学校施設のバリアフリー化等の推進に関する調査研究協力者会議(第3回)議事要旨

1.日時

令和2年11月9日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンラインにて開催

3.議題

  1. 学校施設のバリアフリー化等の推進について
  2. その他

4.出席者

委員

(委員)岩﨑元,上野淳,菅原麻衣子,髙橋儀平,田原優子,三田村裕,宮﨑英憲(敬称略)
(特別協力者) 丹沢広行(敬称略)
(委員代理)尾上浩二,日詰正文(敬称略)

文部科学省

【大臣官房文教施設企画・防災部】山﨑文教施設企画・防災部長,笠原技術参事官,森施設企画課長,廣田施設企画課企画調整官,梅﨑施設助成課防災・減災企画官,木村施設企画課課長補佐
【初等中等教育局】佐々木特別支援教育課企画官
【高等教育局私学部】青山私学助成課助成第二係長

オブザーバー

【国土交通省】飯田住宅局建築指導課課長補佐

5.議事要旨

・事務局から,第3回会議の欠席・代理出席の委員について紹介。
・事務局から資料2に基づき第2回会議までの主な意見を報告。
・事務局から資料1に基づき今後の協力者会議報告書取りまとめに係る考え方,資料3-1に基づき報告書構成案,資料3-2に基づき報告書素案の第1部について説明。

(○委員の発言,●事務局の発言)

○ 資料3-2の7ページ目から8ページ目にかかる丸5の「学校施設の周辺も含めた面的・一体的なバリアフリー化の推進」の最後の段落について「国においては、これらの移動等円滑化促進方針及び基本構想に基づき」ということで、通学路についても触れられている。
   通学路については、今回の会議においては直接的な議論の対象ではないと思うが、学校施設のバリアフリー化を進めても学校から自宅までの通学路にバリアがあると社会的な整備としては非常に不十分であり、このような観点が記載されていることは非常に重要である。
  自治体が作成する移動等円滑化促進方針や基本構想においても通学路に関する扱いは位置づけが不明瞭な状況にある。国土交通省の管轄になるかと思うが、議論をぜひ深めてもらいたい。
  また、自治体のレベルで考えると、教育委員会または建築部局で学校施設のバリアフリー化を進める一方で、都市計画部局や福祉部局がバリアフリー法に基づいた促進方針や基本構想を定めていくため、その部局間連携も非常に重要になる。そして通学路は、交通安全の担当部局も関係する。この学校施設の会議の中で中心的に議論するものではないが、重要な課題として関係各所でぜひ連携してもらいたい。
  次に、同じくすぐ下の丸6に、学校における心のバリアフリーの推進とある。
  「心のバリアフリーについても推進されるよう」と記載されているが、心のバリアフリーの定義を明示してもらいたい。この言葉は、抽象的な、観念的なものとして捉えられがちで、例えば障害の社会モデルの理解であるとか、合理的配慮の提供の必要性など具体的なやるべきことを示したほうが、より真意が伝わる。

・事務局から資料3-2に基づき報告書素案の第2部の「はじめに(骨子)」、「第1章学校施設のバリアフリー化等の推進に関する基本的な考え方」について説明。

○ 第1章12ページの(2)の「学校施設のバリアフリー化等の教育的な意義に配慮」に関して、障害の社会モデルについてもう少し明確に書く必要がある。バリアフリー化された学校施設は、その利用を通じ、社会的障壁の除去を体感させることで、児童生徒に対して、障害の社会モデルに対する理解を深める。障害者等に対する理解ではなくて、障害の社会モデルに対する理解とするべきである。
  13ページの「災害時の避難所となることを考慮」に関して、水害等を考えると、3階以上のフロアへの移動という文言を入れて欲しい。視覚・聴覚障害の情報保障を考慮すること、あるいは、人工呼吸器の使用者が避難をする場合があるため、発電機を備えるという文言を入れて欲しい。
  14ページの関係者の参画と理解・合意の形成に関して、学校・家庭・地域、その後行政と記載されており、行政は教育委員会、営繕部局など詳しく書かれているが、地域というのが非常に漠然としている。後のほうで「地域の障害者、高齢者、妊産婦等の意見を参考としつつ検討することも有効である」と記載があることから、例えば自治会や障害者団体というふうに例示をしていただきたい。
  14ページの(3)について、「設置者は」という記載の前に、国における整備目標の設定について記載していただきたい。

