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今後の国立大学法人等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議(令和元年度~)(第1回) 議事要旨

1.日時

令和元年12月3日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 東館3階 3F1特別会議室

3.出席者

委員

アリソン・ビール委員、有信委員、上野委員、岡委員、清水委員、竹内委員、伹野委員、恒川委員、土井委員、宮浦委員、山内委員、吉村委員、横田三重県戦略企画部副部長(鈴木委員代理)

文部科学省

木村会計課長、奥井高等教育企画課長補佐、星専門教育課長補佐、淵上国立大学法人支援課長、中澤企画評価課企画官、斉藤産業連携・地域振興課長、西井学術機関課長、丸山学術基盤整備室長、林科学技予測センター上席研究官、山﨑文教施設企画・防災部長、笠原技術参事官、藤井計画課長、藤原計画課企画官、小林整備計画室長補佐

オブザーバー

国立大学協会 戸渡常務理事・事務局長

4.議事要旨

・ 事務局より委員の紹介、配布資料の確認

●議題1 主査の選任及び会議の運営について
・ 事務局からの提案及び委員の同意により、主査として有信委員を選出。
○ アメリカやイギリスの大学施設は立派に見え、特にアメリカの大学はきれいな建物で、その中で優雅に学生たちが勉強し、成果が上がっている。それに引き換え日本の大学施設は比較的恵まれていると思われている東京大学ですら、老朽化した建物が目に付くような状況。国の予算も厳しい中、財源をどうするかという観点と、どういう方向で無駄なものは廃棄しつつ、新しい大学としての役割を果たすべき形に統合していくかということを頭に置きながら議論を進めていただきたい。

・ 資料1について事務局より説明を行い、委員より承認を得た。

●議題2 これまでの国立大学法人等施設整備に係る取組・課題について
・ 事務局より資料2及び3-1、3-2について、文科省オブザーバーより資料4及び5について説明。
○ 国立大学改革方針という中で地域連携プラットフォーム(仮称)があるが、これから議論する施設整備に何か具体的に関わることがあるのか。プラットフォームというのは具体的にどういうものを指されているのか。

○ 地域連携プラットフォームは、大学・地方公共団体・産業界等が連携して地域の高等教育について議論する場であり、そのガイドラインを年度末に向けて中央教育審議会で検討を進めているところ。プラットフォームの中では、施設の共有の在り方についても議論される事項と考えている。

○ 共創の意味は基本的には地域との共創、国立大学であったとしても、地域との共創が重要だということ。プラットフォームの意味は、具体的に言うと、法人の形をとれば、そこである種の財源を含めた運営ができるということまで一応検討しているとは思っている。

○ 地域連携プラットフォームによって大学と地方公共団体が連携をして、ソフト面での協力体制というのはもちろん、施設的な面でも双方の施設を有効利用することも考えられる。例えば、大阪大学では箕面キャンパスの図書館を箕面市が施設整備をして、共同で使用している場合もある。

・ 竹内委員より「今後の大学における教育・学修を支える施設・環境について」(資料6)に関して説明。
(概要)
・今後の大学の教育の方向性は「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」(答申)が基盤となると考えており、「個々人の可能性を最大限に伸長する教育」へ転換し、学修者の「主体的な学び」の質を高めることが重要。
・ 学修者の主体的な学びは「情報のインプット」「知識の統合」「知識の応用」「成果の公表」の4つのフェーズで考えられる。
・ 情報通信技術の進展などを考慮し,各フェーズに相応しい施設を整備することが重要。例えば,グループワークを行う場が透明な仕切りで区切られていて、それぞれを分離せず、緩やかにつながり、お互いの活動を見る、見られることができるような環境が必要。PBLへの対応では,短時間で準備とか撤収を繰り返すのではなくて、一定期間、グループでスペースを占有できるような場所、場合によっては泊まり込みが可能なような場所というのが本来は望ましいのではないか。
・ 施設整備の3つの基本的な方向性と併せると、①学習者の主体性を中心として、それを伸ばすような多様な形態のフレキシブルな施設・環境、②レジデンスと一体化したような学習環境や学生の主体的な学習に寄り添える施設・環境、③PBLの拠点を地域の中に作り、地域の施設を有効活用していく、という方向性が考えられる。
・ 単に施設を提供するだけではなく、その学習活動を支援する資源、人とコンテンツが一体で整備される必要がある。

○ はこだて未来大学の建物は、学生がPBLごとにスタジオを作って活動し、担当の先生からオープンな感じで見えるようになっており、よく考えて造られている。このような施設を今後、普及させていくことを目指していることは分かった。しかし、教育が変わると先生方の教育方法も変わる。共創に必要な施設整備というのは、施設はもちろん、それを運営するためのノウハウや、教育のやり方、研究のやり方も変えていかないといけない。運営のやり方も変えるのであれば、資金も担保しないといけない。

