今後の国立大学法人等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議(令和元年度~)(第4回) 議事要旨

1.日時

令和2年4月24日(金曜日)~ 5月1日(金曜日) ※書類審議

2.議題

  1. 次期国立大学法人等施設整備計画策定に向けた中間まとめ(案)について

3.出席者

委員

アリソン・ビール委員、有信委員、上野委員、岡委員、小谷委員、清水委員、下條委員、鈴木委員、竹内委員、伹野委員、恒川委員、土井委員、西尾委員、宮浦委員、山内委員、吉村委員

4.議事要旨

資料 次期国立大学法人等施設整備計画策定に向けた中間まとめ(案)

はじめに P1

○P1-L17他 効果的・効率的な施設整備を進めるために既存施設を最大限活用することは大変理解できるものの,建物の再配置を伴う改築により施設の集約化や空間の高度化を図った方が合理的な場合もあるため,戦略的リノベーションの例示として,改修だけでなく改築も記載してはどうか。

○冒頭で「イノベーション・コモンズ」を具体的に説明してはどうか。

 

第2章 本協力者会議で検討するにあたって P5~P14    

○P7図表7「第4次5か年計画の進捗状況②」において,「ラーニングコモンズ」と「アクティブ・ラーニング・スペース」,表記が揺れているのでどちらかに統一したほうが良いのではないか。

○P11-L28他,「ラーニングコモンズ」と「アクティブ・ラーニング・スペース」という表現が混在している。使い分けるとすれば,アクティブ・ラーニング・スペースという場合は,アクティブ・ラーニングのための什器などが整備された場所を指し,ラーニングコモンズという表現は,アクティブ・ラーニングのための場所を含みつつ,そのような学習を支援するためのサービスなどを含む機能として使われるのが最近の用法である。

 

第3章 国立大学等への社会の期待 P15~P17

○P16-L5(地方創生)「社会課題のソリューション創出」を「社会課題の明確化とソリューションの創出」へ修正。

○P16-L34 とP17-L3 が別の段落で記載されることにより,「共創」の概念と「世界最高水準の研究」が並列しているような印象を受けので,以下のように世界最高水準の研究によるグローバルな課題解決も「共創」の概念に包含されることを明示してはどうか。

・ このような高等教育における「独創」から「共創」への変化は,地方公共団体や産業界など地域・社会への貢献に資するとともに,さらに,国立大学等における世界最高水準の研究により,各国で取り組んでいるグローバルな課題の解決など,地域のみならず世界的な貢献を果たすことも可能となる。
・ 大学自身においても教育研究分野における新たな発見の機会を得るなど,大学・地方公共団体・産業界及び世界との共創が大学の機能強化にも資する,好循環を生み出すものである。

○P17-L4「グローバルな課題の解決」を「グローバルな課題への対応」へ修正。

 

第4章 国立大学等に必要となる活動の方向性と施設 P18~P26

○P18-L14 「また,イノベーションは,主に研究開発の場で生まれるため,「共創」の拠点として,国内外の大学等が共同利用できる最先端研究空間は,大きな成果をもたらすイノベーションの源泉となる。」を追記。

○P18-L30 上段の(イノベーション・コモンズの概念)では,キャンパス全体での「共創」の場としての展開と述べられているが,(イノベーション・コモンズの実現に向けて)では,全体という視点の記述が弱いと感じられる。単体としての室や建物整備だけでなくキャンパス全体として捉えた時により質が高まる空間整備が必要な点を強調すべき。

○P19-L17「学修など双方の活動にバランスよく取り組むことが重要」を「学修活動などにバランスよく取り組めることが重要」へ修正。

○P19-L22「STEAM教育」の意味を追記してはどうか。

○P19-L35「実験・実習等」を「試作・実験・実習等」へ修正。

○P20-L17「実験等が可能な独立ラボ」を「実験や試作等が可能な独立ラボ」へ修正。

○P20-L33「ゲームチェンジ」の意味を追記してはどうか。

○P21-L3 「基礎研究は着実に未来の科学技術を発展させるとともに」を追記。

○P21-L11学術共同基盤の整備についてもハード面の対応を記載すべき。単に一部局や部局横断的な研究施設とするだけでなく,ヘッドクオーターとしての役割も担えることができるような整備とすべき。

○P21-L23「国境を越えた大学間競争」を「大学間の国際的な競争」へ修正。

○P22-L2留学生だけでなく,海外からの研究者についても記載してはどうか。

○P23-L12「国立大学等は社会の縮図であり~」については,全体的なわかりやすさを考慮して文章を整理してはどうか。

○P23-L18今般の新型コロナウイルスの影響拡大防止の観点から,大学のみならず,小・中・高校においてもディスタンスラーニングの重要性が高まってきているが,国立大学が持っている情報系の設備環境等を活かし,地域の活性化等において役割を果たしていく必要がある。そのための施設や情報インフラのさらなる強化が必須である。そこで,以下の点を具体的に追記してはどうか。