● 意見を踏まえて、修正の可否について検討させていただく。

○ 2点申し上げる。1つは、13ページの下に「既存学校施設のバリアフリー化を積極的に推進することが必要である」と記載されているが、これから学校のバリアフリー化、ユニバーサルデザインを進めるに当たっては、一番ターゲットとなるのが既存の学校施設である。これから新築・改築する学校は、もうかなりバリアフリーデザインというのが浸透しているので、既存学校施設をいかにバリアフリー化していくかが、我が国にとっては非常に大事な課題である。11ページの「重要である。望ましい。有効である」という「本指針の表現」と違う観点の「必要である」という記載だと思うが、「必要である」を「重要である」とすべきではないか。
  もう一つ、12ページに「ユニバーサルデザインの観点から」と記載したのは大変結構だと思うが、ユニバーサルデザインの意味は、障害がある方と障害のない方が両方とも使えること、障害のある方もない方も同じように自由に行動できることであり、後者の意味を含んだ記載にしていただきたい。

● 1点目の文末の関係について。第2章の計画・設計上の留意点の部分は、先ほど凡例で述べた3つの視点で全てまとまっているが、第2部1章の部分は、社会的な背景等々を踏まえて、さらに必要性が高いものについては「必要である」という表現を使うという整理だった。「必要である」という部分の表現の全体的な精査も含めて、いま一度事務局で確認させていただく。
  2点目、ユニバーサルデザインの考え方についても、具体的にどういうことを指しているかの追記も含めて、検討する。

○ 先ほどの意見と同じく、障害の社会モデルについて、障害者等に対する理解ではなくて、社会モデルについての理解という視点を入れれば、発達障害・知的障害についても含めた記載になると思う。

○ 第2部の10ページの「はじめに(骨子)」の2段落目について、障害者基本法、差別解消法などの関連法の整備について記載されている。障害者基本法の第4条では、障害による差別の禁止、合理的配慮の提供、もう一つ、啓発活動についての規定がされている。啓発活動は、全ての学校に共通した課題であり、心のバリアフリーにもつながるので、12ページの心のバリアフリーを推進する観点についての記載部分に啓発活動について追記する必要がある。
  平成24年7月に出された中教審の報告の中で、合理的配慮と基礎的環境整備という文言が2つセットで記載されたが、基礎的環境整備の観点は、このバリアフリー化の報告において特に重要である。基礎的環境整備では、丸1 ネットワークの形成・連続性のある多様な学び場の活用等8項目を挙げている。丸8 項目に、交流及び共同学習の推進がある。13ページ等に出てくる学校施設について、具体的に交流及び共同学習を安全かつ円滑に実施できる施設になるので、これについては各室計画等に入れていくことになると思うが、具体の中身をどう書きこんでいくのかが重要になる。
  同じく13ページに「生涯学習の場としての利用を考慮」と記載があり、この第一義は、生涯学習の場になる学校づくりは今回の学習指導要領にも入っているが、まずは児童生徒が生涯にわたる学びの基本になる場をどのように確保するか地域と連携して考えていくことだと思う。現在の記載は、「学校・家庭・地域の連携・協働に基づく生涯学習の基盤」とあり、児童生徒の生涯にわたる学びの基本が学校であり、その連続性の上に生涯学習があることがぼけてしまわないか。文言の検討をして欲しい。
  あとは、基本的なスタンスが明確に書いてあって良い。

● 学校施設のガイドラインをまとめていくことと併せて、様々な推進方策をしっかりと進めていく必要があり、第1部の推進方策の中にまとめる内容も踏まえつつ文部科学省としては地方公共団体へ心のバリアフリーの好事例の普及啓発を行い、しっかりと啓発活動を進めていきたい。
  交流及び共同学習の円滑な実施の具体化については、学校施設整備指針の中で、より具体の各室計画等についての記載があり、それとのバランスの中で、どのような配慮を記載できるか改めて確認する。
  第1部の2ページ目の地域との連携・協働という部分の記載は生涯学習という部分の記載が中心になっているが、生涯学習の視点だけではなくて、新学習指導要領に盛り込まれた社会に開かれた教育課程の実現ということも重要な視点であるので、指摘を踏まえ記述の充実も含めて調整したい。

