づいて整備されるものでございますけれども、その一例をここに記載させていただいております。
 例えば、学生同士の交流・議論を活性化するために、キャンパス各所に目的を持った学びの空間を配置するというような視点。その次、異文化の研究者の交流の活性化、最先端イノベーション創出のために、研究活動が可視化されるようなオープンラボの整備。こういった形で、この事例から見えてくる様々な具体的な整備のイメージの例をここに記載をさせていただきました。
 こうしたイメージというものも、文章だけではなかなかイメージがつきにくい部分がございますので、今後最終的にはここに写真あるいはスケッチを挟むような形で、より具体的なイメージが可視化されるように工夫をしてまいりたいと考えております。
 ここになお書きがございますけれども、先ほどと同様、今後さらに収集した事例を基にこの部分をきめ細かく、より分かりやすく整理をすることとしております。
 続きまして、5章でございます。今回、第4回会議の議論の中心というのが5章の推進方策の部分になろうかと思います。この推進方策は、イノベーション・コモンズ(共創拠点)の整備というものをより深く、そしてより広く展開していくためにどのような支援を講じていく必要があるのかということをまとめた部分でございます。我が国社会全体の変革の駆動力として積極的な役割を果たしていく。そのためにも、国、国立大学等がどのような方策を講じていくべきか、それを整理したものでございます。
 (1)といたしまして、「国が取り組むべき方策」というのを整理しております。社会全体の変革の駆動力としてそれぞれの強み・特色を発揮するために、国の予算のより一層の確保・充実を図り、教育研究基盤を強化していくという視点が1つ目。
 2つ目が、イノベーション・コモンズの実現に資する整備に重点的な支援を行う。これが2つ目でございます。ただ、その前提といたしましては、施設の老朽改善、あるいはライフラインの更新、附属病院など、共創活動の有無によらず、安全・安心の観点から戦略的整備が必要なものですとか、あるいはカーボンニュートラルの実現のための先導モデルの構築など、第5次5か年計画に基づいて着実に推進するということが必要である。その上で、イノベーション・コモンズの実現に重点的な支援を行っていくというのが2つ目の柱になります。
 3つ目でございますけれども、それぞれの事例の中でも、教育研究活動のソフトの部分と施設整備であるハードの部分、これを一体的に推進していくということの重要性が明らかになったところでございますけれども、そのようなソフトとハードが一体となった支援を強化することが必要であると書かせていただいております。
 より具体的なアクションといたしまして、「そのためにも」というところが追記されておりますけれども、国立大学法人等の施設整備に関する補助の仕組みの中で、「地域中核・特色研究大学総合振興パッケージ」というものがあります。それぞれの特色や強みを生かしていくためのソフト・ハードの支援がパッケージ化されたものでございますけれども、このパッケージをはじめとして、政府の諸施策も踏まえながら、これらの一体となった事業については、その評価の在り方について検討するということを加筆させていただいております。
 続きまして4つ目の視点でございます。次が企画段階から一貫した支援を行うという観点でございます。前回上野委員のほうからもコメントいただいておりますけれども、実際に施設を使用する学生や教職員、ステークホルダーを巻き込みながら、どのような研究活動を実現したいのか。そのためにどのような施設整備を行い、どのように活用していけばいいのか。その前提となるビジョンをしっかりと共有した上で、企画段階から一貫した支援を行うということを書いております。
 続きまして次の方策でございます。より柔軟な制度・維持管理が可能となるよう、改善すべき制度や緩和すべき規制等がないか、大学等の実態を踏まえた検討を行っていくことが必要である旨記載させていただいております。そのためにもまず現行制度における様々な税制上の手続や柔軟な運用、他施設で取り組まれているような整備手法、これをしっかりと分かりやすく整理をして発信するということ。そして、施設整備上、どのような障壁、ニーズがあるのかを実態把握していくということが必要である旨を追記しております。
 次に、イノベーション・コモンズの実現を着実に推進するためにということで、KPIの設定というところを追記しております。KPIを設けて大学が行う事業を的確にフォローアップすることを検討するということ。ただ、フォローアップをするだけではなくて、そこから明らかになった課題をしっかりと踏まえた必要な方策を講じるということが必要である旨を書いております。「この際、ソフト・ハードが一体となった取組が進み、共創拠点の形成につながるよう工夫する」とありますけれども、KPIの設定に当たっては、単に施設整備がどのように推進されたかというハードの部分だけではなくて、ソフト・ハード一体となった取組が着実に推進されることをしっかりとフォローアップできるような、そんな工夫が必要であると考えているところです。
 その次に、国立大学等における施設整備により、どのように教育研究環境が改善され、教育研究活動、共創活動がどのように活性化されるのか、具体的な事例から効果・成果を可視化するということを加筆させていただいております。
 最後に、共創拠点化を着実に広げていくために、国が率先して全国組織を含むステークホルダーの理解・協力を得るように働きかけていくということ、イノベーション・コモンズの実現というのが社会の変革・発展に不可欠であることをしっかりと示していくということを書いております。さらには、各大学における積極的な取組を掘り起こし、そして、それに対して寄り添いながら支援をしていく、伴走支援を行うということを書いておりまして、一歩踏み込んだ支援を講じることが必要であり、これらを国の推進方策として加筆させていただいたところでございます。
 続きまして、「国立大学等が取り組むべき方策」という部分でございますけれども、こちらにつきましては、岩村委員より、大学の役割、地域や自治体の役割、企業の役割、それぞれの分担についてもしっかりと追記するようにということの御指摘がございました。
 「国立大学が取り組むべき方策」といたしまして、ソフト面と施設整備等のハード面について一体的な取組を進めるということ。そのことによってキャンパス全体の再構築、あるいは老朽施設の改善整備を含めた施設整備を着実に推進していくということが必要である旨を加筆させていただいております。
 その次は恒川委員のほうから、様々なリソースを活用できるように協力関係を構築していくということではあるけれども、学内における部門の垣根を越えていくということが重要であるという旨の御意見をいただいたことを踏まえて、「そのためにも」というところを加筆させていただいております。まずは、学内における部門の垣根を越えた情報共有・情報発信など、交流・連携の強化を図っていくということと併せて、大学等が持っているリソース、情報、取組を学内に閉じることなく、地域や社会に積極的に開いていくということが重要である旨を加筆させていただいております。
 その次ですけれども、共創活動の可視化、共創拠点の実質化を図っていく。それを対外的に発信をしていくということを加筆しております。この際、単に整備するだけではなくて、いかに活用し、いかに改善していくかという観点から、全学的なマネジメントの推進ということの必要性を書いております。
 最後に、地区計画など、まちづくりと連携した形での拠点整備ということが重要である旨を加筆しているという状況でございまして、その次、(3)といたしまして、自治体、産業界に期待される方策というのを述べております。この点、岩村委員のほうから前回意見あったことを踏まえて加筆をしているものでございます。
 ソフト・ハードが一体となってキャンパス整備の充実を図っていくということが、教育研究の高度化、あるいは地方創生、新事業・新産業の創出に貢献していくということの期待感を含めて、それぞれのステークホルダーに対して期待をしている役割を加筆させていただきました。こちらのページにそれぞれのビジョン、目標を共有した上で、強みや役割を明確にし、それに応じた必要な予算確保、人員強化等を行うことが期待されるということ。自治体においては、高等教育を所管する部局等を設置するなど、大学との連携を円滑に行うことができる体制を整えるということが期待されること。
 最後に、産業界においては大学等との連携・協働を積極的に推進するという観点から、地域プラットフォームですとか、あるいは共同利用機関が進める産学連携事業の活用など、大学と企業がお互いの状況、考え方を共有するということも期待されるということを込めております。
 説明が非常に長くなりましたけれども、こうした推進方策をしっかり取り組んでいくことによってイノベーション・コモンズの実現により近づけていくという、そういう期待感も込めて加筆をさせていただいたところでございます。審議のほどよろしくお願いいたします。
 