・ P23-L25「・災害時や感染症対策等の観点よりディスタンスラーニングの重要性が増大していること等から,日頃から情報インフラや施設を整備することで,地域におけるコンサルティングやリーダーシップを十分に発揮できる環境を整えることが重要。」

・ P24-L1「・地域との連携・支援を意識した施設整備と先導的な情報発信拠点の整備」

○P23-L36情報インフラの整備について,新型コロナウイルス対応に限らず遠隔講義の充実は今後とも必須であることから,「ICTの活用」を「遠隔教育などのICTの活用」へ修正してはどうか。

○P24~25全体的に文章の修正を行うとともに,国としても産業界から大学等への投資を増やすことを目指す方針を決定していること,近年,共同研究による民間資金受入額が増加していること,学生にとっても産学連携に関わることで産業界への理解が深まることなどを追記してはどうか。

○P24-L23「このような大学と産業界との連携~」についての記述は,踏み込みすぎではないか。削除しても良いのではないか。

○P24-L34「ラボやオフィスの整備など,産学連携するためのスペース確保」を「オープンイノベーションラボやオープンイノベーションオフィスの整備(大学と連携する企業関係者とそれに関する大学関係者・学生が利用)など、本格的な産学連携するためのスペースの確保」へ修正。

○P24-L35 「実証実験の場」を「実証実験の場(リビング・ラボラトリ)」へ修正。

○P25-L3「民間と大学がお互いの施設を相互利用」はどのような意図で記載しているのか。

○P25-L33各所に省エネルギーに関連する記載があるが,断熱改修の視点が決定的に欠けている。戦略的リノベーションにとっても,断熱改修は基盤となる環境整備要因であり,断熱性能は数値で表すことができるので,耐震改修が概ね完了した今,次は断熱改修を大きな目標にしてはどうか。具体的には,第6章P33-L9「老朽化した施設の長寿命化改修を含め,戦略的リノベーションを中心に行う。」を「老朽化した施設の長寿命化改修や断熱改修を含め,戦略的リノベーションを中心に行う。」へ修正してはどうか。

○P26-L11フレキシブルな施設整備の内容について,教育研究の変化だけでなく,福利厚生施設等も含めた内容へ修正すべき。

 

第5章 イノベーション・コモンズの実現に向けた課題 P27~P31

○P27-L7第2章で振り返った第4次5か年計画における狭隘解消について,課題として記載がない。どのように整理されたのか記載すべき。

○P27-L14「教育研究の継続・発展に必要な「投資」」を「教育研究の強化・発展により我が国の未来を拓き,成長・発展を支えるための必要な「未来への投資」」へ修正。

 

その他の意見

○SGDs,Society5.0等の新たな時代に備えた国立大学等の施設の議論が急務であり,機能向上や老朽改善の課題も包含した形で,新たなアカデミアとしての姿を示すことが重要。本中間まとめ(案)では,国立大学等が「共創」の場として社会・地域・世界にオープンに活用できる新しいコンセプトとして集約された「イノベーション・コモンズ」を提案するものであり,その趣旨には大いに賛同している。

○after coronaのnew normalとして以下の点をより強調することも考えられる。
・ デジタル化により世界が密接に結びつくとともに,大学等の教育研究や事務手続のデジタル化が急速に進む。これを可能にするキャンパス施設のICT 強化や,学生等が高速で安全なデジタルコミュニケーションにアクセスすることのできるネット環境とオープンスペースの拡充が重要。
・ 産業構造の地殻変動に伴い,基盤設備の産業利用,デジタルトランスフォーメーションやデータ駆動開発に関するプラットホームの整備等が重要となるが,これらに対する大学等の役割についても検討することが重要。

○緊急対応とはいえ,急速に大学教育においてオンラインへの移行が進みつつあること,その結果として,リアルな場所としてのキャンパスの意味合いが従来とは全く変わってきていることなどを記した上で,だからこそ今回の報告書にあるような施設整備のあり方を考えているということをはっきりと打ち出す必要があるのではないか。

○ポスト・コロナについての記述がないことが気になる。多くの大学が閉鎖され,すべてオンライン講義で教育がなされている大学も多く,キャンパスに集まることの意味が改めて問われている中で,withコロナ時代の社会の中で大学の果たすべき役割も変わらざるを得ない。

○今後の課題として,今次の新型コロナウイルス感染症の蔓延によって,遠隔教育シフトが進んでおり,いわゆる「ポスト(あるいはアフター)コロナ」時代の大学の施設というのは,もっと仮想化やオンライン化が進むことを想定しなければならないのではないか。


 

お問合せ先

大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室

企画調査係
電話番号:03-5253-4111(内線3247)

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(大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室)