国立大学法人等の施設整備の推進に関する調査研究協力者会議(第2回)議事録

1.日時

令和3年11月18日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

オンライン会議(Cisco Webexを用いて開催) (事務局:文部科学省旧庁舎4階文教施設企画・防災部会議室)

3.出席者

委員

池田委員、岩村委員、上野委員、片岡委員、金子委員、倉田委員、後藤委員、篠原委員、下條委員、竹内委員、恒川委員、出口委員、土井委員、西尾主査、浜田委員(途中退席後、香川県政策部小瀧次長が代理出席)、山内委員

4.議事要旨

【西尾主査】 定刻となりましたので、ただいまから国立大学法人等の施設整備の推進に関する調査研究協力者会議第2回を始めます。
初めに、事務局から、オンライン会議の注意事項の説明、欠席されます委員と配布資料の確認をお願いいたします。
事務局、お願いいたします。

【事務局】 ウェブ会議の注意点を御説明いたします。
音声が聞き取りづらい場合がありますので、御発言の際は、ゆっくりはっきりと御発言ください。また、発言時以外はマイクをミュートにしてください。御質問などがありましたら、その場で発言の希望があることが分かるよう挙手機能を御使用ください。挙手機能をオンにされた方に主査から指名していただきますので、御発言はその後でお願いします。また、会議中は会議をロックするため入室できなくなります。途中で入退室の必要がある場合は、会議につないだままカメラ、マイクをオフにし、戻り次第カメラをオンにしてください。
次に、前回御出席できず、今回初めて御出席いただきます委員の方々を御紹介いたします。香川県知事、浜田恵造委員でございます。

【浜田委員】 香川県の浜田でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】 浜田委員につきましては、11時半頃に所用で御退席され、以降は小瀧香川県政策部次長が代理出席をされる予定となっています。
それから、一般社団法人日本経済団体連合会SDGs本部長、池田三知子委員でございます。

【池田委員】 池田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 また、本日は、委員の皆様に御出席をいただいております。では、配布資料の確認については、各自、議事次第を御確認ください。また、資料4につきましては、本日朝の送付となってしまい申し訳ございませんでした。開けていますでしょうか。もし開けていない場合は、画面共有しますので、画面にて御確認ください。
それでは、西尾主査、議事の進行をよろしくお願いいたします。

【西尾主査】 本日の議題は、1番目が「イノベーション・コモンズ(共創拠点)」の推進方策の検討について、2番目がその他でございます。
議題の1番目においては、委員の皆様や文部科学省からのプレゼンテーションを踏まえ、意見交換をすることとしております。
議題に移る前に、「第5次国立大学法人等施設整備5か年計画」では、地域と産業界等との連携強化を挙げておりますが、このたび、まさに地域と産業界からの大学等の施設整備に関する期待を述べていただいた文書が公表されておりますので、この場をおかりして紹介をしていただきたいと願っております。
まず、全国知事会から、10月27日に「地域の知の拠点としての地方大学施設の整備充実に向けた提言」として、文部科学大臣に対して申請がなされております。大変ありがたいことでございます。本会議での検討においても大変参考となると思いますので、全国知事会で副会長及び文教スポーツ常任委員会委員長を務めておられます浜田委員に、ぜひ本提言について御紹介をお願いいたしたいと思います。
また、経済団体連合会からも、11月11日に「新内閣に望む」という要望事項をまとめた文書が公表されております。大学等の環境整備に関する部分もございますので、経団連のSDGs本部長をされておられます池田委員からも、ぜひ本文書について御紹介をいただければありがたく存じます。
それでは、まず、浜田委員、よろしくお願いいたします。

【浜田委員】 御紹介いただきました浜田でございます。全国知事会の文教・スポーツ常任委員長を務めております。この会議で貴重な時間を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。
お手元に資料1として、「地域の知の拠点としての地方大学施設の整備充実に向けた提言」、この1枚ものの資料がお配りされていると思いますけれども、先月27日に、全国知事会からこの資料で末松文科大臣への要請活動を行っております。本会議の検討内容と関連があるということで、この場をお借りして、この提言について簡単に御説明申し上げます。
これまで地方大学は、地域における修学機会を提供し、有為な人材を輩出するとともに、新産業の創出や地域の活性化にも寄与してこられました。引き続き地方大学が地方創生に資する共創、共に創造する拠点として、地域、産業界とのより一層の連携強化や、イノベーションの創出、地域の産業振興・活性化などに取り組むことが期待されております。世界的に技術・学術が急速に高度化する中で、我が国の地方大学がこうした役割を果たしていくためには、先端的な教育研究を推進し、新たな時代に対応するための機能の強化が必要であり、その基盤としての大学施設の整備充実が不可欠であります。
また、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、地域特性に応じた取組が重要でありまして、各地に存在する地方大学が先端的な大学施設、あるいは研究成果を地域に開放、還元することによって、地域の脱炭素化を牽引することも期待されます。加えて、大学施設の徹底した省エネ化や、いわゆるZEB化等を推進し、地域の特性に応じた先進的なモデルを整備し、地域への横展開を図っていただくことが必要ではないかと考えております。
一方、地方大学の教育研究等を支える施設は、昭和40年代から50年代にかけて整備された膨大な施設群が一斉に老朽化を迎えておりまして、事故の発生、あるいは教育研究への支障、多大な財政負担などが深刻な課題となっております。安全性の確保の観点からも、施設の整備改善が喫緊の課題ではないかと存じます。
こうした状況を踏まえまして、国における地域の人材育成等のための機能強化への対応、2050年カーボンニュートラル実現に向けた取組、安全・安心な教育研究環境の整備など、地方大学施設の整備充実の推進を文部科学大臣にお願いしたところであります。
以上が知事会の提言内容でありますが、併せてイノベーション・コモンズの推進について、委員の立場で一言申し上げたいと思います。
新型コロナウイルス感染症への対応、DXの加速化、SDGsの達成、2050年カーボンニュートラルの実現と、昨今、課題が非常に複雑で、社会的な影響も大きく、絶えず変化しております。大学や産業界、行政と、それぞれの立場からのみでの課題の解決、あるいはイノベーションの創出が限界になっているようにも思います。このような状況下で、知と人材の集積拠点である地方大学等が、その特性を最大限発揮され、社会の様々なステークホルダーとビジョンを共有して、責任ある主体同士が共に高度な知と新たな価値を生み出す創造活動を展開する共創、共に創造する拠点、イノベーション・コモンズとなることが求められるのではないかと思います。
共創に当たっては、大学だけではなく、地域、企業においても意見を述べ、さらにそれぞれが主体的に責任を持って取り組むことが求められます。
また、イノベーション・コモンズの実現に向けては、ステークホルダーと共有したビジョンが、大学等の施設整備や共創の取組を支える組織、人員体制が整備と連動して、ソフト、ハードが一体となる必要もあると思います。イノベーション・コモンズの実現は、地域におけるイノベーションの創出、産業振興・活性化等につながるものでありまして、本会議においてもイノベーション・コモンズの推進に向けた実効性のある方策について御議論いただければ幸いでございます。
私からは以上です。

【西尾主査】 浜田知事、本当に時宜を得た力強い提言と、また、イノベーション・コモンズに対しまして、本当に貴重なコメント、応援メッセージをいただきまして、どうもありがとうございました。それでは、池田委員、よろしくお願いいたします。

【池田委員】 経団連の池田でございます。このたびは、説明の機会を頂戴し、誠にありがとうございます。
お手元の資料にございますように、経団連は、岸田内閣発足に伴い、新内閣への要望「新内閣に望む」を取りまとめ、11月11日、十倉経団連会長から岸田総理に手交いたしました。本要望には、大学の施設整備関係も含まれていますので、御紹介したいと思います。
1ページ目の下の段落、最後の段落をご覧ください。総論として、「経団連は、自らも社会性の視座を持ちつつ、新内閣と一体となって、新型コロナ禍の克服とサステイナブルな資本主義による、持続可能で豊かな未来社会、即ちSociety5.0 for SDGsの実現に向けて全力を尽くす。具体的には、デジタルトランスフォーメーション(DX)とグリーントランスフォーメーション(GX)、さらにはスタートアップ振興を通じた社会変容を実現する」と述べたうえで、2ページ目以降に各論として具体的な施策を要望しています。
3ページを御覧ください。
「5.働き方の変革と人材の育成」として、「新産業創出に向けた産学官連携の中核となる地方の大学等の機能強化・環境整備」を盛り込んでおります。これは、まさにイノベーション・コモンズの推進による大学の施設整備の必要性を意図しています。地方の大学等が、産学官連携の中核となって、新しい産業を創出するよう、機能強化や環境整備が可能となるよう、政府への支援を求めています。
その上で、恐縮ですが、私の名前で、イノベーション・コモンズに関する意見をお示ししています。
イノベーション・コモンズの実現を図るため、以下の点が重要と考えています。
(1)「イノベーション・コモンズ」の意義といたしまして、今般の5か年計画推進に当たって、イノベーション・コモンズの概念を掲げたことは時宜を得たものと考えています。
(2)「イノベーション・コモンズ」の考え方では、国立大学等が「社会に開かれた知の拠点」として、地域、国内、さらには国際社会における社会課題を的確に把握し、その課題解決に資するソリューション・イノベーションを提供し、価値創造型社会への変革に積極的に貢献すべきと考えます。
社会課題を的確に把握し課題解決に貢献するため、国内外の大学・研究機関等はもちろん、国内外の経済界や政府・自治体、地域コミュニティなど、多様なステークホルダーと対面・オンラインでコミュニケーションを円滑に取ることが可能な「場」というものが、ハード面でもソフト面でも必要であると考えています。
(3)「イノベーション・コモンズ」の実現に向けた取組の要点について、「Society5.0 for SDGs」の実現に向けて、とりわけDX、GXに資するイノベーションの推進は喫緊の課題であると考えています。大学のシーズと経済界のニーズとのマッチングが肝要ですし、産官学連携等による社会実装化に向けた取組も非常に求められています。
また、教育面では、個別最適な学びやリベラルアーツ教育、さらにはリカレント教育への期待が高まっています。変化の激しい人生百年時代にあって、産官公学との連携を通じて「学びと仕事の好循環」を生み出せればよいと考えています。
さらに、地方創生に向けて、とりわけ地域コミュニティとの交流・連携・協働を重視すべきと考えます。
そして、ここは重要な点ですが、何に重点を置いて取り組むか、個々の大学等ごとの戦略が必要であると考えています。横並び的な発想を排除し、個々の大学等の強みや特徴を生かす努力が求められています。特色ある好事例を積み重ね、他大学等が参考にすることも有効であると考えています。
(4)国の支援策、大学・地域・産業界等への期待について、イノベーション・コモンズの実現に向けて、個々の大学等の特徴、戦略に応じた、メリハリのついた国の支援策が必要であると考えます。財政面の支援はもちろん、もし阻害となっている規制があれば、見直していくべきと考えています。
私からは以上でございます。よろしくお願いいたします。