【西尾主査】  どうもありがとうございました。今までこの委員会で出ました意見等を鋭意反映いただき、今回のまとめの案を作成いただきましたことに対して、まず心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
 それでは、これから意見交換に移ります。事務局からの説明に関する御質問や御意見の他、全般についての御意見、御質問でも結構でございます。御意見や御質問等ございましたら、挙手の上、御発言を願えたらありがたく存じます。先ほど説明がありましたように、論点の中心は、第5章の今後の推進方策を記すことによって、いかに財政当局に訴えていくかというところであると思っております。どうか御意見等ございましたら、いただければありがたく思いますが、いかがでしょうか。
 上野先生、どうぞ。
 
【上野委員】  ありがとうございます。とても分かりやすくまとめていただきまして、感謝申し上げます。
 今、西尾先生からお話がありましたが、今回の大事なポイントは、第5章の「今後の推進方策」だと思います。第5章、24ページの最初の段落のところに、「整備と合わせて、企画段階から一貫した支援を行う」ということがあって、企画ということがイノベーション・コモンズ成立には非常に重要なポイントだと思うんですね。それを考慮した上で、20ページの5番目と6番目のポツに取組のポイントの一例があって、企画段階から大学の強みや特徴について徹底的に議論するとか、その下のポイントでは、企画段階から、整備担当者だけでなく、学生や教職員がいろんなステークホルダーとイメージを共有するということが大事だとあります。これが具体的にどのように各取組で行われているかというのが非常に重要だと感じております。
 そういう前提で、改めて今回紹介されている各大学の事例で、検討体制というところを見ていきますと、はっきり言うと、どういうふうに検討しているのか分からないというのが正直な感想でした。私がこれまでいろんな事例をお聞きした中で、例えば名古屋大学の取組ですと、施設・環境計画推進室という恒川先生がいらっしゃる組織が、キャンパスの整備、イノベーション・コモンズの施設整備に相当重要な役割を果たしたんじゃないかなと思いますし、大阪大学ではサステイナブルキャンパスオフィスがありますし、東北大学の青葉山新キャンパスですと、キャンパス計画室、今はキャンパスデザイン室という形になっているかもしれませんが、大学の中に教員と職員が教職協働で企画的なことを考える組織があると思います。そういうことをきちっとこの検討体制の中に具体的に入れたほうが、各大学といいますか、この報告書を見る各大学の施設担当の方、あるいは執行部の方が参考にできるんじゃないかなと思いました。
 すいません。長くなりましたが、以上でございます。
 
【西尾主査】  上野先生、重要な点を御指摘いただきありがとうございました。まずはイノベーション・コモンズとしてどのような施設整備をするのか、企画段階から十分に議論を重ねて推進していくということが大切であるという、非常に貴重な御意見だと思います。
 そこで、事例等のところで、検討体制の記述をもう少し充実させ、今後、イノベーション・コモンズを大学側として企画していく際に参考になるようにしていただきたいと思います。また、地域におけるステークホルダーとの検討体制を構築してきた事例に関しては、その点も含めて検討体制がどうであったかということを記述していただくよう事務局にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 
【廣田大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室長】  はい。ありがとうございます。上野委員の御指摘を踏まえて、検討体制のところをしっかりと充実させていただきたいと思います。
 
【西尾主査】  上野先生、どうもありがとうございました。
 次に、恒川先生、どうぞ。
 
【恒川委員】  ありがとうございます。上野先生に名古屋大学を挙げていただきましてありがとうございます。せっかくなのでその件から少しお話をしたいと思うんですけども、名古屋大学の事例は、今、C-TEFs、C-TECsという拠点のことが記載されているんですけども、今後視察にも来ていただけると伺っておりますので、もう少し、前回も少しお話ししたんですけども、キャンパス全域を扱っていただきたいと思います。キャンパス全体を考えるということと、それから既存のストックを含めて考えるということですね。新しい拠点をつくるということだけじゃなくて、そういう視点を入れていくという事例があったほうがいいという気がしますので、名古屋大学の事例をもし挙げていただけるのであれば、C-TEFs、C-TECsも含む既存のキャンパス全体をどういうふうにイノベーション・コモンズとして考えているのかというような形での事例として取り上げていただけるとありがたいなと思っているところです。今後視察も来ていただけるということであれば、この内容については全面的に見直していただけるとありがたいなと思っております。
 それから、別のことですけども、今後の推進方策の中で、24ページ、イノベーション・コモンズの実現を着実に推進するためには、KPIを設け、事業を的確にフォローアップすることも検討する必要があるという辺りです。これはこの事業というように、イノベーション・コモンズに限ったことでありませんけども、KPIを設けて何らかの目標に対してちゃんと達成しているのかをチェックしていくということは、予算を投じる以上非常に重要なこととは思うものの、イノベーションを起こすとか、新しい企画をつくる、特に企画段階というのは、その成果がまだ出ない段階なので、それに対して、その目標がこうであって、それをフォローして達成しているかどうかを見るというのは極めて困難だと思うんですね。
 それから、実際にイノベーション・コモンズ、イノベーションが起こるような場所をつくるイノベーションというのは、どちらかというとリスクを承知で思い切ったことをやって、地域の方とかいろんな方と偶然アイディアが出てくるような場を想定するわけなので、KPIを設定してこういうふうに確実に成果が出ますよというところからは、なかなかイノベーションは起こらないんじゃないかと思うところもございまして、もう少し、お金は出すけど口は出さない的なところがあってもいいんじゃないかなと思うところです。予算を投じる以上なかなか難しいことかもしれませんけども、ちょっと御配慮いただければありがたいなと思います。
 以上です。
 