○ 「はじめに」の部分は、バリアフリー化推進指針の改訂に資する重要な骨子になる。独立して章立てにしても良いと思う。

○ 12ページの第1章の1、(2)「学校施設のバリアフリー化等の教育的な意義に配慮」の部分で、先ほども下から2行目の「障害者等」のところを「社会モデル」に変えるという意見があった。その前に「多様な」という言葉を記載していただきたい。
  次の第2章で、様々な配慮の記載が出てくる中で視覚障害と聴覚障害が例示として挙がっており、知的障害、発達障害やそのほかの障害の人にも有用な内容が含まれているが、障害の名称が出てこない。「多様な社会モデルに対する理解」と記載すると、いろいろな障害のことも含まれていることが伝わると思う。

・事務局から資料3-2に基づき報告書素案の第2部の「第2章学校施設のバリアフリー化等に係る計画・設計上の留意点」について説明。

○ 15ページの「計画・設計上の基本的留意事項」の(3)について、バリアフリー化等の事後点検の実施と記載されているが、事後点検だけではなく、設計段階から、障害当事者参画の下でやる必要がある。バリアフリー化の設計段階や事後点検の実施の際の障害当事者の参加という記載にして、障害者が参画した中で設計を進めていくことと、事後点検を実施するときに、地域障害者団体等の協力も得て組織をつくることを記載して欲しい。
  新たに(4)としてユニバーサルデザインを入れて欲しい。第1章にも書かれているが、基本的留意事項にも章を設けて、例えば学校のバリアフリー化に当たっては、ユニバーサルデザインの考えを踏まえ、みんなの学校となるよう、全てのエリアに全ての障害のある者がアクセスし、利用できることを基本とすることが重要であることや、物理的なバリアフリーだけでなく、情報バリアフリーその他の配慮を含むことを入れて欲しい。
  17ページの(2)丸1について、可能な限り遠回りとならない動線を設定することは非常に大事だが、障害の有無により分け隔てられることなく共に利用できることを記載して欲しい。
  18ページの一番上、「利用しやすい教室等」のところの「等」に何が入るのか、具体的に言うと、特別支援学級だけでなく、通常学級や音楽教室を含む特別教室等、全ての教室、あるいは食堂など学校設備の利用も含まれることを分かるようにして欲しい。
  19ページの(4)、(5)について、エレベーターの丸4「障害のある児童生徒等が、休憩時間内に円滑に移動できるよう、要所にエレベーターを設置することが望ましい」と記載されているが、ユニバーサルデザインの観点からすると、主要な経路はある意味で全ての教室までの経路であるため、丸4を丸1に加えて、「望ましい」を「重要」という記載にして欲しい。
 トイレの丸6「障害のある児童生徒等が休憩時間内に教室を移動しながら利用することを考慮し、各階に車いす使用者用便房を設置することが望ましい」を丸1に統合し、「設置することが重要である」として欲しい。
  最後に、今、文部科学省の中でICTを学校教育の中で活用することについて検討がされていると思うが、その中で、デジタルデバイドが生じないよう、情報のアクセシビリティーや多様な障害に対する配慮について記載して欲しい。
  その他にもJDFとしてまとめた意見を文書で提出しているので検討をお願いしたい。

● 事後点検に、設計段階から障害者等の参画が必要という部分については、関係者の参画と理解・合意の形成という中で、計画・設計する際にそうした意見を踏まえて検討していくという部分の記載を追記しているので、そのバランスも含めて検討していく。意見をいただいた部分は、事務局で検討する。

○ 第2章は、計画・設計上の主要な留意点を書いているので、学校のバリアフリーのデザインマニュアルではないという考え方でよいか。
  例えば階段のデザインなどでは、視覚障害の方、弱視の方のため、私はいつも設計者には、蹴上げと踏面の色を鮮やかに変えて、認識しやすいようにデザインして欲しいとか、エレベーターには、車椅子の方が正面で入ってきても後ろのドアが見えるように鏡をつけて欲しいとか、あるいは、車椅子がすれ違える幅員はこのくらいなので、トイレの入り口の幅を考えるときはこういうことを考えてデザインして欲しいとか、細かく伝えているが、この章はそこまでは書かないということで良いか。
  規格のレベルをどの辺に設定するかを、もっと全体的に整えたほうが良い。