【西尾主査】 池田委員、経団連からの「新内閣に望む」という要望事項において、イノベーション・コモンズのことを明記していただいていることに心よりお礼申し上げます。池田様の御意見は、今後の我々この委員会における議論においても、1つの道標になるものと考えます。どうもありがとうございました。心よりお礼申し上げます。
以上のように、全国知事会や経団連から、大学などの施設整備が重要であるとの御意見を表明いただいております。こういった動きは、これまでにはなかなかなかった動きでございまして、大変心強い応援をいただいておりますことを、改めて感謝申し上げます。
この後、発表もありますが、ここで大学において産学連携を進めていらっしゃる立場から、片岡委員から、今いただきましたいろいろなメッセージの説明等をお聞きいただいた上で、何かご意見等をいただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。

【片岡委員】 香川大学の理事の片岡でございます。
浜田知事様、池田本部長様には、御説明いただきまして、ありがとうございました。この後の発表のほうで、私ども地方大学の取組の状況と課題を御紹介したいと考えておりますけれども、御提言、あるいは御説明いただいたとおり、地方、地域を構成する自治体、行政、それから産業界、市民の方々との多面的な共創が、それぞれの地域、ひいては国全体の持続的な発展の要と強く感じております。
このための機能強化に不可欠な施設整備というものは大変重要でありまして、先ほどのお話にもありましたけれども、地域、地方大学の特性、特色、個性というものを生かして、今後このイノベーション・コモンズのコンセプトを踏まえた取組を展開してまいりたいと考えています。引き続いて、自治体、産業界からの御理解と御支援をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【西尾主査】 片岡先生、どうもありがとうございました。
全国の国立大学等が、地方自治体や地域の経済団体との連携を深めて、その取組を強力に展開していくためには、共創活動を行う場の整備の重要性について関係者の理解を得るために、大学自らがしっかりと情報発信していくことが重要だということを、お二人の要望に関するご紹介を伺いながら改めて感じました。
また、知事会、また経団連におかれましては、これからが予算折衝、あるいは予算獲得における重要なフェーズを迎えていきますので、どうか引き続き心強い応援をしていただけますように、改めてお願い申し上げます。どうかよろしくお願いいたします。

議題1 「イノベーション・コモンズ(共創拠点)」の推進方策の検討について

【西尾主査】では、議題1である委員からのプレゼンテーションに進みたいと思います。
本日は、委員からの御発表と、文部科学省事務局の説明の全て終わった後で、まとめて意見交換の時間を取りたいと思いますので、御質問、御意見については、その場でお願いできればと思います。
それでは、資料3、「イノベーション・コモンズにつなぐ香川大学の取組について」、片岡委員からプレゼンテーションをお願いしたいと思います。
今日は、これから3つのプレゼンテーションがございますが、できるだけ意見交換の時間を取りたいと思いますので、15分という発表時間の厳守をお願いできればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
片岡先生、よろしくお願いいたします。

有識者による発表 片岡委員(香川大学 理事・副学長)

【片岡委員】 それでは、私どもから、香川大学の現在の取組、それらがイノベーション・コモンズという観点で、どう発展できるかというところを中心にお話しさせていただきたいと思います。
この資料は、私ども香川大学の立地条件といいましょうか、その辺りを全体像としてお示ししているものです。
香川県は、知事もおられますけれども、面積的には日本一小さい県ということでございますが、海岸線については、島嶼部が大変たくさんございますので、海岸線の長さは全国3位という非常に複雑な海の環境、それから、山の方は四国山脈に隣接しておりますので、海から山へと多様な資源、文化を持っております。
その中で香川大学は、高松市に本部がございまして、図では幸町キャンパスとなっておりますが、ここに教育、法、経済、地域マネジメントという学部、研究科がございます。それとは別に、林町キャンパスというところに創造工学部、それから三木キャンパス、この三木キャンパスの中で2つに分かれ医学部と農学部がそれぞれキャンパスを持っている分散キャンパスです。各学部はそれぞれ成り立ちが違うことから現在の分散した状況にあるというところでございます。それぞれのキャンパスにイノベーション・コモンズに通じるような様々な施設等が設置されております。
特徴的なところは、例えば、海の関係では、瀬戸内圏研究センターが、半島部に庵治マリンステーションを設置し、三木町の農学部のキャンパスには、希少糖生産ステーションという希少糖研究に関する中核施設を設けております。
また、県全体への展開ですけれども、サテライトオフィスが6か所設けられておりまして、サテライトセミナーという形で、地域住民の皆様方に、大学の持っているいろいろな知見等を御紹介する場を設けております。
次に、本学のシンボル的なものとして、希少糖に関する地域イノベーションの地域共創の事例としてお示ししています。
この地域イノベーションの中で、この希少糖は、本学の農学部の構内で何森名誉教授が、自然界には非常にまれな希少糖というものを作り出す酵素をもつ微生物を発見したというのがきっかけで、今現在、これが大きく進展をしております。この希少糖は、特性として、甘みは通常の糖の7割、8割ぐらいは感じるのですけれども、カロリーがゼロということ、またブドウ糖の吸収を抑えるという機能性があることから、肥満抑制にも関連する製品化も進んでいるところでございます。
さらに、この希少糖に関する生産の技術が、香川大学のコアの研究シーズになっており、これに基づいて、今、様々な希少糖を作ることが可能となっております。大体50種類ぐらいありますけれども、全てを生産可能であり、これを核にして、様々な産業展開、社会実装に向けた展開が行われているところでございます。
これは自治体、産業界との共創という観点で、希少糖に関する連携の状況を示したものです。
香川大学は、先ほど申し上げましたようにコア技術を持っており、希少糖の生産ステーションや、教育研究の組織体制を全学で構築している国際希少糖研究教育機構を設置しております。
こちらとの連携を取らせていただいているのが香川県でございまして、県のほうでは、この希少糖の産業化を成長戦略の中核に位置づけていただいておりまして、これを基に、今現在、香川県の公設試験場等と連携しながら研究開発を進めているというところです。香川県からは、研究資金、人材ともに、多大なバックアップをいただいているところでございます。
それから、右側にありますように、県内外の中核となる企業との連携を進めるとともに、様々なサポートをいただいておりまして、また、下の欄にありますように、各国の協定大学の研究グループとの連携、また、国際希少糖学会を立ち上げ世界各国の関係者との連携も図って進展させてきております。これから先は、さらに学術研究、社会実装に向けた研究開発のイノベーションの共創拠点となる施設を拡充していきたいと考えているところでございます。
次に、もう1つ特徴的な取組を御紹介しますが、イノベーションデザイン研究所というものでございます。
これは、オープンイノベーションのプラットフォームとして、組織対組織の研究連携を一体的にマネジメントするということで設置いたしました。ここにありますように、情報の共有の促進、あるいは、企業等との橋渡しを促進するためのハブ機能、大型研究の推進に向けた包括的な研究マネジメントを機能として持っております。
現在、様々な取組が行われておりますけれども、下の組織図にありますように、それぞれプロジェクトが立ち上がりますので、プロジェクトを統括するマネジャーを置いて、全学から参加する教員、研究者と、企業から参加される研究者の方々で成るプロジェクトをマネジメントしているというものでございます。
ここに事例として2つ挙げておりますが、1つはコア技術を基盤とする共創イノベーションで、これは赤外分光技術を活用して様々な業種、業界でコンソーシアムを形成しており、最初はオープンなところから始めて、クローズドの共同研究にも発展させていくような仕組みを取っております。
事例2としては、社会課題の解決に向けた企業・自治体との共創ということで、これはいずれの地域社会でも問題となっております次世代の交通システム、次世代の交通サービス、移動サービスなどMaaSに関するものを、地域の自治体、企業も入っていただいて進めているところでございます。
これまでイノベーションデザイン研究所はバーチャル的な組織でしたが、設備整備がかないまして、令和4年4月に供用開始の予定で、今現在、建屋を建設中のところでございます。
ここでは、人々が情報を共有して触発される環境をつくり出そうと、企業等の試験的な取組と大学のアイデアを融合させるような場をつくろうということがコンセプトになっております。
これには、老朽化した宿舎を撤去した跡地を有効活用し、産業界、地域、大学構成員、からいただいた寄附金と合わせて文部科学省の施設整備費補助金の共創環境形成拠点施設事業として実施をしており、多大な支援をいただいたところでございます。
これによって、先ほどの連携、企業との共創環境が整うということで、4月以降、運用していきたいと考えているところでございます。
次に、現在までに、整備してきた学内の施設を御紹介したいと思います。
附属図書館のほうには、ラーニング・コモンズとして、学生に限らず、いろいろな方々が、この図書館という場をコアにして集うというコンセプトでつくられた施設で、オープンな環境を整えてございます。
地域連携・生涯学習センターでは、特にリカレント教育を重要視しておりまして、地域でのフィールドワークを組み込んだような課題解決型のリカレント教育や、AI、デジタル技術のスキルアップにつながるような、企業・職業人向けのリカレント教育を強化していく状況でございます。
それから、下にありますサテライトオフィス、これは先ほど地図で御紹介したとおりですが、県内6か所にサテライトオフィスを設けておりまして、コロナ禍の前には、そこに教員が出向いて、サテライトセミナーを実施しており、コロナ禍の下では、オンラインも活用しながら進めております。大学まで来られない方々へのサービスという点では非常に有効でありましたけれども、これに参画する大学教員の幅を拡大するという点では、デジタル技術を活用したオンラインでのセミナー形式も非常に有効ではないかと考えております。
これは、もう1つの連携の施設でございまして、オリーブスクエアという複合施設で、イベントホールやグローバル・カフェ等の設備を整えている総合的なものです。
特に、グローバル・カフェは、語学、会話教室や文化面の国際交流にも活用されているところでございます。
右側の多目的ホールでは、シンポジウム等の学内外の多様なイベントを開催し、教職員がリラックスして交流できるようなスペースも完備しております。
コロナ禍の状況の中で特に感じたところでありますけれども、国際的にも、デジタルサービスなどを使いますと、日常的な海外との空間共有ができるということで、新たにカフェのようなところにも、そういうものを設置したいと考えているところでございます。施設整備においては、やはりデジタル技術というのが非常に重要な要素となっておりまして、香川大学では、「デジタルONE戦略」として、「デジタルONEキャンパス」、「デジタルONEラボ」、「デジタルONEオフィス」を基本方針として、様々なDXを進めようとしております。これは、イノベーション・コモンズの施設整備等を進める中で、重要な基盤となると考えております。これは地域に活動を展開する上でも非常に重要な要素となろうかと思います。
こちらが課題でございまして、以前に建てられ、当時は最新鋭の施設であったものの、その6割以上が経年35年以上ということで、そのうち半分が未改修の建物として残っており、約3割は既に50年を超える状態で散在しております。これらをいかに安全面、機能面、経営面、環境面を考慮して、これから新しい展開に結びつけていくかということが課題として残っておりまして、講堂、女子寮等大きな施設について、トリアージも含めて、次の展開とのセットで進めたいと考えているところでございます。
時間の関係で、少しまとめははしょりたいと思いますけれども、私どもが今思う課題としては、まず、基本コンセプトは、大学全体はもとより産業界、地域と共有するということが大事で、地域連携プラットフォーム等を通じた目的の共有と連携が必要と考えております。
それから、やはり全体のビジョンが必要ということ、また、目的が共通の学内外の施設は、共有していく仕組みも必要と考えております。
基盤としてのデジタル技術の重要性については、先ほど御紹介したとおりでございます。
それから、立地条件の異なる大学が、やはり個性、強みを発揮できる施設整備への支援強化が望まれるところです。
また、トリアージと活用プランをセットにした計画への支援をお願いしたいと思います。
さらに地域や産業界からも御理解いただき、人的支援をお願いできればと考えております。
以上でございます。ありがとうございました。