【西尾主査】  1番目のところでは、まさにイノベーション・コモンズが、大学の一つの建物をいうのではなく、キャンパス全体をイノベーション・コモンズ化する方向にもっていくことの重要性をご指摘いただきました。今後、名古屋大学においてヒアリングをしていただくときに、そのプロトタイプ的なものとして例示することを、事務局において検討いただくことは可能ですか。
 
【廣田大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室長】  失礼いたします。事務局でございます。恒川委員、御意見ありがとうございます。今主査のほうがおっしゃっていただいた、今後の視察時にそれをプロトタイプとするということについては、検討させていただきたいと思います。我々としては、個々の施設のみならず、キャンパス全体としての共創拠点化というものを目指していくことが5か年計画でも示されているところでございますので、その事例を注視していくということ、そしてもう一つ重要な視点として、既存のストックという視点も御指摘いただきました。5か年計画上、既存の老朽改善というものがとても重要な要素でございますので、今後取り上げるに当たって、キャンパス全体という視点、既存のストックを改善していくという視点も含めて取り上げていきたいと考えております。
 
【西尾主査】  どうかよろしくお願いいたします。
 恒川先生からのご指摘のもう一つは、24ページに記載されているKPIについて、例えばどのぐらいの期間を想定しながらKPIを設定するのか、また、どのぐらいの具体性を持ったKPIなのかなど、KPIそのものの捉え方が難しいということです。また、恒川先生がおっしゃったように、KPIの設定以上に驚きのイノベーションが起こることが重要です。したがって、このKPIに関しては、もう少し踏み込んで、どういう意味でここに記載されているのかということを明確にする必要があると思います。その点に関して、事務局からお答えいただけますか。
 
【廣田大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室長】  失礼いたします。事務局でございます。KPIという部分の設定に当たっては、やはり先ほど恒川委員のほうからもおっしゃっていただいたように、今後しっかりと予算を投じながらイノベーション・コモンズを推進していこうと思ったときに、ある程度の目指すべきゴールがあって、そのゴールに対して近づいていくということの1つのあらわれとしてKPIというものの設定の必要性を感じたところでございます。
 ただ、これをどのように具体化していくかということに関しては、委員の皆様の御意見をいただきながらしっかりと熟慮していく必要があると考えておりますので、本日いただいた御意見も含めまして、検討を重ねていきたいと考えております。
 
【西尾主査】  どうもありがとうございます。恒川先生、よろしいでしょうか。
 
【恒川委員】  結構です。ありがとうございます。
 
【西尾主査】  それでは、篠原先生、どうぞ。
 
【篠原委員】  すいません、ちょっと中座しなくちゃいけないので、簡単に申し上げさせていただきます。
 
【西尾主査】  どうぞ。
 
【篠原委員】  まずファシリティーマネジメントが非常に重要だと思うので、それはイノベーション・コモンズの前段になるものですけど、その辺り、どういうふうにマネジメントをしていくのかというお知恵を少し共通でいただけるといいのかなと思うのが1点と、上野先生がおっしゃった検討体制だけではなく、その運営、私たち、ラーニング・コモンズ、運営の仕組みがとても大変なので、運営の仕組みに対する何か御示唆があるといいのかなという、事例の中でもこういうふうに運営していますというところがあるといいなと思いました。
 以上でございます。
 
【西尾主査】  篠原先生からの貴重な御意見に対して事務局どうでしょうか。
 
【廣田大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室長】  失礼いたします。ありがとうございます。いただいた視点で、施設マネジメントの推進という観点からは、保有面積を踏まえて、キャンパス全体でどのようにより有効に活用されているのか、あるいはメンテナンスサイクルがしっかりと構築されているのかということなど、幾つかの視点があるかと思います。より分かりやすく施設マネジメントという部分を掘り下げて示していく必要性があると考えておりますし、また各大学で行っている積極的な取組、これもしっかりと拾い上げながら取組を示していきたいと考えているところです。
 もう1点の御指摘についても、御意見を踏まえて整理をさせていただきたいと思います。
 
【西尾主査】  どうもありがとうございました。それでは、倉田先生、どうぞ。
 
【倉田委員】  それでは、私のほうから2点ほど、1つは質問、それからもう一つは私の意見です。今回の資料を拝見していて非常によくまとまってきていると思ったのですけど、大学側からの検討が主になっているので、共創の相手である地方公共団体や地元の産業界などがどのように関わっていくのか。これまでの事例でも、例えば千葉大墨田キャンパスの場合ですと、地方自治体のほうに大学を誘致したいという思いがあって、そこからスタートしているように思うんですね。そういう意味で、そのきっかけは最初の体制づくりにおいても非常に大事なところであると思っています。そこで、共創の相手とビジョンが共有されていないと、いくら大学サイドが頑張っても動いていかないということになると思ったので、事例の中でも、共創の相手、ステークホルダーとの関係性をどのように構築してきているのかということにも少し触れると良いと思います。そのときに、最初の体制にも、恐らく大学だけじゃなくて、共創の相手になる地方自治体や地元の産業界だったりの参画が考えられると思うんです。そういった共創の相手ができるだけ早い段階から企画なり構想に関わっていくということは非常に大事じゃないかと思っているので、その辺りについてももう少し触れられておいたほうがいいのではないかと思いました。
 それからもう一つ、今回の資料の中に、都市計画の制度の活用といったようなことに触れられているのですけれど、具体的にどういうことを指すのか、地区計画等と書いてあるんですけども、仮に地区計画といった場合にも、それがどういう形で、イノベーション・コモンズをつくっていく際に、貢献するのか、あるいはどういう都市計画の使い方があるのか。後のほうにはさらに地方の都市計画の中にキャンパスを位置づけるというような話があったのですけど、これは実際にどういうふうなことをイメージされているのかということ、それから現実にそれがどこまで可能かということと、またもしそういう事例があるのであれば、そのことも教えていただけたらと思っています。
 
【西尾主査】  1点目に関しましては、先ほど上野先生もおっしゃいましたが、検討の段階から地方公共団体等の方々とどのように連携するのかということを考えなければならない、ということだと思います。そこで、事例の記述では、検討の段階で地域との連携がどのように行われたのか、例えば、大阪大学の場合は、箕面市との間で最初の段階から相当緊密に構想を練ったという経緯があります。そういった事項を記載するとともに、今後の推進方策のところでも、国、国立大学等、地方公共団体・産業界の三つにセパレートした現在の記述の中で、大学と地方公共団体と産業界がお互いに最初の段階から連携を取っていくことが必要であるということをより強調して書いていきたいと思います。倉田先生、最初の方はそのような形でよろしいでしょうか。
 