○ 基本的な考え方では、資金の心配はしないで、必要なものを議論し、必要な資金については次のステップで議論する。


●議題3 今後の国立大学法人等施設整備に係る方向性について
・ 事務局より資料3-1に関して再度説明。
○ 国立大学法人等に期待される役割として、社会の様々なステークホルダーとの連携により、創造活動を展開する共創の拠点タイプが期待される。視点の中に共創を通じて様々な形で地域社会、そして、世界に貢献されていくことが期待されるということが位置付けられたことは、地方公共団体として非常にありがたい。今後、具体化の議論に当たり、例えば地方創生を積極的に推進する大学としての予算配分や評価といったところも出てくるかと思う。今後の制度化の確立について期待する。

○ 昨今、教育内容もアクティブ・ラーニングやPBLを主体にという全体の大きな流れがあり、地域との共創という意味では、地域の社会的な課題を地域社会と組んで具体的に問題解決を進めていくという中で、具体的にどんな施設設備が必要で、それが地域との連携で具体的にやっていけるかということが重要。公民館など、地域として重要な役割を担っているような施設が様々ある中で、それを大学という視点で、共同で何かをやっていくというような話や各大学で工夫をしている教育・学習に関する教室の設備の在り方みたいなものも参考になる。

○ 共創というキーワードで3つの大きな方向性を出して、それを基にしながら活動ということに目を移してまとめる方向というのはよいが、SDGsに関する言及が少ない。第4次5か年計画では、「サステナイブル・キャンパスの形成」という項目があるが、進捗状況はどうだったのか。特に環境配慮というような意味で、内外に発信できる施設整備を推進することを入れていいのではないか。視点の中に地球環境や、地域サスティナビリティに寄与する施設、省エネ、環境教育とか、SDGsの方向性を意識してはどうか。

○ サステナイブル・キャンパスの推進に関しては、現行の5か年計画では、エネルギーの消費量を毎年1%ずつ、5年合計で5%を削減という目標を掲げている。これらはいわゆる省エネ法をもとに目標が設定されている。おおむね、毎年1%ずつ減っている。

○ 毎年1%削減というのは、最低限の条件。SDGsは17のゴールと169のターゲットが具体的に決まっていて、省エネだけではなく、様々な領域横断型に関わる部分もあるので、そういうようなことも少し考えつつ、エネルギーの削減をどうするのか、法律で定められた1%で大学施設はいいのかなど、今後、議論が必要。

○ 西尾委員提出資料の中でも、LEEDの例示があり、これはアメリカの環境基準であるが、今まで我々がターゲットとしてきた省エネというより広い概念になっている。そういったものも含めて検討したい。

○ 2040年の高等教育のグランドデザインの答申を受けて、議論をする必要が2点ある。一つは、社会人のリカレント教育の場として、今の国立大学の施設が、そのまま適用できるかどうかという議論。社会人の再教育というのが必要になってくることに対して、国立大学等の施設が有効に活用できる方法がある。もう一点は、国際化。地域から世界に発信する国際的な議論の拠点が、特に、地方の国立大学等にそういう施設等の機能があると、学生・研究者等が集まりやすくなる。

○ 地方からダイレクトに世界に開くというような拠点の在り方みたいなことを考える必要がある。

○ 社会、例えば産業界や地方公共団体などに分かりやすい5か年計画にということで、この計画そのものは国の計画になるが、書き方も考えるべき。資料3-1は特に、活動中心になっていない。「施設」という言葉で閉じられているが、こういう書き方ではなく「何をしたい」とすべき。施設でなくてもできることはたくさんある、コンテンツ、内容をどういうふうに作っていくのか、中身を作ることが施設整備につながっていく。また、地方公共団体側も受ける人によっては縦割りの枠が打破できず、大学と協働するといった話が進まないという状況もある。何をどのように首長へ訴えるのか、訴えどころが非常に重要。どこのどういうところを訴えていく、働きかけていけばこの計画が実現できるのかというような視点を持つべき。

○ 病院を持つ地方の国立大学という視点だと、知の拠点大学による地方推進事業の中で、地方公共団体のミュージアムや、銀行が支店を閉めてきているので、そこをリノベーションし、大学がサテライトを持つなど、様々なフィールドワークが展開されている。SDGsに関しては、共通教育の中の科目はSDGsの何番に当たるかというのを全て明確にしており、フィールドワーク、地方公共団体や企業との連携を行っている。今、SDGsは学生も非常に情熱を傾けている。また、共同獣医学部という鹿児島大学と山口大学で1つの獣医学部を創っており、離れている中で同時講義だけでなく、ある程度の交流も行うなど、どういうエデュケーションをしているかも参考になるのではないか。また、附属病院は特に地方では唯一の特定機能病院、最後の砦となっており、そういうところをどう考えるか。また、動物病院は財政投融資から外れるが、今後、国際的なトレードの問題でも獣医の教育は非常に重要。

○ 様々な感染症が動物からヒトに感染する中で、獣医と人間の医者との境目も非常に重要な論点。また、1法人複数大学だけではなく、グローバルスタンダードに合わせるために、1大学だけではカバーし切れないものを連携学部といった形も議論になるかもしれない。