【西尾主査】 片岡先生、どうもありがとうございました。
イノベーション・コモンズの1つの象徴であるイノベーションデザイン研究所という、単に1つの建物のことだけに言及するのではなくて、キャンパス全体をイノベーション・コモンズという概念の下で、どのように整備していくかという取組について紹介いただきました。片岡先生のご発表は、今後の我々の議論でも非常に重要なものになっていくかと思います。貴重な御報告、どうもありがとうございました。
それでは、次に、出口委員のほうからプレゼンテーションをお願いいたします。

有識者による発表 出口委員(東京大学 大学院新領域創生科学研究科教授)

【出口委員】
東京大学の新領域創成科学研究科の出口と申します。よろしくお願いいたします。
私が所属しております東京大学の大学院新領域創成科学研究科は、千葉県柏市の柏の葉という地区にある柏キャンパスに立地しております。東京の秋葉原と茨城県のつくばをつなぐ「つくばエクスプレス」の沿線であり、東京から30キロほど北東に位置します。柏キャンパスは、東京大学の3番目のキャンパスとして、整備されております。その柏の葉での取組の話をさせていただきたいと思います。
イノベーション・コモンズにつながる話になればと思っておりますが、私どもが進めている「柏の葉アーバンデザインセンター」では、地域と連携するセンターでの活動を進めてきております。その基本的なコンセプトは、「公・民・学」連携という考え方ですが、私どもの取組について、大きく4点をプレゼンテーションさせていただきたいと思います。
こちらの写真は東京大学の柏キャンパスで、約30ヘクタールの敷地に、現在、約3,000人の教職員と学生が活動しております。右下に出ているのは私ども研究科の構成員ですが、教授会の構成員が約160名弱ほどの規模で、学生が約1,500人おります。首都圏に分散していた研究所が柏キャンパスに集まっております。ノーベル賞を受賞されました梶田先生が所長を務められている宇宙線研究所、物性研究所、大気海洋研究所、生産技術研究所千葉実験場などが、柏キャンパスに移転してきております。
このキャンパスは、柏の葉キャンパス駅から約2キロ離れた立地でして、図の左側の赤い縦のラインがつくばエクスプレスのラインで、つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅を中心にして、現在も開発が進められており、駅から図上の左上の2キロほど離れたところに柏キャンパスが立地しています。
つくばエクスプレスが開通したのが2005年です。右上の写真が開通直前の写真で、まだ駅の周辺は更地だった状況がお分かりだと思いますが、こうしたところから開発を始めておりまして、当初は、着任された方々が大変ご苦労されていたとの話を伺っております。
右下の航空写真はそれから10年弱経ったもので、急速なピッチで駅周辺の都市開発が進み、都市らしくなってきた状況が分かると思います。
この図は、千葉県柏市の都市計画図です。柏市は人口が約43万人で、JRの常磐線の柏駅が市の中心に位置します。市の北側は元々、米軍の基地があり、米軍が撤退した後、1970年代に土地区画整理事業等が施行され、東京大学の柏キャンパス、千葉大学の柏の葉キャンパス、国立がん研究センター、等の国の機関が誘致されました。その後、2005年につくばエクスプレスが開通し、駅周辺の開発が進み、今日に至っております。私が所属している新領域創成科学研究科環境学研究系は、2006年に本郷から移転しております。
そのときに私の前任の北沢教授が中心になり、更地からまちをつくることに大学も積極的に関与していこうということで、関係者の方々に働きかけ、「柏の葉アーバンデザインセンター」が創設されました。今から15年ほど前です。
つくばエクスプレスの駅を中心にして土地区画整理事業が進んでいるわけですが、駅を中心にして放射状に道路や下水道が延びるような形でインフラ整備が進められております。柏市内には、つくばエクスプレス駅は2つありまして、両方で土地区画整理事業が実施されてきました。柏の葉キャンパス駅周辺は、計画人口が2万6,000人、対象地約273ヘクタールの大規模な土地区画整理事業が現在も進められております。
最近、この土地画整理事業の期間を延長する検討が進められておりますので、インフラの整備にあと数年はかかるだろうと思います。さらに、計画人口が張りつくのは、恐らくそれから10年ぐらいかかるのではないかと思いますが、現在、柏の葉キャンパス駅の周辺には既に1万人近くの方々がお住まいになっています。
2006年11月に、この柏の葉アーバンデザインセンター、通称、UDCKがオープンいたしました。そのとき、私ども東京大学は、小宮山先生が総長をお務めになり、千葉大学は古在先生が学長を務められており、柏市長や関係の方々とテープカットをされて開所式を行っております。更地の中に初代のUDCKの施設ができ、活動を開始しております。
現在、3代目のUDCK施設になりますが、初代のUDCK施設があった駅西口に、東京大学が7階建てのビルを建てており、東京大学が産学連携を進めている企業や研究室などが入居しています。UDCKはその1階の足元に入居させていただいており、内部はワークショップを行うようなスペース、奥のホールには1,000分の1の地区の大きな模型を置いております。この地域のまちづくりの状況を模型を使いながら議論する場にもなります。また、地域のお子さんたちが参加するワークショップなどを行ったりもしております。利便性の高い駅前にガラス張りでまちづくりの拠点を運営しております。
当初、公・民・学連携というコンセプトをつくり上げていくに当たっては、「公」としては、柏市、千葉県という公共団体が参画され、「民」の民間事業者としては、大手ディベロッパーの三井不動産が区画整理対象地にゴルフ場を所有されており、最大地権者の1人として、開発に参画しておりました。「学」の組織としては、東京大学と千葉大学が新しいキャンパスを整備しておりました。そうした、それぞれ考え方が異なる主体、ステークホルダーが、いろいろな思惑がありながらも同じ方向を向くことを考えていきましょうということから始まっております。個々の主体が事業をばらばらに進めていっても、良いまちはできていきませんので、きちんと同じ方向を向くようにしていきましょう、ということで話が進められ、公・民・学連携という考え方の下に、UDCKがつくられてきました。言わば、新しいまちづくりの方法や仕組みをつくっていくということを強く意識した組織だというふうに考えています。
この図は当初の体制ですが、関係者がみんなで、このまちがどのような方向へ向かっていくのかというビジョンを公・民・学の共同体として共有していき、お互いに資金や、施設や、人材を持ち寄って、それでゆるやかな運営を行っていきましょう、ということでUDCKの運営が進められました。
UDCKは2006年から現在まで、7つの構成団体で共同運営する任意組織として運営されてきました。産官学という言葉はよく使いますけれども、産官学という言葉の中には、住民や市民はいないわけです。公・民・学の民は、住民や市民の民でもあり、民間企業の民でもあります。公・民・学の公は、公共団体の公でもあり、新しい公共、NPO等も含みます。学は、学識者や大学の学だけではなくて、学生の学でもあるということで、私の研究室の学生なども、UDCKの活動に参加する中で学んでいますが、UDCKはそうした学習機能も担っています。そういった意味での公・民・学連携です。
ただ、それぞれの構成団体が、施設や人やお金を負担して自立的に運営しています。自転車操業ですが、実は今月で15周年を迎え、明日の夕方に記念イベントが開催されます。15周年を迎えました。
また、UDCKが法人格を持つ必要も出てきまして、2011年12月に同じ名前の一般社団法人を立ち上げ、調査業務などを受託できるようにもしています。その一般社団法人が、国土交通省が所管している景観法という法律による「景観整備機構」に指定され、さらに、都市再生特別措置法による「都市再生推進法人」に指定され、地域のまちづくりや都市開発を積極的に関与していくことができるような制度上の位置づけが整えられました。
今は、DUCKには6名の常駐スタッフがおり、市の職員1名を含めて、専門が異なるスタッフがそろっております。イベントの専門家、都市計画の専門家が業務を担っております。専門家が常駐しているということの意義は非常に大きいと思います。
スタッフの人件費は、柏市のまちづくり公社から支援していただいているものと、プロジェクト経費を含め三井不動産に支援していただいているものがあります。
また、2008年に「柏の葉国際キャンパスタウン構想」という一種のマスタープランをつくりまして、この構想が、関係者で共有する上位計画のような位置づけになっておりまして、毎年、この構想の進捗状況を関係者でチェックしながらまちづくりを進めております。
UDCKが主導するプロジェクトを簡単に御紹介しますが、大きく3つほどあるかと思っています。
ここ数年、スマートシティが国際的に非常に大きな潮流になってきておりますが、「柏の葉スマートシティ」も国内外から大変注目されております。全国のモデルになってきておりますが、柏の葉スマートシティにおける中核的な役割を担っています。
それから、新たに更地から都市を開発してきましたが、良質な公共空間を創り出していくための都市デザインの調整役を担っております。
あと、開発された地域に住み始めた方々、あるいは周辺住民の方々と一緒にコミュニティを育てていく役割を担っております。
スマートシティについては、東日本大震災の後に電力エネルギーのマネジメントを中心とするスマートシティを構築しておりまして、地域で自律的にエネルギーをマネジメントするシステムを三井不動産や柏市が中心になり、導入されました。
その後、2年ほど前ですが、私は第2フェーズのスマートシティと言っておりますが、国土交通省のスマートシティモデル事業に申請をいたしまして、先行モデル地区に指定されました。駅を中心にしたスマートシティとして、4点を重点テーマとしております。一つは、自動運転のバスの導入を中心としたモビリティ機能を強化させることを。二つ目は、エネルギーの効率的な利用で、データ駆動型のエネルギーマネジメントシステムをつくりあげていくこととしています。
三点目は、この地区では、公共空間をつくり出しているわけですが、そうした公共空間に環境センサーや人流カメラ等を設置してモニタリングする公共空間のマネジメンです。防犯やマーケッティングなどに利用することを検討します。
四点目は、健康です。国立がん研究センター東病棟と連携して、スマートホスピタルを構築したり、健康データを分析して健康づくりのまちにしていくことです。そのようなテーマで構成されるスマートシティづくりを実行計画に基づいて進めているところです。
このスマートシティ実行計画の中にもうたわれていますのが、駅から約2キロ離れた東大の柏キャンパスを自動運転バスで結ぶことですが、一昨年の11月から、生産技術研究所の須田先生が中心になりまして、その技術を活用して、運転者が手放し運転するレベル2の自動運転バスを1日3便、3往復運行しております。これをさらに拡充して、レベル4のレベルまで持っていく方向で須田先生を中心とするプロジェクトチームが立ち上がっているところです。
そうしたスマートシティのコンソーシアムの中心になっているのがUDCKで、大企業の方々と連携しているスマートシティのコンソーシアムの中心的な役割を担っております。
後ろのスライドは、私どもの活動をただ紹介しているだけですので、この辺は飛ばさせていただきます。
UDCKの活動を通じて言える大学の役割は、非常に多岐にわたっていますが、大きく7つにまとめられると思っております。
このスライドにまとめておりますが、コーディネーターの機能、技術提供、人材育成、パブリシティ、といった役割です。それから、活動資金、研究費などをうまく組合せていくといった役割もあり、そういった複合的な機能をうまく引き出す拠点として、UDCKを考えていただけるとよいかと思っております。
最後になりますが、UDCKをモデルにして、これまでの間に全国で23か所のUDCが立ち上がっております。前回、千葉大学の上野先生からご紹介いただきましたUDCすみだもこの中に含まれております。それぞれのUDCが立地する地域の課題はそれぞれ異なりますが、公・民・学連携という共通した考え方の下で、様々なタイプのUDCが運営されているところです。
私ども、UDCの活動や関連する知見を書籍としてまとめておりますので、ご関心がありましたら、ご覧いただければと思います。長くなりましたが、以上でございます。

【西尾主査】 公・民・学という非常にスケールの大きいお話しで、大学がその地域の開発に大きく関与され、また、その中で大学の施設整備もしていかれる。そして、今日はちょっと時間がなくてお伺いできなかったのですが、「まちづくり」の過程においてさまざまな文化的な活動の拠点ができているということで、非常に興味深く伺わせていただきました。
また、先生のご提案の公・民・学というコンセプトは非常に大切だと思っておりますので、委員会の審議の中で、その観点から御発言いただけることを期待しております。どうもありがとうございました。
それでは、次に、竹内委員に説明をいただけますでしょうか。お願いいたします。

有識者による発表 竹内委員(千葉大学 アカデミック・リンク・センター長)