【倉田委員】  はい。できるだけ具体的な事例があると分かりやすいと思います。恐らくこれまでの事例の中でも、イニシアティブを全てが大学側で取っているとは必ずしも限らないのではないかと思うので、今回の資料はどちらかと大学側の立場からの書き方が多いので、そういう意味で少しそういった視点も入っていたほうが良いのではないかなというのが、私の意見であります。
 
【西尾主査】  どうもありがとうございます。2点目の都市計画の中で実現を図っていくという点に関しては、事務局の方でどういうことをイメージしておられるかお話しいただけると助かりますが、いかがでしょうか。
 
【廣田大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室長】  失礼いたします。事務局でございます。御意見いただきましてありがとうございます。都市計画の部分でございますけれども、これまで、平成28年以降でございますけれども、大学法人の資産の有効活用を図るということで、土地等の貸付けの仕組みを柔軟化しております。これは地区計画など都市計画の活用とセットで検討していくということの情報として、例えば名古屋大学ですとか、あるいは千葉大学など、都市計画制度を活用して、大学の保有資産を有効に活用して取り組んでいる事例などがございます。
 例えば千葉大学の西千葉キャンパスなどは、従前20メートルの高度規制だったところを、区域を区分しながら、一部地区は45メートルまで緩和していくなど、キャンパス整備ということと実際の市街地の環境形成ということを連携させながら検討している事例などもございます。本文中には一文表現しているだけでございますので、この点、より分かりやすく、どのようなことを意味しているのかということを明示しながら、あるいはその事例にも触れながら整理をしていけるように努力をしていきたいと思います。
 また、先ほどの様々なステークホルダーとの検討体制という部分でございますけれども、大学が主となる検討ということのみならず、自治体あるいは産業界がどのように具体的に積極的に関わっているのかということも掘り下げながら追記をしていくように工夫をしていきたいと思います。
 以上でございます。
 
【西尾主査】  倉田先生、よろしいでしょうか。
 
【倉田委員】  大体分かりました。都市計画を活用して規制を緩和していくということを意味しているということは理解しました。
 
【西尾主査】  岩村先生、現段階で御意見はございますか。
 
【岩村委員】  ありがとうございます。全体、非常によくまとまっているかと思います。ですので、そんなに大きな意見ということではないのですが、先ほどのKPIの件に関して、私の観点で意見を申し上げますと、必ずしもこれは数字目標でなくてもいいと思います。
 
【西尾主査】  より具体的におっしゃっていただけますと助かります。
 
【岩村委員】  あるいは、もう少しソフトな目標であってもいいと思います。例えば、イノベーション・コモンズが共創を目指すということであれば、この間にこれを実現したことによって大学により多様な人材が集まるようになったなど。これは数字としても載せることができるかもしれません。あるいは、施設あるいは大学で活動している方々がよりイノベーションを生むような新たな取組をしたい気持ちになったかどうかを追うということも1つのKPIの在り方ではないかと思います。
 ですので、必ずしもこれに対して、予算を投下したので直接幾つのプロジェクトを生まなければいけないとか、そういうことでなくていいのではないかと思います。
 要は、このプロジェクトがいかに成功であるかということをきちんとトラックすること、それがまさに皆さんでビジョンを共有するということにつながるのではないかと思います。成功のイメージがどういうものなのかというのを共有して、それをトラッキングできるようにしていくと。
 また、私も大学の経営サイドに関わるようになって初めて大学の中間目標のチェックなどというものを経験するようになりまして、やはりとてもリスクアバースになってしまう傾向があるなと思っております。どうしても達成しないと予算を削られてしまうのではないかというイメージがあったりしますので、そういったところも配慮をした上でのKPIの設定が重要ではないかというのが感想です。
 もう一つは、国が取り組むべき方策の中で、少し表現が分かりにくいと思ったものが1つございました。(1)のところの2つ目のパラグラフのところです。「国立大学等における『イノベーション・コモンズ』の実現を着実に推進するため、国は『イノベーション・コモンズ』の実現に資する施設の整備に重点的な支援を行う」と書いてあります。一方で、その前提として、施設の老朽改善整備なども重要であるとなっているので、結局のところ、どういうプライオリティーづけをするのかということが分かりにくい気がします。
 どうしてもインフラ整備として行わなければいけない投資は行った上で、そちらに大きな投資が回ってしまっても、イノベーション・コモンズの実現に資する施設の投資はきちんとほかから取ってくるといったことを明記しておき、ほかの老朽施設整備などに予算が回ってしまわないようにしなければならないのではないかと思います。ぜひここはイノベーション・コモンズの予算確保を実現できるよう明記いただくのがいいと思います。
 
【西尾主査】  どうも貴重なコメントをいただき、ありがとうございました。二つの御意見とも本当にごもっともだと思いました。特にKPIに関するコメント、ありがとうございました。
 また、23ページの(1)の二つ目の丸のところは、本来まとめとして何を一番強調すべきかという観点で、再度記述等について検討することにいたします。
 では、土井先生、どうぞ。
 
【土井委員】  どうもありがとうございます。すいません、ちょっとネットが不安定なので、ビデオのほうは切らせていただいております。コメントは、まずステークホルダーに関してなんですが、今までの御議論の中にありましたように、1つは、検討段階に加わったとしても、土地とか、そういうところで加わった、誰が加わったのかとか、あるいは、企業だったら多分共創の場というところで、イノベーション・コモンズの運用というか、そこのところに入ってこられているとか、それぞれ異なるところでステークホルダー入ってこられていると思うので、1個の事例の中でそれが明らかになるように書いていただけると分かりやすくなるのかなと思いました。
 あと、ステークホルダーに関してちょっと書きぶりが気になったのが2か所ありまして、24ページの下のほうの(2)のすぐ上の丸のところで、ここだけ、「首長」という言葉が書いてあるんですね。「ステークホルダー(産業界や首長等)」と、ちょっとほかと書きぶりが異なるので、これを直していただくのが必要かなと。
 あと25ページのところで、ステークホルダー、地方公共団体・産業界に期待される方策ということで(3)で書いていただいているのですが、すぐ下の一番丸のところは、期待される方策ではなくて、地方公共団体・産業界に期待していますということが書かれているので、何か少し方策というところにはそぐわないので、書きぶりはもう少し見直していただくといいのかなと思いました。
 あともう1点が、ここのところでも書いていただいていますけど、ソフト・ハードということで、それが一体になることが重要だということを書いていただいているんですが、今回の事例の中では、ハードはある程度明確に書かれているんですが、ソフトは一体どういうものがあって、それが一体ソフト・ハード一体化ということではどのように機能しているのかというのが事例の中でも明らかになると、ここで何を目指しているのかということが皆さんにも理解しやすくなるのかなと思いました。
 よろしくお願いいたします。以上です。
 