○ 大学共同利用機関法人のような研究機関において、重要なことは、いかにして研究者をクリエーティブにできるか、どういう環境を提供することによって、よりクリエーティビティーが上がるかという点。竹内委員のプレゼンは研究者をいかにクリエーティブにするかという観点からも大変参考になる。有信主査より欧米の学生と日本の学生の雰囲気の違いに関して発言されたが、なぜ伸び伸びすることが必要なのかというと、人間がその環境の中で創造的になれるかということだと思う。

○ オックスフォード大学の学習の基本はチュートリアルというシステムで、毎週、学生がテーマをもらい、それに対して莫大な本を読む。例えば1週間に10冊の本を図書館で読んで、テーマやレポート、エッセーを書き、それを毎週、教授に提出して、1対1で議論する。よく考えるとアクティブ・ラーニングのある意味逆である。オックスフォードは、Times Higherでトップ大学であるが、学習方法は900年前からそこまで変わってない。施設や設備を考えるとき、コミュニケーションがとれること、オープンでプロジェクトを一緒にすることはもちろん大事だがそれが全てではなく、バランスをとる必要がある。また、大学のミッションによって必要となる施設・設備が大きく変わってくる。

○ 政府は、大学と企業の本格的な連携を推進するため、企業に対して大学への投資を3倍にすることを求めている。1年程前に産業技術総合研究所から大学に移って感じたことは、先生方に割り振られているスペースが非常に少なく、本格的な企業との共同研究をするインフラが十分ではないことだった。企業との本格的な共同研究をする場合、競争領域で金額が高いが秘密性の高い研究になりやすい。そのような研究のためには二重のセキュリティーや、半常駐する社員あるいはそのプロジェクトの占有スペースを持つことが必要になってくるが、そのスペースが足りていない。それを補うためには、産学連携施設やオープンラボを作り、そのプロジェクトの期間中は大学研究者とパートナー企業とが共同研究をできるようにすることが重要である。また、産学連携の施設については、維持費をどう捻出していくかということがとても重要。本学では、共同研究や受託研究は、占有スペースでなくとも、教員、学生や秘書が関わったエフォートに応じて光熱水費とスペース費を全ての共同研究プロジェクトで積算するということを導入した。ほとんどの大学・国立研究所の場合、占有スペース分のスペース代や光熱水費は徴収するが、占有スペースではない場合には、企業に負担を求めていない。取っていないのではないか。もう一つは、修繕と維持費についてはタイミングがずれるので、施設の修繕や維持に係る費用が特別な事務作業が発生せず繰り越しできると、研究室の先生方も計画を立てて、しっかり維持管理ができるようになると思う。

○ 3つの基本方針について、この3分割でどれをやるかという議論にならないようにしなければならず、大学はこれ3つ全てをやっていく必要がある。大学のタイプによって優先順位が1、2、3なのかということにどうしてもなりがちになってしまうが、3つを見据えて、例えば研究の高度化に向けた設備を作りながら、実はそれは高大接続や地域連携に使い方を少し変えるととても役立つとか、そういう視点も考えていくべき。各大学でこの3つのための施設・設備を潤沢に準備することは難しいので、各大学の優先順位を考えて作ったものが実は社会との連携にもとてもよく使えるといった波及効果などもよく考えつつ進めていくべき。

○ 産業界としても、「3倍増」や「組織対組織」の連携、大学の「財源多様化」といった議論に参画してきた。産業界による大学に対するある種の貢献といったものが期待されているようには感じる。経団連も、Society5.0ということで、共に創造する未来ということも言っており、正に「共創」という言葉はそのとおりだと思っている。また、そういった取組がSDGsにも資すると考えており、産業界自体も同じ流れで発信している。オープンイノベーションやイノベーション・エコシステムといった言葉が本当に今この国に必要だと感じている。産業界も大いなる変革期にあり、新しい時代を乗り越えていくための知識や人材などを本気で求めている。今後は、産業界が大学に、狭い意味での「貢献」にとどまらず、もっと「投資」したくなるような、魅力ある大学像を出していくことが必要。地域においては、地域の活性化について考えている地方公共団体とも積極的に連携していくべき。大学が閉ざされた存在ではなく、幅広いステークホルダーを巻き込み、期待され、そしてその期待に応えられるものになるという観点が、施設の整備についても必要。

○ 大学は自分たちの役割というのを考えていくということ必要。色々な観点の意見が出たので、これをベースに、今後まとめていく次の論点につなぐ形にしたい。大学が多様な中でどういう役割を果たすか、教育研究において学生や研究者が本当に力を発揮できる、ステークホルダーを巻き込んだ形での活動という観点を整理した上で、次回以降議論を進めるようにしていきたい。


●議題4 その他
・ 事務局より資料7について説明。

―― 了 ――

お問合せ先

大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室

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電話番号:03-5253-4111(内線3247)
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(大臣官房文教施設企画・防災部計画課整備計画室)