【竹内委員】 千葉大学の竹内でございます。
資料につきましては、配布しているものと、それから画面提示のものがございますので、よろしくお願いいたします。
本日、私からは、「千葉大学アカデミック・リンク:イノベーション・コモンズの初期プロトタイプとして」というタイトルで、私どもが、2011年から取り組んでおりますアカデミック・リンクのコンセプトについてお話をさせていただきたいと思います。
前回の会合で、私どもの上野委員から、千葉大学の墨田サテライトキャンパスの事例についてのプレゼンテーションがございました。これは大学が地域の中に入っていくという事例であったわけですけれども、本日は、キャンパス内におけるイノベーションに向かう人材の育成という観点から、どのような学習環境の整備が考えられるのかということを、私どもの実践を踏まえてお話をさせていただければと考えております。
このスライドでございますけれども、この図は、本会議の前身になります調査研究協力者会議の際に私からお示しをしたものでございます。特に学部教育を中心に考えたものでございますけれども、学生が主体的に学ぶということをどのように考えるのかということで、フェーズとして、情報のインプット、そして知識への統合、知識の応用、そして成果の公表があり、このような流れがあるということを説明しているものでございます。
これにつきましては、学生の主体的な学びということを考える上での基本的なモデルであろうと思っておりますし、また、「2040グランドデザイン答申」に書かれております学修者主体の教育あるいは学びということを考えたときには、まさに基本となるコンセプトになるのではないかと思っております。
そのような共通性を持ちながらも、人材育成ということは、各大学がどういう理念を持って行うかということと密接に関わりがあるものでございまして、学習環境の整備ということを考えましても、この理念に裏打ちされたものでなければならないであろうと思います。
このイノベーションに向かう人材の育成ということでございますけれども、1つの手がかりとして、東京大学の藤垣裕子先生、柳川範之先生がお出しになられている『東大教授が考えるあたらしい教養』という本から、ちょっとヒントを得てお話をさせていただきたいと思います。ここでは、新しい「教養」というのは、「正解のない問いに対し、意見の異なる他者との議論を通じて思考を柔軟にし、“自分がよりよいと考える答え”にたどり着くこと」というふうに説明されております。私は、これはイノベーションに向かう人材の考え方と基本的に同じであろうと考えておりまして、学ぶということが単に知識を得るということではなくて、学生自身が主体的かつ自主的に学ぶということが重要であり、我々の考えるイノベーション・コモンズというのは、これを支える学習環境にほかならないであろうと考えるわけでございます。
東大では、例えばこのような「あたらしい教養」という考えの下に、教育のプログラムとして、アクティブ・ラーニングの導入を考え、さらには、後期教養教育というふうにも言われておりますけれども、大学院のような、それぞれの学生が専門的な教育を行っている場においても教養教育を行うというような考え方を取られています。ここでいうアクティブ・ラーニングについては、時々誤解がございまして、単にグループワークをすれば、それでアクティブ・ラーニングだというようなことがございますけれども、決してそういうわけではなくて、アクティブに学ぶ、つまり、まさにここで先ほど日本語で説明しました主体的かつ自主的に学ぶということであって、学習環境がそれをどのように支えていくかということになるわけです。
このコンセプト図は、私どもが2011年に開始したアカデミック・リンクというコンセプトの中で考えていったことでございまして、我々としては、こういう学習環境をつくるということの目的として、「考える学生の創造」と銘打っております。これは生涯学び続けることができる基礎的な能力を持ち、かつ、知識活用能力を持つ学生を育てるということでございまして、これを言い換えれば、まさにイノベーションを生み出す人材を育てるということであろうと思っております。
そのためには、「学習とコンテンツの近接」による能動的学習の実現をどう考えていくのかということがあって、具体的には、コンテンツと、それから人的支援と、学習空間の有機的な結合というようなことを考えてまいりました。
その結果つくられましたのが、現在の私どもの千葉大学アカデミック・リンク・センターでございまして、これは先ほどの片岡委員のプレゼンの中にもございました図書館に付設しておりますラーニング・コモンズと基本的には同じものでございます。段階を追って空間の整備をし、最終的に現在の建物は2014年10月にオープンをいたしました。
これは、従来の図書館機能に新しい機能を建物として加えていったということでございまして、書庫的な空間もあれば、静寂な閲覧席もある。また、研究開発を行ったり、コンテンツを開発する場があり、また、学生たちが主体的に学ぶ場としてのアクティブ・ラーニング・スペースを設置するということもしております。
これらの大きな特徴の一つは、いかに学生の多様な学習を支えていくか、その多様性にいかに応えていくかということでございまして、例えば、音環境ということを考えましても、完全な静寂な空間から、活発に議論をできる場まで、非常にバラエティーに富んだ設定がされております。
私どもでは、キャンパスを複数持っておりますけれども、西千葉キャンパスにアカデミック・リンクを2011年に設置いたしましたけれども、その概念を全学的に展開するということで、園芸学部がございます松戸キャンパスに、2020年に「アカデミック・リンク松戸」という図書館と学習環境を1つにした新しい施設を設置いたしました。これは園芸学部であるということを踏まえ、近くに農場といいますか、彼らが学ぶフィールドがあるということを前提に考えていったもので、このフィールドと、学習の場と、それからコンテンツを隣接させるというような概念でつくったものでございます。
この基本的な考え方の構成要素としては、先ほどから申し上げているように空間(場)と、コンテンツ、そして人的な支援、人によるサポートということが組み合わさるということでございまして、我々としては、この「場」というものについては、物理的な場を考えてきたわけでございますけれども、これからは、当然のことながらバーチャルな場ということも考えていかないといけないという状況にあります。
このようなコンセプトを学生の視点から見るとどのように見えるかということを示したのがこの図でございまして、学生の周辺には、コンテンツと、場所と、人による様々な支援があるわけでございますが、この場というのは、基本的には、学びに導くような刺激にあふれた場であって、学びの基盤としてのコンテンツがあり、そして、それを支える人がいるという状況でございます。
この中では、授業というのは、学生から見てしまうと、絶対的なものではなくて、おそらく相対的な知識のリソースというふうに位置づけることができるものであって、このような考えを徹底して学習していくと、ひょっとすると、出来上がる学生はまさにイノベーションな人材ということになるのではないかというふうに思います。
このような空間を考えるときにどういうふうにするかということでございますけれども、特徴としては、開放性、透明性ということ、見る、見られるという刺激をお互いに与えるということ、先ほど申し上げましたような音という環境で機能分化をするということ、利用における自由度をどれだけ高められるかということ、また、多様性を確保し、たとえPC席であっても、1人での利用ではなくて、複数の学生の利用など様々な形態に対応できるようにするということ、それから、最初にお示ししました主体的な学びのプロセスの中に出てまいります情報のインプットから成果の公表までを支援できるということが重要ではないかというふうに我々は考えておりました。
このような空間環境の中で、偶然の出会いというのが、恐らく新たなイノベーションを生んでいく上では重要であって、またこの偶然の出会いというのは、決して人同士だけではなく、人とコンテンツ、あるいは人と様々な活動ということもあるだろうと考えており、そのような出会いがあることで議論が生まれていくだろうというふうに考えております。
多様な場を我々は提供しているわけですけれども、このような場につきましては、オンラインでの学習環境が出てきたことによって、不要論というのもあるかもしれません。しかし、我々としては、オンラインのディスカッションの欠点というものもあるのではないかと考えておりまして、オンラインの場合には、やはり参加者があらかじめ決められている、あるいは、テーマがあらかじめ決められているということがあって、そういう限定があっても良いのであれば、オンラインのディスカッションというのは非常に意味を持つわけでございますけれども、先ほど御説明したような、偶然出会うといったような、ある種の発見を導くといったようなことは、やはりリアルな場のほうが勝っているのではないかというふうに考えております。
そのような場の価値ということも様々あるわけで、このような「見る、見られる」というような環境を提供し、また、出会いというのは人と人だけではなくて、資料との出会い、リソースとの出会いということもあって、それをうまく見せるということもございます。
また、プレゼンテーションのスペースがございますけれども、これも単に場があるだけではなくて、場を生かすプログラムをここではきちんと展開をする必要があって、それがあって初めて場は魂が吹き込まれるというふうに言っていいかもしれません。私どもでは、この場所で、昼休みに30分のセミナーを展開しておりますけれども、今年の秋に500回目を迎えました。非常に多くの方々が非常に多様なテーマでここでお話いただくということで、偶然の出会いというものをつくってきたわけです。
場のハイブリッド化ということを先ほど申しましたけれども、プログラム、あるいは支援活動のハイブリッド化ということも必要でございまして、見る、見られる環境で、このような支援活動が行われるということも大変重要でございますけれども、これを同時にオンライン環境においても提供するということも現在取り組んでいるところでございます。
このようなハード面の整備につきまして、学生からの満足度は非常に高いものがございまして、ほかと比べると、突出して高いというふうに申し上げてよいかと思います。
これは配布資料には入っていない資料でございますけれども、これはオフィスにおけるイノベーション空間の整備の例でございまして、日立製作所中央研究所の「協創の森」というものでございます。「協創棟」という建物の中のようでございますけれども、写真が4点ございますけれども、左上に,ちょっと見づらいのですけれども、奥のほうに図書などが置かれていて、そこにディスカッションする空間がある。そして下は、先ほどお見せした私どもの学習室と同じようにガラス張りで、中でどういう活動がされているのかというのを外から見ることができる環境になっている。そしてプレゼンテーションのためのスペースがあり、そして、いわゆるフリーアドレス型のディスカッションの空間があるというような形でございまして、キャンパスの中の、ある意味で閉じた中でのイノベーション人材を育成する場ということで言えば、大学がこれまで取り組んできたラーニング・コモンズ的なものと、企業でも、今日イノベーションということを考えておつくりになっていらっしゃるオフィス環境というのは、かなり類似しているというふうに言っていいのではないかというふうに考えており、また、大学がある意味でそういった面を先行してきたというようなところもあるのではないかというふうに考えているところでございます。
大変雑駁ではございますが、以上でございます。ありがとうございました。

【西尾主査】 竹内先生、どうもありがとうございました。
教養を高めるということと、イノベーションを起こしていくということの、ある意味での似ている局面を捉えながら、どのようにしてイノベーティブな空間を構築できるのかという観点でお話しいただきました。イノベーション・コモンズを今後考えていく上での空間設計に関して、非常に示唆に富む内容のお話しをいただきまして、どうもありがとうございました。心よりお礼申し上げます。

それでは、ここで文部科学省科学技術・学術政策局産業連携・地域振興課の井上課長から、現在、政府で検討されている「地域の中核となる大学の振興について」、御紹介をいただきます。
井上課長、資料6をもとに説明していただきたくお願いいたします。