【西尾主査】  貴重な御意見ありがとうございます。四つのコメントをいただきました。
第1番目として、地方公共団体や産業界の方々が、検討段階において、どのフェーズで、またどういう観点から参画されているのかというようなことがより明確に分かるようにしていただけると参考になるのではないかという御意見でした。
 第2、3番目は表記上のご指摘でした。御指摘いただきましたように、24ページの表記上の問題、そして25ページの(3)の1番目は、方策というより、依頼したいことですので、どちらも書きぶりを検討する必要があるかと思います。
 第4番目のご指摘に関しまして、何回か強調されている、ソフトとハードの一体化とは、私の察するところでは、単に箱ものとしての建物だけではなくて、その中で一体どういうことがイノベーション・コモンズとしてなされていくのか、つまり、建物で展開される活動を考えた上で、それを収納する、あるいはより活動がしやすいようにするハードとしての建物を整備していくということであると思います。そこで、各々の事例で、そういった意味でのソフトは何であったのかということをより明確に記しておいた方が良いのではないかという御意見であると考えます。
土井先生、以上のような理解でよろしいですか。
 
【土井委員】  はい、そのとおりです。ありがとうございます。よろしくお願いします。
 
【西尾主査】  貴重な御意見をありがとうございました。
 それでは、後藤先生、お願いいたします。
 
【後藤委員】  ありがとうございます。意見をまとめるのは難しいなと思ってお伺いしていたんですが、1つ気になったのは、事例も含めて目的がちょっと漠然としているというか、強みや特色が見えにくいなというような印象を受けました。例えばハード面での共創拠点の規模にどの程度の縛りというか、範囲を考えておられるか。ハード的に規模の大きい共創拠点というのはどうしてもスペースとか予算とか人員の関係で、中核になり得る組織体の規模も大きくなりますし、参画する組織やステークホルダーの数もそれ相当必要で、ある程度の時間も要すると思います。活動が網羅的というか、総花的になって特色が見えにくくなるような傾向が出てしまうのかなと思いました。
 例えば共通の目標とか特色を持つ共創拠点を幾つか併置して、サイバー空間を利用する、時空を超えた共創拠点の構想のような可能性がないのかなと思って、そういうものもあってもいいのではないかなと思いながらお伺いしておりました。
 以上です。
 
【西尾主査】  後藤先生、例えば25ページのところで、上から、共創活動、学内における部門の垣根を越えて、大学等の持っている、ここで大学内外の有機的な連携を図るとありますが、このあたりが、先生が後半でおっしゃられたところと関係すると考えてよろしいですか。
 
【後藤委員】  はい。そういう内容も含んでおります。
 
【西尾主査】  それでは、ここの内容を、先生が今御指摘されたような形でより拡充していくということを考えたいと思っております。
 どのような書きぶりにしたら良いのか、先生に相談をさせていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。
 
【後藤委員】  はい。よろしくお願いいたします。
 
【西尾主査】  もう一つ、キャンパス全体をイノベーション・コモンズにしていくという前提のもとで事例として取り上げている象徴的な建物が、規模も含めてどのぐらいのインパクトを持ったものなのかという点について、先ほど恒川先生がおっしゃられたことを踏まえて、事例の記載の段階でもう一度精査する必要があると思いました。どうもありがとうございました。
 浜田香川県知事、どうかよろしくお願いいたします。
 
【浜田委員】  ありがとうございます。まず、今回のまとめ、取りまとめ、本当にありがとうございました。事務局の皆さんはもちろん、西尾先生にも本当に御尽力いただきまして、感謝申し上げたいと思います。
 その上で、基本的にこれで私、賛成の立場なんですけども、むしろこの後の話になるのかなと思うんです。実践していく、実行していくにはやはり予算等の話、財政負担というのが、今日、御説明は特になかったですかね。概要の2枚紙では、各自治体における財政負担、体制整備等の対応という、そういう項目もあったと思いますけども、具体的には国立大学法人等の施設整備費補助金、この確保・拡充ということが1つと、また先ほど来のお話に出ているソフト・ハード一体となった事業ということでありますけども、これについてやはりきちんとした評価をしていく、そして支援する仕組みというのが必要ではないかと。この推進、実行していくにはですね。それは国側の話だと思いますが、もう一つ、大学側に対しては、やはり地域とか自治体とかあるいは産業界にアピールするといいますか、彼らがジョインして、そういったところから参加してもらうための情報発信なり、もう一度地域や産業界から大学側にアプローチするというような、そういう理解増進なりアプローチしやすい環境づくり。実は私、この前、地元の香川大学の先行でオープニングがあったんですけども、ちょっとだけ拝見してまいりましたが、そういう中で、ちょっと私の昔の予算の経験からすると、これをもってこういう報告書も出ているということで、これから事務方の皆様が頑張っていただけるんだと思いますけれども、資金の話について、これ、もう既にそういう議論が終わっているのであれば恐縮ですが、よくある方式としては、もう少し産業界等、あるいは企業等がお金を出しやすい仕組み、例えば分かりやすいのは、今、企業版のふるさと納税とかもありますけれども、そういった仕掛けをむしろ大学、地方国立大学に応用する。経済産業省が得意というと語弊があるかもしれませんけども、よく使う税制上の優遇というようなものですね。そうしたものも全体として整理・推進するというときに、各ステークホルダーがそれぞれ役割を果たすという中で、個々の企業との関係がいろいろあるいは御議論があるのかもしれませんけども、都市計画の話なんかも出ている中で、そういう具体的に資金計画、資金負担の中で、国費の具体的な予算だけではなくて、規制というか、税制、そしてあるいは企業の投資行動、特にインセンティブを与えるような、そういったものも考えられるのではないかと。私が財政当局で、地方側の当局でもありますけれども、国の担当、要求を受ける立場であれば、もう少しその辺を検討していただけないんでしょうかと。予算要求だけではなくて、そういった手段は検討されたんでしょうかという、そういう議論に今後場合によってはなるんじゃないかと。その辺、今回の取りまとめにそこを具体的に書かれる必要まではないかもしれませんけど、いろんな頭の体操、そういったこともされておけばいいんじゃないかと。個人的な意見ということになりますけれども、そういうことで、その他のところで、この場ではなくて、次の議題で申し上げようかと思っていたんですけども、つながってまいりますので、以上、ちょっと御意見申し上げました。よろしくお願いします。
 
