今後の国立大学法人等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議(令和元年度~)(第8回) 議事要旨

1.日時

令和2年12月22日(火曜日)13時30分~15時30分

2.議題

  1. オンライン会議(Cisco Webexを用いて開催) (事務局:文部科学省旧庁舎4階文教施設企画・防災部会議室)

3.出席者

委員

アリソン・ビール委員、有信委員、上野委員、岡委員、小谷委員、清水委員、下條委員、髙野三重県戦略企画部副部長(鈴木委員代理)、竹内委員、伹野委員、恒川委員、土井委員、西尾委員、宮浦委員、山内委員、吉村委員

4.議事要旨

(○委員の発言、●事務局の発言)

議題1 次期国立大学法人等施設整備5か年計画策定に向けた最終報告(案)について

・事務局より資料1、資料2について説明。

○この形で取りまとめをさせていただきたい。何か御意見あれば伺いたい。

○資料1の94ページと資料2の2ページ、イノベーション・コモンズで必要とされる知のインフラには、配管・配線だけではなく、ネットワークや情報インフラもライフラインとして更新をしていくことが分かるようにしていただきたい。

○資料1の3ページのデジタルトランスフォーメーションと、15ページの「コモンズ」の注釈は、この文章の中での意味が説明されており、一般的な説明とは違うように感じる。

○世の中では、デジタルトランスフォーメーションという言葉が様々な意味で使われている。そこで、その言葉を本報告ではどのような意味で用いているのかということを脚注で明確に示している、ということで一般的にご理解いただけるのではないか。

○今の助言を入れて最終報告とさせていただいてよいか。

(異議なしの声)

○特に異議はないので、これで取りまとめをさせていただく。昨年度から1年間にわたって闊達に御議論いただき、ありがとうございました。各委員から、取りまとめにあたって、この計画を実効性のあるものとするために、御意見やアイデア等をいただきたい。

○コロナ禍を受け、情報通信に支えられて教育をしていかなければいけないことを関係者一同が認識した。そういった点が今回の取りまとめに反映されていることが非常に大事。今後は対面と遠隔のハイブリッドをどのように両立させていくかが非常に重要になる。教育や実験研究を情報通信やデータ共有でどのように支えていくかを、本会議だけでなく、科学技術・学術審議会学術分科会や今後設置されるデジタル庁等と連携して、方向性を探っていただきたい。

○イノベーション・コモンズの議論を進めてきたが、コロナ禍を受けて、タイムリーにその内容が反映されているところが読み手にとっても非常に意義がある。今後のラボデザインの在り方に関する調査研究協力者会議において、「特色あるラボデザインの事例集」が公表されており、それと一緒に確認することで、今までの事例を見つつ、今後の戦略を考えるに当たって重要な文書になるのではないか。国立大学等においては、教育研究の充実に、この次期5か年の方向性を反映しつつ戦略を練ることが重要となる。例えば、国立大学に本最終報告を読んでどのように思ったか、どのような戦略を立てていくかといった考えやコメント、意見などを200字から300字で頂くことが1つのアイデアとしては良いのではないか。

○今回の取りまとめにおいては、「共創」が1つの大きなキーワードになった。国立大学が置かれている立場は、社会の問題が非常に複雑化している中で、大学間の連携のみではなく、社会の様々なステークホルダーと共創(コ・クリエーション)していかないと問題の解決がままならないといった状況である。共創の場として、大学のキャンパスをどう考えるのか、施設をどう考えるのか、建物をどう活かしていくのかといったことを考えていくことが、国立大学の施設を充実・整備していく新たな方向性でのシナリオとして考えられる。今回の会議では、三重県知事にも議論にご参画いただき、国立大学の施設を社会全体でどう支えていくのかといった方向性を出せたことによって、共創の場を拡充していく観点からの支援が得られる可能性が出てくることを期待したい。今回の報告書をもとに、共創を推進する場といった視点からのアウトリーチを今後さらに強力にすることによって、国からの財政支援をより強めていくという方向性を本会議の成果として出せたのではないか。

○コロナ禍を受けて、改めてキャンパスの在り方を本質的に考える非常にいい機会となった。教育や研究、イノベーションがやはり大事であり、それを生み出すための場や空間が、本質的に大事だということを改めて感じた。リアル空間やバーチャル空間、いろいろな技術の進歩の良さをうまく取り入れながら、必要な空間や場をどのように進化させていくのかは、引き続き考えていくべき課題ではないか。