地域の中核となる大学の振興について

【井上科学技術・学術政策局産業連携・地域振興課長】 井上でございます。ありがとうございます。
地域の中核となる大学の振興につきまして、現在、政府では様々な検討を他府省を含めて行っておりますので、その状況を少し急ぎで御説明いたします。
今年度から始まっております第6期の科学技術・イノベーション基本計画でも、上のほうの赤い字にありますように、大学は多様である、個々の強みを伸ばすというのが基本的な考え方。また、下のほうにございますように、地方創生のハブという意味では、今、浜田知事、また、経団連の池田委員、そして大学からも発表があったように、イノベーション、地域の産業の活性化といったような視点が盛り込まれておりまして、複数の大学や研究所での連携ということも視野に入れているということで政策を今後進めていくことになってございます。
今、力を持っている研究を核にして大学を戦略的に運営していこうという、そういった大学についての主な支援のイメージでございますけれども、地域の中核となるような大学につきまして、この図の下、青枠にあるような観点を基に、政府全体で振興施策の議論を進めているといったようなところです。
こういった議論も夏少し前ぐらいから始めておりまして、こちらの資料が右肩にありますように、6月に官房長官をヘッドにしました全閣僚が出席しているこの会議におきまして、内閣府の科学技術担当大臣からの説明があったものです。今申し上げたような強みを伸ばす産学連携等といった問題意識の下に、今後の方向性ということで、2ポツ目の黒の字のところからですが、健康医療とか農林水産、またエネルギー、ビッグデータ等々、様々に大学の知が活用されて、今後の重要な、日本とか世界の社会課題を解決していくようなテーマがございます。そういったところを文科省だけではなく、様々な省庁がその知を必要としていて、大学を対象にした施策も打っておりますので、そういったところも一緒に検討していくといったようなことで進めていけないかというのを6月ぐらいから議論をしております。
大学に翻ってみたときに、そのビジョンを共有するという話が重要だという御発表がありましたけれども、まさにそういったところが大学にとっても重要だと思っておりまして、大学が自分の強みを生かしたビジョンをしっかり持つというところを応援したいというふうに考えております。
具体的に、産学連携関係の事業で、令和4年度の要求で、この図のマル1からマル4にあるような要素も盛り込んで要求をしておりまして、しっかり御支援できるように予算確保に努めます。
こういったことを、内容を見ながら、しっかり地域の中核となるような大学についての振興の施策をパッケージ化しようということで、年度内にこのパッケージを策定しましょうということが政府の政策文書に盛り込まれております。
具体的には、詳細な説明は省略させていただきますが、特に令和4年度の要求につきましては、右枠の赤い太い横の箱にありますように、産学官連携の事業を中心に、地域のほうへの支援を拡充させる要求をしております。共創の場形成支援というものと、こちら、その下です、大学発スタートアップのもの、また、産学官金が連携した人材育成と、多様なものが主なものでございます。
ただ、こちらの施設の御議論でもありますように、まさに、例えば、ハード、施設は、活動と一体となってあるものだという御議論がありましたけれども、まさにそういった点が重要だと思っておりまして、この図の下のほうに施設設備費補助金等も書いてございますが、我々ちょっと反省としまして、各課が持っている事業をそれぞれ目的に邁進して、一生懸命予算を確保して御支援していたわけですけれども、大学なり地域から見たときに、全体の営みの中でどう位置づけるのか、ほかにどういった有機的な施策の連携が必要かというのを、我々も局課超えて、また府省を超えて、我々自身がつながって伴走支援できないかということを議論しているところでございます。
少し時間も押しているので、次のページから12ページまでは飛ばせていただいて、最後のページだけ御紹介したいと思います。
実は、今日もこの会議と同じ時間帯で行われている、CSTIの有識者が集まっている会議で、こちらの振興パッケージの議論を、総務省による自治体調査結果や、特区といったような発表が行われているところであります。
特に申し上げますと、マル1のところは、弊省の予算要求等が中心となっていることでございまして、マル2が繋ぐ仕組みと、まさに今日お話にありましたが、スマートシティとか、スタートアップの拠点都市といった座組みの活用といったことも議論されているところです。今日御発表いただいたUDCとか、私も非常に勉強になりまして、今後またいろいろ教えていただければなというふうに個人的に思いました。
あともう1点だけ、最後にマル3、大学を地域で最大限御活用いただきましょうという観点で、特に、字が小さくて恐縮ですけれども、一番初めのポツの下に2つバーが出ておりまして、イノベーションの重要政策課題や地域課題ごとに事業マップを整理すると、社会実装までの道のりを可視化して伴走支援したいと、こういうことを議論しております。
少し話にも出ていた例としては、地域の脱炭素ですとか、MaaSですとか、スマート農業といった地域の課題を解決する取組と、それと、国の重要政策といったものを重なり合うところで、大分各省施策を持っております。大学の研究だけではなくて、そこから実際にどう実装していくかという、その支援メニューというものを可視化しながら、そこまで見込んで、地域や産業と大学が一緒になって社会をどうよくしていくかといったようなことが、さらに加速するように議論を進めたいと思っております。
以上です。

【西尾主査】 ありがとうございました。
井上課長からもお話しいただきましたように、地域の中核となる大学の振興ということが今これだけ強く打ち出されているというのは本当に重要なことだと思っております。この時期に、我々としましては、井上課長から説明いただきました大変重要な施策に対する予算がきっちりと獲得されて、実際に推進されることを非常に期待いたしております。
井上課長、どうかよろしくお願いいたします。

【井上科学技術・学術政策局産業連携・地域振興課長】 承知いたしました。ありがとうございます。

【西尾主査】 浜田知事にご出席いただける時間が限られておりますので、これまでの委員からのご発表、今の井上課長のご報告につきまして、何かコメント等ありましたら、いただけたらありがたいのですが、よろしくお願いいたします。

【浜田委員】 ありがとうございます。ちょっと私の都合で申し訳ありませんけれども、一言だけ、皆様のいろいろなプレゼンテーションをお伺いしてきまして、大変すばらしいお話を伺えたと思っております。
特に竹内委員の御説明の中にもありました具体の施設として、例えばプレゼンテーションスペースというものの御紹介がありましたけれども、場を生かすプログラムを実践できる、500回もセミナーが行われていると。これは地域から見ると、本当にそういったものが、単に知の拠点、文化学術の拠点という掛け声だけではなくて、恐らくこの地域にとって極めて重要な、また、誇りに思える場であるということが、そうした形で実際に現れている、そういうものが、これからいろいろな、今、御説明があったようなやり方で、各省を挙げて取り組むということだと思いますけれども、大学の実際の設計において、地域のそういった期待、「我々の大学である」、「我々の地域の大学である」と、そこをぜひ伸ばして期待に応えていただくようにお願いしたいと感じた次第でございます。ぜひよろしくお願いします。