【西尾主査】  浜田知事、本当に貴重な御意見をありがとうございました。まさにおっしゃられているところが、今後、真剣に考えていかなければならない点であると考えます。今回のまとめの、(3)「地方公共団体・産業界に期待される方策」の記述について、浜田知事をはじめとする知事の方々が読まれたときに、大学と一緒になって財務当局に予算要求を行っていくことへの御賛同を促すような記述になっているのかどうか、その点が非常に気がかりです。これでは全くなってないですよ、という御意見も是非いただければと思いますし、(3)のところをどういう形で記述しておけば、知事を含め、地方公共団体の皆様方にサポートしていただけるのかということが懸念なのですが、どうでしょうか。
 
【浜田委員】  すいません。勝手なことを申し上げますけども、やはりこれ全体を読むと、理念はよく分かったと。イノベーション・コモンズ、本当に大事だねと。それを推進するためにいろいろなことが必要で、取りも直さずやっぱり施設整備ということが必要だと。でも、そこで、特にそういう必要性も感じてないような大学も対象となるような、そこはやはり、よくあるのは、計画をきちっとつくって、さっき、国が評価して、その中で順番をつけて支援していくという、そういう区分もちゃんとしていくというような、そこの仕組みを今後考えていくと。要は、単に施設整備費がまだまだ足りません、もっと必要ですということに受け止められてしまうと、それだけだと受け止められないように、この理念を実現していくために、こういう仕掛けを今後も考えるということで、その中で、企業側、産業界側にとってのインセンティブになるようなものも、いろいろと全体の整備計画なり事業として今後組み立てていくと。そういうものができるところに国費も、あるいは地方側にもぜひ負担をお願いしたいと。ちょっと私の古い頭では、そういうような、今後、実践的な議論になるのではないかという気がします。
 
【西尾主査】  ありがとうございます。下間部長いらっしゃいますか。
 
【下間大臣官房文教施設企画・防災部長】  西尾先生、ありがとうございます。お話ありがとうございました。
 
【西尾主査】  今回のまとめの中で、浜田知事がおっしゃったふるさと納税のような仕組みについて、その記述を入れるかどうかということでお伺いします。今回の目的はあくまでも文部科学省に対する財政当局からの支援を引き出すためのものであるという考えのもとで、まとめの方向性とは別途のこととしてふるさと納税のような仕組みについては今後進めていくのか、もしくはこのまとめの中で、「ふるさと納税のような仕組みも利用しながら」といったことまで言及するのか、この点についてはどうお考えでしょうか。
 
【下間大臣官房文教施設企画・防災部長】  ありがとうございます、私自身が事務方、計画課の面々とそのことについて深く議論をしているわけではないので、多少個人的な考え方も含むかもしれませんが、まずは考えてきたのは、やっぱり国が取り組むべき方向性としては、老朽化対策のみならず、機能強化に向けた施設整備の予算が増えない現状に対して、新しい機軸としてのイノベーション・コモンズを打ち出し、それに必要な施設設備予算というものを獲得していくべく訴えていくという要素を強く出しているということはあるわけですが、ただ、一方で教育研究活動のソフト面と施設整備のハード面と一体となって大学が取り組んでいくということを考えたときに、国による予算だけでそれに取り組んでいくのかということになれば、現に国立大学は多様な財源を確保しながら、国による施設整備の補助金と、それ以外に寄附金であり、また大学で自己財源も組み合せながら整備を進めているという現状もあるわけでありますので、今お話がありましたふるさと納税とか、様々な関係各省の社会資本整備に関わる交付金や補助金、さらに今回は国立大学の議論をしているわけですけれども、大学全体として見れば、公立大学における地方財政措置なんかも視野に入れながら、様々な財源措置を組み合わせることによってイノベーション・コモンズの実現に向けて施設整備に重点的に取り組んでいくと。そういう方向性を書くということはこの中にあり得るのではないかと考えております。
 ただ、当初の意図としては、西尾先生も十分御案内のとおり、とにかく私どもの施設整備の予算は、国立大学の法人化後、非常に減少してきているわけでございます。その中で老朽化対策も十分に行えないという現状があるわけですので、しっかりと予算確保に私どもとして全力を尽くしていただくために、その後押しをいただけるような御提言を賜れればということが当初の意図でございます。
 以上です。
 
【西尾主査】  分かりました。そうしましたら、浜田知事からおっしゃっていただきましたふるさと納税等の点をまとめの方向性に含めるかどうということについては、このまとめで何を強く打ち出していくのかということをもう一度十分に精査した上で考えるようにいたします。
 ただし、知事がおっしゃっておられますように、具体的な折衝の段階になったときに、ふるさと納税のようなお話は必ず財政当局から言ってこられると思います。それに対して我々はどういう対応をしていくのかということを、これからきっちりと考えておくという方針で行きたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 浜田知事、どうぞ。
 
【浜田委員】  すいません。ありがとうございます。ただ、私、分かりやすい例えでふるさと納税というのを申し上げましたが、これ非常に分かりやすいんですよ。これを今制度上を当てはめるのは、ちょっと土俵が違う形になって、この要望を出して、この取りまとめで公式に出していくと、ちょっとそこは混乱すると思いますので、もう少し抽象的な企業の投資に関するインセンティブの税制面等での支援とか、あと、もっと言えば、よくあるのは、国の補助金だけじゃなくて、地方財政措置と言われるものですね。いわゆる交付税措置と言われるものもツールとしてはあるわけですけども、そういったものを含めて、動員というか、支援という、もう少し的なほうが、まだこの枠組みが各省と話す前ではちょっとやっぱり固まらないと思いますので、その点だけちょっと申し上げたいと思います。
 
【西尾主査】  どうも貴重な御教示ありがとうございました。
 それでは、下間部長、どうぞ。
 
【下間大臣官房文教施設企画・防災部長】  浜田知事、ありがとうございます。全くもっておっしゃるとおりでございます。全国知事会あるいは日本経済団体連合会の皆様方からも、様々な場で大学施設の整備の方向性について応援いただいているところではございますけれども、今御意見いただきましたように、産業界や自治体の皆様方からの御支援いただく工夫につきましても含めまして、いただいた御意見をよくそしゃくをいたしまして、総合的に施設設備に向けて支援を進めていくことができるような方策、議論していきたいと思います。ありがとうございます。
 
【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、まだ御意見をいただいてないのは、竹内先生、池田様、山内先生ですので、まずは竹内先生から御意見をお願いいたします。
 