○新しい方向性を出すタイミングとしては非常に良かった。コロナと戦うために、大学の中のチームが一丸となって対策を取るようになった。例えば、医学部だけではなく、エンジニアリングの専門家や数学者、統計学者、社会学者、人文科学者の人達が一緒になってコロナの研究に関わるようになった。大学だけが動いたのではなく、大学は製薬会社など外部の組織とも組んで、大きく貢献した。今回のイノベーション・コモンズを発信するタイミングはすごく良かった。イギリスの場合だと、コロナの前は、社会の中で大学はどういう役割があるのか、大学の先生は社会とかけ離れて研究をしていると思う人もいたが、コロナになって、その考えは変わり、大学が社会の問題を解決する使命を持っているとの理解が深まった。今回は、イノベーション・コモンズというコンセプトを広げるとともに、社会の中の大学の役割や地位を上げる良いチャンスなのではないか。

○イノベーション・コモンズという大きなコンセプトを実現するために、交流の誘発、活動の可視化、フレキシビリティーの確保という具体的な3つの文言を、15ページに記載いただいた。コロナに対する学生のアンケートの結果を見ても、この3つのことを学生たちが望んでいることを再確認できた。

○第4期中期目標中期計画を策定している中で、イノベーション・コモンズや共創の場というキーワードは、大変素晴らしい理念である。本学では、コロナ禍での冬季の対面授業における教室の換気の留意点について、実際に教室のCO2濃度を測定して、その結果に基づく提言をとりまとめた。また、特定機能病院として地域医療の最後の砦となっている中で、お見舞いが禁止されて家族と会えないのが辛い患者さんもおり、例えば遠隔で家族と面談できるようなシステムを整備する等、患者さんに安心して病院に来てもらえるような、新たな感染症に対応できる病院施設整備計画が本当に重要だと感じている。

○「イノベーション・コモンズ」というキーワードによって、大学が持つ役割、社会の中の役割を非常に明確に打ち出せたことは重要である。大学の持つ機能が多様になってきて、社会の中での役割も変わってきているが、コロナの中で、社会の中の大学、地方の中で様々な意味での文化や活動の中心ということを強く感じた。コロナで制限がある中で、どういう機能が本当に必要なのか、知恵や情報が集まる場としての大学と物理的な空間で人が交わることの大切さと両方を強く感じた。非常にクリティカルな時期に取りまとめを行い、文章として表せたことは大変重要なことであった。さらに皆さんでアイデアを共有できるように、報告書がたくさんの方に読んでいただけるように努めていただきたい。

○大学に着任したときや、幾つかの大学を訪問したときには、企業の人や、他の組織から来た人が安心して研究活動ができる場が少ないという印象があった。ステークホルダーと本格的な連携をするためには、情報や物のコンタミが起こらない空間が必要である。特に首都圏や大阪からの関係者の行き来は減っているが、物や情報については安全に管理する必要性は非常に高まってきている。今回取りまとめた資料は、地方国立大学の関係者にはかなり読まれており、既に県や企業との間で、この資料を踏まえて、オープンイノベーションラボ、オープンイノベーションオフィスを造る動きが始まっている。構想は1年、2年かかるが、規模やどういったことを行うのかということを十分検討していこうと動いている。

○ICTが建築や設備と並ぶインフラとして位置づけられたということは非常に大事で、大学にも認識が広まるとありがたい。設備や建築に比べて、情報系はルールがまだあまりできてなくて、この報告書が出たと同時に、必ず情報設備については情報関係の部署に相談するということを一言添えていただけるとありがたい。情報では、Continuous Integration、Continuous Developmentということで、サービスを動かしながら改善していくというのが当たり前になってきている。建築も同じように、情報と一緒に進化できる形がこれから探れれば良い。

○知事からコメントを預かっているので、代読させていただく。新たな感染症への対応等も含め、これまでしっかりと議論してきたことが、最終報告として取りまとめられた。文部科学省においては、この報告に込めた私たちの思いをしっかりと受け止め、次期国立大学等施設整備5か年計画を策定していただきたい。そして、この計画を絵に描いた餅に終わらせず、ぜひ実現をしていただきたい。地域の重要な教育研究拠点である国立大学等には、今後とも施設設備面を含め、十分な環境の下で教育研究機能をしっかりと果たしていただき、地域の将来を支える人材育成や地域産業の活性化などに重要な役割を担っていただくことを期待している。次期5か年計画の初年度に当たる国の予算では、国立大学等のライフライン等についても、防災・減災、国土強靱化のための5か年計画の対象となり、予算額も一定確保された。これは、この最終報告に提言として盛り込んだことであり、次期5か年計画実現のための第一歩であると受け止めている。三重県知事、全国知事会地方創生対策本部長として、今後とも国立大学等の施設整備に関して、文部科学省をしっかりと応援していきたい。文部科学省においては、次期5か年計画を実現するという強い覚悟を持って、予算確保をはじめとする各種取組を展開していただくよう期待している。