【西尾主査】 どうもありがとうございました。浜田知事には、本日、お忙しい中、御出席いただきまして心より感謝申し上げます。今後とも、どうか強力な御支援を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。
それでは、資料7につきまして、事務局から説明をいただきたくお願いいたします。

【事務局】 資料7を御覧ください。
資料7をご説明する前に、本調査研究協力者会議の位置づけを、ほかの会議との連携を踏まえ整理しましたので、そちらを先に御説明させていただきます。
参考1になりますけれども、左側に、最近の主な高等教育、科学技術政策に関する議論を整理しています。
上段に記載している第6期科学技術・イノベーション基本計画、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略、2040年に向けた高等教育のグランドデザインといった、政策文書での議論をベースとして、下段に示しているように、総合科学技術・イノベーション会議におきましては、「地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ」や、「世界と伍するトップ研究大学の在り方」を検討しているところです。
このCSTIでの議論も踏まえまして、先ほど、産業連携・地域振興課から説明のあったとおり、文部科学省におきましても検討が進められているところです。
また、その下に記載の中教審大学分科会では、魅力ある地方大学の実現に向けて、その実現方策を年内に取りまとめる予定としています。こちらはCSTIの議論とも連携しているところです。
また、科学技術・学術審議会においては、様々な部会等で科学技術政策に関する議論が行われておりますが、例えば、ここで挙げている大学研究力強化委員会におきましては、大学等における科学技術に係る研究開発に関する重要事項について、幅広く検討が行われることとなっています。
一方、右側に示しているとおり施設面に関する議論としましては、第5次5か年計画の議論をベースとしまして、本調査研究協力者会議にて、「イノベーション・コモンズ」の実現のために、今後の施設整備のさらなる推進方策を御検討いただいているところです。
本調査研究協力者会議では、第5次5か年計画策定時の議論と、左側に示しています高等教育・科学技術政策等に関する議論を踏まえて検討しています。本調査研究協力者会議において議論された取り組むべき施策についても、各会議等の議論とも連携していくこととしております。
このような位置づけも念頭に置きつつ、本日もさらに議論を深めていただきたいと思っております。
それでは、資料7の説明に戻ります。こちらでは委員の皆様からいただいた貴重な御意見を整理しています。前回会議以降、ヒアリングのお時間も各委員にいただき、御協力ありがとうございました。時間の都合もありますので、幾つか紹介させていただきたいと思います。
まず、1番目の論点と整理しています「イノベーション・コモンズ」の意義につきまして、1ページ目の4ポツ目になりますけれども、経済界や地域コミュニティなど幅広いステークホルダーとの交流・連携・協働が不可欠という御意見がございました。
7ポツ目、一番下のほうになりますけれども、「イノベーション」を、「新しいアイデアから社会的意義のある新しい価値を創造し、社会的変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革」を意味するものとして捉え直すべきという御意見もありました。
飛びまして、2番目の「イノベーション・コモンズ」の考え方について、3ページ目の2ポツ目で、イノベーション・コモンズの概念を普及させるためには、成功イメージや、指標の具体化など、より分かりやすい説明が必要との御意見もありました。
あと、従来の共同研究等の取組とイノベーション・コモンズとの違いを、目標設定の観点から整理すると、具体的に大学に求められている施設整備のイメージを抱きやすいという御意見がありました。
その下になります。3ポツ目に、成功の指標はステークホルダーからの評価になるのではないかという御意見や、13ポツ目、下から2番目のものになりますけれども、リアルな空間とサイバー空間と組み合わせることでイノベーション・コモンズの可能性が広がるという御意見もありました。
次のページに移りまして、1ポツ目、一番上になりますけれども、目標・計画の中で、様々な施策と関連づけてどのようにイノベーション・コモンズが組み込まれているかといった全体の構図が明確になると、各大学も取り組みやすいという御意見もありました。
その下になります、社会人のリカレント教育の場として、大学が都心部にサテライトを持つというのは非常に重要であるという御意見もありました。
3番目の論点の「イノベーション・コモンズ」の実現に向けた取組の要点について、5ページ目の1ポツ目になりますけれども、まちの機能をキャンパスの中に持ち、キャンパスの持つ資源を活用して実証実験の機会を得ていくことが必要で、企業にどのようなインセンティブがあるかを大学が考えていくことが重要という御意見がありました。
また、8ポツ目、下から3ポツ目です。単なる場所の整備で終わらないよう、強いリーダーシップを発揮し、目的を明確にすることが特に重要という御意見もありました。
6ページに移りまして、2ポツ目になりますが、活動の可視化、交流の誘発、流動性の確保ができるキャンパス、施設に改善していく必要があると御意見がありました。
最後に、4つ目の論点で挙げていました国の支援策、大学・地域・産業界等への期待について、7ページ目の1ポツ目になりますけれども、地方創生に資する共創の拠点として、先端的な教育研究を推進し、新たな時代に対応するための機能の強化が必要であり、その基盤として、国立大学等の施設の整備充実は不可欠という御意見もありました。
4ポツ目では、個々の大学等の特徴・戦略に応じた、メリハリのついた国の支援策が必要である。財政面の支援はもちろん、「社会に開かれた知の拠点」に向け、阻害となっている規制があれば見直すべきという御意見がありました。
最後に、9ポツ目、下から2つ目になりますけれども、企画段階からイノベーション・コモンズに向けてのハード・ソフトの創意工夫を、学外者との「共創」によってつくり出せる体制づくりを促せないかという御意見がありました。
ここでは全てを紹介できず、申し訳ございませんでした。
最後に、参考2に、委員の皆様にイメージしてもらいやすくなるよう、実際のキャンパスに共創の場を落とし込んだものを作成しております。
1枚目になりますけれども、名古屋大学におきましては、個々の取組を既に行っています。その個々の取組を今回、キャンパス中央部に東海機構プラットフォームという施設整備をきっかけにして、人の流れを変えて、自然と人が集まり交流するよう計画し、施設の有機的なつながりを持たせようとしている事例になります。
2枚目、広島大学については、画面共有の資料が、委員の皆様にお送りした資料から変更していることを御報告いたします。
広島大学は、自治体、産業界が大学内に入り込み、共に深く連携し、大学キャンパス全体を共創拠点化して発展させている事例になります。
最後、3枚目は、信州大学になります。信州大学は、キャンパスが県内全体に分散していますが、分散しているからこそ、地域企業、行政と密接に連携し、産業振興や人材育成等で地域に大きく貢献している事例となります。
簡単ですが、説明は以上になります。