【竹内委員】  ありがとうございます。千葉大学の竹内です。今回おまとめいただきました案につきましては、全体としては大変よくまとまっていると考えております。事務局の皆様の御苦労に感謝を申し上げます。
 その中で私が1点だけ気になりましたのは、大学におきまして、このようなイノベーション・コモンズのまさに企画の段階からこれを担っていく人材の問題について言及がないことについて、それでよろしいかどうかということでした。教育改革とか、研究の改革という話がありますと、大抵それに対応し得る人材の整備ということが必ず言及されているかと思うのですが、24ページから25ページには人材という言葉は出てこないようです。もちろん施設整備等に関わっていらっしゃる人材、あるいは組織の整備ということは十分に行われているので言及する必要がないということであればそれでいいかと思いますけれども、例えばそこで働いていらっしゃる方のスキルアップでありますとか、そういったことについて言及をしておく必要があるようでしたらば、入れていただくと良いのではないかと考えました。
 以上です。
 
【西尾主査】  非常に貴重な御意見どうもありがとうございました。私は言及すべきだと思っております。教員と施設部の方々が話し合い、教職協働を展開していく中で、教員側も、事務の方々もイノベーション・コモンズに関する認識を深めていき、さらにそこに若い世代も巻き込んでイノベーション・コモンズをより大きく展開していくということは大事だと思います。今おっしゃった意見、是非とも反映してまいりたいと思います。どうもありがとうございました。
 では、池田様、どうぞ。
 
【池田委員】  ありがとうございます。今回示された「まとめの方向性(案)」につきまして、前回の意見を踏まえて、「研究施設・機器等の共用化」も含め様々な点について加筆いただき、よりよい内容の案になったと考えております。
 その上で幾つかコメントをさせていただきたいと思います。第1に、今回の基本的なコンセプトは大変重要だと考えますけれども、とかく「地域内の連携・協働」が強調され過ぎている気もいたします。もちろん地域内での連携・協働は大事な視点でございますし、まずそこから始めることは理解いたしますが、今後の方向性としてはさらに一歩進めて、必ずしも地域を限定せずに、他地域におけるステークホルダー、例えば他地域の企業や他地域の大学等との連携・協働も視野に入れていくことが大事ではないかと考えています。ソフト面の連携等も考えれば、連携・協働する企業は地域内に限定する必要はないのではないかと思います。
 第2に、倉田先生はじめ、ほかの先生方からも御指摘がございましたが、イノベーション・コモンズの検討段階から共創の相手方の意見やニーズを聞くことはとても大事なことですので、ぜひその点は明記していただきたいと思います。
 24ページの最初の〇に「ビジョンを共有した上で」「整備と合わせて、企画段階から一貫した支援を行うことが必要」といった記述がありますが、ここは「(1)国が取り組むべき方策」でございます。国ももちろんそうですが、大学としても、企画段階から共創の相手方の意見も踏まえて考えていくことが大事ですので、その点を「(2)国立大学等が取り組むべき方策」において強調願います。
 第3に、経団連と国交私立大学のトップから成る産学協議会においても、産学連携・協働、あるいは産学官連携・協働の重要性が認識されています。その議論の中で、企業のニーズと大学のシーズをいかにマッチングさせていくかが大きな課題となっており、そのためにはコーディネート人材の育成が大事であると指摘しています。先ほど、経済界からの投資といったようなお話がありましたけれども、もしそのようなことを求めるのであれば、企業のニーズと大学のシーズをしっかりマッチングさせていくことが重要になってまいります。御参考になればと思います。
 最後に、ちょっと瑣末な点かもしれませんが、9ページ目の6番目の〇でリカレント教育の話がございます。「リカレント教育等を推進するうえでも、大学がキャンパス外の施設を有効活用することも重要」との記載に関して、社会人が働きながら学び続ける環境を整備する上では、大学等のキャンパス外の公共施設を活用するだけではなく、オンラインの活用も非常に重要になってまいります。「デジタル機能を重視した大学施設・設備の整備」といった点も加筆していただければ、よりよくなるのではないかと思いました。
 私からは以上でございます。
 
【西尾主査】  どうもありがとうございました。4点御指摘いただきましたが、どれも重要な観点ばかりであると思います。地元の地域だけにこだわり過ぎてはいないかという点は重要で、最後におっしゃったICT環境を整備すれば、地元の地域だけでなく遠隔で様々なことができます。このことに関しては、以前より土井先生の方からも御指摘いただいておりましたので、記載していきたいと思っております。
 2点目が、先ほど来、倉田先生をはじめ皆様がおっしゃっている、検討段階から共創の相手方との意見交換をすることの明記、そして3点目が竹内先生も言及された人材育成の重要性です。イノベーション・コモンズが構築できたときに、企業のニーズと大学のシーズをどのようにマッチングしていくのかの議論をコーディネートするプレーヤーがいないとおそらくイノベーションは起きていかないと思います。イノベーション・コモンズという空間を生かしながらそういった人材を育てていくという視点が重要であると考えます。それも是非記載してまいりたいと思います。ありがとうございました。
 山内先生、いかがでしょうか。
 
【藤代大臣官房文教施設企画・防災部計画課専門官】  すいません、事務局でございます。山内先生、本日急遽御欠席の御連絡をいただいております。すいません、失礼しました。
 
【西尾主査】  そうですか。そうしましたら、私が現時点で理解している限りでは、一通り御意見はいただいたかと思っております。その上で再度、御意見がある方はいらっしゃいますでしょうか。
 どうもありがとうございます。ここまで様々な御意見をいただきましたが、下間部長、全体を通して何か感じられたこと等ございますか。
 