○ここ10年ほどアクティブ・ラーニング・スペースの整備に取り組んできた。この報告書においては、キャンパス全体をイノベーション・コモンズという形で、様々な人たちが集まり、そこで共通の課題について検討し、未来を共創していくという、本来大学が持つべき機能を施設整備という形で具現化するということを絵に描いていただいた。様々な人材が集まって、相互に学び合う、あるいは経験を共有し合うことによって、教育や研究、産学連携といった切り分け方ではなくて、共通の課題について、様々な人たちが交ざり合って、次の時代をつくっていくという環境が大学のイメージとして定着していくことを心より願っている。

○全国にある国立大学や国立高専などの次期施設整備計画が、当初の予想以上の内容でまとめられた。イノベーション・コモンズという新たなコンセプトが今回の計画に導入されたことが非常に大きい。教育研究の高度化、多様化にとどまらず、地域創生や国際化の拠点として、あらゆる国立大学やあらゆる国立高専などの施設が有効に活用される計画となっている。さらに、コロナ禍によるポストコロナを見据えた内容も含んでおり、大変すばらしい。我が国の状況を見ると、加速している人口減少と長寿社会に対する国立の施設の役割と、それに対する期待は大きい。全国民を対象とした、例えば生涯教育とかリカレント教育などの取り入れと発展も、このイノベーション・コモンズに含まれるということで非常に大きな期待ができる。全国に51校ある国立高専の立場から見ても、高専のキャンパスが社会に開かれた重要な拠点になることが、今回の計画で確認でき、本当に有意義な会議であった。

○日本建築学会で実施したコロナ禍でのアンケートについて紹介する機会をいただいた。学生たちがキャンパスをリアルな交流やコミュニケーションの場として非常に重要だと思っていることや、キャンパスに行きたいと思っていることが力強く訴えかけられていた。コロナによって困ったことやできなかったこともたくさんあるが、一方で、多くの人にとってやればできるという発見があった。出張ができなくても、オンラインでコミュニケーションの機会が増えるといったことは、これからのキャンパスや大学での働き方や学び方、キャンパス自体の在り方にも大いなるヒントになっている部分もあるのではないか。イノベーション・コモンズは、そういうものを先んじて発信している言葉で、これらがキャンパス全体を指すという意味で使われることが重要である。イノベーション・コモンズという言葉が、大学の施設整備の中で単なる場の名称として卑近な形で使われないように、キャンパス全体がイノベーション・コモンズであるということが、施設整備に関わる人たちやユーザー、教員まで含めて浸透していくようなことになればいい。キャンパス全体をイノベーション・コモンズと言っても、それだけの施設整備費がつくわけではないので、地域や社会の協力を得て実現に向かっていくことが大事。補正予算や来年度予算が比較的大きな額が確保され、大きなはずみになり、実現されていくことに期待している。

○当初は、大学の施設の老朽化対策の議論だと認識していたが、共創拠点というのを掲げて、その実現のためにキャンパスや施設がどうあるべきかという深い議論ができたのは大変よかった。この報告書にもそれがよく反映されており、大変重厚な報告書になった。 イノベーション・コモンズという考え方は、大学内、あるいは文部科学省においても、十分に市民権を得ているとは言えないので、いろいろな機会を捉えて、大学の今後の教育研究の在り方としてこういうのはどうかというのを提案していくことが必要なのではないか。大学共同利用機関では、大学における教育研究を支える、助けるという役目もあるので、こういった立場でイノベーション・コモンズに導いていくことにどう貢献できるかを今後とも検討してまいりたい。

○今回の取りまとめは、従来のような老朽化対策を中心とした受け身の内容ではなく、地域を含めて国立大学、国立高専、国立の研究所がどのような役割を果たすべきか、施設整備を進めていくべきかという議論ができた。コロナ禍でも、受け身に捉えるのではなく、将来を含めた対応という観点で書き込みができたことは非常によい。委員の先生方の、前向きな様々な提言が系統的にまとめられた。

(有信主査から山﨑文教施設企画・防災部長へ最終報告書手交)

 

お問合せ先

大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室

企画調査係
電話番号:03-5253-4111(内線3247)

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(大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室)