● 指摘のとおり、このバリアフリー化推進指針は、全て事細かなデザインマニュアルを記載したものではなく、計画・設計上の留意点を示したものである。これとは別に、国土交通省で策定している高齢者、障害者等の円滑な移動に配慮した建築設計標準がある。今後、この推進指針の改訂を踏まえて、文部科学省として事例集の作成などを行う。この事例集の中で、自治体の事例などを取り上げていく際は、指針の内容に加えて、創意工夫として取り組んでいることなども紹介する中で、より使いやすい、より分かりやすい計画としている事例も取り上げていくことを考えている。

○ 一般的な新築・改築の時のバリアフリーデザインは一般によく理解されている中で、特に既存学校施設のバリアフリー化を実現したグッドプラクティスの事例集などを分かりやすい形で出版することが重要だと思う。

○ 学校施設バリアフリー化推進指針、学校施設整備指針、バリアフリー法に基づく移動等円滑化基準、さらに高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準等と、様々な指針や整備基準が示されているが、これらの関係性をもう少し冒頭で分かりやすく説明することが必要だと思う。特に新築の場合、バリアフリー法に基づいて移動等円滑化基準に沿った整備義務が生じるが、一方で既存施設については、移動等円滑化基準をそのまま適用するのが難しい場合に、このバリアフリー化推進指針や学校施設整備指針を一つの手がかりとして整備を進めていくことにもなると思う。また、バリアフリー化推進指針は、個人的な解釈となるが、学校という特性を持った「地域施設」においてユニバーサルデザインやバリアフリーの観点から必要な整備について記載したものである。一方、学校施設整備指針は、より子供たちの「教育施設」として備えるべき学校施設の機能、その中でも障害のある子たちの教育環境についても触れられていると理解しているが、いずれにしても各々の位置づけと関連性を明示していただきたい。
  18ページの4の「使いやすく安全で快適な各室計画」の(1)の「利用しやすい教室等」について、教室にたどり着けるだけではなくて、その中で授業する、あるいは授業を受けることを考えたときに、黒板の前から、ランドセルが置いてある背後への教室内の移動を円滑にするといった観点も大事だと思う。
  約60平方メートルの中で40人の机、椅子を並べると、非常に通路幅が狭くなる。大学の講義室でもそうだが、車椅子の教員が前で授業すると通路幅が狭くて後ろに非常に行きにくく、学生に対する指導も難しくなる。これは、小学校や中学校の教室でも同じような側面があり、車いす使用の子供たちにとっても教室内の移動のしにくさという同様の課題があるのではないか。ぜひ、教室に行けるまでの移動を保障するだけではなく、教室内の移動も非常に重要であるという観点を入れていただきたい。

○ 法あるいは様々なガイドラインとの関係性を踏まえた上で、設計者や計画者、事業者は整備計画を立てることになると思うが、デザインマニュアルはないため、少し整理、説明が必要。

● 各種ガイドラインや法令との関係性について、指針の中で触れることも考えられる。加えて、できるだけ分かりやすく関係性を図示していくといった工夫も必要と思う。自治体等への周知にあたっては、指針の改訂と併せて、具体的に円滑化基準としてどのようなことが求められるのかを簡潔で分かりやすく丁寧に示していくようにする。
  2点目の教室の中の話については、学級規模との関係性などが出てくる部分があり、どのような工夫が考えられるのか省内において検討する。

○ 教室内等での移動については今回の改訂指針の中でどこまで細かく書けるかという点もあるが、事例集等でグッドプラクティスを紹介していく必要がある。

○ 18ページの4の「使いやすく安全で快適な各室計画」(1)に、発達障害の特性にも配慮いただいた記載をしていただいており感謝する。
  その前の17ページの(3)「認知・把握がしやすい明確な空間構成」と矛盾するところが、これから事例集を作成する際、出てくる可能性がある。発達障害、知的障害あるいは聴覚障害の方で、感覚が過敏な方がおり、それは18ページの記載で配慮していただいているが、17ページの(3)で、例えば壁を取り払って、行動を教師たちが把握しやすくするという形にすると、むしろ居づらい空間になってしまうので、事例集の作成のときは留意をしていただきたい。