【下間大臣官房文教施設企画・防災部長】  ありがとうございます。いろいろな御意見ありがとうございます。文部科学省として企画段階から一貫した支援、これは国として、あるいは大学としてもというお話ありましたが、そういう支援を行えるように、また、この御提言が大学によりよく参考にしていただけるものになるように、先ほどキャンパス全体を考えた事例というお話もございましたし、ステークホルダーとの連携の仕掛けなど、さらに事例を、集めてはいるんですけど、それが十分精査できてないところもございますので、調査分析を進めまして、こういうイノベーション・コモンズ実現のための取組のポイントを一層きめ細かく整理していきたいと考えております。本文の中にもこれからきめ細かく整理するということを繰り返し書かせていただいておりますが、本当に事務局としてそこに汗をかきたいと思います。
 その上で、国立大学が法人化して10年ほどになりますけど、その間、東日本大震災があり、その後の復旧・復興があり、今は新型コロナウイルス感染症が、ウィズコロナ、なかなかアフターコロナ、ポストコロナにならないような状況、またデジタル化だとか、グローバル競争の激化だとか、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻だとか、本当にいろんな社会課題に直面する中で、大学がかくあるべくことについては様々なトライアルが各国立大学で続いているんだと私は思っております。私は、以前からですけど、やっぱり大学がそこに思いを定め関与することで社会を動かす原動力になっていくということであるとか、あるいは、大学が関与することがそういう様々なトライアルについて信頼感につながるのだと信じておりますし、そうした取組を支えることができるような施設部としての支援が今後ともできるようなことをこの議論を通じてつくり上げていきたいと考えております。
 その上で、先ほど私も申し上げていますけど、様々な場で、例えば教育未来創造会議でも、大学の果たす役割、地方大学の果たす役割、地域と大学の連携強化といったようなことについて議論されているわけでございます。そういう場でも、こうした共創拠点の強化についてしっかりと取り上げていただくことも考えていきたいと思っております。
 人材の話もありがとうございます。大学において企画段階からステークホルダーとともに共創する、担う人材、ないし、ニーズとシーズをコーディネートする、簡単なことではありませんけど、そういう人材、それからイノベーション・コモンズを設計する人材について御意見ございました。最後はやっぱり人材であります。そうした共創拠点のために必要な人材ということもそうでありますし、そもそも国立大学がステークホルダーの皆様とともに、社会が必要とする教育研究を展開をして、そして未来、今そういう言い方ですけど、未来を開くような価値という、新しい価値というのを生み出していくために、そういう社会実験の先頭に立つような人材、人が育つ中核の場になるべきだと思いますし、そのためにも、この共創拠点、ステークホルダーの皆様とともに共創活動を展開する拠点としてのイノベーション・コモンズがよりいい形で各大学で実現をしていくような、そういう方向を、先生方のお知恵を引き続きお借りをしながらまとめていければと考えております。ありがとうございます。
 
【西尾主査】  どうもありがとうございます。笠原参事官、どうぞ。
 
【笠原大臣官房文教施設企画・防災部技術参事官】  ありがとうございます。まとめの方向性に向けてということでの議論の最終回ですので、私のほうからも少しお話ができたらなと思います。
 
【西尾主査】  ぜひぜひ。
 
【笠原大臣官房文教施設企画・防災部技術参事官】  本日、いろんな御議論ありがとうございます。まず西尾先生のほうからも、老朽化対策という問題と今回議論している共創拠点づくりとの関係性みたいなこともあったかと思います。1つのキーワードとしては、恒川先生のほうからありましたけども、いかに既存を生かしていくのかというところにあるのではないかなと思っています。何も共創拠点づくりというものと老朽化対策というのは、当然相反する概念ではなくて、老朽化対策を推進していくときに、共創拠点という考え方を入れて、全ての大学の施設をリノベーションしていくということなのかなと考えています。
 それが1点目と、あとは2点目については、やっぱり我々としては、じゃあ、キャンパスの中に実際どういう場をつくったらいいのかということをきちんと示していく必要があると思っておりますので、事例の整理を今後力を入れなければいけないかなと思っています。
 そのときの考え方としては、これも恒川先生のほうからありましたけども、やっぱりキャンパス全体の中でどうそれを落とし込んでいくのかということだとか、一体どういう共創活動をどういう目的のためにやる場なのか、それがどういう体制によって成り立っているのかということをきちんと整理をしていく必要があるのかなと思っています。
 それと3点目は、浜田知事、いろいろありがとうございます。浜田知事のほうからまさにおっしゃっていただきましたように、そういうものを総合的に考えて、どう推進していくのかと。当然国費の措置というものも我々は精いっぱいやる必要があると思いますし、財政当局に対して様々な説明をしていく必要があると思いますけども、それだけではなくて、様々な財源の手法だとか、規制だとか、いろいろな隘路になっているものを捉えて、それも整理した上で、全体としてどう推進していくのかということも少し整理をする必要があるのかなと思っていますので、これはまだまとめの方向性ですので、今後とも様々お知恵をいただければと思っています。
 以上です。ありがとうございます。
 
【西尾主査】  笠原参事官、力強いお言葉をありがとうございました。本当に頼りにしておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、まとめの方向性の案については、本日いただいた御意見を踏まえまして、修正、加筆をさせていただきたいと思っております。修正案文につきましては、僣越ながら、私の方で事務局の方々と作成してまいりたいと思いますので、よろしかったら御一任いただければと思いますが、いかがでしょうか。
 
(「異義なし」の声あり)
 
【西尾主査】  ありがとうございます。
 それでは、事務局の強力な支援をいただきながら進めさせていただきたいと思っております。
 閉会の前に、事務局から資料3の説明及びその他の事務連絡をお願いします。
 
【藤代大臣官房文教施設企画・防災部計画課専門官】  事務局でございます。資料3を御覧いただければと思います。今後の予定でございますが、こちらにつきまして、6月頃を想定しているところ、第3回のワーキング・グループを主査の上野先生と御相談をさせていただきつつ、対応させていただければと考えております。次回ワーキング・グループが開催される場合、事例の取りまとめに向けた検討や、今後の具体的な推進方策の検討等について、御議論いただき、お知恵等をいただければと考えております。
 なお、本日の会議以降、我々事務局も、それから委員の先生の中で御参加いただける方におかれましても、一緒に様々な大学等を視察させていただき、事例の収集に努めてまいりたいと考えております。
 そして、本日まとめの方向性としていただいた御意見等につきましては、8月頃を目標としておりますが、第5回の調査研究有識者会議を開催させていただき、最終的にとりまとめをさせていただくという流れを事務局としては想定しているところでございます。
 今後の予定については以上でございます。
 なお、本日の会議の議事録につきましては、おって皆様に御確認をいただき、その後に文科省のウェブサイトに公開させていただく予定でございます。
 それから8月頃予定しております第5回の調査研究協力者会議につきましては、近日中に、日程の御相談を委員の皆様にさせていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、西尾先生、お願いします。
 
【西尾主査】  ただ今、スケジュールをお示しいただきましたけれども、本日のまとめの方向性の議論を基に8月頃にまとめの案を審議し、確定をしていく方向に進みながら、来年度の概算要求に向けて、それを「錦の御旗」として我々一緒になって予算獲得等に鋭意努めてまいりたいと思っております。
 本日は、皆様御多忙のところ、ありがとうございました。
 下間部長、最後にお一言どうでしょうか。よろしいですか。
 
【下間大臣官房文教施設企画・防災部長】  ありがとうございます。重ねて、本当に御多忙の中、本日も幅広い視点から精力的に御議論いただきまして、まとめの方向性(案)につきまして、多くの貴重な御示唆と御意見を賜りまして、ありがとうございました。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
 本日はありがとうございました。
 
【西尾主査】  皆様御多忙のところ、本日のこの議論に御参加いただき、積極的な、また非常に貴重な御意見をたくさんいただきまして、本当に何とお礼を申し上げて良いか分かりません。ありがとうございました。
 これにて今日の会議を閉会といたします。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

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