【西尾主査】 どうもありがとうございました。
以上で、予定していた御説明、プレゼンテーション等を終わらせていただきまして、討議に移りたいと思います。

委員による意見交換

【西尾主査】 前回の会議におきましては、この会議におけるイノベーション・コモンズの目標とか、成功の指標についても御意見をいただきまして、今、御説明いただいた中にもそのことについて多分に触れてございます。
それと、一番重要なことは、この調査研究協力者会議が、どういうミッションを持っているのかということであり、そのことについて、前回、質問をいただきました。そのお答えが、参考1の資料で記されております。
したがいまして、この会議では、この会議に課せられているミッションを十分に考慮しながら、もちろんソフト面の成果をどう創出するかということも踏まえながらも、やはりハード面での今後の施設整備のさらなる推進方策を議論していきたく存じます。今後、イノベーション・コモンズの推進をどのように実現していくかという議論を通じて、予算要求につなげていく観点から議論を進めたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
実を言いますと、本日の会議の残りの時間がもう30分を切っております。ですが、可能な限り御意見はいただきたいと思っておりますので、今日のプレゼンテーション等を踏まえて、ご意見、ご質問、さらには共通理解を図っておくべきこと等について、皆様方から御発言いただければと思っております。どうしても時間がない場合においては、また改めてヒアリング等をさせていただきたいと思います。今日の御発表等で今まで発言の機会がなかった委員の方々を優先的に御発言いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
恒川先生、どうぞ。

【恒川委員】 御発表を聞いて、感銘を受けたところですけれども、座長の西尾先生からお話があったように、この会議のミッションが施設整備の推進の方策ということなので、それについて意見を申し上げたいと思います。
イノベーション・コモンズというのは、先ほどの出口先生のお話にもあったように、公・民・学の連携、多様なステークホルダーたちが連携をして物を作っていくというようなことが、施設整備においても肝要だと思います。そこで、文教施設の予算で大学が施設をつくるという形だけではなくて、縦割りであったり、単年度予算であったりという仕組みを超えた形での予算の出し方とか、執行の仕方、あるいは、国立大学内につくるということだけではなくて、自治体や企業が使えるというような形にならないと、一緒につくっていけないのではないかと思います。
やはりそういった縦割りや単年度予算ということを超えて、企画段階から多様なステークホルダーの方々が、どういうものを作っていけばいいのか一緒に考えていけるような予算のつけ方とか、企画の立て方、体制のつくり方みたいなことに対して、企業や自治体と多様な形で連携ができるように、単に国からの文教施設の予算ではない形での仕組みをつくっていくことが必要ではないかと思います。
先ほどの文科省の方から御説明があったスタートアップ・エコシステムの拠点都市なども、そういうやり方だったのではないかと思いますけれども、そのようなやり方が進められていくことが、国立大学の中でも理解されていくことが重要かなと思います。
以上です。

【西尾主査】 どうもありがとうございました。
それでは篠原委員、どうぞ。

【篠原委員】 自分の立場でも大変勉強になる御発表をたくさんにありがとうございました。勉強に来ているような感じになりましたが。
その中で、今、多様なステークホルダーという話があって、公・民・学という、出口先生のお話も大変に勉強になったわけですが、このイノベーション・コモンズのミニマムリクワイヤメントは何かなというふうに思ったときに、やっぱり大学は大きな面積で地域社会の中にありますから、空間としては周りに与える影響がとても大きい。そこで考えなければならないのは、ステークホルダーとしては、隣接する地域コミュニティというのは、必ず頭の中に入れておく必要があるだろうと。
多分、施設としてのイノベーション・コモンズの在り方というのは、香川のお話のような、サテライトなどというのはとてもいいなと思いましたし、そうした地域の中に拠点的にあるものと、タウンシップのようなスケールのもの、大学の施設の中にあるものということになると思います。中でも大学の施設としては、足元、エッジ、境界です、そういうものをどうつくっていくのかというところは、「コモンズ」という言葉を入れるのであれば非常に重要なのではないかというふうに思いました。それは地域コミュニティとの関係をつくる建築的装置という意味で。
以上でございます。

【西尾主査】 非常に示唆に富むコメントをいただき、どうもありがとうございます。今後、御意見を活かしていきたいと思います。
下條委員、手を挙げておられます。どうぞ。

【下條委員】 ありがとうございます。私も非常に参考になりました。ありがとうございました。
その中で、1つは、今回は地域連携ということが非常に強調されましたけれども、先ほどの篠原先生の意見にもありましたように、多分これ、1個の大学でカバーする問題ではなくて、地域の連携でやっぱり広げるべきで、その意味では、今回は捉えられていないのは学学連携です、要するに、地域の大学が一緒になって支えていくというような話もあるかなと1つ思いました。
それから、私の立場としては、情報基盤というのが今回非常に重要な役割を果たすのですけれども、残念ながら情報基盤だけは大学のいわゆる基盤の中に入っていません。補正や一次でしか整備されていなくて、電気、水道のような基盤には決してなっていないということは認識していただきたいと思います。よろしくお願いします。

【西尾主査】 学学連携の重要性に関する非常に貴重なコメントをいただきまして、ありがとうございました。
それと、下條先生が後半でおっしゃられたことが重要です。国立大学が情報基盤を整備してきたのは、全て補正予算です。したがいまして、大学の運営費交付金の算定根拠の中に、学内の情報基盤整備に関する経費が入っておりません。したがいまして、学内全体のスイッチとかルーター等の更新時期になりますと、億単位の経費が新たに必要ですけれども、これは全て各大学が自前で整備していかなければなりません。ところが、各大学はその経費の捻出に非常に困っておりまして、経費不足から情報基盤をきっちり整備し切れないところが出てきますと、そこがセキュリティホールになっていくというような悪循環を生む可能性があります。このような状況は、これは真剣に考えていかなければならない問題だと思っております。
岩村委員、どうぞ。

【岩村委員】 どうもありがとうございました。大変刺激を受け、勉強になるプレゼンテーションを聞かせていただき、各委員の方々に感謝をしております。
私からは、3つ、意見を述べさせていただきたいと思います。
1つ目は、このビジョンについて皆様のお話を聞いていると、大学全体の位置づけが変わっていくということにつながるのではないかと感じました。もちろん今回のミッションは、施設ということもありますが、大きいコンテクストとしては、大学全体が、ある種のイノベーションのドライバーになるということの中でこれが1つの形としてある、ということを掲げたほうが良いのではないかと思いました。
今までのように学生と研究者に閉じるということではなく、産学連携へ広がってきていたものがさらに公・民・学へと広がってきているので、Innovation for Everyoneということを目指す位置づけの中で、イノベーション・コモンズが語られると良いのではないかと思いました。
2つ目は、1つ目に関連するところで、公・民・学と、今日は地域の話が中心ではありましたけれども、海外といかにつながるかというところです。
グローバルなところといかにつないでいくかということが、日本のイノベーションをドライブするという観点では非常に重要になってくると思います。
これまでは何でも、地方から東京に来て、東京から海外にというような話がありましたけれども、これからは地域も含めて直接ITでつながっている時代ですので、地域が直接グローバルにつながる、海外とつながるというようなこともあると思います。ですので、この拠点に、例えば留学生が集まる、留学生と海外の大学とがつながる、日本の学生と海外の大学がつながるなどのような要素も入ってくると、より新しいマインドの人材をつくるということにもつながります。さらに、多様なバックグラウンドの人々と実際に協働する経験を提供する場にもでき、将来のリーダーを育てることにつながるのではないかと思いました。
そして、場のつくり方について、私はグーグルという企業で非常にユニークな場のつくり方をしておりますけれども、今日の各委員の方々のお話には、そういった要素が非常に多く含まれていたと思います。ただ、場の場合には、基本的にフィジカルな場ということが想定されておりますが、下條先生がおっしゃっていたように、それを支えるITの仕組みが非常に重要です。例えば今、グローバルにグーグルは全てつながっており、個々人のウェブページのようなものがあります。プロジェクトなどを始めたいと思ったときに検索をすると、遠く離れた場所でこの人は既にそういうことをやっている、ということが分かります。そうすると、カレンダー上ですぐにミーティングをリクエストして、話を聞いてみるというような協働が進んだりします。予算の問題もあると思いますが、やはりIT面は非常に重要であると思います。
最後は、カルチャー面です。カルチャーをつくるということも、ソフト的なことになりますけれども、入れていただくのが良いと思います。
3つ目は、このイノベーション・コモンズについて各大学でいろいろな取り組みを行っていくのは良いと思うのですが、私たち東大で実際にどうネーミングするかは分かりませんが、例えばUTokyo Innovation Commonsのように共通のネーミングをしていくということが、動きを面として広げていくことに役立つのではないかと思いました。
先生方のお話を聞いて、すばらしいと思うと同時に、こんなにいろいろなことが起こっているということを全く知らないことにも気付きましたので、いかに効率的に新しい運営を伝えていくかも重要だと思いました。
以上となります。