○ 参考資料5の「公立学校の施設の整備」の令和時代の学校施設のスタンダードで要望していることと関係して、既存の学校施設のバリアフリー化の推進とも関わるかもしれないが、1つは、ICTの活用について、GIGAスクールを進めようとするときに、これまでの学校施設整備指針ではコンピューター室等の項目で整備について記載しているが、それだけでは不十分になるだろうと思う。どのように整備していくか、全体の中に位置づけておく必要がある。
  2点目は、学校における医療的ケアについて、必ず各学校に体制を整備するということが「学校における医療的ケアの実施に関する検討会議『最終まとめ』(平成31年2月)」に書き込まれており、基本は保健室等で対応するのかもしれないが、今後医療的ケアの対応のため、学校医と主治医とが連携するような場所をつくらなくてはならない。そうすると、施設整備指針の中に入れていくことも含め、全体計画の中で書き込んでいく必要がある。
  それから、今、中教審で検討が進んでいる「令和の日本型学校教育」に関して、個別最適な学びについてというようなことが論議されているが、今回の障害者に関わる学習活動とも関係しているので、改めて整理をしておく必要がある。

● 平成31年3月に改訂した小学校の指針においては、ICT化の積極的な推進というところの動きも踏まえた改訂とはなっているが、GIGAスクール、1人1台端末環境ということを前提としたものにはなっていない。そういう社会情勢の変化などに対応して、整備指針の見直しということが今後必要になってくることは理解している。
  バリアフリー化推進指針の見直しの検討状況も、学校施設の在り方の協力者会議に報告させていただきたいと考えている。この会議の中で、今後それらの情勢等を踏まえて、整備指針をどうするかも今後の課題になってくるので、それらをしっかりと関連づけて考えていきたい。
  そのほか指摘いただいた点などについて、個別最適な学びへの対応なども含めて、どのようなことが考えられるか検討していきたい。

○ 19ページのトイレに関して、9月の緊急提言では、例えばトイレの洋式化については、バリアフリーの視点からも重要であるということと、それから避難所として使われる屋内運動場について、障害者等に配慮したトイレの設置などのバリアフリー化が必要であるという書きぶりがある。
  19ページの(5)の丸1から丸13を見る限り、特に触れている部分がないのは、トーンダウンしている印象を受ける。
  屋内運動場に多機能トイレという直接的な表現は、(5)の中にはないが、例えば適切な位置に確保という記載に含まれているのか、それとも、盛り込めないのか。

● 今の整理の中では、小中学校等の学校施設整備指針の中にトイレの記載があり、その中に洋式便器を採用するなど、生活様式、児童のニーズ等を踏まえた便所を計画することが重要だということが明記されている。ただ、今回のこの会議の中でも、バリアフリー化という視点において洋式化が重要だということを指摘いただいているので、記載の追記について検討する。
  2点目、運動場における配慮については、13ページ、第1章の基本的な考え方の(5)、災害時の避難所となることを考慮という中で、「災害時の利用も考慮し、校舎のみならず、屋内運動場なども含めた学校全体のバリアフリー化を図ることが重要である」という記載をしている。
  第2章で書かれている計画・設計上の留意点に、一つ一つ、校舎は、屋内運動場はという場合分けを全て書くと非常に煩雑な見え方になるため、校舎だけではなくて屋内運動場も含めた形で追記している。

○ 設置者の立場では、既存施設をどうしていくのかがとても重要である。新築や増改築は、新築で50年、60年間隔、増築・改築等も何十年単位になるため、既存施設をどうしていくかという好事例集の発行は、全国の設置者にとって大変参考になると思う。
  それから、18ページの(1)「利用しやすい教室等」の丸4で、落ち着きを取り戻すことができる空間と記載があるが、この10年間で落ち着きを取り戻すことについて困っている子供たちが倍増しており、ここを記載してもらったことで、施設整備指針にもあるが、これが一気に進んでいくのではないかなと感心した。

○ 指針に基づいて作るだけではなく、建築された後が大事だと思う。学校の中にも、バリアフリーの視点で作られたものが様々あるが、使っていないと、結局それがおざなりになってしまう。例えば時々目にするのが障害者用のトイレに鍵がかけられて、しばらく開けられていないとか、点字ブロックに物が載っていて危険になっているというところも中にはある。
  だから、出来上がった後、これをどう維持管理・点検していくのかということが重要。

・以上で意見交換を終了
・事務局より資料の4に基づき今後のスケジュールについて説明。参考資料5に基づき令和3年度概算要求について説明

―― 了 ――

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大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課

指導第一係

(大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課)