【西尾主査】 岩村先生、本当に示唆に富んだコメントを多々いただきまして非常に参考になりました。ありがとうございました。
倉田先生、どうぞ。

【倉田委員】 倉田でございます。非常に刺激的なお話をいろいろ伺って、私の中にもいろいろ妄想が広がっているような状況であります。
その中で、出口先生から御紹介がありましたUDCKにつきましては、私も発足当初からずっとその活動を拝見していたこともあり、この15年間の成果と、その発展プロセスには多くのヒントがあるのではないかと思いました。
今日は細かい御説明はありませんでしたけれども、出口先生の資料の中に、UDCのセンター機能ということで、3つ挙げられていたかと思います。一つ目はプラットフォームの機能、二つ目はシンクタンクの機能、それから三つ目がプロモーションの機能です。UDCKは、まちづくりに焦点を当てたセンターですけれども、これは今回のイノベーション・コモンズに適用できる機能であると言えるのではないかと思っています。
そういう意味で、非常に参考になると思いました。UDCが成功した幾つかの理由というのも私なりに確認できました。1つには、プラットフォームとして公・民・学が共通にアクセスしやすいところに、スペースが設けられていたということがあります。それから、その活動の見える化ということも非常に意味があったのではないかと思います。地域の人たちにとっていつでも立ち寄れば、その活動が分かるというような、そんな物理的なつくり方というのも非常に大事だと思っています。
あとは、香川大学の話にもありましたけれども、その対象が広域的になればなるほど、特定の場所も大事なのですけれども、サイバー、あるいは、ネットワークの在り方というものも、プラットフォームという点では非常に大事になってくると思っています。
これも既に指摘がありましたけれども、単独の大学というよりは、大学間の共創といいますか、個々の大学の個性とか強みを生かした形での共創というのも非常に大事で、この場合は、国立大学、公立大学だけではなくて、私立も含めて、デジタルなネットワークが共創のプラットフォームになればよいのではないかと思いました。
以上です。

【西尾主査】 ありがとうございました。
あと、土井委員、金子委員、後藤委員、それから上野委員、山内委員の5名の委員から発言がまだなので、ご意見をいただけると幸いです。まず、土井委員、どうぞ、お願いします。

【土井委員】 どうも。いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございます。
今まで出た意見に追加する形で言いますと、ソフト面、ハード面、いずれにしてもサステイナブルにしていくことが非常に重要かなと思います。
そういう点では、デジタル環境をきちんと整備していくというのも、そのサステイナブルの1つですし、公・民・学というときに、市民と対話するということであれば、その運用、オペレーションということで、人の配置も必要になりますので、そういう意味でのサステナビリティを持たせていくということを、イノベーション・コモンズとして共通項として何を出すべきかというのは、やっぱり最低限明らかにすべきと考えます。
以上です。

【西尾主査】 ありがとうございました。
サステナビリティの重要性について強くおっしゃっていただきました。これは今後の文教施設政策の中で大きな観点になるかと思いますので、十分に配慮していただけるようにお願いしたいと思います。
後藤委員、どうぞ。

【後藤委員】 ありがとうございます。地域に根差した活動を続けてきた高等専門学校の立場から、非常に興味深いお話だったと思います。
学学連携という意味では、51高専1法人ですので、連携してやれるかなと思っています。
先ほど土井委員のほうから出ましたコモンズの維持発展のための予算、人的な措置も含めて、その辺りは極めて重要かなというふうに思います。
イノベーション・コモンズの定義そのものを、一般の人がもう少し理解できるように、説明していくというのは1つの方向性かなと思います。
それから、地域と地方、この定義がまだ少し不明確なところがあるかなというふうに考えております。
以上です。

【西尾主査】 地域と地方の定義が明確でないということをはじめ、重要なコメントの数々をいただきましてありがとうございました。
山内先生、お願いいたします。

【山内委員】 どうもありがとうございます。このイノベーション・コモンズの位置づけのためには、建物、施設設備が必要だというのは言うまでもないことですが、それに加えて、やはり人が必要なわけです。教員だけではなくて、サポートスタッフとか、URAのような方々もかなり必要になってきて、そういったものを含めてイノベーション・コモンズが成り立つということだと思います。
そのときに、やっぱり運営費交付金の減額が続いておりまして、大学によっては非常に厳しい状況にあるというふうに伺っておりますので、そういったものが律速になるのではないかなというのは、ちょっと心配です。
この会は文教施設部さんの会議ではありますが、やはり高等局さんとか、あるいは研究振興局さんとの共通した目標設定というものが必要になっていくのではないのかというふうに感じております。
以上です。

【西尾主査】 どうもありがとうございました。
山内先生におっしゃっていただきましたように、まず、運営費交付金がきっちり充当されることが大事ですし、もう1つ、情報基盤整備になりますと、これは研究振興局とのタイトな連携がどうしても必要になります。ここら辺は、下間部長にはぜひともよろしくお願いいたします。
次に、上野先生、どうぞ。

【上野委員】 ありがとうございます。今、山内先生からのお話がありましたように、文科省の施策の中でも、いろいろな部署が連携して、このイノベーション・コモンズの実現に向けて動き出すといいと思いました。
そういう意味で、井上課長からお話のあった施設整備補助金だけではなくて、共創の場形成支援プログラムとか、ああいったことが今後ますます強化されていくと、このイノベーション・コモンズの実現に向けて、いい方向かなというふうに思います。
今日お話のあった出口先生、あるいは竹内先生のお話というのは、ずっと一緒に活動してきたということもありまして、とても心強い発言でしたので、こういった動きをさらによくしていくために、特にグローバルの視点とか、岩村委員からお話のあった部分、あの辺りも補強していくといいかなというふうに思いました。
以上です。

【西尾主査】 貴重な御意見、どうもありがとうございました。井上課長、是非、御尽力賜りたく、よろしくお願いいたします。
金子委員、何か御意見ございますか。よろしいですか。他の委員で御意見等ございませんでしょうか。

【西尾主査】 そうしましたら、いろいろ議論をしたいところですが、もう時間が迫ってきておりますので、今日、皆様方からいただきました御意見、コメント等につきましては、事務局のほうで再度整理をしていただきます。本日は御発表いただいた方々からの御意見等をお聞きする時間が、誠に申し訳ないながらございませんでしたので、事務局から改めてヒアリング等をさせていただきます。その折には、何卒御対応いただきますよう、よろしくお願いいたします。今日の議論を深めて、さらにこの委員会としての方向性を明確にしてまいりたいと思います。

議題2 その他

【西尾主査】 最後に、議題2について、事務局から簡単な説明をお願いいたします。

事務局】 資料8を説明させていただきます。今後のスケジュールになります。
本日の会議が、11月18日、第2回会議になります。この後、第1回会議にて設置の承諾をいただいたワーキンググループを11月29日に予定しております。その後、年明け1月頃にも予定しており、2回行う予定です。こちらでは、先導的な事例の調査分析を行いまして、事例のまとめ方などについても議論することとしています。
本調査研究協力者会議に関しましては、少し期間が空きますけれども、その事例等も踏まえまして、2月頃に第3回を開催する予定としています。
それ以降の予定に関しましては、4月頃を目途に、中間まとめに向けた第4回会議を予定しています。
その後、最終取りまとめに向けて2回ほど会議を予定しています。よろしくお願いいたします。
説明は以上です。

【西尾主査】 来年の4月頃には中間まとめを完成すると予定ですが、これが再来年度の予算要求においては非常に大きな役割をしていくことになりますので、その中間まとめを充実したものにしていきたいと思いますので、今後ともご審議のほど、よろしくお願いいたします。
先ほどからもお話ししていますように、本日、御意見を十分に伺う時間がございませんでしたので、御意見等ございます場合には、メール等で是非とも事務局にお寄せいただきたくお願いいたします。
ここで、事務局より連絡をお願いいたします

事務局】 、主査のほうからも御発言ありましたけれども、本日の会議で十分に御発言できなかった委員におかれましては、会議後も御意見を受け付けておりますので、事務局にメール等で御意見や御質問等をお送りいただければと思います。
また、十分な御意見を述べることができなかった委員の方々でヒアリングの要望がありましたら、改めてヒアリングの時間も設定したいと思っております。
本日の会議の議事録につきましては、追って皆様へ御確認いただいた後、文科省ホームページに公開する予定としております。
次回の第3回会議につきましては、先ほど説明したとおりですが、少し期間が空いてしまいますが、令和3年2月頃の開催を予定しております。こちらにつきましては、まだ日程調整を終えていませんので、改めて日程調整をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。

【西尾主査】 今日、すばらしいプレゼンテーションをしていただきました片岡先生、竹内先生、出口先生、どうもありがとうございました。また、委員の皆様方に多くの貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
これから予算要求の重要な時期にかかりますけれども、我々としましても強力に文部科学省を支援していくことが重要かと思いますので、委員の皆様方、何とぞよろしくお願いいたします。
これにて終わりにいたします。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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